説明

移動通信端末、制御方法および通信システム

【課題】消費電力を抑えること。
【解決手段】通信部111は、基地局120による周期的な呼び出しのタイミングで活性状態となり、基地局120から周期的に送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて基地局120との間でデータ通信を行う。取得部113は、基地局120による通信パラメータの各送信タイミングを取得する。判定部114は、取得部113によって取得された通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、基地局120からの次回の呼び出しのタイミングで通信部111が活性状態となる期間に通信部111により通信パラメータを受信できるか否かを判定する。制御部115は、判定部114によって通信パラメータを受信できると判定された場合に、次回の呼び出しのタイミングまで通信部111を休止状態に遷移させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末、制御方法および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信エリアを提供する基地局(BS:Base Station)と移動通信端末(MS:Mobile Station)とを含む無線通信システムが用いられている。たとえば、広帯域の無線通信システムの1つとしてIEEE 802.16eのモバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)がある。
【0003】
無線通信システムの移動通信端末はバッテリ等で動作するため、消費電力が性能(たとえば連続稼働時間)の大きな要因となっている。そこで、移動通信端末においては、待ち受け時の消費電力を削減するために間欠動作が行われる。間欠動作は、たとえば、基地局からの周期的な呼び出し(ページング)のタイミングに合わせて回路の各部の電源をオン(アウェイク状態)にして呼び出しを受信し、呼び出しタイミング以外では回路の電源をオフ(スリープ状態)にする動作である。
【0004】
ところで、移動通信端末と基地局がデータ通信を行うために、変調方式や符号化方式といった通信に用いるパラメータについて、移動通信端末と基地局で共通の設定が適用される(たとえば、下記特許文献1参照。)。たとえば、モバイルWiMAXにおいて、基地局は、DCD(Downlink Channel Descriptor)/UCD(Uplink Channel Descriptor)メッセージと呼ばれる制御メッセージに通信パラメータを含めて移動通信端末へ定期的にブロードキャストする。
【0005】
また、DCD/UCDメッセージは、通信パラメータが変更されていなくてもブロードキャストされる。移動通信端末は、DCD/UCDメッセージを受信し、受信したDCD/UCDメッセージに含まれる通信パラメータを適用する。なお、移動通信端末は、通信パラメータの内容が変更されるタイミングが分からないため、たとえばDCD/UCDメッセージを漏れなく受信する。
【0006】
移動通信端末が間欠動作によりスリープ状態であるときに基地局からDCD/UCDメッセージが送信された場合は、移動通信端末はDCD/UCDメッセージを受信することができない。そして、移動通信端末が受信できなかったDCD/UCDメッセージに含まれる通信パラメータが変更された新しい値であった場合には、移動通信端末は通信パラメータの変更をリアルタイムに認識することができない。
【0007】
このため、移動通信端末が基地局とデータ通信を行う場合に、通信パラメータが変わっているため、自分宛のデータがデコードできなかったり、データの送信ができなかったりする場合がある。これに対して、モバイルWiMAXにおいては、通信パラメータが更新された場合には、移動通信端末はスリープ状態であってもアウェイク状態に遷移して通信パラメータを受信することが規定されている(たとえば、下記非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2008−515333号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】IEEE Computer Society,IEEE Microwave Theory and Techniques Society、“Air Interface for Broadband Wireless Access Systems”、2009年5月29日、IEEE Std 802.16
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来技術では、移動通信端末がアウェイク状態となる期間が長くなり、消費電力が増加するという問題がある。
【0011】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、消費電力を抑えることができる移動通信端末、制御方法および通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、基地局による周期的な呼び出しのタイミングで活性状態となり、前記基地局から周期的に送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて前記基地局との間でデータ通信を行う通信部を備える移動通信端末において、前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出し、前記基地局による前記通信パラメータの各送信タイミングを取得し、前記通信パラメータが更新されたことを検出した場合に、取得した前記通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、前記基地局からの次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定し、前記通信パラメータを受信できると判定した場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせる移動通信端末、制御方法および通信システムが提案される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、消費電力を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる通信システムおよび移動通信端末の一例を示す図である。
【図2】図2は、移動通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、移動通信端末による間欠動作の一例を示す図である。
【図4】図4は、移動通信端末によるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。
【図5】図5は、DL−MAPのフォーマットの一例を示す図である。
【図6】図6は、BCCP_IEのフォーマットの一例を示す図である。
【図7】図7は、DCDメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【図8−1】図8−1は、DREG−CMDメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【図8−2】図8−2は、TLV Encoded Informationのフォーマットの一例を示す図である。
【図9−1】図9−1は、実施の形態1にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図9−2】図9−2は、実施の形態1にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図10】図10は、アウェイク状態へ遷移する際のオーバーヘッドの一例を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態2にかかるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。
【図12−1】図12−1は、実施の形態2にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図12−2】図12−2は、実施の形態2にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図13】図13は、実施の形態3にかかるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。
【図14−1】図14−1は、実施の形態3にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図14−2】図14−2は、実施の形態3にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図15】図15は、実施の形態4にかかるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。
【図16−1】図16−1は、実施の形態4にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図16−2】図16−2は、実施の形態4にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる移動通信端末、制御方法および通信システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
(通信システムおよび移動通信端末)
図1は、実施の形態1にかかる通信システムおよび移動通信端末の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる通信システム100は、移動通信端末110と、基地局120と、を含んでいる。通信システム100の通信方式にはたとえばモバイルWiMAXを適用することができる。ただし、通信システム100にはモバイルWiMAXに限らず他の通信方式を適用することもできる。移動通信端末110は、基地局120の周囲に位置し、基地局120との間で無線通信を行う無線通信装置である。
【0017】
基地局120は、移動通信端末110などの周囲の移動通信端末に対する呼び出し(ページング)を周期的に行う。また、基地局120は、移動通信端末110などの周囲の移動通信端末との間で行うデータ通信の通信パラメータを周期的(たとえば1秒周期)に送信する。通信パラメータは、たとえば、変調方法や符号化方法などの通信方法を示す情報である。たとえば、基地局120は、呼び出しおよび通信パラメータの送信をそれぞれ異なる周期で行う。
【0018】
移動通信端末110の具体的な構成について説明する。移動通信端末110は、たとえば、通信部111と、検出部112と、取得部113と、判定部114と、制御部115と、を備えている。
【0019】
<通信部>
通信部111は、たとえば制御部115による制御により、活性状態(アウェイク状態)または休止状態(スリープ状態)となる。活性状態は、たとえば通信部111への電源の供給がオンになった状態である。休止状態は、たとえば通信部111への電源の供給がオフになった状態である。したがって、通信部111が活性状態になると移動通信端末110の消費電力が増加する。また、通信部111が休止状態になると移動通信端末110の消費電力が低下する。
【0020】
通信部111は、基地局120による周期的な呼び出しのタイミングで所定時間だけ活性状態となり、移動通信端末110を対象とする着信等がある場合は応答を行う。また、通信部111は、基地局120から送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて基地局120との間でデータ通信を行う。データ通信には、たとえば音声通信などが含まれていてもよい。
【0021】
また、通信部111は、活性状態となっているときに、基地局120が現在送信している通信パラメータの版数を示す版数情報を基地局120から受信してもよい。通信部111は、受信した版数情報を検出部112へ出力する。
【0022】
また、通信部111は、活性状態となっているときに、基地局120による通信パラメータの次回の送信タイミングを示すタイミング情報を基地局120から受信してもよい。通信部111は、受信したタイミング情報を取得部113へ出力する。
【0023】
<検出部>
検出部112は、基地局120から送信される通信パラメータが更新されたことを検出する。たとえば、検出部112は、通信部111から出力された版数情報に基づいて基地局120から送信される通信パラメータが更新されたことを検出する。具体的には、検出部112は、通信部111から出力された版数情報を記憶しておく。
【0024】
そして、検出部112は、通信部111から次に出力された版数情報が、記憶しておいた前回の版数情報から変化したか否かを判定することによって通信パラメータが更新されたことを検出する。検出部112は、通信パラメータが更新されたことを検出すると、通信パラメータが更新されたことを示す更新信号を判定部114へ出力する。
【0025】
<取得部>
取得部113は、基地局120による通信パラメータの各送信タイミングを取得する。たとえば、移動通信端末110のメモリには、基地局120による通信パラメータの送信周期が記憶されている。そして、取得部113は、通信部111から出力されたタイミング情報と、メモリに記憶された送信周期と、に基づく演算により通信パラメータの各送信タイミングを取得する。
【0026】
移動通信端末110のメモリに記憶される通信パラメータの送信周期の取得方法について説明する。たとえば、検出部112によって通信パラメータが更新されたことが検出される前(たとえば基地局120への接続時)に、基地局120によって連続して送信される複数の通信パラメータを受信するまで通信部111が活性状態となる。
【0027】
そして、取得部113が、通信部111によって通信パラメータが複数回受信された各タイミングに基づく演算により通信パラメータの送信周期を取得し、取得した送信周期を移動通信端末110のメモリに記憶しておく。たとえば、通信部111が連続する2つの通信パラメータを受信した場合に、取得部113は、通信部111による通信パラメータの受信間隔を算出することによって通信パラメータの周期を取得する。
【0028】
また、取得部113は、検出部112から更新信号が出力された場合に通信パラメータの周期を取得してもよい。また、取得部113は、基地局120による通信パラメータの各送信タイミングを示す情報を、通信部111を介して基地局120などから取得してもよい。取得部113は、取得した各送信タイミングを判定部114へ出力する。
【0029】
<判定部>
判定部114は、検出部112から更新信号が出力された場合に、基地局120からの次回の呼び出しのタイミングで通信部111が活性状態となる期間に通信部111により通信パラメータを受信できるか否かを判定する。具体的には、判定部114は、取得部113から出力された各送信タイミングに基づいて、次回の呼び出しのタイミングが、通信パラメータの各送信タイミングのいずれかとほぼ一致するか否かを判定する。
【0030】
判定部114は、判定結果を制御部115へ出力する。なお、基地局120による呼び出しのタイミングは、たとえば、移動通信端末110の基地局120への接続時に基地局120から通知され、移動通信端末110のメモリに記憶されている。
【0031】
<制御部>
制御部115は、次回の呼び出しのタイミングで通信部111が活性状態となる期間に通信パラメータを受信できる旨の判定結果が判定部114から出力された場合に、次回の呼び出しのタイミングまで通信部111を休止状態に遷移させる。この場合は、制御部115は、次回の呼び出しのタイミングまでに通信パラメータの送信タイミングがあっても通信部111を活性状態に遷移させず、次回の呼び出しのタイミングで通信部111を活性状態に遷移させる。これにより、次回の呼び出しのタイミングで最新の通信パラメータを受信することができる。
【0032】
また、制御部115は、次回の呼び出しのタイミングで通信部111が活性状態となる期間に通信パラメータを受信できない旨の判定結果が判定部114から出力された場合に、通信パラメータの次回の送信タイミングで通信部111を活性状態に遷移させる。これにより、基地局120による通信パラメータの次回の送信タイミングで最新の通信パラメータを受信することができる。
【0033】
なお、判定部114は、検出部112によって通信パラメータが更新されたことが検出されたタイミングとは異なるタイミングで判定を開始することも可能である。この場合は、移動通信端末110において検出部112を省いた構成にしてもよい。
【0034】
(移動通信端末のハードウェア構成)
図2は、移動通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示した移動通信端末110は、たとえば図2に示す情報処理装置200によって実現することができる。情報処理装置200は、CPU210と、メモリ220と、通信インタフェース230と、電源部240と、を備えている。
【0035】
CPU210、メモリ220および通信インタフェース230は、たとえばバスによって接続されている。また、CPU210、メモリ220および通信インタフェース230は、電源部240から供給される電源によって動作する。
【0036】
CPU210(Central Processing Unit)は、情報処理装置200の全体の制御を司る。また、情報処理装置200はCPU210を複数備えていてもよい。メモリ220は、たとえばRAM(Random Access Memory)によって実現されるメインメモリを含む。メインメモリは、CPU210のワークエリアとして使用される。また、メモリ220は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発メモリによって実現される補助メモリを含んでいてもよい。補助メモリには、情報処理装置200を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU210によって実行される。
【0037】
通信インタフェース230は、たとえば、無線によって情報処理装置200の外部(たとえば基地局120)との間で通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース230は、CPU210によって制御される。電源部240は、CPU210、メモリ220および通信インタフェース230へ電源を供給する。また、電源部240は、CPU210によって制御される。
【0038】
たとえば、CPU210は、電源部240を制御して通信インタフェース230へ供給される電源をオンにすることで通信インタフェース230をアウェイク状態に遷移させる。また、CPU210は、電源部240を制御して通信インタフェース230へ供給される電源をオフにすることで通信インタフェース230をスリープ状態に遷移させる。
【0039】
また、情報処理装置200は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含むユーザインタフェースを備えていてもよい。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)などによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェースは、CPU210によって制御される。
【0040】
図1に示した通信部111は、たとえば通信インタフェース230によって実現することができる。図1に示した取得部113、検出部112、判定部114および制御部115は、たとえばCPU210およびメモリ220によって実現することができる。
【0041】
(移動通信端末による間欠動作)
図3は、移動通信端末による間欠動作の一例を示す図である。図3において、横軸はフレーム番号(Frame#)によって時間を示している。ページングタイミング310は、基地局120(BS)によるページングのタイミングを示している。端末状態320は、移動通信端末110(MS)の通信部111のアウェイク状態(awake)またはスリープ状態(sleep)の変化を示している。
【0042】
ページングタイミング310に示すように、基地局120は、移動通信端末110などの周囲の移動通信端末に対するページングを周期的(ここでは1000フレーム周期)なタイミングで行う。図3に示す例では、基地局120は、タイミング「100」,「1100」,「2100」,…の各フレームにおいてページングを行っている。
【0043】
端末状態320に示すように、移動通信端末110は、基地局120のページングのタイミングに合わせて通信部111をアウェイク状態へ遷移させ、所定時間(ここでは5フレーム)後に通信部111をスリープ状態へ戻す。また、移動通信端末110は、アウェイク状態となっている間に、基地局120から送信されるDL−MAP(Down Link−Mapping message)を受信する。
【0044】
以下、移動通信端末110から基地局120へのダウンリンクのデータ通信の通信パラメータを含むDCDメッセージの受信について説明する。ただし、基地局120から移動通信端末110へのアップリンクのデータ通信の通信パラメータを含むUCDメッセージの受信についても同様である。
【0045】
(移動通信端末によるDCDメッセージの受信動作)
図4は、移動通信端末によるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。図4において、図3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。DCD送信タイミング410は、基地局120によるDCDメッセージの送信タイミングを示している。DCDメッセージは、移動通信端末110から基地局120へのダウンリンクのデータ通信の通信パラメータを含む。
【0046】
DCD送信タイミング410に示すように、基地局120は、移動通信端末110などの周囲の移動通信端末に対してDCDメッセージを周期的(ここでは300フレーム周期)な送信タイミングで送信する。図4に示す例では、基地局120は、送信タイミング「15200」,「15500」,「15800」,「16100」,…の各タイミングにおいてDCDメッセージを送信している。
【0047】
ここで、移動通信端末110は、基地局120から少なくとも1回はDCDメッセージを受信しているとする。移動通信端末110は、受信した最新のDCDメッセージに含まれるCCC(Configuration Change Count)を記憶する。CCCは、DCDメッセージの版数を示す情報である。移動通信端末110は、送信タイミング「15200」より前のタイミングt1においてCCC=1を記憶しているとする。
【0048】
そして、タイミングt1において基地局120がページングを行い、移動通信端末110が通信部111をアウェイク状態にしたとする。移動通信端末110の通信部111は、アウェイク状態になった際に基地局120が常時(短い周期で)送信しているDL−MAPを受信する。
【0049】
タイミング「15200」において移動通信端末110が受信したDL−MAPには、DCDカウント値=2およびBCCP_IE=15200が含まれていたとする。DCDカウント値は、基地局120が現在送信しているDCDメッセージの版数を示す版数情報である。BCCP_IE(Broadcast Control Pointer_IE)は、DCDメッセージの次の送信タイミングを示すタイミング情報である。
【0050】
移動通信端末110は、自身が記憶しているCCC=1とDL−MAPのDCDカウント値=2が一致しないため、DCDメッセージが更新されたと判断する。また、移動通信端末110は、基地局120によるDCDメッセージの送信周期(ここでは300フレーム周期)を記憶している。DCDメッセージの送信周期は、たとえば移動通信端末110が基地局120からのDCDメッセージを複数回受信し、DCDメッセージの受信間隔に基づいて導出することができる。
【0051】
移動通信端末110は、BCCP_IE=15200と、DCDメッセージの送信周期の300フレームと、に基づいて以後のDCDメッセージの送信タイミング「15200」,「15500」,「15800」,「16100」,…を算出する。具体的には、移動通信端末110は、15200+300×k(k=0,1,2,…)によってDCDメッセージの各送信タイミングを算出することができる。
【0052】
移動通信端末110は、算出したDCDメッセージの送信タイミング「16100」が、次回のページングのタイミング「16100」と一致しているため、DCDメッセージのタイミング「16100」までは通信部111をスリープ状態に維持する。すなわち、移動通信端末110は、タイミング「16100」の前のDCDメッセージの送信タイミング「15200」,「15500」,「15800」においては通信部111をアウェイク状態に遷移させない。
【0053】
そして、移動通信端末110は、タイミング「16100」において通信部111をアウェイク状態に遷移させることで、ページングと合わせてDCDメッセージの受信を行うことができる。これにより、たとえば送信タイミング「15200」において通信部111をアウェイク状態へ遷移させてDCDメッセージを受信する場合に比べてアウェイク状態の期間を短くし、消費電力を低減することができる。
【0054】
(各情報のフォーマット)
図5は、DL−MAPのフォーマットの一例を示す図である。図5に示すDL−MAP500は、基地局120により常時送信されるDL−MAPのフォーマットである。符号501に示す「DCD Count」は、基地局120が現在送信しているDCDメッセージの版数を示すDCDカウント値である。符号502に示す「DL−MAP_IE」は、次回のDCDメッセージの送信タイミングを示すBCCP_IEを含んでいる。
【0055】
図6は、BCCP_IEのフォーマットの一例を示す図である。図6に示すBCCP_IE600は、図5に示したBCCP_IEのフォーマットの一例を示す図である。符号601に示す「DCD_UCD Transmission Frame」は、次回のDCDメッセージの送信タイミングを示すフレーム番号である。
【0056】
図7は、DCDメッセージのフォーマットの一例を示す図である。図7に示すDCDメッセージ700は、基地局120から周期的に送信されるDCDメッセージのフォーマットである。符号701に示す「Configuration Change Count」は、基地局120と移動通信端末110との間の通信に現在適用しているDCDメッセージの版数(CCC)である。「Configuration Change Count」は、通信パラメータの内容に応じて変更される。
【0057】
図8−1は、DREG−CMDメッセージのフォーマットの一例を示す図である。図8−2は、TLV Encoded Informationのフォーマットの一例を示す図である。基地局120は、たとえば移動通信端末110が基地局120へ接続した際に、ページングの設定のためのパラメータを含むDREG−CMDメッセージを移動通信端末110へ送信する。移動通信端末110は、受信したDREG−CMDメッセージをメモリ220に記憶しておく。
【0058】
図8−1に示すDREG−CMDメッセージ800は、基地局120が送信するDREG−CMDメッセージのフォーマットである。符号801に示す「TLV Encoded Information」は、ページングの設定のためのパラメータを含む。図8−2に示すように、「TLV Encoded Information」は、ページングの設定のためのパラメータを示す「Paging Information」を含む。
【0059】
「Paging Information」は、「PAGING_CYCLE」と、「PAGING_OFFSET」と、「Paging Interval Length」と、を含んでいる。「PAGING_CYCLE」は、基地局120がページングを行う周期を0〜15ビットで示す。
【0060】
「PAGING_OFFSET」は、フレーム番号「0」からページングを開始するまでのオフセットを16〜23ビットで示す。「Paging Interval Length」は、移動通信端末110がページングのためにアウェイク状態を維持する期間(フレーム数)を示す。
【0061】
また、移動通信端末110は、基地局120が次にページングを行うタイミング(フレームの番号)を算出することができる。たとえば、基地局120がページングを行うタイミングは、あらかじめ移動通信端末110と基地局120とが調整した間欠動作のパラメータから算出できる。
【0062】
たとえば、「PAGING_CYCLE」=1000、「PAGING_OFFSET」=100、「Paging Interval Length」=5であるとする。この場合は、基地局120がページングを行う送信タイミングは、「1100」,「2100」,「3100」,…となる。移動通信端末110は、「1100」,「2100」,「3100」,…の各送信タイミングにおいてアウェイク状態に遷移し、アウェイク状態に遷移してからそれぞれ5フレーム後にスリープ状態に戻る。
【0063】
(移動通信端末による動作)
図9−1は、実施の形態1にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。図9−2は、実施の形態1にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。
【0064】
実施の形態1にかかる移動通信端末110は、たとえば以下の各ステップを実行する。まず、図9−1に示すように、制御部115が、通信部111をスリープ状態へ遷移させる(ステップS901)。なお、ステップS901において、すでに通信部111がスリープ状態である場合は、制御部115は、通信部111のスリープ状態を維持させる。
【0065】
つぎに、制御部115が、基地局120によるページングのタイミングになったか否かを判断する(ステップS902)。ページングのタイミングになった場合(ステップS902:Yes)は、制御部115が、通信部111をアウェイク状態へ遷移させる(ステップS903)。つぎに、通信部111が、基地局120から送信されるDL−MAPを受信する(ステップS904)。
【0066】
つぎに、通信部111が、基地局120からDCDメッセージが送信されたか否かを判断する(ステップS905)。DCDメッセージが送信されていない場合(ステップS905:No)は、移動通信端末110は、ステップS907へ移行する。DCDメッセージが送信された場合(ステップS905:Yes)は、通信部111が、送信されたDCDメッセージを受信する(ステップS906)。
【0067】
つぎに、検出部112が、ステップS904によって受信されたDL−MAPからDCDカウント値を取得する(ステップS907)。つぎに、移動通信端末110は、図9−2に示すステップS908へ移行する(符号A)。すなわち、検出部112が、移動通信端末110が有するCCCと、ステップS907によって取得されたDCDカウント値と、が一致するか否かを判断する(ステップS908)。これにより、DCDメッセージが更新されたか否かを判断することができる。
【0068】
ステップS908において、CCCとDCDカウント値とが一致する場合(ステップS908:Yes)は、制御部115が、更新フラグをfalseに設定し(ステップS909)、ステップS916へ移行する。更新フラグは、移動通信端末110のメモリ220に記憶される情報であり、DCDメッセージが更新されたことを示すフラグである。
【0069】
ステップS908において、CCCとDCDカウント値とが一致しない場合(ステップS908:No)は、制御部115が、更新フラグをtrueに設定する(ステップS910)。つぎに、取得部113が、DL−MAPのBCCP_IEからDCDメッセージの次回の送信タイミングを取得する(ステップS911)。
【0070】
つぎに、取得部113が、ステップS911によって取得した送信タイミングと、DCDメッセージの送信周期と、から以後のDCDメッセージの各送信タイミングを算出する(ステップS912)。つぎに、判定部114が、ステップS912によって算出された各送信タイミングのいずれかが次回のページングのタイミングと重なるか否かを判断する(ステップS913)。たとえば、判定部114は、各送信タイミングのいずれかが、次回のページングのタイミングから所定期間内に含まれているか否かを判断する。
【0071】
ステップS913において、各送信タイミングのいずれかが次回のページングのタイミングと重なる場合(ステップS913:Yes)は、制御部115が、スリープ維持フラグをtrueに設定し(ステップS914)、ステップS916へ移行する。スリープ維持フラグは、移動通信端末110のメモリ220に記憶される情報であり、DCDメッセージの送信タイミングであってもスリープ状態を維持すべきことを示すフラグである。
【0072】
ステップS913において、各送信タイミングのいずれも次回のページングのタイミングと重ならない場合(ステップS913:No)は、制御部115が、スリープ維持フラグをfalseに設定する(ステップS915)。つぎに、制御部115が、通信部111をスリープ状態へ遷移させ(ステップS916)、図9−1に示したステップS902へ戻る(符号B)。
【0073】
図9−1に示すように、ステップS902において、ページングのタイミングでない場合(ステップS902:No)は、制御部115が、更新フラグがtrueであるか否かを判断する(ステップS917)。更新フラグがtrueでない場合(ステップS917:No)は、移動通信端末110は、ステップS902へ戻る。これにより、DCDメッセージが更新されていない場合はスリープ状態を維持することができる。
【0074】
ステップS917において、更新フラグがtrueである場合(ステップS917:Yes)は、制御部115が、スリープ維持フラグがtrueであるか否かを判断する(ステップS918)。スリープ維持フラグがtrueである場合(ステップS918:Yes)は、移動通信端末110は、ステップS902へ戻る。これにより、次回のページングの際にDCDメッセージを受信できる場合はスリープ状態を維持することができる。
【0075】
ステップS918において、スリープ維持フラグがtrueでない場合(ステップS918:No)は、制御部115が、DCDメッセージの送信タイミングか否かを判断する(ステップS919)。DCDメッセージの送信タイミングは、ステップS912によって算出された送信タイミングである。DCDメッセージの送信タイミングでない場合(ステップS919:No)は、移動通信端末110は、ステップS902へ戻る。
【0076】
ステップS919において、DCDメッセージの送信タイミングである場合(ステップS919:Yes)は、制御部115が、通信部111をアウェイク状態へ遷移させる(ステップS920)。つぎに、通信部111が、基地局120からDCDメッセージを受信する(ステップS921)。つぎに、制御部115が、更新フラグをfalseに設定する(ステップS922)。つぎに、制御部115が、通信部111をスリープ状態へ遷移させ(ステップS923)、ステップS902へ戻る。
【0077】
以上の各ステップにより、ステップS908においてDCDメッセージの更新を検出しても、次回のページングの際にDCDメッセージを受信できる場合は次回のページングまでスリープ状態を維持することができる。
【0078】
このように、実施の形態1にかかる移動通信端末110によれば、通信パラメータの更新を検出しても、次回のページングの際に通信パラメータを受信できる場合は次回のページングまでスリープ状態を維持することができる。これにより、アウェイク状態となる時間を短くし、消費電力を抑えることができる。
【0079】
(実施の形態2)
スリープ状態になっていられる期間にアウェイク状態に遷移するよう制御した場合に増加する消費電力量は、単にスリープ状態とアウェイク状態の消費電力の差分となるわけではなく、状態変更に伴うオーバーヘッド分が加算される。オーバーヘッドは、たとえば物理層の同期にかかる時間などによって発生する。
【0080】
たとえばスリープ状態になれる期間に6フレームだけアウェイク状態になる状況があったとしても、1フレームのアウェイク状態を6回繰り返す方が6フレームのアウェイク状態を1回だけ行うよりも多く電力を消費する。
【0081】
実施の形態2にかかる移動通信端末110は、DCDメッセージの送信タイミングが呼び出しのタイミングよりわずかに早着する場合に、呼び出しのタイミングにおいて合わせてDCDメッセージを受信することでアウェイク状態となる回数を減らす。なお、実施の形態2においては、実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0082】
(アウェイク状態へ遷移する際のオーバーヘッド)
図10は、アウェイク状態へ遷移する際のオーバーヘッドの一例を示す図である。図10において、図3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図10においては、タイミングt11,t12,…において基地局120がページングを行い、送信タイミングt21,t22,…において基地局120がDCDメッセージを送信するものとする。また、タイミングt11のページングにより、DCDメッセージが更新されたことが検出されたとする。
【0083】
端末状態1010は、実施の形態1にかかる移動通信端末110における状態を参考として示している。オーバーヘッド1011は、スリープ状態からアウェイク状態へ遷移する際のオーバーヘッドである。オーバーヘッド1012は、アウェイク状態からスリープ状態へ遷移する際のオーバーヘッドである。
【0084】
DCDメッセージの送信タイミングt21,t22,…のいずれも次回のページングのタイミングt12と重ならないため、実施の形態1にかかる移動通信端末110は、送信タイミングt21においてアウェイク状態になりDCDメッセージを受信する。また、移動通信端末110は、ページングのタイミングt12においてもアウェイク状態となる。
【0085】
端末状態1020は、実施の形態2にかかる移動通信端末110における状態を示している。実施の形態2にかかる移動通信端末110は、次回のページングのタイミングt12の直前の送信タイミングt22とタイミングt12との差分(ずれ幅)が小さいため、送信タイミングt22までスリープ状態を維持する。
【0086】
そして、移動通信端末110は、送信タイミングt22からタイミングt12の所定時間後までの期間はアウェイク状態となる。これにより、DCDメッセージの受信とページングとを一回のアウェイク状態によって行うことができる。このため、アウェイク状態へ2回遷移する場合に比べて、アウェイク状態へ遷移する際のオーバーヘッドによる消費電力を低減することができる。
【0087】
(DCDメッセージの受信動作)
図11は、実施の形態2にかかるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。図11において、図4に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。DCD送信タイミング410に示すように、基地局120は、タイミング「15495」,「16095」,…のように600フレーム周期でDCDメッセージを送信する。また、ページングタイミング310に示すように、基地局120は、タイミング「15100」,「16100」,…のように1000フレーム周期でページングを行う。
【0088】
タイミング「15100」のページングの際に移動通信端末110が受信したDL−MAPには、BCCP_IE=15495が含まれていたとする。また、移動通信端末110は、基地局120によるDCDメッセージの送信周期(ここでは600フレーム周期)を記憶している。移動通信端末110は、BCCP_IE=15495と、DCDメッセージの送信周期の600フレームと、に基づいて以後のDCDメッセージの送信タイミング「15495」,「16095」,…を算出する。
【0089】
この場合は、次回のページングのタイミング「16100」の直前のDCDメッセージの送信タイミング「16095」とタイミング「16100」の差分は5フレームと小さくなる。ここで、たとえば、スリープ状態になれる期間にアウェイク状態になったときに増加する消費電力のオーバーヘッド分が500[mW]であり、スリープ状態とアウェイク状態の消費電力の差分を1フレームあたり80[mW]とする。
【0090】
この場合は、呼び出しのタイミング「16100」よりも5フレーム早くアウェイク状態とすることによる消費電力の増加は80×5=400[mW]となる。このため、送信タイミング「15495」においてアウェイク状態になってDCDメッセージを受信するよりも、呼び出しのタイミング「16100」よりも5フレーム早くアウェイク状態となってDCDメッセージを受信した方が消費電力を低減することができる。
【0091】
移動通信端末110は、送信タイミング「16095」まではスリープ状態を維持する。また、移動通信端末110は、送信タイミング「16095」からタイミング「16100」の所定時間(たとえば5フレーム)後までの期間はアウェイク状態になる。
【0092】
(移動通信端末による動作)
図12−1は、実施の形態2にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。図12−2は、実施の形態2にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。実施の形態2にかかる移動通信端末110は、たとえば以下の各ステップを実行する。
【0093】
図12−1および図12−2に示すステップS1201〜S1214は、図9−1および図9−2に示したステップS901〜S914と同様である。ただし、ステップS1209の後は、移動通信端末110は、ステップS1220へ移行する。
【0094】
ステップS1214のつぎに、制御部115が、直前受信フラグをfalseに設定すし(ステップS1215)、ステップS1220へ移行する。直前受信フラグは、移動通信端末110のメモリ220に記憶される情報であり、次回のページングの直前のDCDメッセージの送信タイミングからアウェイク状態に遷移するか否かを示すフラグである。
【0095】
ステップS1213において、各送信タイミングのいずれも次回のページングのタイミングと重ならない場合(ステップS1213:No)は、移動通信端末110は、ステップS1216へ移行する。すなわち、判定部114が、次回のページングの直前のDCDメッセージの送信タイミングが次回のページングのタイミングより7フレーム以上早いか否かを判定する(ステップS1216)。これにより、次回のページングのタイミングの直前の送信タイミングと次回のページングのタイミングとの差分が所定値(7フレーム)より小さいか否かを判定することができる。
【0096】
ステップS1216において、7フレーム以上早い場合(ステップS1216:Yes)は、制御部115が、スリープ維持フラグをfalseに設定し(ステップS1217)、ステップS1220へ移行する。7フレーム以上早くない場合(ステップS1216:No)は、制御部115が、スリープ維持フラグをtrueに設定する(ステップS1218)。つぎに、制御部115が、直前受信フラグをtrueに設定し(ステップS1219)、ステップS1220へ移行する。つぎに、制御部115が、通信部111をスリープ状態へ遷移させ(ステップS1220)、ステップS1202へ戻る(符号B)。
【0097】
図12−1に示すステップS1221〜S1227は、図9−1に示したステップS917〜S923と同様である。ステップS1222において、スリープ維持フラグがtrueである場合(ステップS1222:Yes)は、制御部115が、直前受信フラグがtrueであるか否かを判断する(ステップS1228)。
【0098】
ステップS1228において、直前受信フラグがtrueでない場合(ステップS1228:No)は、移動通信端末110は、ステップS1202へ戻る。直前受信フラグがtrueである場合(ステップS1228:Yes)は、制御部115が、次回のページングの直前のDCDメッセージの送信タイミングか否かを判断する(ステップS1229)。次回のページングの直前のDCDメッセージの送信タイミングでない場合(ステップS1229:No)は、移動通信端末110は、ステップS1202へ戻る。
【0099】
ステップS1229において、次回のページングの直前のDCDメッセージの送信タイミングである場合(ステップS1229:Yes)は、制御部115が、通信部111をアウェイク状態へ遷移させる(ステップS1230)。つぎに、通信部111が、基地局120から送信されるDCDメッセージを受信する(ステップS1231)。つぎに、移動通信端末110は、次回のページングのタイミングまで待機し(ステップS1232)、ステップS1204へ移行する(符号C)。
【0100】
以上の各ステップにより、次回のページングのタイミングの直前の送信タイミングと次回のページングのタイミングとの差分が所定値より小さい場合は、次回のページングの直前のDCDメッセージの送信タイミングまでスリープ状態を維持することができる。そして、次回のページングの直前のDCDメッセージの送信タイミングにおいてアウェイク状態へ遷移することができる。
【0101】
このように、実施の形態2にかかる移動通信端末110によれば、実施の形態1にかかる移動通信端末110と同様の効果を得ることができる。また、次回のページングのタイミングで通信パラメータを受信できなくても、次回のページングのタイミングの直前の送信タイミングと次回のページングのタイミングとの差分が小さい場合は直前の送信タイミングまでスリープ状態を維持することができる。これにより、アウェイク状態となる回数を減らし、消費電力をさらに低減することができる。
【0102】
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる移動通信端末110は、DCDメッセージの送信タイミングが呼び出しのタイミングからわずかに延着する場合に、呼び出しのタイミングにおいて合わせてDCDメッセージを受信することでアウェイク状態となる回数を減らす。なお、実施の形態3においては、実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0103】
(DCDメッセージの受信動作)
図13は、実施の形態3にかかるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。図13において、図11に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0104】
DCD送信タイミング410に示すように、基地局120は、タイミング「15510」,「16110」,…のように600フレーム周期でDCDメッセージを送信する。また、ページングタイミング310に示すように、基地局120は、タイミング「15100」,「16100」,…のように1000フレーム周期でページングを行う。
【0105】
タイミング「15100」において移動通信端末110が受信したDL−MAPには、BCCP_IE=15510が含まれていたとする。また、移動通信端末110は、基地局120によるDCDメッセージの送信周期(ここでは600フレーム周期)をメモリ220に記憶している。移動通信端末110は、BCCP_IE=15510と、DCDメッセージの送信周期の600フレームと、に基づいて以後のDCDメッセージの送信タイミング「15510」,「16110」,…を算出する。
【0106】
Paging Interval Length=5とすると、アウェイク状態の終了はタイミング「16105」となる。このため、次回のページングのタイミング「16100」の直後のDCDメッセージの送信タイミング「16110」とタイミング「16100」の差分は5フレームと小さくなる。このため、移動通信端末110は、タイミング「16100」まではスリープ状態を維持する。また、移動通信端末110は、タイミング「16100」から送信タイミング「16110」の所定時間(たとえば5フレーム)後までの期間はアウェイク状態になる。
【0107】
(移動通信端末による動作)
図14−1は、実施の形態3にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。図14−2は、実施の形態3にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。実施の形態3にかかる移動通信端末110は、たとえば以下の各ステップを実行する。
【0108】
図14−1に示すステップS1401〜S1404は、図9−1に示したステップS901〜S904と同様である。ステップS1404のつぎに、制御部115が、更新フラグがtrueであり、かつ直後受信フラグがtrueであるか否かを判断する(ステップS1405)。直後受信フラグについては後述する。更新フラグおよび直後受信フラグの少なくともいずれかがtrueでない場合(ステップS1405:No)は、移動通信端末110は、ステップS1406へ移行する。
【0109】
ステップS1406〜S1415は、図9−1および図9−2に示したステップS905〜S914と同様である。ステップS1415のつぎに、制御部115が、直後受信フラグをfalseに設定する(ステップS1416)。直後受信フラグは、移動通信端末110のメモリ220に記憶される情報であり、次回のページングの直後のDCDメッセージの送信タイミングまでアウェイク状態を維持するか否かを示すフラグである。
【0110】
ステップS1414において、各送信タイミングのいずれも次回のページングのタイミングと重ならない場合(ステップS1414:No)は、移動通信端末110は、ステップS1417へ移行する。すなわち、制御部115が、次回のページングの直後の送信タイミングが次回のページングのタイミングより7フレーム以上遅いか否かを判断する(ステップS1417)。これにより、次回のページングのタイミングの直後の送信タイミングと次回のページングのタイミングとの差分が所定値(7フレーム)より小さいか否かを判定することができる。
【0111】
ステップS1417において、7フレーム以上遅い場合(ステップS1417:Yes)は、制御部115が、スリープ維持フラグをfalseに設定し(ステップS1418)、ステップS1421へ移行する。7フレーム以上遅くない場合(ステップS1417:No)は、制御部115が、スリープ維持フラグをtrueに設定する(ステップS1419)。つぎに、制御部115が、直後受信フラグをtrueに設定し(ステップS1420)、ステップS1421へ移行する。つぎに、制御部115が、通信部111をスリープ状態へ遷移させ(ステップS1421)、ステップS1402へ戻る(符号B)。
【0112】
図14−1に示すステップS1422〜S1428は、図9に示したステップS917〜S923と同様である。ステップS1405において、更新フラグおよび直後受信フラグがtrueである場合(ステップS1405:Yes)は、通信部111が、DCDメッセージの送信タイミングまで待機する(ステップS1429)。
【0113】
つぎに、通信部111が、基地局120からDCDメッセージを受信する(ステップS1430)。つぎに、制御部115が、通信部111をスリープ状態へ遷移させ(ステップS1431)、ステップS1402へ戻る。
【0114】
以上の各ステップにより、次回のページングのタイミングの直後の送信タイミングと次回のページングのタイミングとの差分が所定値より小さい場合は、次回のページングまでスリープ状態を維持することができる。そして、次回のページングのタイミングにおいてアウェイク状態へ遷移することができる。
【0115】
このように、実施の形態3にかかる移動通信端末110によれば、実施の形態1にかかる移動通信端末110と同様の効果を得ることができる。また、次回のページングのタイミングで通信パラメータを受信できなくても、次回のページングのタイミングの直後の送信タイミングと次回のページングのタイミングとの差分が小さい場合は次回のページングのタイミングまでスリープ状態を維持することができる。これにより、アウェイク状態となる回数を減らし、消費電力をさらに低減することができる。
【0116】
また、実施の形態2,3を組み合わせてもよい。たとえば、移動通信端末110は、DCDメッセージが次回のページングよりわずかに早着する場合と、DCDメッセージが次回のページングからわずかに延着する場合と、において次回のページングの際に合わせてDCDメッセージを受信してもよい。
【0117】
(実施の形態4)
実施の形態1〜3においては、次回のページングの際に通信パラメータを受信できるか否かを判定する構成について説明した。これに対して、実施の形態4においては、M回目のページングの際に通信パラメータを受信できるか否かを判定する構成について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0118】
(実施の形態4にかかるDCDメッセージの受信動作)
図15は、実施の形態4にかかるDCDメッセージの受信動作の一例を示す図である。図15において、図4に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。DCD送信タイミング410に示すように、基地局120は、送信タイミング「15700」,「16400」,「17100」,…のように700フレーム周期でDCDメッセージを送信する。また、ページングタイミング310に示すように、基地局120は、タイミング「15100」,「16100」,「17100」,…のように1000フレーム周期でページングを行う。
【0119】
タイミング「15100」において移動通信端末110が受信したDL−MAPには、BCCP_IE=15700が含まれていたとする。また、移動通信端末110は、基地局120によるDCDメッセージの送信周期(ここでは700フレーム周期)をメモリ220に記憶している。移動通信端末110は、BCCP_IE=15700と、DCDメッセージの送信周期の700フレームと、に基づいて以後のDCDメッセージの送信タイミング「15700」,「16400」,「17100」,…を算出する。
【0120】
この場合は、次回のページングのタイミング「16100」はDCDメッセージの送信タイミングと重ならない。これに対して、次回のページングの後の1回目のページングのタイミング「17100」はDCDメッセージの送信タイミング「17100」と重なっている。このため、移動通信端末110は、次回のページングのタイミング「16100」を除いて、ページングのタイミング「17100」まで通信部111をスリープ状態に維持する。これにより、送信タイミング「15700」,「16400」においてアウェイク状態に遷移せずに、ページングのタイミング「17100」においてDCDにメッセージを受信することができる。
【0121】
(移動通信端末による動作)
図16−1は、実施の形態4にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その1)である。図16−2は、実施の形態4にかかる移動通信端末による動作の一例を示すフローチャート(その2)である。実施の形態4にかかる移動通信端末110は、たとえば以下の各ステップを実行する。
【0122】
図16−1に示すステップS1601,S1602は、図9−1に示したステップS901,S902と同様である。ステップS1602において、ページングのタイミングである場合(ステップS1602:Yes)は、制御部115が、Mから1を減算する(ステップS1603)。Mについては後述する。ステップS1604〜S1610は、図9−1および図9−2に示したステップS903〜S909と同様である。
【0123】
ステップS1609において、CCCとDCDカウント値とが一致しない場合(ステップS1609:No)は、判定部114が、タイミングの一致判定を行う範囲の上限Nを決定する(ステップS1611)。上限Nの決定方法については後述する。なお、上限Nは、通信システム100に要求される特性等を考慮してあらかじめ決定しておき、移動通信端末110のメモリ220に記憶しておいてもよい。
【0124】
ステップS1612〜S1614は、図9に示したステップS910〜S912と同様である。ステップS1614のつぎに、判定部114が、mに1を設定する(ステップS1615)。mは、判定対象のページングのタイミングを示す値である。つぎに、判定部114が、ステップS1614によって算出された各送信タイミングのいずれかがm回のページングのタイミングと重なるか否かを判断する(ステップS1616)。
【0125】
ステップS1616において、各送信タイミングのいずれかがm回のページングのタイミングと重なる場合(ステップS1616:Yes)は、制御部115が、Mにmを設定し(ステップS1617)、ステップS1621へ移行する。Mは、移動通信端末110のメモリ220に記憶される情報であり、現時点からM回のページングまで、ページングのタイミングを除いてスリープ状態を維持すべきことを示す値である。M=0は、DCDメッセージが更新されている場合は次のDCDメッセージの送信タイミングにアウェイク状態へ遷移すべきこと(上記のスリープ維持フラグ==falseと同じ)を示す。
【0126】
ステップS1616において、各送信タイミングのいずれもm回のページングのタイミングと重ならない場合(ステップS1616:No)は、制御部115が、mがNに達したか否かを判断する(ステップS1618)。mがNに達していない場合(ステップS1618:No)は、制御部115が、mに1を加算し(ステップS1619)、ステップS1621へ移行する。mがNに達した場合(ステップS1618:Yes)は、制御部115が、Mに0を設定し(ステップS1620)、ステップS1621へ移行する。つぎに、制御部115が、通信部111をスリープ状態へ遷移させ(ステップS1621)、図16−1に示すステップS1602へ戻る(符号B)。
【0127】
図16−1に示すステップS1602において、ページングのタイミングでない場合(ステップS1602:No)は、制御部115が、更新フラグがtrueであるか否かを判断する(ステップS1622)。更新フラグがtrueでない場合(ステップS1622:No)は、移動通信端末110は、ステップS1602へ戻る。
【0128】
ステップS1622において、更新フラグがtrueである場合(ステップS1622:Yes)は、制御部115が、Mが0であるか否かを判断する(ステップS1623)。Mが0でない場合(ステップS1623:No)は、移動通信端末110は、ステップS1602へ戻る。これにより、ステップS1617によって設定されたM回目のページングまでは、ページングのタイミングを除いて通信部111をスリープ状態に維持することができる。
【0129】
ステップS1623において、Mが0である場合(ステップS1623:Yes)は、移動通信端末110は、ステップS1624へ移行する。ステップS1624〜S1628は、図9−1に示したステップS919〜S923と同様である。
【0130】
以上の各ステップにより、次回のページングの際にDCDメッセージを受信できない場合でも、さらに後のM回数目のページングの際にDCDメッセージを受信できる場合は、ページングのタイミングを除いてスリープ状態を維持することができる。
【0131】
ステップS1611における上限Nの決定方法について説明する。たとえば、判定部114は、通信部111によってデータ通信が行われていない期間の長さに応じて上限Nを決定する。具体的には、移動通信端末110のメモリには、通信部111によってデータ通信が行われていない期間の長さと、上限Nと、の対応情報(たとえばテーブルや関数)が記憶されている。対応情報においては、たとえば、通信部111によってデータ通信が行われていない期間が長いほど、大きな上限Nが対応付けられている。
【0132】
これにより、通信部111によってデータ通信が行われていない期間が短いほど範囲の上限Nを小さくすることができる。通信部111によってデータ通信が行われていない期間が短い場合は、以後すぐに通信が行われる可能性が高い。このため、M回目のページングまでのアウェイク状態への遷移を抑えて消費電力を抑えるとともに、M回目のページングまでDCDメッセージを受信しないことによる影響を抑えることができる。
【0133】
このように、実施の形態4にかかる移動通信端末110によれば、実施の形態1にかかる移動通信端末110と同様の効果を得ることができる。また、次回のページングの際に通信パラメータを受信できない場合でも、さらに後の所定回数目のページングの際に通信パラメータを受信できる場合は、ページングのタイミングを除いてスリープ状態を維持することができる。これにより、アウェイク状態となる時間をさらに短くし、消費電力を抑えることができる。
【0134】
また、通信部111によって過去にデータ通信が連続して行われていない期間の長さに基づいて所定回数の上限を変化させることで、所定回数目のページングまでDCDメッセージを受信しないことによる影響を抑えることができる。
【0135】
以上説明したように、移動通信端末、制御方法および通信システムによれば、消費電力を抑えることができる。上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0136】
(付記1)基地局による周期的な呼び出しのタイミングで活性状態となり、前記基地局から周期的に送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて前記基地局との間でデータ通信を行う通信部と、
前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出する検出部と、
前記基地局による前記通信パラメータの各送信タイミングを取得する取得部と、
前記検出部によって前記通信パラメータが更新されたことが検出された場合に、前記取得部によって取得された前記通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、前記基地局からの次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記通信パラメータを受信できると判定された場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせる制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【0137】
(付記2)前記通信部は、前記基地局の呼び出しのタイミングで活性状態になるときに、前記基地局によって送信される前記通信パラメータの版数を示す版数情報を受信し、
前記検出部は、前記通信部によって受信された版数情報に基づいて前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出することを特徴とする付記1に記載の移動通信端末。
【0138】
(付記3)前記通信部は、前記基地局の呼び出しのタイミングで活性状態になるときに、前記基地局によって送信される前記通信パラメータの次回の送信タイミングを示すタイミング情報を受信し、
前記取得部は、前記通信部によって受信されたタイミング情報と、前記基地局による前記通信パラメータの送信周期と、に基づく演算により前記各送信タイミングを取得することを特徴とする付記1または2に記載の移動通信端末。
【0139】
(付記4)前記通信部は、前記検出部によって前記通信パラメータが更新されたことが検出される前に、前記基地局によって連続して送信される複数の通信パラメータを受信するまで活性状態となり、
前記取得部は、前記通信部によって前記通信パラメータが複数回受信された各タイミングに基づく演算により前記通信パラメータの送信周期を取得することを特徴とする付記3に記載の移動通信端末。
【0140】
(付記5)前記制御部は、前記判定部によって前記通信パラメータを受信できないと判定された場合に、前記基地局による前記通信パラメータの次回の送信タイミングで前記通信部を活性状態にすることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の移動通信端末。
【0141】
(付記6)前記判定部は、前記次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できない場合に、前記各送信タイミングのうちの前記次回の呼び出しのタイミングの直前の送信タイミングと前記次回の呼び出しのタイミングとの差分が所定値より小さいか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記差分が前記所定値より小さいと判定された場合に、前記直前の送信タイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の移動通信端末。
【0142】
(付記7)前記制御部は、前記判定部によって前記差分が前記所定値より小さいと判定された場合に、前記直前の送信タイミングから前記次回の呼び出しのタイミングの所定時間後までの期間は前記通信部を活性状態にさせることを特徴とする付記6に記載の移動通信端末。
【0143】
(付記8)前記判定部は、前記次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できない場合に、前記各送信タイミングのうちの前記次回の呼び出しのタイミングの直後の送信タイミングと前記次回の呼び出しのタイミングとの差分が所定値より小さいか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記差分が前記所定値より小さいと判定された場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の移動通信端末。
【0144】
(付記9)前記制御部は、前記判定部によって前記差分が前記所定値より小さいと判定された場合に、前記次回の呼び出しのタイミングから前記直後の送信タイミングの所定時間後までの期間は前記通信部を活性状態にさせることを特徴とする付記8に記載の移動通信端末。
【0145】
(付記10)前記判定部は、前記次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できない場合に、前記次回の呼び出しの後の前記基地局からの所定回数目の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記基地局からの所定回数目の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できると判定された場合に、前記呼び出しのタイミングを除いて、前記所定回数目の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の移動通信端末。
【0146】
(付記11)前記判定部は、前記通信部によって過去に前記データ通信が連続して行われていない期間の長さに基づいて前記所定回数の上限を変化させることを特徴とする付記10に記載の移動通信端末。
【0147】
(付記12)基地局による周期的な呼び出しのタイミングで活性状態となり、前記基地局から周期的に送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて前記基地局との間でデータ通信を行う通信部を備える移動通信端末の制御方法において、
前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出し、
前記基地局による前記通信パラメータの各送信タイミングを取得し、
前記通信パラメータが更新されたことを検出した場合に、取得した前記通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、前記基地局からの次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定し、
前記通信パラメータを受信できると判定した場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする制御方法。
【0148】
(付記13)移動通信端末に対する周期的な呼び出しを行い、前記移動通信端末との間でデータ通信を行うための通信パラメータを周期的に送信する基地局と、
前記呼び出しのタイミングで活性状態となり、前記基地局によって送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて前記基地局との間でデータ通信を行う通信部を備え、前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出し、前記基地局による前記通信パラメータの各送信タイミングを取得し、前記通信パラメータが更新されたことを検出した場合に、取得した前記通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、前記基地局からの次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定し、前記通信パラメータを受信できると判定した場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせる移動通信端末と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【符号の説明】
【0149】
100 通信システム
200 情報処理装置
310 ページングタイミング
320,1010,1020 端末状態
410 DCD送信タイミング
500 DL−MAP
600 BCCP_IE
700 DCDメッセージ
800 DREG−CMDメッセージ
1011,1012 オーバーヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局による周期的な呼び出しのタイミングで活性状態となり、前記基地局から周期的に送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて前記基地局との間でデータ通信を行う通信部と、
前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出する検出部と、
前記基地局による前記通信パラメータの各送信タイミングを取得する取得部と、
前記検出部によって前記通信パラメータが更新されたことが検出された場合に、前記取得部によって取得された前記通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、前記基地局からの次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記通信パラメータを受信できると判定された場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせる制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
前記通信部は、前記基地局の呼び出しのタイミングで活性状態になるときに、前記基地局によって送信される前記通信パラメータの版数を示す版数情報を受信し、
前記検出部は、前記通信部によって受信された版数情報に基づいて前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出することを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記通信部は、前記基地局の呼び出しのタイミングで活性状態になるときに、前記基地局によって送信される前記通信パラメータの次回の送信タイミングを示すタイミング情報を受信し、
前記取得部は、前記通信部によって受信されたタイミング情報と、前記基地局による前記通信パラメータの送信周期と、に基づく演算により前記各送信タイミングを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記判定部は、前記次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できない場合に、前記各送信タイミングのうちの前記次回の呼び出しのタイミングの直前の送信タイミングと前記次回の呼び出しのタイミングとの差分が所定値より小さいか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記差分が前記所定値より小さいと判定された場合に、前記直前の送信タイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記判定部は、前記次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できない場合に、前記各送信タイミングのうちの前記次回の呼び出しのタイミングの直後の送信タイミングと前記次回の呼び出しのタイミングとの差分が所定値より小さいか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記差分が前記所定値より小さいと判定された場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記判定部は、前記次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できない場合に、前記次回の呼び出しの後の前記基地局からの所定回数目の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記基地局からの所定回数目の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信パラメータを受信できると判定された場合に、前記呼び出しのタイミングを除いて、前記所定回数目の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記判定部は、前記通信部によって過去に前記データ通信が連続して行われていない期間の長さに基づいて前記所定回数の上限を変化させることを特徴とする請求項6に記載の移動通信端末。
【請求項8】
基地局による周期的な呼び出しのタイミングで活性状態となり、前記基地局から周期的に送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて前記基地局との間でデータ通信を行う通信部を備える移動通信端末の制御方法において、
前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出し、
前記基地局による前記通信パラメータの各送信タイミングを取得し、
前記通信パラメータが更新されたことを検出した場合に、取得した前記通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、前記基地局からの次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定し、
前記通信パラメータを受信できると判定した場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせることを特徴とする制御方法。
【請求項9】
移動通信端末に対する周期的な呼び出しを行い、前記移動通信端末との間でデータ通信を行うための通信パラメータを周期的に送信する基地局と、
前記呼び出しのタイミングで活性状態となり、前記基地局によって送信される通信パラメータを活性状態のときに受信し、受信した通信パラメータを用いて前記基地局との間でデータ通信を行う通信部を備え、前記基地局から送信される通信パラメータが更新されたことを検出し、前記基地局による前記通信パラメータの各送信タイミングを取得し、前記通信パラメータが更新されたことを検出した場合に、取得した前記通信パラメータの各送信タイミングに基づいて、前記基地局からの次回の呼び出しのタイミングで前記通信部が活性状態となる期間に前記通信部により前記通信パラメータを受信できるか否かを判定し、前記通信パラメータを受信できると判定した場合に、前記次回の呼び出しのタイミングまで前記通信部を休止状態にさせる移動通信端末と、
を含むことを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【公開番号】特開2013−70284(P2013−70284A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208188(P2011−208188)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】