説明

空気オルガンパイプを有する電子オルガンの調律に使用される方法

本発明は、適宜設計された電子装置の存在により、空気オルガンパイプに付随する電子オルガンを自動的に調律するために使用される方法について言及し、特に、上記動作が、発せられる音の周波数及び環境温度を参照するパラメータに基づき、空気パイプでリアルタイムに検出される調整変動に基づいて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、空気オルガンパイプを有する電子オルガンの調律に使用される方法と共に、上記方法の実施に使用される電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、古典的なパイプオルガンと比較して低購入価格及びメンテナンスのしやすさを特徴とする礼拝用電子オルガンの使用は、既存の古典的な電気機械式オルガンのパイプ又は特に設置された空気パイプと組み合わせて、教会、劇場、及びコンサートホールでますます普及しつつある。
【0003】
近代の電子オルガンを古典的な空気パイプと組み合わせる理由は、空気パイプが電子オルガンの音を非常に魅力的にするためである。
【0004】
しかし、このような組み合わせ(すなわち、古典的な空気パイプにより生成される音と共に電子音を生成すること)は、2つの既存の技術の各利点を組み合わせても、相当な欠点が伴う。
【0005】
上記不都合性は、電子オルガンの音と空気パイプの音とを1つの音に調律することの難しさに関連する。
【0006】
これは、電子音が数学的に正確であり、大気の作用因子に鈍感であるのに対して、温度及び環境湿度に敏感な金属製の空気パイプは、上記作用因子に従って音色及び震動周波数を変化させることによる。
【0007】
空気パイプにより生成される音のこれら「変動」の結果、電子オルガンの音と組み合わせて得られる音は「調和せず」、全般的にかなりのマイナス影響を有する。
【0008】
これまで、この問題は、電子オルガンにより生成される音の音調を空気パイプにより生成される音の音調にリアルタイムで適応させるように試みることで解決されてきた。
【0009】
これは、唯一の可能な解決策であり、逆の操作(すなわち、空気パイプの音を電子オルガンの音に適応させること)の場合、電子オルガンに付随する各空気パイプの特殊で複雑な較正が必要であるため、不可能である。
【0010】
しかし、電子オルガンの音を空気パイプの音に適応させることは基本的に「耳で」行われるため、特に難しい楽曲の演奏中に実行することが非常に難しいことも考慮して、完全に満足のいくものではない。
【0011】
上記操作のあまり良くない有効性により、専門家は、電子オルガンの音調を空気パイプの音に適応するように自動的に変更する方法の考案を強いられた。
【0012】
この文脈の中で、温度の変動が空気パイプの音調を基本的に一様に悪化させることが経験的に確認されている。
【0013】
換言すれば、温度が変化すると、同じ組内の空気パイプが同じように音調を上下させることが実証されている。
【0014】
さらに、空気パイプの音調に対する特定の温度変動の影響が、経験的に検証されている。
【0015】
この経験データから始まり、空気パイプの温度を常時監視するシステムが考案され、経験的測定値及び平均値を使用して、摂氏1度が半音の100分の2.2〜2.5の増分に相当することが確立された。
【0016】
空気パイプの音調の温度変動を知ることにより、結果として、電子オルガンにより生成される音の音調を変更することができる。
【0017】
簡易な実行モードも鑑みて、この方法はかなり普及している。
【0018】
実際に、温度検出を電気情報に変換可能な機器は普及しており、かつ安価であり、電気情報は、オルガンMIDIインタフェース又は他の単純な方法を使用して電子オルガンに送られるデジタル情報に容易に変換される。
【0019】
しかし、「温度から周波数への」変換テーブルが一般的な測定の結果であり、リアルタイムで監視される特定の状況の結果ではないため、この従来の方法はむしろ近似であり、さらに、異なる構造的特徴に基づく複数の要因に従って変化し得る湿度及び空気圧等の空気パイプ音の周波数に影響する他のパラメータを考慮しないことに留意しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の具体的な目的は、従来技術の上記不都合性を解消することが可能な、完全に革新的で実用的かつ有効な解決策に基づいた方法を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
実際には、初めて、本発明の方法は、同じ組の空気パイプで検出される2つの異なるパラメータを使用して、電子オルガンの音を空気パイプの音にリアルタイムで適応させる。
【0022】
第1のパラメータは、従来技術においても使用され、1組の空気パイプが配置されている部屋の温度変動を指す。
【0023】
第2のパラメータは、同じ組の1本又は複数本のパイプの音の実際の周波数を指し、監視されている1本又は複数本のパイプが動作を開始する都度、周波数値が自動的に検出され、これは、値が楽曲の演奏中でもリアルタイムで更新されることを保証する。
【0024】
より詳細な情報として、1本又は複数本のパイプで瞬間に検出される周波数パラメータが、電子オルガンの迅速な連続調整に対して最も直接的で即時かつ信頼性のあるパラメータであることに留意しなければならない。
【0025】
しかし、監視されるパイプは数分間静かな状態のままであることもあり(音楽の演奏に関わらない)、このような場合、電子オルガンの迅速な連続調整は不可能である。
【0026】
このギャップを埋めるために、本発明の方法は、空気パイプが演奏しているか否かに関わりなく常時検出される環境温度パラメータも使用する。
【0027】
このような場合、電子オルガンは、実際の温度及び周波数のデータで常時更新される温度/周波数変換テーブルに基づいて調整される。
【0028】
監視されるパイプの周波数が検出される都度、このパラメータは、電子オルガンの調整に使用されるのみならず、音の周波数に関して監視されているパイプが静かな間、オルガンの正確な調整を決定するための基準として使用される温度/周波数変換テーブルを秒単位で更新するためにも使用される。
【0029】
従来の技術と比較して本発明の方法の特性を強調するには、温度/周波数変換テーブルに使用される温度及び周波数が初めて、リアルタイムでの連続した定期的な測定の結果であるため、推定値ではないことに留意しなければならない。
【0030】
もちろん、これは、空気パイプへの電子オルガンの調整がもはや近似で(仮定の標準パラメータに基づいて)行われず、電子オルガンに関連する特定組の空気パイプで秒単位で測定される値に基づいて完全に正確かつ瞬間的な「調整」が行われることを保証する。
【0031】
これは、1本又は複数本のパイプが実際に動作するまで、オルガンの調整に使用されるパラメータ(すなわち、パイプにより生成される音の特定の周波数)が、完全な正確性及び信頼性を特徴とする「直接的で即時的」なパラメータであることにより裏付けられる。
【0032】
さらに、監視されるパイプが静かである間、電子オルガンは、実際の瞬間温度及び周波数値に基づいて連続して迅速に更新される温度/周波数変換テーブルに基づいて調整されることにより裏付けられる。
【0033】
この新しい動作モード内では、各空気パイプの周波数が、パイプ音を検出し、隣接するパイプの音及び背景雑音からパイプ音を区別するために使用される装置により記録されることに留意しなければならない。
【0034】
この機能は、監視されるパイプから短い距離のところに設置されるマイクロホンにより、パイプの金属表面に直接取り付けられ接触マイクロホン又はピエゾセラミックブザーにより、パイプ内の空気の通過に使用される断面に対して有用な位置に取り付けられる空気流センサにより、又は任意の適したセンサにより適宜行われる。
【0035】
明確にするために、本発明の説明は、例示のみを目的とし、制限を意図しない添付の図面を参照しながら続けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1を特に参照すると、本発明の方法は、押下された鍵盤及びアクティブ化されたレジスタのMIDI(音楽機器デジタルインタフェース)コードをパイプ(2)の電磁弁の制御に使用される電気コマンドに変換するために使用されるインタフェースにより、1組の空気パイプ(2)を作動させることができる電子オルガン(1)の存在下で適用される。
【0037】
特に、オルガン(1)は、大半の近代の電子オルガンと同様に調整を決定するMIDIコードに応答可能でなければならない。
【0038】
本発明の方法によれば、電子オルガン(1)及び1組の空気パイプ(2)は、以下、ATSと定義され、添付図中の番号(4)で示される「自動調整システム」ブロック及び以下、MPIと定義され、添付図中の番号(5)で示される従来の「MIDIパイプインタフェース」ブロックを有する電子装置(3)と相互に作用する。
【0039】
特に、MPI(5)は、MIDI規格によるシリアルポートも提供するマイクロプロセッサを使用し、オルガン(1)からのシリアルデジタル情報を空気パイプ(2)の電磁弁を制御可能な電気信号に変換する。
【0040】
これは、電子オルガン(1)が演奏を開始すると、音符及びレジスタのコードがMIDIポートにより電子装置(3)に送られ、特に、コードはATSブロック(4)及びMPIブロック(5)に送られ、次に、この情報は空気パイプ(2)を制御する電磁弁システムに送られ、それにより、オルガン(1)により実際にアクティブ化される音符及びレジスタに対応するパイプを演奏させることを意味する。
【0041】
しかし、本発明の方法の実施の基本的な役割は、ATSブロック(4)に割り当てられる。
【0042】
このため、1組の空気パイプ(2)から短い距離のところに取り付けられた温度センサ(6)及び空気パイプ(2)の適切な位置に取り付けられた、音(7)の検出に使用される装置、好ましくはマイクロホンと相互に作用する。
【0043】
温度センサ(6)の機能は、1組の空気パイプ(2)の近傍で検出される温度についての電気情報をATSブロック(4)に送ることであり、音検出器(7)は、空気パイプにより生成される音の電気信号を送る。ATSブロックには、これもまたMIDI規格によるシリアルポートを提供し、温度及び音の電気信号を処理し、それにより、取り付けられたパイプの音周波数を自動的に判断するマイクロプロセッサが設けられる。
【0044】
信号が処理されると、ATSブロック(1)はデータをMIDIフォーマットでオルガン(1)に送り、オルガン(1)は、楽曲の演奏中を含め、即座にこの情報に基づいて調整を変更する。
【0045】
図1に示すように、1つのマイクロホンが特定の空気パイプ、好ましくは、より頻繁に押下されるように設計される鍵盤の中央キーに対応する最も重要なレジスタのパイプに取り付けられる。
【0046】
しかし、本発明の方法を改良するために、複数の音検出器を使用してよく、各音検出器は1組のパイプ(2)に位置決めされ、それにより、異なるパイプで検出される周波数変動の平均値を計算する。
【0047】
本発明の方法の全体的な提示の後に、この説明は、同方法の技術的な実施態様の詳細な提示に続く。
【0048】
周波数値を測定するために、マイクロホン(7)を使用して、基準パイプにより生成される音を検出し、周波数精度を測定し、楽曲の演奏中に、演奏を中断させずに、かつ楽曲間に休止せずに、監視されるパイプが作動する都度、測定を繰り返す。
【0049】
マイクロホン(7)に付随する空気パイプが演奏を開始するとすぐに、信号が即座に、アナログ感知セクションが設けられたATSブロック(4)に送られ、ATSブロックが開始され、音の周波数を測定する。
【0050】
後者の動作を制御するマイクロプロセッサは、音が通常動作に達したときのみ測定をアクティブ化するため、後者の動作は完全な正確性で行われる。
【0051】
マイクロプロセッサは、多数の信号周期(不安定であることが分かっているため、1つの信号周期ではない)を測定し、総測定値を測定周期数で割ることにより結果の平均値を計算する。
【0052】
測定された周期の数も、「ゼロ交差」測定システムを使用して非常に高い精度で計算され、音の持続時間が、信頼性のある測定を保証するために必要な最低量の期間を保証しない場合、測定値は破棄される。
【0053】
測定された周波数は調整MIDIコードに変換され、これはオルガン(1)に送られ、オルガン(1)はこの情報を読み取り、音調を空気パイプに適応させることができる。
【0054】
これは自動的に、演奏者にトランスペアレントに行われる。
【0055】
温度/周波数変換曲線が、以下のようにして得られる。
【0056】
ATSブロック(4)に使用される計算ユニットは、推定開始曲線(図2の図に点線で示される)を含む。
【0057】
ユニットは、マイクロホン(7)により周波数を測定する都度、オルガンに調整情報を送ることに加えて、温度も読み取り、この値を温度−周波数テーブルに含め、理論値を実際の値で置き換える。
【0058】
装置が「実際の」データを最初に読み取ると、データはテーブルに含められ、温度/周波数変換を記述する線が、同じ傾きを保ちながら上記値を通るように移動され、特に、この線を図2において点線として示す。
【0059】
第2の周波数値が測定されると、ATSブロック(4)は再び調整情報をオルガン(1)に送り、同時に、温度/周波数変換テーブル内の第2の「実際の」データを含む現在の温度値を読み取る。
【0060】
第2の「実際の」情報により、2つの「実際の」データを通るように傾きが変更される線の精度を向上させることができ、図3の図では、「変更された」線を連続した線として示す。
【0061】
第3の周波数値が測定されると、ATSブロック(4)は再び調整情報をオルガン(1)に送り、同時に、温度/周波数変換テーブル内の第3の「実際の」データを含む現在の温度値を読み取る。
【0062】
第3の「実際の」情報により、3つの「実際の」データを通るように変更される応答曲線の精度をさらに向上させることができ、それにより、図4の図に示すように、直線以外の方向をとる。
【0063】
複数回の測定及び補正の後、実際の応答曲線が異なる点に記述され、これは、図5の図に示すように、実際の状況に従って多かれ少なかれ複雑な方向を有する。
【0064】
更新プロセスはエンドレスである。実際に、ATSブロック(4)が動作中である都度、データは実際の状況に整合して更新される。
【0065】
このようにして、出所に関わりなく、サンプルパイプの周波数を測定することにより計算されるか、又は温度/周波数変換テーブルにより抽出される、回路によりオルガン(1)に送られる調整情報は、常に、正確で実際のものであり、決して近似又は推定ではない。
【0066】
図6の流れ図に示すように、2つの情報源の中で、温度/周波数変換テーブルと比較して、周波数測定値が優先される。
【0067】
図6に示す図の特定の機能は、CPUによりATSブロック(4)において決定される動作シーケンスを線図で示す。
【0068】
特定の空気パイプに付随するマイクロホンは、検出された音情報をATSブロック(4)に送り、ATSブロック(4)において検証されて、確実性要件(音が元々、安全に、監視されている特定の空気パイプから発せられたことを意味する)及び安定性要件(基準パラメータとしての音の信頼性を意味する)を有することが確認される。
【0069】
これら要件に準拠しない場合、音データは中断され、上記要件に準拠する場合、データは処理されて、周波数値が測定される(周波数計算)。
【0070】
周波数値は、ATSブロック(4)により「調整データ」として使用されて、電子オルガン(1)の音調を調整する。
【0071】
同時に、データは、周波数が測定されたときに温度センサにより測定される環境温度データも含む温度/周波数変換テーブルを常時更新するためにも使用される。
【0072】
複数の周波数測定についてのデータの送信はタイマにより管理され、タイマもまた、上記の温度/周波数変換テーブルから抽出されるデータを受け取る。
【0073】
このようにして、タイマは、事前に確立される期間中、好ましくは1〜5分間に監視されているパイプが演奏されなかったかどうか、ひいては特定の周波数についてのデータを生成しなかったかどうかを判断することができる。
【0074】
電子オルガンは空気パイプの周波数変動についての更新データを即座に受け取る必要があるため、直接周波数データがマイクロホンにより測定されない場合、タイマがアクティブ化されて、温度/周波数変換テーブルから抽出された調整コードをオルガンに送る。
【0075】
最後に、周波数値が5分毎に温度変動に基づいて測定されると仮定すると、音の新しい周波数測定が、最後の調整データ(周波数測定から導き出される)の送信から4分後に検出される場合、最後の情報が新しい調整動作のために即座にオルガンに送られることを言わなければならない。
【0076】
温度に基づいて調整情報を送るために使用されるタイマはリセットされて、5分間を限度とする測定を再開する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の方法の実施において使用される装置及びその対話を示すブロック図である。
【図2】本発明の方法の実際の実施態様を示すブロック図である。
【図3】本発明の方法の実際の実施態様を示すブロック図である。
【図4】本発明の方法の実際の実施態様を示すブロック図である。
【図5】本発明の方法の実際の実施態様を示すブロック図である。
【図6】本発明が基づく動作論理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0078】
1電子オルガン
2空気パイプ
3電子装置
6温度センサ
7マイクロホン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガン(1)からのシリアルデジタルデータを、空気パイプ(2)の電磁弁の制御に使用される電気信号に変換するMIDIシリアルポートにMPIブロック(5)を利用する種類の空気パイプを有する電子オルガンを調整するために使用される方法であって、
−1組の空気パイプ(2)の近傍に温度センサ(6)を取り付け、前記空気パイプのうちの1本に音検出器(7)を取り付けることであって、これらは、前記1組の空気パイプ(2)と前記電子オルガン(1)との間に配置される電子装置内の前記MPIブロック(5)と共にATSブロック(4)とインタフェースで取り付けること、
−楽曲の演奏中に使用されるときに前記対応する空気パイプにより生成される前記音に関連する電気情報を前記音検出器(7)からATSブロック(4)に向けて送信すること、
−前記1組の空気パイプ(2)の近傍で検出される温度に関連する電気情報を温度センサ(6)から前記ATSブロック(4)に送信すること、
−前記ATSブロック(4)により前記空気パイプの前記音に関連する前記電気信号を検証して処理し、周波数を判断すること、
−前記センサ(6)により徐々に検出される温度の値と組み合わせて、前記音周波数値を使用して、温度/周波数変換テーブルをリアルタイムで作成すること、
−MIDIコードへの適宜変換後、調整のために前記電子オルガン(1)に向けて、前記ATSブロック(4)で提供されるタイマにより前記音周波数値のタイミングをとり、データをソートすること、
−前記特定の空気パイプで検出される前記周波数についてのデータを事前に確立される時間内に受け取らなかった場合、前記周波数/温度変換テーブルから抽出されるデータを前記タイマに送信することであって、前記タイマは前記データをMIDIコードに変換し、前記電子オルガン(1)に送信して前記オルガン(1)を調整すること、および
−前記タイマが監視されている前記空気パイプで検出された前記周波数値を受け取る都度、前記タイマを自動的にリセットすることであって、結果として上記期間の計算がリセットされることも提供することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記空気パイプで検出される前記音についての前記電気情報の前記検証は、確実性要件(前記音が元々、安全に、監視されている特定の空気パイプから発せられたことを意味する)及び安定性要件(基準パラメータとしての前記音の信頼性を意味する)を有するか否かを確認することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記音についての前記電気情報の安定性は、前記ATSブロック(4)に提供されるマイクロプロセッサにより検証され、前記マイクロプロセッサは、多数の音周期を測定し、それから総測定値を評価された周期数で割ることにより結果を平均し、前記実際に評価された周期についての後者のデータは、「ゼロ交差」システムを使用することにより得られ、したがって、前記音の持続時間が信頼性のある測定を保証するために必要な最低量の期間を保証しない場合、前記測定値を破棄することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記音検出器(7)に加えて複数の同一の検出器も備え、各検出器は空気パイプに取り付けられ、この場合、前記音周波数を検出するために前記ATSブロック(4)により処理されるべき前記電気情報は、前記各種空気パイプで検出される前記周波数変動を平均することにより得られることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項5】
前記変換テーブルは以下の方法:
−前記ATSブロック(4)により使用される前記計算ユニットに推定開始曲線を用意すること、
−前記ユニットが前記マイクロプロセッサ(7)により前記周波数を測定する都度、前記オルガンに前記調整情報を送ることに加えて、現在温度を読み取り、その値を前記温度から周波数テーブルに含め、前記理論値を前記実際の値で置き換えること、
−前記装置が「実際の」データを最初に読み取ると、前記データが前記テーブルに含められ、前記温度から周波数への変換を記述する線が、同じ傾きを保ちながら前記値を通るように移動すること、
−第2の周波数値が測定されると、前記ATSブロック(4)が再び前記調整情報を前記オルガン(1)に送り、同時に、前記温度/周波数変換テーブル内の第2の「実際の」データを含む現在の温度値をその瞬間に読み取ること、
−前記第2の「実際の」情報により、前記2つの「実際の」データを通るように傾きが変更される前記線の精度を向上させること、
−第3の周波数値が測定されると、前記ATSブロック(4)が再び前記調整情報を前記オルガン(1)に送り、同時に、前記温度/周波数変換テーブル内の第3の「実際の」データを含む現在の温度値を読み取ること、
−前記第3の「実際の」情報により、前記第3の「実際の」データを通り、それにより新しい方向をとるように変更される応答曲線の精度をさらに向上させること、
−複数回の測定及び補正の後、前記実際の応答曲線が異なる点に記述され、これは、実際の状況に従って特定の方向を有することで得られ、
前記更新プロセスがエンドレスであり、前記ATSブロック(4)が動作状態を保つまでデータが更新されることを意味し、これを提供することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項6】
空気オルガンパイプが付随する電子オルガンを調整するために使用される方法の実施に使用され、動作が自動的に管理可能なATSブロック(4)を持つことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記ATSブロック(4)と協働する前記音検出器(7)は、監視すべき前記空気パイプの近傍に取り付けられるマイクロホンを持つことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ATSブロック(4)と協働する前記音検出器(7)は、監視すべき前記空気パイプに直接接触して取り付けられるマイクロホンを持つことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ATSブロック(4)と協働する前記音検出器(7)は、監視すべき前記空気パイプに直接取り付けられるピエゾ電気ブザーを持つことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ATSブロック(4)と協働する前記音検出器(7)は、監視すべき前記空気パイプにより発せられる前記空気流を検出するために使用されるセンサを持つことを特徴とする、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−511983(P2009−511983A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535197(P2008−535197)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/IT2006/000035
【国際公開番号】WO2007/046119
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508097652)ヴィスカウント インターナショナル エス.ピー.エイ. (1)
【Fターム(参考)】