説明

積層体およびそれを用いたチューブ容器

【課題】
積層体とその積層体により製造されるチューブ容器に関し、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に表現する積層体、および、それを用いた高意匠性を有するチューブ容器を提供する。
【解決手段】
少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層の厚みが100μm〜300μmであることを特徴とする積層体を作製し、積層体の文字、絵柄印刷面が外側、内面樹脂層が内側となるように、両端部を重ね合わせて溶着された筒状のチューブ容器の胴部に、肩部及び口部からなる頭部を接合してチューブ容器を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体とその積層体により製造されるチューブ容器に関し、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に表現する積層体、および、それを用いた高意匠性を有するチューブ容器を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バリア性が必要な練り歯磨きや食品を内容物とする容器には、胴部に積層材を用いるラミネートチューブ容器が用いられる。これら容器は各種プラスチックフィルムやアルミ箔等を積層した材料をチューブ状に成形した胴部に、肩部、注出口となるプラスチックの成形品を接合させることにより製造される。
【0003】
特許文献1の実施例に記載のチューブ容器の胴部を構成する積層材は、表面印刷層、50μmの最外層合成樹脂層、12μmの二軸延伸合成樹脂フィルム、20μmのLDPE層、70μmのチタン顔料添加の着色合成樹脂層、30μmのエチレンアクリル酸コポリマー層、15μmの軟質AL箔、30μmエチレンアクリル酸コポリマー樹脂層、及び50μm最内層合成樹脂層で構成されている。この胴部に、着脱可能なキャップと注出口部および肩部を接合して、チューブ容器が作製される。
【0004】
その他の従来のチューブ容器として、特許文献2に、アルミ箔のもつ金属光沢と他の色との混合により所望する金属感を現出させて意匠性をもたせたチューブ容器が記載されている。前記チューブ容器は、プラスチック積層シートを作製し、プラスチック積層シートを丸めて両側端部を重ね合わせ、溶着接合し、チューブ状に成形した後、前記チューブ胴部の最表面であるアルミ箔層上面に所望の色に着色された透明または半透明のポリエチレン樹脂の押し出しコート層が被覆形成され、さらにその上に文字や絵柄が印刷されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−230112
【特許文献2】特公平1−32110
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、化粧品、トイレタリー分野では保存料等の添加剤を加えない製品や遮光性を必要とする製品が増加傾向にあり、それら製品を収納する容器として、バリア性と高い意匠性を有するチューブ容器が必要とされている。
しかし、特許文献1に記載のチューブ容器の胴部を構成する積層材は、チタン顔料添加の着色合成樹脂層が隠蔽層の役割を果たすので、チタン顔料と着色材が発現する白を基調とした色彩が容器胴部の地色となり、文字や絵柄の印刷を施した場合であっても、積層材を用いてチューブ容器を作製した際に意匠性が高いとは言いがたい。
一方で地色を所望の色柄に印刷する場合は、表面印刷層として積層材の最表面に地色を印刷するが、印刷機に通す際に搬送ローラーが接するミミ部には印刷ができないことや、積層材を筒貼りして胴部を形成する際に積層材の両端の最外層合成樹脂層と最内層合成樹脂層を溶着して貼り合せるため、貼り合せ部の表面には地色印刷を施すことができず、ミミ部、貼り合せ部には印刷抜けが生じることとなり、積層材を用いてチューブ容器を作製した際に意匠性が低下する。
【0007】
特許文献2に記載のチューブ容器胴部の地色は、ポリエチレン樹脂に着色した色のみによって決まるものであり、グラデーション模様や絵柄等によりチューブ容器に装飾効果を与えることは困難である。また、積層シートを作製する工程と積層シートを用いてチューブ状体を形成する工程とは別に、チューブ状体の外周面にポリエチレン樹脂の押し出しコート層を被覆形成する工程が必要である。このように、チューブ状体でポリエチレン樹脂の押し出しコート層を被覆形成するには時間がかかり、この方法では、チューブ容器の生産性が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するために、鋭意研究した結果、請求項1に記載の発明は、少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層の厚みが100μm〜300μmであることを特徴とする積層体に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層体において、表面印刷投影層が、立体装飾樹脂層側から、基材、基材上に印刷された透明および/または半透明な容器の地色である中間印刷層、及び金属箔層の順で積層されてなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の積層体において、表面印刷投影層が、立体装飾樹脂層側から、無機酸化物蒸着フィルム、この蒸着フィルムの蒸着面に印刷された不透明な容器の地色である中間印刷層からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の積層体において、立体装飾樹脂層上の表面印刷投影層とは異なる面に、表面樹脂層が形成され、表面樹脂層上に文字、絵柄が印刷されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の積層体の文字、絵柄印刷面が外側、内面樹脂層が内側となるように、両端部を重ね合わせて溶着された筒状のチューブ容器の胴部に、肩部及び口部からなる頭部を接合して作製されるチューブ容器に関するものである。
請求項6に記載の発明は、基材の一方の面に透明および/または半透明な容器の地色を印刷して中間印刷層を形成し、中間印刷層上に金属箔を貼り合せて金属箔層を形成して表面印刷投影層を形成する工程、表面印刷投影層中の金属箔層上にヒートシール性樹脂を積層して内面樹脂層を形成する工程、表面印刷投影層中の基材上に樹脂を積層して立体装飾樹脂層を形成する工程、さらに、立体装飾樹脂層上に文字、絵柄を印刷する工程からなり、請求項1、2の積層体を製造する積層体の製造方法に関するものである。
請求項7に記載の発明は、無機酸化物蒸着フィルムの蒸着面上に不透明な容器の地色を印刷して中間印刷層を形成して表面印刷投影層を形成する工程、表面印刷投影層中の中間印刷層上にヒートシール性樹脂を積層して内面樹脂層を形成する工程、表面印刷投影層中の蒸着フィルム上に樹脂を積層して立体装飾樹脂層を形成する工程、さらに、立体装飾樹脂層上に文字、絵柄を印刷する工程からなり、請求項1、3の積層体を製造する積層体の製造方法に関するものである。
請求項8に記載の発明は、表面印刷投影層を形成する工程、表面印刷投影層の一方の面にヒートシール性樹脂を積層して内面樹脂層を形成する工程、表面印刷投影層の他方の面に樹脂を積層して立体装飾樹脂層を形成する工程、立体装飾樹脂層上に樹脂を積層して表面樹脂層を形成する工程、さらに、表面樹脂層上に文字、絵柄を印刷する工程からなり、請求項4の積層体を製造する積層体の製造方法に関するものである。
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8に記載の積層体の製造方法において、グラビア印刷法により中間印刷層を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に表現する積層体を提供することができる。本発明の積層体を用いてチューブ容器を作製した場合には、チューブ容器外側から見た際に文字や絵柄を立体的に演出でき、高意匠性を有するチューブ容器を提供することができる。チューブ容器胴部の地色をグラデーション模様等の多様な柄とすることが可能であり、変化に富んだ装飾効果を発揮することができる。さらに、金属箔を用いた場合は、金属箔が発揮する輝きと中間印刷層の色との混合により、金属箔そのもの以外の金属感が現出でき、チューブ容器に変化に富んだ装飾効果を与えることができる。
また、積層体の表面にでない中間印刷層でチューブ容器胴部の地色を印刷するため、印刷機に通す際のミミ部や積層体を筒状に形成して貼り合せる場合の貼り合せ部においても、印刷抜けを生じることがない。さらに、表面に文字や絵柄を印刷した積層体を筒状に貼り合せるだけで、チューブ胴部を形成でき、貼り合せの後に新たな加工が必要ないので、生産性が高く、低コストで、高意匠性のチューブ容器を製造することができる。
本発明の積層体を用いてパウチ等の包装容器を作製した場合には、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に演出でき、高意匠性を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本願発明の積層体である。
【図2】本願発明の積層体である。
【図3】本願発明のチューブ容器である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明に係る積層体、その積層体を用いたチューブ容器、およびチューブ容器の製造方法について図面等により詳細に説明する。
図1(a)に本発明に係る積層体の一例の構成を示す。最終的に図3のチューブ容器16を作製した際の容器外側となる側から順に、立体装飾樹脂層3、表面印刷投影層4、内面樹脂層5で構成され、表面印刷投影層4は立体装飾樹脂層3と接する側から順に、基材6、透明および/または半透明な中間印刷層7、金属箔層8で構成される。また、図1(b)に示すように、立体装飾樹脂層3上に表面樹脂層11を設けてもよい。立体装飾樹脂層3または表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施される。
図2(a)は、本発明に係る積層体の別の実施形態を示す。最終的に図3のチューブ容器16を作製した際の容器外側となる側から順に、立体装飾樹脂層3、表面印刷投影層41、内面樹脂層5で構成され、表面印刷投影層41は立体装飾樹脂層3と接する側から順に、無機酸化物蒸着フィルム9、不透明な中間印刷層10で構成される。また、図2(b)に示すように立体装飾樹脂層3上に表面樹脂層11を設けてもよい。図1の積層体と同様に、立体装飾樹脂層3または表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施される。
【0012】
図1(a)、(b)に示す本発明の積層体について、具体的に説明する。
内面樹脂層としては、熱によって溶融して、立体装飾樹脂層あるいは表面樹脂層と相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の1種ないしそれ以上からなる樹脂およびそのフィルムないしシートを使用し、内面樹脂層を形成することができる。本発明においては、前記のような樹脂の中でも、特に、線状低密度ポリエチレンを使用することが好ましい。線状低密度ポリエチレンは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点がある。また、内面樹脂層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効である。
内面樹脂層の厚みは100〜210μmが好ましい。
【0013】
表面印刷投影層は、基材、透明および/または半透明な中間印刷層、及び金属箔層から構成されている。
【0014】
中間印刷層は、基材の一方の面に、容器の地色となる所望の色を印刷し、透明および/または半透明な層として形成する。基材としては、二軸延伸PP、PET、ON、EVOHなどの樹脂のフィルムないしシートを使用でき、厚みは10〜50μmが好ましい。
【0015】
中間印刷層は、容器の地色となるもので、透明および/または半透明であれば一様な色柄でもよく、色の濃淡からなるグラデーション模様等、任意の色と柄から形成することができる。中間印刷層の色柄と金属箔等の輝きとの混合により、金属箔以外の金属感を現出させて、容器へ変化に富んだ装飾効果を付与することができる。中間印刷層の厚みは、金属箔との混合による金属感の発現と透明性を維持する程度に適宜設定できる。
【0016】
また、中間印刷層で容器の地色を印刷するので、地色印刷が最表面でなくなり、印刷機に通すためのミミ部分および積層体の両端の貼り合わせ部も地色が印刷された積層体とすることができ、積層体を筒貼りして胴部を形成しても印刷抜けのないチューブ容器胴部を作製できる。
【0017】
金属箔層としては、アルミニウム箔などの金属箔を使用できる。金属箔層の厚みは、9〜15μmが好ましい。金属箔層を設けることにより、上述した意匠性の他に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性、内容物が含有する各種香料の長期保存性、太陽光等に対する遮光性を容器に付与することができる。また、アルミニウム等の金属の蒸着薄膜を有する金属蒸着フィルムも使用することができる。
【0018】
立体装飾樹脂層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンなどの樹脂のフィルムないしシートを使用できる。立体装飾樹脂層の厚みは100〜300μmが好ましい。表面印刷と表面印刷投影層との間に立体装飾樹脂層を設けることにより、表面印刷の文字や絵柄等の影が表面印刷投影層中の金属箔層面に投影され、容器外側から目で見た際に、文字や絵柄等が、その投影された影と多少のずれを生じて重なって、消費者に立体的に見えるといった優れた装飾効果を奏する。立体装飾樹脂層が100μm以下の場合は、表面印刷の文字や絵柄と、その投影された影とのずれが小さく、十分な立体装飾性が生じない。また、300μm以上の場合は、表面印刷と金属箔層が離れすぎ、金属箔面に投影される文字や絵柄等の影が薄くなり、文字や絵柄を十分に立体的に見せることができない。
立体装飾樹脂層上に表面樹脂層を設ける場合は、立体装飾樹脂層と表面樹脂層の厚さの総和が100〜300μmとなることが好ましく、そのため、立体装飾樹脂層の厚みは、100〜260μmがより望ましい。
【0019】
表面印刷は、立体装飾樹脂層上に、文字や絵柄などを印刷して形成する。印刷方法としては、活版印刷方やフレキソ印刷法、シルク印刷法などの通常の印刷方法を用いることができるが、中でも活版印刷法が製造コストが安価であり、印刷した文字や絵柄が美麗である点で好ましい。
【0020】
また、立体装飾樹脂層上に、表面樹脂層を設けてもよい。表面樹脂層を構成する材料としては、印刷による表面印刷を形成し得るヒ−トシ−ル性を有する樹脂を使用することが望ましい。具体的には、ヒ−トシ−ル性を有する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸を使用して酸変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。また、上記のヒ−トシ−ル性を有する樹脂は、例えば、フィルムないしシ−ト、あるいは、その樹脂を含む組成物によるコ−ティング膜の状態で使用することができ、表面樹脂層の厚みは、20〜40μmが好ましい。
表面樹脂層を設けることにより、表面印刷を施す際の印刷適性が向上する。また、積層体の表面の滑り性が良好となるために、充填機に容器を供給する際又は充填機から排出する際に滑りが悪く詰まるなどの問題がなくなり、充填機適性が向上する。
【0021】
図1(a)、(b)に示す本発明の積層体の製造方法について説明する。まず、表面印刷投影層の基材の一方の面に、容器の地色となる所望の色を一様にまたはグラデーション模様等に印刷して透明および/または半透明な中間印刷層を形成する。印刷方法としては、通常の印刷方法を用いることができるが、中でもグラビア印刷法を用いることで、色の濃淡によるグラデーション模様等の多様な柄の印刷を施すことができ、意匠性が向上する。
【0022】
次に、中間印刷層面に、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法により、金属箔を貼り合せて、基材、透明および/または半透明な中間印刷層、金属箔層からなる表面印刷投影層を形成する。
次に、表面印刷投影層の金属箔層側に樹脂フィルムをウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法により貼り合せるか、溶融押出し法により樹脂層を積層して、内面樹脂層を形成する。次に、表面印刷投影層の他方の面である基材側に立体装飾樹脂層を形成する。立体装飾樹脂層の形成には、上述した内面樹脂層の形成方法を用いることができる。
【0023】
なお、前記のラミネ−トを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を任意に使用することができる。
押し出しラミネ−トする際の接着性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポエイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、あるいはエチレン−アクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、あるいはそれらを変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、その他等を使用することができる。また、本発明において、ドライラミネ−トする際の接着剤層を構成する接着剤としては、具体的には、ドライラミネ−ト等において使用される2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エボキシ系接着剤、ゴム系接着剤、その他等を使用することができる。
【0024】
さらに、立体装飾樹脂層上に活版印刷法やフレキソ印刷法、シルク印刷法により文字や絵柄等を印刷する。また、立体装飾樹脂層上に表面樹脂層を設ける場合は、立体装飾樹脂層上に溶融押出し法等により樹脂を押出して表面樹脂層を形成し、表面樹脂層上に印刷する。
【0025】
以上の方法により、図1(a)、(b)に示す本発明の積層体を作製し、積層体の表面印刷側が外側になるように、両端部の立体装飾樹脂層3または表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成し、更に、筒状胴部12の一方の開口部に、例えば、高密度ポリエチレン等を射出成型、その他の成型法で成型溶着して、肩部13、口部14からなる頭部15を設け、本発明のチューブ容器16を作製する。
【0026】
図1(a)、(b)に示す積層体を用いて作製した本発明のチューブ容器16は、容器外側から見た際に、表面印刷2の文字や絵柄の影が表面印刷投影層4中の金属箔層8面に投影され、消費者には表面の文字や絵柄が立体的に浮き上がったように見えるといった優れた装飾効果を有するものである。
【0027】
図2(a)、(b)に示す本発明の積層体について、具体的に説明する。
図2(a)に示す内面樹脂層5、及び立体装飾樹脂層3は、図1(a)に示す積層体に使用するのと同様のものを用いることができる。また、図2(b)に示す積層体は、立体装飾樹脂層3上に、図1(b)に示す積層体と同様に表面樹脂層11を設けたものである。
【0028】
図2の表面印刷投影層41は、基材上に無機酸化物蒸着膜が形成された無機酸化物蒸着フィルム9、及び不透明な中間印刷層10から構成されており、無機酸化物蒸着フィルム9の基材側が立体装飾樹脂層3と接し、蒸着膜側が中間印刷層10と接している。
【0029】
無機酸化物蒸着フィルム層としては、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性フィルム、太陽光等に対する遮光性フィルム、あるいは、内容物に対する保香性等を有するフィルム等を使用することができる。具体的には、上記の無機酸化物蒸着フィルムとしては、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着薄膜を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法クラスタ−イオンビ−ム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical VaporDeposition法、CVD法)等を利用して、樹脂のフィルム基材の上に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着薄膜を形成した樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。樹脂フィルム基材としては、無機酸化物の薄膜を保持し得るプラスチックのフィルムないしシ−トであればいずれのものでも使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アセタ−ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。これらの樹脂フィルム基材の厚みは、12〜20μmが好ましい。12μm未満の場合は、薄すぎてコシがないため、後工程での容器の地色を印刷する際に印刷基材として印刷適性が悪い。20μmより厚い場合は、容器胴部のコシが強くなりすぎるため好ましくない。無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、例えば、10〜3000Å位、好ましくは、60〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。無機酸化物蒸着フィルム層を設けることにより、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性、内容物が含有する各種香料の長期保存性、太陽光等に対する遮光性を容器に付与することができる。
【0030】
立体装飾樹脂層としては、図1に示す積層体に使用するのと同様のものを用いることができ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンなどの樹脂のフィルムないしシートを使用できる。立体装飾樹脂層の厚みは100〜300μmが好ましい。表面印刷と表面印刷投影層との間に立体装飾樹脂層を設けることにより、表面印刷の文字や絵柄等の影が表面印刷投影層中の不透明な中間印刷層面に投影され、容器外側から目で見た際に、文字や絵柄等が、その投影された影と多少のずれを生じて重なって、消費者に立体的に見えるといった優れた装飾効果を奏する。立体装飾樹脂層が100μm以下の場合は、表面印刷の文字や絵柄と、その投影された影とのずれが小さく、十分な立体装飾性が生じない。また、300μm以上の場合は、表面印刷と金属箔層が離れすぎ、金属箔面に投影される文字や絵柄等の影が薄くなり、文字や絵柄を十分に立体的に見せることができない。
立体装飾樹脂層上に表面樹脂層を設ける場合は、立体装飾樹脂層と表面樹脂層の厚さの総和が100〜300μmとなることが好ましく、そのため、立体装飾樹脂層の厚みは、100〜260μmがより望ましい。
【0031】
中間印刷層は、無機酸化物蒸着フィルムの蒸着面側に、容器の地色となる所望の色を印刷し、不透明な層として形成する。中間印刷層は、一様な色柄でもよく、色の濃淡からなるグラデーション模様等、任意の色と柄から形成することができる。
また、中間印刷層で容器の地色を印刷するため、図1の積層体で説明したように積層体の両端の貼り合わせ部に着色されていても筒貼りして胴部を形成でき、印刷抜けのないチューブ容器を作製できる。
【0032】
図2(a)、(b)に示す本発明の積層体の製造方法について説明する。まず、無機酸化物蒸着フィルム層の蒸着面に、容器の地色となる所望の色柄を不透明になるように印刷して不透明な中間印刷層を形成し、無機酸化物蒸着フィルム層、及び不透明な中間印刷層から成る表面印刷投影層を形成する。印刷方法としては、印刷絵柄が不透明になればよく、通常の印刷方法を用いることができるが、中でもグラビア印刷法を用いることで、色の濃淡によるグラデーション模様等の多様な柄の印刷を施すことができ、意匠性が向上する。
【0033】
次に、表面印刷投影層の中間印刷層側に図1の積層体の内面樹脂層の製造方法で説明した方法により、内面樹脂層を積層する。次に、表面印刷投影層の他方の面である無機酸化物蒸着フィルムの基材側に立体装飾樹脂層を形成する。立体装飾樹脂層は、図1の積層体の立体装飾樹脂層の製造方法で説明した方法を用いて形成する。
【0034】
さらに、立体装飾樹脂層上に文字や絵柄等を印刷する。図2(b)に示す積層体の立体装飾樹脂層上の表面樹脂層は、図1(b)に示す積層体を作製する場合と同様に、立体装飾樹脂層上に溶融押出し法等により樹脂材料を押出して形成される。表面樹脂層上には、文字や絵柄等を印刷する。
【0035】
以上の方法により、図2(a)、(b)に示す本発明の積層体を作製し、積層体の表面印刷側が外側になるように、両端部の立体装飾樹脂層3または表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成し、更に、前記筒状胴部12の一方の開口部に、例えば、高密度ポリエチレン等を射出成型、その他の成型法で成型溶着して肩部13、口部14からなる頭部15を設け、本発明のチューブ容器16を作製する。
【0036】
図2(a)、(b)に示す積層体を用いて作製した本発明のチューブ容器16は、容器外側から見た際に、表面印刷2の文字や絵柄の影が表面印刷投影層中4の不透明な中間印刷層10面に投影され、消費者には表面の文字や絵柄が立体的に浮き上がったように見えるといった優れた装飾効果を有するものである。
【0037】
本発明のチューブ容器の製造方法は、積層体を作製する工程、積層体を筒状に丸めて溶着してチューブ容器の胴部に接合する工程、及び予め成型しておいた肩部、口部からなる頭部を胴部に接合する工程によりチューブ容器を作製できるため、チューブ容器の胴部をなすチューブ体に直接加工を施すような従来の技術よりも生産性が高く低コストで、高意匠性チューブ容器を製造できる。
また、本発明の積層体を用いてパウチ等の包装容器を作製することもでき、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に演出し、高意匠性を与えることができる。
【実施例】
【0038】
(実施例1)
以下の手順により本発明の積層体及びチューブ容器を作製した。
(1)表面印刷投影層の基材となる厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、グラビア印刷法により、一部にグラデーション模様を含む薄緑色の半透明なチューブ容器地色を印刷し中間印刷層を設けた。さらに、この印刷面上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ15μmのアルミ箔をラミネートし金属箔層として、金属箔を用いた表面印刷投影層を形成した。
(2)次に、上記アルミ箔上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ130μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、内面樹脂層を形成した。
(3)次に、表面印刷投影層の基材のポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面に、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚み130μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、立体装飾樹脂層を形成した。
(4)次に、立体装飾樹脂層上に、活版印刷法により、チューブ内容物である歯磨きのネームとキャッチコピーデザインを内面樹脂層との貼り合せ予定部分である端部を除いて印刷し、本発明の積層体を作製した。
(5)次に、表面印刷側が外側になるように、積層体の端部で、立体装飾樹脂層と内面樹脂層を重ね合わせ、対向面をヒートシールして筒状胴部を構成した。
(6)最後に、筒状胴部の一方の開口部に高密度ポリエチレンを射出成型し、肩部、口部からなる頭部を接合して本発明のチューブ容器を作製した。
【0039】
(実施例2)
以下の手順により本発明の積層体及びチューブ容器を作製した。
(1)表面印刷投影層の基材となる厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、グラビア印刷法により、一部にグラデーション模様を含む薄ピンク色の半透明なチューブ容器地色を印刷し中間印刷層を設けた。さらに、この印刷面上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ15μmのアルミ箔をラミネートし金属箔層を形成した。
(2)次に、アルミ箔上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ130μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、内面樹脂層を形成した。
(3)次に、表面印刷投影層の基材のポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面に、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ200μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、立体装飾樹脂層を形成した。
(4)次に、立体装飾樹脂層上に、溶融押し出し法により、線状低密度ポリエチレン樹脂を厚さ30μmに積層し、表面樹脂層を形成した。
(5)次に、表面樹脂層上に、活版印刷法により、チューブ内容物であるクリームのネームと背景デザインを内面樹脂層との貼り合せ予定部分である端部を除いて印刷し、本発明の積層体を作製した。
(6)次に、表面印刷側が外側になるように、積層体の端部で、表面樹脂層と内面樹脂層を重ね合わせ、対向面をヒートシールして筒状胴部を構成した。
(7)最後に、筒状胴部の一方の開口部に高密度ポリエチレンを射出成型し、肩部、口部からなる頭部を接合して本発明のチューブ容器を作製した。
【0040】
(実施例3)
以下の手順により本発明の積層体及びチューブ容器を作製した。
(1)厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化珪素の蒸着膜が厚さ100Åで設けられている酸化珪素蒸着フィルムを無機酸化物蒸着フィルムとして用い、この蒸着面上に、グラビア印刷法により、一部にグラデーション模様を含む青色の不透明なチューブ容器地色を印刷し中間印刷層を設けた。
(2)次に、中間印刷層の印刷面上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ130μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし内面樹脂層を形成した。
(3)次に、無機酸化物蒸着フィルムの基材側に、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ130μm線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、立体装飾樹脂層を形成した。
(4)次に、立体装飾樹脂層上に、活版印刷法により、チューブ内容物であるクリームのネームと地紋絵柄を内面樹脂層との貼り合せ予定部分である端部を除いて印刷し、本発明の積層体を作製した。
(5)次に、表面印刷側が外側になるように、積層体の端部で、立体装飾樹脂層と内面樹脂層を重ね合わせ、対向面をヒートシールして筒状胴部を構成した。
(6)最後に、筒状胴部の一方の開口部に高密度ポリエチレンを射出成型し、肩部、口部からなる頭部を接合して本発明のチューブ容器を作製した。
【0041】
(実施例4)
以下の手順により本発明の積層体及びチューブ容器を作製した。
(1)厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化珪素の蒸着膜が厚さ100Åで設けられている酸化珪素蒸着フィルムを無機酸化物蒸着フィルムとして用い、この蒸着面上に、グラビア印刷法により、一部にグラデーション模様を含む赤色の不透明なチューブ容器地色を印刷し中間印刷層を設けた。
(2)次に、中間印刷層の印刷面上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ130μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし内面樹脂層を形成した。
(3)次に、無機酸化物蒸着フィルムの基材側に、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ200μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、立体装飾樹脂層を形成した。
(4)次に、立体装飾樹脂層上に、溶融押し出し法により、線状低密度ポリエチレン樹脂を厚さ30μmに積層し、表面樹脂層を形成した。
(5)次に、表面樹脂層上に、活版印刷法により、チューブ内容物である調味料のネームと地紋絵柄を内面樹脂層との貼り合せ予定部分である端部を除いて印刷し、本発明の積層体を作製した。
(6)次に、表面印刷側が外側になるように、積層体の端部で、表面樹脂層と内面樹脂層を重ね合わせ、対向面をヒートシールして筒状胴部を構成した。
(7)最後に、筒状胴部の一方の開口部に高密度ポリエチレンを射出成型し、肩部、口部からなる頭部を接合して本発明のチューブ容器を作製した。
【0042】
(実施例5)
実施例1における本発明の積層体を用いて外形寸法が長さ190mm、幅180mm、底部ガセット部の折り込み長さ35mmのスタンディングパウチを作製した。
(1)前後2面の壁面フィルムの間に底部フィルムを内側に折り返して挟み、両側縁部をヒートシールした。
(2)内容物としてグラニュー糖500gを充填した後、上部開口部のヒートシールし密封した。
【0043】
(比較例1)
実施例1における、立体装飾樹脂層を溶融押し出し法により、厚さ30μmの線状低密度ポリエチレン樹脂で形成した以外、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。
【0044】
(比較例2)
実施例4における、立体装飾樹脂層を厚さ280μmの線状低密度ポリエチレンフィルムで形成した以外、実施例4と同様にチューブ容器を作製した。
【0045】
(評価)
実施例1〜5および比較例1、2で製造したチューブ容器、スタンディングパウチについて、目視により評価を行ったところ、実施例1〜4のチューブ容器、実施例5のスタンディングパウチについては、表面の文字や絵柄が立体的に見え、意匠性が高いものであった。一方で、比較例1、2のチューブ容器では、表面の文字や絵柄は立体的に見えることはなかった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に表現する積層体、および、それを用いた高意匠性を有するチューブ容器を提供できる。
本発明の積層体を用いてパウチ等の包装容器を作製した場合には、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に表現でき、高意匠性を与えることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 積層体
2 表面印刷
3 立体装飾樹脂層
4 表面印刷投影層
41 表面印刷投影層
5 内面樹脂層
6 基材
7 中間印刷層(透明/半透明)
8 金属箔層
9 無機酸化物蒸着フィルム層
10 中間印刷層(不透明)
11 表面樹脂層
12 胴部
13 肩部
14 口部
15 頭部
16 チューブ容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層の厚みが100μm〜300μmであることを特徴とする積層体。
【請求項2】
表面印刷投影層が、立体装飾樹脂層側から、基材、基材上に印刷された透明および/または半透明な容器の地色である中間印刷層、及び金属箔層の順で積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
表面印刷投影層が、立体装飾樹脂層側から、無機酸化物蒸着フィルム、この蒸着フィルムの蒸着面に印刷された不透明な容器の地色である中間印刷層からなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
立体装飾樹脂層上の表面印刷投影層とは異なる面に、表面樹脂層が形成され、表面樹脂層上に文字、絵柄が印刷されたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の積層体。
【請求項5】
請求項1乃至4の積層体の文字、絵柄印刷面が外側、内面樹脂層が内側となるように、両端部を重ね合わせて溶着された筒状のチューブ容器の胴部に、肩部及び口部からなる頭部を接合して作製されるチューブ容器。
【請求項6】
基材の一方の面に透明および/または半透明な容器の地色を印刷して中間印刷層を形成し、中間印刷層上に金属箔を貼り合せて金属箔層を形成して表面印刷投影層を形成する工程、表面印刷投影層中の金属箔層上にヒートシール性樹脂を積層して内面樹脂層を形成する工程、表面印刷投影層中の基材上に樹脂を積層して立体装飾樹脂層を形成する工程、さらに、立体装飾樹脂層上に文字、絵柄を印刷する工程からなり、請求項1、2の積層体を製造する積層体の製造方法。
【請求項7】
無機酸化物蒸着フィルムの蒸着面上に不透明な容器の地色を印刷して中間印刷層を形成して表面印刷投影層を形成する工程、表面印刷投影層中の中間印刷層上にヒートシール性樹脂を積層して内面樹脂層を形成する工程、表面印刷投影層中の蒸着フィルム上に樹脂を積層して立体装飾樹脂層を形成する工程、さらに、立体装飾樹脂層上に文字、絵柄を印刷する工程からなり、請求項1、3の積層体を製造する積層体の製造方法。
【請求項8】
表面印刷投影層を形成する工程、表面印刷投影層の一方の面にヒートシール性樹脂を積層して内面樹脂層を形成する工程、表面印刷投影層の他方の面に樹脂を積層して立体装飾樹脂層を形成する工程、立体装飾樹脂層上に樹脂を積層して表面樹脂層を形成する工程、さらに、表面樹脂層上に文字、絵柄を印刷する工程からなり、請求項4の積層体を製造する積層体の製造方法。
【請求項9】
グラビア印刷法により中間印刷層を形成することを特徴とする請求項6乃至8に記載の積層体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−234719(P2010−234719A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86849(P2009−86849)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】