説明

移動通信システムにおける基地局及びリソース割当方法

【課題】基地局及びユーザ装置間の伝搬遅延を補償するように、基地局からの下りリンク(DL)のサブフレームが終了する前に、ユーザ装置からの上りリンク(UL)のサブフレームが始まる移動通信システムにおいて、ULサブフレームの割り当てが、DLサブフレームの直後であった場合に、DLサブフレームの末尾部分をユーザ装置が無視する機能を許容したことで、DLサブフレームについて誤りとなってしまう問題を解決すること。
【解決手段】基地局は、DLデータを含んでいない基地局のサブフレームが終了する前に、ULデータを含むユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第1の基準、DLデータを含む基地局のサブフレームが終了する前に、ULデータを含んでいない(又はACK/NACK以外の信号を含む)ユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第2、3の基準にしたがって、DL及びULのスケジューリングの動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける基地局及びリソース割当方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムに使用可能な複信方式として、時分割複信方式(TDD)及び周波数分割複信方式(FDD)がある。時分割複信方式(TDD)は、同一の周波数において、送信する期間及び受信する期間を交互に切り替える方式である。周波数分割複信方式(FDD)は、送信用の周波数帯域と受信用の周波数帯域を別々に設定することで、原理的には、送信と受信を同時に行うことができる。しかしながら、送信用の周波数帯域と受信用の周波数帯域が比較的接近していた場合、ユーザ装置(UE)が下りの信号を受信しながら、同時に上りの信号を送信すると、送信している上りの信号の帯域外信号が下りの信号の受信帯域に漏れ込み雑音(desense雑音)となってしまうことが懸念される。このような観点から、周波数分割複信方式(FDD)において、上り信号の送信時に下り信号を割り当てないよう制御を行う複信方式が提案されている。この方式は、半二重方式による周波数分割複信方式(Half Duplex FDD)と呼ばれている(これについては、例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
一方でユーザ装置(UE)はその位置に応じて基地局装置(eNB)からの距離が異なる。そのため、基地局(eNB)及びユーザ装置(UE)間の伝搬遅延はそれぞれのユーザ装置(UE)ごとに異なることになる。この伝搬遅延の影響により、下り信号を受信しその下りフレームに同期して各ユーザ装置(UE)が送信を行った場合には、基地局(eNB)に到達する受信タイミングがそれぞれのユーザ装置(UE)ごとに異なってしまう。この場合、基地局(eNB)で受信信号の分離が困難となり、上り信号の品質を劣化させてしまう。そのため、この伝搬遅延を補償し、基地局 (eNB)において、各ユーザ装置(UE)からの上り信号が同時に到達するように、その伝搬遅延に応じて上り信号の送信タイミングをずらして送信する方法が利用されている。つまり、基地局(eNB)からの下りリンクのサブフレームが終了する前に、ユーザ装置(UE)からの上りリンクのサブフレームが始まるようにし、基地局(eNB)は、セル内の様々な場所に存在する様々なユーザ装置から、上り信号を同時に受信することができる。
【0004】
図1は、基地局(eNB)から送信される下りリンクのサブフレーム(eNB−DL)及び或るユーザ装置(UE)から送信される上りリンクのサブフレーム(UE−UL)を、そのユーザ装置(UE)の下りリンクサブフレームの受信タイミングに合わせて示したものである。概して、基地局(eNB)が下りリンクのサブフレーム送信を行う間、ユーザ装置(UE)からの該当する下りリンクサブフレームと同じサブフレーム番号を持つ上りリンクのサブフレーム送信は行われていない。また、ユーザ装置(UE)が上りリンクのサブフレーム送信を行う間、基地局(eNB)からの上りリンクサブフレームと同じサブフレーム番号を持つ下りリンクのサブフレーム送信は行われていない。
【0005】
図示されているように、基地局(eNB)及びユーザ装置(UE)間の伝搬遅延を補償するために、ユーザ装置(UE)の上りリンクのサブフレームのタイミングが、基地局(eNB)の下りリンクのサブフレームのタイミングに対して、ある時間差の分だけ先行している。基地局(eNB)で他ユーザ装置(UE)の状況も考慮した送信タイミング時間差を算出し、各ユーザ装置(UE)に通知される。これにより、基地局(eNB)及びユーザ装置(UE)間の伝搬遅延を補償することができる。時間差は、一般的には、基地局(eNB)及びユーザ装置(UE)間の距離を往復するのに要する時間に等しいが、その制御量は基地局(eNB)に実装されているアルゴリズムに基づいて決定される。下りリンクにおける伝搬遅延及び上りリンクにおける伝搬遅延双方に対処するためである。このような時間差が存在すると、異なるサブフレーム番号を送受信する場合においても、該当ユーザ装置(UE)に対する基地局(eNB)の下りリンクのサブフレームが終了する前に、ユーザ装置(UE)の上りリンクのサブフレームが始まってしまう場合がある。つまり、下りリンクにおける基地局(eNB)からの送信と、上りリンクにおけるユーザ装置(UE)からの送信とが切り替わる際に生じる。

例えば、LTEシステムの場合、あるサブフレームで下りデータ信号を受信したユーザ装置(UE)は、そのサブフレームから4つ後のサブフレームにおいて、送達確認信号(ACK/NACK)を送信することになっている。したがって、このような送達確認信号(ACK/NACK)の直前に下りデータ信号が送信された場合、下りリンクのサブフレームが終了する前に、上りリンクのサブフレームが始まってしまうことになる。また、その他にも電話等の双方向通信においては同時に上下回線を利用するトラヒックが発生してしまうために、同様に上記のような現象が発生してしまう。
【0006】
このような状況において、ユーザ装置(UE)が下り信号を受信しながら、上り信号を送信するために、上り信号が下り信号の雑音(desense雑音)になってしまう。この雑音の影響に対処するため、ユーザ装置(UE)が、該当する下りリンクのサブフレームの末尾部分の受信を放棄する、すなわち末尾部分を無視することを許容することが検討されている(この点については、非特許文献2参照。)。無視される末尾部分は、本条件において、各ユーザ装置(UE)の送信タイミングの調整量に依存する。そのため、サブフレームがそのサイクリックプレフィックス長に応じて7個または6個のOFDMシンボルを含んでいた場合、一般的には1OFDMシンボル程度である。ただし、この無視されるOFDMシンボル数はセルのサイズに依存し、10km程度のセルであれば、1シンボル程度で済むが、より大きなセルの場合は2以上のOFDMシンボルに相当することになる。
【0007】
他方、基地局(eNB)が下りリンクにおいて送信する信号は、適応変調符号化方式(Adaptive Modulation and channel Coding:AMC)により、データ変調及びチャネル符号化が施されている。データ変調方式及びチャネル符号化方式の組み合わせ(伝送フォーマットの種類)は、予め複数個規定されており、どの組み合わせが使用されるかは、MCS(Modulation and channel Coding Scheme)、MCS番号又はMCSレベルにより指定される。MCSレベルは、達成しようとするスループットに応じて適応的に選択される。この場合において、1つのサブフレームで送信される信号は、コードブロック(code block)と呼ばれる単位でチャネル符号化される。コードブロックは、MCSレベルに応じて、複数個のシンボル、1つのシンボル、1シンボル中の複数のサブキャリア等の大きさを有する。一般に、低いスループットのMCSレベルの場合、コードブロックの大きさは、複数個のOFDMシンボルである。これに対して、高いスループットのMCSレベルの場合、コードブロックの大きさは、例えばOFDMシンボル1つ分であり、また、1つのOFDMシンボルが複数のコードブロックが構成されることがある。加えて、OFDMシンボル方向(時間方向)に分散させて、コードブロックを割り当てることは出来ない。
【0008】
図2は、低いMCSレベルの場合における下りサブフレーム及びコードブロックの関係を示す。図中、着色されている部分は、該当するユーザ装置(UE)に対する下り共有データ信号が含まれている部分を示す。低いMCSレベルが選択されている場合、太枠で囲まれている部分のように、1つのコードブロックが複数のOFDMシンボルにマッピングされる、本図中を例とした場合、チャネル符号化の単位であるコードブロックの大きさは、連続するOFDMシンボル4つ分である。したがって、基地局 (eNB)は、誤り訂正符号化を行ったコードブロックを末尾のシンボルを含む4シンボル全体に割り当てている。この場合において、ユーザ装置(UE)が、下りサブフレームに含まれている末尾の1シンボルを無視したとしても、末尾以外のシンボルを適切に受信できていれば、受信した3OFDMシンボルに基づいて、4シンボル分のデータを復調することができる。なお、この際には、誤り訂正符号化の符号化率を大きくした場合に該当し、その復調の成功率は一般的には劣化するがその影響は小さい。ここで、例えば巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC)法による誤り検出は、1サブフレーム全体について行われる。上記の4シンボル分のデータを適切に復調できた場合、先行するシンボルも適切に復調できていれば、このサブフレームについての誤り検出結果は「OK」となる(誤りは検出されなかったことを示す。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TSG RAN WG1#51bis,TdocR1−080598,Seville,Spain,January 14−18,2008
【非特許文献2】3GPP TSG−RAN WG1#51bis,R1−080534,Seville,Spain,January 14−18,2008(2.4 Guard time for downlink−to−uplink switch)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図3は、高いMCSレベルの場合における下りサブフレーム及びコードブロックの関係を示す。図中、着色されている部分は、図2と同様に下り共有データ信号が含まれている部分を示す。MCSレベルが高い場合には、MCSレベルが小さい場合に比べて、1つのコードブロックが割り当てられるOFDMシンボル数が少なくなる。つまり、図2とは異なり、太枠で囲まれている部分のように、コードブロックが割り当てられているOFDMシンボル数が少ない。なお、本図においては、各OFDMシンボルに1つのコードブロックが割り当てられているが、MCSレベルが高い場合には、1つのOFDMシンボルに複数のコードブロックが割り当てられることがある。本例ではユーザ装置(UE)は、1シンボル毎に誤り訂正処理を行う。この場合において、ユーザ装置(UE)が、サブフレームに含まれている末尾の1シンボルを無視した場合、末尾以外のシンボルが適切に受信できていたとしても、末尾のシンボル自体を受信できていないために、該当するコードブロックの情報がまったくないため、その情報を適切に復調することはできない。とくに、 OFDMシンボル方向(時間方向)に分散させて、コードブロックを割り当てることは出来ないために、末尾にのみ割り当てられているコードブロックに関する情報を取得することは困難である。
【0011】
なお、CRCによる誤り検出は、1サブフレーム全体について行われる。末尾のシンボルが適切に復調できていないので、もし、下りサブフレームの末尾に割り当てられているコードブロック以外を適切に受信できていたとしても、このサブフレーム全体についての誤り検出結果は「NG」となる(誤りが検出されたことを示す。)。しかしながら、この誤り検出結果(NG)は、ユーザ装置(UE)が、末尾のシンボルを無視したことで生じたものであり、無線チャネル状態が悪かったために受信に失敗したわけではなく、一般的な誤り検出結果とは大きく異なる。
【0012】
加えて、ユーザ装置(UE)の通信状態やパケット誤り状況はそのチャネル状態に大きく依存するため、あらかじめ設定されている受信品質レベル(例えば、所望信号レベルと雑音レベルの比)に対応したMCSレベルにて送信が行われる。しかしながら、そのチャネル状態の状況は、実際にはモデル化されているチャネルと異なることが予想されるために、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)から誤り検出結果についての報告(ACK/NAC信号)を受け、誤り率が目標値になるように、MCSレベルを適応的に変更するように動作させることが出来る。例えば、ブロックエラーレートが10−1となるように、MCSレベルを調整する。
【0013】
このような状況においては、上記のようにユーザ装置(UE)が末尾のシンボルを無視した結果、そのサブフレームについて、誤り検出結果として「NG」が基地局(eNB)に報告された場合、基地局(eNB)は、誤り率が目標値になるようにMCSレベルを下げる。例えば、FDD方式が利用できるような場合においても、仮にHD-FDD方式を利用した場合を想定する。この場合、データ変調方式が64QAMであり、チャネル符号化率が7/8である組み合わせのような高スループットを達成可能な受信状況であったとしても、末尾のOFDMシンボルを無視してしまうことにより発生する誤りに対応するために、該当するMCSレベルの代わりに、データ変調方式がQPSKであり、チャネル符号化率が1/2である組み合わせのような低スループットしか達成できないMCSレベルを割り当ててしまうことになる。その結果、このユーザの場合、実際の無線チャネル状態が良く誤り率の目標値を十分に達成できる品質だったとしても、低いスループットしか達成できないMCSレベルが使用されることになってしまう。また、その場合には、他のユーザが利用する無線資源にも影響を与えてしまう。これはリソースの利用効率等の観点からは好ましくない。
【0014】
本発明の課題は、基地局及びユーザ装置間の伝搬遅延を補償するように、基地局からの下りリンクのサブフレームが終了する前に、ユーザ装置からの上りリンクのサブフレームの送信を開始する移動通信システムにおいて、上りリンクサブフレームの割り当てが、下りリンクサブフレームの直後であった場合に、下りリンクのサブフレームの末尾部分をユーザ装置が無視する機能を許容し、その末尾部分を無視する機能のために下りサブフレームについて誤りとなる問題を解決する。加えて、高いMCSレベルを利用できる環境であるにもかかわらず、低いMCSレベルしか割り当てられない制御が発生してしまう問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一実施例による基地局は、
半二重方式による周波数分割複信方式により通信を行う移動通信システムにおける基地局であって、
下りリンク及び上りリンクのスケジューリングの動作を制御するULスケジューラ制御部と、
当該基地局及びユーザ装置間の伝搬遅延を補償するように、当該基地局の下りリンクのサブフレームが終了する前に、前記ユーザ装置の上りリンクのサブフレームが始まるように、該当ユーザ装置の上りリンクサブフレームの送信タイミング制御を行う、送信タイミング制御部と、
前記スケジューラ制御部にしたがって、上りリンクにおける制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行うULスケジューリング部と、
前記ユーザ装置が測定しフィードバックされた下りリンクのチャネル品質情報、及び前記ユーザ装置が受信したデータ信号についての誤り検出結果の情報に基づいて、前記スケジューラ制御部にしたがって、下りリンクにおける制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行うDLスケジューリング部と
を有し、前記移動通信システムにおいて、下りリンクのサブフレームが第1の所定数個だけ続いた後に、上りリンクのサブフレームが第2の所定数個だけ続くフレームが反復され、前記ULスケジューラ制御部は、
下りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいない当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含むユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第1の基準にしたがって、
下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいないユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第2の基準にしたがって、又は
下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局のサブフレームが終了する前に、特定のトラヒック信号を含むユーザ装置の上りリンクのサブフレームが始まるようにする第3の基準にしたがって、下りリンク及び上りリンクのスケジューリングの動作を制御する、基地局である。
【発明の効果】
【0016】
一実施例によれば、実際の無線チャネル状態に対して使用可能なMCSレベルよりも低いスループットのMCSレベルしかユーザ装置に割り当てられなくなってしまう問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】基地局からのDLサブフレーム及びユーザ装置のULサブフレームを示す図。
【図2】低いMCSレベルの場合のサブフレーム及びコードブロックの関係を示す図。
【図3】高いMCSレベルの場合のサブフレーム及びコードブロックの関係を示す図。
【図4】実施例において使用される通信システムを示す図。
【図5】基地局のスケジューリングに関する機能ブロック図。
【図6】第1の基準による割当方法を説明するための図。
【図7】第2の基準による割当方法を説明するための図。
【図8】実施例において使用可能なフレームフォーマットの一例を示す図。
【図9】図8のフレームフォーマットを使用した場合における割当方法を説明するための図。
【図10】図8のフレームフォーマットを使用した場合における割当例を示す図。
【図11】第3の基準による割当方法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の観点から実施例を説明する。
【0019】
1.通信システム
2.基地局
3.リソース割当方法
3.1 第1の方法
3.2 第2の方法
3.3 第3の方法
4.変形例
4.1 第1の変形例
4.2 第2の変形例
4.3 第3の変形例
【実施例1】
【0020】
<1.通信システム>
図4は、実施例において使用される通信システムを示す。図4には、セル40の中に位置する基地局(eNB)42と、ユーザ装置(UE)44、46とが示されている。説明の便宜上、通信システムは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)方式のシステムであるとするが、本実施例はこの例に限定されず、適切な如何なる通信システムに適用されてもよい。例えば、モバイルワイマックス(Mobile WiMax)やIEEE802.16mなどに適用されてもかまわない。ユーザ装置(UE)は、典型的には移動端末であるが、固定端末でもよい。ユーザ装置(UE)は、具体的には、携帯電話、情報端末、スマートフォン、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等であるが、これらに限定されない。
【0021】
通信システム内のユーザ装置(UE)に対して、1つ以上のリソースブロック(RB: Resource Block)を割り当てることで、下りリンク及び上りリンクの通信が行われる。システムを構成する複数のリソースブロックを多数のユーザ装置で共有する。一例として、リソースブロックは、180kHzの周波数帯域幅を有し、1msの期間を有する。さらに、1つのリソースブロックは、そのサイクリックプレフィックス長に応じて7個または6個のOFDMシンボルにより構成される。下りリンクにおけるOFDMシンボルは、OFDM方式により生成されたシンボルである。上りリンクにおけるシンボルは、SC−FDMA方式(又はSpread−DFT)方式により生成されたシンボルである。基地局は、1msのサブフレーム(Sub−frame)毎に、複数のユーザ装置の内どのユーザ装置にリソースブロックを割り当てるかを決定する。サブフレームは送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)と呼ばれてもよい。無線リソースの割り当てを決定する処理はスケジューリングと呼ばれる。下りリンクの場合、スケジューリングで選択されたユーザ装置宛に、基地局は1以上のリソースブロックを用いて共有チャネルを送信する。この共有チャネルは、下り物理共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared CHannel)と呼ばれる。上りリンクの場合、スケジューリングで選択されたユーザ装置が、1以上のリソースブロックを用いて基地局に共有チャネルを送信する。この共有チャネルは、上り物理共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared CHannel)と呼ばれる。
【0022】
このような共有チャネルを用いた通信システムでは、原則としてサブフレーム毎にどのユーザ装置に共有チャネルを割り当てるかをシグナリング(通知)する必要がある。このシグナリングに用いられる制御チャネルは、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control CHannel)または下りL1/L2制御チャネル (DL-L1/L2 Control Channel)と呼ばれる。下り制御信号には、このPDCCHに加えて、物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH: Physical Control Format Indicator CHannel)や、物理ハイブリッドARQインジケータチャネル(PHICH: Physical Hybrid ARQ Indicator CHannel)等が含まれてもよい。
【0023】
PDCCHには、例えば次の情報が含まれてよい:
・下りスケジューリンググラント(Downlink Scheduling Grant)、
・上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)及び
・送信電力制御コマンドビット(Transmission Power Control Command Bit)。
【0024】
下りスケジューリンググラントには、例えば、下りリンクの共有チャネルの情報が含まれ、具体的には、下りリンクのリソースブロックの割り当て情報、ユーザ装置の識別情報(UE-ID)、ストリーム数、プリコーディングベクトル(Pre-coding Vector)に関する情報、データサイズ、データ変調方式、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)に関する情報等が含まれる。
【0025】
また、上りスケジューリンググラントには、例えば、上りリンクの共有チャネルの情報が含まれ、具体的には、上りリンクのリソースの割り当て情報、ユーザ装置の識別情報(UE-ID)、データサイズ、データ変調方式、上りリンクの送信電力情報、アップリンクMIMO(Uplink MIMO)における復調用リファレンスシグナル(Demodulation Reference Signal)の情報等が含まれる。
【0026】
PCFICHは、PDCCHのフォーマットを通知するための情報である。より具体的には、PDCCHのマッピングされるOFDMシンボル数が、PCFICHにより通知される。LTEでは、PDCCHのマッピングされるOFDMシンボル数は1、2又は3であり、サブフレームの先頭のOFDMシンボルから順にマッピングされる。
【0027】
PHICHは、上りリンクで伝送されたPUSCHについて再送を要するか否かを示す送達確認情報(ACK/NACK: Acknowledgement/Non-Acknowledgement information) を含む。
【0028】
上りリンクの場合、PUSCHによりユーザデータ(通常のデータ信号)及びそれに付随する制御情報が伝送される。また、PUSCHとは別に、上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control CHannel)により、下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)及びPDSCHの送達確認情報(ACK/NACK)等が伝送される。CQIは、下りリンクにおける物理共有チャネルのスケジューリング処理や適応変調及び符号化(AMCS: Adaptive Modulation and Coding Scheme)等に使用される。上りリンクでは、ランダムアクセスチャネル(RACH)や、上下リンクの無線リソースの割り当て要求を示す信号等も必要に応じて伝送される。
【0029】
<2.基地局>
図5は、基地局(eNB)のスケジューリングに関する機能ブロック図を示す。基地局(eNB)には、無線通信及び有線通信を行うための通信部や、上りリンクのチャネル状態を測定する測定部等の様々な処理部が備わっているが、これらは描かれていない。
【0030】
図5には、ユーザ情報保持部53、ULスケジューリング部55、DLスケジューリング部57及びスケジューラ制御部59が示されている。
【0031】
ユーザ情報保持部53は、下りリンクにおいてユーザに送信するユーザトラフィックデータに関する情報を保存する。ユーザトラフィックデータは、1度送信された後もしばらく保存され、ユーザ装置(UE)にて発生した誤りに対応するため再送に備える。また、ユーザ情報保持部53は、上りリンクにおいてユーザ装置から受信したユーザトラフィックデータも保持する。
【0032】
ULスケジューリング部55は、上りリンクの制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行う。例えば、ユーザ装置(UE)が送信したサウンディングリファレンス信号(SRS)の受信レベルをリソースブロック毎に測定し、そのユーザ装置(UE)による上り送信に相応しい1つ以上のリソースブロックが決定される。また、ユーザ装置(UE)からの上り共有データチャネルに対する誤り率が所定値を満たすように、MCSレベルが決定される。
【0033】
なお,本図面上に記載はないが,基地局及びユーザ装置間の伝搬遅延を補償するように、基地局の下りリンクのサブフレームが終了する前に、ユーザ装置の上りリンクのサブフレームが始まるように、各ユーザ装置(UE)の送信タイミング制御を行う機能を基地局装置(eNB)は有する。伝搬遅延を補償するための時間差は、概して、基地局(eNB)及びユーザ装置(UE)間の距離を往復するのに要する時間に等しい。下りリンクにおける伝搬遅延及び上りリンクにおける伝搬遅延双方に対処するためである。
【0034】
DLスケジューリング部57は、下りリンクの制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行う。概して、ユーザ装置(UE)から受信した下りリンクのチャネル品質情報(CQI)と、ユーザ装置(UE)が受信した共有データチャネルについての誤り検出結果とに基づいて、そのユーザ装置(UE)に対する下り送信に相応しい1つ以上のリソースブロックが決定される。また、ユーザ装置(UE)への下り共有データチャネルに対するMCSレベルの決定には、該当するCQI情報の他にも、誤り率が所定値を満たすように、MCSレベルが調整される。
【0035】
スケジューラ制御部59は、以下において詳細に説明するように、ULスケジューリング部55及びDLスケジューリング部57のスケジューリングの動作を制御する。
【0036】
<3.リソース割当方法>
スケジューラ制御部59は、少なくとも第1−第3の基準の内の何れかにしたがって、スケジューリングを制御する。
【0037】
<<3.1 第1の方法>>
第1の基準は、下りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいない基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含むユーザ装置のサブフレームが始まるようにする。
【0038】
図6は、第1の基準による割当方法を説明するための図である。ユーザ装置(UE)の上りリンクのサブフレームは、伝搬遅延を補償するために、基地局(eNB)の下りリンクのサブフレームと所定の時間差だけずれている。上りリンクにおいて、あるサブフレームによりデータが送信される場合、そのサブフレームに先行するサブフレームにおいて、下りリンクのデータは送信されない。この場合における下りリンクのデータとは、制御信号でもデータ信号でもよい。
【0039】
これにより、ユーザ装置(UE)が、下り信号を受信しながら、上り信号を送信することはなくなる。
【0040】
<<3.2 第2の方法>>
第2の基準は、下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいないユーザ装置のサブフレームが始まるようにする。
【0041】
図7は、第2の基準による割当方法を説明するための図である。図6と同様に、ユーザ装置(UE)の上りリンクのサブフレームは、伝搬遅延を補償するために、基地局(eNB)の下りリンクのサブフレームと所定の時間差だけずれている。上りリンクにおいて、あるサブフレームによりデータが送信されない場合、そのサブフレームに先行するサブフレームにおいて、下りリンクのデータが送信されてもよい。この場合における下りリンクのデータも、制御信号又はデータ信号である。
【0042】
これにより、ユーザ装置(UE)が、下り信号を受信しながら、上り信号を送信することはなくなる。この場合、ユーザ装置(UE)は、下り信号を末尾のシンボルまで全て受信できる。
【0043】
あるいは、第2の基準及び第3の基準において、下りリンクのサブフレームと上りリンクのサブフレームとの境界が既知であった場合に、その境界直前のサブフレームでは、後続のサブフレームにおいて上りリンクのデータが送信されるか否かによらず、下りリンクのデータが送信されないようにしてもよい。
【0044】
下りリンクのサブフレームと上りリンクのサブフレームとの境界が、既知であるようにするため、下りリンクに割り当てられる第1の所定数個のサブフレームの後に、上りリンクに割り当てられる第2の所定数個のサブフレームが続くフレームを規定することが考えられる。
【0045】
図8は、そのようなフレームの一例を示す。図示の例の場合、第1の所定数及び第2の所定数は、ともに4であるが、任意の数が使用されてもよい。例えば、下りリンク用の第1の所定数の方が、上りリンク用の第2の所定数よりも多く設定されてもよい。このようなフレームのフォーマットを規定することで、下りリンクから上りリンクへの切り替えがどのタイミングで生じるか、すなわち本実施例で解決しようとする問題がどのタイミングで生じるかを予め知ることができる。図示の例の場合、破線で囲まれたサブフレームにおいて、上記の問題が懸念されることが分かる。
【0046】
さらに、上りリンクと下りリンクの境界が生じるタイミングは、ユーザ毎に設定することができる。図示の例の場合、上りリンクと下りリンクの境界が生じるタイミングは、ユーザ装置UE1−UE3各々により異なる。これにより、第1の基準や第2の基準のような例外的な処理を同時に行うユーザ数を減らすことができる。
【0047】
図9は、図8に示すようなフレームを使用した場合において、境界直前のサブフレームによりデータは送信されない様子を示す。図中、DLデータは、下りリンクのデータを示し、ULデータは、上りリンクのデータ(ULデータ)を示す。
【0048】
図10は、図8に示すようなフレームを使用した場合において、実際にDLデータ及びULデータが割り当てられた様子を示す。
【0049】
<<3.3 第3の方法>>
第3の基準は、下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む基地局(eNB)のサブフレームが終了する前に、送達確認信号(ACK/NACK)以外の特定のトラヒック信号を含むユーザ装置(UE)の上りリンクのサブフレームが始まるようにする。下りリンクで受信したデータ信号を適切に受信できたか否かを示す送達確認信号(ACK/NACK)は、多少送れて送信されたとしても、無線通信にとって致命的な影響はない。仮に、送達確認信号(ACK/NACK)が基地局(eNB)に所定期間内に届かなかったとしても、基地局(eNB)は否定応答(NACK)を受信した場合と同様に、再送の処理を開始するにすぎない。このような観点から、下りリンクのデータのサブフレームの直後に、送達確認信号(ACK/NACK)が上りリンクで送信されないように、スケジューリングが行われる。この場合、下りリンクのデータのサブフレームの直後のサブフレームでは、上り信号は送信されないので、ユーザ装置(UE)は、下りリンクのサブフレーム中のシンボルを末尾も含めて全て適切に受信できる。第3の基準の場合、送達確認信号(ACK/NACK)以外の特定のトラヒック信号については、従来どおりの処理が行われる。すなわち、下りリンクのデータのサブフレームの直後のサブフレームにおいて、上りリンクのデータが送信されてもよい。この場合において、下りリンクのデータのサブフレームの最後の1シンボルについては、ユーザ装置は無視してもよい。
【0050】
図11は、第3の基準が適用された場合における、下りリンクのデータ(DLデータ)及び上りリンクのデータ(ULデータ)の送信の可否を示す。
【0051】
<4.変形例>
<<4.1 第1の変形例>>
「発明が解決しようとする課題」の欄において説明したように、下りリンクのサブフレームの末尾を無視することで、適切なMCSレベルが選択されなくなってしまう問題は、高いスループットを達成できるMCSレベルが使用された場合に特に深刻になる。したがって、上記の第2及び第3の基準によるスケジューリングが、そのような高いMCSレベルのデータが送信する場合に限って行われるようにしてもよい。MCSレベルが高いか低いかは、基地局又はオペレータが任意に決定することができる。例えば、コードブロックの大きさが、1シンボル以下である場合が高MCSレベルであるとし、その場合に限って第2又は第3のスケジューリングが行われてもよい。あるいは、コードブロックの大きさが、2シンボル以下である場合が高MCSレベルであるとし、その場合に限って第2又は第3のスケジューリングが行われてもよい。
【0052】
<<4.2 第2の変形例>>
図8を参照しながら説明したように、第1の所定数個の下りリンク用のサブフレームと、第2の所定数個の下りリンク用のサブフレームとを含むフレームが、反復されてもよい。一方、ユーザ装置(UE)は、周期的に又は必要に応じて、下りリンクのチャネル品質情報(CQI)を基地局(eNB)に報告する必要がある。したがって、チャネル品質情報CQIを報告する頻度は、フレームの倍数であることが好ましい。例えば、4つの下りリンク用のサブフレームと、4つの下りリンク用のサブフレームとを含むフレームが、反復される場合、8の倍数個のサブフレームにより規定される周期(例えば、16TTI)が規定され、少なくともその周期でチャネル品質情報CQIが報告されることが好ましい。
【0053】
さらに、既存のシステムにおいて、所定数個のサブフレームを含む無線フレームが既に規定されていた場合、上記のフレームの期間と既存の無線フレームの期間との最小公倍数に相当する期間が、チャネル品質情報CQIの報告頻度として決定されてもよい。例えば、LTEシステム等において、無線フレームは、10個のサブフレームを含む。この場合、好ましい周期は、8と10の最小公倍数である40サブフレーム分の期間になる。
【0054】
<<4.3 第3の変形例>>
上述したように、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)から誤り検出結果の報告を受け、誤り率が目標値になるように、下りデータ信号のMCSレベルを制御する。この場合において、基地局(eNB)は、全ての誤り検出結果ではなく、一部の誤り検出結果を無視し、残りの誤り検出結果のみに基づいて、MCSレベルを決定してもよい。具体的には、ユーザ装置(UE)の上りリンクのサブフレームが始まった後に終了した基地局の下りリンクのサブフレームに対する誤り検出結果を考慮せずに、MCSレベルが決定されてもよい。これにより、下りデータ信号に対するMCSレベルが、不当に低いスループットのMCSレベルに引き下げられてしまうことを抑制できる。この場合においても、上記の第1−第3の基準等によるスケジューリング併用することが好ましい。
【0055】
なお、本技術において、1つの無線フレームは10サブフレームで構成されているが、その場合に、1つの無線フレームの特定番号で通知される制御信号が受信できないことが想定される。しかしながら、そのような制御信号については、数無線フレームに1度の割合で受信できればよく、数無線フレームに1回の割合で下り送信タイミングとして割り当てたサブフレームにて通知することにより、問題なく通信を継続することが出来る。
【0056】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、半二重方式による周波数分割複信方式(Half Duplex FDD)を使用する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。例えば本発明は、W−CDMA方式のシステム、HSDPA/HSUPA方式のW−CDMAシステム、LTE方式のシステム、LTE−Advanced方式のシステム、IMT−Advanced方式のシステム、WiMAX、Wi−Fi方式のシステム等に適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【符号の説明】
【0057】
40 セル
42 基地局(eNB)
44、46 ユーザ装置(UE)
53 ユーザ情報保持部
55 ULスケジューリング部
57 DLスケジューリング部
59 スケジューラ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半二重方式による周波数分割複信方式により通信を行う移動通信システムにおける基地局であって、
下りリンク及び上りリンクのスケジューリングの動作を制御するスケジューラ制御部と、
前記スケジューラ制御部にしたがって、上りリンクにおける制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行うULスケジューリング部と、
前記ユーザ装置が測定した下りリンクのチャネル品質情報、及び前記ユーザ装置が受信したデータ信号についての誤り検出結果に基づいて、前記スケジューラ制御部にしたがって、下りリンクにおける制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行うDLスケジューリング部と
を有し、前記移動通信システムにおいて、下りリンクのサブフレームが第1の所定数個だけ続いた後に、上りリンクのサブフレームが第2の所定数個だけ続くフレームが反復され、前記スケジューラ制御部は、
下りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいない当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含むユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第1の基準にしたがって、
下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいないユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第2の基準にしたがって、又は
下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局のサブフレームが終了する前に、送達確認信号以外の信号を含むユーザ装置の上りリンクのサブフレームが始まるようにする第3の基準にしたがって、下りリンク及び上りリンクのスケジューリングの動作を制御する、基地局。
【請求項2】
前記第2の基準又は前記第3の基準において、下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局の前記サブフレームは、
所定値以上のスループットを達成することが可能なMCSレベルにしたがってデータ変調及びチャネル符号化が行われたデータ信号を含み、前記MCSレベルは、データ変調方式及びチャネル符号化方式の所定の組み合わせの内の何れかを指定するパラメータである、請求項1記載の基地局。
【請求項3】
前記第2の基準又は前記第3の基準が使用される場合において、前記DLスケジューリング部は、ユーザ装置の上りリンクのサブフレームが始まった後に終了した当該基地局の下りリンクのサブフレームに対して検出した誤り誤りを考慮せずに、下りリンクの他のサブフレームに対する誤り検出結果及びチャネル品質情報に基づいて、スケジューリングを行う、請求項1又は2に記載の基地局。
【請求項4】
下りリンク及び上りリンクのサブフレームの境界のタイミングが、ユーザ装置毎に設定されている、請求項1−3の何れか1項に記載の基地局。
【請求項5】
前記移動通信システムにおいて、前記第1及び第2の所定数の和の倍数である第3の所定数個のサブフレームに相当する周期が規定されており、当該基地局は、少なくとも該周期において、チャネル品質情報をユーザ装置から受信する、請求項1−4の何れか1項に記載の基地局。
【請求項6】
前記第3の所定数個のサブフレームに相当する前記周期が、所定数個のサブフレームを含む無線フレームの期間の倍数にもなっている、請求項5記載の基地局。
【請求項7】
半二重方式による周波数分割複信方式により通信を行う移動通信システムの基地局において使用されるリソース割当方法であって、前記基地局は、
上りリンクにおける制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行うULスケジューリング部と、
前記ユーザ装置が測定した下りリンクのチャネル品質情報、及び前記ユーザ装置が受信したデータ信号についての誤り検出結果に基づいて、下りリンクにおける制御信号及びデータ信号のスケジューリングを行うDLスケジューリング部と
を有し、前記移動通信システムにおいて、下りリンクのサブフレームが第1の所定数個だけ続いた後に、上りリンクのサブフレームが第2の所定数個だけ続くフレームが反復され、当該リソース割当方法は、
下りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいない当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含むユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第1の基準にしたがって、
下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける制御信号もデータ信号も含んでいないユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第2の基準にしたがって、又は
下りリンクにおける制御信号又はデータ信号を含む当該基地局のサブフレームが終了する前に、上りリンクにおける送達確認信号以外の信号を含むユーザ装置のサブフレームが始まるようにする第3の基準にしたがって、下りリンク及び上りリンクのスケジューリングを行う、リソース割当方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−124588(P2012−124588A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271750(P2010−271750)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】