移動通信方法及び無線基地局
【課題】隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、無線基地局ｅＮＢ＃１は、複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ Ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知する工程を有し、複数のキャリアは、少なくとも１つの「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」を含む。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、無線基地局ｅＮＢ＃１は、複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ Ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知する工程を有し、複数のキャリアは、少なくとも１つの「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、移動通信方法及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＬＴＥ（Ｌｏｎｇ Ｔｅｒｍ Ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ）-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式では、移動局ＵＥは、１つの無線基地局ｅＮＢ配下の複数のキャリアを用いて、ＣＡ（Ｃａｒｒｉｅｒ Ａｇｇｒｅｇａｔｉｏｎ）通信を行うことができるように構成されている。
【０００３】
ここで、従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式では、上りリンクデータ信号及び下りリンクデータ信号のみを伝送するキャリアであり、ＰＤＣＣＨ（Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｄｏｗｎｌｉｎｋ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｈａｎｎｅｌ、物理下りリンク制御チャネル）信号を異なるキャリア上で送信する「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を導入することが検討されている。
【０００４】
かかる「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」が導入された場合、ＣＡ通信において、無線基地局ｅＮＢは、「Ｐｃｅｌｌ」からの「Ｃｒｏｓｓ ｃａｒｒｉｅｒ ｓｃｈｅｄｕｌｉｎｇ」によって、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信することができるようになる。
【０００５】
この結果、例えば、「Ｐｃｅｌｌ」をマクロセル（Ｍａｃｒｏ ｃｅｌｌ）及びピコセル（Ｐｉｃｏ ｃｅｌｌ）に分け、両セルにおいて「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を共通にすることで、「ＩＣＩＣ（Ｉｎｔｅｒ Ｃｅｌｌ Ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ Ｃｏｏｒｄｉｎａｔｉｏｎ）」を実現することが考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００６】
【非特許文献１】３ＧＰＰ ＴＳ３６.３００
【非特許文献１】３ＧＰＰ ＴＳ３６.４２３
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式では、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換する仕組みが備わっていないため、かかる「ＩＣＩＣ」を実現することができないという問題点があった。
【０００８】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換することができる移動通信方法及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の第１の特徴は、移動局が、無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行う移動通信方法であって、前記無線基地局は、前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知する工程を有し、前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを要旨とする。
【００１０】
本発明の第２の特徴は、移動局が無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行うことができる移動通信システムで用いられる無線基地局であって、前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知するように構成されている送信部を具備し、前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【００１１】
以上説明したように、本発明によれば、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換することができる移動通信方法及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図２】本発明の第１の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図３】本発明の第１の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」のフォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
（本発明の第１の実施形態に係る移動通信システム）
図１乃至図３を参照して、本発明の第１の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。本実施形態では、本実施形態に係る移動通信システムとして、ＬＴＥ方式の移動通信システムを例示して説明するが、本発明は、ＬＴＥ方式以外の移動通信システムにも適用可能である。
【００１４】
なお、本実施形態に係る移動通信システムでは、例えば、セル間の干渉を低減するために、「ＩＣＩＣ」を行うことができるように構成されている。
【００１５】
図１に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、セル＃１を管理する無線基地局ｅＮＢ＃１と、セル＃２を管理する無線基地局ｅＮＢ＃２とを具備している。
【００１６】
なお、セル＃１及び＃２は、マクロセルであってもよいし、ＣＳＧ（Ｃｌｏｓｅｄ Ｓｕｂｓｃｒｉｂｅｒ Ｇｒｏｕｐ）セルであってもよい。なお、ＣＳＧセルは、フェムト（Ｆｅｍｔｏ）セルやマイクロ（Ｍｉｃｒｏ）セルやピコ（Ｐｉｃｏ）セル等と呼ばれてもよい。
【００１７】
また、無線基地局ｅＮＢ＃１と無線基地局ｅＮＢ＃２との間では、Ｘ２コネクションを設定することができるように構成されている。
【００１８】
移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃１配下の複数のＣＣ（ＣｏｍｐｏｎｅｎｔＣａｒｒｉｅｒ）を用いてＣＡ通信を行うことができるように構成されている。
【００１９】
例えば、図１に示すように、移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃１配下において、下りリンク用ＣＣとして、ＣＣ＃１１及びＣＣ＃１２を用いて、かつ、上りリンク用ＣＣとして、ＣＣ＃２１及びＣＣ＃２２を用いて、ＣＡ通信を行うように構成されている。
【００２０】
ここで、ＣＣ＃１１及びＣＣ＃２１は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」であり、ＣＣ＃１２及びＣＣ＃２２は、従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式で通信可能な「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」である。
【００２１】
すなわち、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」は、上りリンクデータ信号及び下りリンクデータ信号だけでなく、ＰＤＣＣＨ信号も伝送する独立キャリアである。
【００２２】
同様に、移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃２配下の複数のＣＣを用いてＣＡ通信を行うことができるように構成されている。
【００２３】
例えば、図１に示すように、移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃２配下においリンク用ＣＣとて、下りリンク用ＣＣとして、ＣＣ＃３１及びＣＣ＃３２を用いて、かつ、上りして、ＣＣ＃３３及びＣＣ＃３４を用いて、ＣＡ通信を行うように構成されている。
【００２４】
ここで、ＣＣ＃３１及びＣＣ＃３３は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」であり、ＣＣ＃３２及びＣＣ＃３４は、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」である。
【００２５】
なお、ＣＡ通信で用いられる複数のキャリアには、少なくとも１つの「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれていなければならない。「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」は、かかる「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」の役割を果たすことができない。
【００２６】
無線基地局ｅＮＢ＃１及び無線基地局ｅＮＢ＃２の機能は、基本的に同一であるため、以下、代表して、無線基地局ｅＮＢ＃１の機能について説明する。
【００２７】
図２に示すように、無線基地局ｅＮＢ＃１は、ＣＡ制御部１１と、送信部１２と、受信部１３とを具備している。
【００２８】
ＣＡ制御部１１は、無線基地局ｅＮＢ＃１配下における移動局ＵＥのＣＡ通信を制御するように構成されている。
【００２９】
送信部１２は、移動局ＵＥ及び周辺無線基地局ｅＮＢ（例えば、無線基地局ｅＮＢ＃２）に対して、各種信号を送信するように構成されている。
【００３０】
受信部１３は、移動局ＵＥ及び周辺無線基地局ｅＮＢ（例えば、無線基地局ｅＮＢ＃２）から、各種信号を受信するように構成されている。
【００３１】
ここで、送信部１２は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して信号を送信することができないように構成されていてもよい。
【００３２】
また、送信部１２は、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、すなわち、「Ｃｒｏｓｓ ｃａｒｒｉｅｒ ｓｃｈｅｄｕｌｉｎｇ」によって、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信するように構成されていてもよい。
【００３３】
さらに、送信部１２は、無線基地局ｅＮＢ＃１配下における移動局ＵＥのＣＡ通信において用いられている複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されている。
【００３４】
ここで、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間のＸ２コネクションを設定する際に、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００３５】
例えば、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、図３に示す情報要素「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」を含む「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」又は「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」を送信するように構成されていてもよい。
【００３６】
また、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００３７】
例えば、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、図３に示す情報要素「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」を含む「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を送信するように構成されていてもよい。
【００３８】
ここで、情報要素「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」内の情報要素「Ｅｘｔｅｎｔｉｏｎ Ｃａｒｒｉｅｒ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ」に、上述の「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」の識別情報が設定可能である。
【００３９】
本実施形態に係る移動通信システムにおいて、例えば、セル＃１及びセル＃２において「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を共通にし、「Ｃｒｏｓｓ ｃａｒｒｉｅｒ ｓｃｈｅｄｕｌｉｎｇ」を用いることによって、することで、「ＩＣＩＣ」を実現することができる。
【００４０】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」や「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」や「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を用いて、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換することができる。
【００４１】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【００４２】
本実施形態の第１の特徴は、移動局ＵＥが、無線基地局ｅＮＢ＃１配下の複数のＣＣ（キャリア）を用いて通信（ＣＡ通信）を行う移動通信方法であって、無線基地局ｅＮＢ＃１は、複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ Ｃａｒｒｉｅｒ（拡張キャリア）」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知する工程を有し、複数のキャリアは、少なくとも１つの従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式で通信可能な「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ（独立キャリア）」を含むことを要旨とする。
【００４３】
本実施形態の第１の特徴において、上述の工程において、無線基地局ｅＮＢ＃１は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間のＸ２コネクションを設定する際に、「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」又は「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知してもよい。
【００４４】
本実施形態の第１の特徴において、上述の工程において、無線基地局ｅＮＢ＃１は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知してもよい。
【００４５】
本実施形態の第１の特徴において、無線基地局ｅＮＢは、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨ（物理下りリンク制御チャネル）を介して信号を送信せず、無線基地局ｅＮＢは、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信してもよい。
【００４６】
本実施形態の第２の特徴は、移動局ＵＥが無線基地局ｅＮＢ＃１配下の複数のＣＣを用いて通信を行うことができる移動通信システムで用いられる無線基地局ｅＮＢ＃１であって、複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されている送信部１２を具備し、複数のＣＣは、少なくとも１つの従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式で通信可能な「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」を含むことを要旨とする。
【００４７】
本実施形態の第２の特徴において、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間のＸ２コネクションを設定する際に、「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」又は「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００４８】
本実施形態の第２の特徴において、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００４９】
本実施形態の第２の特徴において、送信部１２は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して信号を送信しないように構成されており、送信部１２は、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信するように構成されていてもよい。
【００５０】
なお、上述の無線基地局ｅＮＢ＃１/ｅＮＢ＃２や移動局ＵＥの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【００５１】
ソフトウェアモジュールは、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）や、フラッシュメモリや、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）や、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ＲＯＭ）や、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ＲＯＭ）や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、ＣＤ-ＲＯＭといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【００５２】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ＡＳＩＣ内に設けられていてもよい。かかるＡＳＩＣは、無線基地局ｅＮＢや移動局ＵＥ内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局ｅＮＢ＃１/ｅＮＢ＃２や移動局ＵＥ内に設けられていてもよい。
【００５３】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【００５４】
ｅＮＢ＃１、ｅＮＢ＃２…無線基地局
１１…ＣＡ制御部
１２…送信部
１３…受信部
ＵＥ…移動局
【技術分野】
【０００１】
本発明は、移動通信方法及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＬＴＥ（Ｌｏｎｇ Ｔｅｒｍ Ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ）-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式では、移動局ＵＥは、１つの無線基地局ｅＮＢ配下の複数のキャリアを用いて、ＣＡ（Ｃａｒｒｉｅｒ Ａｇｇｒｅｇａｔｉｏｎ）通信を行うことができるように構成されている。
【０００３】
ここで、従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式では、上りリンクデータ信号及び下りリンクデータ信号のみを伝送するキャリアであり、ＰＤＣＣＨ（Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｄｏｗｎｌｉｎｋ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｈａｎｎｅｌ、物理下りリンク制御チャネル）信号を異なるキャリア上で送信する「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を導入することが検討されている。
【０００４】
かかる「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」が導入された場合、ＣＡ通信において、無線基地局ｅＮＢは、「Ｐｃｅｌｌ」からの「Ｃｒｏｓｓ ｃａｒｒｉｅｒ ｓｃｈｅｄｕｌｉｎｇ」によって、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信することができるようになる。
【０００５】
この結果、例えば、「Ｐｃｅｌｌ」をマクロセル（Ｍａｃｒｏ ｃｅｌｌ）及びピコセル（Ｐｉｃｏ ｃｅｌｌ）に分け、両セルにおいて「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を共通にすることで、「ＩＣＩＣ（Ｉｎｔｅｒ Ｃｅｌｌ Ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ Ｃｏｏｒｄｉｎａｔｉｏｎ）」を実現することが考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００６】
【非特許文献１】３ＧＰＰ ＴＳ３６.３００
【非特許文献１】３ＧＰＰ ＴＳ３６.４２３
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式では、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換する仕組みが備わっていないため、かかる「ＩＣＩＣ」を実現することができないという問題点があった。
【０００８】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換することができる移動通信方法及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の第１の特徴は、移動局が、無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行う移動通信方法であって、前記無線基地局は、前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知する工程を有し、前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを要旨とする。
【００１０】
本発明の第２の特徴は、移動局が無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行うことができる移動通信システムで用いられる無線基地局であって、前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知するように構成されている送信部を具備し、前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【００１１】
以上説明したように、本発明によれば、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換することができる移動通信方法及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図２】本発明の第１の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図３】本発明の第１の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」のフォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
（本発明の第１の実施形態に係る移動通信システム）
図１乃至図３を参照して、本発明の第１の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。本実施形態では、本実施形態に係る移動通信システムとして、ＬＴＥ方式の移動通信システムを例示して説明するが、本発明は、ＬＴＥ方式以外の移動通信システムにも適用可能である。
【００１４】
なお、本実施形態に係る移動通信システムでは、例えば、セル間の干渉を低減するために、「ＩＣＩＣ」を行うことができるように構成されている。
【００１５】
図１に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、セル＃１を管理する無線基地局ｅＮＢ＃１と、セル＃２を管理する無線基地局ｅＮＢ＃２とを具備している。
【００１６】
なお、セル＃１及び＃２は、マクロセルであってもよいし、ＣＳＧ（Ｃｌｏｓｅｄ Ｓｕｂｓｃｒｉｂｅｒ Ｇｒｏｕｐ）セルであってもよい。なお、ＣＳＧセルは、フェムト（Ｆｅｍｔｏ）セルやマイクロ（Ｍｉｃｒｏ）セルやピコ（Ｐｉｃｏ）セル等と呼ばれてもよい。
【００１７】
また、無線基地局ｅＮＢ＃１と無線基地局ｅＮＢ＃２との間では、Ｘ２コネクションを設定することができるように構成されている。
【００１８】
移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃１配下の複数のＣＣ（ＣｏｍｐｏｎｅｎｔＣａｒｒｉｅｒ）を用いてＣＡ通信を行うことができるように構成されている。
【００１９】
例えば、図１に示すように、移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃１配下において、下りリンク用ＣＣとして、ＣＣ＃１１及びＣＣ＃１２を用いて、かつ、上りリンク用ＣＣとして、ＣＣ＃２１及びＣＣ＃２２を用いて、ＣＡ通信を行うように構成されている。
【００２０】
ここで、ＣＣ＃１１及びＣＣ＃２１は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」であり、ＣＣ＃１２及びＣＣ＃２２は、従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式で通信可能な「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」である。
【００２１】
すなわち、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」は、上りリンクデータ信号及び下りリンクデータ信号だけでなく、ＰＤＣＣＨ信号も伝送する独立キャリアである。
【００２２】
同様に、移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃２配下の複数のＣＣを用いてＣＡ通信を行うことができるように構成されている。
【００２３】
例えば、図１に示すように、移動局ＵＥは、無線基地局ｅＮＢ＃２配下においリンク用ＣＣとて、下りリンク用ＣＣとして、ＣＣ＃３１及びＣＣ＃３２を用いて、かつ、上りして、ＣＣ＃３３及びＣＣ＃３４を用いて、ＣＡ通信を行うように構成されている。
【００２４】
ここで、ＣＣ＃３１及びＣＣ＃３３は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」であり、ＣＣ＃３２及びＣＣ＃３４は、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」である。
【００２５】
なお、ＣＡ通信で用いられる複数のキャリアには、少なくとも１つの「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれていなければならない。「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」は、かかる「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」の役割を果たすことができない。
【００２６】
無線基地局ｅＮＢ＃１及び無線基地局ｅＮＢ＃２の機能は、基本的に同一であるため、以下、代表して、無線基地局ｅＮＢ＃１の機能について説明する。
【００２７】
図２に示すように、無線基地局ｅＮＢ＃１は、ＣＡ制御部１１と、送信部１２と、受信部１３とを具備している。
【００２８】
ＣＡ制御部１１は、無線基地局ｅＮＢ＃１配下における移動局ＵＥのＣＡ通信を制御するように構成されている。
【００２９】
送信部１２は、移動局ＵＥ及び周辺無線基地局ｅＮＢ（例えば、無線基地局ｅＮＢ＃２）に対して、各種信号を送信するように構成されている。
【００３０】
受信部１３は、移動局ＵＥ及び周辺無線基地局ｅＮＢ（例えば、無線基地局ｅＮＢ＃２）から、各種信号を受信するように構成されている。
【００３１】
ここで、送信部１２は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して信号を送信することができないように構成されていてもよい。
【００３２】
また、送信部１２は、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、すなわち、「Ｃｒｏｓｓ ｃａｒｒｉｅｒ ｓｃｈｅｄｕｌｉｎｇ」によって、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信するように構成されていてもよい。
【００３３】
さらに、送信部１２は、無線基地局ｅＮＢ＃１配下における移動局ＵＥのＣＡ通信において用いられている複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されている。
【００３４】
ここで、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間のＸ２コネクションを設定する際に、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００３５】
例えば、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、図３に示す情報要素「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」を含む「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」又は「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」を送信するように構成されていてもよい。
【００３６】
また、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００３７】
例えば、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、図３に示す情報要素「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」を含む「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を送信するように構成されていてもよい。
【００３８】
ここで、情報要素「Ｓｅｒｖｅｄ Ｃｅｌｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ」内の情報要素「Ｅｘｔｅｎｔｉｏｎ Ｃａｒｒｉｅｒ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ」に、上述の「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」の識別情報が設定可能である。
【００３９】
本実施形態に係る移動通信システムにおいて、例えば、セル＃１及びセル＃２において「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を共通にし、「Ｃｒｏｓｓ ｃａｒｒｉｅｒ ｓｃｈｅｄｕｌｉｎｇ」を用いることによって、することで、「ＩＣＩＣ」を実現することができる。
【００４０】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」や「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」や「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を用いて、隣接する無線基地局ｅＮＢ間で「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を交換することができる。
【００４１】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【００４２】
本実施形態の第１の特徴は、移動局ＵＥが、無線基地局ｅＮＢ＃１配下の複数のＣＣ（キャリア）を用いて通信（ＣＡ通信）を行う移動通信方法であって、無線基地局ｅＮＢ＃１は、複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ Ｃａｒｒｉｅｒ（拡張キャリア）」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知する工程を有し、複数のキャリアは、少なくとも１つの従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式で通信可能な「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ（独立キャリア）」を含むことを要旨とする。
【００４３】
本実施形態の第１の特徴において、上述の工程において、無線基地局ｅＮＢ＃１は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間のＸ２コネクションを設定する際に、「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」又は「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知してもよい。
【００４４】
本実施形態の第１の特徴において、上述の工程において、無線基地局ｅＮＢ＃１は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知してもよい。
【００４５】
本実施形態の第１の特徴において、無線基地局ｅＮＢは、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨ（物理下りリンク制御チャネル）を介して信号を送信せず、無線基地局ｅＮＢは、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信してもよい。
【００４６】
本実施形態の第２の特徴は、移動局ＵＥが無線基地局ｅＮＢ＃１配下の複数のＣＣを用いて通信を行うことができる移動通信システムで用いられる無線基地局ｅＮＢ＃１であって、複数のＣＣに「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」が含まれている場合、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２に対して、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されている送信部１２を具備し、複数のＣＣは、少なくとも１つの従来のＬＴＥ-Ａｄｖａｎｃｅｄ方式で通信可能な「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」を含むことを要旨とする。
【００４７】
本実施形態の第２の特徴において、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間のＸ２コネクションを設定する際に、「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｑｕｅｓｔ」又は「Ｘ２ Ｓｅｔｕｐ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００４８】
本実施形態の第２の特徴において、送信部１２は、周辺無線基地局ｅＮＢ＃２との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、「ｅＮＢ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｕｐｄａｔｅ」を用いて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」を通知するように構成されていてもよい。
【００４９】
本実施形態の第２の特徴において、送信部１２は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して信号を送信しないように構成されており、送信部１２は、「ｓｔａｎｄ-ａｌｏｎｅ-ｃａｐａｂｌｅ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＣＣＨを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、「Ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ ｃａｒｒｉｅｒ」においてＰＤＳＣＨを介してデータ信号を送信するように構成されていてもよい。
【００５０】
なお、上述の無線基地局ｅＮＢ＃１/ｅＮＢ＃２や移動局ＵＥの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【００５１】
ソフトウェアモジュールは、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）や、フラッシュメモリや、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）や、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ＲＯＭ）や、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ＲＯＭ）や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、ＣＤ-ＲＯＭといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【００５２】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ＡＳＩＣ内に設けられていてもよい。かかるＡＳＩＣは、無線基地局ｅＮＢや移動局ＵＥ内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局ｅＮＢ＃１/ｅＮＢ＃２や移動局ＵＥ内に設けられていてもよい。
【００５３】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【００５４】
ｅＮＢ＃１、ｅＮＢ＃２…無線基地局
１１…ＣＡ制御部
１２…送信部
１３…受信部
ＵＥ…移動局
【特許請求の範囲】
【請求項１】
移動局が、無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行う移動通信方法であって、
前記無線基地局は、前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知する工程を有し、
前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを特徴とする移動通信方法。
【請求項２】
前記工程において、前記無線基地局は、前記周辺無線基地局との間のＸ２コネクションを設定する際に、前記拡張キャリアを通知することを特徴とする請求項１に記載の移動通信方法。
【請求項３】
前記工程において、前記無線基地局は、前記周辺無線基地局との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、前記拡張キャリアを通知することを特徴とする請求項１に記載の移動通信方法。
【請求項４】
前記無線基地局は、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して信号を送信せず、
前記無線基地局は、前記独立キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク共有チャネルを介してデータ信号を送信することを特徴とする請求項１に記載の移動通信方法。
【請求項５】
移動局が無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行うことができる移動通信システムで用いられる無線基地局であって、
前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知するように構成されている送信部を具備し、
前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを特徴とする無線基地局。
【請求項６】
前記送信部は、前記周辺無線基地局との間のＸ２コネクションを設定する際に、前記拡張キャリアを通知するように構成されていることを特徴とする請求項５に記載の無線基地局。
【請求項７】
前記送信部は、前記周辺無線基地局との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、前記拡張キャリアを通知するように構成されていることを特徴とする請求項５に記載の無線基地局。
【請求項８】
前記送信部は、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して信号を送信しないように構成されており、
前記送信部は、前記独立キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク共有チャネルを介してデータ信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項５に記載の無線基地局。
【請求項１】
移動局が、無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行う移動通信方法であって、
前記無線基地局は、前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知する工程を有し、
前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを特徴とする移動通信方法。
【請求項２】
前記工程において、前記無線基地局は、前記周辺無線基地局との間のＸ２コネクションを設定する際に、前記拡張キャリアを通知することを特徴とする請求項１に記載の移動通信方法。
【請求項３】
前記工程において、前記無線基地局は、前記周辺無線基地局との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、前記拡張キャリアを通知することを特徴とする請求項１に記載の移動通信方法。
【請求項４】
前記無線基地局は、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して信号を送信せず、
前記無線基地局は、前記独立キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク共有チャネルを介してデータ信号を送信することを特徴とする請求項１に記載の移動通信方法。
【請求項５】
移動局が無線基地局配下の複数のキャリアを用いて通信を行うことができる移動通信システムで用いられる無線基地局であって、
前記複数のキャリアに拡張キャリアが含まれている場合、周辺無線基地局に対して、該拡張キャリアを通知するように構成されている送信部を具備し、
前記複数のキャリアは、少なくとも１つの独立キャリアを含むことを特徴とする無線基地局。
【請求項６】
前記送信部は、前記周辺無線基地局との間のＸ２コネクションを設定する際に、前記拡張キャリアを通知するように構成されていることを特徴とする請求項５に記載の無線基地局。
【請求項７】
前記送信部は、前記周辺無線基地局との間で設定されているＸ２コネクションの設定を変更する際に、前記拡張キャリアを通知するように構成されていることを特徴とする請求項５に記載の無線基地局。
【請求項８】
前記送信部は、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して信号を送信しないように構成されており、
前記送信部は、前記独立キャリアにおいて物理下りリンク制御チャネルを介して送信するスケジューリング信号に基づいて、前記拡張キャリアにおいて物理下りリンク共有チャネルを介してデータ信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項５に記載の無線基地局。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−２５３４０８（Ｐ２０１２−２５３４０８Ａ）
【公開日】平成２４年１２月２０日（２０１２．１２．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１２２１９７（Ｐ２０１１−１２２１９７）
【出願日】平成２３年５月３１日（２０１１．５．３１）
【出願人】（３９２０２６６９３）株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１２月２０日（２０１２．１２．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月３１日（２０１１．５．３１）
【出願人】（３９２０２６６９３）株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Ｆターム（参考）】
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