説明

移送装置

【課題】より小さな所要スペースしか必要としない択一的な移送装置を提供する。
【解決手段】マンドレルホイール3と移送ホイール11とが、それぞれ互いに平行な回転軸線3’,11’を中心にして回転駆動されていて、その周辺の範囲にそれぞれ対象物1のための保持装置5,7を有しており、保持装置5と、マンドレルホイールの回転軸線との間隔が可変であり、マンドレルホイール3と移送ホイール11とは、対象物が搬送装置4から移送ホイール11を介して保持装置5へ引き渡され得るように互いに隣接して配置されており、移送ホイール11の保持装置7が、それぞれ移送旋回アーム12を介して旋回軸線13を中心にして旋回可能に取り付けられており、該旋回軸線が、移送ホイールの回転軸線11’に対して平行に延びており、さらに各保持装置7の旋回軸線13が、回転軸線11’に対して同一の不変の間隔を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンドレルホイールと移送ホイールとを備えた移送装置であって、マンドレルホイールと移送ホイールとが、それぞれ互いに平行な回転軸線を中心にして回転するように駆動されていて、その周辺の範囲にそれぞれ、印刷またはその他の加工を施したい対象物のための保持装置を有しており、該保持装置のうち、マンドレルホイールに設けられた保持装置と、マンドレルホイールの回転軸線との間隔が、所定の最小間隔と所定の最大間隔との間で可変であり、マンドレルホイールと移送ホイールとは、対象物が搬送装置から移送ホイールを介して、マンドレルホイールに設けられたそれぞれ1つの保持装置へ引き渡され得るように、あるいは逆にマンドレルホイールから移送ホイールを介して搬送装置へ引き渡され得るように互いに隣接し合って配置されている形式の移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移送したい対象物とは、たとえば缶またはその他の、底部を備えた円筒状の中空体である。
【0003】
このような移送装置は公知である。この移送装置のマンドレルホイールと移送ホイールとは、互いに隣接して配置されていて、その周辺の範囲に、印刷またはその他の加工を施したい対象物のための挿嵌マンドレル(挿嵌心棒)もしくは保持装置を有している。この場合、それぞれ挿嵌マンドレルはマンドレルホイールに結合されていて、保持装置は移送ホイールに結合されており、そして挿嵌マンドレルとマンドレルホイールの回転軸線との間隔は所定の最小値と所定の最大値との間で可変となる。
【0004】
加工したい対象物、たとえばエーロゾル缶、アルミニウム瓶または類似の中空体もしくは容器は、その加工の途中で複数の加工ステーションを通過する。とりわけ下塗り、印刷、装飾または上塗りを実施するこれらの加工ステーションに沿った搬送は、搬送装置を介して行われる。搬送装置としては、通常、連続的に運動するチェーンコンベヤが使用される。チェーンコンベヤは、固定の(間隔)ピッチT1を用いて互いに間隔を置いて配置された、側方に突出した保持ロッドを備えており、これらの保持ロッドが対象物を支持している。対象物が印刷ステーションに到達すると、対象物はチェーンコンベヤから第1の移送ホイールを介して、印刷ステーションに対応配置された、連続的に回転するマンドレルホイールへ置き換えられ、そして印刷過程が行われた後に、マンドレルホイールから第2の移送ホイールを介してチェーンコンベヤへ戻し案内されなければならない。マンドレルホイールはチェーンコンベヤのピッチT1とは異なる、通常ではより大きなピッチT2を有しており、このピッチT2は、挿嵌マンドレルの、印刷ステーションのために必要となる間隔(マンドレルホイールの周方向で測定した)によって規定される。互いに異なるピッチT1,T2に基づき、チェーンコンベヤとマンドレルホイールとにおいては対象物の搬送速度差が生ぜしめられ、したがって所定の引渡し区間に沿ったチェーンコンベヤからマンドレルホイールへの対象物の置換えの際および/またはマンドレルホイールからチェーンコンベヤへの対象物の置換えの際に、このような互いに異なるピッチT1,T2が補償されなければならない。このようなピッチ補償は、保持装置が移送ホイールに可動に支承されていて、挿嵌マンドレルがマンドレルホイールに可動に支承されていることにより達成される。
【0005】
欧州特許出願公開第1132207号明細書には、マンドレルホイールと移送ホイールとを備えた移送装置が記載されている。この移送装置では、保持装置と挿嵌マンドレルとが、ピッチ補償のためにそれぞれ直動案内装置を介して移送ホイールもしくはマンドレルホイールに取り付けられている。引渡し区間はこの場合、直線である。マンドレルホイールもしくは移送ホイールの回転軸線は、それぞれ引渡し区間からの等しい垂直間隔を有している。マンドレルホイールと移送ホイールとの間の引渡し区間に沿った共通の搬送速度は、マンドレルホイールおよび移送ホイールの、等しい回転数を有する駆動によって達成される。したがって、移送ホイールおよびマンドレルホイールに取り付けられた保持装置もしくは挿嵌マンドレルの個数は、必然的に等しくなる。
【0006】
公知先行技術による移送装置には、上で挙げた運動学的および構造的な特徴(直線−引渡し区間、等しい垂直間隔、等しい駆動回転数ならびに等しい数の保持装置もしくは挿嵌マンドレル)に基づき、移送ホイールとマンドレルホイールとが同様の大きさに形成されているという欠点がある。これにより、移送装置の構造上のコンパクト性が制限されてしまっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1132207号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、より小さな所要スペースしか必要としない択一的な移送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために本発明の構成では、マンドレルホイールと移送ホイールとが、それぞれ互いに平行な回転軸線を中心にして回転するように駆動されていて、その周辺の範囲にそれぞれ、印刷またはその他の加工を施したい対象物のための保持装置を有しており、該保持装置のうち、マンドレルホイールに設けられた保持装置と、マンドレルホイールの回転軸線との間隔が、所定の最小間隔と所定の最大間隔との間で可変であり、マンドレルホイールと移送ホイールとは、対象物が搬送装置から移送ホイールを介して、マンドレルホイールに設けられたそれぞれ1つの保持装置へ引き渡され得るように、あるいは逆にマンドレルホイールから移送ホイールを介して搬送装置へ引き渡され得るように互いに隣接し合って配置されており、移送ホイールに設けられた保持装置が、それぞれ移送旋回アームを介して旋回軸線を中心にして旋回可能に取り付けられており、該旋回軸線が、移送ホイールの回転軸線に対して平行に延びており、さらに各保持装置の前記旋回軸線が、移送ホイールの回転軸線に対して同一の不変の間隔を有しているようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明における解決手段は、移送ホイールにおける保持装置の、主として接線方向に可動である取付け部が、移送ホイールからマンドレルホイールへの対象物の引渡しおよび逆にマンドレルホイールから移送ホイールへの対象物の引渡しのために必要となる、引渡し範囲における各保持装置の間隔ピッチの補償調整を、接線方向の補償運動によって可能にするという認識を包含している。このために設けられた旋回アームは、このような補償運動を、主として接線方向において実現するための実行可能な手段(たとえ唯一の手段ではないにしても)を成しており、これによって移送ホイールにおける角度ピッチのそれぞれ目下の変更によって間隔ピッチの補償調整を可能にする。
【0011】
したがって、本発明の解決手段には、移送ホイールとマンドレルホイールとの間の引渡し区間に沿ったピッチ補償を、移送ホイールの移送旋回アームの接線方向相対運動によって得ることができるという利点がある。これによって、移送ホイールをマンドレルホイールよりも著しく小さく構成することができる。このことは、搬送装置の特にコンパクトな構成をもたらす。
【0012】
本発明の解決手段は、別の有利な構成により補填することができる。このような構成の幾つかを以下に記載する。
【0013】
すなわち、移送ホイールに設けられた保持装置と、移送ホイールの回転軸線との最大間隔が、マンドレルホイールに設けられた挿嵌マンドレル(挿嵌心棒)とマンドレルホイールの回転軸線との最小間隔よりも小さく形成されていてよい。
【0014】
別の有利な構成では、移送装置の特にスペース節約的な構造のために、移送ホイールに設けられた保持装置の数が、マンドレルホイールに設けられた挿嵌マンドレルの数よりも少なく設定されていてよい。移送ホイールに設けられた保持装置の数が少ないことにより、圧縮空気もしくは真空の消費低減が得られる。
【0015】
最適なスペース利用を得るために、本発明による移送装置の別の有利な構成では、移送ホイールに設けられた移送旋回アームの旋回軸線が、移送ホイールの回転軸線を中心にして描いた円に沿って均一に分配されていてよい。
【0016】
別の有利な構成では、マンドレルホイールに設けられた保持装置が、それぞれ1つのマンドレル旋回アームを介してこのマンドレルホイールに結合されており、該マンドレル旋回アームの旋回軸線が、マンドレルホイールの回転軸線に対して平行に延びており、マンドレルホイールに設けられた各挿嵌マンドレルに関してマンドレル旋回アームの旋回軸線が、マンドレルホイールの回転軸線に対して同一の不変の間隔を有しており、ただしマンドレルホイールに設けられたマンドレル旋回アームは、マンドレル旋回アームに取り付けられた挿嵌マンドレルの、マンドレルホイールの回転軸線に対する最小間隔と最大間隔との間での所定の円案内軌道に沿った該保持装置の運動を生ぜしめかつ可能にするようになっていて、ひいては主として半径方向における運動を生ぜしめかつ可能にするようになっている。
【0017】
製作技術的な理由から、マンドレルホイールに設けられた保持装置はそれぞれ直動案内装置に取り付けられていると有利になり得る。択一的な構成では、マンドレルホイールに設けられた保持装置が、それぞれ直動案内装置に取り付けられており、該直動案内装置の長手方向軸線が、マンドレルホイールの回転軸線に対して直交する横方向に延びており、マンドレルホイールに設けられ前記直動案内装置は、該直動案内装置に取り付けられた保持装置の、マンドレルホイールの回転軸線に対する最小間隔と最大間隔との間での所定の直動案内軌道に沿った該保持装置の運動を生ぜしめかつ可能にするようになっている。
【0018】
さらに別の特に有利な構成では、移送ホイールに設けられた、対象物を放出する保持装置と、マンドレルホイールに設けられた、対象物を受け取る保持装置とが、所定の引渡し範囲において、1つの共通の軌道曲線区分を通過するようになっている。この共通の軌道曲線区分は、引渡し区間もしくは同伴区間を描く。この共通の軌道曲線区分は等しい軌道速度で通過される。一緒に通過するこの軌道曲線区分は円軌道状または近似的に円軌道状に形成されている。この構成では、移送ホイールをマンドレルホイールの近傍に配置することができる。このことは、移送装置の特にコンパクトな構造を可能にする。
【0019】
さらに別の有利な構成では、当該移送装置が制御手段を有しており、該制御手段により、移送ホイールに設けられた、対象物を放出する保持装置と、マンドレルホイールに設けられた、対象物を受け取る保持装置とが、所定の引渡し範囲において、同じ軌道速度で1つの共通の軌道曲線区分を通過するようになっており、ただし該軌道曲線区分は円軌道状または近似的に円軌道状に形成されている。
【0020】
特に頑丈な制御部を達成するためには、移送ホイールに、第1のフレーム固定の制御カムが対応配置されており、移送ホイールの移送旋回アームにそれぞれ1つの制御カムフォロアが対応配置されていてよい。この場合、前記第1のフレーム固定の制御カムと前記制御カムフォロアとは、移送ホイールの回転軸線を中心とした移送ホイールの回転によって、移送ホイールの回転軸線を中心にして閉じられた保持装置軌道に沿った、移送旋回アームに取り付けられた保持装置の運動を生ぜしめる。
【0021】
また、マンドレルホイールにも、有利には第2のフレーム固定の制御カムが対応配置されており、マンドレルホイールのマンドレル旋回アームにそれぞれ1つの制御カムフォロアが対応配置されていてよい。この場合、前記第2のフレーム固定の制御カムと前記制御カムフォロアとは、マンドレルホイールの回転軸線を中心としたマンドレルホイールの回転によって、マンドレルホイールの回転軸線を中心として閉じられた挿嵌マンドレル軌道に沿った、マンドレル旋回アームに取り付けられた保持装置の運動を生ぜしめる。
【0022】
さらに別の有利な構成では、移送ホイールに設けられた保持装置および/またはマンドレルホイールに設けられた保持装置が、対象物を真空によって吸引し、かつ/または圧縮空気によって突き離すように構成されていてよい。
【0023】
移送装置の廉価でかつ保守の少ない構成を得るためには、移送ホイールに設けられた保持装置が、圧縮空気/真空を供給するために形成されている各1つの開口を有していてよい。この思想に従って、マンドレルホイールに設けられた保持装置が、圧縮空気/真空を供給するために形成されている各1つの開口を有していてよい。この開口は孔または圧縮空気/真空を供給するために適した別の切欠きとして形成されていてよい。
【0024】
さらに別の特に有利な構成では、移送ホイールに設けられた保持装置に対する圧縮空気および/または真空の供給が、保持装置の各旋回軸線を介して行われ得る。同じく、マンドレルホイールに設けられた保持装置に対する圧縮空気/真空供給も、それぞれ保持装置の旋回軸線もしくは旋回支点を介して行われ得る。移送ホイールに設けられた保持装置および/またはマンドレルホイールに設けられた保持装置の旋回軸線もしくは旋回支点を介して行われる圧縮空気/真空供給は、曲げ負荷されたホースが必要とならない点で有利である。
【0025】
さらに別の有利な構成では、移送ホイールに設けられた保持装置が、それぞれ該保持装置の旋回軸線に対して平行に延びる軸線に沿って可動に支承されていてよい。さらに別の有利な構成では、当該移送装置が推動制御手段を有していてよい。この推動制御手段は、移送ホイールに設けられた保持装置をそれぞれ、該保持装置の旋回軸線に対して平行に延びる軸線に沿って変位させるようになっている。この場合、変位量は、移送ホイールの回転角度に関連していてよい。移送ホイールに設けられた各保持装置の変位の最小量は、実質的に、挿嵌された対象物の挿嵌軸線に沿った対象物の長さに関連している。
【0026】
さらに別の択一的な構成では、マンドレルホイールに第3のフレーム固定の制御カムが対応配置されており、マンドレルホイールの直動案内装置にそれぞれ1つの制御カムフォロアが対応配置されており、前記第3のフレーム固定の制御カムと前記制御カムフォロアとが、マンドレルホイールの回転軸線を中心としたマンドレルホイールの回転によって、マンドレルホイールの回転軸線を中心にして閉じられた軌道に沿った、前記直動案内装置に取り付けられた保持装置の運動を生ぜしめるようになっている。
【0027】
さらに別の特に有利な構成では、当該移送装置が2つの移送ホイールを有していてよい。第1の移送ホイールは、加工したい対象物を搬送装置からマンドレルホイールへ引き渡すために働き、この場合、マンドレルホイールは加工ステーションに対応配置されており、第2の移送ホイールは、この後に加工された対象物をマンドレルホイールから搬送装置へ戻すために働く。
【0028】
以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。本発明の種々異なる特徴ならびに上で説明した構成は、任意に互いに組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】移送ホイールが移送旋回アームを有していて、マンドレルホイールがマンドレル旋回アームを有している本発明に係る移送装置の例示的な1つの実施の形態の概略図である。
【図2】図1に示した本発明に係る移送装置の例示的な実施の形態の運動機構的な関係を明示するための概略図である。
【図3】移送旋回アームの旋回運動とマンドレル旋回アームの旋回運動とによるピッチ補償に関する、図2に示した例示的な実施の形態の詳細図である。
【図4】2つの移送ホイールを備えた本発明に係る移送装置の例示的な1つの実施の形態の概略図である。
【図5a】引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第1の運動段階の瞬間図である。
【図5b】引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第2の運動段階の瞬間図である。
【図5c】引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第3の運動段階の瞬間図である。
【図5d】引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第4の運動段階の瞬間図である。
【図6】移送ホイールが移送旋回アームを有していて、マンドレルホイールが直動案内装置を有している本発明に係る別の移送装置の例示的な1つの実施の形態の概略図である。
【図7】移送旋回アームの旋回運動と直動案内装置の直動とによるピッチ補償に関する、図5に示した例示的な実施の形態の詳細図である。
【図8a】引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第1の運動段階の瞬間図である。
【図8b】引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第2の運動段階の瞬間図である。
【図8c】引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第3の運動段階の瞬間図である。
【図9a】別の択一的な変化形態の引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第1の運動段階の瞬間図である。
【図9b】別の択一的な変化形態の引渡し範囲での移送保持装置と挿嵌マンドレルとの第2の運動段階の瞬間図である。
【図10】圧縮空気/真空を供給するために形成された開口を備えた挿嵌マンドレルの概略図である。
【図11】受け取られた対象物を備えた搬送装置の概略図である。
【図12】1つのマンドレル旋回アームの概略的な側面図である。
【図13】移送保持装置を軸方向に運動させるための行程カムの第1の配置形態を概略的に示す図である。
【図14】移送保持装置を軸方向に運動させるための行程カムの有利な第2の配置形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0031】
図1に示した移送装置2は、マンドレルホイール3と移送ホイール11とを有していて、対象物1をマンドレルホイール3から移送ホイール11を介して搬送装置4に引き渡すために働く。マンドレルホイール3は回転軸線3’を中心にして回転するように駆動されており、移送ホイール11は回転軸線11’を中心にして回転するように駆動されている。両回転軸線3’,11’は互いに平行に位置している。マンドレルホイール3の周辺の範囲には、挿嵌マンドレル(挿嵌心棒)5の形の複数の保持装置が配置されており、移送ホイール11の周辺の範囲には、移送保持装置7としての複数の保持装置が配置されている。移送ホイール11に設けられた移送保持装置7の数(具体的には12個)は、マンドレルホイール3に設けられた挿嵌マンドレル5の数(具体的には24個)よりも少なく設定されている。マンドレルホイール3の図示の区分には、9個の挿嵌マンドレル5を認めることができる。移送保持装置7は移送ホイール11にそれぞれ移送旋回アーム12を介して結合されており、挿嵌マンドレル5はマンドレルホイール3にそれぞれマンドレル旋回アーム19を介して結合されている。移送旋回アーム12の旋回軸線13は、それぞれ移送ホイール11の回転軸線11’に対して平行に延びている。移送保持装置7の各々に関して、旋回軸線13は回転軸線11’に対して同一の不変の間隔を有していて、この回転軸線11’を中心にして描いた1つの円に均一に分配されている。マンドレル旋回アーム19の旋回軸線16は、それぞれマンドレルホイール3の回転軸線3’に対して平行に延びている。各マンドレル旋回アーム19に対応配置された旋回軸線16は、回転軸線3’に対して同一の不変の間隔を有していて、この回転軸線3’を中心にして描いた1つの円に均一に分配されている。移送旋回アーム12の、旋回軸線13に位置する旋回点と、移送保持装置7の、孔として形成された1つの開口24とを介して、圧縮空気と真空とが供給される。挿嵌マンドレル5に対する圧縮空気/真空供給は、マンドレル旋回アーム19の、旋回軸線16に位置する旋回点と、挿嵌マンドレル5の、孔として形成された1つの開口23とを介して行われる。
【0032】
図示の理由から、図2〜図6には、挿嵌マンドレル5と移送保持装置7とが、それぞれ「+」の記号に集約して示してある。
【0033】
図2に示した移送装置2は、同じ実施の形態である限り、図1に示した移送装置2と同じ構造的な特徴を有している。機能的な違いは、図1に示した移送装置2が、対象物1をマンドレルホイール3から搬送装置4に引き渡すために使用されるのに対して、図2に示した移送装置2は、対象物1を搬送装置4からマンドレルホイール3に引き渡すために使用される点にしかない。したがって、以下に図2および図3に相俟って説明する運動機構的な関係は、図1に示した移送装置2にも類似して当てはまる。
【0034】
図2に示した移送装置2は、マンドレルホイール3と移送ホイール11とを有している。マンドレルホイール3は回転軸線3’を中心にして回転方向D1に回転するように駆動されており、移送ホイール11は回転軸線11’を中心にして回転方向D2に回転するように駆動されている。回転方向D1は回転方向D2に対して逆向きである。チェーンコンベヤとして形成された搬送装置4は、この搬送装置4により所定の(間隔)ピッチT1を置いて受け取られた対象物1を連続的に所定の搬送速度Fで移送ホイール11に沿って搬送する。搬送装置4が移送ホイール11に密着するポイント以降、それぞれ1つの移送保持装置7による各対象物1の吸引が行われる。このために必要となる真空は、移送保持装置7の旋回軸線13と、移送保持装置7に設けられた孔として形成された開口24とを介して提供される。吸引工程の開始時には、まず、チェーンコンベヤ4の保持ロッド4’に完全に「差し被せられた」対象物1(図11参照)が保持ロッド4’から引き抜かれる。このためには、移送保持装置7が、その旋回軸線13に対して平行に延びる軸線に沿って可動に支承されていて、推動制御手段によって相応に変位させられる(図示せず)。移送保持装置7の、対象物1を完全に引き抜くために必要となる変位量は、対象物1とチェーンコンベヤ4の保持ロッド4’との重なり長さによって設定されている。移送保持装置7の変位は推動制御手段により、移送保持装置7の初期位置を起点として、対象物1を移送ホイール11を周回するように前進させる間に、しかし、遅くとも密着範囲の終端部に到達するまでに生ぜしめられる。これに続く搬送段階では、対象物1が引渡し区間に接近させられる。この引渡し区間は1つの共通の軌道曲線区分6によって規定されている。この軌道曲線区分6では、移送保持装置7から、これに対応する挿嵌マンドレル5への対象物1の引渡しが行われるかまたは逆に挿嵌マンドレル5から、これに対応する移送保持装置7への対象物1の引渡しが行われる。両回転軸線3’,11’の間隔は、共通の軌道曲線区分6と1つの点Pで交差している。この点Pとマンドレルホイール3の回転軸線3’との間の間隔の長さが、挿嵌マンドレル5とマンドレルホイール3の回転軸線3’との最小間隔Aを成している。相応して、点Pと移送ホイール11の回転軸線11’との間の間隔の長さによって、移送保持装置7と移送ホイール11の回転軸線11’との最大間隔Bが規定されている。移送保持装置7と移送ホイール11の回転軸線11’との最大間隔Bは、挿嵌マンドレル5とマンドレルホイール3の回転軸線3’との最小間隔Aよりも小さく設定されている。すでに図1に相俟って説明したように、移送ホイール11の周囲には、12個の移送保持装置7が環状に配置されており、マンドレルホイール3の周囲には、24個の挿嵌マンドレル5が環状に配置されている。したがって、2つの隣り合った移送保持装置7の各旋回軸線13と頂点としての回転軸線11’を通る2直線の成す角度、即ち、移送ホイール角度の大きさは30゜となる。類似して、2つの隣り合った挿嵌マンドレル5の各旋回軸線16と頂点としての回転軸線3’を通る2直線の成す角度、即ち、マンドレルホイール角度は15゜となる。したがって、軌道曲線区分6により規定された引渡し区間の範囲では、それぞれ15゜のコンスタントなマンドレルホイール角度と30゜のコンスタントな移送ホイール角度とが向かい合っている。これによって、1:2の変速比が得られる。基本的には、類似して形成された搬送装置が別の変速比を実現することもできる。マンドレルホイール3にマンドレル旋回アーム19を介して結合された挿嵌マンドレル5はその旋回軸線16を中心にして円案内軌道9に沿って可動であり、移送ホイール11に移送旋回アーム12を介して結合された移送保持装置7はその旋回軸線13を中心にして可動である。挿嵌マンドレル5の旋回運動と移送保持装置7の接線方向相対運動との重畳によって、挿嵌マンドレル5と移送保持装置7とが同軸的に対を成して共通の円軌道状の軌道曲線区分6を通過することが達成される。これによって、T2に対するT1のピッチ補償が保証されている。移送保持装置7の接線方向相対運動は、移送ホイール11に第1のフレーム固定の制御カム14が対応配置されていて、移送ホイール11の回転時に第1のフレーム固定の制御カム14に従動する制御カムフォロア21に各移送旋回アーム12がそれぞれ結合されていることによって生ぜしめられる。これによって、移送旋回アーム12に取り付けられた移送保持装置7の相対位置が、移送ホイール11の回転角度に関連して不変に規定されている。また、挿嵌マンドレル5の旋回運動も同じく、マンドレルホイール3に第2のフレーム固定の制御カム15が対応配置されていて、マンドレルホイール3の回転時に第2のフレーム固定の制御カム15に従動する制御カムフォロア22に各マンドレル旋回アーム19がそれぞれ結合されていることによって生ぜしめられる。これによって、マンドレル旋回アーム19に取り付けられた挿嵌マンドレル5の相対位置が、マンドレルホイール3の回転角度に関連して不変に規定されている。移送保持装置7から挿嵌マンドレル5への対象物1の引渡しを実行するためには、この対象物1が、円軌道状の軌道曲線区分6の通過の間に挿嵌マンドレル5に被せ嵌められる。このことは、旋回軸線13に対して平行に延びる軸線に沿って可動に支承された移送保持装置7が推動制御手段により、密着範囲の終端部への到達までに占められた変位位置から、より挿嵌マンドレル5に近い位置にもたらされることによって生ぜしめられる。この時点以降、移送保持装置7の開口24を通して提供された真空の遮断が行われ、挿嵌マンドレル5による各対象物1の吸引が開始される。このために必要となる真空は、挿嵌マンドレル5の旋回軸線16と、挿嵌マンドレル5に設けられた孔として形成された開口23とを介して提供される。
【0035】
図2に相俟って説明した、共通の軌道曲線区分6により規定された引渡し範囲が、図3に詳細図で示してある。一般性を限定するのではなく、図示の理由から、各2つの移送保持装置7もしくは各2つの挿嵌マンドレル5だけが示してある。したがって、図示の移送ホイール角度は60゜であり、マンドレルホイール角度は30゜である。(回転軸線3’を頂点としてマンドレルホイール角度を成す2直線により示唆された)マンドレルホイール3にマンドレル旋回アーム19を介して結合された挿嵌マンドレル5はその旋回軸線16を中心にして円案内軌道9に沿って可動であり、移送ホイール11に移送旋回アーム12を介して結合された移送保持装置7はその旋回軸線13を中心にして可動である。挿嵌マンドレル5の旋回運動と移送保持装置7の接線方向相対運動との重畳によって、挿嵌マンドレル5と移送保持装置7とが同軸的に対を成して共通の円軌道状の軌道曲線区分6を通過することが達成される。
【0036】
図4に示した移送装置2は2つの同一の移送ホイール11、つまり、加工したい対象物1を搬送装置4からマンドレルホイール3に引き渡すための第1の移送ホイール11と、加工された対象物1をマンドレルホイール3から搬送装置4に引き渡すための第2の移送ホイール11とを有している。図1〜図3に相俟った図面の説明が類似して当てはまる。移送ホイール11には、それぞれ1つの第1のフレーム固定の制御カム14が対応配置されている。移送ホイール11の移送旋回アーム12は、それぞれ制御カムフォロア21に結合されており、これによって、第1のフレーム固定の制御カム14と制御カムフォロア21とが、回転軸線11’を中心にした移送ホイール11の回転によって、回転軸線11’を中心にして閉じられた保持装置軌道18に沿った、移送旋回アーム12に取り付けられた保持装置7の運動を生ぜしめるようになっている。さらに、マンドレルホイール3には、第2のフレーム固定の制御カム15が対応配置されている。マンドレルホイール3の各マンドレル旋回アーム19は、それぞれ制御カムフォロア22に結合されており、これによって、第2のフレーム固定の制御カム15と制御カムフォロア22とが、回転軸線3’を中心にしたマンドレルホイール3の回転によって、回転軸線3’を中心にして閉じられた挿嵌マンドレル軌道17に沿った、各マンドレル旋回アーム19に取り付けられた挿嵌マンドレル5の運動を生ぜしめるようになっている。
【0037】
図5a〜図5dには、3つの瞬間図において、1つには、制御カムフォロア21が移送ホイール11の第1のフレーム固定の制御カム14に対してどのように転動して、移送旋回アーム12を引渡し範囲でどのように運動させるのかが示してあり、もう1つには、制御カムフォロア22がマンドレルホイール3の第2のフレーム固定の制御カム15に対してどのように転動して、相応のマンドレル旋回アーム19を引渡し範囲でどのように運動させるのかが示してある。それぞれ、ただ1つの制御カムフォロアと、これに対応する旋回アームだけが図示してある。また、フレーム固定の制御カム14,15は部分的にしか図示していない。
【0038】
図5aには、まず、移送旋回アーム12に設けられた移送保持装置7が、マンドレル旋回アーム19に設けられた挿嵌マンドレル5からどのように遠ざけられているのかが示してある。図5bには、移送保持装置7の軌道曲線と挿嵌マンドレル5の軌道曲線とが、図5bに示した瞬間と図5cに示した瞬間との間で共通の軌道曲線区分6において重なっていることが示してある。最後、図5dには、移送保持装置7と挿嵌マンドレル5とが最終的に再び互いにどのように遠ざけられているのかが示してある。
【0039】
図6に示した択一的な移送装置2の実施の形態では、図2に示した実施の形態と異なり、挿嵌マンドレル5が、それぞれ直動案内装置9’に取り付けられている。各直動案内装置9’の長手方向軸線は、マンドレルホイール3の回転軸線3’に対して横方向に延びている。マンドレルホイール3に設けられた直動案内装置9’によって、この直動案内装置9’により規定された直動案内軌道に沿った、回転軸線3’に対する最小間隔Aと最大間隔との間での、直動案内装置9’に取り付けられた挿嵌マンドレル5の運動が可能となる。両回転軸線3’,11’の間隔は、共通の軌道曲線区分6と1つの点Pで交差している。この点Pとマンドレルホイール3の回転軸線3’との間の間隔の長さが、挿嵌マンドレル5とマンドレルホイール3の回転軸線3’との最小間隔Aを成している。相応して、点Pと移送ホイール11の回転軸線11’との間の間隔の長さによって、移送保持装置7と移送ホイール11の回転軸線11’との最大間隔Bが規定されている。移送保持装置7と移送ホイール11の回転軸線11’との最大間隔Bは、挿嵌マンドレル5とマンドレルホイール3の回転軸線3’との最小間隔Aよりも小さく設定されている。この択一的な実施の形態では、マンドレルホイール3に第3のフレーム固定の制御カムが対応配置されている(図示せず)。マンドレルホイール3の直動案内装置9’は、それぞれ制御カムフォロアに結合されており、これによって、第3のフレーム固定の制御カムと制御カムフォロアとが、回転軸線3’を中心にしたマンドレルホイール3の回転によって、回転軸線3’を中心にして閉じられた挿嵌マンドレル軌道に沿った、直動案内装置9’に取り付けられた挿嵌マンドレル5’の運動を生ぜしめるようになっている。挿嵌マンドレル5の直動案内運動と移送保持装置7の接線方向相対運動との重畳によって、挿嵌マンドレル5と移送保持装置7とが同軸的に対を成して共通の円軌道状の軌道曲線区分6を通過することが達成される。移送保持装置7の接線方向相対運動は、移送ホイール11に第1のフレーム固定の制御カム14が対応配置されていて、移送ホイール11の回転時に第1のフレーム固定の制御カム14に従動する制御カムフォロア21に各移送旋回アーム12がそれぞれ結合されていることによって生ぜしめられる。これによって、T2に対するT1のピッチ補償が保証されている。
【0040】
図7には、移送旋回アーム12の旋回運動と直動案内装置9’の直動とによるピッチ補償に関する、図6に示した一例としての実施の形態の詳細が示してある。一般性を限定するのではなく、図示の理由から、移送保持装置7もしくは挿嵌マンドレル5の中間位置が示してある。図3に示した運動機構との比較を容易にするために、移送ホイール角度は60゜で示してあり、マンドレルホイール角度は30゜で示してある。(回転軸線3’を頂点としてマンドレルホイール角度を成す2直線により示唆された)マンドレルホイール3に直動案内装置9’を介して結合された挿嵌マンドレル5はその直動案内軌道(この直動案内軌道は直動案内装置9’に合致して延びている)に沿って可動であり、移送ホイール11に移送旋回アーム12を介して結合された移送保持装置7はその旋回軸線13を中心にして可動である。挿嵌マンドレル5の直動案内運動と移送保持装置7の接線方向相対運動との重畳によって、挿嵌マンドレル5と移送保持装置7とが同軸的に対を成して共通の円軌道状の軌道曲線区分6を通過することが達成される。
【0041】
図8a〜図8cには、3つの瞬間図において、図6および図7に示した実施の形態に関して、挿嵌マンドレル5と移送保持装置7とが1つの共通の軌道曲線区分6をどのように通過するのかが示してある。特に図8a〜図8cには、第3のフレーム固定の制御カム15の区分と、これに対応する制御カムフォロア22とが示してある。第3のフレーム固定の制御カム15と制御カムフォロア22とは共に、各直動案内装置9’に沿った挿嵌マンドレル5の線形の変位を発生させる。図5a〜図5dに類似して、移送保持装置7の位置が、対応する第1のフレーム固定の制御カム14と、この制御カム14に対して転動する制御カムフォロア21とによって同時に制御される。この制御カムフォロア21は各移送旋回アーム12を介して相応の移送保持装置7に結合されている。
【0042】
別の択一的な変化形態は、マンドレルホイールだけでなく移送ホイールもそれぞれ直動案内装置を有する形態を含んでいる。このことは、すでに公知先行技術に基づき公知である。また、基本的には、各旋回アームと、各制御カムと、各制御カムフォロアとが異なって形成された、マンドレルホイールと移送ホイールとの別の変化形態も可能である。これに対する一例が図9に示してある。移送ホイールに直動案内装置が設けられていて、マンドレルホイールに旋回アームが設けられていることも基本的には可能である。
【0043】
図10に示した各挿嵌マンドレル5は、圧縮空気/真空を供給するために形成された孔として形成された1つの開口23を有している。
【0044】
図11に示した搬送装置4は、チェーンコンベヤとして形成されていて、保持ロッド4’により所定のピッチT1を置いて受け取られた対象物1を所定の搬送速度Fで搬送する。
【0045】
最後、図12には、マンドレル旋回アーム19の概略的な側面図が示してある。旋回軸線は一点鎖線で記入してある。認めることができるように、マンドレル旋回アーム19は、互いに軸方向の区分に配置された2つの旋回軸受け30,31を有している。マンドレル旋回アーム19は、このマンドレル旋回アーム19の、各挿嵌マンドレル5を配置した自由端部32が、旋回軸受け31に対して所定の軸方向の間隔を有しているようにクランク状に折り曲げられて形成されている。マンドレル旋回アーム19のこのクランク状に折り曲げられた配置によって、マンドレル旋回アーム19をより密に連続してマンドレルホイール3の全周にわたって分配することができる。このことは、図1および図2に示してある。さらに、マンドレル旋回アーム19の制御カムフォロア22は、マンドレル旋回アーム19の、挿嵌マンドレル5を取り付けた自由端部32と同じ旋回軸線側に位置している。こうして、制御カムフォロア22と挿嵌マンドレル5との間に形成されるモーメントひいてはマンドレル旋回アーム19の相応の変形が可能な限り小さく保たれる。
【0046】
図13および図14には、極めて概略的に行程カム40の2つの択一的な配置形態が示してある。この行程カム40によって、移送保持装置7をその長手方向に運動させることができ、これによって、物体が各挿嵌マンドレル5によって受け取られるかもしくは各挿嵌マンドレル5に被せ嵌められる。
【0047】
図13には、公知先行技術が示してある。この公知先行技術では、相応の行程カムがそれぞれ移送保持装置の間に配置されている。行程カムの軌道は規定の傾きを上回ってはならないので、行程カムは、規定の行程を生ぜしめたい場合、必然的に規定の最小直径も有している。これは、移送ホイールが、図13に示した形態では、結果的に比較的大きな直径を有していることに起因している。なぜならば、移送保持装置が行程カム40の外部に配置されているからである。
【0048】
図14には、有利な形態が示してある。この有利な形態では、行程カムが移送保持装置の間に配置されておらず、移送ホイールの駆動方向において移送保持装置に対して軸方向にずらされて配置されている。こうして、移送ホイールの直径と、この移送ホイールに設けられた移送保持装置の昇降のための対応する行程カムの直径とを互いに独立して選択することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 対象物
2 移送装置
3 マンドレルホイール
3’ 回転軸線
4 搬送装置
4’ 保持ロッド
5 挿嵌マンドレル
6 軌道曲線区分
7 移送保持装置
9 円案内軌道
9’ 直動案内装置
11 移送ホイール
11’ 回転軸線
12 移送旋回アーム
13 旋回軸線
14 第1のフレーム固定の制御カム
15 第2または第3のフレーム固定の制御カム
16 旋回軸線
17 挿嵌マンドレル軌道
18 保持装置軌道
19 マンドレル旋回アーム
21 制御カムフォロア
22 制御カムフォロア
23 開口
24 開口
30 旋回軸受け
31 旋回軸受け
32 自由端部
40 行程カム
A 最小間隔
B 最大間隔
D1 回転方向
D2 回転方向
F 搬送速度
P 点
T1 ピッチ
T2 ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンドレルホイール(3)と移送ホイール(11)とを備えた移送装置(2)であって、マンドレルホイール(3)と移送ホイール(11)とが、それぞれ互いに平行な回転軸線(3’,11’)を中心にして回転するように駆動されていて、その周辺の範囲にそれぞれ、印刷またはその他の加工を施したい対象物(1)のための保持装置(5,7)を有しており、該保持装置のうち、マンドレルホイール(3)に設けられた保持装置(5)と、マンドレルホイール(3)の回転軸線との間隔が、所定の最小間隔(A)と所定の最大間隔との間で可変であり、マンドレルホイール(3)と移送ホイール(11)とは、対象物(1)が搬送装置(4)から移送ホイール(11)を介して、マンドレルホイール(3)に設けられたそれぞれ1つの保持装置(5)へ引き渡され得るように、あるいは逆にマンドレルホイール(3)から移送ホイール(11)を介して搬送装置(4)へ引き渡され得るように互いに隣接し合って配置されている形式の移送装置において、移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)が、それぞれ移送旋回アーム(12)を介して旋回軸線(13)を中心にして旋回可能に取り付けられており、該旋回軸線(13)が、移送ホイール(11)の回転軸線(11’)に対して平行に延びており、さらに各保持装置(7)の前記旋回軸線(13)が、移送ホイール(11)の回転軸線(11’)に対して同一の不変の間隔を有していることを特徴とする移送装置。
【請求項2】
移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)と、移送ホイール(11)の回転軸線(11’)との最大間隔(B)が、マンドレルホイール(3)に設けられた保持装置(5)とマンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)との最小間隔(A)よりも小さく形成されている、請求項1記載の移送装置。
【請求項3】
移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)の数が、マンドレルホイール(3)に設けられた保持装置(5)の数よりも少なく設定されている、請求項1または2記載の移送装置。
【請求項4】
移送ホイール(11)に設けられた移送旋回アーム(12)の旋回軸線(13)が、移送ホイール(11)の回転軸線(11’)を中心にして描いた円に沿って均一に分配されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の移送装置。
【請求項5】
マンドレルホイール(3)の保持装置(5)が、それぞれ1つのマンドレル旋回アーム(19)を介してマンドレルホイール(3)に結合されており、該マンドレル旋回アーム(19)の旋回軸線(16)が、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)に対して平行に延びており、マンドレルホイール(3)に設けられた各保持装置(5)のマンドレル旋回アーム(19)の旋回軸線(16)が、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)に対して同一の不変の間隔を有しており、ただしマンドレルホイール(3)に設けられたマンドレル旋回アーム(19)は、マンドレル旋回アーム(19)に取り付けられた保持装置(5)の、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)に対する最小間隔(A)と最大間隔との間での所定の円案内軌道(9)に沿った該保持装置(5)の運動を生ぜしめかつ可能にするようになっている、請求項1から4までのいずれか1項記載の移送装置。
【請求項6】
マンドレルホイール(3)に設けられた保持装置(5)が、それぞれ直動案内装置に取り付けられており、該直動案内装置の長手方向軸線が、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)に対して直交する横方向に延びており、マンドレルホイール(3)に設けられ前記直動案内装置は、該直動案内装置に取り付けられた保持装置(5)の、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)に対する最小間隔(A)と最大間隔との間での所定の直動案内軌道(9’)に沿った該保持装置(5)の運動を生ぜしめかつ可能にするようになっている、請求項1から4までのいずれか1項記載の移送装置。
【請求項7】
移送ホイール(11)に設けられた、対象物(1)を放出する保持装置(7)と、マンドレルホイール(3)に設けられた、対象物(1)を受け取る保持装置(5)とが、所定の引渡し範囲において、同じ軌道速度で1つの共通の軌道曲線区分(6)を通過するようになっており、ただし一緒に通過する該軌道曲線区分(6)は円軌道状または近似的に円軌道状に形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の移送装置。
【請求項8】
制御手段が設けられており、該制御手段により、移送ホイール(11)に設けられた、対象物(1)を放出する保持装置(7)と、マンドレルホイール(3)に設けられた、対象物(1)を受け取る保持装置(5)とが、所定の引渡し範囲において、同じ軌道速度で1つの共通の軌道曲線区分(6)を通過するようになっており、ただし該軌道曲線区分(6)は円軌道状または近似的に円軌道状に形成されている、請求項1から7までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項9】
移送ホイール(11)に、第1のフレーム固定の制御カム(14)が対応配置されており、移送ホイール(11)の移送旋回アーム(12)にそれぞれ1つの制御カムフォロア(21)が対応配置されており、前記第1のフレーム固定の制御カム(14)と前記制御カムフォロア(21)とが、移送ホイール(11)の回転軸線(11’)を中心とした移送ホイール(11)の回転によって、移送ホイール(11)の回転軸線(11’)を中心にして閉じられた保持装置軌道(18)に沿った、移送旋回アーム(12)に取り付けられた保持装置(7)の運動を生ぜしめるようになっている、請求項1から8までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項10】
マンドレルホイール(3)に、第2のフレーム固定の制御カム(15)が対応配置されており、マンドレルホイール(3)のマンドレル旋回アーム(19)にそれぞれ1つの制御カムフォロア(22)が対応配置されており、前記第2のフレーム固定の制御カム(15)と前記制御カムフォロア(22)とが、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)を中心としたマンドレルホイール(3)の回転によって、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)を中心として閉じられた挿嵌マンドレル軌道(17)に沿った、マンドレル旋回アーム(19)に取り付けられた保持装置(5)の運動を生ぜしめるようになっている、請求項1から9までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項11】
マンドレルホイール(3)に第2のフレーム固定の制御カム(15)が対応配置されており、マンドレルホイール(3)の直動案内装置(9’)にそれぞれ1つの制御カムフォロア(22)が対応配置されており、前記第2のフレーム固定の制御カム(15)と前記制御カムフォロア(22)とが、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)を中心としたマンドレルホイール(3)の回転によって、マンドレルホイール(3)の回転軸線(3’)を中心にして閉じられた挿嵌マンドレル軌道(17)に沿った、前記直動案内装置(9’)に取り付けられた保持装置(5)の運動を生ぜしめるようになっている、請求項1から10までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項12】
移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)および/またはマンドレルホイール(3)に設けられた保持装置(5)が、対象物(1)を真空によって吸引し、かつ/または圧縮空気によって突き離すように構成されている、請求項1から11までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項13】
移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)および/またはマンドレルホイール(3)に設けられた保持装置(5)が、圧縮空気/真空を供給するために形成されている各1つの開口(23,24)を有している、請求項1から12までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項14】
移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)および/またはマンドレルホイール(3)に設けられた保持装置(5)に対する圧縮空気/真空供給が、それぞれ移送ホイール(11)およびマンドレルホイール(3)に設けられた保持装置の旋回軸線(13,16)を介して行われる、請求項1から13までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項15】
移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)が、それぞれ該保持装置(7)の旋回軸線(13)に対して平行に延びる軸線に沿って可動に支承されている、請求項1から14までのずれか1項記載の移送装置。
【請求項16】
推動制御手段が設けられており、該推動制御手段は、移送ホイール(11)に設けられた保持装置(7)がそれぞれ、該保持装置(7)の旋回軸線(13)に対して平行に延びる軸線に沿って変位させるようになっており、ただし変位量は、移送ホイール(11)の回転角度に関連している、請求項1から15までのずれか1項記載の移送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−43782(P2013−43782A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−186686(P2012−186686)
【出願日】平成24年8月27日(2012.8.27)
【出願人】(512222334)マル ウント ヘルラン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】Mall + Herlan GmbH
【住所又は居所原語表記】Woeschbacher Strasse 33, D−76327 Pfinztal, Germany
【Fターム(参考)】