説明

移送プラットフォームと運送手段との間で荷を移送するための装置及び方法

【課題】 荷移送プラットフォーム(2)と特に運送手段(1)との間で荷(16)を移送するための改良された装置を提供する。
【解決手段】 装置は、荷(16)が少なくとも1個の荷支持移送要素によって位置付けられる移送路(3)から構成されている。荷支持移送要素はこれに連結可能な駆動キャリッジ(5)によって移送路(3)に沿って軸線方向に移動可能である。キャリッジ(5)は駆動要素(7)に接続された伝動手段(6)によって前後方向に移動可能であり、移動の際には遂行される移送操作に応じて荷支持移送要素の押手段として機能すると共に荷支持移送要素の引張手段として機能する。装置は、少なくとも2個の荷支持移送要素を具備し、各荷支持移送要素はキャリッジに連結可能なサイド部材(4)形態であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷、特にコンテナ内に収納可能な荷を荷積及び/又は荷降のための移送プラットフォームと特に輸送手段との間で移送するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時においては、コンテナ内に収納された荷の輸送が展開されている。コンテナの内部にアクセスすることは困難であるので、コンテナ内への荷積はしばしば非常に長い段階を含んでいる。その結果、商業的輸送の最適化が阻害されている。同時に、利用できる空間を最適に利用してコンテナへの荷積或いはコンテナからの荷降を適切に遂行する満足し得る解決法は存在しない。
【0003】
米国特許2002/085904は、その図8に示されている如く、可動プラットフォームによって荷が位置付けられる移送路から構成された荷移送プラットフォームを開示している。このプラットフォームは移動されてトラックの荷台上に位置付けられる。かかる移動は番号42で示されたキャリッジによって実現される。この駆動キャリッジは、プラットフォーム(18)内に配置されたハウジング内にロック可能なアームによってプラットフォームに連結される。キャリッジは伝動手段によって前後方向に移動され、かかる移動の際にトレイ及びその上の荷の押手段として或いは引張手段として機能する。荷支持移送要素をトレイの形態で実現するといくつかの欠点を伴う。事実、トレイは、その大きな表面積に起因して、荷積すべき運送手段の台の付加的な案内要素と協働する案内要素を有することが必要である。これは、一方では運送手段に特殊な設備を必要とし、他方では利用可能な高さを低減させる。更に、トレイは、荷の最適化のために、コンテナの場合は12mに近い荷全体の長さに対応する長さを有さなければならない。その結果、トレイの価格レベルに許容できないコストを発生させ、また荷降されるまでトレイが運送手段内に残留することになる。
【0004】
米国特許3、169,652は、荷支持移送要素がフレキシブルソリから形成されている装置を開示している。この場合も、荷詰まりの発生を回避するために荷トレイにソリを移動するのを可能にする特殊特性を備えた荷表面が必要である。加えて、高せん断及び引張力を保持するためにソリのコストは高くなる。更に、ユニットの荷降を許容するためにはマット型のソリの一端に連結棒を連結することが要求される故に、荷降は単調で退屈である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、運送手段のコンテナ或いはその類似手段に荷積すべき荷を準備することを許容し、一時にコンテナ或いはその類似手段への迅速な荷積を可能にし、コンテナ或いはその類似手段に全ての荷を最適充填することを可能にする、荷移送装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、荷積すべき運送手段の荷受け表面に特殊な装備を必要とすることなく且つ経済的に実現可能なコストで、全ての荷を一時に移送することを可能にする荷支持移送要素を備えた荷移送装置を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、著しく短時間でコンテナへの荷積或いはコンテナからの荷降を可能にする装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明によれば、荷、特にコンテナ内に収納可能な荷を、荷積及び/又は荷降のための移送プラットフォームと特に運送手段との間で移送するための装置であって、該移送プラットフォームは荷、好ましくはコンテナ内に収納可能な荷が少なくとも1個の荷支持移送要素によって位置付けられる移送路から構成され、該荷支持移送要素はこれに連結可能な駆動キャリッジによって該移送路に沿って軸線方向に移動可能であり、該キャリッジは駆動要素に接続された伝動手段によって前後方向に移動可能であり、移動の際には遂行される移送操作に応じて該荷支持移送要素の押手段として機能すると共に該荷支持移送要素の引張手段として機能する装置において、少なくとも2個の荷支持移送要素を具備し、各荷支持移送要素は該キャリッジに連結可能なサイド部材形態であり、各サイド部材は好ましくは少なくとも移送すべき荷と同一の長さを有していて一時に移送を遂行して荷積を最適化することができる、ことを特徴とする装置が提供される。
【0009】
本発明の装置の移送プラットフォームの存在により、移送すべき全ての荷を同時に準備することができる。
【0010】
同時に、サイド部材の存在により、コンテナ内への荷積とコンテナ内からの荷降とを同様に遂行することができ、これらの移送操作は著しく短時間で完成することができる。更に、移送すべき荷を付随したサイド部材は荷積或いは荷降に使用した後に再使用することができる。このため、実現コストは許容できるものである。事実、サイド部材は、長い場合でも、簡潔であって低コストで製造することができる。サイド部材は、単一移動での移送を可能にすると共に、種々の荷の最適配置を可能にする。
【0011】
本発明によれば、更に、上述した形態の装置によって、荷、特にコンテナ内に収納可能な荷を、荷積及び/又は荷降のための移送プラットフォームと特に運送手段との間で移送する方法にして、例えば運送手段の荷台に荷積する場合、移送すべき荷の全長と少なくとも同長の少なくとも2個のサイド部材を装置の移送プラットフォーム上に位置させることと、該サイド部材上に荷を準備することと、荷を準備する前準備する間あるいは準備した後に装置の移送プラットフォームによって画定される移送路の高さを荷積するために移送プラットフォームの一端に位置付けられた運送手段の荷台の高さに調整することと、移送プラットフォーム上に位置付けられ荷及び該サイド部材を同時に駆動して運送手段の荷台上に搬入するキャリッジによって全ての荷を移送することとから成ることを特徴とする方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、添付図面を参照して好適実施形態について説明する以下の記載からより一層明確に理解されるであろう。
【0013】
上述した如く、本発明の対象である装置は、荷16の荷積及び荷降のために移送プラットフォーム2と特に運送手段1との間での荷の移送を可能にするように設計されている。運送手段は、トラック、船、鉄道或いはその他の運送手段でよい。図示の実施例においては、移送は荷積プラットフォーム2とコンテナが載置された荷台を有するトラック1との間で遂行され、荷16はコンテナに搬入され或いはコンテナから搬出される。本発明の装置の荷を移送するためのプラットフォーム2は、堅固な荷支持移送要素である、その上に荷16が載置される移送路3から構成されている。本発明で特徴的なことは、これらの荷支持移送要素がサイド部材4から構成されていることである。サイド部材を使用する様式は、その簡潔さ、コスト、一度に荷全体を移送できる可能性及び受け表面の取付が必要でない点で好適である。このように、移送サイド部材4は材料、木材或いは他の要素のブロックで構成される荷16と移送プラットフォーム2の上面との間に介在されている。図示の実施形態においては、移送サイド部材4は接着され積層されたビームから構成されている。それらの長さは、少なくとも移送すべき荷16の長さと同一であるのが好ましく、受け表面の全体をカバーするのが好適である。コンテナに荷積する場合、サイド部材の長さは少なくとも10mに達することができ、好ましくは12mに近く、この長さは荷積されるプラットフォームの全長に対応する。これらのサイド部材4は移送プラットフォーム2によって構成される移送路3に沿って駆動キャリッジ5を介して軸線方向に移動可能である。駆動キャリッジ5は一時的にサイド部材4に連結される。駆動キャリッジ5は、更に、駆動要素7に接続された伝動手段6によって前後に移動され得る。従って、駆動キャリッジ5は、その移動の際に、例えば荷積プラットフォーム2からコンテナが設けられているトラック1に荷を移送するためにサイド部材4及び荷16の押出手段として機能し、或いは逆に、トラック1に設けられているコンテナ内に位置している荷を荷降するのを許容するためにサイド部材4及び荷16の引張手段として機能することができる。これらの二つの可能性がそれぞれ図1と図2に示されている。明らかに、キャリッジが移送サイド部材4の押出手段として使用される時には、サイド部材4をキャリッジ5にリンクする、即ち機械的に連結する必要はない。
【0014】
図示の実施形態では、特に図3に示すように、キャリッジ5は軸9を備えたフレーム8から構成されており、軸9の一端には移送サイド部材4を引っ張るために移送サイド部材4の一端に一次的に装着される継目板10が支持されている。継目板10は曲げることができる簡単な金属板で作られており、サイド部材にはネジ、楔又はピンで連結される。このためにサイド部材には、少なくとも一端に予め孔が形成されている。従って、連結は困難なく非常に短い時間で完了できる。キャリッジ5は連続した伝動手段6、好ましくはチェーン伝動手段、を介して駆動される。図5はキャリッジへのチェーンの連結点19を示している。駆動要素7は、連続的伝動手段によって中間軸に連結された駆動用歯車付電動機を備えており、中間軸は他の連続的伝動手段によってローラに連結されており、歯車付電動機が回転する方向に応じてチェーンが片方向又は他方向にローラの周りを移動する。図6に示すように、チェーンの一端はキャリッジの片側に接続され、他端はキャリッジの反対側に取り付けられており、ループを描くチェーンを第一の方向に駆動する間にはキャリッジが運送手段から離れる方向へ動かされ、逆に電動機7が反対方向に回転する間にはチェーンの移動、その結果としてキャリッジ5の移動はキャリッジ5が運送手段1に接近する方向になる。キャリッジ5の移動を促進するために、キャリッジ5にはプラットフォーム2に配置された引き続く軸方向ベアリング14内に挿入されるパッド13又は案内ローラが装備されている。移送プラットフォーム2は、実際には、長手方向に延在する長いビーム17を横方向部材18によって相互に連結して形成されており、格子状の荷支持平面を形成している。図示の実施形態では、プラットフォーム2は少なくとも3本の平行なビーム17から構成されており、各々は支持表面を構成しており、そしてまた1個の移送サイド部材4の案内表面を構成し得る。従って、2本のビームはIビーム形態であり、それらの外周フランジが規定する上部表面が移送サイド部材4の案内レールを構成している。中心のビームは移送サイド部材4の非案内支持表面を規定している。上述した伝動手段6の軸方向支持ベアリング15はビーム17間に設けられている。
【0015】
プラットフォーム2には、必要であれば、運送手段1によって支持されるコンテナの床に対してプラットフォームの荷支持平面の位置の高さを調整可能にするために、高さを調整することができる脚12を設けることができる。同様に、プラットフォームには、実行される移送作業の関数としての動きを許容する、回転プラットフォーム形態になるようにホイールを配設することができる。明らかに、側は自由状態であるので、積荷は常に容易である。
【0016】
移送操作をリスクのないものにすることを可能とするために、移送プラットフォーム2の一端上に、装置と積荷される運送手段1とを一体化するための締結器11がある。
【0017】
移送操作は次のとおりにして遂行される。装置は予め定められた場所に載置される。荷台がコンテナである荷積すべき運送手段1は、プラットフォーム2の一端に位置付けされ、通常楔によって作動される適宜の締結器11によってプラットフォーム2に締結される。同時に、プラットフォーム2の高さが調整され、プラットフォーム2によって規定される移送路3と荷積又は荷降すべきコンテナの床とを同高にする。コンテナに荷積する操作の場合、移送すべき荷16は既に移送プラットフォーム2上に準備されている。このために、移送サイド部材4はプラットフォーム2上に載置されている。次いで、荷16が移送サイド部材4上に載置され、コンテナの最大積み込みを確保するように計算が最適化されている。
【0018】
全ての調整がなされると、プラットフォーム上に位置されているキャリッジ5が図1に矢印で示す方向に駆動され、荷及び移送サイド部材4を押し、これらの組立体をコンテナ内に移動する。かかる荷積は著しく迅速に遂行される。
【0019】
逆に、トラックに載置されたコンテナから荷降する場合、同様な予備操作、即ち締結器11の取り付け及び荷降すべきコンテナの床に対するプラットフォームの高さの調整が遂行される。次いで、キャリッジがコンテナ近傍に移動され、継目板10を介して移送サイド部材4に連結される。この連結操作は、通常、2個のねじ或いは同様なものによって達成される。キャリッジ5が一旦サイド部材4に連結されると、キャリッジ5が図2に矢印で示す方向に移動され、サイド部材4によって支持されている荷全体がコンテナから引き出される。この操作も著しく迅速に遂行される。次いで、荷16は荷降されるまでプラットフォーム2上で待機状態になる。
【0020】
上述した装置は荷積或いは荷降を著しく短時間で遂行することを可能にし、大幅な時間短縮をもたらす。同時に、コンテナの荷積は最適化され、コンテナ内の荷の配列は予め計算されて充填が最適化される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に従って構成された装置を、トラックのコンテナ内に荷を移送する状態で示す簡略側面図。
【図2】本発明に従って構成された装置を、トラックの荷台上のコンテナから荷を引く出す状態で示す簡略側面図。
【図3】本発明に従って構成された装置を、理解を助長するために一部要素を省略して示す斜面図。
【図4】本発明に従って構成された装置の断面図
【図5】本発明に従って構成された装置の、キャリッジレベルにおける断面図。
【図6】伝動手段及びその駆動要素を示す部分間略側面図。
【符号の説明】
【0022】
1:運送手段
2:移送プラットフォーム
3:移送路
4:サイド部材
5:駆動キャリッジ
6:伝動手段
7:駆動要素
8:フレーム
9:軸
10:継目板
11:締結器
12:脚
13:パッド
14:ベアリング
15:ベアリング
16:荷
17:ビーム
18:横部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷(16)、特にコンテナ内に収納可能な荷(16)を、荷積及び/又は荷降のための移送プラットフォーム(2)と特に運送手段(1)との間で移送するための装置であって、該移送プラットフォーム(2)は荷(16)、好ましくはコンテナ内に収納可能な荷(16)が少なくとも1個の荷支持移送要素によって位置付けられる移送路(3)から構成され、該荷支持移送要素はこれに連結可能な駆動キャリッジ(5)によって該移送路(3)に沿って軸線方向に移動可能であり、該キャリッジ(5)は駆動要素(7)に接続された伝動手段(6)によって前後方向に移動可能であり、移動の際には遂行される移送操作に応じて該荷支持移送要素の押手段として機能すると共に該荷支持移送要素の引張手段として機能する装置において、少なくとも2個の荷支持移送要素を具備し、各荷支持移送要素は該キャリッジに連結可能なサイド部材(4)形態であり、各サイド部材(4)は好ましくは少なくとも移送すべき荷(16)と同一の長さを有していて一時に移送を遂行して荷積を最適化することができる、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
該キャリッジ(5)は、該サイド部材(4)の端に一時的に装着可能な継目板(10)を一端に担持した軸(9)が配設されているフレーム(8)から構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
該移送プラットフォーム(2)の一端上には装置と荷積すべき輸送手段(1)とを一体的にするための締結器(11)が存在する、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
該移送プラットフォーム(2)は横部材(18)によって相互連結されオープンワーク荷支持面を形成する長いビーム(17)から形成されている、請求項1から3までのいずれかに記載の装置。
【請求項5】
該移送プラットフォーム(2)は少なくとも3個の平行に延びる長いビーム(17)から構成されており、各長いビーム(17)は支持面と共に好ましくは1個のサイド部材(4)の案内面を有する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
該長いビーム(17)間には軸線方向支持ベアリング(15)が配設されている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
該移送プラットフォーム(2)には、高さが調整可能であり且つローリングプラットフォーム形態にすることができる脚(12)が設けられている、請求項1から6までのいずれかに記載の装置。
【請求項8】
該キャリッジ(5)は連続伝動手段(6)、好ましくはチェーン伝動手段によって駆動される、請求項1から7までのいずれかに記載の装置。
【請求項9】
該キャリッジ(8)には該移送プラットフォーム(2)に配列された連続した軸線方向ベアリング(14)内に挿入されるパッド(13)又は案内ローラが設けられている、請求項1から8までのいずれかに記載の装置。
【請求項10】
該サイド部材(4)は積層され接着されたビームから構成されている、請求項1から9までのいずれかに記載の装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれかに記載の装置によって、荷(16)、特にコンテナ内に収納可能な荷(16)を、荷積及び/又は荷降のための移送プラットフォーム(2)と特に運送手段(1)との間で移送する方法にして、例えば運送手段の荷台に荷積する場合、移送すべき荷の全長と少なくとも同長の少なくとも2個のサイド部材(4)を装置の移送プラットフォーム(2)上に位置させることと、該サイド部材(4)上に荷を準備することと、荷を準備する前準備する間あるいは準備した後に装置の移送プラットフォーム(2)によって画定される移送路(3)の高さを荷積するために移送プラットフォーム(2)の一端に位置付けられた運送手段の荷台の高さに調整することと、移送プラットフォーム(2)上に位置付けられ荷及び該サイド部材(4)を同時に駆動して運送手段の荷台上に搬入するキャリッジ(5)によって全ての荷を移送することとから成ることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−529387(P2007−529387A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503375(P2007−503375)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000625
【国際公開番号】WO2005/100216
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506311644)
【Fターム(参考)】