説明

移動通信装置及び購入支援方法

【課題】テレビ放送中のCMに係る情報を記憶し、その情報によってそのCMに係る物品の購入の支援を行う。
【解決手段】移動通信装置MSは、テレビ放送を受信し、CMの放送開始を検出すると、CM管理サーバ装置SV−1から取得したそのCMに係る物品の情報を表示し、入力部の操作に従って、販売サーバ装置SV−2に対して購入処理をする。又は、購入希望の物品を移動通信装置MS内に記憶する。移動通信装置MSは、例えば店舗内のフェムト基地局BS−2を選択した際、その店舗で購入希望の物品が販売されているか否かを販売店管理サーバ装置SV−3に要求して判断させる。そして、販売されている場合、その旨を装置の使用者に対して報知し、また、購入希望の物品の情報を、例えば、店舗に設置されたリーダライタ装置RWに対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信装置及び購入支援方法に係り、特に、テレビ放送されたコマーシャルメッセージに係る物品等の購入支援動作に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介した情報収集、動画配信、コンテンツなどのパッケージ販売に見られるように、情報収集及び情報や物品の購入方法は多様性を増してきている。しかし、そういった状況においても、数多くの人がテレビ放送を視聴し、テレビ放送のコマーシャルメッセージ(以後、CMと称する。)によって物品、情報、サービス、特典の情報収集を行い、また、その情報に基づいた物品、情報、サービス(以後、これらを総称して物品と称する。)の購入が行われている。
【0003】
ここで、CMとは、番組本編の途中に、また、続いて放送される2つの番組本編の間に挿入されて放送される短時間の放送コンテンツで、数回以上放送されることを特徴とするものであり、その内容を問わない。即ち、物品の購入を促す広告に限るものではなく、報知を目的とするもの、物品の無料提供の広告等を全て含む。なお、情報の一例は、映像及び/又は音声からなるコンテンツであり、サービスの一例は、チケット類である。また、特典の一例は、物品購入の際の割引クーポンである。なお、購入は、有料と限るものではない。
【0004】
インターネットを介した情報収集は、情報収集の意思を持つ者が、例えば、パソコンのキーを操作して対話的に行われるので、その者の意思に従って重要と判断される場合、充分な時間をかけて行われる。しかし、テレビ放送のCMは、短時間に放送され、何ら記録が残らない。そこで、テレビを何気なく視聴中の視聴者がそのCMの内容に興味を持ったとしても、録画操作をする間もなくCM放送は終了する。
【0005】
そこで、テレビの視聴者があるCMに係る物品に興味を持った場合、そのCMが放送された時刻及びチャンネルを所定の装置に通知して、そのCMに係る詳細情報を入手するためのアクセス先、例えば、URL(Uniform Resource Locator)を得る。そして、そのURLへ接続し、上記詳細情報を入手し、更に、そのCMに係る物品の購入を行う方法が知られている。
【0006】
また、CMと同時に上記アクセス先がテレビ放送されている場合、テレビの視聴者は、アクセス先を入手するための操作を行う必要はなく、放送されたアクセス先へ接続する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−10237号公報(第6、8頁、図1、図2、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されているCMが放送された時刻及びチャンネルを所定の装置に通知して、そのCMに係る詳細情報を入手するためのアクセス先を入手する方法では、テレビの視聴者は、CMを閲覧して興味を持つCMを特定する操作が必要であり、テレビ放送中のCMに興味を持ったとしても、直ちにそのCMに係る物品の詳細情報を得ることができない問題点があった。
【0009】
また、特許文献1に開示されているCMと同時にテレビ放送されたアクセス先へ接続する方法は、アクセス先がCMと同時にテレビ放送されていない場合、そのCMに係る詳細情報を得ることができない問題点があった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、テレビ放送中のCMに係る情報を記憶し、その情報によってそのCMに係る物品の購入の支援を行う移動通信装置及び購入支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の移動通信装置は、テレビ放送信号を受信して、その信号の映像信号を表示手段に表示させ、また、その信号の音声信号をスピーカから発生させるテレビ放送受信手段と、前記テレビ放送受信手段によって受信されたテレビ放送信号中のコマーシャルメッセージの放送開始を検出するコマーシャルメッセージ検出手段と、前記コマーシャルメッセージ検出手段によって放送開始が検出されたコマーシャルメッセージに係る物品の販売処理を行う装置のURLに対応するデータを前記表示手段に表示させ、その表示されたデータが入力手段によって選択された場合、前記URLによって識別される装置へアクセスする即時購入支援手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の購入支援方法は、テレビ放送信号を受信して、その信号の映像信号を表示手段に表示させ、また、その信号の音声信号をスピーカから発生させ、前記受信されたテレビ放送信号中のコマーシャルメッセージの放送開始を検出し、前記放送開始が検出されたコマーシャルメッセージに係る物品の販売処理を行う装置のURLに対応するデータを前記表示手段に表示させ、その表示されたデータが入力手段によって選択された場合、前記URLによって識別される装置へアクセスすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、テレビ放送中のCMに係る情報を記憶し、その情報によってそのCMに係る物品の購入の支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信装置を含むコマーシャルメッセージ処理システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態に係る移動通信装置の放送受信部の詳細な構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る移動通信装置のCM検出部の詳細な構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施形態に係るCM管理サーバ装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の実施形態に係るCM管理サーバ装置の放送受信部の詳細な構成を示すブロック図。
【図7】本発明の実施形態に係るCM管理サーバ装置のCM検出部の詳細な構成を示すブロック図。
【図8】本発明の実施形態に係るCMの構成の一例を示す図。
【図9】本発明の実施形態に係るCMデータの構成の一例を示す図。
【図10】本発明の実施形態に係るCMメタデータの構成の一例を示す図。
【図11】本発明の実施形態に係る購入品情報の構成の一例を示す図。
【図12】本発明の実施形態に係るCM属性の構成の一例を示す図。
【図13】本発明の実施形態に係るトリガ検出部の動作のフローチャート。
【図14】本発明の実施形態に係るトリガ検出部のトリガ検出動作の詳細を示す図(その1)。
【図15】本発明の実施形態に係るトリガ検出部のトリガ検出動作の詳細を示す図(その2)。
【図16】本発明の実施形態に係るCM特徴量算出部の動作のフローチャート。
【図17】本発明の実施形態に係る第一のCM特徴量と、第二のCM特徴量との一例を説明する図。
【図18】本発明の実施形態に係る移動通信装置のCM判定部の動作のフローチャート。
【図19】本発明の実施形態に係る移動通信装置の第1の購入支援部の動作のフローチャート。
【図20】本発明の実施形態に係る移動通信装置の第1の購入支援部によるCMメタデータの表示の一例を示す図。
【図21】本発明の実施形態に係る移動通信装置の第2の購入支援部の動作のフローチャート。
【図22】本発明の実施形態に係るCM管理サーバ装置の遅延型CM検出部の動作のフローチャート。
【図23】本発明の実施形態に係るCM管理サーバ装置のCMデータ登録部の動作のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明による移動通信装置及び購入支援方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の購入支援方法が適用された本発明の移動通信装置を含むコマーシャルメッセージ処理システムの構成を示すブロック図である。このシステムは、インターネットINを介して接続される移動通信装置MSと、CM管理サーバ装置SV−1と、販売サーバ装置SV−2と、販売店管理サーバ装置SV−3と、更に、移動通信装置MSと近距離無線通信回線LLを介して接続されるリーダライタ装置RWとからなる。
【0017】
なお、CM管理サーバ装置SV−1と、販売サーバ装置SV−2と、販売店管理サーバ装置SV−3とは、それぞれ必ずしも1台ではない。複数台であっても良く、また、複数台の装置に記憶された情報が1台に転送され、統合されているとしても良い。
【0018】
なお、インターネットINは、その伝送媒体の一部として移動通信網MNを含む。そして、移動通信装置MSは、移動通信網MNを構成する基地局BSの1つを選択して通信する。ここで、一部の基地局BSは、例えば、店舗内をサービスエリアとし、その店舗の管理者によって設置された小規模な基地局であって、フェムト基地局BS−2と称される。なお、店舗とは、ショッピングセンター、デパート、レストラン等、名称を問わず、物品の販売を行う場所を全て含む。
【0019】
このシステムの各装置は、順次詳細に説明するが、概略、次のように動作する。即ち、移動通信装置MSは、テレビ放送を受信し、CMの放送開始を検出すると、CM管理サーバ装置SV−1から取得したそのCMに係る物品の情報を表示する。この報知に応じ、移動通信装置MSの使用者は、販売サーバ装置SV−2に対して購入処理をさせる。又は、購入希望の物品を移動通信装置MS内に記憶させる。ここで、CM管理サーバ装置SV−1は、全国の各地で放送された又は放送されるCMに係る情報を網羅的に記憶していることが望ましい。又は、地域毎に、その地域の放送に含まれるCMに係る情報が記憶されたCM管理サーバ装置SV−1が設けられることが望ましい。
【0020】
移動通信装置MSが、例えば店舗内に移動してフェムト基地局BS−2を選択した際、移動通信装置MSは、その店舗で移動通信装置MS内に記憶された購入希望の物品が販売されているか否かを販売店管理サーバ装置SV−3に要求して判断させる。そして、販売されている場合、その旨を装置の使用者に対して報知し、また、購入希望の物品に係る情報を、例えば、店舗に設置されたリーダライタ装置RWに対して送信する。
【0021】
図2は、移動通信装置MSの構成を示すブロック図である。この移動通信装置MSは、装置全体の制御を行う制御部110と、移動通信網通信部120と、基地局BSや、フェムト基地局BS−2との間で移動通信の電波の送受を行うアンテナ120aと、移動通信網送受信部130と、通話部140と、受話音声発生用のスピーカ140aと、送話音声入力用のマイクロフォン140bと、表示部150と、入力部160と、NFC通信部170と、リーダライタ装置RWとの間で電波の送受を行うアンテナ170aと、放送受信部210と、放送局(図示せず)から送信された電波を受信するアンテナ210aと、スピーカ220と、CM検出部230と、CMデータベース管理部240と、CMデータベース部250と、CM再視聴部260と、第1の購入支援部310と、購入品情報記憶部320と、第2の購入支援部330とを備える。
【0022】
CMデータベース部250には、CMのCMデータと、CMメタデータとが記憶される。購入品情報記憶部320には、購入品情報が記憶される。
【0023】
図3は、放送受信部210の詳細な構成を示すブロック図である。放送受信部210は、アンテナ210aと接続されるチューナ部211と、CM検出部230へテレビ放送信号を送信するデコーダ部212と、放送記憶部213と、CM検出部230からのCM属性信号を受信し、また、CM再視聴部260からのテレビ放送信号及びCM属性信号を受信する放送信号変形部214と、表示部150及びスピーカ220と接続される再生部215とからなる。放送受信部210の各部は、制御部110によって制御される。放送記憶部213には、テレビ放送信号が記憶される。
【0024】
なお、図3では、各部の間を実線矢印で結んだが、この矢印は、信号の流れの概要を容易に理解できるように付したものであって、その流れの詳細を省略している。
【0025】
図4は、CM検出部230の詳細な構成を示すブロック図である。CM検出部230は、CM検出部230内の各部を制御するCM検出制御部231と、放送受信部210からのテレビ放送信号を受信するトリガ検出部232と、放送受信部210からのテレビ放送信号を受信するCM特徴量算出部233と、CMデータベース管理部240と接続されるCM判定部234と、CMデータベース管理部240、放送受信部210及び第1の購入支援部310と接続されるCM属性記憶部235とからなる。CM属性記憶部235には、CM属性が記憶される。CM属性には、放送中のテレビ放送がCMであるか否かが含まれる。
【0026】
なお、図4では、各部の間を実線矢印で結んだが、この矢印は、信号の流れの概要を容易に理解できるように付したもので、一部の信号の流れを省略している。
【0027】
図5は、CM管理サーバ装置SV−1の構成を示すブロック図である。このCM管理サーバ装置SV−1は、装置全体の制御を行う制御部410と、インターネットINとの通信を行うインターネット通信部420と、インターネット送受信部430と、表示部440と、入力部450と、放送受信部510と、放送局から送信された電波を受信するアンテナ510aと、スピーカ520と、CM検出部530と、CMデータベース管理部540と、CMデータベース部550と、外部記憶媒体が取り外し可能に接続される外部記憶媒体接続部560とを備える。CMデータベース部550には、CMのCMデータと、CMメタデータとが記憶される。これらのデータは、CMデータベース部250に記憶されるデータと同種である。
【0028】
図6は、放送受信部510の詳細な構成を示すブロック図である。放送受信部510は、移動通信装置MSの放送受信部210と類似しており、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。放送受信部510は、アンテナ510aと接続されるチューナ部211と、CM検出部530へテレビ放送信号を送信するデコーダ部212と、CMデータベース管理部540からテレビ放送信号を受信し、かつ、表示部440及びスピーカ520と接続される再生部215とからなる。放送受信部510の各部は、制御部410によって制御される。
【0029】
なお、図6では、各部の間を実線矢印で結んだが、この矢印は、信号の流れの概要を容易に理解できるように付したものであって、その流れの詳細を省略している。
【0030】
図7は、CM検出部530の詳細な構成を示すブロック図である。CM検出部530は、移動通信装置MSのCM検出部230と同じ処理部を有し、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。CM検出部530は、CM検出部530内の各部を制御するCM検出制御部531と、放送受信部510からのテレビ放送信号を受信するトリガ検出部232と、放送受信部510からのテレビ放送信号を受信するCM特徴量算出部233と、CM検出制御部531の指示に従い、放送受信部510から送られたテレビ放送信号の最新の数分の信号が記憶されるテレビ放送信号一時記憶部532と、遅延型CM検出部533と、CMデータベース管理部540と接続されるCMデータ登録部534とからなる。
【0031】
なお、図7では、各部の間を実線矢印で結んだが、この矢印は、信号の流れの概要を容易に理解できるように付したもので、一部の信号の流れを省略している。
【0032】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信装置MSを含むコマーシャルメッセージ処理システムの各部の動作を図2〜図7を参照して説明する。
【0033】
先ず、移動通信装置MSの各部の動作を図2〜図4を参照して説明する。移動通信網通信部120は、アンテナ120aによって受信された高周波信号を移動通信網送受信部130へ送信し、また、移動通信網送受信部130から送信された高周波信号をアンテナ120aより送信する。
【0034】
移動通信網送受信部130は、移動通信網通信部120からの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによってデジタル信号を得て、得られた通話音声信号を通話部140に、制御信号を制御部110に送る。また、CMに係る信号をCMデータベース管理部240に、購入品に係る信号を第1の購入支援部310に、選択されたフェムト基地局BS−2に係る信号を第2の購入支援部330に送る。
【0035】
更には、移動通信網送受信部130は、デジタル信号、即ち、通話部140から送信された通話音声信号、制御部110から送信された制御信号、CMデータベース管理部240から送信されたCMに係る信号、及び第1の購入支援部310から送信された購入品に係る信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを移動通信網通信部120に送って送信させる。
【0036】
通話部140は、移動通信網送受信部130から送信されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ140aに送る。また、マイクロフォン140bから入力されたアナログ音声信号を増幅し、それをデジタル音声信号に変換して移動通信網送受信部130に送信する。
【0037】
表示部150は、例えば、LCDであり、制御部110に制御されることで、文字・数字や映像データの表示動作を行い、表示されているデータは、入力部160からの入力操作や着信信号に応答して制御部110からの指示を受けることで切換わる。
【0038】
入力部160は、通信相手の電話番号等を指定するため、また、文字を入力するための数字キーと複数の機能キーを含むキーからなる。そして、入力部160のキーが操作されると、そのキーの識別子が制御部110に通知され、制御部110によって、表示部150に文字として表示され、又は、制御が行われる。
【0039】
NFC通信部170は、フェリカ(登録商標、FeliCa)と互換性を持つISO/IEC JTC 1(International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission Joint Technical Committee 1)によって規格化された近距離無線通信(Near Field Communication)方式(以後、NFC方式と称する。)によって、リーダライタ装置RWとの間の近距離無線通信回線LLによる通信をアンテナ170aを介して行う。なお、NFC通信部170は、待受状態、即ち、リーダライタ装置RWから送信された電波が受信されたことを検出する状態に置かれた場合、電力を消費しない。
【0040】
放送受信部210の各部の動作を説明する。チューナ部211は、放送局から送信され、アンテナ210aによって受信された高周波信号から制御部110によって指示されたチャンネル番号のチャンネルの信号を選択する。そして、選択された高周波信号を中間周波数の信号に変換し、変換された信号を復調することによってデジタル放送された信号を得る。そして、制御部110の指示に従って、その信号を放送記憶部213に記憶させ、また、記憶させない。
【0041】
なお、チューナ部211は、接続部(図示せず)を有し、アンテナ210aからの高周波信号を、その接続部に接続されたケーブルを介して受信しても良い。なお、上記ケーブルは、第2の放送受信用アンテナ(図示せず)に接続されていても良い。
【0042】
デコーダ部212は、チューナ部211によって得られたデジタル放送された信号を受信して、又は、放送記憶部213に記憶されたデジタル放送された信号を読み出して、復号することにより、デジタル映像信号及びデジタル音声信号からなるテレビ放送信号を得て、それらの信号をCM検出部230へ送る。
【0043】
放送信号変形部214は、CM検出部230から送られたCM属性信号によって、得られたテレビ放送信号がCMであると示された場合、デコーダ部212によって得られた信号に変形を施す。CMであると示されない場合、デコーダ部212によって得られた信号に変形を施さない。変形の一例は、テレビ放送信号の映像の大きさの縮小であり、この縮小によって得られた映像が表示されない部分には、上記CMに係る情報が表示される。変形の別の一例は、テレビ放送信号の音声の音量の増大、又は、低下である。
【0044】
また、放送信号変形部214は、デコーダ部212によって得られたテレビ放送信号に代えて、CM再視聴部260から送信されたテレビ放送信号に変形を施す。なぜなら、CM再視聴部260からは、テレビ放送信号がCMであることを示すCM属性信号が常に送信されるからである。
【0045】
再生部215は、放送信号変形部214によって変形を施された、又は、施されなかった映像信号を表示部150に送って表示させ、変形を施された、又は、施されなかった音声信号をスピーカ220へ送って音声を発生させる。
【0046】
CM検出部230の各部の動作を説明する。トリガ検出部232は、受信されたテレビ放送信号の変化にCMの開始のトリガがあると検出された場合、検出された旨を送信する。CM特徴量算出部233は、トリガ検出部232によってトリガが検出された場合、トリガが検出されてから所定の短時間、例えば、1秒間以内のテレビ放送信号からその信号の特徴量を算出する。
【0047】
CM判定部234は、CM特徴量算出部233によって算出されたCM特徴量がCMデータベース部250に記憶されているか否かを、CMデータベース管理部240に検索させる。記憶されていない場合、テレビ放送信号はCMではないと判定する。記憶されている場合、テレビ放送信号は、CMであると判定する。CM判定部234は、判定結果をCM属性記憶部235に記憶させる。この結果は、放送受信部210及び第1の購入支援部310へ通知される。
【0048】
CMデータベース管理部240は、CMデータベース部250に記憶されたCMデータと、CMメタデータとを管理する。即ち、まず、CMデータと、CMメタデータとをCMデータベース部250に記憶させる。また、要求に応じて、これらのデータを順次読み出して送信する。更に、所定の検索要求を受信すると、その検索条件を満たすCMデータや、CMメタデータを回答する。
【0049】
CM再視聴部260は、CMデータベース管理部240に要求して、CMに係るCMデータと、CMメタデータとを順次読み出させる。そして、そのCMデータに含まれるCMであるテレビ放送信号を放送信号変形部214に送る。更に、そのテレビ放送信号はCMである旨のCM属性をCM属性記憶部235に記憶させることによって、CMである旨を放送信号変形部214と、第1の購入支援部310とに通知する。
【0050】
第1の購入支援部310は、CM検出部230のCM属性記憶部235に放送中のテレビ信号がCMである旨が記憶された場合、購入支援の動作を開始し、そのCMに係るCMメタデータを表示部150に表示させる。なお、CMメタデータには、CMで購入が促された物品の購入が可能な販売サーバ装置SV−2のURLと、その物品の識別情報とを含み、それらに対応する情報が表示される。
【0051】
続いて、入力部160の所定のキー操作によって、物品の購入が指定された場合、第1の購入支援部310は、CMメタデータに含まれるURLへアクセスし、その物品の購入手続きを行う。また、入力部160の所定のキー操作によって、その物品の購入に興味がある旨が指定されると、第1の購入支援部310は、その物品の識別情報を購入品情報として購入品情報記憶部320に記憶させる。
【0052】
第2の購入支援部330は、移動通信網送受信部130がフェムト基地局BS−2を選択した場合、購入支援の動作を開始する。即ち、そのフェムト基地局BS−2から送信された店舗を識別する情報と、購入品情報記憶部320に記憶された物品の識別情報とを販売店管理サーバ装置SV−3に移動通信網送受信部130経由で送信して、その物品がその店舗で販売されているか否かを検索させる。
【0053】
複数の識別情報が購入品情報記憶部320に記憶されている場合、第2の購入支援部330は、識別情報毎に上記検索を行わせる。そして、販売されているとの検索結果が得られた場合、物品が販売されている旨を報知する。更には、例えば、NFC通信部170によってリーダライタ装置RWからの要求が受信された場合、購入品情報記憶部320に記憶された購入品情報を送信する。
【0054】
次に、CM管理サーバ装置SV−1の各部の動作を図5及び図7を参照して説明する。インターネット通信部420は、コネクタ(図示せず)を介して接続されたケーブルがハブ(図示せず)に接続されることにより、インターネットINに接続され、インターネットINから受信した高周波信号をインターネット送受信部430に送信する。また、インターネット送受信部430から送信された高周波信号をインターネットINに送信する。
【0055】
インターネット送受信部430は、インターネット通信部420から送信された高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、復調された制御信号を制御部410に送信し、CMに係る信号をCMデータベース管理部540に送信する。更には、制御部410から送信された制御信号、及びCMデータベース管理部540から送信されたCMに係る信号をインターネット通信部420に送信する。
【0056】
表示部440は、例えばLCDであり、制御部410に制御されることで、文字・数字や映像データ、静止画データの表示動作を行う。入力部450は、複数のキースイッチからなり、入力部450のキーが操作されると、そのキーの識別子が制御部410に通知され、制御部410によって、表示部440に文字として表示され、また、CM管理サーバ装置SV−1の各部によって制御が行われる。
【0057】
次に、CM検出部530の動作を説明する。遅延型CM検出部533は、トリガ検出部232によってCMの開始のトリガが検出された場合、トリガの検出から所定のCM放送時間のテレビ放送信号がCMであるか否かを検出する。CMであると検出された場合、上記所定のCM放送時間であるCM時間長を送信して、CMであると検出された旨を示す。
【0058】
CMデータ登録部534は、遅延型CM検出部533によってCMであると検出された場合、遅延型CM検出部533によって送信されたCM時間長と、CM特徴量算出部233によって算出されたそのCMのCM特徴量と、テレビ放送信号一時記憶部532に記憶されたそのCMのテレビ放送信号とを、CMデータベース管理部540にCMデータベース部550のCMデータとして記憶させる。
【0059】
CMデータベース管理部540は、CMデータベース部550に記憶されたCMデータと、CMメタデータとを管理する。即ち、CMデータの記憶要求に従って、そのCMデータをCMデータベース部550に記憶させる。また、CMメタデータの記憶要求に従って、そのCMメタデータをCMデータベース部550に記憶させる。更には、CMデータ及びCMメタデータの検索要求に従って、その検索条件を満たすCMデータや、CMメタデータを回答する。
【0060】
次に、販売サーバ装置SV−2及び販売店管理サーバ装置SV−3の動作を説明する。販売サーバ装置SV−2は、物品の識別情報を受信し、その物品の販売処理を行う。販売店管理サーバ装置SV−3は、店舗の識別情報と、その店舗で販売している物品の識別情報とを関連付けて記憶する。そして、店舗の識別情報と、物品の識別情報とを受信し、その店舗でその物品が販売されているか否かを通知する。
【0061】
上記の各部の動作によって、放送中のテレビ信号がCMであるか否かが検出されることを、CMの構成と併せて説明する。なお、既に説明したように、CMデータベース部250に記憶されるCMデータと、CMメタデータとは、CMデータベース部550に記憶されたCMデータと、CMメタデータとがインターネットINを介して転送されたものである。また、ここでは、音声信号を用い、無音から有音に遷移することをCMの開始のトリガとし、トリガが検出された時刻をトリガ時刻と称して説明する。
【0062】
図8は、CMの構成の一例を示し、図8(a)は、単体CMの構成P1を示す。単体CMの構成P1は、CM時間長が15秒のCMの構成であり、開始直後と、終了直前には無音区間を含む。そして、無音区間を除く部分は有音区間であって、CMの大部分は有音区間である。
【0063】
図8(b)は、2つの連続するCMが番組本編の間に放送された構成P2を示す。この構成P2は、番組本編1、CM1、CM2、番組本編2の順で構成されている。ここで、CM1と、CM2とはいずれもCM時間長が15秒とする。そして、番組本編1の終了直前の時刻P3と、CM1の開始直後の時刻P4との間、CM1の終了直前の時刻P6と、CM2の開始直後の時刻P7との間、及び、CM2の終了直前の時刻P12と、番組本編2の開始直後の時刻P13との間は無音区間である。更に、CM2の中ほどの時刻P9〜P10の間は無音区間であるとする。
【0064】
トリガ検出部232は、時刻P4で無音から有音に遷移したので、P4をトリガ時刻としてトリガを検出する。CM特徴量算出部233は、トリガ時刻P4から所定の時間が経過した時刻P5前後のテレビ放送信号から特徴量を算出する。移動通信装置MSのCM判定部234は、この算出された特徴量がCMデータとしてCMデータベース部250に記憶されている場合、その特徴量と共に記憶されたCM時間長である15秒を得て、時刻P4から15秒間のテレビ放送信号はCMであると判定する。記憶されていない場合、時刻P4以降の放送は、CMではないと判定する。なお、CM1の開始時刻は、時刻P4の直前であるが、ここでは、時刻P4が開始時刻であるとして、簡明な説明とする。
【0065】
一方、CM管理サーバ装置SV−1の遅延型CM検出部533は、トリガ時刻P4から15秒経過した時刻の前後に、音声信号は無音であるか否かを調べる。この場合、時刻P6〜P7の間は無音区間であるので、無音であると判断し、時刻P4から15秒間のテレビ放送信号はCMであると判定する。そして、時刻P5前後のテレビ放送信号から算出された特徴量と、CM時間長として15秒をCMデータとしてCMデータベース部550に記憶させる。
【0066】
以上の説明で明らかなように、CM判定部234によるCMであるか否かの検出は、CM1の開始から短時間で行われる。一方、遅延型CM検出部533によるCMであるか否かの検出は、CM1が終了した、即ち、その開始から15秒を経た後で行なわれる。その結果、CM1が初めて放送された場合、通常、CM判定部234は、CM1をCMとは判定しない。そして、CMデータベース部550に記憶されたCMデータがCMデータベース部250に転送された後、CMと判定する。
【0067】
なお、この転送を頻繁に行わせることによって、また、上記特徴量がCMデータベース部250に記憶されていない際には直ちにこの転送を行わせて、上記特徴量がCMデータベース部250に記憶されているか否かを再度判断することによって、CM1が2回目以降に放送された場合、CMと判定することができる。更には、遅延型CM検出部533の動作によることなく、上記CMデータがCMデータベース部550に記憶され、CM1が初めて放送された際、既にそのCMデータがCMデータベース部250に転送されていた場合、CM判定部234は、CM1をCMと判定することも可能である。
【0068】
同様に、トリガ検出部232は、時刻P7をトリガ時刻としてトリガを検出し、CM特徴量算出部233は、トリガ時刻P7から所定の時間が経過した時刻P8前後のテレビ放送信号から特徴量を算出する。そして、CM判定部234は、その特徴量がCMデータベース部250に記憶されているいか否かによって、時刻P7から15秒間のテレビ放送信号はCMであるか否かを検出し、また、遅延型CM検出部533は、トリガ時刻P7から15秒経過した時刻の前後に、音声信号は無音であるか否かを調べることによって、時刻P7から15秒間のテレビ放送信号はCMであるか否かを判定する。
【0069】
CM2中の時刻P9〜P10が無音であるため、トリガ検出部232は、時刻P10をトリガ時刻としてトリガを検出し、CM特徴量算出部233は、トリガ時刻P10から所定の時間が経過した時刻P11前後のテレビ放送信号から特徴量を算出する。
【0070】
遅延型CM検出部533は、トリガ時刻P10から15秒間のテレビ放送信号はCMであるか否かを判定する。時刻P10から15秒後には番組本編2が放送されており、無音ではないことが通例である。そこで、時刻P10から15秒間の放送は、CMでないと判定され、時刻P11前後のテレビ放送信号から算出された特徴量は、CMデータベース部550に記憶されず、CMデータベース部250に転送されることはない。その結果、このCM2が2回目以降に放送された場合、CM判定部234は、時刻P10から15秒間のテレビ放送信号を誤ってCMと判定することはない。
【0071】
また、以上に説明したように、CMの放送開始の検出は、無音区間の終了により、また、CMの特徴量は、CMの冒頭のテレビ放送信号から算出されるとした。そのため、そのCMが、例えば、ドラマの中で放送されたとしても、CMと判定されないことが通例である。なぜなら、ドラマ中ではCM放送開始時の無音区間が設けられないことが通例であり、また、テレビ放送信号の音声信号は、俳優の声が合わされることが通例である。また、映像信号は、異なることが通例である。そこで、トリガが検出されず、また、CM特徴量が異なるためである。
【0072】
次に、各データベース部及び各記憶部に記憶される情報の詳細を説明する。図9は、CMデータベース部250に記憶されるCMデータの構成の一例を示す。なお、CMデータベース部550に記憶されるCMデータの構成は、この構成と同じである。これらのCMデータは、CM識別子250aと、CM名称250bと、CM特徴量250cと、CMテレビ放送信号250dと、CM時間長250eとが関連付けられたデータであり、1つの関連付けられたデータが1つのCMに係る情報を表す。
【0073】
CM識別子250aは、CMデータを一意に識別する情報である。CM名称250bは、CMの名称である。CM特徴量250cは、CMの特徴量であって、1つ以上の特徴量ベクトルである。CMテレビ放送信号250dは、CMのテレビ放送された信号である。なお、この信号の記憶には大きな記憶容量が必要であり、この信号はファイルとして記憶され、CMテレビ放送信号250dには、そのファイル名が記憶されるとしても良い。CM時間長250eは、CMの放送時間の長さである。
【0074】
図10は、CMデータベース部250に記憶されるCMメタデータの構成の一例を示す。なお、CMデータベース部550に記憶されるCMメタデータの構成は、この構成と同じである。これらのCMメタデータは、CM識別子250fと、物品識別情報250gと、販売対象250hと、物品紹介情報250iと、販売URL250jと、参考URL250kと、クーポン情報250mとが関連付けられたデータであり、1つのCM識別子250fと関連付けられたデータが1つのCMに係るメタデータを表す。
【0075】
CM識別子250fは、CMメタデータを一意に識別する情報であって、同じCMについては、CM識別子250aと同じ情報である。なお、同じCMについて、CMデータは記憶され、CMメタデータは記憶されないこともあり、逆に、CMメタデータは記憶され、CMデータは記憶されないこともある。そして、CM識別子250fに対して、1組、又は、複数組の物品識別情報250gと、販売対象250hと、物品紹介情報250iと、販売URL250jと、参考URL250kと、クーポン情報250mとが関連付けられている。
【0076】
物品識別情報250gは、CMで紹介されている物品を一意に識別する情報であり、例えば、JANコード(Japanese Article Number)である。販売対象250hは、その物品の主たる販売先の人々の属性であり、その物品が販売されない場合、その物品に興味を持つ主たる人々の属性である。
【0077】
物品紹介情報250iは、その物品を紹介する文章、画像など、任意の情報である。ここで、紹介される物品とは、CMで購入を促し、また、報知を目的とする物品に限るものではない。CMに係る任意の情報で良く、例えば、CMのジャンル、使用されている楽曲の名称、出演している俳優名、使用されている背景が撮影された地点に関する情報、スポンサーの名称、CMの詳細、CM作成秘話、CMを作成した者の名前、所属事務所などの情報、CMの人気ランキング、CMの放送頻度、CMが放送される、又は、放送された回数、類似CMを識別する情報である。
【0078】
更には、CMが複数のCMがシリーズとなったものである場合、全部で何回のCM中の何番目のCMであるか(例えば、「X社Y製品CM:Zシリーズ、全12種中1番目」。)、CMが同じ内容のCM時間長250eが異なる複数のCMの1つである場合、その旨である。
【0079】
販売URL250jは、物品識別情報250gで識別される物品の販売処理を行う販売サーバ装置SV−2のURLである。参考URL250kは、物品識別情報250gで識別される物品に係る、又は、物品紹介情報250iに係るサーバ装置(図示せず)のURLである。これらのURLの一例は、ウェブページを識別する情報と、そのページへアクセスするためのプロトコルを識別する情報とであるが、それに限らない。電子メールアドレスや、電話番号など、移動通信網MNや、インターネットINを介して接続される任意のサーバ装置と、そのサーバ装置へのアクセス方法を識別する情報であれば良い。
【0080】
クーポン情報250mは、CMを視聴することによって得られるクーポンを示す情報であり、例えば、視聴回数と販売価格の割引率との関係、視聴回数と視聴した場所と販売価格の割引率との関係、CM視聴回数と割引を受けられる回数との関係、割引を受けられる期限、視聴回数と特典との関係などである。特典の一例は、無料で着信報知用の楽曲コンテンツのダウンロードすることの許可である。
【0081】
図10の「4」であるCM識別子250fのように、複数組が関連付けられていることは、そのCMに複数の物品紹介情報250iが関連付けられていることを意味する。なお、1組が関連付けられているか、複数組が関連付けられているかを問わず、図10では「−」で示すように、物品紹介情報250i以外には情報が記憶されていないこともある。
【0082】
即ち、物品識別情報250gは、物品紹介情報250iが販売される物品を示さない場合、情報が記憶されない。販売対象250hは、物品の主たる販売先の人々、また、物品に興味を持つ主たる人々が指定されない場合、情報が記憶されない。販売URL250jは、物品識別情報250gに情報が記憶されない場合、及び、情報が記憶されてもその情報で識別される物品の販売処理を行う装置が存在しない場合、情報が記憶されない。
【0083】
参考URL250kは、物品識別情報250gで識別される物品に係る、又は、物品紹介情報250iに係るサーバ装置が存在しない場合、情報が記憶されない。また、そのサーバ装置は、物品識別情報250gで識別される物品の販売処理を行う販売サーバ装置SV−2である場合、参考URL250kは、販売URL250jと等しくても良い。クーポン情報250mは、CM視聴によるクーポンが存在しない場合、情報が記憶されない。
【0084】
図11は、購入品情報記憶部320に記憶される購入品情報の構成の一例を示す。この購入品情報は、購入フラグ320aと、物品識別情報320bと、視聴回数・場所320cとが関連付けられた情報であり、1つの関連付けられた情報が1つの物品の購入意思の有無等を表す。
【0085】
購入フラグ320aは、購入品情報が、使用者の購入の意思がある購入品に係る情報である場合「ON」なる値、その意思があるとは限らない購入品に係る情報である場合「OFF」なる値である。物品識別情報320bは、CMメタデータ中の物品識別情報250gと同じ情報である。視聴回数・場所320cは、物品識別情報320bを物品識別情報250gとして含むCMメタデータに係るCMを視聴した回数、又は、回数と場所とである。
【0086】
なお、視聴回数・場所320cは、物品を販売する装置に定められたクーポン情報に依存して決定される。例えば、自宅には固定式のテレビ受信装置が設置されている可能性が非常に高いにも拘らず移動通信装置MSでテレビ放送を視聴した場合、固定式のテレビ受信装置で受信されている番組と異なる番組を是非視聴したかったことを意味する。そこで、その場合、有利なクーポンとすることが定められていると、図11に例示するように、視聴した場所が自宅であるか否かが記憶される。
【0087】
図12は、CM属性記憶部235に記憶されるCM属性の構成の一例を示す。このCM属性は、CMフラグ235aと、CM識別子235bと、CM時間長235cと、残CM時間235dと、CM開始日時235eとが関連付けられた、1組の情報である。
【0088】
CMフラグ235aは、放送中のテレビ信号がCMであると判定されている場合、「ON」なる値であり、CMでないと判定されている場合、「OFF」なる値である。CMフラグ235a以外の値は、CMフラグ235aが「ON」の場合に意味を持ち、CM識別子235bは、放送されているCMを識別する情報である。CM時間長235cは、放送中のCMの放送時間長である。残CM時間235dは、放送中のCMが終了するまでの時間である。CM開始日時235eは、放送中のCMが放送開始された日時である。
【0089】
次に、移動通信装置MSが、CMが放送されたことを検出し、そのCMに係る物品の購入支援を行う処理の詳細を説明する。
【0090】
図13に示すフローチャートを参照して、トリガ検出部232の動作の詳細を説明する。なお、トリガ検出部232は、テレビ放送信号がCMに変化したトリガの検出と、時刻の変化に伴うCM属性記憶部235に記憶されるCM属性の更新を行う。
【0091】
トリガ検出部232は、制御部110によってCM検出部230が起動されると、即ち、CM検出制御部231が起動されると、CM検出制御部231によって起動されて動作を開始し、初期化、即ち、CM属性のCMフラグ235aに「OFF」を設定して、CM属性を更新させる(ステップS232a)。この初期化は、CM検出部230の各部が動作を開始した時点では、テレビ放送信号はCMではないとするものであるが、CMであったとしても支障はない。
【0092】
続いて、トリガ検出部232は、CMフラグ235aは「ON」であるか否かを調べ(ステップS232b)、「ON」であれば、残CM時間235dから、トリガ検出部232が放送受信部210からテレビ放送信号を間欠的に、即ち、所定の時間間隔で受信する際の間隔の時間を減じて、CM属性に更新記憶させる(ステップS232c)。
【0093】
残CM時間235dが「0」以下の値であるか否かを調べ(ステップS232d)、「0」以下の値であれば、トリガ検出部232は、CMフラグ235aを「OFF」に更新記憶させる(ステップS232e)。
【0094】
続いて、トリガ検出部232は、上記所定の間隔の時間に係るテレビ放送信号を放送受信部210から受信し、CM属性を放送受信部210及び第1の購入支援部310へ送信し(ステップS232f)、トリガを検出する(ステップS232g)。トリガが検出されたか否かを調べ(ステップS232h)、検出された場合、トリガが発生したトリガ時刻を送信して(ステップS232i)、ステップS232bのCMフラグ235aは「ON」であるか否かを調べる動作に移る。ステップS232hで検出されなかった場合、直ちに、ステップS232bのCMフラグ235aは「ON」であるか否かを調べる動作に移る。
【0095】
ステップS232bの動作で、CMフラグ235a「ON」でない、即ち、「OFF」である場合、及び、ステップS232dの動作で、残CM時間235dが「0」以下の値でない場合、トリガ検出部232は、ステップS232fの上記所定の間隔の時間に係るテレビ放送信号を放送受信部210から受信する動作に移る。トリガ検出部232は、CM検出部230が動作中は動作を続ける。
【0096】
なお、上記ステップS232a〜ステップS232eの動作は、CM属性の更新の動作であり、ステップS232f〜ステップS232iのトリガ検出に係る動作とは異なる種類の動作である。この実施形態では、トリガ検出部232は、間欠的にテレビ放送信号を受信し、受信された信号の処理を次に信号を受信するまでの間に完了するので、この受信の間隔が一定であることを活用して、CM属性の更新を行う。残CM時間235dは、時刻の経過と共に、減算されることが必須であるためである。
【0097】
しかしながら、このCM属性の更新の動作は、トリガ検出部232が行うと限るものではない。例えば、CM検出制御部231又は制御部110が所定の時間間隔で発生させる割り込みによって、上記CM属性の更新動作を開始するとしても良い。
【0098】
また、ステップS232fでCM属性を放送受信部210及び第1の購入支援部310へ送信して通知するとしたが、これも、トリガ検出部232は、一定の時間間隔で放送受信部210からテレビ放送信号を受信することを活用したものであって、CM属性の通知は、この方法に限るものではない。例えば、放送受信部210及び第1の購入支援部310がCM属性記憶部235を参照しても良い。また、CM検出制御部231はCM属性を制御部110に通知し、制御部110は、放送受信部210及び第1の購入支援部310の要求に応じてCM属性を通知するとしても良い。
【0099】
更に、放送受信部210及び第1の購入支援部310がCM属性記憶部235を参照する際、CM時間長235cから、CM開始日時235eから現在の日時までの経過時間を減算することにより残CM時間を算出し、算出された残CM時間が「0」以下であれば、CMフラグ235aの値に係らず、テレビ放送信号はCMでないと判断しても良い。この場合、上述したCM属性の更新の動作は不要となる。また、CM属性は、残CM時間235dを含む必要はない。
【0100】
なお、トリガ検出部232が放送受信部210からテレビ放送信号を間欠的に受信するとしたが、この時間間隔は、数十m秒、長くても100m秒が適切である。トリガ検出部232がCMの開始を早く検出することによって、テレビ放送信号がCMであるか否かが早く判定されるためである。例えば、地上波デジタルテレビ放送信号の音声信号はAAC方式で符号化されており、これをデコードして得られる信号は、48KHzサンプリングで1024サンプルずつである。この信号を得る周期は、1024/48≒21.3m秒となり、妥当な間欠受信周期である。
【0101】
ステップS232gのトリガの検出動作の詳細を、図14を参照して説明する。トリガ検出部232は、テレビ放送信号の音声信号が無音から有音に遷移したこと、及び/又は、テレビ放送信号の映像信号のシーンチェンジが発生したことをトリガとして検出し、トリガが発生したトリガ時刻を送信する。なお、シーンチェンジとは、時間的に連続する2つのフレームの映像が大きく変化したことであり、それらのフレームがフレーム内符号化されているか否かとは無関係である。ここで、この無音から有音への遷移や、シーンチェンジは、少なくともCM放送の開始の際に、及び、CM放送の終了の際に発生する。
【0102】
トリガ検出部232は、音声信号の振幅がある無音閾値よりも小さい時間が一定の無音継続長閾値以上の時間に渡って連続する区間を無音区間として検出し、この無音区間の終了時刻(図14では、時刻T5。)をトリガ時刻として検出する。このようにトリガ時刻を検出することによって、CM特徴量算出部233がトリガ時刻直後の音声信号の特徴量を算出する際、有音区間の音声特徴量を算出し、有効な特徴量が得られる。
【0103】
ここで、無音閾値を小さくし過ぎたり、逆に大きくし過ぎると、本来検出されるべきCMの開始付近のトリガ検出不足が生じ、結果的にCMが検出されないエラーが発生し、また、CMの開始付近以外の余計な無音終了がトリガとして検出され、CMでない放送がCMであると検出されないにしても、CM特徴量算出部233による無用な特徴量の算出が行われる問題が発生する。
【0104】
無音閾値は、上記を鑑みて適切な値に設定すべきであり、音声信号が16bit量子化のPCMの場合、経験上、無音閾値は100前後が妥当である。また、無音継続長閾値も同様に長すぎるとトリガ検出が不足し、逆に短すぎると余計なトリガ検出により無駄な処理量増加を引き起こす。無音継続長閾値は上記を鑑みて適切な値に設定すべきであり、経験上、200から300m秒程度が妥当である。
【0105】
トリガ検出部232は、映像信号のシーンチェンジの時刻(時刻T1、T3、T7)をトリガ時刻として検出しても良い。シーンチェンジの時刻は、例えば隣り合う映像フレーム間の差が、あるシーンチェンジ閾値よりも大きい場合に、その隣り合う2つのフレームの前フレームに係る時刻、後フレームに係る時刻、又は、それらの時刻の中間時刻とする。映像フレーム間の差の算出方法は、映像フレームのブロックごとの輝度や色差の平均値を映像特徴量ベクトルとし、この映像特徴量ベクトルのベクトル距離や内績として算出する。
【0106】
このように、映像信号によってトリガ時刻を検出すると、CM冒頭の無音区間に該当する部分の音量が大きいために、無音検出がされなかった場合でも、CM冒頭付近のシーンチェンジを検出できる可能性があるので、CM冒頭付近のトリガを取りこぼさない。ただし、シーンチェンジ閾値を大きくし過ぎると、検出されるシーンチェンジが減りCM冒頭付近のトリガの取りこぼし抑制効果が低減する。逆にシーンチェンジ閾値を小さくしすぎると、検出されるシーンチェンジが増加し、その都度CM特徴量が算出されるので、無駄な処理量増加を引き起こす。シーンチェンジ閾値は上記を鑑みて適切な値に設定する必要がある。
【0107】
トリガ検出部232は、上記無音区間の終端時刻(時刻T5)に最も近い時刻の映像フレーム位置(時刻T4)、又は、直後の映像フレーム位置(時刻T6)をトリガ時刻として検出しても良い。例えば、無音区間の終端位置時刻(時刻T5)をトリガ時刻とする場合、音声信号中のノイズや音量(ゲイン)などの影響で、無音区間の終了位置時刻が多少前後にずれる可能性があるが、上記方法でトリガ時刻を特定することで、前後のずれによる影響を受けない。
【0108】
トリガ検出部232は、無音区間に存在するシーンチェンジの時刻(時刻T3)をトリガ時刻として検出しても良い。例えば無音区間の終了位置時刻(時刻T5)をトリガ時刻とする場合、もしCM冒頭の無音が5秒継続するときは、CMの放送開始からトリガ検出までに最低5秒の遅延が生じることになる。しかし、上記方法でトリガ時刻を特定すれば、CM冒頭の無音が長く続くような場合でも、無音状態になってから最初のシーンチェンジの時刻をトリガ時刻とするので、無駄な遅延を生じることなく、トリガ検出が可能となる。無音区間にシーンチェンジが複数存在する場合、最後のシーンチェンジ、即ち、無音区間の終了位置時刻(時刻T5)に最も近い時刻のシーンチェンジの時刻をトリガ時刻とする。
【0109】
以上のようにトリガ検出部232がトリガ時刻を厳密に定められた手順によって検出することが、同じCMが複数回放送された際、CM特徴量算出部233がそれらの複数のCMから同じ特徴量を算出するために必須である。言い換えると、CM特徴量算出部233がCMの特徴量を算出するために用いるテレビ放送信号は、CM開始から同じ時間が経過した信号でなければならない。これを保証するため、トリガ時刻と、CM開始時刻との差は、常に一定でなければならないためである。
【0110】
上記のように、無音区間を音声信号の振幅を参照して検出することに代えて、音声フレームのビット列を参照して検出することが考えられる。CM素材がフレーム毎に切り出されたデジタルデータとして放送局に送られ、そのデジタルデータがアナログ信号に変換されることなく、符号化されて放送される場合、このフレームのビット列を参照して検出する方法も有効である。同じCMが複数回放送された際、全く同じビット列のフレームが放送受信部210で得られ、トリガ検出部232に送信されるからである。
【0111】
しかし、CM素材がアナログデータとして放送局に送られ、放送局でデジタル化される場合、このビット列を参照して検出する方法の適用には、充分な注意が必要である。この注意が必要な理由を説明する。図15は、アナログデータであるCM素材から音声フレームを切り出すことによってトリガが検出される2つの例を示し、横軸は、時刻をフレーム切り出しのタイミング単位の目盛りを付して表している。
【0112】
音声フレーム切り出しの際、アナログデータであるCM素材の冒頭から切り出すのであるが、素材の冒頭から誤差を含んだ時間を経過した時刻からデータから切り出しを開始する。この誤差が、たとえ数m秒程度であっても、音声フレームのビット列は大きく変化する。また、異なった音声フレームによって、無音が終了したと判断されることがある。
【0113】
図15(a)の音声フレーム切り出しの第1の例では、F11個目の音声フレームで無音が終了したと判断され、トリガ時刻とされる。図15(b)の音声フレーム切り出しの第2の例では、F12個目の音声フレームで無音が終了したと判断され、トリガ時刻とされる。無音が終了したと判断されたフレームに続く4つの音声フレームから特徴量を算出するとした場合、これらの2つの例では、同じCM素材から放送されたCMであるにも係らず、大きく異なる音声フレームから特徴量を算出することになり、CM判定部234の判定が妥当でない可能性が大変に大きくなる。
【0114】
なお、アナログデータであるCM素材から切り出された映像フレームにも、上述したように、CM素材の冒頭から最初のフレームが切り出されるまでの時間に依存した、放送される度に生じる差がある。しかし、一般に、時間的に連続する映像フレームの特徴量の差は、連続する音声フレームの特徴量の差に比較すれば少ない。
【0115】
そこで、例えば、放送された映像フレームと、記憶された映像フレームが等しいか否かの判断の際、時間的に連続する映像フレームが記憶されていれば、それらのフレームから、等しいと予想されるフレーム、その前のフレーム、及び、その後のフレームとを選択して比較し、いずれかと等しい場合、放送された映像フレームと、記憶された映像フレームが等しいとみなすことができる。
【0116】
図16に示すフローチャートを参照して、CM特徴量算出部233がCM特徴量を算出する動作の詳細を説明する。CM特徴量算出部233は、トリガ検出部232によってトリガが検出され、トリガ時刻が送信された場合、動作を開始し、トリガ時刻から短時間に渡るテレビ放送信号から第一のCM特徴量を算出する(ステップS233a)。そして、算出された第一のCM特徴量と、トリガ時刻とを送信する(ステップS233b)。
【0117】
ここで、上記短時間は、より短いほどCM判定部234によってより早くCMであるか否かが判定され、より長いほどCM判定部234によってより正確にCMであるか否かが判定される。早さを重視する場合、例えば、数百m秒間〜1秒間程度、正確さを重視する場合、例えば、1秒間〜3秒間程度が適切である。
【0118】
ここで、CM特徴量は、例えば、テレビ放送信号の音声信号のスペクトルや、メル周波数ケプストラム係数(MFCC、Mel Frequency Cepstrum Coefficients)、LPCケプストラムなどのケプストラム、又は、帯域ごとのフィルタバンク出力である。また、テレビ放送信号の映像信号をブロックに分割し、それぞれのブロック毎の輝度信号の平均値と色差信号の平均値とである。なお、CM特徴量を算出する際、信号をパワーで正規化した上で用いても良い。特に、映像信号は、映像フレームをブロックに分割し、ブロック毎に平均した値を用いても良い。
【0119】
続いて、CM特徴量算出部233は、テレビ放送信号から第二のCM特徴量を算出し(ステップS233c)、算出された第二のCM特徴量を送信して(ステップS233d)、動作を終了する。ここで、第二のCM特徴量は、ステップS233aで第一のCM特徴量を算出するのに用いたテレビ放送信号より後のテレビ放送信号、例えば、トリガ時刻から7〜10秒程度を経たテレビ放送信号から算出される。
【0120】
なお、CM特徴量算出部233は、トリガ検出部232によってトリガが検出される度に動作を開始する。そのため、1つのトリガ時刻を契機とした動作が終了する前に、異なるトリガ時刻を契機とした動作を開始することがある。
【0121】
ここで、図17を参照して、第一のCM特徴量と、第二のCM特徴量との一例を説明する。この例では、第一のCM特徴量P611は、トリガ時刻の直後の連続したテレビ放送信号P612から算出されたM本の特徴量ベクトルから構成されている。第二のCM特徴量P613は、テレビ放送信号P612より後に放送された、不連続のテレビ放送信号P614、P615、P616から算出されたN−M本の特徴量ベクトルから構成されている。そして、第一のCM特徴量P611及び第二のCM特徴量P613がCM特徴量である。
【0122】
第一のCM特徴量P611は、トリガ時刻後、放送中のテレビ信号がCMであるか否かを速やかに判定するため用いられるので、トリガ時刻から近く、かつ、短い、数百m秒〜1秒程度以内のテレビ放送信号から短時間で算出される。一方、第二のCM特徴量P613は、冒頭が同じ内容で、CM時間長が長短のCM、例えば、15秒のCMと30秒のCMとが放送される場合、又は、冒頭の内容は同じ、かつ、CM時間長は同じだが、アレンジ等の違いにより冒頭以外の内容が異なるCMの場合に、いずれのCMであるかの判定に用いられる。
【0123】
そこで、第二のCM特徴量P613は、トリガ時刻後、比較的長い時間、例えば、7〜10秒程度の時間が経過した後のテレビ放送信号から算出される。第一のCM特徴量P611の算出に用いられたトリガ時刻直後のテレビ放送信号P612に依存して算出されると、CM時間長が長短のCMのいずれであるかの判定や、アレンジが異なるCMの判定には有効ではない。また、算出時間が短いことを、第一のCM特徴量P611の算出に比較すると強く要求されることがないので、図17に示すように、複数の区間のテレビ放送信号P614、P615、P616から算出されることがいずれのCMであるかの判定の際に望ましいが、1つの区間のテレビ放送信号から算出されても良い。
【0124】
図18に示すフローチャートを参照して、CM判定部234が放送中のテレビ信号がCMであるか否かを判定する動作の詳細を説明する。CM判定部234は、CM特徴量算出部233から第一のCM特徴量と、トリガ時刻とが送信されたことを契機として動作を開始し、CM特徴量算出部233から送信された第一のCM特徴量と、トリガ時刻とを受信する(ステップS234a)。
【0125】
CM判定部234は、受信された第一のCM特徴量を含むCM特徴量を検索キーとして、CMデータベース管理部240にCMデータベース部250のCMデータを検索させ、検索されたか否かによって、現在のテレビ放送信号はCMであるか否かの第一の判定を行なう(ステップS234b)。
【0126】
ステップS234bで検索されない場合、CM判定部234は、放送中のテレビ信号はCMでないと判定して、CMであるか否かを判定する動作を終了する。一方、検索された場合、CM判定部234は、放送中のテレビ信号はCMであると判定して、CM属性のCMフラグ235aに「ON」を、CM識別子235bにステップS234bの検索で得られたCMデータのCM識別子250aを、CM時間長235c及び残CM時間235dにその検索で得られたCMデータのCM時間長250eを、そして、CM開始日時235eに上記トリガ時刻を、それぞれ設定して、CM属性記憶部235に記憶させる(ステップS234c)。
【0127】
なお、トリガ時刻は、必ずしも放送中のCMが放送開始された日時ではないが、CMの冒頭の無音区間は短いことが通例であり、トリガ時刻を放送中のCMが放送開始された日時として支障はない。
【0128】
検索されたCMデータが複数の場合、CM判定部234は、それぞれのCMデータの値をCM属性に記憶させるが、CM開始日時235eに記憶される値は1つである。なお、複数のCMデータが検索されることは、第一のCM特徴量が等しいCMであって、CM時間長250eが異なる、例えば、冒頭の内容は同じだが15秒と30秒のCM、又は、第一のCM特徴量及びCM時間長250eは等しいが第二のCM特徴量は異なる、例えば、同じ15秒のCMだがアレンジなどの違いにより冒頭以外の内容が異なるCMのCMデータがCMデータベース部250に記憶されていることを意味する。
【0129】
続いて、CM判定部234は、CM特徴量算出部233から送信された第二のCM特徴量を受信し(ステップS234d)、この第二のCM特徴量と、ステップS234aで受信された第一のCM特徴量とを検索キーとして、CMデータベース管理部240にCMデータベース部250のCMデータを検索させ、検索されたか否かによって、現在のテレビ放送信号はCMであるか否かの第二の判定を行なう(ステップS234e)。
【0130】
ステップS234eで検索された場合、CM判定部234は、放送中のテレビ信号はCMであると判定する。そして、CM属性に複数のCMに係る情報が記憶されている場合、検索されたCMデータは、それらの複数のCMのいずれかの1つに係るCMデータであるので、CM判定部234は、検索されたCMデータに起因する情報を残し、その他の情報をCM属性から削除する。一方、CM属性に1つのCMに係る情報が記憶されている場合、検索されたCMデータは、ステップS234bで検索されたものと等しいので、CM判定部234は、更新処理をすることなく(ステップS234f)、CMであるか否かを判定する動作を終了する。
【0131】
一方、ステップS234eで検索されない場合、CM判定部234は、このステップでは放送中のテレビ信号はCMであるか否かの判定はできないため、その判定として、上記第一の判定以外に行うことはなく、CM属性に複数のCMに係る情報が記憶されている場合、いずれか1つを選択して、また、CM属性に1つのCMに係る情報が記憶されている場合、何もせずに(ステップS234g)、CMであるか否かを判定する動作を終了する。
【0132】
以上説明したように、CM判定部234は、2段階に分けてCM判定を行うことで、CMの放送開始から、CMであると判定されるまでの遅延を低減し、かつ、CM時間長の精度及びCM特定の精度を向上させることが可能となる。具体的にはCMの冒頭部分のテレビ放送信号は同じだが、長さが異なるCMが存在する場合、及び、CMの冒頭部分のテレビ放送信号と長さは同じだが、アレンジなどの違いにより、冒頭以外の内容が異なるCMが存在する場合に効果を発揮する。
【0133】
例えば、あるCMの15秒バージョンと30秒バージョンとがあり、それらのCM冒頭部分のテレビ放送信号が等しいとする。簡単のため15秒バージョンをCM15、30秒バージョンをCM30とする。
【0134】
例えばCM15に関する情報のみがCMデータとしてCMデータベース部250に記憶されている場合にCM30が放送された際のCMの検出を考える。この場合、CM15と、CM30との冒頭のテレビ放送信号は等しいので、ステップS234bの第一の判定ではCMと判定されて、ステップS234cで、CM時間長235cは15秒として記憶される。しかしCM30は既に記憶されているCM15とは異なるので、ステップS234eの第二の判定ではCMであるか否か判定不能とされる。この場合、CM時間長235cを更新せずにCM30が開始から15秒経過した時点でCM区間終了とすると説明したが、これに限るものではない。
【0135】
この時点ではCM30に関する情報はCMデータベース部250に未だ記憶されていないので何秒継続するかは不明だが、15秒バージョンの違う長さのバージョンとしてCM時間長235cを30秒に更新しても良いし、番組本編をCM区間として判定するエラーを回避するため、直ちにCM区間終了としても良く、更に、上記のいずれかを入力部160の所定のキー操作によって決定することにより、視聴者に選択させるような機構を備えても良い。
【0136】
次に、例えばCM30に関する情報のみがCMデータとしてCMデータベース部250に記憶されている場合にCM15が放送された際のCMの検出を考える。この場合も、CM15と、CM30との冒頭のテレビ放送信号は等しいので、ステップS234bの第一の判定ではCMであると判定されて、ステップS234cで、CM時間長235cは30秒として記憶される。
【0137】
しかし、CM15は既に記憶されているCM30とは異なるので、ステップS234eの第二の判定ではCMであるか否か判定不能とされる。この場合、CM時間長235cを更新せずにCM15が開始から30秒経過した時点でCM放送終了とすると説明したが、これに限るものではない。
【0138】
この時点ではCM15はCMデータベース部250に未だ記憶されていないので何秒継続するかは不明だが、30秒バージョンの違う長さのバージョンとしてCM時間長235cを、30秒以外、例えば15秒に更新しても良いし、番組本編をCM区間として判定するエラーを回避するため、一意にCM時間長235cを15秒にするか、直ちにCM区間終了としても良く、更に、上記のいずれかを入力部160の所定のキー操作によって決定することにより、視聴者に選択させるような機構を備えても良い。
【0139】
また、例えばCM15に関する情報とCM30に関する情報の両方ともCMデータとしてCMデータベース部250に記憶されている場合にCM15が放送された際のCMの検出を考える。この場合、CM冒頭のテレビ放送信号は等しいので、ステップS234bの第一の判定ではCMであると判定されて、ステップS234cでCM時間長235cは15秒及び30秒として記憶される。しかし、ステップS234eの第二の判定でCMであると判定され、ステップS234fでは正しいCM時間長235cである15秒が更新記憶される。
【0140】
同様にCM30が放送された際のCMの検出の場合、CM冒頭のテレビ放送信号は等しいので、ステップS234bの第一の判定ではCMであると判定されて、ステップS234cでCM時間長235cは15秒及び30秒と記憶される。しかし、ステップS234eの第二の判定でCMであると判定され、ステップS234fでは正しいCM時間長235cである30秒が更新記憶される。この様に、時間長は異なるが冒頭部分のテレビ放送信号が等しいCMが存在する場合、2段階でCMであるか否かの判定を行うことにより、CMであると判定されるまでの遅延が長くなることなく、かつ、CM時間長235cを正しく記憶させることができるようになる。上記説明は、簡単のため15秒バージョンCMと30秒バージョンCMとを例に挙げたが、勿論これに限定するものではなく、2種類のみならず3種類以上の長さのバージョンCMが存在する場合も同様である。
【0141】
また、例えばある15秒のCMのAバージョンとBバージョンとがあり、それらのCMの冒頭部分のテレビ放送信号が等しいとする。簡単のためAバージョンをCM−A、BバージョンをCM−Bとする。
【0142】
例えばCM−Aに関する情報のみがCMデータとしてCMデータベース部250に記憶されている場合にCM−Bが放送された際のCMの検出を考える。この場合、CM−Aと、CM−Bとの冒頭のテレビ放送信号は等しいので、ステップS234bの第一の判定ではCMと判定される。しかしCM−Bは既に記憶されているCM−Aとは異なるので、ステップS234eの第二の判定ではCMではないと判定される。この場合、CM−Bが開始から15秒経過した時点でCM区間終了とすると説明したが、これに限るものではない。
【0143】
この時点ではCM−Bに関する情報はCMデータベース部250に未だ記憶されていないので何秒継続するかは不明だが、番組本編をCM区間として判定するエラーを回避するため、直ちにCM区間終了としても良く、更に、上記のいずれかを入力部160の所定のキー操作によって決定することにより、視聴者に選択させるような機構を備えても良い。
【0144】
CM−BのみがCMデータベース部250に記憶されている場合に、CM−Aが放送された際のCM検出も上記と同様である。
【0145】
また、例えばCM−Aに関する情報とCM−Bに関する情報の両方ともCMデータベース部250に記憶されている場合にCM−Aが放送された際のCMの検出を考える。この場合、CM冒頭のテレビ放送信号は等しいので、ステップS234bの第一の判定ではCMであると判定されるがCM−AとCM−Bのどちらであるかは不明である。しかし、ステップS234eの第二の判定でCMであると判定され、この時点でCM−Aであることが確定する。
【0146】
この様に、冒頭部分のテレビ放送信号が等しいCMが存在する場合、2段階でCMであるか否かの判定を行うことにより、CMであると判定されるまでの遅延が長くなることがない。上記説明は、簡単のためAバージョンCMとBバージョンCMとを例に挙げたが、勿論これに限定するものではなく、2種類のみならず3種類以上のアレンジCMが存在する場合も同様である。
【0147】
CMデータベース管理部240の動作の詳細を説明する。CMデータベース管理部240は、所定の間隔、例えば、1時間おきに、若しくは、入力部160のキー操作に起因する制御部110からの指示に従って、また、第1の購入支援部310からの指示に従って動作を開始し、移動通信網送受信部130を介してCM管理サーバ装置SV−1に対し、CMデータ及びCMメタデータの送信を要求する。そして、この要求に応じて送られたCMデータ及びCMメタデータをCMデータベース部250に記憶させる。
【0148】
なお、この記憶させる動作の際、CMデータベース管理部240は、既にCMデータベース部250に記憶されていたCMデータ及びCMメタデータを全て削除し、CM管理サーバ装置SV−1に記憶された全てのCMデータ及びCMメタデータを新たに記憶させると、データの一貫性の観点から好ましい。
【0149】
しかし、上記処理では、データ転送量が増えるため、CMデータベース管理部240は、前回CM管理サーバ装置SV−1に対して送信を要求した日時を指定し、その日時以降に記憶内容に変化があったCMデータ及びCMメタデータの送信をCM管理サーバ装置SV−1に要求する。そして、この要求に応じて送られたデータをCMデータベース部250に記憶させても良い。
【0150】
この処理の場合、CM管理サーバ装置SV−1から送信されたCMデータ及びCMメタデータには、CM識別子250a毎に、又は、CM識別子250f毎に、変更であるか、追加であるか、削除であるかのいずれかである変化状況が付される。CMデータベース管理部240は、付された変化状況に従い、CMデータ又はCMメタデータを、それぞれ、更新記憶、追加記憶、又は削除させる。
【0151】
また、CMデータベース管理部240は、CMデータ取得条件を付すことによって、特定のCMに係るCMデータ及びCMメタデータの送信をCM管理サーバ装置SV−1に要求しても良い。具体的には、CMデータ取得条件は移動通信装置MSが設置されている場所、又は、放送波の受信地域として設定している地域情報である。ワンセグ放送を含む、地上波デジタル放送は、地域ごとに異なる周波数帯で放送されており、また、地方局など、放送局が異なれば放送されるCMも異なる。
【0152】
より具体的には、第1の県で放送されるCMと第2の県で放送されるCMは異なるため、CM管理サーバ装置SV−1が、全国各地のCMデータを記憶している場合に、第1の県に位置する移動通信装置MSが第2の県で放送されるCMのCMデータを記憶すると、無意味にCMデータベース部250のために大きな記憶容量を必要とする。
【0153】
なお、上記場所、又は、上記地域情報の一例は、緯度及び経度であって、移動通信装置MSは、GPS衛星から送信された電波によって測位する第1の測位部(図示せず)や複数存在する基地局BSからの電波の受信強度から測位する第2の測位部(図示せず)、を備え、第1の測位部や、第2の測位部によって測位された緯度及び経度を上記地域情報とする。
【0154】
このように、CM管理サーバ装置SV−1からCMデータ及びCMメタデータを受信することにより、CMデータベース管理部240は、未だ放送局からテレビ放送されていない、又は、放送受信部210によって受信されていないCMに関するCMデータ及びCMメタデータをCMデータベース部250に記憶させることができる可能性がある。CM管理サーバ装置SV−1では、網羅的に多くのCMに係るCMデータ及びCMメタデータを記憶しているからである。
【0155】
また、CMデータベース管理部240は、CMに係るCMデータと、CMメタデータとを順次CMデータベース部250から読み出す要求を受信すると、CMデータをCMデータベース部250から読み出し、そのCMデータのCM識別子250aと等しいCM識別子250fによって識別されるCMメタデータを読み出す。そして、これらのCMデータと、CMメタデータとを回答することを、全てのCMデータについて繰り返す。
【0156】
また、CMデータベース管理部240は、CM識別子を検索キーとするCMデータの検索要求を受信すると、そのCM識別子と等しいCM識別子250aを含むCMデータをCMデータベース部250から検索し、その検索によって得られたCMデータを回答する。
【0157】
また、CMデータベース管理部240は、CM特徴量を検索キーとするCMデータの検索要求を受信すると、そのCM特徴量と等しいCM特徴量250cを含むCMデータをCMデータベース部250から検索し、その検索によって得られたCMデータを回答する。この検索に際し、CMデータベース管理部240は、検索キーであるCM特徴量と、CM特徴量250cとの距離が所定の値未満である場合、等しいとする。検索キーであるCM特徴量と、CM特徴量250cとの距離が全て所定の値以上である場合、検索されないとする。
【0158】
また、CMデータベース管理部240は、CM識別子を検索キーとするCMメタデータの検索要求を受信すると、そのCM識別子と等しいCM識別子250fを含むCMメタデータをCMデータベース部250から検索し、その検索によって得られたCMメタデータを回答する。
【0159】
CM再視聴部260の動作の詳細を説明する。CM再視聴部260は、CMデータベース管理部240に要求して、CMに係るCMデータを順次CMデータベース部250から読み出させる。そして、読み出されたCMデータ中のCMテレビ放送信号250dを放送受信部210の放送信号変形部214に送信する。更に、CMフラグ235aに「ON」を、CM識別子235bにCM識別子250aを、CM時間長235c及び残CM時間235dにCM時間長250eを、CM開始日時235eに現在の日時を設定したCM属性をCM属性記憶部235に記憶させる。
【0160】
CM再視聴部260によれば、重複なくCMデータベース部250記憶されたCMを視聴することができ、所望のCMを視聴することが容易に可能である。即ち、CMのみを短時間で効率良く視聴する場合、一旦番組を録画してからCM部分のみを視聴するのが一般的である。しかし、ある特定のCMを視聴したい場合、そのCMがなるべく高確率で含まれるように、不特定番組を長時間録画する必要があり、これでは意味のない大きな録画記憶領域が必要となる。
【0161】
この解決策として、録画番組からCM区間を切り出し、小コンテンツとして保存できることが望ましいが、地上デジタルテレビ放送をデジタル録画した場合、著作権保護のため、あるひと塊りの録画番組からCM部分のみを切り取って保存できる回数には限りがあるため、CM部分の小コンテンツを効率よく短時間で作成することはできない。
【0162】
図19に示すフローチャートを参照して、第1の購入支援部310が放送中(録画再生中を含む。)のCMに係る物品の購入を支援する動作の詳細を説明する。第1の購入支援部310は、CM検出部230のCM属性記憶部235のCMフラグ235aに「ON」なる値が記憶された場合、購入支援の動作を開始し、購入支援のために、放送中のCMに係るCMメタデータ等を表示部150に表示をさせる。
【0163】
即ち、第1の購入支援部310は、CM識別子235bを検索キーに、CMデータベース管理部240に指示してCMメタデータを検索させ、検索結果等を表示部150に表示させる。なお、CM識別子235bに複数の識別子が記憶されている場合、第1の購入支援部310は、直ちに動作を終了する。又は、その中の任意の1つの識別子が記憶されていたとみなして動作を続ける。
【0164】
また、CMメタデータが検索されない、即ち、CMメタデータがCMデータベース部250に記憶されていない場合、第1の購入支援部310は、CMデータベース管理部240に指示してそのCMメタデータをCM管理サーバ装置SV−1から転送させて、検索させる。又は、直ちに動作を終了しても良く、更に、CM識別子250f以外には何ら情報が記憶されていないCMメタデータが検索されたとみなして動作しても良い。
【0165】
この表示と共に、着信報知用のバイブレータ(図示せず)の振動、着信報知用の第2のスピーカ(図示せず)からの音声の発生、表示部150に所定の画像の表示、テレビ放送信号の音声の音量の増大等によって報知する。なお、第1の購入支援部310は、CMメタデータの検索に用いたCM識別子235bを順序付けて、第1の購入支援部310内に記憶する(ステップS310a)。
【0166】
図20は、この際の表示部150の表示の一例を示す。この一例は、2つの番組本編の間に図9に示すCM識別子250aが「1」〜「5」のCMが連続して放送されるとし、「4」のCMの放送が開始された直後の表示である。表示部150の左上部には、テレビ放送表示150aが、左下部には、音量等制御表示150bがされている。なお、音量等制御表示150bは、テレビ放送の音声の音量の増大及び低下、受信するテレビ放送のチャンネル番号の下方向及び上方向の変化、更に、テレビ放送の録画を行うか及びその録画を停止するかを入力部160の所定のキー操作で指示可能であることが示されている。
【0167】
表示部150に右部には、第1の購入支援部310によってなされた、過去放送CM表示150c、放送中CMメタデータ表示150d、及び、リンクボタン表示150eが上から下へ表示されている。
【0168】
過去放送CM表示150cは、第1の購入支援部310内に順序付けて記憶されたCM識別子235bと、CM識別子250aとが等しいことを検索キーに、CMデータベース管理部240に指示してCMデータを検索させ、得られたCMデータに含まれるCM名称250bが第1の購入支援部310によって表示される。この表示は、過去に放送されたCMのCM名称250bを示す。なお、順序付けて記憶されたCM識別子235bが多数である場合、得られたCM名称250bの一部が表示され、表示される部分は、入力部160の所定の操作によってスクロールされる。又は、最近に第1の購入支援部310内に記憶された所定個数のCM識別子235bに係るCM名称250bが表示される。
【0169】
図20に例示した過去放送CM表示150cは、図9に示すCMデータで、CM識別子250aが「1」〜「3」であるCMが過去に放送された場合の表示である。なお、放送受信部210が再生しているテレビ放送信号は、放送記憶部213に記憶された信号である場合、過去放送CM表示150cは、将来の再生されるCMを含む、連続して放送されるCM(この例では、CM識別子250aが「1」〜「5」のCM。)に係るCM名称250bが表示されるとしても良い。
【0170】
放送中CMメタデータ表示150dは、放送中のCMに係るCMメタデータの表示であって、対応付けられたCMデータ中のクーポン情報250mの表示が付加されている。クーポン情報250mの表示は、CMを視聴する意識付けに効果がある。図20に例示した放送中CMメタデータ表示150dは、CM識別子250a及びCM識別子250fが「4」であるCMが放送中の際の、図9に示すそのCMに係るCM名称250bと、図10に示すそのCMに係るCMメタデータの表示である。即ち、そのCMに係る物品紹介情報250iが列挙されている。列挙された物品紹介情報250iの中の1つは、入力部160の所定のキー操作によって選択される。
【0171】
なお、制御部110内に記憶された移動通信装置MSの使用者の年齢、性別などのプロファイル、並びに、第1の購入支援部310内に記憶されたその使用者の好む趣味等、及び、その使用者の嫌う趣味等と、そのCMに係る販売対象250hとを参照することにより、第1の購入支援部310は、その使用者は物品紹介情報250iに興味を持つか否かを判断し、その判断に応じて表示が必要か否かを判断する。なお、上記使用者の好む趣味等は、入力部160のキー操作によって入力される他、リンクボタン表示150e中のボタンが選択された場合、選択された物品紹介情報250iの解析結果から得られる。
【0172】
そして、第1の購入支援部310は、表示が不要と判断された物品紹介情報250iは表示させない。又は、輝度を下げて表示させる。なお、このCMが放送された回数を記憶し、その回数が所定の回数未満である場合、全ての物品紹介情報250iの表示が必要と判断しても良い。興味を持つか否かに拘らず、所定回数の表示による情報の報知は有用と判断されるからである。
【0173】
なお、CMの全ての物品紹介情報250iの表示が不要と判断された場合、第1の購入支援部310は、表示部150の全表示の輝度を下げて表示させても良く、また、テレビ放送信号の音声の音量の低下をさせても良い。また、CMの全ての物品紹介情報250iの表示が不要と判断され、かつ、放送受信部210が再生しているテレビ放送信号は、放送記憶部213に記憶された信号である、又は、CM再視聴部260から送信された信号である場合、第1の購入支援部310は、制御部110に要求して、そのCMの再生を早送り再生や、スキップさせても良い。
【0174】
ここで、装置の使用者は、大人の男性であり、趣味は音楽であるとし、図20には、「衣装」なる物品紹介情報250iは表示されていない。なお、販売対象250hに情報が記憶されていない場合(図10では、「−」で示す。)、第1の購入支援部310は、表示が不要と判断しても、必要と判断しても良い。図20は、必要と判断した例であり、また、放送中CMメタデータ表示150dで、表示された物品紹介情報250iに対して販売URL250jが記憶されていることをハッチングにより示す。
【0175】
リンクボタン表示150eは、選択された物品紹介情報250iに対する入力部160の所定のキー操作による指示を示し、「購入サイト」、「CMメモ」、「いろいろリンク」、及び「情報を転送」の4つボタンの表示からなる。
【0176】
図19を参照した第1の購入支援部310の動作説明に戻る。第1の購入支援部310は、購入品情報記憶部320に購入品情報を記憶させる(ステップS310b)。即ち、放送中CMメタデータ表示150dに含まれる物品紹介情報250iに対応する物品識別情報250gがCMメタデータに記憶されている場合、購入品情報を記憶させる。
【0177】
ここで、記憶とは、新規記憶の場合と更新記憶の場合とがある。その物品識別情報250gと等しい物品識別情報320bを含む購入品情報が記憶されていない場合、第1の購入支援部310は、購入フラグ320aに「OFF」を、物品識別情報320bに物品識別情報250gを、そして、視聴回数・場所320cに、視聴した場所での視聴回数として「1」を設定した購入品情報を新規記憶させる。視聴した場所が自宅か、鉄道乗車中かは、第1の測位部及び/又は第2の測位部を動作させて判断する。この視聴回数・場所320cに記憶させる処理は、CMメタデータのクーポン情報250mが示すクーポンを用いるための処理である。
【0178】
一方、その物品識別情報250gと等しい物品識別情報320bを含む購入品情報が記憶されている場合、第1の購入支援部310は、関連付けられた視聴回数・場所320cを更新記憶する。即ち、視聴した場所が自宅か、鉄道乗車中かを第1の測位部及び/又は第2の測位部を動作させて判断し、視聴した場所での視聴回数に1を加えて、更新記憶させる。
【0179】
続いて、第1の購入支援部310は、入力部160からのキー操作を判断する(ステップS310c)。キー操作がリンクボタン表示150e中の「購入サイト」を選択する操作である場合、即時の購買支援を行う(ステップS310d)。即ち、選択された物品紹介情報250iに係る販売URL250jが示す販売サーバ装置SV−2へアクセスし、ステップS310cのキー操作を判断する動作に移る。このキー操作は、その販売URL250jが記憶されている場合に可能である。
【0180】
また、既に述べたように、このアクセスにより、選択された物品紹介情報250iに係る物品識別情報250gで識別される物品の購入が可能である。なお、このアクセスに際し、第1の購入支援部310は、販売サーバ装置SV−2からの要求に応じて、その物品識別情報250gと等しい物品識別情報320bと関連付けられた視聴回数・場所320cを送信する。また、購入処理完了に伴い、販売サーバ装置SV−2から視聴回数・場所が送信された場合、その視聴回数・場所を視聴回数・場所320cに更新記憶させる。この更新は、購入に伴い、ポイントを用いたことに対応する。
【0181】
なお、この購入処理の完了に伴い、第1の購入支援部310は、その物品識別情報320bを含む購入品情報を削除しても良い。なぜなら、購入完了に伴い、購入の興味は失われたからである。また、入力部160の操作に基づいて削除しても良い。
【0182】
なお、このアクセスに際し(以後に説明する他のURLへのアクセスの際を含む。)、第1の購入支援部310は、表示部150の表示画面の任意の部分を用いる。例えば、放送中CMメタデータ表示150dの部分を用い、また、テレビ放送表示150aを表示させず、全表示画面を用いても良い。
【0183】
キー操作がリンクボタン表示150e中の「CMメモ」を選択する操作である場合、第1の購入支援部310は、遅延購買支援を行う(ステップS310e)。即ち、選択された物品紹介情報250iに係る物品識別情報250gと等しい物品識別情報320bと関連付けられた購入フラグ320aを「ON」に更新記憶させて、ステップS310cのキー操作を判断する動作に移る。
【0184】
キー操作がリンクボタン表示150e中の「いろいろリンク」を選択する操作である場合、第1の購入支援部310は、選択された物品紹介情報250iに係る参考URL250kに情報が記憶されている場合、そのURLへアクセスし、記憶されていない場合、選択された物品紹介情報250iを検索キーに検索用のサーバ装置(図示せず)へアクセスし、このアクセスによって得られたサイトへアクセスする(ステップS310f)。そして、ステップS310cのキー操作を判断する動作に移る。
【0185】
キー操作がリンクボタン表示150e中の「情報を転送」を選択する操作である場合、第1の購入支援部310は、放送中のCMに係るCMメタデータ、又は、選択された物品紹介情報250iに係るCMメタデータを所定の装置に転送する(ステップS310g)。例えば、電子メール送受信部(図示せず)に要求して、所定の電子メールアドレス宛てに送信させる。また、インターネットINを介して接続された所定の情報記憶用サーバ装置(図示せず)に記憶させる。そして、ステップS310cのキー操作を判断する動作に移る。
【0186】
なお、キー操作が過去放送CM表示150cの1つの表示を選択する操作である場合、第1の購入支援部310は、その選択されたCMのCMメタデータを放送中CMメタデータ表示150dに表示させる(図示せず)。また、放送中CMメタデータ表示150d中の1つの表示を選択する操作である場合、その1つの表示を選択する(図示せず)。一方、キー操作が音量等制御表示150bに係る操作である場合、この操作は、制御部110によって、放送受信部210に送られる。
【0187】
第1の購入支援部310は、放送中CMメタデータ表示150dに係るCMの放送が終了した場合、購入支援の動作を終了する(図示せず)。従って、過去放送CM表示150c、放送中CMメタデータ表示150d、及びリンクボタン表示150eの表示を終了し、表示部150の全表示画面は、放送受信部210によって、テレビ放送表示150a及び音量等制御表示150bに用いられる。しかし、これに限るものではなく、例えば、URLへのアクセス中は、そのアクセス終了に至るまで、動作を続けても良い。
【0188】
以上の説明は、表示部150と、入力部160とが別に設置されているとしたが、これに限るものではない。入力部160はタッチパッドであって、タッチパネルとして表示部150と一体に設置されている場合、表示部150の表示画面の各表示が行われている部分に指や、タッチパネルで触れることによってキー操作と同様の入力がされる。
【0189】
以上の説明で、第1の購入支援部310は、ステップS310bで、放送中CMメタデータ表示150dに含まれる物品紹介情報250iに対応する物品識別情報250gがCMメタデータに記憶されている場合、入力部160のキー操作に拘らず、言い換えると、移動通信装置MSの使用者が放送中CMメタデータ表示150dを視認したか否かに拘らず、購入品情報を新規記憶又は更新記憶するとした。これは、その使用者がCMに注目していたか否かに拘らず、視聴回数に応じたクーポンを付す方式に対応したものであるが、この方式に限るものではない。
【0190】
例えば、購入フラグ320aが「ON」である購入品情報を更新記憶するとしても良い。これは、移動通信装置MSの使用者が、一旦その物品識別情報250gに興味があることを入力部160のキー操作によって、意識的に入力した後の視聴回数に応じたクーポンを付す方式に対応している。また、入力部160のキー操作によってCMを視聴した旨を示す入力が行われた場合、購入品情報を新規記憶又は更新記憶するとしても良い。これは、移動通信装置MSの使用者が放送中CMメタデータ表示150dを注目して視聴した回数に応じたクーポンを付す方式に対応している。
【0191】
図21に示すフローチャートを参照して、第2の購入支援部330が過去に放送されたCMに係る物品の購入を支援する動作の詳細を説明する。第2の購入支援部330は、移動通信網送受信部130によってフェムト基地局BS−2が選択された場合、購入支援の動作を開始する。
【0192】
そして、第2の購入支援部330は、そのフェムト基地局BS−2から、そのフェムト基地局BS−2が設置された店舗を識別する情報を受信し、その情報と、「ON」なる購入フラグ320aと関連付けられた物品識別情報320b(購入希望の物品を表す。)との対を販売店管理サーバ装置SV−3に送信し、その店舗で、購入希望の物品を販売しているか否かを検索させる(ステップS330a)。なお、上記物品識別情報320bの個数は、0以上の自然数であるが、0である場合、直ちに購入支援の動作を終了する(図示せず)。
【0193】
第2の購入支援部330は、上記検索結果によって販売しているか否かを判断し(ステップS330b)、いずれの購入希望の物品も販売していない場合、購入支援の動作を終了する。購入希望の物品の1つでも販売している場合、販売している物品があることを報知する(ステップS330c)。報知の方法は問わないが、例えば、例えば、上記物品識別情報320bと等しい物品識別情報250gに対する物品紹介情報250iの表示を含む、表示部150への表示、着信報知用のバイブレータの振動、着信報知用の第2のスピーカからの音声の発生等による。ここで、上記店舗を示す情報を表示部150に表示させても良い。
【0194】
移動通信装置MSの使用者が上記店舗で購入希望の物品を購入する際、第2の購入支援部330は、店舗のレジスタ(図示せず)と接続されたリーダライタ装置RWから送信された購入品を要求する信号に応じて、上記物品識別情報320bを送信させることにより、NFC通信部170を介して購入品を通知する。
【0195】
更に、リーダライタ装置RWから送信された、購入された物品の物品識別情報320bと関連付けて記憶されたクーポン情報を要求する信号がNFC通信部170によって受信されることがある。この要求に対し、第2の購入支援部330は、その物品識別情報320bと対をなす視聴回数・場所320cを、NFC通信部170を介してリーダライタ装置RWに向けて送信させる(ステップS330d)。
【0196】
なお、上記物品識別情報320b及び/又は視聴回数・場所320cの送信は、NFC通信部170を介すると限るものではない。例えば、第2の購入支援部330は、物品識別情報320b及び/又は視聴回数・場所320cをQRコード(登録商標)などの二次元コードとして表示部150に表示させ、レジスタと接続された二次元コード読み取り部(図示せず)によって読み取られるとしても良い。
【0197】
ここで、上記物品識別情報320bと対をなす購入フラグ320aは、「ON」であるが、「OFF」であっても支障はない。「OFF」である場合、CM視聴時には購入を希望しなかった物品の購入に対して視聴回数・場所320cによるクーポンを有効に使用したことになる。また、対価の支払いは、電子マネー又はクレジットカードによって行われ、NFC通信部170を介した通信によって決済されても良い。
【0198】
購入に伴い、第2の購入支援部330は、購入品情報を更新して(ステップS330e)、購入支援の動作を終了する。即ち、先ず、視聴回数・場所320cによるクーポンの使用に伴い、ステップS330dの視聴回数・場所320cの送信と共に、NFC通信部170によって受信されたリーダライタ装置RWからの指示に従い、その視聴回数・場所320cを更新する。この更新は、1回の購入毎に視聴回数・場所320cによるクーポンが減る方式の場合に行われる。指示が受信されない場合、視聴回数・場所320cを更新しない。
【0199】
次に、第2の購入支援部330は、上記物品識別情報320bと対をなす購入フラグ320aを「OFF」に更新する。希望した購入が行われたからであるが、必ずしもこれに限らない。入力部160のキー操作に依存して更新し、また、更新しなくとも良い。更に、上記物品識別情報320bを含む購入品情報を削除しても良い。希望した購入が行われたからである。
【0200】
以上の説明で、第2の購入支援部330は、フェムト基地局BS−2が選択された場合、購入支援の動作を開始するとしたが、これに限るものではない。入力部160のキー操作によって店舗を識別する情報が入力された場合、動作を開始しても良い。また、移動通信装置MSがブルートゥース(登録商標、Bluetooth)方式の通信部(図示せず)を有し、その通信部が店舗を識別する情報を受信した場合、動作を開始しても良い。
【0201】
また、第2の購入支援部330は、放送受信部210が店舗独自のテレビ放送を受信した場合、動作を開始しても良い。更には、移動通信装置MSがQRコード(R)などの二次元コード読み取り部を有し、その読み取り部が、例えば店舗の店頭に貼付された二次元コードを読み取ることによって店舗を識別する情報が得られた場合、動作を開始しても良い。
【0202】
以上の説明で、第2の購入支援部330、移動通信装置MSが店舗内又は店舗周辺にある場合に動作するとしたが、これに限るものではない。入力部160のキー操作に従って、販売サーバ装置SV−2へのアクセスによって動作しても良い。この動作は、第1の購入支援部310の動作に準じ、NFC通信部170による通信に代えて、移動通信網送受信部130による通信が行われる。また、入力部160のキー操作に従って、購入品情報を表示部150に表示し、更新し、また、削除するとしても良い。なお、視聴回数・場所320cは、入力部160のキー操作に従って更新することはない。
【0203】
既に説明したように、移動通信装置MSのCMデータベース部250に記憶されるCMデータと、CMメタデータとは、CM管理サーバ装置SV−1のCMデータベース部550に記憶されたデータが転送されたものである。そこで、次に、CM管理サーバ装置SV−1がCMデータベース部550にCMデータと、CMメタデータとを記憶させる処理の詳細を説明する。
【0204】
図22に示すフローチャートを参照して、遅延型CM検出部533が放送された信号がCMであるか否かを検出する動作の詳細を説明する。遅延型CM検出部533は、トリガ検出部232によってトリガ時刻が送信された場合、動作を開始し、その時刻の略15秒後にトリガ検出部232によってトリガ時刻が送信されるか否かを判定する(ステップS533a)。トリガ時刻が送信された場合、動作開始の契機となったトリガ時刻と、CM時間長として15秒とをCMデータ登録部534へ送信し(ステップS533b)、動作を終了する。
【0205】
ステップS533aでトリガ時刻が送信されなかった場合、遅延型CM検出部533は、動作を開始する契機となったトリガ時刻の略30秒後にトリガ検出部232によってトリガ時刻が送信されるか否かを判定する(ステップS533c)。トリガ時刻が送信された場合、既に説明したように、CMデータ登録部534へ情報を送信し(ステップS533b)、動作を終了する。ここで、CMデータ登録部534へ送信するCM時間長は30秒である。
【0206】
ステップS533cでトリガ時刻が送信されなかった場合、遅延型CM検出部533は、同様に、動作を開始する契機となったトリガ時刻の略45秒後にトリガ検出部232によってトリガ時刻が送信されるか否かを判定し(ステップS533d)、更には、60秒後にトリガ時刻が送信されるか否かを判定し(ステップS533e)、それぞれ送信された場合、CMデータ登録部534へ情報を送信し(ステップS533b)、動作を終了する。ここで、CMデータ登録部534へ送信するCM時間長は、それぞれ45秒、60秒である。ステップS533eでトリガ時刻が送信されなかった場合、遅延型CM検出部533は、動作を終了する。
【0207】
図23に示すフローチャートを参照して、CMデータ登録部534がCMデータをCMデータベース部550に記憶させる動作の詳細を説明する。CMデータ登録部534は、CM特徴量算出部233からの送信により動作を開始し、CM特徴量算出部233から送信されたCM特徴量と、トリガ時刻とを受信し、関連付けてCMデータ登録部534内に記憶する(ステップS534a)。
【0208】
そして、CMデータ登録部534は、遅延型CM検出部533によってCM時間長と、トリガ時刻とが送信された場合、それらを受信して、そのトリガ時刻と等しいトリガ時刻と関連付けられてCMデータ登録部534内に記憶されたCM特徴量とのリンクを取り、CMデータ(仮)として記憶する(ステップS534b)。なお、ステップS534aのCM特徴量算出部233からの送信と、ステップS534bの遅延型CM検出部533からの送信とは、任意の順で繰り返されるが、以後の説明では、繰り返しの詳細を省略して、簡明な説明とする。
【0209】
即ち、CMデータ登録部534は、CM特徴量算出部233から送信されたCM特徴量をCM特徴量250cに、遅延型CM検出部533によって送信されたCM時間長をCM時間長250eに、CM特徴量算出部233から送信されたトリガ時刻からそのCM時間長のテレビ放送信号をテレビ放送信号一時記憶部532から読み出してCMテレビ放送信号250dに設定したCMデータ(仮)を、CMデータ登録部534内のバッファに、上記トリガ時刻をソートキーにソートして一時記憶する。
【0210】
CMデータ登録部534は、トリガ時刻が現在時刻より1分〜数分以上古いCMデータ(仮)を対象に、又は、1分〜数分の長さの時間に含まれる時刻のトリガ時刻を含むCMデータ(仮)がバッファに記憶されていない場合、その時間に含まれる時刻より前のトリガ時刻を含むCMデータ(仮)を対象に、トリガ時刻と、CM時間長250eとを参照して、CMの確度を設定する(ステップS534c)。ここで、この1分〜数分とは、CMが連続して放送されたか否かを判断するために充分な長さとして決定される値である。
【0211】
CMの確度は、多数のCMと共に時間的に連続して放送されたCMに対して大きい値を、少数のCMと共に連続して放送されたCMに対して小さい値とする。特に、1つのCMが単体で放送された場合、そのCMに対しては特に小さい値とする。なぜなら、CMは、連続して放送される場合が多いからであり、単体で放送されたCMは、遅延型CM検出部533によって誤ってCMとされた可能性が大きいからである。
【0212】
更に、遅延型CM検出部533によるCMの検出の際、CMの途中にトリガ時刻が受信された、即ち、無音区間がある旨が遅延型CM検出部533から送信された場合、そのCMの確度は、途中にトリガ時刻が受信されない場合に比較して小とする。なぜなら、途中に無音区間があるCMは少数だからである。そして、CMデータ登録部534は、特にCMの確度が小さいCMデータ(仮)をバッファから削除する。例えば、単体で放送されたCMに係るCMデータ(仮)であり、また、CM時間長250eが15秒であるCMが2つ連続して放送されたCMに係るCMデータ(仮)である。
【0213】
CMデータ登録部534は、CMデータベース管理部540に指示して、バッファから削除されなかったCMデータ(仮)をCMデータとしてCMデータベース部550に記憶させて(ステップS534d)、バッファから削除する。なお、この記憶をさせる際、CM識別子250a及びCM名称250bに適宜CMデータを一意に識別可能な値を設定して、CMデータ(仮)に追加する。
【0214】
なお、CMデータ登録部534は、CMの確度が小さいCMデータ(仮)をCMデータベース部550に記憶させず、バッファに記憶させ続けても良い。そして、そのCMデータ(仮)がCM特徴量算出部233からの送信と、遅延型CM検出部533からの送信によって再度得られた場合、そのCMデータ(仮)のCMの確度を増加させても良い。そして、CMの確度の1回又は複数回の増加の結果、そのCMデータ(仮)をCMデータベース部550に記憶させる。CMデータ登録部534は、CM特徴量算出部233からの送信と、遅延型CM検出部533からの送信を常に受信し、以上の動作を繰り返し続ける。
【0215】
CMデータベース管理部540の動作の詳細を説明する。CMデータベース管理部540は、CMデータベース部550に記憶されたデータを管理する。CMデータベース管理部540は、CMデータ(仮)をCMデータベース部550に記憶させる要求を受信すると、そのCMデータ(仮)をCMデータとしてCMデータベース部550に記憶させる。
【0216】
なお、CMデータ(仮)のCM特徴量250cが既にCMデータのCM特徴量250cとして、かつ、CMデータ(仮)のCM時間長250eが既にCMデータのCM時間長250eとしてCMデータベース部550に記憶されている場合、CMデータベース管理部540は、CMデータ(仮)をCMデータベース部550に記憶させない。二重記憶を避けるためである。なお、記憶されているか否かを調べる際、CMデータ(仮)のCM特徴量250cと、CMデータのCM特徴量250cとの間の距離によって判断することは、CMデータベース管理部240の動作説明で述べた通りである。
【0217】
CMデータベース管理部540は、外部記憶媒体接続部560に接続された記憶媒体に記憶されたCMデータ(仮)をCMデータとしてCMデータベース部550に記憶させる要求が入力部450の所定のキー操作によってなされた場合、そのCMデータ(仮)をCMデータとしてCMデータベース部550に記憶させる。
【0218】
また、CMデータベース管理部540は、CMデータベース部550に記憶されたCMデータの修正(削除を含む。)が入力部450のキー操作によってされた場合、そのCMデータを更新記憶させる。これは、CMデータ登録部534によるCMデータ(仮)の誤りの訂正を目的とするものである。また、CMメタデータの一部、又は、全部が入力部450のキー操作によって入力、又は、修正(削除を含む。)された場合、そのCMメタデータをCMデータベース部550に追加記憶、又は、更新記憶させる。この際、CMデータを表示部440に表示させても良い。また、CMテレビ放送信号250dを放送受信部510の再生部215に再生させても良い。
【0219】
また、CMデータベース管理部540は、外部記憶媒体接続部560に接続された記憶媒体に記憶されたCMデータ及び/又はCMメタデータをCMデータベース部550に記憶させる要求が入力部450の所定のキー操作によってなされた場合、そのCMデータ及び/又はCMメタデータをCMデータベース部550に記憶させる。ここで、あるCMに対して、CMデータのCM識別子250aと、CMメタデータのCM識別子250fとは、同じ情報が記憶されているとする。
【0220】
外部記憶媒体接続部560に接続された記憶媒体に記憶された、これらのCMデータ及びCMメタデータは、例えば、CMの内容及びCMの放送回数と、そのCMで購入を促した物品の販売実績等との関係を調査するマーケッティングに係る情報の一環として、専門の事業者によって作成されたものである。また、CMメタデータは、CM放送のスポンサーや、広告代理店によってCM放送の効果を高めるために作成されることもある。
【0221】
そこで、これらのデータは、充分な信頼性を有している。例えば、30秒のCMの丁度中間の冒頭から15秒の部分に無音区間がある場合、そのCMは、CMデータ登録部534によって作成されたCMデータ(仮)従うと2つのCMとみなされることがあるが、記憶媒体に記憶されたデータは、このような誤りの存在は無視し得る。なお、これらのデータは、記憶媒体を介して入力されると限るものではない。例えば、インターネットINを介して受信されるとしても良い。
【0222】
以上のCMデータベース管理部540の処理の結果、CMデータベース部550に記憶されたCMデータは、CMデータ登録部534によって作成されたデータ、及び/又は、外部記憶媒体接続部560に接続された記憶媒体に記憶されたデータである。また、CMメタデータは、入力部160のキー操作によって入力されたデータ、及び/又は、外部記憶媒体接続部560に接続された記憶媒体に記憶されたデータである。なお、あるCMに対し、CMデータ及びCMメタデータの両方が記憶されていると限るものではなく、一方が記憶されていることもある。
【0223】
また、CMデータベース管理部540は、CMデータベース部550に記憶されたCMデータ及び/又はCMメタデータの中で、CMデータベース部550に記憶された日時が古いもの、また、外部記憶媒体接続部560に接続された記憶媒体に削除の指示が記憶されたものを削除する。これは、将来放送される可能性が低いものを削除することを意味する。
【0224】
CMデータベース管理部540は、CMデータベース部550に記憶されたCMデータ及び/又はCMメタデータの送信要求を移動通信装置MSから受信すると、それらのデータを送信する。なお、所定の条件を付した送信要求に対しては、その条件を満たすCMデータ及び/又はCMメタデータを送信する。
【0225】
例えば、CMデータ及びCMメタデータには、CM識別子250a毎に、又は、CM識別子250f毎に、変更、追加、削除のいずれかが行われた日時からなる変更履歴(図示せず)を併せて記憶させる。そして、日時が指定され、その日時以降に記憶内容に変化があったCMデータ及びCMメタデータの送信が要求されると、CMデータベース管理部540は、変更履歴の日時を参照して、要求されたデータを送信する。ここで、データには、その日時以降に、変更、追加、削除のいずれが行われたかを付して送信する。
【0226】
また、CMデータ及びCMメタデータには、CM識別子250a毎に、又は、CM識別子250f毎に、そのCMが放送される、又は、された地域(図示せず)を併せて記憶させる。そして、場所を識別する情報、例えば、緯度及び経度が指定され、その場所で放送される、又は、されたCMのCMデータ及びCMメタデータの送信が要求されると、CMデータベース管理部540は、その場所が上記地域に含まれるCMデータ及びCMメタデータを送信する。
【0227】
(第1の変形例)
以上の説明では、CM特徴量算出部233は、第一のCM特徴量と、第二のCM特徴量とを算出するとしたが、第一のCM特徴量を算出し、第二のCM特徴量を算出しないとしても良い。この場合、当然に、CM判定部234は、図18のフローチャートに示すステップS234d〜ステップS234gまでの動作を行わない。また、CMデータ登録部534は、CM特徴量250cに第二のCM特徴量を含ませない。
【0228】
この処理によって、例えば、冒頭が同じで、CM時間長250eが異なるCMを区別して検出することができないが、CM特徴量算出部233の動作と、CM判定部234の動作とは、短時間で終了し、大幅な処理の削減となる。
【0229】
(第2の変形例)
以上の説明で、CM検出部230は、放送局から送信されるテレビ放送信号に従って、又は、放送受信部210の放送記憶部213に記憶されたテレビ放送信号に従って、CMを検出するとしたが、これに限るものではない。タイムシフト再生中のテレビ放送信号に従って検出しても良い。
【0230】
タイムシフト再生の目的の一例は、トリガ時刻からCM判定部234によってCMであると判定されるまでの時間を、見かけ上、なくすことである。即ち、放送受信部210は、受信されたテレビ放送信号を遅延なしにCM検出部230に送りつつ、その時間分のタイムシフト再生を行う。そして、CM判定部234によってCMであると判定された際に、第1の購入支援部310は、CMメタデータを表示部150に表示させることによって、視聴者にとって、その時間はない。
【0231】
タイムシフト再生においては、録画されたテレビ放送信号の再生とは異なり、放送された内容が繰り返し再生されることがないため、購入品情報記憶部320に記憶された視聴回数・場所320cの第1の購入支援部310による更新に何ら支障は生じない。
【0232】
タイムシフト再生の目的の別の例は、移動通信装置MSが備える放送受信部210に特有なものであって、放送受信部210がテレビ放送を受信して、映像や音声を出力している際に通話が開始され、通話中はテレビ放送信号が放送記憶部213に記憶され、映像や音声の出力が停止されて、通話が終了した後にタイムシフト再生が行われる。
【0233】
なお、タイムシフト再生ではない、録画された、即ち、放送記憶部213に記憶された放送の再生の際、本発明の適用が可能であるが、1回放送されたCMを複数回再生することがあるため、録画された放送の再生の際、購入品情報記憶部320に記憶された視聴回数・場所320cの第1の購入支援部310による更新は、録画された放送の視聴回数を別個に記憶することとして、更新する。
【0234】
なお、上記更新方法以外にも、以下の更新方法でも良い。第1に、更新されないとする。第2に、録画されていないテレビ放送を視聴した場合と同じく更新する。これらのいずれを選択するかは、クーポン情報250mに依存して決定される。
【0235】
(第3の変形例)
この実施形態で、放送受信部210は、デジタルテレビ放送を受信するとしたが、これに限るものではない。アナログテレビ放送を受信するとしても良い。この場合、放送受信部210は、デコーダ部212に代えて復調部(図示せず)を、再生部215に代えて映像音声出力制御部(図示せず)を有する。そして、復調部による復調によって得られたアナログ信号であるテレビ放送信号がCM検出部230へ送られる。
【0236】
この変形例で、CM検出部230は、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部(図示せず)を有する。そして、放送受信部210から送られたアナログ信号であるテレビ放送信号は、AD変換部によってデジタル信号であるテレビ放送信号に変換された上、CM検出部230内の各部に供給される。アナログテレビ放送信号には、雑音が加わるなどにより、無音か有音かの判断の際の無音閾値は、デジタルテレビ放送信号を用いる場合と異なる値が必要である。また、信号の特徴量が等しいか否かの判断に用いられる特徴量の差の閾値にも、異なる値が必要である。
【0237】
また、CM検出部230は、コネクタ(図示せず)を有し、移動通信装置MS外のチューナ(図示せず)によって受信されたアナログ信号であるテレビ放送信号をそのコネクタを介して受信しても良い。この場合、その受信された信号をAD変換部によってデジタル信号であるテレビ放送信号に変換の上、CM検出部230内の各部に提供する。上記チューナがデジタルテレビ放送を受信する場合、CM検出部230が受信するテレビ放送信号がアナログ信号であるにしても、その信号に含まれる雑音は、放送受信部210がアナログテレビ放送を受信する場合に含まれる雑音より小さいく、本発明の適用に適する。
【0238】
(第4の変形例)
以上の説明で、CMデータは、CM管理サーバ装置SV−1で作成、記憶され、移動通信装置MSに転送されるとしたが、これに限るものではない。移動通信装置MSのCM検出部230を、CM管理サーバ装置SV−1のCM検出部530のように、遅延型CM検出部533、CMデータ登録部534、及びテレビ放送信号一時記憶部532が設けられた構成とすれば、移動通信装置MSでCMデータを作成することができる。これによって、データの転送量の削減が可能である。特に、CMテレビ放送信号250dは、大きな記憶容量なので、移動通信装置MSで作成することによる効果は大きい。
【0239】
なお、この場合、CM名称250bは、記憶されない、又は、移動通信装置MSの使用者によって決定された情報が記憶される。CM識別子250aは、移動通信装置MS内でCMを識別可能な情報が記憶されるが、CM管理サーバ装置SV−1から送信されるCMメタデータのCM識別子250fと同じ情報となる保証がない。そこで、移動通信装置MSに備えられたCMデータ登録部534は、仮のCM識別子250aを、CMが放送された日時及び放送局を識別する情報とする。そして、移動通信装置MSのCMデータベース管理部240は、仮のCM識別子250aを付して、CM識別子250aと、CM名称250bと、CMメタデータとの転送をCM管理サーバ装置SV−1に要求すれば良い。
【0240】
この場合、CM管理サーバ装置SV−1のCMデータには、そのCMが放送された、又は、放送される日時及び放送局を識別する情報が併せて記憶されるとする。そして、CM管理サーバ装置SV−1のCMデータベース管理部540は、上記仮のCM識別子250aを検索キーに、CMデータを検索すれば良い。
【0241】
又は、移動通信装置MSのCMデータベース管理部240は、CM特徴量250cを付してCM識別子250aと、CM名称250bと、CMメタデータとの転送をCM管理サーバ装置SV−1に要求しても良い。この場合、CM管理サーバ装置SV−1のCMデータベース管理部540は、CM特徴量250cを検索キーに、CMデータを検索するとすれば良い。CM特徴量250cは、必ずしもCMを一意に識別可能ではないが、実用上、充分に識別可能である。
【0242】
なお、移動通信装置MSのCM検出部230がCMデータを作成、記憶させた際、そのCMデータに係るCMメタデータが既に移動通信装置MSのCMデータベース部250に記憶されている場合、CM検出部230は、CMデータベース部250に記憶されたデータ内で、上述したように、CMデータと、CMメタデータとの対応付けを行う。
【0243】
(第5の変形例)
以上の説明は、移動通信装置MSがテレビ放送を受信し、CMが放送されたことを検出すると、購入支援を行うとしたが、これに限るものではない。本発明は、ワンセグであるか、フルセグであるか、更にはデジタル方式であるか、アナログ方式であるかを問わず、テレビ放送を受信し、インターネットINに接続される全ての装置、例えば、固定式のテレビ受信装置、携帯式のテレビ受信装置、パソコンなどに当然に適用が可能である。
【0244】
なお、固定式の装置にあっては、第2の購入支援部330を備えない。一方、第1の購入支援部310は、購入品情報を、第2の購入支援部330を備えた移動式の装置、例えば、移動通信装置へ転送し、その移動式の装置は、購入品情報を記憶し、第2の購入支援部330による購入支援を行うことができる。
【0245】
なお、上記固定式の装置と、上記移動式の装置との間は、インターネットINを介して接続されても良く、NFC方式、トランスファージェット(登録商標、TransferJet)等のUWB(Ultra Wide Band)方式、DLNA(登録商標、Digital Living Network Alliance)によって定められた方式、ブルートゥース(R)方式、無線LAN方式等の近距離無線通信方式によって接続されても良い。更には、IrDA(Infrared Data Association)方式等の赤外線通信によって、また、取り外し可能な記憶媒体を介して、また、所定の情報記憶用サーバ装置を介して情報が転送されても良い。
【0246】
(第6の変形例)
以上の説明で、テレビ放送信号に映像信号及び音声信号以外のCMに係る信号が含まれないとしたが、これに限るものではない。例えば、CMの放送開始の際、CMの放送開始を示す信号が含まれる場合、トリガ検出部232は、その信号の受信をトリガとし、CM判定部234は、その信号の受信の有無によってCMの放送であるか否か判定をする。
【0247】
更に、その際、そのCMを識別する情報、そのCMの名称、そのCMの放送時間長の少なくとも一部が含まれる場合、移動通信装置MSのCM検出部230は、それぞれをCM識別子250a、CM名称250b、CM時間長250eとするCMデータをCMデータベース部250に記憶させる。この処理により、CMデータをCM管理サーバ装置SV−1から転送する必要はない可能性がある。なお、CM特徴量250cは、CMを識別する情報がテレビ放送信号に含まれる場合、不要である。
【0248】
なお、テレビ放送信号にCMメタデータが含まれる場合、移動通信装置MSのCM検出部230は、そのCMメタデータをCMデータベース部250に記憶させる。この処理により、CMメタデータをCM管理サーバ装置SV−1から転送する必要はない。なお、テレビ放送を介してCMに係るデジタル信号を転送する速度は、インターネットINを介して転送する速度より遅い。そこで、テレビ放送を介して受信する際、CMの放送と同時であるか否かを問わない。放送の前であっても良く、後であっても良い。
【0249】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した変形例は、適宜組み合わせて実施しても良い。また、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0250】
MS 移動通信装置
SV−1 CM管理サーバ装置
SV−2 販売サーバ装置
SV−3 販売店管理サーバ装置
RW リーダライタ装置
IN インターネット
MN 移動通信網
BS 基地局
BS−2 フェムト基地局
LL 近距離無線通信回線
110、410 制御部
120 移動通信網通信部
130 移動通信網送受信部
150、440 表示部
150a テレビ放送表示
150b 音量等制御表示
150c 過去放送CM表示
150d 放送中CMメタデータ表示
150e リンクボタン表示
160、450 入力部
170 NFC通信部
210、510 放送受信部
211 チューナ部
212 デコーダ部
213 放送記憶部
214 放送信号変形部
215 再生部
220、520 スピーカ
230、530 CM検出部
231、531 CM検出制御部
232 トリガ検出部
233 CM特徴量算出部
234 CM判定部
235 CM属性記憶部
235a CMフラグ
235b、250a、250f CM識別子
235c、250e CM時間長
235d 残CM時間
235e CM開始日時
240、540 CMデータベース管理部
250、550 CMデータベース部
250b CM名称
250c CM特徴量
250d CMテレビ放送信号
250g、320b 物品識別情報
250h 販売対象
250i 物品紹介情報
250j 販売URL
250k 参考URL
250m クーポン情報
260 CM再視聴部
310 第1の購入支援部
320 購入品情報記憶部
320a 購入フラグ
320c 視聴回数・場所
330 第2の購入支援部
420 インターネット通信部
430 インターネット送受信部
532 テレビ放送信号一時記憶部
533 遅延型CM検出部
534 CMデータ登録部
560 外部記憶媒体接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送信号を受信して、その信号の映像信号を表示手段に表示させ、また、その信号の音声信号をスピーカから発生させるテレビ放送受信手段と、
前記テレビ放送受信手段によって受信されたテレビ放送信号中のコマーシャルメッセージの放送開始を検出するコマーシャルメッセージ検出手段と、
前記コマーシャルメッセージ検出手段によって放送開始が検出されたコマーシャルメッセージに係る物品の販売処理を行う装置のURLに対応するデータを前記表示手段に表示させ、その表示されたデータが入力手段によって選択された場合、前記URLによって識別される装置へアクセスする即時購入支援手段とを備える
ことを特徴とする移動通信装置。
【請求項2】
通信手段と、
購入品記憶手段と、
テレビ放送信号を受信して、その信号の映像信号を表示手段に表示させ、また、その信号の音声信号をスピーカから発生させるテレビ放送受信手段と、
前記テレビ放送受信手段によって受信されたテレビ放送信号中のコマーシャルメッセージの放送開始を検出するコマーシャルメッセージ検出手段と、
前記コマーシャルメッセージ検出手段によって放送開始が検出されたコマーシャルメッセージに係る物品に対応するデータを前記表示手段に表示させ、その表示されたデータが入力手段によって選択された場合、その選択されたデータに対応する物品の物品識別情報を前記購入品記憶手段に記憶させる遅延購入支援手段と、
前記通信手段によって店舗を識別する店舗識別情報が受信された場合、その店舗識別情報で識別される店舗で前記購入品記憶手段に記憶された物品識別情報で識別される物品が販売されているか否かを判断し、販売されていると判断された場合、報知する店舗報知手段とを備える
ことを特徴とする移動通信装置。
【請求項3】
コマーシャルメッセージ記憶手段を更に備え、
前記コマーシャルメッセージ検出手段は、前記テレビ放送受信手段によって受信されたテレビ放送信号を受信して、(a)そのテレビ放送信号から前記コマーシャルメッセージの開始を示すトリガを検出し、(b)前記トリガが検出された時刻から、コマーシャルメッセージの放送時間未満の時間に渡るテレビ放送信号からその信号の特徴量を算出し、(c)前記算出された特徴量が前記コマーシャルメッセージ記憶手段に記憶されている場合、コマーシャルメッセージの放送開始であると検出する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項4】
前記コマーシャルメッセージ検出手段は、前記テレビ放送受信手段によって受信されたテレビ放送信号にコマーシャルメッセージの放送開始を示す信号が含まれていた場合、コマーシャルメッセージの放送開始であると検出する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項5】
コマーシャルメッセージに係るデータを受信するデータ受信手段を更に備え、
前記コマーシャルメッセージに係るデータは、そのコマーシャルメッセージに係る物品の販売処理を行う装置のURL、又は、そのコマーシャルメッセージに係る物品の物品識別情報を含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項6】
コマーシャルメッセージに係るデータと、装置の使用者の属性とから、そのコマーシャルメッセージに係る物品に使用者が興味を持つか否かを判断する興味有無判断手段を更に備え、
前記コマーシャルメッセージに係るデータは、そのコマーシャルメッセージに係る物品の販売処理を行う装置のURLに対応するデータ、又は、そのコマーシャルメッセージに係る物品に対応するデータを含み、
前記即時購入支援手段又は前記遅延購入支援手段は、前記興味有無判断手段によってそのコマーシャルメッセージに係る物品に使用者が興味を持たないと判断された場合、前記コマーシャルメッセージに係る物品の販売処理を行う装置のURLに対応するデータ、又は、前記コマーシャルメッセージに係る物品に対応するデータを前記表示手段に表示させない
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項7】
コマーシャルメッセージに係るデータを受信するデータ受信手段を更に備え、
前記コマーシャルメッセージに係るデータは、そのコマーシャルメッセージに係るクーポン情報を含み、
前記即時購入支援手段又は前記遅延購入支援手段は、前記コマーシャルメッセージ検出手段によって放送開始が検出されたコマーシャルメッセージに係るクーポン情報を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項8】
視聴回数記憶手段と、
クーポン情報処理手段とを更に備え、
前記クーポン情報処理手段は、前記コマーシャルメッセージ検出手段によってコマーシャルメッセージの放送開始が検出された回数を前記視聴回数記憶手段に記憶させ、
前記即時購入支援手段は、前記URLによって識別される装置へアクセスする際、その装置に対して前記視聴回数記憶手段に記憶された回数を送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の移動通信装置。
【請求項9】
視聴回数記憶手段と、
クーポン情報処理手段と、
視聴回数送信手段とを更に備え、
前記クーポン情報処理手段は、前記コマーシャルメッセージ検出手段によってコマーシャルメッセージの放送開始が検出された回数を前記視聴回数記憶手段に記憶させ、
前記視聴回数送信手段は、前記店舗報知手段によって前記購入品記憶手段に記憶された物品識別情報で識別される物品が販売されていると判断された後、前記視聴回数記憶手段に記憶された回数を送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の移動通信装置。
【請求項10】
装置の位置を測位する測位手段を更に備え、
前記クーポン情報処理手段は、前記コマーシャルメッセージ検出手段によってコマーシャルメッセージの放送開始が検出された回数と、その放送開始の際に前記測位手段によって測位された装置の位置を示す情報とを前記視聴回数記憶手段に記憶させ、
前記即時購入支援手段又は前記視聴回数送信手段は、前記視聴回数記憶手段に記憶された回数と、装置の位置を示す情報とを送信する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の移動通信装置。
【請求項11】
前記物品の販売処理は、情報のダウンロードである
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項12】
前記通信手段は、移動通信網を介した通信を行い、フェムト基地局から送信された前記店舗識別情報を受信する
ことを特徴とする請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項13】
前記店舗報知手段は、前記店舗識別情報と、前記物品識別情報とを移動通信網を介して販売店管理サーバ装置へ送信して、その店舗識別情報で識別される店舗でその物品識別情報で識別される物品が販売されているか否かの判断をさせる
ことを特徴とする請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項14】
テレビ放送信号を受信して、その信号の映像信号を表示手段に表示させ、また、その信号の音声信号をスピーカから発生させ、
前記受信されたテレビ放送信号中のコマーシャルメッセージの放送開始を検出し、
前記放送開始が検出されたコマーシャルメッセージに係る物品の販売処理を行う装置のURLに対応するデータを前記表示手段に表示させ、その表示されたデータが入力手段によって選択された場合、前記URLによって識別される装置へアクセスする
ことを特徴とする購入支援方法。
【請求項15】
テレビ放送信号を受信して、その信号の映像信号を表示手段に表示させ、また、その信号の音声信号をスピーカから発生させ、
前記受信されたテレビ放送信号中のコマーシャルメッセージの放送開始を検出し、
前記放送開始が検出されたコマーシャルメッセージに係る物品に対応するデータを前記表示手段に表示させ、その表示されたデータが入力手段によって選択された場合、その選択されたデータに対応する物品の物品識別情報を記憶し、
通信手段によって店舗を識別する店舗識別情報が受信された場合、その店舗識別情報で識別される店舗で前記記憶された物品識別情報で識別される物品が販売されているか否かを判断し、販売されていると判断された場合、報知する
ことを特徴とする購入支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−71581(P2011−71581A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218555(P2009−218555)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】