説明

積層フラットケーブルの折り曲げ構造及びスライドドア用給電装置

【課題】
スライドドア用給電装置における、複数枚のフラットケーブル10が積層された積層フラットケーブル12の折り曲げ部14の剛性を低く抑える。折り曲げ部14がスライダ等の移動体に収容され、積層フラットケーブル12が繰り返し曲げを受ける場合に、折り曲げ部14でのフラットケーブル10の損傷を防止する。
【解決手段】
各フラットケーブル10が1枚毎に、折り曲げ線が幅方向に対し斜めになるように、かつ両面が反転するように折り曲げられており、この1枚毎の折り曲げ部18が積層されている。この積層折り曲げ部の両側にフラットケーブルの積層状態を保持する積層保持部材16が設けられている。折り曲げ部18の積層により各フラットケーブル間に折り曲げによる空隙を生じさせ、各層のフラットケーブル10が相互にずれ合うことが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フラットケーブルの折り曲げ構造と、それを備えたスライドドア用給電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気機器や自動車等の電気配線にフラットケーブル(Flexible Flat Cable 通称FFC)を用いることは公知である。フラットケーブルは、平行に配列された複数条のフラット導体に、フラットな一括絶縁被覆を施したものである。フラット導体としては例えば厚さ0.15mm〜0.2mm程度の帯状導体が用いられ、一括絶縁被覆としては例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等のプラスチックフィルムが用いられる。
【0003】
このフラットケーブルは、摺動性のよさ、スペースファクターのよさ、強靱性などから、自動車の場合は、車体(固定体)からスライドドアや可動座席など(移動体)への給電線として利用されるようになってきている。例えば特許文献1には、自動車のスライドドアの給電装置にフラットケーブルを用いることが記載されている。また特許文献2には自動車の可動座席の給電装置にフラットケーブルを用いることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−342807号公報
【特許文献2】特開平10−109574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたスライドドアの給電装置の場合は、スライドレール(スライドドアに固定)に案内されて移動するスライダと、スライドレールの端末ブロックに固定されたスライドドア側のコネクタとの間をつなぐ配線材としてフラットケーブルが用いられているが、前記スライダと車体側のコネクタとの間をつなぐ配線材としては、通常の丸電線を集合したワイヤーハーネスが用いられている。このような構成では、スライダの内部でフラットケーブルとワイヤーハーネスを接続する必要があるので、構造が複雑になり、組立が面倒である。
【0006】
この問題を解消するには、スライドドア側のコネクタから、スライダを通って、車体側のコネクタに至るまでを、一連続のフラットケーブルで構成し、スライダ内での電線の接続をなくすことが有効である。しかしながら、スライドドア側のコネクタからスライダまでの区間のフラットケーブルは、スライダの移動に伴いUターン部がスムーズに移動できるようにするため、幅方向を水平方向に向ける必要があり、スライダから車体側のコネクタまでの区間のフラットケーブルは、スライドドアの開閉に伴い左右に屈曲できるようにするため、幅方向を上下方向に向ける必要がある。そのためには、スライダ内でフラットケーブルを折り曲げて、向きを変える必要が生じる。
【0007】
ところで最近では、移動体への通電回路数が増大していることから、複数枚のフラットケーブルを積層して使用するケースが多くなってきている。複数枚のフラットケーブルを1ヵ所で折り曲げることは、フラットケーブルの積層枚数が多くなればなるほど曲げ剛性が大きくなり、困難になる。特に前記のスライダのような部分では、フラットケーブルがねじりや引張などの力を受けるので、積層されたフラットケーブル相互の摩擦抵抗によってスライダがスムーズに移動できなくなったり、折り曲げ部でフラットケーブルが損傷したりするおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、積層フラットケーブルの折り曲げ部で、上記のような問題が起きにくい積層フラットケーブルの折り曲げ構造と、それを備えたスライドドア用給電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、スライドドア用給電装置における、複数枚のフラットケーブルが積層された積層フラットケーブルの折り曲げ部の構造であって、各フラットケーブルが1枚毎に、折り曲げ線が幅方向に対し斜めになるように、かつ両面が反転するように折り曲げられており、この1枚毎の折り曲げ部が積層されており、この積層折り曲げ部の両側にフラットケーブルの積層状態を保持する積層保持部材が設けられており、前記折り曲げ部の積層により各フラットケーブル間に折り曲げによる空隙を生じさせ、各層のフラットケーブルが相互にずれ合うことが可能となっていることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明に係るスライドドア用給電装置は、上記ように構成された積層フラットケーブルの折り曲げ構造を備えたスライドドア用給電装置であって、車体側からスライドドア内まで一連続の積層フラットケーブルが、車体側では幅方向が上下方向に向くように、スライドドア側では幅方向が水平方向を向くように2ヶ所で折り曲げられており、第一の折り曲げ部では、積層フラットケーブルが上記ように構成された折り曲げ構造で折り曲げられており、第二の折り曲げ部では、積層フラットケーブルが折り曲げ線を幅方向に向けて直角に折り曲げられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フラットケーブルを1枚毎に折り曲げて積層したので、折り曲げ部で各フラットケーブル間に折り曲げによる空隙が生じ、外力がかかった場合に各層のフラットケーブルの折り曲げ部が相互にずれやすくなる。その結果、外力が各フラットケーブルの折り曲げ部に分散されるので、積層フラットケーブルの折り曲げ部が突っ張ってスライダ等の円滑な動きを阻害することがなくなる。
【0012】
また、本発明に係るスライドドア用給電装置は、車体側からスライドドア内まで一連続の積層フラットケーブルの2ヶ所の折り曲げ部の、第一の折り曲げ部では、積層フラットケーブルが上記ように構成された折り曲げ構造で折り曲げられており、第二の折り曲げ部では、積層フラットケーブルが折り曲げ線を幅方向に向けて直角に折り曲げられているため、上記と同じ効果が得られると共に、フラット導体の疲労破断のおそれが少なくなり、信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の一実施形態を示す。図において、10は複数条のフラット導体に一括絶縁被覆を施してなるフラットケーブル、12はフラットケーブル10を複数枚積層した積層フラットケーブル、14は積層フラットケーブル12を方向変換させるための折り曲げ部、16は折り曲げ部14の両側で積層フラットケーブル12の積層状態を保持する粘着テープである。折り曲げ部14では、複数枚のフラットケーブル10が1枚毎に、折り曲げ線が幅方向に対し斜めになるように、かつ両面が反転するように折り曲げられており、この1枚毎の折り曲げ部18が積層された構造となっている。
【0014】
一方、図2は積層フラットケーブルの一般的な折り曲げ構造を示す。この折り曲げ構造は、積層フラットケーブル12を積層状態のまま折り曲げて、折り曲げ部14を形成するものである。
【0015】
図3は積層フラットケーブルの折り曲げ構造が適用される自動車用スライドドアの給電装置の一例を示す。図において、20は車体のステップの下などに取り付けられた車体側ユニット、22はスライドドアの下部に水平に固定されたスライドレール、24はスライドレール22にスライド可能に取り付けられたドア側ユニット、26は車体側ユニット20とドア側ユニット24間をつなぐ可撓管(コルゲートチューブ)である。フラットケーブル10は、車体側ユニット20、可撓管26、ドア側ユニット24、スライドレール22を通って、車体側からスライドドア側まで接続部なしで配線される。図3(A1)(A2)はスライドドアが閉じた状態、(B1)(B2)はスライドドア開閉途中の状態、(C1)(C2)はスライドドアが開いた状態を示している。
【0016】
車体側ユニット20は、車体に固定される固定ブロック28と、この固定ブロック28に横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプ30とを備えている。固定ブロック28には、フラットケーブル10が左右に曲げられたときの最小曲げ半径を規制する曲面ガイド32が形成されている。
【0017】
ドア側ユニット24は、スライドレール22にスライド可能に取り付けられるスライダ34と、このスライダ34に横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプ36とを備えている。スライダ34にも、フラットケーブル10が左右に曲げられたときの最小曲げ半径を規制する曲面ガイド38が形成されている。
【0018】
フラットケーブル10は、固定ブロック28及びスライダ34により幅方向が上下方向を向くように向きを規制されている。このためフラットケーブル10は、可撓管26内でも幅方向が上下方向を向く姿勢に保たれている(図4参照)。可撓管26は波付けにより可撓性を付与してあるが、横方向には曲がりやすく縦方向には曲がり難くするため、断面縦長に形成されている。
【0019】
可撓管26の一方の端部は車体側ユニット20の管端クランプ30により把持されて固定ブロック28に対して横方向に首振り可能になっており、他方の端部はドア側ユニット24の管端クランプ36により把持されてスライダ34に対して横方向に首振り可能になっている。
【0020】
ドア側ユニット24は図5のようにスライドレール22に取り付けられている。すなわち、スライドレール22は平行な上下1対のレールで構成されており、ドア側ユニット24はスライダ34の上下面に形成された溝をスライドレール22に装着することにより、スライドレール22にスライド可能に取り付けられている。
【0021】
スライドレール22は、フラットケーブル10のUターン部10a(図3参照)を収容する断面略コ字形のUターンボックス40と一体に形成されている。スライダ34は、Uターンボックス40内の下部に位置するフラットケーブル導出部42を有している。この導出部42は、スライダ34からフラットケーブル10を、その幅方向を水平に向けて、かつ長手方向をスライダ34のスライド方向に向けて、Uターンボックス40内に導出するものである。
【0022】
導出部42からUターンボックス40内に導出されたフラットケーブル10は、Uターンボックス40内で下から上へUターンして、Uターンボックス40の外に引き出されている。Uターンボックス外に引き出されたフラットケーブル10の端部は、コネクタ等によりスライドドア内の配線又は機器と接続される。フラットケーブル10のUターン部10aは、スライダ34のスライドに追従して移動し、それによってスライダ34の移動に必要なフラットケーブル10の伸縮を吸収する。
【0023】
このスライドドア用給電装置は、スライドドアが閉じているときは、図3(A1)に示すように可撓管26はほぼ伸びきった状態にある。この状態からスライドドアが開く方向に移動すると、まずスライドレール22がスライドドアと一体で移動し、スライダ34はそのままの位置に留まる(スライドレール22がスライダ34に対し相対的に移動する)。スライドレール22が所定距離移動するとストッパー(図示せず)がスライダ34に突き当たり、スライダ34もスライドレール22と共にスライドドアが開く方向に移動する。この途中でスライダ34に対する可撓管26の首振り方向が反転し、同図(B1)のように可撓管26がほぼU字形に屈曲する。さらにスライドドアが開いていくと、その途中で固定ブロック28に対する可撓管26の首振り方向が反転する。スライドドアが全開になると、同図(C1)のように可撓管26がほぼ伸びきった状態となる。スライドドアが閉じるときは、上記とほぼ逆の過程を経て、同図(A1)の状態に戻る。
【0024】
以上説明したスライドドア給電装置では、車体側からスライドドア内まで一連続のフラットケーブル10を、可撓管26内では幅方向が上下方向に向き、Uターンボックス40内では幅方向が水平方向に向くように配置する必要がある。このためフラットケーブル10はスライダ34内で、図6のように第一の折り曲げ部18Aと第二の折り曲げ部18Bの2ヵ所で折り曲げられている。第一の折り曲げ部18Aでは、可撓管からスライダ34に入ったフラットケーブル10が、折り曲げ線が幅方向に対し45°の角度になるように、かつ両面が反転するように折り曲げられ、さらに第二の折り曲げ部18Bでは、折り曲げ線を幅方向に向けて直角に折り曲げられている。
【0025】
上述したスライドドア給電装置では、スライドドアの開閉によりスライダ34が固定ブロック28に対し横方向に移動すると、スライダ34の口元でフラットケーブル10が左右に屈曲される。図6のようにフラットケーブル10が1枚の場合はこの屈曲に支障は出ないが、フラットケーブルが複数枚積層されている場合には、積層フラットケーブルを一括して図2のように折り曲げると、折り曲げ部付近の剛性が大きくなって、スライダの移動がスムーズに行かなくなることが判明した。図1の折り曲げ構造は、この問題を解消するものである。
【0026】
すなわち、車体側からスライドドア内まで一連続の積層フラットケーブル12を、図6のように第一の折り曲げ部18Aと第二の折り曲げ部18Bの2ヵ所で折り曲げる場合、第一の折り曲げ部18Aを図1の折り曲げ構造にするのである。図1のような折り曲げ構造にすると、各フラットケーブル10間に折り曲げによる空隙が生じ、各層のフラットケーブルが相互にずれ合うことが可能となるので、スライダ34の横移動で積層フラットケーブルが屈曲される場合には、応力が各層のフラットケーブル10に分散されやすくなる。このため折り曲げ部付近での積層フラットケーブルの曲げ剛性が低くなり、スライダの移動が阻害されるおそれが少なくなる。また図2の折り曲げ構造では、スライダの口元で積層フラットケーブル12の屈曲が繰り返された場合に、折り曲げ部14が開いたり閉じたりするおそれがあり、これが繰り返されると、フラット導体の疲労破断を招くおそれがある。この点、図1の折り曲げ構造では、積層フラットケーブル12が屈曲されても個々の折り曲げ部18が開くことはないので、フラット導体の疲労破断のおそれは少ない。
【0027】
ところで、図3のスライドドア用給電装置は、スライダ34と固定ブロック28がほぼ同じ高さにある場合であるが、車種によっては固定ブロックがスライダより低い位置に設置される場合もある。その場合は、図7に示すように可撓管26がスライダ34から斜め下方に引き出されることになるので、積層フラットケーブル12の可撓管26内に収容される部分も斜め下方向に向ける必要がある。なお図7において、図3〜図5の各部に対応する部分には図3〜図5と同じ符号を付してある。
【0028】
このようなスライドドア給電装置の場合は、スライダ34内で積層フラットケーブル12を図8のように折り曲げるとよい。すなわち、可撓管からスライダ34に導入された積層フラットケーブル12は、第一の折り曲げ部14Aで折り曲げ線を幅方向に向けて直角に折り曲げられ、第二の折り曲げ部14Bで図1のように折り曲げられ、第三の折り曲げ部14Cで再び折り曲げ線を幅方向に向けて折り曲げられ、第四の折り曲げ部14Dで再び図1のように折り曲げられている。このように折り曲げると、第三の折り曲げ部14Cの折り曲げ角度Aを調整することで、積層フラットケーブル12の可撓管内に収容される部分の傾き角度Bを、簡単に可撓管の傾き角度に合わせることができる。
【0029】
図9は本発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、フラットケーブルの積層枚数が多い場合の積層フラットケーブルの折り曲げ構造を示す。用途は図8のものと同様である。この折り曲げ構造では、積層フラットケーブル12が複数組(この例は2組)の積層フラットケーブル12A、12Bに分けられ、各組の積層フラットケーブルの折り曲げ部が重ならないように位置をずらして設けられている。
【0030】
すなわち、可撓管からスライダ34に導入された積層フラットケーブル12は2組の積層フラットケーブル12A、12Bに分けられ、一方の積層フラットケーブル12Aは、第一の折り曲げ部14A1で折り曲げ線を幅方向に向けて左側へ直角に折り曲げられ、第二の折り曲げ部14B1で図1のように折り曲げられ、第三の折り曲げ部14C1で再び折り曲げ線を幅方向に向けて折り曲げられ、第四の折り曲げ部14D1で再び図1のように折り曲げられている。
【0031】
また他方の積層フラットケーブル12Bは、第一の折り曲げ部14A2で折り曲げ線を幅方向に向けて右側へ直角に折り曲げられ、第二の折り曲げ部14B2で図1のように折り曲げられ、第三の折り曲げ部14C2で再び折り曲げ線を幅方向に向けて折り曲げられ、第四の折り曲げ部14D2で再び図1のように折り曲げられ、最終的にUターンボックス内に導入される部分では前記一方の積層フラットケーブル12Aと積層されるようになっている。
【0032】
フラットケーブルの積層枚数が多い場合は、図8のような折り曲げ構造では折り曲げ部の厚さが厚くなり、剛性も増すが、図9のような折り曲げ構造にすれば、折り曲げ部の厚さを薄くすることができると共に、剛性の増大を抑えることができる。
【0033】
本発明の折り曲げ構造の効果を実証するため、厚さ0.15mm、幅6mmのフラット導体2心のフラットケーブル5枚と、厚さ0.15mm、幅2mmのフラット導体4心のフラットケーブル5枚の、合計10枚積層した積層フラットケーブルを、2心5枚と4心5枚に分割して図9のように折り曲げてスライダに収納し、10万回の繰り返しスライド耐久試験を行った。その結果、スライダの動きを損なうことがなく、フラット導体の破断やフラットケーブル自体の損傷が起きないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る積層フラットケーブルの折り曲げ構造の一実施形態を示す斜視図。
【図2】積層フラットケーブルの一般的な折り曲げ構造を示す斜視図。
【図3】本発明に係る積層フラットケーブルの折り曲げ構造が適用されるスライドドア給電装置の一例を示す、(A1)はドア閉時の平面図、(A2)はドア閉時のUターンボックス内の正面図、(B1)はドアを開く途中の平面図、(B2)はドアを開く途中のUターンボックス内の正面図、(C1)はドア閉時の平面図、(C2)はドア閉時のUターンボックス内の正面図。
【図4】図3の装置における可撓管内のフラットケーブルの収容状態を示す斜視図。
【図5】図3の装置におけるスライドレールへのスライダの取り付け状態を示す斜視図。
【図6】図3の装置におけるフラットケーブルの屈曲状態を示す斜視図。
【図7】本発明に係る積層フラットケーブルの折り曲げ構造が適用されるスライドドア給電装置の他の例を示す断面図。
【図8】本発明に係る積層フラットケーブルの折り曲げ構造の他の実施形態を示す斜視図。
【図9】本発明に係る積層フラットケーブルの折り曲げ構造のさらに他の実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0035】
10:フラットケーブル
12:積層フラットケーブル
14:積層フラットケーブル12の折り曲げ部
18:フラットケーブル1枚毎の折り曲げ部
20:車体側ユニット
22:スライドレール
26:可撓管
34:スライダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドドア用給電装置における、複数枚のフラットケーブルが積層された積層フラットケーブルの折り曲げ部の構造であって、各フラットケーブルが1枚毎に、折り曲げ線が幅方向に対し斜めになるように、かつ両面が反転するように折り曲げられており、この1枚毎の折り曲げ部が積層されており、この積層折り曲げ部の両側にフラットケーブルの積層状態を保持する積層保持部材が設けられており、前記折り曲げ部の積層により各フラットケーブル間に折り曲げによる空隙を生じさせ、各層のフラットケーブルが相互にずれ合うことが可能となっていることを特徴とするスライドドア用給電装置における積層フラットケーブルの折り曲げ構造。
【請求項2】
請求項1記載の積層フラットケーブルの折り曲げ構造を備えたスライドドア用給電装置であって、車体側からスライドドア内まで一連続の積層フラットケーブルが、車体側では幅方向が上下方向に向くように、スライドドア側では幅方向が水平方向を向くように2ヶ所で折り曲げられており、第一の折り曲げ部では、積層フラットケーブルが請求項1記載の折り曲げ構造で折り曲げられており、第二の折り曲げ部では、積層フラットケーブルが折り曲げ線を幅方向に向けて直角に折り曲げられていることを特徴とするスライドドア用給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−117781(P2008−117781A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300173(P2007−300173)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【分割の表示】特願2004−128757(P2004−128757)の分割
【原出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】