説明

移送最中の流体のためのメーター電子機器および流体定量化方法

移送最中の流体を定量するためのメーター電子機器(20)が提供されている。メーター電子機器(20)は、振動式フローメーターのフローメーター組立体と通信し、振動応答を受け取るように構成されているインターフェース(201)と、このインターフェース(201)と結合されている処理システム(203)とを備えている。処理システム(203)は、流体移送の前もって決められた時間部分における体積流量および密度を測定し、流体移送の前もって決められた時間部分において気体が混入していないか否かを判定し、前もって決められた時間部分において気体が混入していない場合、体積−密度積を累積体積−密度積に加え、体積流量を累積体積流量に加え、累積体積−密度積を累積体積流量で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度を求めるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動式フローメーターおよび方法に関するものであり、とくに移送最中の流体のための電子機器および流体定量化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コリオリ質量流量計および振動式デンシトメーターの如き振動導管センサーは一般に、流れる物質を収容して振動する導管の運動を検出するように動作する。質量流量、密度などの如き導管内の物質に関する特性は、導管に接続されている運動トランスデューサから受信する測定信号を処理することにより求めることができる。物質を収容して振動するシステムの振動モードは一般に、収容している導管およびその導管に収容されている物質の質量、剛性および減衰を組み合わせた特性から影響を受ける。
【0003】
典型的なコリオリ質量流量計は、配管または他の移送システムにインラインで接続されているとともに、システム内のたとえば流体、スラリー、エマルジョンなどの物質を移送する一または複数の導管を有している。各導管は、たとえば単純曲げモード、ねじれモード、ラジアルモードおよび結合モードを含む一組の固有振動モードを有しているものと考えることができる。コリオリ質量流量測定の典型的な用途では、物質が導管を流れているときに、導管が1つ以上の振動モードで励振され、この導管の運動が導管にそって間隔をおいて位置する複数の部位で測定される。励振は、導管を周期的に摂動するボイスコイルタイプのドライバーの如き電気機械デバイスのようなアクチュエータによって通常引き起こされる。複数のトランスデューサ位置における運動と運動との間の遅延時間または位相差を測定することによって質量流量を求めることができる。このような2つのトランスデューサ(または、ピックオフセンサー)が、1つ以上のフロー導管の振動応答を測定するために通常用いられており、また、アクチュエータの上流側または下流側の位置に通常設けられている。2つのピックオフセンサーは電子計装装置に接続されている。この計装装置は、2つのピックオフセンサーから信号を受信し、質量流量測定値などを導出するためにこれらの信号を処理する。したがって、コリオリ質量流量計およびデンシトメーターを含む振動式フローメーターには、流体を測定するために加振される1つ以上のフローチューブが用いられている。
【0004】
バンカリングとは、バンカー燃料として知られている船舶用燃料油を格納および移送することである。船舶に燃料を供給する場合、陸地から船舶まで燃料を移送する目的で、大量の燃料がバージまたは他のコンテナに一時的に格納されるようになっていてもよい。バンカーは、ドックもしくは他のポート設備に設置されてもよいし、または、バージもしくは他の燃料補給船舶によって運ばれるようになっていてもよい。バンカリング中、燃料の測定には、空−満タン−空バッチプロセス(empty−full−empty batching process)が通常含まれ、燃料内への気体の混入を可能としてしまっている。
【0005】
従来の燃料油バンカリング方法は、タンクの容積測定に基づくものであり、通常、実験室でサンプルを用いて基準密度が取得されている。伝統的に、タンクレベル測定またはテープ浸漬測定と併せて、ルックアップテーブルおよび基準密度測定を用いて、移送されたバンカー燃料の総質量が算出される。従来技術の測定精度は、温度、圧力、混入ガスの有無、浸漬されたテープの測定誤差または不確かさ、タンク容量の不確かさ、換算表の精度、人的誤差、密度サンプルが平均バッチ密度をどの程度良好に表わすものであるのかなどによって異なる。さらに、重質燃料油(HFO)は、時間の経過とともに層状になる傾向があるので、成分が分離し、異なった密度、粘度などを有する恐れがある。
【0006】
燃料移送作業にとって、総質量流量が最も重要な測定であるものの、密度および粘度も必要である。というのは、密度および粘度が燃料油の品質または等級の重要な尺度となるからである。一般的に、密度および粘度が高ければ高いほど、移送される燃料の品質は低くなる。密度および粘度についての情報は、個々のエンジンに対して理想的な燃料を用いることを担保するために不可欠なものである。それに加えて、顧客は、流体移送のうちのどれだけの部分に気体が混入しているかを測定したいであろう。このような測定の結果から、移送最中の燃料の見掛け上の体積を増やすために燃料に故意に気体を混入させているか否かが分かるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術では、バンカー燃料の密度および粘度を求めるための現行の方法では、バンカリング作業中にサンプルが採取され、そのサンプルが実験室に送られて分析される。残念なことには、実験室での解析には通常数日かかってしまい、それまでには、燃料は船舶に移送され、消費されている。さらに、燃料油は、タンク内で層状になり、最も高い粘度および密度を有する低い等級の燃料を底に沈降させ、高い品質の燃料を上層に留めおく傾向がある。1つのサンプルだけでは、バッチ全体の平均密度または平均粘度を求めることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様では、移送最中の流体を定量化するためのメーター電子機器は、
振動式フローメーターのフローメーター組立体と通信し、振動応答を受け取るように構成されているインターフェースと、このインターフェースと結合されている処理システムとを備えており、当該処理システムは、流体移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)および密度(ρ)を測定し、流体移送の前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものであるか否かを判定し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加え、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めるように構成されている。
【0009】
好ましくは、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることが、流体移送終了信号の受信後に行われる。
【0010】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較し、振動応答が前もって決められた気体混入限界の条件を満足させていない場合、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定するようにさらに構成されている。
【0011】
好ましくは、処理システムは、気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得し、流体移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得し、気体混入移送時間(taerated)を総移送時間(ttotal)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めるようにさらに構成されている。
【0012】
好ましくは、処理システムは、気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得し、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得し、気体混入体積流量(vaerated)を総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めるようにさらに構成されている。
【0013】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−温度積(v)を累積体積−温度積(vTaccum)に加え、累積体積−温度積(vTaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めるようにさらに構成されている。
【0014】
好ましくは、処理システムは、気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換するようにさらに構成されている。
【0015】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)における流体粘度(μ)を取得し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めるようにさらに構成されている。
【0016】
好ましくは、処理システムは、外部の供給源から粘度(μ)を受け取るようにさらに構成されている。
【0017】
好ましくは、処理システムは、振動式フローメーターを用いて粘度(μ)を測定するようにさらに構成されている。
【0018】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)における流体粘度(μ)を取得し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求め、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換するようにさらに構成されている。
【0019】
本発明の1つの態様では、移送最中の流体を定量化するためのメーター電子機器は、振動式フローメーターのフローメーター組立体と通信し、振動応答を受け取るように構成されているインターフェースと、このインターフェースと結合されている処理システムとを備えており、当該処理システムは、流体移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)を測定し、前もって決められた時間部分(t)において流体粘度を取得し、流体移送の前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものであるか否かを判定し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加え、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めるように構成されている。
【0020】
好ましくは、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることが、流体移送終了信号の受信後に行われる。
【0021】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較し、振動応答が前もって決められた気体混入限界の条件を満足させていない場合、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定するようにさらに構成されている。
【0022】
好ましくは、処理システムは、気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得し、流体移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得し、気体混入移送時間(taerated)を総移送時間(total)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めるようにさらに構成されている。
【0023】
好ましくは、処理システムは、気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得し、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得し、気体混入体積流量(vaerated)を総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めるようにさらに構成されている。
【0024】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−温度積(v)を累積体積−温度積(vTaccum)に加え、累積体積−温度積(vTaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めるようにさらに構成されている。
【0025】
好ましくは、処理システムは、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換するようにさらに構成されている。
【0026】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)における密度(ρ)を測定し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めるようにさらに構成されている。
【0027】
好ましくは、処理システムは、前もって決められた時間部分(t)における密度(ρ)を測定し、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求め、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換するようにさらに構成されている。
【0028】
好ましくは、処理システムは、外部の供給源から粘度(μ)を受け取るようにさらに構成されている。
【0029】
好ましくは、処理システムは、振動式フローメーターを用いて粘度(μ)を測定するようにさらに構成されている。
【0030】
本発明の1つの態様では、移送最中の流体のための流体定量化方法は、流体移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)を振動式フローメーターが測定することと、流体移送の前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものであるか否かを判定することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加えることと、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることとを含んでいる。
【0031】
好ましくは、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることは、流体移送終了信号の受信後に行われる。
【0032】
好ましくは、流体移送が気体混入のないものであるか否かを判定することは、前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較することと、振動応答が前もって決められた気体混入限界の条件を満足させない場合、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定することとを含んでいる。
【0033】
好ましくは、かかる方法は、気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得することと、流体移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得することと、気体混入移送時間(taerated)を総移送時間(total)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めることとをさらに含んでいる。
【0034】
好ましくは、かかる方法は、気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得することと、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得することと、気体混入体積流量(vaerated)を総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めることとをさらに含んでいる。
【0035】
好ましくは、かかる方法は、前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−温度積(v)を累積体積−温度積(vTaccum)に加えることと、累積体積−温度積(vTaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めることとをさらに含んでいる。
【0036】
好ましくは、かかる方法は、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換することをさらに含んでいる。
【0037】
好ましくは、かかる方法は、前もって決められた時間部分(t)における粘度(μ)を取得することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加えることと、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることとをさらに含んでいる。
【0038】
好ましくは、粘度(μ)を取得することは、外部の供給源から粘度(μ)を受け取ることを含んでいる。
【0039】
好ましくは、粘度(μ)を取得することは、振動式フローメーターを用いて粘度(μ)を測定することを含んでいる。
【0040】
好ましくは、かかる方法は、前もって決められた時間部分(t)における粘度(μ)を取得することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加えることと、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることと、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換することとをさらに含んでいる。
【0041】
本発明の1つの態様では、移送最中の流体のための流体定量化方法は、流体移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)を振動式フローメーターが測定することと、前もって決められた時間部分(t)における粘度(μ)を取得することと、流体移送の前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものであるか否かを判定することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加えることと、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることとを含んでいる。
【0042】
好ましくは、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることが、流体移送終了信号の受信後に行われる。
【0043】
好ましくは、流体移送が気体混入のないものであるか否かを判定することは、前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較することと、振動応答が前もって決められた気体混入限界の条件を満たさない場合、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定することとを含んでいる。
【0044】
好ましくは、かかる方法は、気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得することと、流体移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得することと、気体混入移送時間(taerated)を総移送時間(total)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めることとをさらに含んでいる。
【0045】
好ましくは、かかる方法は、気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得することと、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得することと、気体混入体積流量(vaerated)を総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めることとをさらに含んでいる。
【0046】
好ましくは、かかる方法は、前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、累積体積−温度積(vTaccum)に体積−温度積(v)を加えることと、累積体積−温度積(vTaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めることとをさらに含んでいる。
【0047】
好ましくは、かかる方法は、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換することをさらに含んでいる。
【0048】
好ましくは、かかる方法は、前もって決められた時間部分(t)における密度(ρ)を振動式フローメーターが測定することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加えることと、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることとをさらに含んでいる。
【0049】
好ましくは、かかる方法は、前もって決められた時間部分(t)の密度(ρ)を振動式フローメーターが測定することと、前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加えることと、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることと、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換することとをさらに含んでいる。
【0050】
好ましくは、粘度(μ)を取得することは、外部の供給源から粘度(μ)を受け取ることを含んでいる。
【0051】
好ましくは、粘度(μ)を取得することは、振動式フローメーターを用いて粘度(μ)を測定することを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明にかかる振動式フローメーターを示す図である。
【図2】本発明にしたがったバンカー燃料の移送を示す図である。
【図3】本発明にかかる振動式フローメーターのメーター電子機器を示すブロックダイヤグラムである。
【図4】本発明にしたがって移送される流体のための流体定量化方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1〜図4および下記の記載には、本発明を最良のモードで作成および利用する方法を当業者に教示するための実施例が示されている。本発明の原理を教示するために、従来技術に属する部分が単純化または省略されている。本発明の技術範囲内に含まれるこれらの実施例の変形例も、当業者は理解できるだろう。また、当業者にとって明らかなように、下記の記載の構成要素をさまざまな方法で組み合わせて本発明の複数の変形例を形成することもできる。したがって、本発明は、下記に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【0054】
図1には、本発明にかかる振動式フローメーター5が示されている。振動式フローメーター5は、フローメーター組立体10と、メーター電子機器20とを備えている。メーター電子機器20は、リード線100を通じてメーター組立体10へ接続され、密度、質量流量、体積流量、トータル質量流量、温度および他の測定量もしくは情報のうちの一つ以上の測定結果を通信経路26を通じて提供するように構成されている。振動式フローメーター5はコリオリ質量流量計であってもよい。それに加えてまたはそれに代えて、振動式フローメーター5は振動式デンシトメーターであってもよいことはいうまでもない。当業者にとって明らかなように、振動式フローメーターは、ドライバーの数、ピックオフセンサーの数、フロー導管の数または振動動作モードにかかわらず、いかなる振動式フローメーターであってもよい。
【0055】
フローメーター組立体10は、一対のフランジ101、101’と、マニホルド102、102’と、ドライバー104と、ピックオフセンサー105、105’と、フロー導管103A、103Bとを備えている。ドライバー104およびピックオフセンサー105、105’は、フロー導管103A、103Bに接続されている。
【0056】
フランジ101、101’はマニホルド102、102’に固定されている。実施形態によっては、マニホルド102、102’は、スペーサ106の両端に固定されている場合もある。スペーサ106は、配管の力がフロー導管103A、103Bの内部に伝達されないように、マニホルド102とマニホルド102’との間の間隔を維持している。測定される流動流体を運ぶ配管(図示せず)の中にフローメーター組立体10が挿入されると、流動流体がフランジ101を通ってフローメーター組立体10の中に流入し、流入口マニホルド102を通り、ここで流動流体の全量がフロー導管103A、103Bの中に導入され、フロー導管103A、103Bを流れ、流出口マニホルド102’の中へ流れ込み、ここでフランジ101’からメーター組立体10の外へと流出する。
【0057】
流動流体は液体であってもよい。流動流体はガスであってもよい。流動流体は、混入したガスおよび/または混入した固体を含有する液体の如き多相流体であってもよい。
【0058】
フロー導管103A、103Bは、曲げ軸線W−W、W’−W’に対して実質的に同一の質量分布、慣性モーメントおよび弾性モジュールを有するように、流入口マニホルド102および流出口マニホルド102’に対し、適切に選択され、取り付けられる。フロー導管103A、103Bは、マニホルド102、102’から外側に向けてほぼ並列に延出している。
【0059】
フロー導管103A、103Bは、それぞれ対応する曲げ軸線W、W’を中心としてかつ振動式フローメーター5のいわゆる第一の逆位相曲げモードで、互に反対方向に向けてドライバー104により振動させられる。ドライバー104は、たとえばマグネットをフロー導管103Aに取り付け、それと対をなすコイルをフロー導管103Bに取り付けた構成の如き複数の公知の構成のうちの一つの構成を有していてもよい。この対をなすコイルに交流を流して両方の導管を振動させる。メーター電子機器20により、適切な駆動信号がリード線110を通じてドライバー104へ加えられる。他のドライバデバイスも考えられており、それらもまた本明細書および請求項の技術範囲に含まれる。
【0060】
メーター電子機器20は、リード線111およびリード線111’からそれぞれセンサー信号を受信する。メーター電子機器20はリード線110上に駆動信号を発生し、この信号により、ドライバー104はフロー導管103A、103Bを振動させる。他のセンサーデバイスも考えられており、それらもまた本明細書および請求項の技術範囲に含まれる。
【0061】
メーター電子機器20は、ピックオフセンサー105、105’からの左側速度信号および右側速度信号を処理し、流量などを計算する。通信経路26は、メーター電子機器20にオペレータまたは他の電子装置との通信を可能とさせる入力手段および出力手段を提供している。図1の記載は、コリオリフローメータの動作の一例に過ぎず、本発明の教示を限定するものではない。
【0062】
1つの実施形態では、メーター電子機器20は、フローチューブ103A、103Bを振動させるように構成されている。かかる振動はドライバー104によって実現される。また、メーター電子機器20はさらに、その結果として生じる振動信号をピックオフセンサー105、105’から受信する。振動信号は、フローチューブ103A、103Bの振動応答を含んでいる。メーター電子機器20は、振動応答を処理し、応答周波数および/または位相差を求める。メーター電子機器20は、振動応答を処理し、流動流体の質量流量および/または密度を含む1つ以上のフロー(流れ)に関する測定値を求める。他の振動応答特性および/またはフローに関する測定値も考えられており、それらもまた本明細書および請求項の技術範囲に含まれる。
【0063】
1つの実施形態では、フロー導管103A、103Bは図示されているようなほぼU字形のフロー導管であってもよい。それに代えて、他の実施形態では、フロー導管はほぼ直線状のフロー導管であってもよい。他のさらなる形状および/または形態を用いてもよく、それらもまた本明細書および請求項の技術範囲に含まれる。
【0064】
図2には、本発明にかかるバンカー燃料移送が示されている。バンカー燃料移送には、第一のタンク3から第二のタンク4までの燃料を移送して定量することが含まれている。図2では、バンカー燃料が給油バージ1から船舶2へと移送されているが、いうまでもなく、バンカー燃料移送はいかなる燃料の移送であってもよい。また、いうまでもなく、バンカー燃料移送は、いかなる流体の移送であってもよい。それに加えて、いうまでもなく、フローメーターは、給油バージ、船舶またはその両方の場所に設けられてもよい。
【0065】
バンカリングとは、一般的に、バンカー燃料として知られている船舶用燃料油を格納および移送する作業として知られている。船舶に給油する場合、海岸から船舶まで燃料を移送するために、大量の燃料がバージまたは他のコンテナに一時的に格納される。バンカー(燃料庫)は、ドックもしくは他のポート施設に設けられてもよいし、または、バージもしくは他の燃料補給手段によって運ばれてもよい。バンカリング時、燃料測定は、気体が燃料に混入してしまう恐れのある空−充填−空バッチプロセスを含んでいるのが一般的である。
【0066】
バンカー燃料には、加熱にまたは大規模な産業および/もしくは船舶用のエンジンに用いられる比較的重質の石油の派生物が含まれる。バンカー燃料を構成しうる燃料には等級が複数ある。バンカー燃料は、ガソリンまたはディーゼルよりも一般的に重質でありかつ高い粘度を有している。
【0067】
船舶用の燃料費は船舶の運用費の大部分を占めている。原油価格の上昇および環境保全努力の増大とともに、環境上の理由および財政上の理由から、注意深く燃料を管理することが重要となってきている。
【0068】
燃料成分の組み合わせを海洋産業で用いられる正確な割合で混合することは、ある範囲の粘度および硫黄含有量で入手可能な重質燃料油(HFOまたはバンカーC)と中間燃料油(IFO)とを組み合わせることを必要とする。国際規格機構(ISO)は、世界中で船舶に用いられる船舶用燃料の仕様を提供している。燃料価格の高騰のため、異なる等級の燃料の燃焼温度に起因するエンジンの摩耗の危険性のため、また、船舶での貯蔵上の制約のため、正確に混合することは非常に重要なことである。前もって混合することにより、特定の搭載エンジンの意図した用途に対して最適な特性を有する燃料が船舶に用いられて、NOxおよびSOxの排気が削減される。船舶上で燃料を混合することが規則により抑制されているため、海洋産業においては、バンカリング前に混合することが普及してきている。混合作業には、高い精度と、混入気体による影響を比較的受けないようなメーターとが必要とされることが多いため、質量フローメーターが理想的である。
【0069】
図3は、本発明にかかる振動式フローメーター5のメーター電子機器20を示すブロック図である。使用時、振動式フローメーター5は流体移送中に流体の量を計るべく用いられる。流体としては燃料を挙げることができる。振動式フローメーター5は、流体移送の体積流量(v)値および/または総体積流量(vtot)を測定するために用いることができる。実施形態によっては、移送が、一連の前もって決められた時間部分(t)において測定される場合もある。前もって決められた時間部分(t)のそれぞれは、長さが同じであってもよいしまたは同じでなくてもよい。前もって決められた時間部分(t)は、移送中に複数の測定値が求められるように選択することができる。前もって決められた時間部分(t)の長さは、正確かつ代表的な値が得られるように選択することができる。
【0070】
振動式フローメーター5により振動応答信号が出力される。振動応答信号は、メーター電子機器20によって受信され、処理され、1つ以上の流体の定量値が求められる。これらの値を、監視し、記録し、合計することができる。
【0071】
メーター電子機器20は、インターフェース201と、このインターフェース201と通信可能な処理システム203と、この処理システム203と通信可能な格納システム204とを有している。これらのコンポーネントは別個のブロックとして示されているが、いうまでもなく、メーター電子機器20は、一体化されたおよび/または別個のコンポーネントのさまざまな組み合わせから構成されてもよい。
【0072】
インターフェース201は、振動式フローメーター5のフローメーター組立体10と通信するように構成されている。インターフェース201は、リード線100(図1を参照)と結合し、ドライバー104およびピックオフセンサー105、105’と信号を交換するように構成されてもよい。また、インターフェース201は、通信路26を介して、たとえば外部のデバイスと通信するようにさらに構成されてもよい。
【0073】
処理システム203は、いかなる処理システムであってもよい。処理システム203は、振動式フローメーター5を動作させるために、格納されているルーチン205を読み出し、実行するように構成されている。格納システム204は、フローメータールーチン205、体積重み付け密度ルーチン209、体積重み付け粘度ルーチン210、体積重み付け温度ルーチン211、および気体混入検出ルーチン213などのルーチンを格納することができる。他の測定/処理ルーチンも考えられており、それらもまた本明細書および請求項の技術範囲内に含まれる。格納システム204は、測定値、受信値、実行値および他の情報を格納することができる。実施形態によっては、格納システムは、体積流量(v)221、密度(ρ)222、粘度(μ)223、温度(T)224、体積−密度積(vρ)234、体積−粘度積(vμ)235、体積−温度積(vT)236、体積重み付け密度(ρvol−weighted)241、体積重み付け粘度(μvol−weighted)242、体積重み付け温度(Tvol−weighted)243、気体混入限界244、および気体混入割合248を格納している場合もある。
【0074】
フローメータールーチン205は、流体の定量値および流量測定値を求め、格納することができる。これらの値は、実質的に瞬間的な測定値であってもよいし、または、合計されたもしくは累積された値であってもよい。たとえば、フローメータールーチン205は、体積流量測定値を求め、それらを体積流量(v)格納装置221に格納することができる。フローメータールーチン205は、密度測定値を求め、それらを密度(ρ)格納装置222に格納することができる。上述のようにおよび当該技術分野において公知となっているように、体積流量(v)および密度(ρ)の値は振動応答から求められる。体積流量(v)は、実質的に瞬間的な体積流量の値であってもよいし、体積流量サンプルであってもよいし、時間部分(t)における平均体積流量であってもよいし、時間部分(t)における累積体積流量であってもよい。それに加えて、他の体積流量定量化も考えられており、それらもまた本明細書および請求項の技術範囲に含まれる。
【0075】
フローメータールーチン205は、温度測定値を求め、または受け取り、それらを温度(T)格納装置224に格納することができる。フローメータールーチン205は、粘度測定値を求め、または受け取り、それらを粘度(μ)格納装置223に格納することができる。
【0076】
実施形態によっては、振動式フローメーター5は粘度測定を行なうように構成されている場合もある。このような振動式フローメーターの1つが、本譲受人に譲渡されている同時係属中の米国特許出願公開第2008/0184813号に開示されている。米国特許出願公開第2008/0184813号は参照することにより本明細書に援用されるものとする。
【0077】
あるいは、他の実施形態では、フローメータールーチン205は、外部の供給源から粘度値を受け取り、受け取った値を粘度(μ)格納装置223に格納する場合もある。外部の供給源は、別個の粘度計であってもよいし、オペレータの入力によるものであってもよいし、格納された値であってもよいし、他の供給源であってもよい。
【0078】
実施形態によっては、メーター電子機器20は体積重み付け密度ルーチン209を実行するように構成されている場合もある。振動式フローメーター5がフローメーター組立体10の振動により体積流量(v)および密度(ρ)を測定している状態で、体積重み付け密度ルーチン209が、流体移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)および密度(ρ)を測定し、当該前もって決められた時間部分(t)における体積−密度積(vρ)を求め、流体移送の気体混入のない時間部分すべてにおける体積流量(v)および体積−密度積(vρ)の値を累積して累積体積流量(vaccum)および累積体積−密度積(vρaccum)を算出し、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送の気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めるように構成されている。気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)は、体積重み付け密度格納装置238に格納することができる。この処理により、体積−密度積格納装置234に格納することができる累積体積−密度積(vρaccum)をさらに求めてもよい。したがって、この処理は、次の式に従って体積重み付け密度(ρvol−weighted)を算出する:
【0079】
【数1】

【0080】
体積重み付け密度(ρvol−weighted)は、平均(average)密度に類似し、流体移送における密度を表わしているが、気体混入のない時間部分の密度測定値しか考慮に入れられていない。気体混入のある時間部分からの測定密度は除外されている。というのは、気体混入のある測定密度は、不正確かつ信頼性の低いものである可能性が高いからである。また、体積重み付け量は、時間平均されたまたは周期的にサンプリングされた基本的な密度よりも優れたものである。というのは、体積重み付け量が、購入された燃料の体積に対する本当の平均量を表しているからである。時間平均アルゴリズムは流量の変動に対して敏感であり、また、周期的なサンプリングシステムはタンクの層状化に起因する密度の変動に対して敏感である。
【0081】
振動式フローメーター5が密度計または粘度計として動作する場合には、流体への気体の混入は、密度および粘度の測定結果(および、場合によっては温度の測定結果)に対して影響を与え精度を低下させる恐れがある。この理由により、体積−密度積、体積−粘度積および/または体積−温度積は気体混入のある時間部分では合計されない。
【0082】
実施形態によっては、メーター電子機器20は体積重み付け粘度ルーチン210を実行するように構成されている。振動式フローメーター5がフローメーター組立体10の振動により少なくとも体積流量(v)を測定している状態で、体積重み付け粘度ルーチン210は、体積流量(v)を測定し、流体移送の前もって決められた時間部分(t)における流体粘度(μi)を取得し、前もって決められた時間部分(t)における体積−粘度積(vμ)を求め、流体移送の気体混入のない前もって決められた時間部分における、体積流量(v)および体積−粘度積(vμ)の値をすべて累積して累積体積流量(vaccum)および累積体積−粘度積(vμaccum)を算出し、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めるように構成されている。この気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)は、体積重み付け粘度格納装置239に格納することができる。これらの粘度測定値は、流動流体が移送されているときの流動流体の品質または等級を反映することができる。この処理は、体積−粘度積格納装置235に格納することができる累積体積−粘度積(vμaccum)をさらに求めてもよい。したがって、この処理は、次の式に従って体積重み付け粘度(μvol−weighted)を算出する:
【0083】
【数2】

【0084】
体積重み付け粘度(μvol−weighted)は、平均粘度に類似し、流体移送の全体の粘度を表わしうるが、気体混入のない時間部分における粘度測定値のみ考慮している。気体混入のある時間部分からの粘度測定値は除外することができる。というのは、気体混入のある粘度の測定値は、不正確かつ信頼性の低いものである可能性が高いからである。
【0085】
実施形態によっては、メーター電子機器20は体積重み付け温度ルーチン211を実行するように構成されている。振動式フローメーター5がフローメーター組立体10の振動により少なくとも体積流量(v)を測定している状態で、体積重み付け温度ルーチン211は、流体移送の前もって決められた時間部分における体積流量(v)および温度(T)を測定し、前もって決められた時間部分(t)における体積−温度積(v)を求め、流体移送の気体混入のない前もって決められた時間部分における体積流量(v)および体積−温度積(v)の値をすべて累積して累積体積流量(vaccum)および累積体積−温度積(vTaccum)を算出し、累積体積−温度積(vTaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算することにより、流体移送の気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めるように構成されている。この気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)は、体積重み付け温度格納装置243に格納することができる。この処理により、体積−温度積格納装置236に格納することができる累積体積−温度積(vTaccum)をさらに算出してもよい。したがって、この処理は、次の式に従って体積重み付け温度(Tvol−weighted)を算出する:
【0086】
【数3】

【0087】
体積重み付け温度(Tvol−weighted)は、平均温度に類似し、流体移送の全体の温度を表わしうるが、気体混入のない時間部分の温度測定値のみ考慮している。気体混入のある時間部分からの温度測定値は除外することができる。
【0088】
実施形態によっては、メーター電子機器20は気体混入検出ルーチン213を実行するように構成されている場合もある。気体混入検出ルーチン213は、流体移送の実質的な気体混入を検出するためにフローメーターの値を処理する。この検出は、各時間部分(t)中の如き流体移送中に実質的に連続して実行することができる。気体混入検出ルーチン213は、流体移送中に振動式フローメーター5のフローメーター組立体10を振動させ、流体移送の各時間部分(t)の振動応答を気体混入限界244と比較し、振動応答が気体混入限界244を超えていない場合、その時間部分(t)が気体混入のある時間部分であると判定するように構成されている。気体混入限界244は、ある範囲であってもよく、この範囲を超えている場合には、流体に気体が混入していないと考えられるまたは最小限に(たとえば、容認可能に)気体が混入していると考えられる。
【0089】
実施形態によっては、気体混入限界244はドライブ利得限界である場合もある。現在のドライブ利得はドライブ利得限界と比較されるようになっている。ドライブ利得は、ある与えられたドライブ入力に対する応答量を定量化したものである。ドライブ利得は、ピックオフ応答振幅をドライバー振動振幅で除算したものであり、この値は、瞬間的なものであってもよいし、または、前もって決められた時間部分(t)にわたって平均されたものまたは積分されたものであってもよい。通常、ドライブ利得は、純粋な流体の場合には約10〜30パーセントで安定しており、混入ガスが流動流体の中に混入するとともに著しく上昇する。ドライブ利得が気体混入限界244の条件を満たしていない場合、メーター電子機器20は流体に気体が混入したと判定することができる。たとえば、ドライブ利得の値が気体が混入するとともに大きくなる場合には、ドライブ利得が気体混入限界244を超えると、ドライブ利得は気体混入限界244の条件を満たしていないとしうる。
【0090】
実施形態によっては、気体混入限界244は最小応答振幅である場合もある。最小応答振幅は、ピックオフセンサー105、105’によって求められる振動応答振幅と相関する。流動流体に空気が混入するとともにピックオフ振幅が減少することが知られている。ピックオフ振幅が気体混入限界244の条件を満たさない場合、メーター電子機器20は、流体に気体が混入していると判定することができる。たとえば、気体の混入とともにピックオフ振幅の値が減少する場合には、ピックオフ振幅が気体混入限界244未満であるときに、ピックオフ振幅は気体混入限界244の条件を満たしていないとしうる。
【0091】
実施形態によっては、気体混入限界244は、流体の最小密度限界である場合もある。前もって決められた気体混入密度限界は、たとえばバンカー燃料内の空気の如き、流体への気体混入の許容可能なレベルであってもよい。したがって、測定された密度(ρ)を、気体混入限界244と比較することができる。測定密度(ρ)が気体混入限界244の条件を満たしていない場合、メーター電子機器20は、流体に気体が混入していると判定することができる。たとえば、気体の混入とともに流体密度が減少する場合には、測定密度(ρ)が気体混入限界244未満であるときに、測定密度(ρ)は気体混入限界244の条件を満たしていないとしうる。
【0092】
気体混入は、フローメーターのドライブモードの周波数応答関数の形状から見出される減衰推定値に基づいて検出されるようになっていてもよい。たとえば、周波数応答グラフ内のドライブモードピークの幅が、気体が存在するか否かの判定の補助となりうる。幅広いピークは、より減衰が大きいことを意味するので、気体の存在を示す。したがって、減衰推定値/ドライブモードピーク幅を気体混入限界244と比較することができる。減衰推定値/ドライブモードピーク幅が気体混入限界244の条件を満たさない場合、メーター電子機器20は、流体に気体が混入していると判定することができる。たとえば、気体の混入とともに減衰が大きくなる場合には、減衰推定値/ドライブモードピーク幅が気体混入限界244を超えているときに、減衰推定値/ドライブモードピーク幅が気体混入限界244の条件を満たしていないとしうる。
【0093】
あるいは、3dB減少ポイントが用いられてもよい。3dB減少ポイントとは、特定の共振外れ振動数におけるピーク幅のことであって、特定の振動応答振幅に相当する。したがって、3dB減少ポイントを気体混入限界244と比較することができる。3dB減少ポイントが気体混入限界244の条件を満たしていない場合、メーター電子機器20は、流体に気体が混入していると判定することができる。たとえば、気体の混入とともに3dB減少ポイントの大きさが減少する場合には、3dB減少ポイントが気体混入限界244未満であるときに、3dB減少ポイントは気体混入限界244の条件を満たしていないとしうる。
【0094】
気体の混入につれて流れの(フロー)ノイズが大きくなるので、コリオリメーターからの質量流量、密度または他の測定値の標準偏差を解析することにより気体の存在を検出することも可能である。大きな標準偏差は気体混入の増大を示しうる。したがって、流れのノイズ(または、他の外乱)に起因する流れに関する測定値の標準偏差を気体混入限界244と比較することができる。標準偏差が気体混入限界244の条件を満たしていない場合、メーター電子機器20は流体に気体が混入していると判定することができる。たとえば、標準偏差が気体混入限界244を超えている場合、標準偏差は気体混入限界244の条件を満たしていないと考えられる。
【0095】
実施形態によっては、気体混入割合が求められ、気体混入割合格納装置248に格納される場合もある。気体混入割合は、移送された流体のうち気体が混入している流体の割合を表し、流体の品質を表すもう一つのインジケータとして機能することができる。実施形態によっては、気体の混入が検出されている時間部分(t)における体積流量(v)の値が合計される場合もある。気体混入のある体積(vaerated)を総体積(vtot)で除算することにより、気体混入体積割合(vaerated/vtot)、すなわち移送された体積のうちの気体が混入している体積の割合を示すものを提供することができる。あるいはたとえば、気体混入のある時間部分を合計し、次いで総移送時間で除算することにより、気体混入時間割合を算出することができる。他の気体混入割合の定量化も考えられており、それらもまた本明細書および請求項の技術範囲に含まれる。
【0096】
体積重み付け測定および/または気体混入のない測定は、厳格な意味での体積流量測定または気体混入を区別しない質量流量測定に比べて、流体移送についてのより良好な、かつより正確な測定を提供する。体積重み付け測定および気体混入のない累積体積流量(vaccum)は、従来の気体混入を区別しない体積測定とは対照的に、移送された燃料のエネルギー含有量についての良好な、かつより正確な測定を提供する。従来の気体混入を区別しない体積測定は燃料のいかなる気体混入をも考慮にいれていない。
【0097】
図4は、本発明に従って移送される流体のための流体定量化方法を示すフローチャート400である。この方法は、前もって決められた時間部分(t)において測定を行うことを含んでいる。ステップ401では、現在の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)、密度(ρ)および温度(T)の値が測定される。上述し、かつ当該技術分野において公知となっているように、体積流量(v)および密度(ρ)の値は振動応答から求められる。たとえば、体積流量(v)は
【0098】
【数4】

【0099】
でありうる。
【0100】
ステップ401は、流体移送工程の開始を含んでいてもよい。それに加えて、ステップ401は、流体移送工程中にいつでも得られる繰り返し測定ステップを含んでいてもよい。
【0101】
前もって決められた時間部分(t)の長さは、移送最中の流体を適切に特徴づけるいかなる所望の長さであってもよい。一連の前もって決められた時間部分(t)は、その長さが実質的に均一であることが好ましいが、均一または一貫性のあるものでなければならないというわけではない。
【0102】
ステップ402では、粘度(μ)の値が得られる。粘度(μ)は測定されてもよい。あるいは、粘度(μ)は、粘度計、またはフローメーターもしくは配管の前後の差圧測定の如き外部の測定源から受け取られてもよい。
【0103】
ステップ403では、体積−密度積(vρ)は、体積流量(v)および密度(ρ)の測定値から求められる。体積−粘度積(vμ)は、体積流量(v)および粘度(μ)の測定値から求められる。体積−温度積(v)は、体積流量(v)および温度(T)の測定値から求められる。体積流量(v)、密度(ρ)、体積−密度積(vρ)、体積−粘度積(vμ)、および体積−温度積(v)の値は、直前の値に加えて行き、累積することができる。あるいは、体積流量(v)、密度(ρ)、体積−密度積(vρ)、体積−粘度積(vμ)、および体積−温度積(v)の値は、後述されるように選択的に累積されてもよい。
【0104】
ステップ404では、現在の時間部分(t)における流体移送が実質的に気体混入のないものである場合、当該方法はステップ405に進む。そうでなく、流体に気体が混入していると判定された場合、当該方法は、分岐され、ステップ401へ戻り、体積流量(v)、密度(ρ)、体積−密度積(vρ)、体積−粘度積(vμ)、および体積−温度積(v)の値は、累積されない。その代わりに、次の前もって決められた時間部分(ti+1)で、新たな値が取得されるようになっている。しかしながら、いうまでもなく、所望ならば、測定値をなんらかの方法で記録することで、他の用途に利用可能なものとしてもよい。
【0105】
他の実施形態では、流体に気体が実質的に混入していると判定された場合、現在の時間部分(t)における測定が実行されないだけであってもよい。この実施形態では、第一のステップとして、ステップ403が実行され、気体混入が検出された場合、折り返して自分のところに戻り、気体混入が検出された場合にステップ401、402、403の測定/取得がスキップされてもよい。体積流量(v)、密度(ρ)、体積−密度積(vρ)、体積−粘度積(vμ)、および体積−温度積(v)の値は、単に無視されることで、処理時間が節約されてもよい。
【0106】
ステップ405では、体積流量(v)、密度(ρ)、体積−密度積(vρ)、体積−粘度積(vμ)、および体積−温度積(v)の値は、累積され、流体移送における現在までの対応する合計値に加えられる。実施形態によっては、流体移送が完了すると、累積体積流量(vaccum)が、移送された気体混入のない流体の体積を表している場合もある。流体移送が完了すると、移送された流体のミーン平均(mean)密度、平均(average)密度、重み付け(weighted)密度または体積重み付け(vol−wighted)密度を求めるために総密度(ρtot)を処理することができる。移送最中の流体が均質なものでない場合もあるので、体積重み付け密度が望ましい。流体移送全体にわたる密度の測定量または定量化が、平均された密度よりも有用である場合もある。さらに、流体移送の気体混入のある1つ以上の部分の体積値および/または密度値を除去することにより、流体の歪曲、あるいは誤った特徴づけを回避しうる。流体に気体が大量に混入した場合、密度測定値が影響を受けることとなる。気体が混入すると、移送される流体の量が減少してしまうだけでなく、気体の混入に起因して、振動式フローメーターが不正確な密度測定値を求めてしまうことになる。
【0107】
ステップ406では、当該方法が完了すると、すなわち流体移送が完了すると、当該方法はステップ407に進む。そうでなく、流体移送が完了していない場合、当該方法は、分岐し、ステップ401に戻る。このように、測定工程は、流体移送工程全体にわたって繰り返し実行される。
【0108】
流体移送終了信号が振動式フローメーターで受信されることをもって、流体移送の完了としてもよい。流体移送終了信号は、オペレータまたは他のデバイスから受信されてもよい。あるいは、振動式フローメーターが、自発的に流体移送の終了を判定し、流体移送終了信号を生成してもよい。実施形態によっては、体積流量が、前もって決められた時間よりも長い時間にわたって、前もって決められた移送限界未満である場合、振動式フローメーターは、流体移送終了信号を自発的に生成しうる。
【0109】
ステップ407では、流体移送が完了すると、流体移送全体にわたる値が求められる。流体移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることができる。この気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)とは、累積体積−密度積(vρaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算したものとしうる。これは、上述の式(1)により表わすことができる。実施形態によっては、気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)は、気体混入のない流体の部分のみから求められた密度である場合もある。したがって、気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)は、流体になんらかの気体が混入している場合には、その流体についてより正確な密度を表す。流体に気体が混入していないと判定された場合、体積重み付け密度(ρvol−weighted)は、流体移送全体にわたる平均密度と実質的に一致することになる。
【0110】
流体移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることができる。気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)は、累積体積−粘度積(vμaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算したものとしうる。これは、上述の式(2)によって表わすことができる。実施形態によっては、気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)は、気体混入のない流体の部分のみから求められた粘度である場合もある。
【0111】
流体移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めることができる。気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)は、累積体積−温度積(vTaccum)を累積体積流量(vaccum)で除算したものとしうる。これは、上述の式(3)によって表わすことができる。実施形態によっては、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)は、気体混入のない流体の部分のみから求められた温度である場合もある。
【0112】
ステップ408では、気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて温度補償を実行することができる。たとえば、計算された体積重み付け密度(ρvol−weighted)を温度補償して標準温度における体積重み付け密度の値を求めることができる。それに加えてまたはそれに代えて、体積重み付け粘度(μvol−weighted)が温度補償されてもよい。このことは、バンカー燃料または他の燃料製品について米国石油研究所(API)から入手可能な1つ以上のテーブルを用いることの如き既知の方法を用いて行うことができる。テーブルを用いる方法では、体積重み付け密度および体積重み付け温度を用いて対応する基準密度値が求められる。体積重み付け粘度および体積重み付け温度を用いて対応する標準粘度値が求められる。このようなテーブルは、ある与えられた温度での値を基準温度での値に変換するために用いることができる。基準温度での値は、バンカー燃料または他の流体の品質を判断するために、計算された体積重み付け密度および/または計算された体積重み付け粘度を基準値と比較するのに役立つ。このように、バンカー燃料の相対的品質を評価することができる、計算された体積重み付け密度/粘度が、基準値から有意にずれている場合、バンカー燃料(または他の流体)の品質は劣悪、すなわち受け入れがたいものでありうる。
【0113】
ステップ409では、上述のように、気体混入割合が求められる。
【0114】
所望ならば、複数の利点を提供するため、本発明にかかるメーター電子機器および流体定量化方法を任意の実施形態に従って用いることができる。かかるメーター電子機器および流体定量化方法は、気体が混入している可能性のある流体をより高い信頼度で測定することができる。かかるメーター電子機器および流体定量化方法は、流体の特性がバッチ処理中に変わる場合であっても、その流体の特性をより正確に測定することができる。得られる質量流量測定結果は、気体混入や周囲の温度または圧力によって影響されない。得られた体積流量測定値は気体混入により影響を受けない。かかるメーター電子機器および流体定量化方法は、流体移送についての測定をより正確に行うことができる。当該測定は気体の混入によって影響されない。かかるメーター電子機器および流体定量化方法は、流体に気体が混入していることを検出できる。かかるメーター電子機器および流体定量化方法は、燃料のエネルギー含有量のよりよい測定を提供できる。かかるメーター電子機器および流体定量化方法は、流体移送につき測定された質量を、測定された/推定された体積と照合確認(cross−check)できる、かかるメーター電子機器および流体定量化方法は、移送中の流体の変化の測定および記録を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送最中の流体を定量化するためのメーター電子機器(20)であって、
振動式フローメーターのフローメーター組立体と通信し、振動応答を受け取るように構成されているインターフェース(201)と、
前記インターフェース(201)と結合され、前記流体の移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)および密度(ρ)を測定するように構成されている処理システム(203)とを備えており、
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における前記流体の移送が気体混入のないものであるか否かを判定し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、前記体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加え、前記累積体積−密度積(vρaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めるように構成されていることを特徴とする、メーター電子機器(20)。
【請求項2】
前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることが、流体移送終了信号の受信後に行われるように構成されてなる、請求項1に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項3】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較し、前記振動応答が前記前もって決められた気体混入限界の条件を満足させていない場合、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定するようにさらに構成されてなる、請求項1に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項4】
前記処理システム(203)が、気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得し、前記流体の移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得し、前記気体混入移送時間(taerated)を前記総移送時間(ttotal)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項3に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項5】
前記処理システム(203)が、気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得し、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得し、前記気体混入体積流量(vaerated)を前記総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項3に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項6】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−温度積(v)を累積体積−温度積(vTaccum)に加え、前記累積体積−温度積(vTaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項1に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項7】
前記処理システム(203)が、前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換するようにさらに構成されてなる、請求項6に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項8】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における流体粘度(μ)を取得し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を前記累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、前記累積体積−粘度積(vμaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項1に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項9】
前記処理システム(203)が、外部の供給源から前記粘度(μ)を受け取るようにさらに構成されてなる、請求項8に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項10】
前記処理システム(203)が、前記振動式フローメーター(5)を用いて前記粘度(μ)を測定するようにさらに構成されてなる、請求項8に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項11】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における流体粘度(μ)を取得し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、前記累積体積−粘度積(vμaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求め、前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換するようにさらに構成されてなる、請求項6に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項12】
移送最中の流体を定量化するためのメーター電子機器(20)であって、
振動式フローメーターのフローメーター組立体と通信し、振動応答を受け取るように構成されているインターフェース(201)と、
前記インターフェース(201)と結合され、前記流体の移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)を測定するように構成されている処理システム(203)とを備えており、
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における流体粘度を取得し、前記前もって決められた時間部分(t)における前記流体の移送が気体混入のないものであるか否かを判定し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、前記体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加え、前記累積体積−粘度積(vμaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めるように構成されていることを特徴とする、メーター電子機器(20)。
【請求項13】
前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることが、流体移送終了信号の受信後に行われるように構成されてなる、請求項12に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項14】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較し、前記振動応答が前記前もって決められた気体混入限界の条件を満足させていない場合、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定するようにさらに構成されてなる、請求項12に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項15】
前記処理システム(203)が、気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得し、前記流体の移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得し、前記気体混入移送時間(taerated)を前記総移送時間(total)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項14に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項16】
前記処理システム(203)が、気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得し、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得し、前記気体混入体積流量(vaerated)を前記総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項14に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項17】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−温度積(v)を累積体積−温度積(vTaccum)に加え、前記累積体積−温度積(vTaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項12に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項18】
前記処理システム(203)が、前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換するようにさらに構成されてなる、請求項17に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項19】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における密度(ρ)を測定し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、前記累積体積−密度積(vρaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めるようにさらに構成されてなる、請求項12に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項20】
前記処理システム(203)が、前記前もって決められた時間部分(t)における密度(ρ)を測定し、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、前記累積体積−密度積(vρaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求め、前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換するようにさらに構成されてなる、請求項17に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項21】
前記処理システム(203)が、外部の供給源から前記粘度(μ)を受け取るようにさらに構成されてなる、請求項12に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項22】
前記処理システム(203)が、前記振動式フローメーター(5)を用いて前記粘度(μ)を測定するようにさらに構成されてなる、請求項12に記載のメーター電子機器(20)。
【請求項23】
移送最中の流体のための流体定量化方法であって、
前記方法が、
前記流体の移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)および密度(ρ)を測定することを含んでおり、
前記測定が振動式フローメーターにより実行され、
前記方法が、
前記流体の移送の前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものであるか否かを判定することと、
前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加え、前記体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加えることと、
前記累積体積−密度積(vρaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることとを特徴とする、方法。
【請求項24】
前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることが、流体移送終了信号の受信後に行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記流体の移送が気体混入のないものであるか否かを判定することが、前記前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較することと、前記振動応答が前記前もって決められた気体混入限界の条件を満足させない場合、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定することとを含んでいる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得することと、前記流体の移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得することと、前記気体混入移送時間(taerated)を前記総移送時間(total)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めることとをさらに含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得することと、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得することと、前記気体混入体積流量(vaerated)を前記総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めることとをさらに含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得することと、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−温度積(v)を累積体積−温度積(vTaccum)に加え、前記累積体積−温度積(vTaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めることとをさらに含んでいる、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換することをさらに含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記前もって決められた時間部分(t)における粘度(μ)を取得することと、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、前記累積体積−粘度積(vμaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)求めることとをさらに含んでいる、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記粘度(μ)を取得することが、外部の供給源から前記粘度(μ)を受け取ることを含んでいる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記粘度(μ)を取得することが、前記振動式フローメーターを用いて前記粘度(μ)を測定することを含んでいる、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記前もって決められた時間部(t)における粘度(μ)を取得することと、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加えることと、前記累積体積−粘度積(vμaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることと、前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換することとをさらに含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
移送最中の流体の流体定量化方法であって、
前記方法が、
前記流体の移送の前もって決められた時間部分(t)における体積流量(v)を測定することを含み、
前記測定が振動式フローメーターによって実行され、
前記方法が、
前記前もって決められた時間部分に(t)における粘度(μ)を取得することと、
前記流体の移送の前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものであるか否かを判定することと、
前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−粘度積(vμ)を累積体積−粘度積(vμaccum)に加え、前記体積流量(v)を累積体積流量(vaccum)に加えることと、
前記累積体積−粘度積(vμaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることとを特徴とする、方法。
【請求項35】
前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を求めることが、流体移送終了信号の受信後に行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記流体の移送が気体混入のないものであるか否かを判定することが、前記前もって決められた時間部分(t)の振動応答を前もって決められた気体混入限界と比較することと、前記振動応答が前記前もって決められた気体混入限界の条件を満足させない場合、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のあるものであると判定することとを含んでいる、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
気体混入のある時間部分を合計して気体混入移送時間(taerated)を取得することと、前記流体の移送の時間部分(t)をすべて合計して総移送時間(ttotal)を取得することと、前記気体混入移送時間(taerated)を前記総移送時間(total)で除算したものとして気体混入割合(taerated/ttotal)を求めることとさらに含んでいる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
気体混入のある体積流量(v)の値を合計して気体混入体積流量(vaerated)を取得することと、体積流量(v)の値をすべて合計して総体積流量(vtot)を取得することと、前記気体混入体積流量(vaerated)を前記総体積流量(vtot)で除算したものとして気体混入割合(vaerated/vtot)を求めることとをさらに含んでいる、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記前もって決められた時間部分(t)における温度(T)を取得することと、前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−温度積(v)を累積体積−温度積(vTaccum)に加えることと、前記累積体積−温度積(vTaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を求めることとをさらに含んでいる、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け粘度(μvol−weighted)を基準粘度値に変換することをさらに含んでいる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記前もって決められた時間部分(t)における密度(ρ)を前記振動式フローメーターが測定することと、
前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加えることと、
前記累積体積−密度積(vρaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることとをさらに含んでいる、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記前もって決められた時間部分(t)における密度(ρ)を前記振動式フローメーターが測定することと、
前記前もって決められた時間部分(t)が気体混入のないものである場合、体積−密度積(vρ)を累積体積−密度積(vρaccum)に加えることと、
前記累積体積−密度積(vρaccum)を前記累積体積流量(vaccum)で除算することにより、前記流体の移送における気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を求めることと、
前記気体混入のない体積重み付け温度(Tvol−weighted)を用いて、前記気体混入のない体積重み付け密度(ρvol−weighted)を基準密度値に変換することとをさらに含んでいる、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記粘度(μ)を取得することが、外部の供給源からの前記粘度(μ)を受け取ることを含んでいる、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
前記粘度(μ)を取得することが、前記振動式フローメーターを用いて前記粘度(μ)を測定することを含んでいる、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−533084(P2012−533084A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520632(P2012−520632)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/022758
【国際公開番号】WO2011/008308
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(500205770)マイクロ モーション インコーポレイテッド (38)
【Fターム(参考)】