説明

積層フィルムの製造方法

【課題】ダイスリップや他のフィルム製造ラインでの汚れが少なく、フィルムに付着した汚れが少ない、偏光子等の他のフィルムとの接着性が良好な積層フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、滑剤を0.005〜0.05重量%含有するメタクリル樹脂Aと、滑剤を0.05重量%超含有する他の樹脂Bとを、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層が最表面となるように、共押出して、ダイスリップを通過させて溶融フィルムを得、
該溶融フィルムを、樹脂Aからなる層が第一冷却ロール面に触れるようにして引き取ることによって積層フィルムを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルムの製造方法に関する。さらに詳細には、ダイスリップや他のフィルム製造ラインでの汚れが少なく、フィルムに付着した汚れが少ない、偏光子等の他のフィルムとの接着性が良好な積層フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂をフィルム成形加工する際の、加工機の金属面との摩擦低減、樹脂間の摩擦低減、樹脂の流動性及び離型性の改善のために、滑剤が樹脂に添加される。この滑剤添加によって、ダイスリップの汚れを低減できるように、また冷却ロールの平滑面を良好に転写できるようになることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、固有複屈折値が負の樹脂からなる層(A層)の少なくとも片面に、透明な樹脂からなる実質的に無配向の層(B層)を少なくとも1層積層してなる光学積層体(C)において、波長400〜700nmの光で測定したA層の面内レターデーション及びB層の面内レターデーションをそれぞれRe(A)、Re(B)としたとき、|Re(A)|>|Re(B)|を満たすことを特徴とする光学積層体が開示されている。この積層体の各層を構成する樹脂には滑剤を適宜添加することができると教示している。
【0004】
特許文献2には、基層部と表層部とが共押出成形法によって積層一体化されてなる透明樹脂積層板であって、前記基層部がポリカーボネート樹脂100重量部に対し、脂肪酸エステルが0.01〜1重量部含有された組成からなり、前記表層部がアクリル樹脂100重量部に対し、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、高級アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の成分が0.01〜1重量部含有された組成からなり、前記表層部の厚さが10μm〜40μmの範囲内であることを特徴とする透明樹脂積層板が開示されている。
【0005】
しかし、樹脂に滑剤を添加すると、樹脂成形時に滑剤が蒸発し、フィルム製造ラインの各部に凝結し、製造ライン等を汚すことがある。この汚れが長期間の運転によって堆積し、フィルム成形面の平滑性等に影響を与えることがある。また製造ラインの汚れがフィルムに付着することがあり、それによって、他のフィルム等との接着性を低下させることがある。
【0006】
【特許文献1】特開2005−274725号公報
【特許文献2】特開2005−205478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ダイスリップやフィルム製造ラインでの汚れが少なく、フィルムに付着する汚れが少なく、偏光子等の他のフィルムとの接着性が良好な積層フィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、滑剤を0.005〜0.05重量%含有するメタクリル樹脂Aと、滑剤を0.05重量%超含有する樹脂Bとを、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層が最表面となるように、共押出して、ダイスリップを通過させて溶融フィルムを得、
該溶融フィルムを、樹脂Aからなる層が第一冷却ロール面に触れるようにして引き取ることによって、ダイスリップや他のフィルム製造ラインでの汚れが少なく、フィルムに付着する汚れが少なく、偏光子等の他のフィルムとの接着性が良好な積層フィルムが得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいてさらに検討した結果完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1)少なくとも、滑剤を0.005〜0.05重量%含有するメタクリル樹脂Aと、滑剤を0.05重量%超含有する樹脂Bとを、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層が最表面となるように、共押出して、ダイスリップを通過させて溶融フィルムを得、
該溶融フィルムを、樹脂Aからなる層が第一冷却ロール面に触れるようにして引き取る工程を含む積層フィルムの製造方法。
(2)上記製造方法において、樹脂Bが好ましくはメタクリル樹脂である。
(3)上記製造方法において、滑剤が、好ましくは脂肪酸又は高級アルコールであり、より好ましくはラノリンアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、又は12−ヒドロキシステアリン酸である。
(4)上記製造方法において、好ましくは、樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層との間に、他の樹脂からなる層が1〜3層形成されるように共押出する、特に好ましくは、樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層との間に、スチレン重合体樹脂からなる層が形成されるように共押出する。
(5)上記製造方法において、さらに延伸する工程を含む。
【0010】
(6)前記の製造方法によって得られる積層フィルム。
(7)前記の積層フィルムと、偏光子とを積層してなる光学素子。
【発明の効果】
【0011】
本発明の積層フィルムの製造方法によれば、滑剤の含有量が比較的に少ない樹脂Aからなる層をロール面に接触させて成形を行うことによって、フィルムに付着する汚れが少なくなり、他フィルムとの接着性が良好となる。また、滑剤含有量が比較的に多い樹脂Bからなる層によって、加工機金属面と樹脂との間や樹脂と樹脂との間の摩擦を低減し、ダイスリップの汚れを低減できる。
また、樹脂フィルムに含有される滑剤の総量を、低減することができるので、滑剤の蒸発量が少なくなり、製造ラインの汚れを減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の積層フィルムの製造方法は、少なくとも、滑剤を0.005〜0.05重量%含有するメタクリル樹脂Aと、滑剤を0.05重量%超含有する樹脂Bとを、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層が最表面となるように、共押出して、ダイスリップを通過させて溶融フィルムを得、
該溶融フィルムを、樹脂Aからなる層が第一冷却ロール面に触れるようにして引き取る工程を含む。
【0013】
本発明に用いる樹脂Aはメタクリル樹脂からなる。メタクリル樹脂とは、メタクリル酸アルキルエステル由来の構造単位を主成分とする重合体樹脂である。メタクリル樹脂の具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの単独重合体;アルキル基の水素がOH基、COOH基もしくはNH2基などの官能基によって置換された炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの単独重合体;またはメタクリル酸アルキルエステルと、スチレン、酢酸ビニル、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸アルキルエステルなどのメタクリル酸アルキルエステル以外のエチレン性不飽和単量体との共重合体を挙げることができる。これらは一種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうちアクリル酸アルキルエステルがメタクリル酸アルキルエステルとの共重合に好適である。好適なメタクリル酸アルキルエステル共重合体樹脂では、官能基によって置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル由来の構造単位を好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99.9重量%、さらに好ましくは50〜99.5重量%含有し、アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位を好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜50重量%含有する。
【0014】
また本発明に用いるメタクリル樹脂は、ガラス転移温度Tgbが、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上である。
【0015】
メタクリル樹脂は、その製造方法によって、特に制限されず、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法などで得ることができる。好適なガラス転移温度を持ち、フィルム成形性に優れたメタクリル樹脂を得るために、連鎖移動剤を重合時に使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類及び組成に応じて適宜決定する。
【0016】
メタクリル樹脂には、耐光性、耐熱性などを持たせるために、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤などが添加されていてもよい。
【0017】
紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させるために添加される。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤等公知のものが使用可能である。中でも、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロロベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン;p−tert−ブチルフェニルサリチル酸エステル、p−オクチルフェニルサリチル酸エステル等が好適に用いられる。これらの中でも、特に2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)が好ましい。
【0018】
紫外線吸収剤の濃度は、波長370nm以下の透過率が、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下となる範囲で選択することができる。紫外線吸収剤を含有させる方法としては、紫外線吸収剤を予め熱可塑性樹脂中に配合する方法;溶融押出成形時に直接供給する方法などが挙げられ、いずれの方法が採用されてもよい。
【0019】
紫外線吸収剤の量は、紫外線吸収剤の種類によってその効果が異なるので、フィルムの色調を悪化させること無く紫外線を効率的に遮断することができるように適宜調整すればよい。
【0020】
本発明に用いる樹脂Aには、滑剤を0.005〜0.05重量%、好ましくは0.005〜0.04重量%含有する。滑剤が多すぎると、製造ラインの汚れが多くなる。少なすぎるとダイスリップの汚れ(目脂)が多くなる。
【0021】
本発明に用いる滑剤としては、脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤、などが挙げられる。
脂肪酸系滑剤には、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸のエステルやアミドなどの化合物からなるものが挙げられる。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。これらの高級脂肪酸の金属塩としてはカルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、バリウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。
高級脂肪酸エステルは、一価または多価のアルコールと、飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルである。かかる高級脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレート、などが挙げられる。
【0022】
脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等が挙げられる。
【0023】
また、高級アルコールとしては、ラノリンアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレインアルコール等が挙げられる。
【0024】
他の滑剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどのフッ素系ワックス、グラファイト、二硫化モリブデン、ボロンナイトライドなどの無機質粉末などが挙げられる。
これらのうち、生産性や樹脂Aに対する相溶性の点から、脂肪酸系滑剤又は高級アルコール系滑剤が好ましく、ラノリンアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、又は12−ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。
【0025】
樹脂Aは、メタクリル樹脂と滑剤とを混練するなどの公知の方法で得ることができる。
【0026】
本発明に用いる樹脂Bは、樹脂に滑剤を0.05重量%超、好ましくは0.07〜0.15重量%含有する。樹脂B中の滑剤含有量が少ないとダイスリップの汚れが多くなる。
樹脂Bを構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であれば特に制限されない。
【0027】
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、耐衝撃性、透明性、ハンドリング性の点からメタクリル樹脂が好ましい。
【0028】
メタクリル樹脂は、樹脂Aを構成する樹脂として説明したものと同様のものを用いることができる。
樹脂Bに含有させる滑剤は、樹脂Aに含有させる滑剤として説明したものと同様のものを用いることができる。
樹脂Bは、熱可塑性樹脂と滑剤とを混練するなどの公知の方法で得ることができる。
また、樹脂Bには、耐久性を持たせるなどのために、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤などが添加されていてもよい。
【0029】
前記樹脂A及び樹脂Bは、先ず、余分な水分や有機揮発分が、真空乾燥等によって除去され、それぞれ別々に、一軸押出機や二軸押出機等によって溶融され、共押出成形用のダイに供給される。ダイとしては、フィードブロック方式や、マルチマニホールド方式などがあり、適宜選択することができる。樹脂の溶融温度は、押出成形ができる温度であれば、特に制限されず、通常50〜300℃である。
【0030】
本発明の積層フィルムの製造方法においては、樹脂Aと樹脂Bとを押し出すときに、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層が最表面となるようにする。
樹脂Aからなる層の平均厚さは、原反積層フィルムにおいて、好ましくは10〜400μm、より好ましくは10〜200μmである。樹脂Bからなる層の平均厚さは、原反積層フィルムにおいて、好ましくは10〜400μm、より好ましくは10〜200μmである。 なお、原反積層フィルムは、共押出した溶融フィルムを冷却ロールでキャストしただけのフィルムである。
【0031】
樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層の間に他の樹脂(樹脂Cということがある。)からなる層が介在していてもよい。本発明では、樹脂Cからなる層が1〜3層形成されるように共押出することが好ましい。
【0032】
樹脂Cからなる層を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であれば、特に制限されない。樹脂Cに用いる熱可塑性樹脂としては、樹脂Bを構成する樹脂として説明したものと同様のものを用いることができ、これらのうちメタクリル樹脂との接着性が良好な点から、スチレン重合体樹脂が好適である。
【0033】
スチレン重合体樹脂とは、芳香族ビニル単量体由来の構造を繰り返し単位の一部又は全部に有する重合体樹脂である。スチレン重合体樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−カルボキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレンなどの芳香族ビニル単量体の単独重合体;または、芳香族ビニル単量体と、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの芳香族ビニル単量体以外のエチレン性不飽和単量体との共重合体を挙げることができる。これらは一種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で、スチレン単独重合体、及びスチレンと無水マレイン酸との共重合体が好適である。
【0034】
スチレン重合体樹脂は分子量によって特に制限されないが、重量平均分子量が、通常、10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000である。
また、本発明に用いるスチレン重合体樹脂は、ガラス転移温度Tgaが好ましくは120℃以上、より好ましくは120〜200℃、特に好ましくは120〜140℃である。さらにスチレン重合体樹脂のガラス転移温度Tgaは、樹脂Aを構成するメタクリル樹脂のガラス転移温度Tgbよりも高いことが好ましく、Tgbよりも20℃以上高いことがより好ましい。
【0035】
スチレン重合体樹脂は、その製造方法によって、特に制限されず、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法などで得ることができる。
【0036】
樹脂Cには、耐久性を持たせるなどのために、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤などが添加されていてもよい。
【0037】
樹脂Cからなる層の平均厚さは、原反積層フィルムおいて、好ましくは10〜300μm、より好ましくは10〜200μmである。
【0038】
樹脂Aからなる層の平均厚さ/樹脂Cからなる層の平均厚さ/樹脂Bからなる層の平均厚さの比は、好ましくは1/10/1〜5/1/5である。なお、樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層とは同じ平均厚さでなくても良いが、反りなどを防止するためにほぼ同じ平均厚さにするのが好ましい。なお、平均厚さは、フィルムの幅方向において、赤外線膜厚計等によって測定した値の平均値である。
【0039】
ダイに供給された溶融樹脂(A、B、及びC)は、ダイスリップを通過し、溶融フィルムとして押し出される。ダイから押し出された溶融フィルムは、第一冷却ロール(キャストロールとも言うことがある。)で引き取られ、冷やされ、原反積層フィルムになる。
【0040】
本発明においては、該溶融フィルムを、樹脂Aからなる層が第一冷却ロール面に触れるようにして引き取る。樹脂Aからなる層は滑剤の含有量が比較的に少ないので、第一冷却ロールに触れた後でも、滑剤の浮き出しが少ない。
【0041】
得られた原反積層フィルムには、さらに延伸加工、ラミネート加工、塗工などの公知のフィルム加工を施すことができる。この原反積層フィルムを延伸する条件は特に制限されないが、延伸温度を樹脂A又は樹脂Bのガラス転移温度Tgbよりも20℃〜60℃高い温度にし、延伸倍率を1.1〜6倍にすることが好ましい。
このような条件で延伸を行うと、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層の配向度ΔPを0.1×10-4以上9.0×10-4以下にすることができ、また、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層の面内方向レターデーションが1nm超10nm未満にすることができる。
ΔP=(nx+ny)/2−nz
x:面内の遅相軸方向の屈折率、
y:面内の遅層軸に直交する方向の屈折率
z:厚さ方向の屈折率
【0042】
延伸方向は、フィルム流れ方向(MD方向)、フィルム幅方向(TD方向)、フィルム流れ方向に平行でも直交でもない斜め方向のいずれでも良い。また同時又は逐次の二軸延伸を行ってもよい。
【0043】
本発明の製造方法で得られる原反積層フィルムは、使用目的に応じて、延伸加工等して、面内方向レターデーションRe、厚さ方向レターデーションRthが調整された延伸積層フィルムにすることができる。
本発明の製造方法で得られた延伸積層フィルムを光学補償フィルムに適用するために、面内方向レターデーションReを、好ましくは30〜400nm、より好ましくは50〜350nmに調整し、厚さ方向レターデーションRthを、好ましくは−400〜−30nm、より好ましくは−350〜−50nmに調整する。
【0044】
本発明の製造方法で得られた延伸積層フィルムをIPS(インプレーンスイッチング)液晶表示装置用の光学補償フィルムとして使用する場合には、厚さ方向レターデーションRth/面内方向レターデーションReの比を−1〜−0.5にすることが好ましい。またVA(バーチカルアラインメント)液晶表示装置用の光学補償フィルムとして使用する場合には、厚さ方向レターデーションRth/面内方向レターデーションReの比を−1.3〜−1にすることが好ましい。なお、面内方向レターデーションReは、(nx−ny)×dによって定義される値であり、厚さ方向レターデーションRthは((nx+ny)/2−nz)×dによって定義される値である。なお、dはフィルム又は層の平均厚さである。面内方向レターデーションRe、厚さ方向レターデーションRth及び配向度ΔPは、市販の自動複屈折計(例えば、王子計測機器社製、KOBRA−21ADH)を用いて測定することができる。
【0045】
本発明の製造方法で得られる積層フィルムは、ヘイズが1.1〜20.0%であることが好ましい。ヘイズがこの範囲にあることによって、偏光板等との接着性がより良好となる。 ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、ヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH−300A」)を用いて測定することができる。なお、本発明においては、5回測定を行い、その算術平均値をヘイズの代表値とする。
【0046】
本発明の製造方法で得られる積層フィルムにおいて、未延伸のものは偏光子を保護するためのフィルムとして好適であり、延伸されたものは位相差フィルム、若しくは位相差フィルムの機能を兼ね備えた偏光子保護フィルムとして好適である。
【0047】
本発明の製造方法で得られる積層フィルムは、偏光子又は偏光板と貼り合わせ、液晶表示装置に用いられる。
偏光板は、偏光子の両面に保護層がそれぞれ積層されているものである。偏光子に保護層を積層する方法に格別な制限はなく、例えば、保護層となる保護フィルムを、必要に応じてアクリル系接着剤などを介して偏光子に積層する一般的な方法を採用すればよい。
【0048】
偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素若しくは二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるものや、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素もしくは二色性染料を吸着させ延伸し、さらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるものなど、を挙げることができる。また、偏光子として、グリッド偏光子、多層偏光子、コレステリック液晶偏光子などの偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子を用いることもできる。この中でも、ポリビニルアルコールを含んでなる偏光子が好ましい。偏光子の偏光度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。偏光子の厚さ(平均厚さ)は、好ましくは5μm〜80μmである。
【0049】
本発明の製造方法で得られる積層フィルムと偏光板又は偏光子との貼り合わせに接着剤(粘着剤を含む)を用いる場合、接着剤からなる接着層の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。この接着層を構成する接着剤としては、アクリル接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリオレフィン接着剤、変性ポリオレフィン接着剤、ポリビニルアルキルエーテル接着剤、ゴム接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル接着剤、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS共重合体)接着剤、その水素添加物(SEBS共重合体)接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体およびエチレン−スチレン共重合体などのエチレン接着剤、および、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル接着剤などを挙げることができる。
本発明の積層フィルムを延伸したもの(延伸積層フィルム)と、偏光子又は偏光板とを貼り合わせる場合、延伸積層フィルムの遅相軸と、偏光子又は偏光板の吸収軸とが、略垂直となるように貼り合わせることが好ましい。略垂直とは、垂直方向から、±5°の範囲内にあることをいう。
【0050】
本発明の製造方法で得られる積層フィルムを用いて液晶表示装置を製造することができる。液晶表示装置は、通常、光源と、入射側偏光子と、液晶セルと、出射側偏光子とがこの順に、配置されてなるものである。本発明の製造方法で得られる積層フィルムは、入射側偏光子又は出射側偏光子に貼り合わせられ、偏光子と液晶セルとの間に配置される。すなわち、液晶表示装置は、光源、入射側偏光子、積層フィルム、液晶セル、及び出射側偏光子の構成;光源、入射側偏光子、液晶セル、積層フィルム、及び出射側偏光子の構成;又は、光源、入射側偏光子、積層フィルム、液晶セル、積層フィルム、及び出射側偏光子の構成を有する。
なお、液晶表示装置には、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。
【実施例】
【0051】
実施例および比較例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されない。部及び%は特に断りが無い限り質量基準である。
実施例および比較例で行った評価方法は以下のとおりである。
【0052】
(ガラス転移温度)
JIS K 7121に準拠して、示差走査熱量分析法(DSC法)により測定した。
【0053】
(各樹脂層の平均厚さ)
積層フィルムの幅方向に50mm間隔で反射分光膜厚計〔大塚電子社製 FE−3000〕を走査して、積層フィルムの各層の厚さを測定する。この操作を積層フィルムの流れ方向に50mm間隔で、長さ1000mmに渡って行う。全測定結果を平均して各層の厚さとする。
【0054】
実施例1
メタクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル(質量比)=97.8/2.2、ガラス転移温度105℃)99.99部と滑剤(ステアリルアルコール)0.01部とを混練してメタクリル樹脂Aを得た。
メタクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル(質量比)=97.8/2.2、ガラス転移温度105℃)99.92部と滑剤(ステアリルアルコール)0.08部とを混練してメタクリル樹脂Bを得た。
スチレン樹脂(スチレン−無水マレイン酸共重合体、ノヴァケミカルジャパン社製、「ダイラークD332」、ガラス転移温度125℃、以下樹脂Cと記す。)と、メタクリル樹脂Aと、メタクリル樹脂Bとを、それぞれ押出機で溶融させ、共押出用のダイに供給した。供給された溶融樹脂はダイスリップを通過し、樹脂A/樹脂C/樹脂Bの三層構造の溶融フィルムに成形された。溶融フィルムを樹脂Aが第一冷却ロールに接触するようにして引き取り、幅1500mmの原反積層フィルム(樹脂A層の平均厚さ50μm/樹脂C層の平均厚さ100μm/樹脂B層の平均厚さ50μm)にした。このフィルム成形を毎時600mの速度で24時間連続して行った。
【0055】
24時間経過後、ダイスリップ、製造ラインの汚れ状態を目視観察した。また、原反積層フィルム表面に付着した汚れ(滑剤)を目視観察した。
【0056】
ポリビニルアルコールのフィルム(平均重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚さ80μm)にヨウ素を吸着させて得られた偏光子の片面に、平均厚さ60μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせ、もう一方の面に前記の原反積層フィルムを樹脂Aの層が偏光子側になるように積層し、光学素子(視認側用光学素子6Aとバックライト側用光学素子6B)を2枚得た。
バックライト4、光学素子6B、IPS液晶セル5、光学素子6Aを、この順に積層し、液晶表示装置を組み立てた。液晶表示を黒表示にして目視で光漏れの有無を確認した。結果を表1に示した。
【0057】
実施例2
樹脂Cからなる層の平均厚さを250μmに変更した以外は、実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0058】
実施例3
樹脂Aからなる層の平均厚さを100μm、樹脂Cからなる層の平均厚さを20μm、樹脂Bからなる層の平均厚さを100μmに変更した以外は、実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0059】
比較例1
樹脂Bが第一冷却ロールに接触するようにして溶融フィルムを引き取った以外は、実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0060】
比較例2
樹脂Bを樹脂Aに置き換えた他は実施例2と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0061】
比較例3
樹脂Bを樹脂Aに置き換えた他は実施例3と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0062】
【表1】

【0063】
実施例1と比較例1との対比で判るように、冷却ロールに接する側の面に0.05%を超える量の滑剤が含まれていると、長時間の連続運転によって製造ライン汚れを起し、フィルム表面に滑剤が付着しやすくなることがわかる。
また、比較例2又は3との対比で判るように、両表面に0.05%以下の量の滑剤が含まれていると、長時間の連続運転によってダイスリップに汚れが生じることがわかる。ダイスリップの汚れはダイラインの原因となる。
【0064】
実施例4
メタクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル(質量比)=97.8/2.2、ガラス転移温度105℃)99.97部と滑剤(ステアリルアルコール)0.03部とを混練してメタクリル樹脂A1を得た。樹脂Aを樹脂A1に置き換えた他は実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0065】
比較例4
樹脂Aを樹脂Bに置き換えた他は実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0066】
比較例5
メタクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル(質量比)=97.8/2.2、ガラス転移温度105℃)99.997部と滑剤(ステアリルアルコール)0.003部とを混練してメタクリル樹脂A2を得た。樹脂Aを樹脂A2に置き換えた他は実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0067】
比較例6
樹脂Bを樹脂A2に置き換えた他は実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0068】
比較例7
メタクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル(質量比)=97.8/2.2、ガラス転移温度105℃)99.93部と滑剤(ステアリルアルコール)0.07部とを混練してメタクリル樹脂A3を得た。樹脂Aを樹脂A3に置き換えた他は実施例1と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0069】
比較例8
樹脂Bを樹脂A3に置き換えた他は比較例7と同じ方法で積層フィルムを得、この積層フィルムで液晶表示装置を組み立てた。結果を表1に示した。
【0070】
【表2】

【0071】
表2の結果から、滑剤の量が多くなると製造ライン汚れが生じ、液晶表示装置が光漏れを起すようになることがわかる。
【0072】
実施例5
実施例1と同様にして原反積層フィルムを得た。この原反積層フィルムを、延伸温度128℃、延伸倍率1.4倍、延伸速度10m/分の条件で、テンター一軸横延伸し、延伸複層フィルムを得た。Reは140nm、Rthは−115nmであった。
ポリビニルアルコールのフィルム(平均重合度:2400、ケン化度:99.9モル%、厚さ80μm)にヨウ素を吸着させて得られた偏光子の片面に、平均厚さ60μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせ、もう一方の面に前記延伸複層フィルムを、その遅相軸が偏光子の吸収軸と垂直になり且つ樹脂Aの層が偏光子側になるように積層し、光学素子を2枚(C、D)得た。
そして、バックライト、光学素子C、IPS液晶セル、光学素子Dの順に積層し、液晶表示装置を組み立てた。光学素子Cと光学素子Dとは偏光板の吸収軸が垂直になるように、液晶表示装置に組み込んだ。該液晶表示装置は光漏れの生じないものであった。
【0073】
比較例9
比較例1と同様にして原反積層フィルムを得た。この原反積層フィルムを、延伸温度128℃、延伸倍率1.4倍、延伸速度10m/分の条件で、テンター一軸横延伸し、延伸複層フィルムを得た。Reは140nm、Rthは−115nmであった。 ポリビニルアルコールのフィルム(平均重合度:2400、ケン化度:99.9モル%、厚さ80μm)にヨウ素を吸着させて得られた偏光子の片面に、平均厚さ60μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせ、もう一方の面に前記延伸複層フィルムを、その遅相軸が偏光子の吸収軸と垂直になり且つ樹脂Aの層が偏光子側になるように積層し、光学素子を2枚(C、D)得た。
そして、バックライト、光学素子C、IPS液晶セル、光学素子Dの順に積層し、液晶表示装置を組み立てた。光学素子Cと光学素子Dとは偏光板の吸収軸が垂直になるように、液晶表示装置に組み込んだ。該液晶表示装置は光漏れが生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、滑剤を0.005〜0.05重量%含有するメタクリル樹脂Aと、滑剤を0.05重量%超含有する樹脂Bとを、樹脂Aからなる層及び樹脂Bからなる層が最表面となるように、共押出して、ダイスリップを通過させて溶融フィルムを得、
該溶融フィルムを、樹脂Aからなる層が第一冷却ロール面に触れるようにして引き取る工程を含む積層フィルムの製造方法。
【請求項2】
樹脂Bがメタクリル樹脂である、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項3】
滑剤が、脂肪酸又は高級アルコールである、請求項1又は2に記載の積層フィルムの製造方法
【請求項4】
滑剤が、ラノリンアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、又は12−ヒドロキシステアリン酸である、請求項1又は2に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項5】
樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層との間に、他の樹脂からなる層が1〜3層形成されるように共押出する請求項1〜4のいずれか一に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項6】
樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層との間に、スチレン重合体樹脂からなる層が形成されるように共押出する請求項1〜4のいずれか一に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項7】
さらに延伸する工程を含む請求項1〜6のいずれか一に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一に記載の製造方法によって得られる積層フィルム。
【請求項9】
請求項8に記載の積層フィルムと、偏光子とを積層してなる光学素子。

【公開番号】特開2008−76600(P2008−76600A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253916(P2006−253916)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】