説明

移動通信方法及びポリシー制御ノード

【課題】Cell IDなどの位置情報をEPC網からIMS基盤に提供する移動通信方法及びポリシー制御ノードを提供すること。
【解決手段】本発明の移動通信方法においては、移動管理ノードMMEを介してベアラを確立し、移動端末UEの位置情報を無線基地局eNodeB又は移動管理ノードMMEから取得してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報を呼制御ノードP−CSCFに送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Cell IDなどの情報をEPC網からIMS基盤に提供する移動通信方法及びポリシー制御ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
IMS(IP Multimedia Subsystem)は、IPベースのマルチメディア通信サービスを提供することを目的として3GPP(3rd Generation Partnership Project)国際標準として既定されている。IMSとは、アクセス網に依存しないIPで通信するコアネットワークの概念である。各アクセス網をIP−CANと呼び、複数のIP−CANをシームレスに収容することを可能とする。IMSにおいては、アクセス網に依存しないため、異なるアクセス網で共通のネットワークサービス(例えば、留守番電話、キャッチホン、転送サービスなど)を提供することが可能となる。このIMSを利用した移動通信システムが、非特許文献1に規定されている。
【0003】
図1は、IMSにおいてアクセス網がLTE(Long Term Evolution)網である場合のネットワークアーキテクチャを示す図である。3GPP国際標準では、IP移動伝達ネットワークをEPC(Evolved Packet Core)網として規定し、サービス制御ネットワークをIMSとして規定している。LTEアクセスシステムにおいては、その基地局であるeNodeBをMME(Mobility Management Entity)とS−GW(Serving-Gateway)により収容する。MMEは、LTEアクセスシステムの無線ゾーンに在圏する移動端末UE(User Equipment)とインタフェースを持ち、移動端末UEの移動管理、移動端末の認証及び移動端末とのIP伝達経路の設定制御を行う。S−GWは、MMEの指令に基づいてIPパケットの伝達制御を行う。
【0004】
また、EPC網においては、P−GW(PDN(Packet Data Network)-Gateway)及びPCRF(Policy and Charging Rules Function)が設定される。P−GWは、インターネット、IMSなどのPDNとの接続点があり、PDNから移動端末UEへのIPパケットをすべて受ける。PCRFは、P−GW、S−GWでの伝達品質制御を行うための、QoS(Quality of Service)、課金方法などのIPパケット伝達ポリシーを決定する。
【0005】
IMSは、主にセッション制御機能(CSCF)、アプリケーションサービス制御機能(AS)を含む。また、IMSは、ユーザ情報蓄積機能(HSS)を含む。
【0006】
CSCF(Call Session Control Function)は、サービス制御ネットワークの制御の核であるセッション制御を行う機能であり、移動端末間の通信セッションの設定、解放や、サービス条件にしたがってASを選択して、セッション制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)信号を転送する。CSCFは、P−CSCF(Proxy-CSCF)、S−CSCF(Serving-CSCF)、I−CSCF(Interogating-CSCF)の3つの機能要素に分けられる。
【0007】
AS(Application Server)は、移動端末と連携して、各アプリケーションサービスの共通基本制御又は全般の制御を行う。HSS(Home Subscriber Server)は、サービス制御ネットワークにアクセスする移動端末のユーザ情報を扱うデータベースである。なお、図1において、破線はC−Plane(ユーザデータ)を示し、実線はU−Plane(制御信号)を示す。
【0008】
一方、非特許文献1においては、Cell IDなどの位置情報が規定されている。Cell IDとは、1台の無線基地局のカバレッジエリアをさらに細分化したエリアの識別子であり、LTEにおいてはE−CGI(Enhanced Cell Global Identity)として規定されている。また、位置情報としてはエリアコードやTracking Area IDがあり、このエリアコードは、MMEかeNodeBに保持され、Tracking Area IDはMMEに保持される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS23.003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図2は、LTEアクセスシステムからのアタッチ制御について説明するためのシーケンス図である。まず、移動端末UEは、eNodeBを介してMMEに対して接続要求を行う。このとき、eNodeBはCell IDをMMEに送る。その後、移動端末UEは、認証・秘匿などのセキュリティ手順を実施する。その後、MMEが位置登録要求メッセージをHSSに送信する。また、MMEは、S−GW、P−GWに対してセッション生成要求を行う。このとき、MMEは、Cell IDをS−GWに送る。その後、P−GWとPCRFとの間でセッションが確立されると、Cell IDがP−GWを介してPCRFに送られる。このように、アタッチ制御により、図1に示すように、Cell IDは、MME、S−GW、PCRFで保持される。
【0011】
現状の3GPP国際標準におけるIMSの仕様では、IMSは、移動端末からCell IDを取得することができるが、アクセス網から取得することができない。しかしながら、改ざんなどのセキュリティ観点からアクセス網から移動端末の在圏Cell IDを取得できるようにすることが望ましい。また、信用できるCell IDの代表的な利用用途として、課金の際の信用できる要素、通信傍受の際の位置特定要素、緊急呼発信の際の適切な接続先の特定のための要素、その他IMSサービス提供の際の要素がある。この観点からも、アクセス網から移動端末の在圏Cell IDを取得できるようにすることが望ましい。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、Cell IDなどの位置情報をEPC網からIMS基盤に提供する移動通信方法及びポリシー制御ノードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の移動通信方法は、移動管理ノードを介してベアラを確立する工程と、前記移動端末の位置情報を前記無線基地局又は前記移動管理ノードから取得してポリシー制御ノードに送信する工程と、前記ポリシー制御ノードから前記位置情報を呼制御ノードに送信する工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】
本発明のポリシー制御ノードは、移動端末の位置情報を保持するポリシー制御ノードであって、移動管理ノードを介してベアラが確立された後に、前記無線基地局又は前記移動管理ノードから取得された前記位置情報を保持し、前記位置情報を呼制御ノードに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ベアラを確立する際に取得する、発着信した際にユーザが在圏している最新の位置情報を通知するので、IMS基盤では、最新の位置情報を取得することができ、信頼性の高い位置情報をIMSにて扱うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】IMSにおいてアクセス網がLTE網である場合のネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図2】LTEアクセスシステムからのアタッチ制御について説明するためのシーケンス図である。
【図3】本発明の移動通信方法を説明するための図である。
【図4】本発明の移動通信方法に係るPMIPシーケンス(Cell ID取得)を示す図である。
【図5】本発明の移動通信方法に係るGTPシーケンス(Cell ID取得)を示す図である。
【図6】本発明の移動通信方法に係る、P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(Cell ID取得)を示す図である。
【図7】本発明の移動通信方法に係る、P−CSCFから取得要求するGTPシーケンス(Cell ID取得)を示す図である。
【図8】本発明の移動通信方法に係るPMIPシーケンス(エリアコード取得)を示す図である。
【図9】本発明の移動通信方法に係る、P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(エリアコード取得)を示す図である。
【図10】本発明の移動通信方法に係るPMIPシーケンス(Tracking Area ID取得)を示す図である。
【図11】本発明の移動通信方法に係る、P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(Tracking Area ID取得)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る、IMSにおいてアクセス網がLTE網である場合のネットワークアーキテクチャを示す図である。上述したように、3GPP国際標準では、IP移動伝達ネットワークをEPC網として規定し、サービス制御ネットワークをIMSとして規定している。LTEアクセスシステムにおいては、その基地局であるeNodeBをMMEとS−GWにより収容する。
【0018】
移動管理ノードMMEは、LTEアクセスシステムの無線ゾーンに在圏する移動端末UEとインタフェースを持ち、移動端末UEの移動管理、移動端末の認証及び移動端末とのIP伝達経路の設定制御を行う。MMEは、移動端末UEの移動管理及び認証をHSSと連携して行う。また、MMEは、移動端末UEが送受信するIPパケットの伝達経路の設定をS−GWとeNodeBに対して行う。
【0019】
ゲートウェイ装置S−GWは、MMEの指令に基づいてIPパケットの伝達制御を行う。S−GWは、IPパケットを伝達する際に、PCRFから通知されたQoS情報にしたがってIPパケットの伝達品質制御を行う。
【0020】
また、EPC網においては、P−GW及びPCRFが設定される。P−GWは、インターネット、IMSなどのPDNとの接続点があり、PDNから移動端末UEへのIPパケットをすべて受ける。P−GWは、受信した移動端末UEへのIPパケットをS−GWなどに伝達する。また、ゲートウェイ装置P−GWは、IPパケットを伝達する際に、PCRFから通知されたQoS情報にしたがってIPパケットの伝達品質制御を行う。
【0021】
ポリシー制御ノードPCRFは、P−GW、S−GWでの伝達品質制御を行うための、QoS(Quality of Service)、課金方法などのIPパケット伝達ポリシーを決定する。IPパケット伝達ポリシーは、IMSから通知される、移動端末UEから要求されたサービスアプリケーションの情報、ユーザのサービス契約情報などから決定する。
【0022】
IMSは、主にセッション制御機能(CSCF)、アプリケーションサービス制御機能(AS)を含む。また、IMSは、ユーザ情報蓄積機能(HSS)を含む。
【0023】
呼制御ノードCSCFは、サービス制御ネットワークの制御の核であるセッション制御を行う機能であり、移動端末間の通信セッションの設定、解放や、サービス条件にしたがってASを選択して、セッション制御プロトコルであるSIP信号を転送する。呼制御ノードCSCFは、P−CSCF、S−CSCF、I−CSCFの3つの機能要素に分けられる。また、呼制御ノードCSCFには、E−CSCFも含まれる。
【0024】
P−CSCFは、IP移動伝達ネットワークとの接続点に配備され、IP移動伝達ネットワークのP−GWと接続し、S−CSCF及びI−CSCFと移動端末UEとの間のSIP信号を中継する。P−CSCFは、移動端末UEから送られてくるSIP信号の正当性確認を行い、セッション制御に必要な情報(課金情報など)をS−CSCF向けに付加する。逆に、移動端末UE向けに送信すべきでない情報(番号非通知で着信した場合の発信者IDなど)を削除する。また、P−CSCFは、IMSでQoS制御を行うために必要なアプリケーション種別情報をPCRFに通知する。
【0025】
S−CSCFは、HSSから得たユーザ情報を用いてセッション制御や認証を行う。また、S−CSCFは、移動端末UEからセッション起動信号を受信したときに、イニシャルフィルタクライテリアの情報にしたがって、サービスに応じたASを選択し、SIP信号を中継する。
【0026】
I−CSCFは、IMSの関門として、他ネットワークからS−CSCFを隠蔽し、他ネットワークとS−CSCFとの間でSIP信号を中継する。I−CSCFは、IMSへの登録やセッション制御時に、HSSのユーザ情報にしたがってS−CSCFを選択する。
【0027】
E−CSCF(Emergency-CSCF)は、移動端末の位置情報取得、並びに、位置情報に応じた適切な緊急通報台の選択などを実施する。
【0028】
アプリケーションサーバASは、移動端末と連携して、各アプリケーションサービスの共通基本制御又は全般の制御を行う。具体的には、S−CSCFが移動端末UEとの間のSIP信号をASに中継し、ASがサービス制御を行う。また、ASは、HSSからアプリケーションサービスに関するユーザ情報を取得し、そのアプリケーションのための認証、認可を行う。
【0029】
ホーム加入者サーバHSSは、サービス制御ネットワークにアクセスする移動端末のユーザ情報を扱うデータベースである。具体的には、プライベートユーザ識別子、パブリックユーザ識別子、セッション制御を行うS−CSCFのアドレス、契約サービス情報、セキュリティ情報、イニシャルフィルタクライテリアの情報などを保持する。また、HSSは、S−CSCF、I−CSCF、ASからの情報読み出し、書き込みを行う。
【0030】
本発明においては、移動端末の在圏Cell IDなどの位置情報をLTE網からIMSに対して送信する場合に、移動管理ノードMMEが無線基地局eNodeBに対してベアラを確立する際の信号を用いて上記位置情報を取得し、IMS側に通知する。これにより、IMSでは、最新の位置情報を取得することができる。
【0031】
本発明の移動通信方法においては、図3に示すように、IMS基盤の呼制御ノードからQoS情報がEPC網のポリシー制御ノードに指示される(Diameter Base ProtocolのAAR信号、AAA信号)(ステップ(1))。次いで、EPC網と移動端末UE及び無線基地局eNodeBとの間で、移動端末UE及び無線基地局eNodeB間の無線ベアラが確立される(ステップ(2)、(3))。その後、EPC網のポリシー制御ノードからIMS基盤の呼制御ノードにリソース確保完了通知が送られる(Diameter Base ProtocolのRAR信号、RAA信号)(ステップ(4))。この方法において、ベアラ確立応答のステップ(3)及びリソース確保完了通知のステップ(4)で位置情報(移動端末の在圏Cell ID、エリアコード、Tracking Area ID)を通知する。
【0032】
例えば、EPC網のポリシー制御ノード(PCRF)が保持する在圏Cell IDは登録時のCell IDであり、発信した際にユーザが在圏しているCell IDとは限らないことが考えられる。上記移動通信方法によれば、無線ベアラを確立する際に取得する在圏Cell IDであるので、発着信した際にユーザが在圏している最新のCell IDである。これにより、IMS基盤では、最新の位置情報を取得することができ、信頼性の高い位置情報をIMSにて扱うことが可能となる。
【0033】
すなわち、本発明の移動通信方法は、移動管理ノードを介して移動端末と無線基地局との間の無線ベアラを確立し、前記移動端末の位置情報を前記無線基地局から取得し、前記移動管理ノードを経由してポリシー制御ノードに送信し、前記ポリシー制御ノードから前記位置情報を呼制御ノードに送信することを特徴とする。
【0034】
この場合において、Diameter Base ProtocolのRAA信号で送信された位置情報をDiameter Base ProtocolのRAR信号で前記呼制御ノードに送信することが好ましい。また、呼制御ノードから送信されたDiameter Base ProtocolのAAR信号に対するDiameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードに送信することが好ましい。さらに、呼制御ノードから前記AAR信号と共に送信された前記位置情報の取得要求信号を、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置に送信することが好ましい。また、本発明の移動通信方法においては、位置情報は、移動端末の在圏Cell ID、エリアコード、Tracking Area IDであることが好ましい。なお、エリアコードとは、無線基地局に設定される情報要素であり、無線基地局の設置場所(例えば、東京都千代田区)を示すものである。また、Tracking Area IDは、EPC網における移動管理エリア単位であり、移動管理ノードMMEによって保持されている情報である。
【0035】
本発明の移動通信方法は、以下のシーケンスを含む。
(1)PMIP(Proxy Mobile Internet Protocol)シーケンス(Cell ID取得)(図4参照)
(2)GTP(GPRS(General Packet Radio Service) Tunneling Protocol)シーケンス(Cell ID取得)(図5参照)
(3)P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(Cell ID取得)(図6参照)
(4)P−CSCFから取得要求するGTPシーケンス(Cell ID取得)(図7参照)
(5)PMIPシーケンス(エリアコード取得)(図8参照)
(6)P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(エリアコード取得)(図9参照)
(7)PMIPシーケンス(Tracking Area ID取得)(図10参照)
(8)P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(Tracking Area ID取得)(図11参照)
以下、これらのシーケンスについて説明する。
【0036】
(1)PMIPシーケンス(Cell ID取得)
このシーケンスにおいては、図4に示すように、まず、IMSレイヤでのセッション確立が行われる。次いで、呼制御ノードP−CSCFはLTE網へのQoS確保を指示する。すなわち、呼制御ノードP−CSCFは、ポリシー制御ノードPCRFと連携して、発信側、着信側の移動端末UEの能力(使用可能なコーデックなど)と無線アクセス網(ここではLTE網)のリソース状況に応じてQoSを設定する。具体的には、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR(AA−Request)信号をポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFにおいて、サービス情報を認証し、サービス情報を格納する。次いで、ポリシー制御ノードPCRFが、Diameter Base ProtocolのAAA信号(AA−Answer)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0037】
なお、図4は、呼制御ノードP−CSCFからベアラ設定要求があった場合のシーケンスを示しているが、本発明は、移動端末からベアラ設定要求があった場合にも同様に適用することができる。図4において、以下に説明するシーケンスは、呼制御ノードP−CSCFからのベアラ設定要求及び移動端末からのベアラ設定要求のいずれにも共通するシーケンスである。
【0038】
ポリシー制御ノードPCRFにおいては、RTP(Real-time Transport Protocol)/RTCP(RTP Control Protocol)用のPCC(Policy and Charging Control)/QoSルールを決定する。そして、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR(Re-Auth-Request)信号をゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWでは、QoSルールをインストールする。
【0039】
次いで、移動管理ノードMMEを介して移動端末UEと無線基地局eNodeBとの間の無線ベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置S−GWから生成ベアラ要求信号(GTPv2_Create Bearer Request)を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、E−RAB(EPS-Radio Access Bearer)セットアップ要求信号(S1-AP_E-RAB Setup Request)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、無線リソース制御接続の再設定信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration)を移動端末UEに送信する。
【0040】
次いで、移動端末UEは、無線リソース制御接続の再設定完了信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration Complete)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、E−RABセットアップ要求信号に対する応答信号(S1-AP_E-RAB Setup Response)を移動管理ノードMMEに送信する。また、移動端末UEは、無線リソース制御の上りリンクの情報の信号(RRC UL Information Transfer)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、UE−MME間のモビリティ管理及びセッション管理の制御信号(S1-AP_Uplink NAS(Non-Access Stratum) Transport)を移動管理ノードMMEに送信する。無線基地局eNodeBは、この制御信号と共に、移動端末UE(ユーザ)が在圏しているセルのCell−IDを移動管理ノードMMEに送信する。なお、本情報(在圏しているセルのCell−ID)はS1-AP_E-RAB Setup Responseに設定されていてもよい。
【0041】
次いで、移動管理ノードMMEは、生成ベアラ応答信号(GTPv2_Create Bearer Response)及びCell IDをゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びCell IDをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置P−GWに送信する。ゲートウェイ装置P−GWでは、PCCルールをインストールする。ゲートウェイ装置P−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA(Re-Auth-Answer)信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びCell IDを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(Cell ID)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Cell ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0042】
(2)GTPシーケンス(Cell ID取得)
このシーケンスにおいては、図5に示すように、まず、IMSレイヤでのセッション確立が行われる。次いで、呼制御ノードP−CSCFはLTE網へのQoS確保を指示する。すなわち、呼制御ノードP−CSCFは、ポリシー制御ノードPCRFと連携して、発信側、着信側の移動端末UEの能力(使用可能なコーデックなど)と無線アクセス網(ここではLTE網)のリソース状況に応じてQoSを設定する。具体的には、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base Protocol(ピア・ツー・ピア型通信による認証、承認、課金のプロトコル)のAAR信号をポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFにおいて、サービス情報を認証し、サービス情報を格納する。次いで、ポリシー制御ノードPCRFが、Diameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0043】
なお、図5は、呼制御ノードP−CSCFからベアラ設定要求があった場合のシーケンスを示しているが、本発明は、移動端末からベアラ設定要求があった場合にも同様に適用することができる。図5において、以下に説明するシーケンスは、呼制御ノードP−CSCFからのベアラ設定要求及び移動端末からのベアラ設定要求のいずれにも共通するシーケンスである。
【0044】
ポリシー制御ノードPCRFにおいては、RTP/RTCP用のPCC/QoSルールを決定する。そして、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置P−GWに送信する。ゲートウェイ装置P−GWでは、QoSルールをインストールする。
【0045】
次いで、移動管理ノードMMEを介して移動端末UEと無線基地局eNodeBとの間の無線ベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置P−GWから生成ベアラ要求信号(GTPv2_Create Bearer Request)をゲートウェイ装置S−GWに送信し、ゲートウェイ装置S−GWが生成ベアラ要求信号(GTPv2_Create Bearer Request)を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、E−RABセットアップ要求信号(S1-AP_E-RAB Setup Request)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、無線リソース制御接続の再設定信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration)を移動端末UEに送信する。
【0046】
次いで、移動端末UEは、無線リソース制御接続の再設定完了信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration Complete)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、E−RABセットアップ要求信号に対する応答信号(S1-AP_E-RAB Setup Response)を移動管理ノードMMEに送信する。また、移動端末UEは、無線リソース制御の上りリンクの情報の信号(RRC UL Information Transfer)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、UE−MME間のモビリティ管理及びセッション管理の制御信号(S1-AP_Uplink NAS Transport)を移動管理ノードMMEに送信する。無線基地局eNodeBは、この制御信号と共に、移動端末UE(ユーザ)が在圏しているセルのCell−IDを移動管理ノードMMEに送信する。なお、本情報(在圏しているセルのCell−ID)はS1-AP_E-RAB Setup Responseに設定されていてもよい。
【0047】
次いで、移動管理ノードMMEは、生成ベアラ応答信号(GTPv2_Create Bearer Response)及びCell IDをゲートウェイ装置S−GWに送信し、ゲートウェイ装置S−GWが生成ベアラ応答信号(GTPv2_Create Bearer Response)をゲートウェイ装置P−GWに送信する。ゲートウェイ装置P−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びCell IDをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びCell IDを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(Cell ID)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Cell ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0048】
(3)P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(Cell ID取得)
このシーケンスにおいては、緊急通報の場合において、音声用ベアラを設定する前に、呼制御ノードP−CSCFが移動端末UEの位置情報を取得する場合について示している。図6に示すように、まず、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードP−CSCFに送信されると、呼制御ノードP−CSCFにおいて、緊急呼であるかどうかが判定される。
【0049】
次いで、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このとき、呼制御ノードP−CSCFは、Cell ID取得の要求信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。また、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びCell ID取得の要求信号をゲートウェイ装置S−GWに送信する。
【0050】
次いで、移動管理ノードMMEを介してベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置S−GWから変更ベアラ要求信号(GTPv2_Modify Bearer Request)及びCell ID取得の要求信号を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORTING CONTROL)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORT)を移動管理ノードMMEに送信する。無線基地局eNodeBは、この制御信号と共に、移動端末UE(ユーザ)が在圏しているセルのCell−IDを移動管理ノードMMEに送信する。
【0051】
次いで、移動管理ノードMMEは、変更ベアラ応答信号(GTPv2_Modify Bearer Response)及びCell IDをゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びCell IDをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びCell IDを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(Cell ID)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Cell ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0052】
図6においては、移動管理ノードMMEと無線基地局eNodeBとの間で位置報告が行われる手順を含んでおり、その手順の中で位置情報(Cell ID)を無線基地局から取得する場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、位置報告手順を実施せず、移動管理ノードMMEが保持している位置情報(Cell ID)を移動管理ノードMMEからポリシー制御ノードPCRFを経由して呼制御ノードP−CSCFに送信しても良い。
【0053】
(4)P−CSCFから取得要求するGTPシーケンス(Cell ID取得)
このシーケンスにおいては、緊急通報の場合において、音声用ベアラを設定する前に、呼制御ノードP−CSCFが移動端末UEの位置情報を取得する場合について示している。図7に示すように、まず、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードP−CSCFに送信されると、呼制御ノードP−CSCFにおいて、緊急呼であるかどうかが判定される。
【0054】
次いで、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このとき、呼制御ノードP−CSCFは、Cell ID取得の要求信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。また、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びCell ID取得の要求信号をゲートウェイ装置P−GWに送信する。
【0055】
次いで、移動管理ノードMMEを介してベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置P−GWから変更ベアラ要求信号(GTPv2_Modify Bearer Request)及びCell ID取得の要求信号をゲートウェイ装置S−GWに送信し、ゲートウェイ装置S−GWは、変更ベアラ要求信号(GTPv2_Modify Bearer Request)及びCell ID取得の要求信号を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORTING CONTROL)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORT)を移動管理ノードMMEに送信する。無線基地局eNodeBは、この制御信号と共に、移動端末UE(ユーザ)が在圏しているセルのCell−IDを移動管理ノードMMEに送信する。
【0056】
次いで、移動管理ノードMMEは、変更ベアラ応答信号(GTPv2_Modify Bearer Response)及びCell IDをゲートウェイ装置S−GWに送信し、ゲートウェイ装置S−GWは、変更ベアラ応答信号(GTPv2_Modify Bearer Response)及びCell IDをゲートウェイ装置P−GWに送信する。ゲートウェイ装置P−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びCell IDをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びCell IDを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(Cell ID)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Cell ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0057】
図7においては、移動管理ノードMMEと無線基地局eNodeBとの間で位置報告が行われる手順を含んでおり、その手順の中で位置情報(Cell ID)を無線基地局から取得する場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、位置報告手順を実施せず、移動管理ノードMMEが保持している位置情報(Cell ID)を移動管理ノードMMEからポリシー制御ノードPCRFを経由して呼制御ノードP−CSCFに送信しても良い。
【0058】
上記(3)、(4)の移動通信方法によれば、QoS設定の手順を経ることなく迅速にIMS基盤に位置情報を通知することができるので、IMS基盤において、信頼性の高い位置情報を迅速に扱うことが可能となる。
【0059】
また、上記(3)、(4)の移動通信方法においては、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードE−CSCFに送信され、呼制御ノードE−CSCFで緊急呼の判定を行い、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号及びCell ID取得の要求信号を直接ポリシー制御ノードPCRFに送信しても良く、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードE−CSCFに送信され、呼制御ノードE−CSCFで緊急呼の判定を行い、呼制御ノードE−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号及びCell ID取得の要求信号を呼制御ノードP−CSCFを介してポリシー制御ノードPCRFに送信しても良い。
【0060】
(5)PMIPシーケンス(エリアコード取得)
このシーケンスにおいては、図8に示すように、まず、IMSレイヤでのセッション確立が行われる。次いで、呼制御ノードP−CSCFはLTE網へのQoS確保を指示する。すなわち、呼制御ノードP−CSCFは、ポリシー制御ノードPCRFと連携して、発信側、着信側の移動端末UEの能力(使用可能なコーデックなど)と無線アクセス網(ここではLTE網)のリソース状況に応じてQoSを設定する。具体的には、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号をポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFにおいて、サービス情報を認証し、サービス情報を格納する。次いで、ポリシー制御ノードPCRFが、Diameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0061】
なお、図8は、呼制御ノードP−CSCFからベアラ設定要求があった場合のシーケンスを示しているが、本発明は、移動端末からベアラ設定要求があった場合にも同様に適用することができる。図8において、以下に説明するシーケンスは、呼制御ノードP−CSCFからのベアラ設定要求及び移動端末からのベアラ設定要求のいずれにも共通するシーケンスである。
【0062】
ポリシー制御ノードPCRFにおいては、RTP/RTCP用のPCC/QoSルールを決定する。そして、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWでは、QoSルールをインストールする。
【0063】
次いで、移動管理ノードMMEを介して移動端末UEと無線基地局eNodeBとの間の無線ベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置S−GWから生成ベアラ要求信号(GTPv2_Create Bearer Request)を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、E−RABセットアップ要求信号(S1-AP_E-RAB Setup Request)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、無線リソース制御接続の再設定信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration)を移動端末UEに送信する。
【0064】
次いで、移動端末UEは、無線リソース制御接続の再設定完了信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration Complete)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、E−RABセットアップ要求信号に対する応答信号(S1-AP_E-RAB Setup Response)を移動管理ノードMMEに送信する。無線基地局eNodeBは、この制御信号と共に、エリアコードを移動管理ノードMMEに送信する(無線基地局eNodeBがエリアコードを保持している場合には、ベアラ設定時に、移動管理ノードMMEにエリアコードを通知するように設定されている)。
【0065】
また、移動端末UEは、無線リソース制御の上りリンクの情報の信号(RRC UL Information Transfer)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、UE−MME間のモビリティ管理及びセッション管理の制御信号(S1-AP_Uplink NAS Transport)を移動管理ノードMMEに送信する。無線基地局eNodeBは、応答信号(S1-AP_E-RAB Setup Response)の代わりに、この制御信号と共に、エリアコードを移動管理ノードMMEに送信しても良い。
【0066】
次いで、移動管理ノードMMEは、生成ベアラ応答信号(GTPv2_Create Bearer Response)及びエリアコードをゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びエリアコードをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置P−GWに送信する。ゲートウェイ装置P−GWでは、PCCルールをインストールする。ゲートウェイ装置P−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA(Re-Auth-Answer)信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びエリアコードを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(エリアコード)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(エリアコード)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0067】
図8においては、PMIPシーケンスを示しているが、本発明においては、GTPシーケンスにおいて、同様に、移動端末UEの位置情報(エリアコード)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(エリアコード)を呼制御ノードP−CSCFに送信することも可能である。
【0068】
(6)P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(エリアコード取得)
このシーケンスにおいては、緊急通報の場合において、音声用ベアラを設定する前に、呼制御ノードP−CSCFが移動端末UEの位置情報を取得する場合について示している。図9に示すように、まず、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードP−CSCFに送信されると、呼制御ノードP−CSCFにおいて、緊急呼であるかどうかが判定される。
【0069】
次いで、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このとき、呼制御ノードP−CSCFは、エリアコード取得の要求信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。また、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びエリアコード取得の要求信号をゲートウェイ装置S−GWに送信する。
【0070】
次いで、移動管理ノードMMEを介してベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置S−GWから変更ベアラ要求信号(GTPv2_Modify Bearer Request)及びエリアコード取得の要求信号を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORTING CONTROL)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORT)を移動管理ノードMMEに送信する。無線基地局eNodeBは、この制御信号と共に、エリアコードを移動管理ノードMMEに送信する。なお、無線基地局eNodeBがエリアコードを保持している場合、移動管理ノードMMEへ通知するように設定されていても良く、移動管理ノードMMEより「エリアコード取得要求」を設定し、この取得要求に対する応答の手順をとっても良い。
【0071】
次いで、移動管理ノードMMEは、変更ベアラ応答信号(GTPv2_Modify Bearer Response)及びエリアコードをゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びエリアコードをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びエリアコードを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(エリアコード)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(エリアコード)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0072】
図9においては、移動管理ノードMMEと無線基地局eNodeBとの間で位置報告が行われる手順を含んでおり、その手順の中で位置情報(エリアコード)を無線基地局から取得する場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、位置報告手順を実施せず、移動管理ノードMMEが保持している位置情報(エリアコード)を移動管理ノードMMEからポリシー制御ノードPCRFを経由して呼制御ノードP−CSCFに送信しても良い。
【0073】
また、上記(6)の移動通信方法においては、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードE−CSCFに送信され、呼制御ノードE−CSCFで緊急呼の判定を行い、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号及びエリアコード取得の要求信号を直接ポリシー制御ノードPCRFに送信しても良く、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードE−CSCFに送信され、呼制御ノードE−CSCFで緊急呼の判定を行い、呼制御ノードE−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号及びエリアコード取得の要求信号を呼制御ノードP−CSCFを介してポリシー制御ノードPCRFに送信しても良い。
【0074】
E-UTRAN Global Cell IDは、MCC、MNC、ECIで構成されており、ECIは、マクロ基地局の場合、eNodeB ID(20ビット)+Cell ID(8ビット)であり、フェムト基地局の場合、eNodeB ID(28ビット)となる。E−CGIは運用により、物理エリアとのマッピングが変更となる可能性がある。そのため、緊急通報台を選択するE−CSCFにおける“E−CGI−物理エリア“マッピングデータベースを、E−CGIの変更に伴って変更する必要がある。E−CSCFがエリアコードを取得できれば、上述のようなデータベース変更を実施する必要がなくなり、運用コストの低減が可能となる。
【0075】
図9においては、PMIPシーケンスを示しているが、本発明においては、GTPシーケンスにおいて、同様に、移動端末UEの位置情報(エリアコード)を無線基地局eNodeBから取得し、移動管理ノードMMEを経由してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(エリアコード)を呼制御ノードP−CSCFに送信することも可能である。
【0076】
(7)PMIPシーケンス(Tracking Area ID取得)
このシーケンスにおいては、図10に示すように、まず、IMSレイヤでのセッション確立が行われる。次いで、呼制御ノードP−CSCFはLTE網へのQoS確保を指示する。すなわち、呼制御ノードP−CSCFは、ポリシー制御ノードPCRFと連携して、発信側、着信側の移動端末UEの能力(使用可能なコーデックなど)と無線アクセス網(ここではLTE網)のリソース状況に応じてQoSを設定する。具体的には、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号をポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFにおいて、サービス情報を認証し、サービス情報を格納する。次いで、ポリシー制御ノードPCRFが、Diameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0077】
なお、図10は、呼制御ノードP−CSCFからベアラ設定要求があった場合のシーケンスを示しているが、本発明は、移動端末からベアラ設定要求があった場合にも同様に適用することができる。図10において、以下に説明するシーケンスは、呼制御ノードP−CSCFからのベアラ設定要求及び移動端末からのベアラ設定要求のいずれにも共通するシーケンスである。
【0078】
ポリシー制御ノードPCRFにおいては、RTP/RTCP用のPCC/QoSルールを決定する。そして、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWでは、QoSルールをインストールする。
【0079】
次いで、移動管理ノードMMEを介して移動端末UEと無線基地局eNodeBとの間の無線ベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置S−GWから生成ベアラ要求信号(GTPv2_Create Bearer Request)を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、E−RABセットアップ要求信号(S1-AP_E-RAB Setup Request)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、無線リソース制御接続の再設定信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration)を移動端末UEに送信する。
【0080】
次いで、移動端末UEは、無線リソース制御接続の再設定完了信号(RRC_RRC Connection Reconfiguration Complete)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、E−RABセットアップ要求信号に対する応答信号(S1-AP_E-RAB Setup Response)を移動管理ノードMMEに送信する。
【0081】
また、移動端末UEは、無線リソース制御の上りリンクの情報の信号(RRC UL Information Transfer)を無線基地局eNodeBに送信する。そして、無線基地局eNodeBは、UE−MME間のモビリティ管理及びセッション管理の制御信号(S1-AP_Uplink NAS Transport)を移動管理ノードMMEに送信する。
【0082】
次いで、移動管理ノードMMEは、生成ベアラ応答信号(GTPv2_Create Bearer Response)及びTracking Area IDをゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びTracking Area IDをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置P−GWに送信する。ゲートウェイ装置P−GWでは、QoSルールをインストールする。ゲートウェイ装置P−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA(Re-Auth-Answer)信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びTracking Area IDを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(Tracking Area ID)を移動管理ノードMMEから取得してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Tracking Area ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0083】
図10においては、PMIPシーケンスを示しているが、本発明においては、GTPシーケンスにおいて、同様に、移動端末UEの位置情報(Tracking Area ID)を移動管理ノードMMEから取得してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Tracking Area ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信することも可能である。
【0084】
(8)P−CSCFから取得要求するPMIPシーケンス(Tracking Area ID取得)
このシーケンスにおいては、緊急通報の場合において、音声用ベアラを設定する前に、呼制御ノードP−CSCFが移動端末UEの位置情報を取得する場合について示している。図11に示すように、まず、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードP−CSCFに送信されると、呼制御ノードP−CSCFにおいて、緊急呼であるかどうかが判定される。
【0085】
次いで、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このとき、呼制御ノードP−CSCFは、Tracking Area ID取得の要求信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのAAA信号を呼制御ノードP−CSCFに送信する。また、ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びTracking Area ID取得の要求信号をゲートウェイ装置S−GWに送信する。
【0086】
次いで、移動管理ノードMMEを介してベアラを確立する。まず、ゲートウェイ装置S−GWから変更ベアラ要求信号(GTPv2_Modify Bearer Request)及びTracking Area ID取得の要求信号を移動管理ノードMMEに送信する。移動管理ノードMMEは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORTING CONTROL)を無線基地局eNodeBに送信する。無線基地局eNodeBは、位置報告要求信号(S1-AP_LOCATION REPORT)を移動管理ノードMMEに送信する。
【0087】
次いで、移動管理ノードMMEは、変更ベアラ応答信号(GTPv2_Modify Bearer Response)及びTracking Area IDをゲートウェイ装置S−GWに送信する。ゲートウェイ装置S−GWは、Diameter Base ProtocolのRAA信号及びTracking Area IDをポリシー制御ノードPCRFに送信する。ポリシー制御ノードPCRFは、Diameter Base ProtocolのRAR信号及びエリアコードを呼制御ノードP−CSCFに送信する。呼制御ノードP−CSCFは、Diameter Base ProtocolのRAA信号をポリシー制御ノードPCRFに送信する。このようにして、移動端末UEの位置情報(Tracking Area ID)を移動管理ノードMMEから取得してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Tracking Area ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信する。
【0088】
また、上記(6)の移動通信方法においては、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードE−CSCFに送信され、呼制御ノードE−CSCFで緊急呼の判定を行い、呼制御ノードP−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号及びTracking Area ID取得の要求信号を直接ポリシー制御ノードPCRFに送信しても良く、移動端末UEから緊急呼番号(SIP_INVITE)が呼制御ノードE−CSCFに送信され、呼制御ノードE−CSCFで緊急呼の判定を行い、呼制御ノードE−CSCFが、Diameter Base ProtocolのAAR信号及びTracking Area ID取得の要求信号を呼制御ノードP−CSCFを介してポリシー制御ノードPCRFに送信しても良い。
【0089】
図11においては、PMIPシーケンスを示しているが、本発明においては、GTPシーケンスにおいて、同様に、移動端末UEの位置情報(Tracking Area ID)を移動管理ノードMMEから取得してポリシー制御ノードPCRFに送信し、ポリシー制御ノードPCRFから位置情報(Tracking Area ID)を呼制御ノードP−CSCFに送信することも可能である。
【0090】
上述の実施の形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施の形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上記実施の形態において、シーケンス中の信号名は一例であり、これに限定されず、別の信号名であっても良い。また、本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び更新態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0091】
S−CSCF,P−CSCF,I−CSCF,E−CSCF 呼制御ノード
PCRF ポリシー制御ノード
P−GW,S−GW ゲートウェイ装置
MME 移動管理ノード
AS アプリケーションサーバ
HSS ホーム加入者サーバ
eNodeB 無線基地局
UE 移動端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動管理ノードを介してベアラを確立する工程と、前記移動端末の位置情報を前記無線基地局又は前記移動管理ノードから取得してポリシー制御ノードに送信する工程と、前記ポリシー制御ノードから前記位置情報を呼制御ノードに送信する工程と、を具備することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
Diameter Base ProtocolのRAA信号で前記位置情報を前記ポリシー制御ノードに送信し、Diameter Base ProtocolのRAR信号で前記位置情報を呼制御ノードに送信することを特徴とする請求項1記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記呼制御ノードが、Diameter Base ProtocolのAAR信号をポリシー制御ノードに送信する工程と、前記ポリシー制御ノードが、前記AAR信号に対するDiameter Base ProtocolのAAA信号を前記呼制御ノードに送信する工程と、を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の移動通信方法。
【請求項4】
前記呼制御ノードが、前記AAR信号と共に前記位置情報の取得要求信号を前記ポリシー制御ノードに送信することを特徴とする請求項3記載の移動通信方法。
【請求項5】
前記ポリシー制御ノードが、Diameter Base ProtocolのRAR信号で前記取得要求信号をゲートウェイ装置に送信することを特徴とする請求項4記載の移動通信方法。
【請求項6】
緊急通報の場合において、音声用ベアラを設定する前に、前記呼制御ノードが前記移動端末の位置情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の移動通信方法。
【請求項7】
前記位置情報が、前記移動端末の在圏Cell ID、エリアコード、又はTracking Area IDであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の移動通信方法。
【請求項8】
移動端末の位置情報を保持するポリシー制御ノードであって、移動管理ノードを介してベアラが確立された後に、前記無線基地局又は前記移動管理ノードから取得された前記位置情報を保持し、前記位置情報を呼制御ノードに送信することを特徴とするポリシー制御ノード。
【請求項9】
Diameter Base ProtocolのRAA信号で送信された前記位置情報をDiameter Base ProtocolのRAR信号で前記呼制御ノードに送信することを特徴とする請求項8記載のポリシー制御ノード。
【請求項10】
前記呼制御ノードから送信されたDiameter Base ProtocolのAAR信号に対するDiameter Base ProtocolのAAA信号を前記呼制御ノードに送信することを特徴とする請求項8又は請求項9記載のポリシー制御ノード。
【請求項11】
前記呼制御ノードから前記AAR信号と共に送信された前記位置情報の取得要求信号を、Diameter Base ProtocolのRAR信号をゲートウェイ装置に送信することを特徴とする請求項10記載のポリシー制御ノード。
【請求項12】
前記位置情報が、前記移動端末の在圏Cell ID、エリアコード、又はTracking Area IDであることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載のポリシー制御ノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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