積層燃料電池アセンブリ
【課題】本発明の課題は、積層燃料電池を組み立てる方法及び装置を提供することである。
【解決手段】アセンブリヘッドは、1つ以上のパンチを含んでおり、シート素材から一部を分割し、積層のために電極プレートに前記一部を転送するために使用される。開示された実施形態は、積層燃料電池を組み立てる方法を含んでいる。前記方法は、第1の型205に第1のシート素材202bを供給する工程と、アセンブリヘッド204を前記第1の型に隣接する第1の位置へ移動し、前記アセンブリヘッドは、前記第1の型に嵌合する表面507を有する第1のパンチ501を含む工程と、前記第1のパンチを前記第1の型に嵌合し、前記第1のシート素材から一部を分割する工程と、前記第1のシート部分を前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、前記第1のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、電極プレート701を含むアセンブリステーション203に移動する工程と、前記第1のシート素材部分を前記電極プレートの表面に配置する工程とを含む。
【解決手段】アセンブリヘッドは、1つ以上のパンチを含んでおり、シート素材から一部を分割し、積層のために電極プレートに前記一部を転送するために使用される。開示された実施形態は、積層燃料電池を組み立てる方法を含んでいる。前記方法は、第1の型205に第1のシート素材202bを供給する工程と、アセンブリヘッド204を前記第1の型に隣接する第1の位置へ移動し、前記アセンブリヘッドは、前記第1の型に嵌合する表面507を有する第1のパンチ501を含む工程と、前記第1のパンチを前記第1の型に嵌合し、前記第1のシート素材から一部を分割する工程と、前記第1のシート部分を前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、前記第1のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、電極プレート701を含むアセンブリステーション203に移動する工程と、前記第1のシート素材部分を前記電極プレートの表面に配置する工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層燃料電池を組み立てる方法及び装置に関するものであり、1つ以上のパンチを有するアセンブリヘッドが、シート素材から複数の部分を分割し、積層のためにその複数の部分を電極プレートへ転送する。
【背景技術】
【0002】
プロトン交換膜技術に基づく燃料電池は、一般的に、多数の個々の電池を積層することによって組み立てられる。それぞれの電池は、膜電極集合体(MEA)を含んでおり、MEAの両側にアノードプレート及びカソードプレートが連結している。ガスケットは、MEAの周辺において、水密封止を確保するために用いられる。
【0003】
従来の燃料電池10の典型的なレイアウトが図1に示されている。図1では、分かりやすいように、個々の層を展開して図示している。固体高分子イオン転写膜11は、アノード12及びカソード13に挟まれている。一般的に、アノード12及びカソード13は、ともに、白金の微粒子又はその他の貴金属触媒が結合する多孔質炭素のような、電気的伝導性を有し、多孔質の素材から形成される。アノード12及びカソード13は、隣接する膜11の面それぞれに直接接合される。この結合は、一般的に、一まとめにして、膜電極集合体と言われる。
【0004】
アノード流体フローフィールドプレート14及びカソード流体フローフィールドプレート15は、高分子膜11及び多孔質電極層12、13を挟んでいる。中間バッキング層12a、13aは、拡散器又は拡散層とも称されるが、アノード流体フローフィールドプレート14とアノード12の間、及び、同様に、カソード流体フローフィールドプレート15とカソード13の間に設けられていてもよい。バッキング層12a、13aは、多孔質であり、アノード及びカソードの表面へのガスの拡散、及び、アノード及びカソードの表面からのガスの拡散を可能とし、電池内における水蒸気及び液体水の制御も補助する。
【0005】
流体フローフィールドプレート又は電極プレート14、15は、電気的伝導性のある非多孔質性の素材から形成されており、アノード電極12又はカソード電極13それぞれに対する電気的接触がなされる。同時に、流体フローフィールドプレートは、多孔質電極12、13への流体燃料、オキシダント又は反応生成物の運搬や消費を促進したり、多孔質電極12、13からの流体燃料、オキシダント又は反応生成物の運搬や消費を促進する。これは、一般には、流体フローフィールドプレートの表面に流体流路を形成することによって達成される。この流体流路は、例えば、多孔質電極12、13に対向する表面におけるグルーブ(grooves)又はチャネル(channel)16である。
【0006】
電極プレート14、15は、互いに電気的に絶縁され、プレート14、15を横切るフローフィールドは、ガスケットを使用して水密に維持される。このガスケットは、流体フロープレートと高分子膜11の間における流体フィールドエリアの周囲に配置される。
【0007】
有用な量の電力を発生させるために、図1に示されたような個々の電池は、より大きな電池スタックに組み立てられる必要がある。これは、複数の電池を平面スタックに積層することによって行われ、アノードプレート及びカソードプレートは交互に結合することになる。それぞれの電池を直列に接続すると、スタックによってより高い電圧が発生し、電池又は電池のグループを並列に接続すると、より大きい電流が発生する。複数のスタックは、電力を発生させるために用いられてもよく、例えば、水素駆動自動車の電力電源装置に用いられる。
【0008】
多数の電池は、それぞれ個々のスタックを形成するために組み立てられる必要がある。それ故、このようなスタックの製造は、多くの別々の工程を要し、各工程のそれぞれは、各電池を構成する多様な層の正確な位置決め要する。いずれの整合不良は、例えば、電気的な短絡、又は、燃料流路もしくはオキシダント流路からの漏れによって、スタック全体の故障となる。それ故、スタックを組み立てる製造工程が速く、正確であり、信頼きるものであるということは、大量生産への燃料電池技術の適用にとって重要である。
【0009】
このような燃料電池スタックの組み立てに係る特定の問題は、ガスケットのような部品の正確な位置決め及び配列に関するものである。そのような部品は、その性質によって、柔軟性を備え、それ故、特に、サブ・ミリメートルでの位置精度が要求されるときには、例えば、金属性流体フィールドプレートのような他の柔軟性に劣る部品を基準として配列することが困難となる。ガスケットは、接着性ガスケット素材の打ち抜きシートの形で供給され、例えば、流体フローフィールドプレート、又は、MEAのような基板上に位置決めされる前に、裏紙からの除去を要する。
【0010】
このような接着性素材の正確な位置決めは、配列ツールを利用せずに、手作業で達成することは難しく、非常に労働集約的になる。
【0011】
シートは、操作と組み立ての間、動作及び歪みを受けるので、燃料電池アセンブリの柔軟性部品に対してプレカットシートを使用することもまた問題となる。例えば、ガスケットのような接着層に関して、裏紙の使用は、歪みを低減させる傾向にあるが、このようなガスケットの位置決めについて、サブミリメーターレベルの精度を反復可能に維持するためには不十分であろう。
【0012】
更なる問題は、どのようにして、可能な限り少ない操作によって積層燃料電池を組み立て、工程全体の能率促進を行い、位置決め公差の対象となる変数の数を減少させるのかということである。
【0013】
もう一つの一般的な更なる問題は、どのようにして、精度及び反復性のいずれも犠牲にせず、積層燃料電池を組み立てる工程全体の能率促進を行うかということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、上述した問題の1つ以上を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様によると、積層燃料電池を組み立てる方法が提供される。前記方法は、第1の型に第1のシート素材を供給する工程と、アセンブリヘッドを前記第1の型に隣接する第1の位置へ移動し、前記アセンブリヘッドは、前記第1の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、前記第1のパンチを前記第1の型に嵌合し、前記第1のシート素材から一部を分割する工程と、前記第1のシート部分を前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、前記第1のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、電極プレートを含むアセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分を前記電極プレートの表面に配置する工程とを含む。
【0016】
本発明の利点は、シート素材の裁断工程、及び、その裁断された素材を積層のために電極プレートへ転送する工程が、単一の工程の部分として実施され、単一のアセンブリヘッドを使用することである。これによって、プリカットシートの操縦と組み立ての間における動作及び歪みに関する上述の問題が解消される。本発明の更なる利点は、直接的かつ間接的に組み立て費用が低減することである。これは、パンチング及び積層操作が、同じ全体工程の範囲内で実施されることによる。
【0017】
前記シート部分は、前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第1のパンチの前記表面に付着されてもよい。パンチに対してシート部分を保持するために、負圧システムを使用することによって、シート素材が、アセンブリステーションへの移動の間、しっかりとアセンブリヘッドに保持されることが可能となり、また、シート素材が、電極プレートに積層された後に解放されることが可能となる。
【0018】
前記方法は、前記アセンブリヘッドが、第2の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含み、第2のシート素材を前記第2の型に供給する工程と、前記アセンブリヘッドを前記第2の型に隣接する第2の位置へ移動する工程と、前記第2のパンチを前記第2の型に嵌合し、前記第2のシート素材から一部を分割する工程と、前記第2のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第2のシート素材部分を前記電極プレートの前記表面に配置する工程とを含んでいてもよい。
【0019】
アセンブリヘッドに1つ以上のパンチを有することによって、装置が遂行することになる操作数が低減し、工程の能率促進が図られる。
【0020】
前記第1のシート素材と同様に、前記第2のシート部分は、前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のパンチの前記表面に付着されてもよい。
【0021】
前記アセンブリヘッドは、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の両方を有して、前記第2の位置から前記アセンブリステーションに移動され、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分は、単一の操作において、前記電極プレートの前記表面に配置されてもよい。これによって、第1のシート部分及び第2のシート部分の相対的な位置決め公差が改善される。これは、アセンブリステーションに対する相対的なアセンブリヘッドの位置決め公差によるものでなく、第1のシート部分及び第2のシート部分の位置決め公差によって指示されるからである。
【0022】
好ましい実施形態において、前記第2のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第1のパンチの前記表面の内周の内側に収まる。これは、特に、ガスケット素材が、積層燃料電池においてガス拡散層素材の周囲を囲む必要があって、第1のシート素材が接着性ガスケット素材を含み、第2のシート素材が多孔質ガス拡散層素材を含んでいるときに関するものである。これによって、両シート素材がアセンブリヘッドに付着して同時に移動することとなり、組み立て工程から移動操作が1つ省略される。
【0023】
前記第1又は第2のシート素材は、直線状のシート供給ラインによって、前記第1のシート素材から前記第1の型に供給されてもよい。シート素材の片は、リール(reel)から供給される。シート素材の裁断は、組み立て装置において実施されるので、シート素材は、組み立て工程と互換性をもつ指定の幅及び厚さ以外の別の形態で供給される必要はない。
【0024】
前記電極プレートは、一連の連結した電極プレートを含む直線状のシート供給ラインによって、前記アセンブリステーションに供給されてもよい。電極プレートは、アノードプレートであってもよく、任意に要求され、既に所定の位置にあるフローチャネルを有したプレカットの状態で供給されてもよい。
【0025】
前記一連の連結した電極プレートは、前記電極プレートの前記表面に前記第1のシート素材部分を配置する操作の後に、前記アセンブリステーションから第2のアセンブリステーションに間欠送りされてもよい。次に、第2のアセンブリステーションは、更なる電極プレート、例えば、カソードプレートの配置のような他の操作を遂行するために使用することができる。一方、第1のアセンブリステーションは、新たな電極プレートを供給され、更なるシート素材が配置される。それ故、第2のアセンブリステーションで実施される操作は、第1のアセンブリステーションで実施される後続の操作と並行して実施することができ、それによって、更に、能率促進が図られる。
【0026】
上記において、前記アセンブリヘッドは、第1のアセンブリヘッドであり、前記方法は、更に、第3のシート素材を第3の型に供給する工程と、第2のアセンブリヘッドを第3の型に隣接する第3の位置へ移動し、前記第2のアセンブリヘッドは、前記第3の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチを前記第3の型に嵌合し、前記第3のシート素材から一部を分割する工程と、前記第3のシート部分を前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、前記第3のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第3のシート素材部分を配置する工程とを含んでもいてもよい。
【0027】
実質的に第1のアセンブリヘッドと同じ第2のアセンブリヘッドを使用すると、複数の操作が並行して実施される。例えば、第1のアセンブリヘッド及び第2のアセンブリヘッドは、異なる裁断位置に移動するように操作され、同時に、シート素材部分を取得するように操作され、次に、シート素材部分を順に電極プレートの上に配置する。これは、更に、工程全体の能率促進を図る。
【0028】
第1のシート部分及び第2のシート部分と同様に、前記第3のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着されてもよい。
【0029】
第1のアセンブリヘッドと同様に、前記第2のアセンブリヘッドは、第4の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含んでいてもよい。また、前記の方法は、更に、第4のシート素材を前記第4の型に供給する工程と、前記第2のアセンブリヘッドを前記第4の型に隣接する第4の位置へ移動する工程と、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチを前記第4の型に嵌合し、前記第4のシート素材から一部を分割する工程と、前記第4のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第4のシート素材部分を配置する工程とを含んでもよい。
【0030】
第3のシート素材部分及び第4のシート素材部分は、例えば、燃料電池のカソード側のガスケット及びガス拡散層であってもよい。その場合、第1のシート素材部分及び第2のシート素材部分は、燃料電池のアノード側のガスケット及びガス拡散層となる。
【0031】
選択的な実施態様において、前記第1のアセンブリヘッドは、前記第1のシート素材部分、前記第2のシート素材部分、前記第3のシート素材部分、及び、前記第4のシート素材部分のそれぞれを裁断して、移動させるために使用されてもよい。
【0032】
他のシート部分と同様に、前記第4のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面に付着されてもよい。
【0033】
前記第2のアセンブリヘッドは、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分の両方を有して、前記第4の位置から前記アセンブリステーションに移動されてもよく、前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分は、単一の操作において、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に配置される。
【0034】
前記第1のアセンブリヘッドは、第5の位置にある第5の型に嵌合する第3のパンチを含んでいてもよい。また、前記方法は、第5のシート素材を前記第5の型に供給する工程と、前記第1のアセンブリヘッドを前記第5の位置に移動する工程と、前記第3のパンチを前記第5の型に嵌合し、前記第5のシート素材から一部を分割する工程と、前記第5のシート素材部分を有する前記第1のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第5のシート素材部分を配置する工程とを含んでいてもよい。
【0035】
選択的な実施態様において、第2のアセンブリヘッドは、第5の位置にある第5の型に嵌合するパンチを含んでいてもよい。前記方法は、第5のシート素材を前記第5の型に供給する工程と、前記第2のアセンブリヘッドを前記第5の位置に移動させる工程と、前記第2のアセンブリヘッドの前記パンチヘッドを嵌合させて、前記第5のシート素材から一部を分割する工程と、前記第5のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第5のシート素材部分を配置する工程とを含んでいてもよい。
【0036】
前記第5のシート素材部分は、好ましくは、前記燃料電池集合体に対応した膜電極集合体を形成する。
【0037】
本発明の第2の実施態様によると、複数のシート供給ラインと、アセンブリステーションと、複数の裁断ステーションと、アセンブリヘッドとを含む積層燃料電池を組み立てる装置が提供される。前記複数のシート供給ラインは、前記燃料電池の層に対応するシート素材を受け取り、一連の連結した電極プレートを前記アセンブリステーションに間欠送りする。前記アセンブリステーションは、前記シート供給ラインの1つによって与えられる。前記複数の裁断ステーションは、前記複数のシート供給ラインの他の1つによって与えられ、前記シート素材のそれぞれから分割される部分を定めるための型を含んでいる。前記アセンブリヘッドは、前記アセンブリステーションと前記裁断ステーションのそれぞれの間において移動可能であり、第1のパンチを含んでいる。前記第1のパンチは、前記裁断位置の第1の位置にある対応した型に嵌合する表面を有している。前記装置は、前記裁断ステーションと前記アセンブリステーションの間において、前記アセンブリヘッドを移動させる。前記装置は、前記アセンブリヘッドを作動させ、前記裁断ステーションにおいて前記シート素材それぞれからシート素材の一部を分割する。前記装置は、前記裁断ステーションから前記アセンブリステーションに前記分割した部分を転送する。
【0038】
前記アセンブリヘッドは、第2のパンチを含んでおり、前記第2のパンチは、前記裁断位置の第2の位置にある対応した型に嵌合する表面を有していてもよく、前記第2のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第1のパンチの前記表面の内周の内側に収まる。
【0039】
前記第1のパンチ及び前記第2のパンチは、開口部を含み、前記開口部が、負圧を印加して、前記パンチそれぞれによって分割されたシート素材を前記アセンブリヘッドに付着させるものであってもよい。
【0040】
本発明の第1の実施態様に関連する他の選択的かつ好ましい特徴が、第2の実施態様に提供されてもよい。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、積層燃料電池を組み立てる方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
以下、本発明の実施形態について、実施例及び図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【図1】高分子電解質膜燃料電池の略分解断面図である。
【図2】積層燃料電池の組み立てに用いる典型的な装置の斜視図である。
【図3】図2の装置の平面図である。
【図4】図2及び図3の装置の側面図である。
【図5】図2乃至図4の装置に用いる典型的なアセンブリヘッドの一連の切取り斜視図である。
【図6】図2乃至図4の装置に用いる典型的なアセンブリヘッドの一連の切取り斜視図である。
【図7】積層燃料電池アセンブリの組み立てにおける一連の工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1に示す一般的な燃料電池の構造は、背景技術の欄で述べたとおりである。
【0044】
図2は、本発明の第2の態様による典型的な装置200の斜視図である。図3は、装置200の平面図であり、図4は、装置200の側面図である。複数のシート供給ライン201a〜gは、シート素材202a〜202gの数に対応して設けられている。図示された具体例においては、全部で7つの供給ラインが設けられており、連結した一連のMEA202a、2つの接着性ガスケットシート素材202b、202f、2つのガス拡散層素材202c、202e、一連の連結したアノード電極プレート202d、及び、一連の連結したカソード電極プレート202gを供給するように設計されている。ガスケット及びガス拡散層ライン201b、201c、201e、201fに用いられる素材は、未加工の状態で供給される。すなわち、規定のシート厚と幅のみをもって供給される。一方、アノード電極プレート202dとカソード電極プレート202gに用いられる素材は、流体フローチャネルのような表面機能を備えており、事前に準備された形態で、既に所定の位置に供給される。流体フローチャネルは、例えば、スタンピング又はエッチングの少なくとも一方によって形成されていてもよい。アノードプレートとカソードプレートがアセンブリ200を通じて間欠送りされるように、連続したプレートは、互いに接続される。もっとも、これらのプレートは、このような部品のスタックを含むホッパー(hopper)から代替的に供給されてもよい。ガスケット及びガス拡散素材は、リール(reel)又はシートフェッドストック(sheet fed stock)から供給されてもよい。ガスケット素材は、片側又は両側に裏紙を有する接着性シートの形態で供給されてもよいが、ガス拡散層素材は、接着層を有さずに供給されてもよい。
【0045】
MEAライン201aは、既製の膜電極集合体を提供される。示された実施例において、その膜電極集合体は、間欠送りのために互いに連結されており、組み立ての前に、最後の裁断のみを要し、個々のMEA部品を切調え、分割する。MEAは、シート供給機からのリールフェッドシート(reel fed sheet)、又は、個々の部品のどちらかとしても供給されることができる。それぞれの供給ラインにとって、アセンブリ200が、シート又は一連の連結した部品の状態で素材を供給されることは、アセンブリの複雑さを低減させるので、利点となる。
【0046】
アノードプレート202dは、供給ライン201dによって、第1の中間積層又はアセンブリ、ステーション203に向けて、間欠送りされる。ステーション203において、ガスケット、ガス拡散層、及び、膜電極集合体部品がアノードプレートそれぞれに積層される。この目的のために、多機能性のアセンブリヘッド204が提供される。アセンブリヘッド204は、ピックアンドプレース装置(明示的には図示されていない)を用いて、1つ以上の軸に沿って、供給ラインを跨いで横断可能である。好ましい具体例として、アセンブリヘッド204は、X軸(図2に図示)に沿って移動可能となっている。X軸は、供給ラインの平面に沿った方向にあり、供給ラインがシート素材を供給する方向に対して横軸となる。また、X軸は、Z軸において、すなわち、供給ラインの平面に直交する方向において、昇降可能である。
【0047】
ガス拡散層及び接着性ガスケットを有したアノードプレートを含む集合体に至る典型的な一連の操作は、以下のとおり進行する。
【0048】
アノードプレートは、最初に、アセンブリステーション203へ進む。アノードプレートは、アセンブリステーションにおける1つ以上のピンを用いて配置されることによって、アセンブリステーション203に正確に配置されてもよい。このピンは、アノードプレートにおける孔に対応し、この穴と嵌合する。アセンブリヘッド204は、ガスケット供給ライン201b上の位置にある第1の型205に移動する。次に、アセンブリヘッドのパンチは、ガスケット素材202bを越えて型に嵌合し、シートからガスケット形状の片を切り取る。パンチは、一連の開口部が設けられており、開口部を通じて、負圧が印加され、ガスケットがアセンブリヘッド204に保持される。次に、アセンブリヘッドは、型205から後退し、第2の型206に移動し、その上にガス拡散層素材が提供される。
【0049】
アセンブリヘッド上の所定の位置にガスケット素材を有したまま、アセンブリヘッドの第2のパンチは、ガス拡散層素材を越えて第2の型に嵌合し、既存のガスケット素材によって囲まれた素材の一部を切り出す。次に、アセンブリヘッド204は、第2の型206から後退し、アセンブリステーション203に移動し、ガスケットとガス拡散層部分の両方を運搬する。次に、単一の操作において、アセンブリヘッドは、アセンブリステーション203に位置するアノードプレートにガスケット及びガス拡散層を配置する。ガス拡散層は、全体がガスケット層の内側に収まるので、ガス拡散層は、一度アノードプレートに配置されると、所定の位置において、側方に保持される。それ故、ガス拡散層に接着剤は不要となるが、その層が後続の工程の間に移動しないように、少なくとも部分的な接着層が設けられてもよい。
【0050】
いったん、ガスケット及びガス拡散層が配置されると、MEA層は、アノードプレートの上に配置される。これは、アセンブリヘッド204を移動することによって行われてもよく、アセンブリヘッド204は、MEA部品を切り出して、MEA部品に保持するための第3のパンチを含んでいてもよい。また、これは、選択的に、特に、MEA部品を裁断し、アセンブリステーション203に移動させるための第2のアセンブリヘッド207を使用することによって実施されてもよい。
【0051】
上述した第1の選択的手段において、名目上、第1のアセンブリヘッド204と同一である第2のアセンブリヘッド208が、シート供給ライン201g、201fによって供給される型209、210のそれぞれからガスケット及びガス拡散層の部分を得るために設けられていてもよい。それ故、この第2のアセンブリヘッド208は、第1のアセンブリヘッドがMEAステーション211からMEAを取り出す間に、並行して、他の操作を実施することによって、工程全体の能率促進をするために使用されることができる。
【0052】
第2の選択的手段において、第1のアセンブリヘッド204は、型209、210からガスケット及びガス拡散層部分を得るために用いられてもよく、第2のアセンブリヘッド207は、MEAを取得るために用いられる。この選択的手段において、MEAステーション211は、好ましくは、アセンブリステーション203からオフセットされ、第2のアセンブリヘッド207の動きと第1のアセンブリヘッド204の動きの間における任意の衝突が回避される。第2のアセンブリヘッド207は、アノードプレートにMEA部品を転送するために、MEAアセンブリステーション211と第1のアセンブリステーション203の間において移動する設計となっている。
【0053】
第1の選択的手段及び第2の選択的手段のそれぞれにおいて、いくつかの操作が並行して実施され、それ故、組み立て工程全体が、アセンブリヘッド1つのみを使用する場合よりも迅速化する。特に、MEA層の転送のために別々のアセンブリヘッドを使用すると、3つの裁断工程ではなく、2つの裁断工程を要するだけであるので、アセンブリヘッド204の設計の複雑さを低減させる。
【0054】
いったん、アノードプレートが、要求されるガスケット、ガス拡散層、及び、MEAに設けられると、アノードプレート供給ライン201dは、間欠送りされ、アノードプレートを第2のアセンブリステーション212に移動させる。次に、第3のアセンブリヘッド213は、カソードプレート供給ライン201gによって供給されるカソードプレートの上方にあって、カソードシート素材202gからカソードプレートを持ち上げ、カソードプレートを第2のアセンブリステーション212の上方へ移動させる。材料切断刃作動装置214は、操作され、シート供給ラインからカソードプレートを分割する。
【0055】
いったん、カソードプレートが、第2のアセンブリステーション212に配置されると、アノード供給ラインは、完成した燃料電池を第3のアセンブリステーション217に間欠送りし、更に、材料切断刃差動装置215は、連続する間欠移送工程において、二度操作され、アノード供給ライン202dから組み立てられた燃料電池を分割する。次に、組み立てられた燃料電池は、更なる組み立てのために、アセンブリ斜路216に移送される。第3のアセンブリステーション217は、好ましくは、材料切断操作の間、所定の入りに燃料電池集合体を保持するために、負圧ベッドが設けられる。
【0056】
上述したアセンブリヘッドそれぞれにとって、好ましくは、負圧システムが、アセンブリステーション203、212において、打ち抜き工程及び積層工程の間に部品を保持するために使用される。アセンブリヘッド204の更なる詳細は、以下において記述される。
【0057】
多様な廃棄物斜路218〜223は、図1にも示されている。シート供給ラインからの多様な部品を分割する裁断操作の後に、供給ライン201a〜c、供給ライン201e〜gからの廃棄素材は、廃棄斜路218〜223に沿って供給される。
【0058】
組み立ての間、部品の相対位置を監視するように、1台以上のカメラ401(図4)をシート供給アセンブリ201の下に設けてもよい。カメラ401は、例えば、ガスケットの縁とガス拡散層の縁が、それぞれの型の上方において正確な位置にあることを確認するために使用してもよい。カメラは、アノードライン及びカソードラインを監視するため、又は、必要に応じて、アノードライン及びカソードラインを調整するために使用してもよい。
【0059】
図5及び図6は、典型的なアセンブリヘッド204の異なる切取り斜視図である。アセンブリヘッド204は、ガスケット及びガス拡散層シート素材を裁断及び移動させるために、別々の位置にある。図5a及び図6aの部分A及び部分Bにおいて、アセンブリヘッドは、ガスケット型205に隣接する位置にあり、外縁502、内縁503、及び、更なる特徴部分504を含んだ第1のパンチを有している。特徴部分504は、ガスケット型205と嵌合する関係にあるガスケット素材に流体フローチャネルを設ける設計となっている。第1のパンチが型205に接触すると、ガスケットの外側の外形及び内側の外形が、同時に、内縁503、外縁502、及び、更なる特徴的部分504によって形成され、廃棄素材が排出される。負圧ホルダ501は、この打ち抜き操作の後にパンチの表面507に付着したガスケットを保持するために、内縁及び外縁504、502の間に設けられる。ガスケット型205との嵌合の後、第1のパンチは、後退し、第2のパンチ505が、伸長してガス拡散層型206(部分C)と嵌合する。第2のパンチ505は、第1のパンチの内縁と共通する外縁503を含んでいる。両シート素材が分割された後、図5及び図6の部分Dに示されるように、第1及び第2のパンチ501、505それぞれの表面507、508は、互いに位置合わせされるとともに、表面507、508の所定の位置に保持されるシート素材(図示省略)が、アセンブリステーション203(図2)において、アノードプレートに配置される。
【0060】
図5及び図6は、アセンブリヘッド204に設けられた負圧ライン509、510も図示している。負圧ライン509、510は、第1及び第2のパンチ501、505の表面507、508に設けられた開口部に吸引力を印加し、アセンブリステーション203への移動の間、シート素材を所定の位置に保持する。第1の負圧ライン509は、第1のパンチ501の表面507に対して吸引力を印加し、第2の負圧ライン510は、第2のパンチ505の表面508に対して吸引力を印加する。
【0061】
図7は、ガスケット及びガス拡散層を転送する典型的な一連の工程を概略的に示すものである。ガスケット及びガス拡散層は、型205、206それぞれからアセンブリステーション203に対して転送される。アセンブリステーション203には、アノードプレート701が設けられている。工程Aにおいて、アセンブリヘッドは、ガスケット型の上方の所定の位置にある。ガスケット素材は、型の上方に供給され、アセンブリヘッドは、第1のパンチ501(図5及び図6)をガスケット型205に嵌合させる(工程B)。ガスケット素材の一部702は、工程において、ガスケット型205を通じて排出され、廃棄される。次に、アセンブリヘッド204は、ガスケット型205から後退し(工程C)、ガス拡散層型206の上方に移動する(工程D)。次に、アセンブリヘッド204は、第2のパンチをガス拡散層型206に嵌合させ(工程E)、ガスケット及びガス拡散層部分の両方を第1及び第2のパンチそれぞれの表面に付着したまま、ガス拡散層型206から後退する。次に、アセンブリヘッド204は、アセンブリステーション203の上方に移動し(工程G)、アノードプレート701にガスケット及びガス拡散層部分を配置する(工程H)。次に、アセンブリヘッド204は、アセンブリステーションから後退し(段階I)、ガスケット素材の上面から裏紙を取り除く。次に、裏紙は、アセンブリヘッド204、廃棄素材斜路、又は、漏斗に移動され、第1のパンチの表面に印加された負圧を解放することによって廃棄される。また、裏紙を確保するための選択的な正圧の印加が解除され、任意の残留素材が排出される。
【0062】
後続する処理工程において、MEAはアノードプレート701の上方に配置される。次に、図7に示された工程に従って、更に、ガスケット及びガス拡散層が配置される。次に、カソードプレートが配置され、燃料電池集合体を完成させる。
【0063】
アセンブリヘッド204は、好ましくは、上述した操作が、少なくとも2つの平行な軸に沿ってヘッドを移動させることが可能なピックアンドプレースアームを用いることによって、実施され得るような設計となっている。ヘッドは、更に、追加の回転軸を含むように設計されてもよく、その場合、追加の工程が組み入れられる。
【0064】
上述した典型的な実施形態において、別々の供給ライン201b、201fが、2つのガスケット素材202b、202fに対して設けられ、アノード側及びカソード側の異なる形状及び設計のガスケットを実現する。同様に、別々の供給ライン201c、201eは、2つのガス拡散層素材202c、202eに対して設けられることによって、異なる形状及び素材がアノード側とカソード側に対して使用され得る。これらのラインは、ガスケットラインを1つの共通のラインへ統合するか、ガス拡散ラインを1つの共通ラインに統合することによって、簡素化される。これによって、更に、工程及び関連するインベントリの要件を簡素化できる。
【0065】
添付した特許請求の範囲によって定まる本発明の範囲には、他の実施態様も当然に含まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層燃料電池を組み立てる方法及び装置に関するものであり、1つ以上のパンチを有するアセンブリヘッドが、シート素材から複数の部分を分割し、積層のためにその複数の部分を電極プレートへ転送する。
【背景技術】
【0002】
プロトン交換膜技術に基づく燃料電池は、一般的に、多数の個々の電池を積層することによって組み立てられる。それぞれの電池は、膜電極集合体(MEA)を含んでおり、MEAの両側にアノードプレート及びカソードプレートが連結している。ガスケットは、MEAの周辺において、水密封止を確保するために用いられる。
【0003】
従来の燃料電池10の典型的なレイアウトが図1に示されている。図1では、分かりやすいように、個々の層を展開して図示している。固体高分子イオン転写膜11は、アノード12及びカソード13に挟まれている。一般的に、アノード12及びカソード13は、ともに、白金の微粒子又はその他の貴金属触媒が結合する多孔質炭素のような、電気的伝導性を有し、多孔質の素材から形成される。アノード12及びカソード13は、隣接する膜11の面それぞれに直接接合される。この結合は、一般的に、一まとめにして、膜電極集合体と言われる。
【0004】
アノード流体フローフィールドプレート14及びカソード流体フローフィールドプレート15は、高分子膜11及び多孔質電極層12、13を挟んでいる。中間バッキング層12a、13aは、拡散器又は拡散層とも称されるが、アノード流体フローフィールドプレート14とアノード12の間、及び、同様に、カソード流体フローフィールドプレート15とカソード13の間に設けられていてもよい。バッキング層12a、13aは、多孔質であり、アノード及びカソードの表面へのガスの拡散、及び、アノード及びカソードの表面からのガスの拡散を可能とし、電池内における水蒸気及び液体水の制御も補助する。
【0005】
流体フローフィールドプレート又は電極プレート14、15は、電気的伝導性のある非多孔質性の素材から形成されており、アノード電極12又はカソード電極13それぞれに対する電気的接触がなされる。同時に、流体フローフィールドプレートは、多孔質電極12、13への流体燃料、オキシダント又は反応生成物の運搬や消費を促進したり、多孔質電極12、13からの流体燃料、オキシダント又は反応生成物の運搬や消費を促進する。これは、一般には、流体フローフィールドプレートの表面に流体流路を形成することによって達成される。この流体流路は、例えば、多孔質電極12、13に対向する表面におけるグルーブ(grooves)又はチャネル(channel)16である。
【0006】
電極プレート14、15は、互いに電気的に絶縁され、プレート14、15を横切るフローフィールドは、ガスケットを使用して水密に維持される。このガスケットは、流体フロープレートと高分子膜11の間における流体フィールドエリアの周囲に配置される。
【0007】
有用な量の電力を発生させるために、図1に示されたような個々の電池は、より大きな電池スタックに組み立てられる必要がある。これは、複数の電池を平面スタックに積層することによって行われ、アノードプレート及びカソードプレートは交互に結合することになる。それぞれの電池を直列に接続すると、スタックによってより高い電圧が発生し、電池又は電池のグループを並列に接続すると、より大きい電流が発生する。複数のスタックは、電力を発生させるために用いられてもよく、例えば、水素駆動自動車の電力電源装置に用いられる。
【0008】
多数の電池は、それぞれ個々のスタックを形成するために組み立てられる必要がある。それ故、このようなスタックの製造は、多くの別々の工程を要し、各工程のそれぞれは、各電池を構成する多様な層の正確な位置決め要する。いずれの整合不良は、例えば、電気的な短絡、又は、燃料流路もしくはオキシダント流路からの漏れによって、スタック全体の故障となる。それ故、スタックを組み立てる製造工程が速く、正確であり、信頼きるものであるということは、大量生産への燃料電池技術の適用にとって重要である。
【0009】
このような燃料電池スタックの組み立てに係る特定の問題は、ガスケットのような部品の正確な位置決め及び配列に関するものである。そのような部品は、その性質によって、柔軟性を備え、それ故、特に、サブ・ミリメートルでの位置精度が要求されるときには、例えば、金属性流体フィールドプレートのような他の柔軟性に劣る部品を基準として配列することが困難となる。ガスケットは、接着性ガスケット素材の打ち抜きシートの形で供給され、例えば、流体フローフィールドプレート、又は、MEAのような基板上に位置決めされる前に、裏紙からの除去を要する。
【0010】
このような接着性素材の正確な位置決めは、配列ツールを利用せずに、手作業で達成することは難しく、非常に労働集約的になる。
【0011】
シートは、操作と組み立ての間、動作及び歪みを受けるので、燃料電池アセンブリの柔軟性部品に対してプレカットシートを使用することもまた問題となる。例えば、ガスケットのような接着層に関して、裏紙の使用は、歪みを低減させる傾向にあるが、このようなガスケットの位置決めについて、サブミリメーターレベルの精度を反復可能に維持するためには不十分であろう。
【0012】
更なる問題は、どのようにして、可能な限り少ない操作によって積層燃料電池を組み立て、工程全体の能率促進を行い、位置決め公差の対象となる変数の数を減少させるのかということである。
【0013】
もう一つの一般的な更なる問題は、どのようにして、精度及び反復性のいずれも犠牲にせず、積層燃料電池を組み立てる工程全体の能率促進を行うかということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、上述した問題の1つ以上を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様によると、積層燃料電池を組み立てる方法が提供される。前記方法は、第1の型に第1のシート素材を供給する工程と、アセンブリヘッドを前記第1の型に隣接する第1の位置へ移動し、前記アセンブリヘッドは、前記第1の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、前記第1のパンチを前記第1の型に嵌合し、前記第1のシート素材から一部を分割する工程と、前記第1のシート部分を前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、前記第1のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、電極プレートを含むアセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分を前記電極プレートの表面に配置する工程とを含む。
【0016】
本発明の利点は、シート素材の裁断工程、及び、その裁断された素材を積層のために電極プレートへ転送する工程が、単一の工程の部分として実施され、単一のアセンブリヘッドを使用することである。これによって、プリカットシートの操縦と組み立ての間における動作及び歪みに関する上述の問題が解消される。本発明の更なる利点は、直接的かつ間接的に組み立て費用が低減することである。これは、パンチング及び積層操作が、同じ全体工程の範囲内で実施されることによる。
【0017】
前記シート部分は、前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第1のパンチの前記表面に付着されてもよい。パンチに対してシート部分を保持するために、負圧システムを使用することによって、シート素材が、アセンブリステーションへの移動の間、しっかりとアセンブリヘッドに保持されることが可能となり、また、シート素材が、電極プレートに積層された後に解放されることが可能となる。
【0018】
前記方法は、前記アセンブリヘッドが、第2の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含み、第2のシート素材を前記第2の型に供給する工程と、前記アセンブリヘッドを前記第2の型に隣接する第2の位置へ移動する工程と、前記第2のパンチを前記第2の型に嵌合し、前記第2のシート素材から一部を分割する工程と、前記第2のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第2のシート素材部分を前記電極プレートの前記表面に配置する工程とを含んでいてもよい。
【0019】
アセンブリヘッドに1つ以上のパンチを有することによって、装置が遂行することになる操作数が低減し、工程の能率促進が図られる。
【0020】
前記第1のシート素材と同様に、前記第2のシート部分は、前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のパンチの前記表面に付着されてもよい。
【0021】
前記アセンブリヘッドは、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の両方を有して、前記第2の位置から前記アセンブリステーションに移動され、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分は、単一の操作において、前記電極プレートの前記表面に配置されてもよい。これによって、第1のシート部分及び第2のシート部分の相対的な位置決め公差が改善される。これは、アセンブリステーションに対する相対的なアセンブリヘッドの位置決め公差によるものでなく、第1のシート部分及び第2のシート部分の位置決め公差によって指示されるからである。
【0022】
好ましい実施形態において、前記第2のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第1のパンチの前記表面の内周の内側に収まる。これは、特に、ガスケット素材が、積層燃料電池においてガス拡散層素材の周囲を囲む必要があって、第1のシート素材が接着性ガスケット素材を含み、第2のシート素材が多孔質ガス拡散層素材を含んでいるときに関するものである。これによって、両シート素材がアセンブリヘッドに付着して同時に移動することとなり、組み立て工程から移動操作が1つ省略される。
【0023】
前記第1又は第2のシート素材は、直線状のシート供給ラインによって、前記第1のシート素材から前記第1の型に供給されてもよい。シート素材の片は、リール(reel)から供給される。シート素材の裁断は、組み立て装置において実施されるので、シート素材は、組み立て工程と互換性をもつ指定の幅及び厚さ以外の別の形態で供給される必要はない。
【0024】
前記電極プレートは、一連の連結した電極プレートを含む直線状のシート供給ラインによって、前記アセンブリステーションに供給されてもよい。電極プレートは、アノードプレートであってもよく、任意に要求され、既に所定の位置にあるフローチャネルを有したプレカットの状態で供給されてもよい。
【0025】
前記一連の連結した電極プレートは、前記電極プレートの前記表面に前記第1のシート素材部分を配置する操作の後に、前記アセンブリステーションから第2のアセンブリステーションに間欠送りされてもよい。次に、第2のアセンブリステーションは、更なる電極プレート、例えば、カソードプレートの配置のような他の操作を遂行するために使用することができる。一方、第1のアセンブリステーションは、新たな電極プレートを供給され、更なるシート素材が配置される。それ故、第2のアセンブリステーションで実施される操作は、第1のアセンブリステーションで実施される後続の操作と並行して実施することができ、それによって、更に、能率促進が図られる。
【0026】
上記において、前記アセンブリヘッドは、第1のアセンブリヘッドであり、前記方法は、更に、第3のシート素材を第3の型に供給する工程と、第2のアセンブリヘッドを第3の型に隣接する第3の位置へ移動し、前記第2のアセンブリヘッドは、前記第3の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチを前記第3の型に嵌合し、前記第3のシート素材から一部を分割する工程と、前記第3のシート部分を前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、前記第3のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第3のシート素材部分を配置する工程とを含んでもいてもよい。
【0027】
実質的に第1のアセンブリヘッドと同じ第2のアセンブリヘッドを使用すると、複数の操作が並行して実施される。例えば、第1のアセンブリヘッド及び第2のアセンブリヘッドは、異なる裁断位置に移動するように操作され、同時に、シート素材部分を取得するように操作され、次に、シート素材部分を順に電極プレートの上に配置する。これは、更に、工程全体の能率促進を図る。
【0028】
第1のシート部分及び第2のシート部分と同様に、前記第3のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着されてもよい。
【0029】
第1のアセンブリヘッドと同様に、前記第2のアセンブリヘッドは、第4の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含んでいてもよい。また、前記の方法は、更に、第4のシート素材を前記第4の型に供給する工程と、前記第2のアセンブリヘッドを前記第4の型に隣接する第4の位置へ移動する工程と、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチを前記第4の型に嵌合し、前記第4のシート素材から一部を分割する工程と、前記第4のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第4のシート素材部分を配置する工程とを含んでもよい。
【0030】
第3のシート素材部分及び第4のシート素材部分は、例えば、燃料電池のカソード側のガスケット及びガス拡散層であってもよい。その場合、第1のシート素材部分及び第2のシート素材部分は、燃料電池のアノード側のガスケット及びガス拡散層となる。
【0031】
選択的な実施態様において、前記第1のアセンブリヘッドは、前記第1のシート素材部分、前記第2のシート素材部分、前記第3のシート素材部分、及び、前記第4のシート素材部分のそれぞれを裁断して、移動させるために使用されてもよい。
【0032】
他のシート部分と同様に、前記第4のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面に付着されてもよい。
【0033】
前記第2のアセンブリヘッドは、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分の両方を有して、前記第4の位置から前記アセンブリステーションに移動されてもよく、前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分は、単一の操作において、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に配置される。
【0034】
前記第1のアセンブリヘッドは、第5の位置にある第5の型に嵌合する第3のパンチを含んでいてもよい。また、前記方法は、第5のシート素材を前記第5の型に供給する工程と、前記第1のアセンブリヘッドを前記第5の位置に移動する工程と、前記第3のパンチを前記第5の型に嵌合し、前記第5のシート素材から一部を分割する工程と、前記第5のシート素材部分を有する前記第1のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第5のシート素材部分を配置する工程とを含んでいてもよい。
【0035】
選択的な実施態様において、第2のアセンブリヘッドは、第5の位置にある第5の型に嵌合するパンチを含んでいてもよい。前記方法は、第5のシート素材を前記第5の型に供給する工程と、前記第2のアセンブリヘッドを前記第5の位置に移動させる工程と、前記第2のアセンブリヘッドの前記パンチヘッドを嵌合させて、前記第5のシート素材から一部を分割する工程と、前記第5のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第5のシート素材部分を配置する工程とを含んでいてもよい。
【0036】
前記第5のシート素材部分は、好ましくは、前記燃料電池集合体に対応した膜電極集合体を形成する。
【0037】
本発明の第2の実施態様によると、複数のシート供給ラインと、アセンブリステーションと、複数の裁断ステーションと、アセンブリヘッドとを含む積層燃料電池を組み立てる装置が提供される。前記複数のシート供給ラインは、前記燃料電池の層に対応するシート素材を受け取り、一連の連結した電極プレートを前記アセンブリステーションに間欠送りする。前記アセンブリステーションは、前記シート供給ラインの1つによって与えられる。前記複数の裁断ステーションは、前記複数のシート供給ラインの他の1つによって与えられ、前記シート素材のそれぞれから分割される部分を定めるための型を含んでいる。前記アセンブリヘッドは、前記アセンブリステーションと前記裁断ステーションのそれぞれの間において移動可能であり、第1のパンチを含んでいる。前記第1のパンチは、前記裁断位置の第1の位置にある対応した型に嵌合する表面を有している。前記装置は、前記裁断ステーションと前記アセンブリステーションの間において、前記アセンブリヘッドを移動させる。前記装置は、前記アセンブリヘッドを作動させ、前記裁断ステーションにおいて前記シート素材それぞれからシート素材の一部を分割する。前記装置は、前記裁断ステーションから前記アセンブリステーションに前記分割した部分を転送する。
【0038】
前記アセンブリヘッドは、第2のパンチを含んでおり、前記第2のパンチは、前記裁断位置の第2の位置にある対応した型に嵌合する表面を有していてもよく、前記第2のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第1のパンチの前記表面の内周の内側に収まる。
【0039】
前記第1のパンチ及び前記第2のパンチは、開口部を含み、前記開口部が、負圧を印加して、前記パンチそれぞれによって分割されたシート素材を前記アセンブリヘッドに付着させるものであってもよい。
【0040】
本発明の第1の実施態様に関連する他の選択的かつ好ましい特徴が、第2の実施態様に提供されてもよい。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、積層燃料電池を組み立てる方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
以下、本発明の実施形態について、実施例及び図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【図1】高分子電解質膜燃料電池の略分解断面図である。
【図2】積層燃料電池の組み立てに用いる典型的な装置の斜視図である。
【図3】図2の装置の平面図である。
【図4】図2及び図3の装置の側面図である。
【図5】図2乃至図4の装置に用いる典型的なアセンブリヘッドの一連の切取り斜視図である。
【図6】図2乃至図4の装置に用いる典型的なアセンブリヘッドの一連の切取り斜視図である。
【図7】積層燃料電池アセンブリの組み立てにおける一連の工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1に示す一般的な燃料電池の構造は、背景技術の欄で述べたとおりである。
【0044】
図2は、本発明の第2の態様による典型的な装置200の斜視図である。図3は、装置200の平面図であり、図4は、装置200の側面図である。複数のシート供給ライン201a〜gは、シート素材202a〜202gの数に対応して設けられている。図示された具体例においては、全部で7つの供給ラインが設けられており、連結した一連のMEA202a、2つの接着性ガスケットシート素材202b、202f、2つのガス拡散層素材202c、202e、一連の連結したアノード電極プレート202d、及び、一連の連結したカソード電極プレート202gを供給するように設計されている。ガスケット及びガス拡散層ライン201b、201c、201e、201fに用いられる素材は、未加工の状態で供給される。すなわち、規定のシート厚と幅のみをもって供給される。一方、アノード電極プレート202dとカソード電極プレート202gに用いられる素材は、流体フローチャネルのような表面機能を備えており、事前に準備された形態で、既に所定の位置に供給される。流体フローチャネルは、例えば、スタンピング又はエッチングの少なくとも一方によって形成されていてもよい。アノードプレートとカソードプレートがアセンブリ200を通じて間欠送りされるように、連続したプレートは、互いに接続される。もっとも、これらのプレートは、このような部品のスタックを含むホッパー(hopper)から代替的に供給されてもよい。ガスケット及びガス拡散素材は、リール(reel)又はシートフェッドストック(sheet fed stock)から供給されてもよい。ガスケット素材は、片側又は両側に裏紙を有する接着性シートの形態で供給されてもよいが、ガス拡散層素材は、接着層を有さずに供給されてもよい。
【0045】
MEAライン201aは、既製の膜電極集合体を提供される。示された実施例において、その膜電極集合体は、間欠送りのために互いに連結されており、組み立ての前に、最後の裁断のみを要し、個々のMEA部品を切調え、分割する。MEAは、シート供給機からのリールフェッドシート(reel fed sheet)、又は、個々の部品のどちらかとしても供給されることができる。それぞれの供給ラインにとって、アセンブリ200が、シート又は一連の連結した部品の状態で素材を供給されることは、アセンブリの複雑さを低減させるので、利点となる。
【0046】
アノードプレート202dは、供給ライン201dによって、第1の中間積層又はアセンブリ、ステーション203に向けて、間欠送りされる。ステーション203において、ガスケット、ガス拡散層、及び、膜電極集合体部品がアノードプレートそれぞれに積層される。この目的のために、多機能性のアセンブリヘッド204が提供される。アセンブリヘッド204は、ピックアンドプレース装置(明示的には図示されていない)を用いて、1つ以上の軸に沿って、供給ラインを跨いで横断可能である。好ましい具体例として、アセンブリヘッド204は、X軸(図2に図示)に沿って移動可能となっている。X軸は、供給ラインの平面に沿った方向にあり、供給ラインがシート素材を供給する方向に対して横軸となる。また、X軸は、Z軸において、すなわち、供給ラインの平面に直交する方向において、昇降可能である。
【0047】
ガス拡散層及び接着性ガスケットを有したアノードプレートを含む集合体に至る典型的な一連の操作は、以下のとおり進行する。
【0048】
アノードプレートは、最初に、アセンブリステーション203へ進む。アノードプレートは、アセンブリステーションにおける1つ以上のピンを用いて配置されることによって、アセンブリステーション203に正確に配置されてもよい。このピンは、アノードプレートにおける孔に対応し、この穴と嵌合する。アセンブリヘッド204は、ガスケット供給ライン201b上の位置にある第1の型205に移動する。次に、アセンブリヘッドのパンチは、ガスケット素材202bを越えて型に嵌合し、シートからガスケット形状の片を切り取る。パンチは、一連の開口部が設けられており、開口部を通じて、負圧が印加され、ガスケットがアセンブリヘッド204に保持される。次に、アセンブリヘッドは、型205から後退し、第2の型206に移動し、その上にガス拡散層素材が提供される。
【0049】
アセンブリヘッド上の所定の位置にガスケット素材を有したまま、アセンブリヘッドの第2のパンチは、ガス拡散層素材を越えて第2の型に嵌合し、既存のガスケット素材によって囲まれた素材の一部を切り出す。次に、アセンブリヘッド204は、第2の型206から後退し、アセンブリステーション203に移動し、ガスケットとガス拡散層部分の両方を運搬する。次に、単一の操作において、アセンブリヘッドは、アセンブリステーション203に位置するアノードプレートにガスケット及びガス拡散層を配置する。ガス拡散層は、全体がガスケット層の内側に収まるので、ガス拡散層は、一度アノードプレートに配置されると、所定の位置において、側方に保持される。それ故、ガス拡散層に接着剤は不要となるが、その層が後続の工程の間に移動しないように、少なくとも部分的な接着層が設けられてもよい。
【0050】
いったん、ガスケット及びガス拡散層が配置されると、MEA層は、アノードプレートの上に配置される。これは、アセンブリヘッド204を移動することによって行われてもよく、アセンブリヘッド204は、MEA部品を切り出して、MEA部品に保持するための第3のパンチを含んでいてもよい。また、これは、選択的に、特に、MEA部品を裁断し、アセンブリステーション203に移動させるための第2のアセンブリヘッド207を使用することによって実施されてもよい。
【0051】
上述した第1の選択的手段において、名目上、第1のアセンブリヘッド204と同一である第2のアセンブリヘッド208が、シート供給ライン201g、201fによって供給される型209、210のそれぞれからガスケット及びガス拡散層の部分を得るために設けられていてもよい。それ故、この第2のアセンブリヘッド208は、第1のアセンブリヘッドがMEAステーション211からMEAを取り出す間に、並行して、他の操作を実施することによって、工程全体の能率促進をするために使用されることができる。
【0052】
第2の選択的手段において、第1のアセンブリヘッド204は、型209、210からガスケット及びガス拡散層部分を得るために用いられてもよく、第2のアセンブリヘッド207は、MEAを取得るために用いられる。この選択的手段において、MEAステーション211は、好ましくは、アセンブリステーション203からオフセットされ、第2のアセンブリヘッド207の動きと第1のアセンブリヘッド204の動きの間における任意の衝突が回避される。第2のアセンブリヘッド207は、アノードプレートにMEA部品を転送するために、MEAアセンブリステーション211と第1のアセンブリステーション203の間において移動する設計となっている。
【0053】
第1の選択的手段及び第2の選択的手段のそれぞれにおいて、いくつかの操作が並行して実施され、それ故、組み立て工程全体が、アセンブリヘッド1つのみを使用する場合よりも迅速化する。特に、MEA層の転送のために別々のアセンブリヘッドを使用すると、3つの裁断工程ではなく、2つの裁断工程を要するだけであるので、アセンブリヘッド204の設計の複雑さを低減させる。
【0054】
いったん、アノードプレートが、要求されるガスケット、ガス拡散層、及び、MEAに設けられると、アノードプレート供給ライン201dは、間欠送りされ、アノードプレートを第2のアセンブリステーション212に移動させる。次に、第3のアセンブリヘッド213は、カソードプレート供給ライン201gによって供給されるカソードプレートの上方にあって、カソードシート素材202gからカソードプレートを持ち上げ、カソードプレートを第2のアセンブリステーション212の上方へ移動させる。材料切断刃作動装置214は、操作され、シート供給ラインからカソードプレートを分割する。
【0055】
いったん、カソードプレートが、第2のアセンブリステーション212に配置されると、アノード供給ラインは、完成した燃料電池を第3のアセンブリステーション217に間欠送りし、更に、材料切断刃差動装置215は、連続する間欠移送工程において、二度操作され、アノード供給ライン202dから組み立てられた燃料電池を分割する。次に、組み立てられた燃料電池は、更なる組み立てのために、アセンブリ斜路216に移送される。第3のアセンブリステーション217は、好ましくは、材料切断操作の間、所定の入りに燃料電池集合体を保持するために、負圧ベッドが設けられる。
【0056】
上述したアセンブリヘッドそれぞれにとって、好ましくは、負圧システムが、アセンブリステーション203、212において、打ち抜き工程及び積層工程の間に部品を保持するために使用される。アセンブリヘッド204の更なる詳細は、以下において記述される。
【0057】
多様な廃棄物斜路218〜223は、図1にも示されている。シート供給ラインからの多様な部品を分割する裁断操作の後に、供給ライン201a〜c、供給ライン201e〜gからの廃棄素材は、廃棄斜路218〜223に沿って供給される。
【0058】
組み立ての間、部品の相対位置を監視するように、1台以上のカメラ401(図4)をシート供給アセンブリ201の下に設けてもよい。カメラ401は、例えば、ガスケットの縁とガス拡散層の縁が、それぞれの型の上方において正確な位置にあることを確認するために使用してもよい。カメラは、アノードライン及びカソードラインを監視するため、又は、必要に応じて、アノードライン及びカソードラインを調整するために使用してもよい。
【0059】
図5及び図6は、典型的なアセンブリヘッド204の異なる切取り斜視図である。アセンブリヘッド204は、ガスケット及びガス拡散層シート素材を裁断及び移動させるために、別々の位置にある。図5a及び図6aの部分A及び部分Bにおいて、アセンブリヘッドは、ガスケット型205に隣接する位置にあり、外縁502、内縁503、及び、更なる特徴部分504を含んだ第1のパンチを有している。特徴部分504は、ガスケット型205と嵌合する関係にあるガスケット素材に流体フローチャネルを設ける設計となっている。第1のパンチが型205に接触すると、ガスケットの外側の外形及び内側の外形が、同時に、内縁503、外縁502、及び、更なる特徴的部分504によって形成され、廃棄素材が排出される。負圧ホルダ501は、この打ち抜き操作の後にパンチの表面507に付着したガスケットを保持するために、内縁及び外縁504、502の間に設けられる。ガスケット型205との嵌合の後、第1のパンチは、後退し、第2のパンチ505が、伸長してガス拡散層型206(部分C)と嵌合する。第2のパンチ505は、第1のパンチの内縁と共通する外縁503を含んでいる。両シート素材が分割された後、図5及び図6の部分Dに示されるように、第1及び第2のパンチ501、505それぞれの表面507、508は、互いに位置合わせされるとともに、表面507、508の所定の位置に保持されるシート素材(図示省略)が、アセンブリステーション203(図2)において、アノードプレートに配置される。
【0060】
図5及び図6は、アセンブリヘッド204に設けられた負圧ライン509、510も図示している。負圧ライン509、510は、第1及び第2のパンチ501、505の表面507、508に設けられた開口部に吸引力を印加し、アセンブリステーション203への移動の間、シート素材を所定の位置に保持する。第1の負圧ライン509は、第1のパンチ501の表面507に対して吸引力を印加し、第2の負圧ライン510は、第2のパンチ505の表面508に対して吸引力を印加する。
【0061】
図7は、ガスケット及びガス拡散層を転送する典型的な一連の工程を概略的に示すものである。ガスケット及びガス拡散層は、型205、206それぞれからアセンブリステーション203に対して転送される。アセンブリステーション203には、アノードプレート701が設けられている。工程Aにおいて、アセンブリヘッドは、ガスケット型の上方の所定の位置にある。ガスケット素材は、型の上方に供給され、アセンブリヘッドは、第1のパンチ501(図5及び図6)をガスケット型205に嵌合させる(工程B)。ガスケット素材の一部702は、工程において、ガスケット型205を通じて排出され、廃棄される。次に、アセンブリヘッド204は、ガスケット型205から後退し(工程C)、ガス拡散層型206の上方に移動する(工程D)。次に、アセンブリヘッド204は、第2のパンチをガス拡散層型206に嵌合させ(工程E)、ガスケット及びガス拡散層部分の両方を第1及び第2のパンチそれぞれの表面に付着したまま、ガス拡散層型206から後退する。次に、アセンブリヘッド204は、アセンブリステーション203の上方に移動し(工程G)、アノードプレート701にガスケット及びガス拡散層部分を配置する(工程H)。次に、アセンブリヘッド204は、アセンブリステーションから後退し(段階I)、ガスケット素材の上面から裏紙を取り除く。次に、裏紙は、アセンブリヘッド204、廃棄素材斜路、又は、漏斗に移動され、第1のパンチの表面に印加された負圧を解放することによって廃棄される。また、裏紙を確保するための選択的な正圧の印加が解除され、任意の残留素材が排出される。
【0062】
後続する処理工程において、MEAはアノードプレート701の上方に配置される。次に、図7に示された工程に従って、更に、ガスケット及びガス拡散層が配置される。次に、カソードプレートが配置され、燃料電池集合体を完成させる。
【0063】
アセンブリヘッド204は、好ましくは、上述した操作が、少なくとも2つの平行な軸に沿ってヘッドを移動させることが可能なピックアンドプレースアームを用いることによって、実施され得るような設計となっている。ヘッドは、更に、追加の回転軸を含むように設計されてもよく、その場合、追加の工程が組み入れられる。
【0064】
上述した典型的な実施形態において、別々の供給ライン201b、201fが、2つのガスケット素材202b、202fに対して設けられ、アノード側及びカソード側の異なる形状及び設計のガスケットを実現する。同様に、別々の供給ライン201c、201eは、2つのガス拡散層素材202c、202eに対して設けられることによって、異なる形状及び素材がアノード側とカソード側に対して使用され得る。これらのラインは、ガスケットラインを1つの共通のラインへ統合するか、ガス拡散ラインを1つの共通ラインに統合することによって、簡素化される。これによって、更に、工程及び関連するインベントリの要件を簡素化できる。
【0065】
添付した特許請求の範囲によって定まる本発明の範囲には、他の実施態様も当然に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層燃料電池を組み立てる方法であって、
第1の型に第1のシート素材を供給する工程と、
アセンブリヘッドを前記第1の型に隣接する第1の位置へ移動し、前記アセンブリヘッドは、前記第1の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、
前記第1のパンチを前記第1の型に嵌合し、前記第1のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第1のシート部分を前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、
前記第1のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、電極プレートを含むアセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分を前記電極プレートの表面に配置する工程とを含む、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載された方法であって、前記第1のシート部分は、前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第1のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された方法であって、
前記アセンブリヘッドは、第2の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含んでおり、
第2のシート素材を前記第2の型に供給する工程と、
前記アセンブリヘッドを前記第2の型に隣接する第2の位置へ移動する工程と、
前記第2のパンチを前記第2の型に嵌合し、前記第2のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第2のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第2のシート素材部分を前記電極プレートの前記表面に配置する工程とを含む、
方法。
【請求項4】
請求項3に記載された方法であって、前記第2のシート部分は、前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された方法であって、
前記アセンブリヘッドは、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の両方を有して、前記第2の位置から前記アセンブリステーションに移動され、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分は、単一の操作において、前記電極プレートの前記表面に配置される、
方法。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載された方法であって、前記第2のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第1のパンチの前記表面の内周の内側に収まる、方法。
【請求項7】
請求項6に記載された方法であって、
前記第1のシート素材は、接着性ガスケット素材を含んでおり、
前記第2のシート素材は、多孔質ガス拡散層素材を含んでいる、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載された方法であって、前記第1のシート素材は、直線状のシート供給ラインによって、前記第1のシート素材から前記第1の型に供給される、方法。
【請求項9】
請求項1又は8に記載された方法であって、前記電極プレートは、一連の連結した電極プレートを含む直線状のシート供給ラインによって、前記アセンブリステーションに供給される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載された方法であって、
前記アセンブリステーションは、第1のアセンブリステーションであり、
前記一連の連結した電極プレートは、前記電極プレートの前記表面に前記第1のシート素材部分を配置する操作の後に、前記アセンブリステーションから第2のアセンブリステーションに間欠送りされる、
方法。
【請求項11】
請求項3乃至7のいずれかに記載された方法であって、
前記アセンブリヘッドは、第1のアセンブリヘッドであり、
第3のシート素材を第3の型に供給する工程と、
第2のアセンブリヘッドを第3の型に隣接する第3の位置へ移動し、前記第2のアセンブリヘッドは、前記第3の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、
前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチを前記第3の型に嵌合し、前記第3のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第3のシート部分を前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、
前記第3のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第3のシート素材部分を配置するとを含む、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載された方法であって、前記第3のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載された方法であって、
前記第2のアセンブリヘッドは、第4の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含んでおり、
第4のシート素材を前記第4の型に供給する工程と、
前記第2のアセンブリヘッドを前記第4の型に隣接する第4の位置へ移動する工程と、
前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチを前記第4の型に嵌合し、前記第4のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第4のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第4のシート素材部分を配置する工程とを含む、
方法。
【請求項14】
請求項13に記載された方法であって、前記第4のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載された方法であって、
前記第2のアセンブリヘッドは、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分の両方を有して、前記第4の位置から前記アセンブリステーションに移動され、
前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分は、単一の操作において、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に配置される、
方法。
【請求項16】
請求項3乃至7のいずれかに記載された方法であって、
前記第1のアセンブリヘッドは、第5の位置にある第5の型に嵌合する第3のパンチを含んでおり、
第5のシート素材を前記第5の型に供給する工程と、
前記第1のアセンブリヘッドを前記第5の位置に移動する工程と、
前記第3のパンチを前記第5の型に嵌合し、前記第5のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第5のシート素材部分を有する前記第1のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第5のシート素材部分を配置する工程とを含む、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載された方法であって、前記第5のシート素材部分は、前記燃料電池集合体に対応した膜電極集合体を形成する、方法。
【請求項18】
複数のシート供給ラインと、アセンブリステーションと、複数の裁断ステーションと、アセンブリヘッドとを含む積層燃料電池を組み立てる装置であって、
前記複数のシート供給ラインは、前記燃料電池の層に対応するシート素材を受け取り、一連の連結した電極プレートを前記アセンブリステーションに間欠送りするものであり、
前記アセンブリステーションは、前記シート供給ラインの1つによって与えられ、
前記複数の裁断ステーションは、前記複数のシート供給ラインの他の1つによって与えられ、前記シート素材のそれぞれから分割される部分を定めるための型を含んでおり、
前記アセンブリヘッドは、前記アセンブリステーションと前記裁断ステーションのそれぞれの間において移動可能であり、第1のパンチを含んでおり、
前記第1のパンチは、前記裁断位置の第1の位置にある対応した型に嵌合する表面を有しており、
前記裁断ステーションと前記アセンブリステーションの間において、前記アセンブリヘッドを移動させ、
前記アセンブリヘッドを作動させ、前記裁断ステーションにおいて前記シート素材それぞれからシート素材の一部を分割し、
前記裁断ステーションから前記アセンブリステーションに前記分割した部分を転送する、
装置。
【請求項19】
請求項18に記載された装置であって、
前記アセンブリヘッドは、第2のパンチを含んでおり、
前記第2のパンチは、前記裁断位置の第2の位置にある対応した型に嵌合する表面を有しており、
前記第1のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第2のパンチの前記表面の内周の内側に収まる、装置。
【請求項20】
請求項18に記載された装置であって、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチは、開口部を含んでおり、
前記開口部は、負圧を印加して、前記パンチそれぞれによって分割されたシート素材を前記アセンブリヘッドに付着させる、
装置。
【請求項21】
積層燃料電池を組み立てる方法であって、図2乃至7を参照して、実質的に本明細書の説明に従う、方法。
【請求項22】
積層燃料電池を組み立てる装置であって、図2乃至7を参照して、実質的に本明細書の説明に従う、装置。
【請求項1】
積層燃料電池を組み立てる方法であって、
第1の型に第1のシート素材を供給する工程と、
アセンブリヘッドを前記第1の型に隣接する第1の位置へ移動し、前記アセンブリヘッドは、前記第1の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、
前記第1のパンチを前記第1の型に嵌合し、前記第1のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第1のシート部分を前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、
前記第1のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、電極プレートを含むアセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分を前記電極プレートの表面に配置する工程とを含む、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載された方法であって、前記第1のシート部分は、前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第1のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された方法であって、
前記アセンブリヘッドは、第2の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含んでおり、
第2のシート素材を前記第2の型に供給する工程と、
前記アセンブリヘッドを前記第2の型に隣接する第2の位置へ移動する工程と、
前記第2のパンチを前記第2の型に嵌合し、前記第2のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第2のシート素材部分を有する前記アセンブリヘッドを、前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第2のシート素材部分を前記電極プレートの前記表面に配置する工程とを含む、
方法。
【請求項4】
請求項3に記載された方法であって、前記第2のシート部分は、前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された方法であって、
前記アセンブリヘッドは、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の両方を有して、前記第2の位置から前記アセンブリステーションに移動され、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分は、単一の操作において、前記電極プレートの前記表面に配置される、
方法。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載された方法であって、前記第2のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第1のパンチの前記表面の内周の内側に収まる、方法。
【請求項7】
請求項6に記載された方法であって、
前記第1のシート素材は、接着性ガスケット素材を含んでおり、
前記第2のシート素材は、多孔質ガス拡散層素材を含んでいる、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載された方法であって、前記第1のシート素材は、直線状のシート供給ラインによって、前記第1のシート素材から前記第1の型に供給される、方法。
【請求項9】
請求項1又は8に記載された方法であって、前記電極プレートは、一連の連結した電極プレートを含む直線状のシート供給ラインによって、前記アセンブリステーションに供給される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載された方法であって、
前記アセンブリステーションは、第1のアセンブリステーションであり、
前記一連の連結した電極プレートは、前記電極プレートの前記表面に前記第1のシート素材部分を配置する操作の後に、前記アセンブリステーションから第2のアセンブリステーションに間欠送りされる、
方法。
【請求項11】
請求項3乃至7のいずれかに記載された方法であって、
前記アセンブリヘッドは、第1のアセンブリヘッドであり、
第3のシート素材を第3の型に供給する工程と、
第2のアセンブリヘッドを第3の型に隣接する第3の位置へ移動し、前記第2のアセンブリヘッドは、前記第3の型に嵌合する表面を有する第1のパンチを含む工程と、
前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチを前記第3の型に嵌合し、前記第3のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第3のシート部分を前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着させる工程と、
前記第3のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第3のシート素材部分を配置するとを含む、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載された方法であって、前記第3のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載された方法であって、
前記第2のアセンブリヘッドは、第4の型に嵌合する表面を有する第2のパンチを含んでおり、
第4のシート素材を前記第4の型に供給する工程と、
前記第2のアセンブリヘッドを前記第4の型に隣接する第4の位置へ移動する工程と、
前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチを前記第4の型に嵌合し、前記第4のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第4のシート素材部分を有する前記第2のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第4のシート素材部分を配置する工程とを含む、
方法。
【請求項14】
請求項13に記載された方法であって、前記第4のシート部分は、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面にある開口部に印加される負圧によって、前記第2のアセンブリヘッドの前記第2のパンチの前記表面に付着される、方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載された方法であって、
前記第2のアセンブリヘッドは、前記第2のアセンブリヘッドの前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのそれぞれの表面に付着した前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分の両方を有して、前記第4の位置から前記アセンブリステーションに移動され、
前記第3のシート素材部分及び前記第4のシート素材部分は、単一の操作において、前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に配置される、
方法。
【請求項16】
請求項3乃至7のいずれかに記載された方法であって、
前記第1のアセンブリヘッドは、第5の位置にある第5の型に嵌合する第3のパンチを含んでおり、
第5のシート素材を前記第5の型に供給する工程と、
前記第1のアセンブリヘッドを前記第5の位置に移動する工程と、
前記第3のパンチを前記第5の型に嵌合し、前記第5のシート素材から一部を分割する工程と、
前記第5のシート素材部分を有する前記第1のアセンブリヘッドを前記アセンブリステーションに移動する工程と、
前記第1のシート素材部分及び前記第2のシート素材部分の上方に前記第5のシート素材部分を配置する工程とを含む、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載された方法であって、前記第5のシート素材部分は、前記燃料電池集合体に対応した膜電極集合体を形成する、方法。
【請求項18】
複数のシート供給ラインと、アセンブリステーションと、複数の裁断ステーションと、アセンブリヘッドとを含む積層燃料電池を組み立てる装置であって、
前記複数のシート供給ラインは、前記燃料電池の層に対応するシート素材を受け取り、一連の連結した電極プレートを前記アセンブリステーションに間欠送りするものであり、
前記アセンブリステーションは、前記シート供給ラインの1つによって与えられ、
前記複数の裁断ステーションは、前記複数のシート供給ラインの他の1つによって与えられ、前記シート素材のそれぞれから分割される部分を定めるための型を含んでおり、
前記アセンブリヘッドは、前記アセンブリステーションと前記裁断ステーションのそれぞれの間において移動可能であり、第1のパンチを含んでおり、
前記第1のパンチは、前記裁断位置の第1の位置にある対応した型に嵌合する表面を有しており、
前記裁断ステーションと前記アセンブリステーションの間において、前記アセンブリヘッドを移動させ、
前記アセンブリヘッドを作動させ、前記裁断ステーションにおいて前記シート素材それぞれからシート素材の一部を分割し、
前記裁断ステーションから前記アセンブリステーションに前記分割した部分を転送する、
装置。
【請求項19】
請求項18に記載された装置であって、
前記アセンブリヘッドは、第2のパンチを含んでおり、
前記第2のパンチは、前記裁断位置の第2の位置にある対応した型に嵌合する表面を有しており、
前記第1のパンチの前記表面の外周は、全て、前記第2のパンチの前記表面の内周の内側に収まる、装置。
【請求項20】
請求項18に記載された装置であって、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチは、開口部を含んでおり、
前記開口部は、負圧を印加して、前記パンチそれぞれによって分割されたシート素材を前記アセンブリヘッドに付着させる、
装置。
【請求項21】
積層燃料電池を組み立てる方法であって、図2乃至7を参照して、実質的に本明細書の説明に従う、方法。
【請求項22】
積層燃料電池を組み立てる装置であって、図2乃至7を参照して、実質的に本明細書の説明に従う、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【公表番号】特表2013−520778(P2013−520778A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554404(P2012−554404)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/GB2011/000191
【国際公開番号】WO2011/104496
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(504175659)インテリジェント エナジー リミテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】INTELLIGENT ENERGY LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/GB2011/000191
【国際公開番号】WO2011/104496
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(504175659)インテリジェント エナジー リミテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】INTELLIGENT ENERGY LIMITED
【Fターム(参考)】
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