説明

移動通信方法、移動通信システム、移動局及びゲートウェイ装置

【課題】SRVCC改善方式に適応可能なUEが、音声通信用の経路を設定する際に、SRVCC改善方式に適応可能なSRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATFを選択する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、MMEが、UE#1から受信した「Attach Request」に応じて、S-GW/P-GWに対して、UE#1にSRVCC改善方式を適用するか否かについて示すSRVCC改善方式適用情報を送信する工程Aと、SRVCC改善方式適用情報を受信したS-GW/P-GWが、P-CSCF/VATFの識別情報を示すP-CSCF情報を、UE#1に対して通知する工程Bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動通信システム、移動局及びゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2G/3G方式の無線アクセスネットワーク(UTRAN:Universal Terrestrial Radio Access Network、或いは、GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、及び、LTE(Long Term Evolution)方式の無線アクセスネットワーク(E-UTRAN:Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)を収容可能な移動通信システムが知られている。
【0003】
3GPP TS23.216において、UE(User Equipment)#1とUE#2との間の音声通信用の経路を、E-UTRAN或いはUTRANを介した経路(VoIP(Voice over IP)通信用の経路)からUTRAN/GERANを介した経路(回線交換(CS:Circuit Switch)通信用の経路)に切り替える「SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)方式」について規定されている(非特許文献1参照)。
【0004】
また、3GPP TR23.856 v0.4.1のAlt.4やAlt.11等において、UE#1の在圏ネットワーク内のMGW(Media Gateway)#1をアンカーポイントとして、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を、E-UTRANを介した経路からUTRAN/GERANを介した経路に切り替えるSRVCC方式(以下、SRVCC改善方式と呼ぶ)が規定されている(非特許文献2参照)。
【0005】
かかるSRVCC改善方式によれば、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を切り替えるために必要な信号を、UE#1の在圏ネットワーク内で終端することができ、従来のSRVCC方式と比べて、かかる信号のUE#1の在圏ネットワークとUE#1のホームネットワークとの間の往復に起因する通信瞬断時間を短縮することができる。
【0006】
以下、図6を参照して、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を設定する手順について説明する。
【0007】
図6に示すように、ステップ1において、UE#1は、P-CSCF(Proxy-Call Session Control Function)/VATF(Visited Access Transfer Function)に対して、「INVITE」を送信する。
【0008】
ステップ2において、P-CSCF/VATFは、かかる経路に対して、MGW#1を割り当てる。
【0009】
さらに、P-CSCF/VATFは、I/S-CSCF(Interogation/Serving-Call Session Control Function)に対して、MGW#1の識別情報、及び、SRVCC改善方式を用いることができることを示す「eSRVCC」を含む「INVITE」を送信する。
【0010】
ステップ3において、I/S-CSCFは、SCC AS(Service Centralization and Continuity Application Server)に対して、「eSRVCC」を含む「INVITE」を送信する。
【0011】
ステップ4において、SCC ASは、I/S-CSCFに対して、「INVITE」を送信し、ステップ5において、I/S-CSCFは、UE#2に対して、「INVITE」を送信する。
【0012】
ステップ6において、UE#2は、I/S-CSCFに対して、「200 OK(「INVITE」に対する応答信号)」を送信し、ステップ7において、I/S-CSCFは、SCC ASに対して、「200 OK」を送信し、ステップ8において、SCC ASは、I/S-CSCFに対して、「200 OK」を送信し、ステップ9において、I/S-CSCFは、P-CSCF/VATFに対して、「200 OK」を送信し、ステップ10において、P-CSCF/VATFは、UE#1に対して、「200 OK」を送信する。
【0013】
この結果、UE#1とUE#2との間の音声通信用のシグナリング経路が、UE#1とP-CSCF/VATFとI/S-CSCFとUE#2との間で設定され、UE#1とUE#2との間の音声通信用のメディア信号経路が、UE#1とMGW#1とUE#2との間で設定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】3GPP TS23.216
【非特許文献2】3GPP TR23.856 v0.4.1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、図6に示す手順では、UE#1は、SRVCC改善方式に適応可能な場合であっても、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を設定する際に、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATF(すなわち、VATFを具備するP-CSCF或いはVATFと連携可能なP-CSCF等)を選択することができないという問題点があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、SRVCC改善方式に適応可能なUEが、音声通信用の経路を設定する際に、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATFを選択することができる移動通信方法、移動通信システム、移動局及びゲートウェイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の特徴は、回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式が適応可能である移動通信システムにおける移動通信方法であって、前記第1無線アクセスネットワークに接続されている移動管理ノードが、前記第1移動局から受信した位置登録要求信号に応じて、該第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置に対して、該第1移動局に前記切替方式を適用するか否かについて示す適用情報を送信する工程Aと、前記適用情報を受信した前記ゲートウェイ装置が、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードの識別情報を、前記第1移動局に対して通知する工程Bとを有することを要旨とする。
【0018】
本発明の第2の特徴は、回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式が適応可能である移動通信システムであって、前記第1無線アクセスネットワークに接続されている移動管理ノードは、前記第1移動局から受信した位置登録要求信号に応じて、該第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置に対して、該第1移動局に前記切替方式を適用するか否かについて示す適用情報を送信するように構成されており、前記適用情報を受信した前記ゲートウェイ装置は、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードの識別情報を、前記第1移動局に対して通知するように構成されていることを要旨とする。
【0019】
本発明の第3の特徴は、回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式を用いることができる移動通信システムにおいて、前記第1移動局として機能する移動局であって、前記第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置から位置登録応答信号を受信した場合に、該ゲートウェイ装置に対してDHCP要求信号を送信することによって、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードの識別情報を取得するように構成されていることを要旨とする。
【0020】
本発明の第4の特徴は、回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式を用いることができる移動通信システムにおいて、該第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置であって、受信した前記第1移動局に前記切替方式を適用するか否かについて示す適用情報に基づいて、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードを選択するように構成されており、前記第1移動局に対して、選択した前記切替指示ノードの識別情報を通知するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、SRVCC改善方式に適応可能なUEが、音声通信用の経路を設定する際に、SRVCC改善方式に適応可能なSRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATFを選択することができる移動通信方法、移動通信システム、移動局及びゲートウェイ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで送信される「Attach Request」及び「TAU Request」におけるSRVCC能力表示について説明するための図である。
【図4】変更例1に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図5】変更例2に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図6】従来の移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0024】
本実施形態に係る移動通信システムには、E-UTRANと、UTRAN/GERANとが収容されている。
【0025】
具体的には、図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、UE#1の在圏ネットワークにおいて、eNB(無線基地局)や、RNC(Radio Network Controller、無線回線制御局)や、NodeB(無線基地局)や、BSS(不図示)や、MME(Mobility Management Entity、移動管理ノード)や、S-GW(Serving-Gateway、サービングゲートウェイ装置)や、P-GW(PDN-Gateway、PDNゲートウェイ装置)や、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバや、P-CSCF/VATFや、MGW#1や、MSC(Mobile-service Switching Center、回線交換機)や、SGSN(Serving GPRS Support Node、パケット交換機)や、MSCサーバや、MGW#2等を具備している。
【0026】
ここで、P-CSCF及びVATFは、同一の装置に設けられていてもよいし、別個の装置に設けられていてもよい。また、VATFは、例えば、P-GWや、S-GWや、IBCF(3GPP TS23.228に記載のInterconnection Border Control Function、不図示)といった装置に設けられていてもよい。
【0027】
また、本実施形態に係る移動通信システムは、UE#1のホームネットワークにおいて、SCC ASや、I/S-CSCF等を具備している。
【0028】
ここで、本実施形態に係る移動通信システムでは、SRVCC方式やSRVCC改善方式によって、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を、E-UTRAN或いはUTRANを介した経路(IMS VoIP通信用の経路)からUTRAN/GERANを介した経路(回線交換通信用の経路)に切り替えることができる。
【0029】
以下、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、E-UTRANに対するUE#1のAttach手順について説明する。
【0030】
図2に示すように、UE#1は、ステップS1001において、MMEに対して、UE#1がSRVCC方式に適応可能な否かについて示すUE#1のSRVCC能力を含む「Attach Request」を送信する。
【0031】
具体的には、かかるSRVCC能力は、図3に示すように、「Attach Request」内の「MS network capability value」によって表示される(例えば、3GPP TS24.008の10.5.512参照)。
【0032】
ステップS1002において、UE#1についての認証・秘匿処理及び位置登録処理が行われる。
【0033】
MMEは、ステップS1003において、HSS(Home Subscriber Server)によって管理されているUE#1の加入者プロファイルや、UE#1のSRVCC能力や、UE#1のホームネットワークや在圏ネットワークのポリシー等によって、UE#1にSRVCC改善方式を適用するか否かについて判定し、ステップS1004において、S-GWに対して、UE#1にSRVCC改善方式を適用するか否かについて示すSRVCC改善方式適用情報を含む「Create Bearer Request」を送信する。
【0034】
ステップS1005において、S-GWは、P-GWに対して、SRVCC改善方式適用情報を含む「Create Bearer Request」を送信する。
【0035】
P-GWは、ステップS1006において、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATF(すなわち、VATFを具備するP-CSCF或いはVATFと連携可能なP-CSCF等)を選択し、ステップS1007において、S-GWに対して、かかるP-CSCF/VATFの識別情報を示すP-CSCF情報を含む「Create Bearer Response」を送信する。
【0036】
ステップS1008において、S-GWは、MMEに対して、かかるP-CSCF情報を含む「Create Bearer Response」を送信する。
【0037】
ステップS1009において、MMEは、UE#1に対して、かかるP-CSCF情報を含む「Attach Response」を送信する。
【0038】
この結果、UE#1は、図5に示すUE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を設定する手順のステップ1において、かかるP-CSCF情報によって特定されるP-CSCF/VATF(すなわち、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF)に対して、「INVITE」を送信することができ、SRVCC改善方式によって、かかる経路を、E-UTRANを介した経路からUTRAN/GERANを介した経路に切り替えることができる。
【0039】
なお、SRVCC改善方式では、かかるP-CSCF/VATFが、MGW#1に対して、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路の切替を指示するように構成されている。
【0040】
(変更例1)
以下、図4を参照して、上述の第1の実施形態の変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0041】
以下、図4を参照して、本変更例1に係る移動通信システムにおいて、E-UTRANに対するUE#1のAttach手順について説明する。
【0042】
図4に示すように、ステップS2001乃至S2005の動作は、図2に示すステップS1001乃至S1005の動作と同一である。
【0043】
P-GWは、ステップS2006において、UE#1の識別情報とSRVCC回線方式適用情報とを関連付けて保持し、ステップS2007において、S-GWに対して、「Create Bearer Response」を送信する。
【0044】
ステップS2008において、S-GWは、MMEに対して、「Create Bearer Response」を送信する。
【0045】
ステップS2009において、MMEは、UE#1に対して、「Attach Response」を送信する。
【0046】
ステップS2010において、UE#1は、P-GWに対して、DHCP要求信号を送信する。
【0047】
UE#1は、DHCP要求信号内に、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATFのみを選択する指示を行う場合と、通常のIMS端末と同様に、P-CSCFを単に選択指示する場合とがある。
【0048】
ステップS2011において、P-GWは、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATF(すなわち、VATFを具備するP-CSCF或いはVATFと連携可能なP-CSCF等)を選択する。
【0049】
この場合、P-GWは、ステップS2010においてUE#1によってDHCP要求信号に設定された情報を考慮してもよい。
【0050】
なお、P-GWは、ステップS2012において、外部のDHCPサーバから、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATF(すなわち、VATFを具備するP-CSCF或いはVATFと連携可能なP-CSCF等)を選択するための情報を取得してもよい。
【0051】
この場合、P-GWは、ステップS2010においてUE#1によってDHCP要求信号に設定された情報を考慮してもよい。
【0052】
例えば、受信したUE#1から受信したDHCP要求信号に設定される、SRVCC改善方式に適応可能なP-CSCF/VATFのみを選択するか否かについての指示に関わる情報が転送されてもよい。
【0053】
ステップS2013において、P-GWは、かかるP-CSCF/VATFの識別情報を示すP-CSCF情報を含むDHCP応答信号を送信する。
【0054】
(変更例2)
以下、図5を参照して、上述の第1の実施形態の変更例2に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0055】
以下、図5を参照して、本変更例2に係る移動通信システムにおいて、E-UTRANに対するUE#1のTAU(Tracking Area Update)手順について説明する。
【0056】
図5に示すように、ステップS3001において、UE#1は、MMEに対して、UE#1がSRVCC方式に適応可能な否かについて示すUE#1のSRVCC能力を含む「TAU Request」を送信する。
【0057】
具体的には、かかるSRVCC能力は、図3に示すように、「TAU Request」内の「MS network capability value」によって表示される(例えば、3GPP TS24.008の10.5.512参照)。
【0058】
ステップS3002において、UE#1についての認証・秘匿処理及び位置登録処理が行われる。
【0059】
MMEは、ステップS3003において、UE#1がSRVCC方式に適応可能であると判断した場合に、現在のUE#1に接続されているP-CSCFのSRVCC改善方式の対応状況や、UE#1がSRVCC改善方式の対応可否を変更したこと等を鑑みて、必要に応じて、ステップS3004において、UE#1に対して、再度Attach手順を行うように指示する再アタッチ指示信号を送信する。
【0060】
以下、ステップS3005乃至S3013の動作は、図2に示すステップS1001乃至S1009の動作と同一である。
【0061】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0062】
本実施形態の第1の特徴は、E-UTRAN(回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワーク)と、UTRAN/GERAN(回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワーク)とを具備しており、UE#1(第1移動局)の在圏ネットワーク内のMGW#1(所定ノード)において、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を、E-UTRANを介した経路からUTRAN/GERANを介した経路に切り替えるSRVCC改善方式(切替方式)が適応可能である移動通信システムにおける移動通信方法であって、E-UTRANに接続されているMME(移動管理ノード)が、UE#1から受信した「Attach Request(位置登録要求信号)」に応じて、E-UTRANに接続されているS-GW/P-GW(ゲートウェイ装置)に対して、UE#1にSRVCC改善方式を適用するか否かについて示すSRVCC改善方式適用情報(適用情報)を送信する工程Aと、SRVCC改善方式適用情報を受信したS-GW/P-GWが、MGW#1に対して音声通信用の経路の切替指示を送信することができるP-CSCF/VATF(切替指示ノード)の識別情報を示すP-CSCF情報を、UE#1に対して通知する工程Bとを有することを要旨とする。
【0063】
本実施形態の第1の特徴において、工程Aにおいて、MMEは、S-GW/P-GWに対して、「Create Bearer Request(ベアラ生成要求信号)」によってSRVCC改善方式適用情報を送信し、工程Bにおいて、S-GW/P-GWは、MMEに対して、「Create Bearer Response(ベアラ生成応答信号)」によってP-CSCF情報を送信し、MMEは、UE#1に対して、「Attach Response(位置登録応答信号)」によってP-CSCF情報を送信してもよい。
【0064】
本実施形態の第1の特徴において、工程Aにおいて、MMEは、S-GW/P-GWに対して、「Create Bearer Request」によってSRVCC改善方式適用情報を送信し、工程Bにおいて、S-GW/P-GWは、UE#1からのDHCP要求信号に対するDHCP応答信号によってP-CSCF情報を送信してもよい。
【0065】
本実施形態の第2の特徴は、E-UTRANと、UTRAN/GERANとを具備しており、UE#1の在圏ネットワーク内のMGW#1において、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を、E-UTRANを介した経路からUTRAN/GERANを介した経路に切り替えるSRVCC改善方式が適応可能である移動通信システムであって、MMEは、UE#1から受信した「Attach Request」に応じて、E-UTRANに接続されているS-GW/P-GWに対して、SRVCC改善方式適用情報を送信するように構成されており、SRVCC改善方式適用情報を受信したS-GW/P-GWは、P-CSCF情報を、UE#1に対して通知するように構成されていることを要旨とする。
【0066】
本実施形態の第2の特徴において、MMEは、S-GW/P-GWに対して、「Create Bearer Request」によってSRVCC改善方式適用情報を送信するように構成されており、S-GW/P-GWは、MMEに対して、「Create Bearer Response」によってP-CSCF情報を送信するように構成されており、MMEは、UE#1に対して、「Attach Response」によってP-CSCF情報を送信するように構成されていてもよい。
【0067】
本実施形態の第2の特徴において、MMEは、S-GW/P-GWに対して、「Create Bearer Request」によってSRVCC改善方式適用情報を送信するように構成されており、S-GW/P-GWは、UE#1からのDHCP要求信号に対するDHCP応答信号によってP-CSCF情報を送信するように構成されていてもよい。
【0068】
本実施形態の第3の特徴は、E-UTRANと、UTRAN/GERANとを具備しており、UE#1の在圏ネットワーク内のMGW#1において、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を、E-UTRANを介した経路からUTRAN/GERANを介した経路に切り替えるSRVCC改善方式が適応可能である移動通信システムにおいて、UE#1として機能するUEであって、E-UTRANに接続されているS-GW/P-GWから「Attach Response」を受信した場合に、S-GW/P-GWに対してDHCP要求信号を送信することによって、P-CSCF情報を取得するように構成されていることを要旨とする。
【0069】
本発明の第4の特徴は、E-UTRANと、UTRAN/GERANとを具備しており、UE#1の在圏ネットワーク内のMGW#1において、UE#1とUE#2との間の音声通信用の経路を、E-UTRANを介した経路からUTRAN/GERANを介した経路に切り替えるSRVCC改善方式が適応可能である移動通信システムにおいて、E-UTRANに接続されているP-GWであって、受信したSRVCC改善方式適用情報に基づいて、P-CSCFを選択するように構成されており、UE#1に対して、選択したP-CSCFの識別情報を示すP-CSCFを通知するように構成されていることを要旨とする。
【0070】
なお、上述のMSCサーバ、MGW#1、MGW#2、MME、S-GW、P-GW、P-CSCF/VATF、I/S-CSCF、SCC AS、SGSN、MSC、UE#1、UE#2、HSS、DHCPサーバ、RNC、NodeB、eNBの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0071】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0072】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、MSCサーバ、MGW#1、MGW#2、MME、S-GW、P-GW、P-CSCF/VATF、I/S-CSCF、SCC AS、SGSN、MSC、UE#1、UE#2、HSS、DHCPサーバ、RNC、NodeB、eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてMSCサーバ、MGW#1、MGW#2、MME、S-GW、P-GW、P-CSCF/VATF、I/S-CSCF、SCC AS、SGSN、MSC、UE#1、UE#2、HSS、DHCPサーバ、RNC、NodeB、eNB内に設けられていてもよい。
【0073】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0074】
UE#1、UE#2…移動局
MME…移動管理ノード
SGSN…パケット交換機
MSC…回線交換機
S-GW、P-GW…ゲートウェイ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式を用いることができる移動通信システムにおける移動通信方法であって、
前記第1無線アクセスネットワークに接続されている移動管理ノードが、前記第1移動局から受信した位置登録要求信号に応じて、該第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置に対して、該第1移動局に前記切替方式を適用するか否かについて示す適用情報を送信する工程Aと、
前記適用情報を受信した前記ゲートウェイ装置が、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードの識別情報を、前記第1移動局に対して通知する工程Bとを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記工程Aにおいて、前記移動管理ノードは、前記ゲートウェイ装置に対して、ベアラ生成要求信号によって前記適用情報を送信し、
前記工程Bにおいて、前記ゲートウェイ装置は、前記移動管理ノードに対して、ベアラ生成応答信号によって前記切替指示ノードの識別情報を送信し、該移動管理ノードは、前記第1移動局に対して、位置登録応答信号によって該切替指示ノードの識別情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記工程Aにおいて、前記移動管理ノードは、前記ゲートウェイ装置に対して、ベアラ生成要求信号によって前記適用情報を送信し、
前記工程Bにおいて、前記ゲートウェイ装置は、前記第1移動局からのDHCP要求信号に対するDHCP応答信号によって前記切替指示ノードの識別情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項4】
回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式を用いることができる移動通信システムであって、
前記第1無線アクセスネットワークに接続されている移動管理ノードは、前記第1移動局から受信した位置登録要求信号に応じて、該第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置に対して、該第1移動局に前記切替方式を適用するか否かについて示す適用情報を送信するように構成されており、
前記適用情報を受信した前記ゲートウェイ装置は、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードの識別情報を、前記第1移動局に対して通知するように構成されていることを特徴とする移動通信システム。
【請求項5】
前記移動管理ノードは、前記ゲートウェイ装置に対して、ベアラ生成要求信号によって前記適用情報を送信するように構成されており、
前記ゲートウェイ装置は、前記移動管理ノードに対して、ベアラ生成応答信号によって前記切替指示ノードの識別情報を送信するように構成されており、
前記移動管理ノードは、前記第1移動局に対して、位置登録応答信号によって前記切替指示ノードの識別情報を送信するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の移動通信システム。
【請求項6】
前記移動管理ノードは、前記ゲートウェイ装置に対して、ベアラ生成要求信号によって前記適用情報を送信するように構成されており、
前記ゲートウェイ装置は、前記第1移動局からのDHCP要求信号に対するDHCP応答信号によって前記切替指示ノードの識別情報を送信するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の移動通信システム。
【請求項7】
回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式を用いることができる移動通信システムにおいて、前記第1移動局として機能する移動局であって、
前記第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置から位置登録応答信号を受信した場合に、該ゲートウェイ装置に対してDHCP要求信号を送信することによって、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードの識別情報を取得するように構成されていることを特徴とする移動局。
【請求項8】
回線交換通信をサポートしていない第1無線アクセスネットワークと、回線交換通信をサポートしている第2無線アクセスネットワークとを具備しており、第1移動局の在圏ネットワーク内の所定ノードにおいて、該第1移動局と第2移動局との間の音声通信用の経路を、前記第1無線アクセスネットワークを介した経路から前記第2無線アクセスネットワークを介した経路に切り替える切替方式を用いることができる移動通信システムにおいて、該第1無線アクセスネットワークに接続されているゲートウェイ装置であって、
受信した前記第1移動局に前記切替方式を適用するか否かについて示す適用情報に基づいて、前記所定ノードに対して前記音声通信用の経路の切替指示を送信することができる切替指示ノードを選択するように構成されており、
前記第1移動局に対して、選択した前記切替指示ノードの識別情報を通知するように構成されていることを特徴とするゲートウェイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−259015(P2011−259015A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129112(P2010−129112)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】