説明

移動通信方法、移動局及び無線基地局

【課題】無線品質やネットワーク負荷に応じてCA通信で用いるCCのマネージメントを適切に行う。
【解決手段】本発明に係る移動通信システムでは、移動局UEは、所定期間(Time-To-Trigger)、「MeasObject」内のSCCの非サービングセルにおけるRSRP/RSRQが、「MeasObject」内のScellにおけるRSRP/RSRQと所定オフセット値(Offset)との和よりも大きい場合に、ReportConfig-A6」が満たされたと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動局及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE-Advanced方式では、移動局UEが、無線基地局eNBとの間で、搬送周波数(EARFCN:E-UTRA Absolute Radio Frequency Channel Number)の異なるPCC(Primary Component Carrier)及び1つ又は複数のSCC(Secondary Component Carrier)を用いてCA(Carrier Aggrigation)通信を行うことができるように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS36.331 v9.2.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、無線基地局eNBが、複数のCCに渡る「Joint Scheduling」を行う場合、スケジューラが、なるべく無線品質の良いCCを選択してスケジューリングするため、無線品質の悪いCCは、「Proportional Fairness」等の一般的なスケジューラが用いられた場合には、ほとんど選択されないため、CA通信において、このようなCCが用いられていると、無線基地局eNBにおけるスケジューリングの処理負荷(係数計算負荷)が増し、移動局UEにおけるバッテリ負荷や処理負荷が増えてしまうという問題点があった。
【0005】
また、無線基地局eNBが、CC毎の「Independent Scheduling」を行う場合も、無線品質の悪いCCを追加しても、他の移動局UEのリソースを奪うだけで、システム全体の効率を低下させてしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、無線品質やネットワーク負荷に応じてCA通信で用いるCCのマネージメントを適切に行うことができる移動通信方法、移動局及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、移動局が、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行う移動通信方法であって、前記無線基地局が、前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信する工程Aと、前記移動局が、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信する工程Bとを有し、前記工程Bにおいて、前記移動局は、所定期間、前記測定対象キャリア内の非サービングセルにおける無線品質の測定値が、該測定対象キャリア内のサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも大きい場合に、前記報告条件が満たされたと判定することを要旨とする。
【0008】
本発明の第2の特徴は、移動局が、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行う移動通信方法であって、前記無線基地局が、前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信する工程Aと、前記移動局が、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信する工程Bとを有し、前記工程Bにおいて、前記移動局は、所定期間、前記測定対象キャリア内の副キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値が、該測定対象キャリア内の主キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも小さい場合に、前記報告条件が満たされたと判定することを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、移動局が、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行う移動通信方法であって、前記無線基地局が、前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信する工程と、前記移動局が、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信する工程と、前記無線基地局が、前記測定報告に応じて、前記副キャリアの追加及び削除を行う工程と、前記無線基地局が、ネットワーク負荷に応じて、前記報告条件を変更する工程とを有することを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行うことができるように構成されている移動局であって、前記無線基地局から、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を受信するように構成されている受信部と、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信するように構成されている送信部とを具備し、前記送信部は、所定期間、前記測定対象キャリア内の非サービングセルにおける無線品質の測定値が、該測定対象キャリア内のサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも大きい場合に、前記報告条件が満たされたと判定するように構成されていることを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行うことができるように構成されている移動局であって、前記無線基地局から、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を受信するように構成されている受信部と、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信するように構成されている送信部とを具備し、前記送信部は、所定期間、前記測定対象キャリア内の副キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値が、該測定対象キャリア内の主キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも小さい場合に、前記報告条件が満たされたと判定するように構成されていることを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、移動局が、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行うように構成されている移動通信システムで用いられる無線基地局であって、前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信するように構成されている送信部と、前記報告条件が満たされたと判定した前記移動局から、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を受信するように構成されている受信部と、前記測定報告に応じて、前記副キャリアの追加及び削除を行うように構成されている制御部とを具備し、前記制御部は、ネットワーク負荷に応じて、前記報告条件を変更するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、CA通信において無線品質やネットワーク負荷に応じてCA通信で用いるCCのマネージメントを適切に行うことができる移動通信方法、移動局及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおける測定設定について説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおけるReportConfigについて説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおけるReportConfigについて説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図8を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。本実施形態に係る移動通信システムは、LTE-Advanced方式(LTE Release-10方式)の移動通信システムである。
【0016】
本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UEは、搬送波周波数(EARFCN)が異なるPCC及び1つ又は複数のSCCを用いたCA通信を行うことができるように構成されている。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、CA通信において、EARFCN#1乃至EARFCN#5のCCを用いることができるように構成されている。
【0018】
本実施形態に係る移動通信システムでは、図1に示すように、移動局UEは、EARFCN#1のCCを「PCC」とし、EARFCN#2のCCを「SCC#1」とし、EARFCN#3のCCを「SCC#2」として、CA通信を行っている。
【0019】
ここで、移動局UEのPCCにおけるサービングセルは、「Pcell」であり、移動局UEのSCC#1におけるサービングセルは、「Scell#1」であり、移動局UEのSCC#2におけるサービングセルは、「Scell#2」である。
【0020】
図2に示すように、無線基地局eNBは、送信部11と、受信部12と、制御部13とを具備している。
【0021】
送信部11は、移動局UEに対して、下りリンク信号を受信するように構成されている。
【0022】
例えば、無線基地局eNBが、移動局UEに対して、「MeasObject」と「ReportConfig」と「MeasID」とを含む「MeasConfig」を送信するように構成されている。
【0023】
ここで、「MeasObject」は、RAT及び周波数によって測定対象キャリアを指定する情報であり、「ReportConfig」は、A1〜A7、B1〜B2といったイベントや、「Periodical」等といった「Measurement Report」の送信トリガを指定する情報である。
【0024】
また、「MeasId」は、図3に示すように、「MeasObject」と「ReportConfig」とをリンクする情報である。
【0025】
なお、移動局UEは、「MeasId」によって「ReportConfig」に対応付けられている「MeasObject」における測定のみを行うように構成されている。
【0026】
ここで、図4に、イベントA1〜A7の一例について示す。
【0027】
イベントA1は、「Serving>Thresh」が満たされることという送信トリガであり、「Serving」は、「MeasObject」上のPcellやScell#1やScell#2におけるRSRP(Reference Signal Received Power)又はRSRQ(Reference Signal Received Quality)であり、「Thresh」は、所定閾値である。
【0028】
「MeasObject」に、「Non-configured cell」が設定されている場合、イベントA1は、エラーとなる。
【0029】
イベントA2は、「Serving<Thresh」が満たされることという送信トリガであり、「Serving」は、「MeasObject」上のPcellやScell#1やScell#2におけるRSRP又はRSRQであり、「Thresh」は、所定閾値である。
【0030】
「MeasObject」に、「Non-configured cell」が設定されている場合、イベントA2は、エラーとなる。
【0031】
イベントA3は、「Neighbour>Serving(Pcell)+Offset」が満たされることという送信トリガであり、「Serving(Pcell)」は、「MeasObject」上のPcellにおけるRSRP又はRSRQであり、「Neighbour」は、「MeasObject」上のPcell以外のセルにおけるRSRP又はRSRQであり、「Offset」は、所定オフセット値である。
【0032】
ここで、「Neighbour」は、「MeasObject」上のPcellやScell#1やScell#2以外のセルにおけるRSRP又はRSRQであってもよい。
【0033】
イベントA4は、「Neighbour>Thresh」が満たされることという送信トリガであり、「Neighbour」は、「MeasObject」上のPcellやScell#1やScell#2以外のセルにおけるRSRP又はRSRQであり、「Thresh」は、所定閾値である。
【0034】
イベントA5は、「Serving<Thresh1」及び「Neighbour>Thresh2」が満たされることという送信トリガであり、「Serving」は、「MeasObject」上のPcellにおけるRSRP又はRSRQであり、「Neighbour」は、「MeasObject」上のPcell以外のセルにおけるRSRP又はRSRQであり、「Thresh1」及び「Thresh2」は、所定閾値である。
【0035】
ここで、「Neighbour」は、「MeasObject」上のPcellやScell#1やScell#2以外のセルにおけるRSRP又はRSRQであってもよい。
【0036】
イベントA6は、「Neighbour>Serving+Offset」が満たされることという送信トリガであり、「Serving」は、「MeasObject」上のPcellやScell#1やScell#2におけるRSRP又はRSRQであり、「Neighbour」は、「MeasObject」上のPcellやScell#1やScell#2以外のセル(非サービングセル)におけるRSRP又はRSRQであり、「Offset」は、所定オフセット値である。
【0037】
ここで、「Serving」及び「Neighbour」は、「MeasObject」で指定される同一CC内のセルにおけるRSRP又はRSRQである。
【0038】
イベントA7は、「Neighbour(Scell)>Serving(Pcell)+Offset」が満たされることという送信トリガであり、「Serving(Pcell)」は、「MeasObject」上のPcellにおけるRSRP又はRSRQであり、「Neighbour(Scell)」は、「MeasObject」上のScell#1やScell#2におけるRSRP又はRSRQであり、「Offset」は、所定オフセット値である。
【0039】
なお、イベントA7は、図5に示すように、「Neighbour(any cell)>Serving(Pcell)+Offset」が満たされることという送信トリガであってもよい。
【0040】
かかる場合、Neighbour(any cell)は、「MeasObject」上のPcell以外のセルにおけるRSRP又はRSRQである。
なお、前記イベントA1〜A7は、かかる条件が所定期間満たされ続けた場合に「MeasReport」の送信がトリガされるように規定されていてもよい。かかる所定期間は、無線基地局eNBから移動局UEに対して設定されてもよく、「ReportConfig」毎に設定されてもよい。
【0041】
受信部12は、移動局UEから、上りリンク信号を受信するように構成されている。
【0042】
例えば、受信部12は、移動局UEから、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report」を受信するように構成されている。
【0043】
制御部13は、移動局UEによるCA通信に係る制御を行うように構成されている。例えば、制御部13は、後述するように、ネットワーク負荷に応じて、「ReportConfig」を変更するように構成されている。
【0044】
また、制御部13は、受信部12によって受信された「Measurement Report」に基づいて、RRCレイヤにおいて、RRCメッセージ(例えば、「RRC Reconfiguration」メッセージ等)を用いて、CA通信を行っている移動局UEに対して、新規のCCの追加や、既存のCCの削除や、PCCの変更を指示することができるように構成されている。
【0045】
図6に示すように、移動局UEは、受信部21と、測定部22と、送信部23とを具備している。
【0046】
受信部21は、無線基地局eNBから、「MeasObject」及び「ReportConfig-A7」を含む「MeasConfig」を受信するように構成されている。
【0047】
測定部22は、「MeasConfig」によって指定されている「MeasObject」における測定処理を行うように構成されている。
【0048】
送信部23は、「MeasConfig」によって指定されている「ReportConfig」が満たされた場合、無線基地局eNBに対して、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report」を送信するように構成されている。
【0049】
以下、図7及び図8を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0050】
第1に、図7を参照して、本実施形態に係る無線基地局eNBの動作について説明する。
【0051】
図7に示すように、無線基地局eNBは、ステップS101において、「閾値1」に「閾値1a」を設定し、「閾値2」に「閾値2a(<閾値1a)」を設定し、ステップS102において、ネットワーク負荷を測定する。
【0052】
ここで、無線基地局eNBは、ネットワーク負荷として、RRC_Connected状態の移動局UEの数や、バッファに蓄積されているデータ量や、上りリンクにおける干渉量や、下りリンクにおける送信電力量や、リソース利用率等を測定する。
【0053】
無線基地局eNBは、ステップS103において、ネットワーク負荷が閾値1よりも大きいと判断した場合、ステップS104において、「閾値1」に「閾値1a」を設定し、ステップS105において、イベントA7に係る「Measurement Report」に基づいて、削除すべきCC(SCC)を決定する。
【0054】
なお、ステップS105では、無線基地局eNBは、CC(SCC)を追加しない。
【0055】
一方、無線基地局eNBは、ステップS103において、ネットワーク負荷が閾値1よりも大きくないと判断した場合、ステップS106において、「閾値1」に「閾値1b(≧閾値1a)」を設定する。
【0056】
無線基地局eNBは、ステップS107において、ネットワーク負荷が閾値2よりも大きいと判断した場合、ステップS108において、「閾値2」に「閾値2a」を設定し、ステップS109において、イベントA7に係る「Measurement Report」に基づいて、削除すべきCC(SCC)を決定し、イベントA3に係る「Measurement Report」に基づいて、追加すべきCC(SCC)を決定する。
【0057】
一方、無線基地局eNBは、ステップS107において、ネットワーク負荷が閾値2よりも大きくないと判断した場合、ステップS110において、「閾値2」に「閾値2b(≧閾値2a、<閾値1a)」を設定し、ステップS111において、イベントA2に係る「Measurement Report」に基づいて、削除すべきCC(SCC)を決定し、イベントA4に係る「Measurement Report」に基づいて、追加すべきCC(SCC)を決定する。
【0058】
ここで、イベントA3における「Offset」及びイベントA7における「Offset」は、それぞれ、ネットワーク負荷によって算出される負の値であり、「イベントA3における「Offset」>イベントA7における「Offset」」の関係が成立する。
【0059】
例えば、イベントA3における「Offset」及びイベントA7における「Offset」は、以下の式によって算出されてもよい。
(イベントA3における「Offset」)=a3+r3×(ネットワーク負荷)
(イベントA7における「Offset」)=a7+r7×(ネットワーク負荷)
【0060】
ここで、a3及びa7は、負の値であり、r3及びr7は、生の値である。
【0061】
また、「閾値1a/1b/2a/2b」は、使用されるイベントの種類が頻繁に切り替わる事態を避けるためのヒステリシスである。
【0062】
第2に、図8を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0063】
図8に示すように、Scellが設定されていない場合には、ステップS1001において、無線基地局eNBと移動局UEとの間で、Pcellにおいて、RRCコネクションを確立し、ステップS1002において、無線基地局eNBが、移動局UEに対して、「MeasConfig」を含む「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0064】
ここで、「MeasConfig」は、Pcellを切り替える際に用いるイベントA3を指定する「ReportConfig」及びScellを追加する際に用いるイベントA3(又は、A4)を指定する「ReportConfig」を追加するように指示する。
【0065】
cellを切り替える際に用いるイベントA3では、「Neighbour」を、PCCにおけるPcell以外のセル(非サービングセル)のRSRP/RSRQとし、Scellを追加する際に用いるイベントA3(又は、A4)では、「Neighbour」を、Non-configured cellのRSRP/RSRQとする。
【0066】
ステップS1003において、移動局UEは、「MeasConfig」に基づく設定を行った後、無線基地局eNBに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0067】
ステップS1004において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、イベントA3(又は、A4)に係る「Measurement Report」を送信する。
【0068】
ステップS1005において、無線基地局eNBは、イベントA3(又は、A4)に係る「Measurement Report」に基づいて、追加すべきScell(SCC)を決定し、移動局UEに対して、かかるScell(SCC)の追加を指示する「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0069】
ここで、無線基地局eNBは、かかる「RRC Connection Reconfiguration」内の「MeasConfig」によって、Scellを追加する際に用いるイベントA3(又は、A4)を指定する「ReportConfig」を削除するように指示すると共に、Scellを切り替える際に用いるイベントA6を指定する「ReportConfig」及びScellを削除する際に用いるイベントA7(又は、A2)を指定する「ReportConfig」を追加するように指示する。
【0070】
cellを切り替える際に用いるイベントA6では、「Serving」を、SCCにおけるScellのRSRP/RSRQとし、「Neighbour」を、かかるSCCにおけるScell以外のセル(非サービングセル)のRSRP/RSRQとする。
【0071】
また、Scellを削除する際に用いるイベントA7では、「Serving」を、PcellのRSRP/RSRQとし、「Neighbour」を、ScellのRSRP/RSRQとし、Scellを削除する際に用いるイベントA2では、「Serving」を、ScellのRSRP/RSRQとする。
【0072】
ステップS1006において、移動局UEは、「MeasConfig」に基づく設定を行った後、無線基地局eNBに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0073】
ステップS1007において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、イベントA7(又は、A2)に係る「Measurement Report」を送信する。
【0074】
ステップS1008において、無線基地局eNBは、イベントA7(又は、A2)に係る「Measurement Report」に基づいて、削除すべきScell(SCC)を決定し、移動局UEに対して、かかるScell(SCC)の削除を指示する「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0075】
ここで、無線基地局eNBは、かかる「RRC Connection Reconfiguration」内の「MeasConfig」によって、Scellを切り替える際に用いるイベントA6を指定する「ReportConfig」及びScellを削除する際に用いるイベントA7(又は、A2)を指定する「ReportConfig」を削除するように指示すると共に、Scellを追加する際に用いるイベントA3(又は、A4)を指定する「ReportConfig」を追加するように指示する。
【0076】
ステップS1009において、移動局UEは、「MeasConfig」に基づく設定を行った後、無線基地局eNBに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0077】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、無線基地局eNBは、移動局UEによって送信された「Measurement Report」に基づいて、SCCの追加及び削除や、PCCの切り替えを行うことができるため、CA通信において無線品質の悪いCCを用いることを回避することができ、無線品質やネットワーク負荷に応じてCCのマネージメントを適切に行うことができる。
【0078】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0079】
本実施形態の第1の特徴は、移動局UEが、無線基地局eNBとの間で、搬送波周波数が異なるPCC(主キャリア)及び1つ又は複数のSCC(副キャリア)を用いたCA通信を行う移動通信方法であって、無線基地局eNBが、移動局UEに対して、「MeasObject(測定対象キャリア)」及び「ReportConfig-A6(報告条件)」を含む「MeasConfig(測定制御情報)」を送信する工程Aと、移動局UEが、「ReportConfig-A6」が満たされた場合、無線基地局eNBに対して、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report(測定報告)」を送信する工程Bとを有し、工程Bにおいて、移動局UEは、所定期間(Time-To-Trigger)、「MeasObject」内のPCC又はSCCの非サービングセルにおけるRSRP/RSRQ(無線品質の測定値)が、「MeasObject」内のPCC又はSCCのサービングセルにおけるRSRP/RSRQと所定オフセット値(Offset)との和よりも大きい場合に、ReportConfig-A6」が満たされたと判定することを要旨とする。
【0080】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UEが、無線基地局eNBとの間で、搬送波周波数が異なるPCC及び1つ又は複数のSCCを用いたCA通信を行う移動通信方法であって、無線基地局eNBが、移動局UEに対して、「MeasObject」及び「ReportConfig-A7」を含む「MeasConfig」を送信する工程Aと、移動局UEが、「ReportConfig-A7」が満たされた場合、無線基地局eNBに対して、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report」を送信する工程Bとを有し、工程Bにおいて、移動局UEは、所定期間(Time-To-Trigger)、「MeasObject」内のScellにおけるRSRP/RSRQが、「MeasObject」内のPcell(主キャリアのサービングセル)におけるRSRP/RSRQと所定オフセット値(Offset)との和よりも小さい場合に、「ReportConfig-A7」が満たされたと判定することを要旨とする。
【0081】
本実施形態の第3の特徴は、移動局UEが、無線基地局eNBとの間で、搬送波周波数が異なるPCC及び1つ又は複数のSCCを用いたCA通信を行う移動通信方法であって、無線基地局eNBが、移動局UEに対して、「MeasObject」及び「ReportConfig」を含む「MeasConfig」を送信する工程と、移動局UEが、「ReportConfig」が満たされた場合、無線基地局eNBに対して、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report」を送信する工程と、無線基地局eNBが、「Measurement Report」に応じて、SCCの追加及び削除を行う工程と、無線基地局eNBが、ネットワーク負荷に応じて、「ReportConfig」を変更する工程とを有することを要旨とする。
【0082】
本実施形態の第4の特徴は、無線基地局eNBとの間で、搬送波周波数が異なるPCC及び1つ又は複数のSCCを用いたCA通信を行うことができるように構成されている移動局であって、無線基地局eNBから、「MeasObject」及び「ReportConfig-A6」を含む「MeasConfig」を受信するように構成されている受信部21と、「ReportConfig-A6」が満たされた場合、無線基地局eNBに対して、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report」を送信するように構成されている送信部23とを具備し、送信部23は、所定期間(Time-To-Trigger)、「MeasObject」内のPCC又はSCCの非サービングセルにおけるRSRP/RSRQが、「MeasObject」内のPCC又はSCCのサービングセルにおけるRSRP/RSRQと所定オフセット値(Offset)との和よりも大きい場合に、「ReportConfig-A6」が満たされたと判定するように構成されていることを要旨とする。
【0083】
本実施形態の第5の特徴は、無線基地局eNBとの間で、搬送波周波数が異なるPCC及び1つ又は複数のSCCを用いたCA通信を行うことができるように構成されている移動局であって、無線基地局eNBから、「MeasObject」及び「ReportConfig-A7」を含む「MeasConfig」を受信するように構成されている受信部21と、「ReportConfig-A7」が満たされた場合、無線基地局eNBに対して、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report」を送信するように構成されている送信部23とを具備し、送信部23は、所定期間(Time-To-Trigger)、「MeasObject」内のScellにおけるRSRP/RSRQが、「MeasObject」内のPcellにおけるRSRP/RSRQと所定オフセット値(Offset)との和よりも小さい場合に、「ReportConfig-A7」が満たされたと判定するように構成されていることを要旨とする。
【0084】
本実施形態の第6の特徴は、移動局UEが、搬送波周波数が異なるPCC及び1つ又は複数のSCCを用いたCA通信を行うように構成されている移動通信システムで用いられる無線基地局eNBであって、移動局UEに対して、「MeasObject」及び「ReportConfig」を含む「MeasConfig」を送信するように構成されている送信部11と、「ReportConfig」が満たされたと判定した移動局UEから、「MeasObject」における測定結果を含む「Measurement Report」を受信するように構成されている受信部12と、「Measurement Report」に応じて、SCCの追加及び削除を行うように構成されている制御部13とを具備し、制御部13は、ネットワーク負荷に応じて、「ReportConfig」を変更するように構成されていることを要旨とする。
【0085】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNBの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0086】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0087】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNB内に設けられていてもよい。
【0088】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0089】
eNB…無線基地局
UE…移動局
11、21…受信部
12、23…送信部
13…制御部
22…測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行う移動通信方法であって、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信する工程Aと、
前記移動局が、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信する工程Bとを有し、
前記工程Bにおいて、前記移動局は、所定期間、前記測定対象キャリア内の非サービングセルにおける無線品質の測定値が、該測定対象キャリア内のサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも大きい場合に、前記報告条件が満たされたと判定することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
移動局が、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行う移動通信方法であって、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信する工程Aと、
前記移動局が、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信する工程Bとを有し、
前記工程Bにおいて、前記移動局は、所定期間、前記測定対象キャリア内の副キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値が、主キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも小さい場合に、前記報告条件が満たされたと判定することを特徴とする移動通信方法。
【請求項3】
移動局が、無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行う移動通信方法であって、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信する工程と、
前記移動局が、前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信する工程と、
前記無線基地局が、前記測定報告に応じて、前記副キャリアの追加及び削除を行う工程と、
前記無線基地局が、ネットワーク負荷に応じて、前記報告条件を変更する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項4】
無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行うことができるように構成されている移動局であって、
前記無線基地局から、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を受信するように構成されている受信部と、
前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信するように構成されている送信部とを具備し、
前記送信部は、所定期間、前記測定対象キャリア内の非サービングセルにおける無線品質の測定値が、該測定対象キャリア内のサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも大きい場合に、前記報告条件が満たされたと判定するように構成されていることを特徴とする移動局。
【請求項5】
無線基地局との間で、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行うことができるように構成されている移動局であって、
前記無線基地局から、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を受信するように構成されている受信部と、
前記報告条件が満たされた場合、前記無線基地局に対して、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を送信するように構成されている送信部とを具備し、
前記送信部は、所定期間、前記測定対象キャリア内の副キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値が、主キャリアのサービングセルにおける無線品質の測定値と所定オフセット値との和よりも小さい場合に、前記報告条件が満たされたと判定するように構成されていることを特徴とする移動局。
【請求項6】
移動局が、搬送波周波数が異なる主キャリア及び1つ又は複数の副キャリアを用いた通信を行うように構成されている移動通信システムで用いられる無線基地局であって、
前記移動局に対して、測定対象キャリア及び報告条件を含む測定制御情報を送信するように構成されている送信部と、
前記報告条件が満たされたと判定した前記移動局から、前記測定対象キャリアにおける測定結果を含む測定報告を受信するように構成されている受信部と、
前記測定報告に応じて、前記副キャリアの追加及び削除を行うように構成されている制御部とを具備し、
前記制御部は、ネットワーク負荷に応じて、前記報告条件を変更するように構成されていることを特徴とする無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−239465(P2011−239465A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165130(P2011−165130)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【分割の表示】特願2010−106002(P2010−106002)の分割
【原出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】