説明

空気及び/又はシーラントをタイヤに導入する装置

空気及び/又はシーラントをタイヤへ導入する装置は、出口端が被充填タイヤに接続し得るホースの入口端に接続し得る出口と入口とを有するシーラント用容器を含み、また、出口端が被充填タイヤに接続し得るホースの入口端または容器の入口に選択的に接続し得る圧力発生手段を含む。圧力発生手段と被充填タイヤとの間、また容器の出口と被充填タイヤとの間を接続するために、同一のホースが備えられるとともに、圧力発生手段に、容器の入口に、そして容器の出口に、またホースの入口端に、それぞれのカップリングが設けられ、選択的に、ホースの入口端が直接圧力発生手段に接続されること、または容器の入口が圧力発生手段に接続されかつホースの入口端が容器の出口に接続されることを可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気及び/又はシーラントをタイヤ、とりわけ自動車タイヤに導入する装置であって、出口端を被充填タイヤに接続し得るホースの入口端に接続し得る出口及び入口を有するシーラント用容器、及び、該容器の入口または被充填タイヤに接続し得る出口端を有するホースの入口端に、選択的に接続し得る圧力発生手段、とりわけ電動ポンプすなわちコンプレッサーを具えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置は、スペアーホイールの代替として所謂パンクキットとして、自動車に携行できる。パンクキットは、タイヤを膨張するためだけにも、またタイヤをシールしそして実質的に膨張するためにも使用できる。この点に関して、例えば、切り替えバルブ手段によって、圧力発生手段を容器の入口またはホースの入口端に選択的に接続することができる。タイヤを単に膨張するだけか、あるいは、シールしかつ膨張するのかに応じて、容器に接続されたホースまたは圧力発生手段に接続されたホースが、ユーザーによって、タイヤのバルブに接続される。
【0003】
この点に関して、ユーザーは、切り替えバルブを正しい位置に設定し、それと同時に正しいホース、即ち、空気送りホースまたはシーラントホースをタイヤに接続しなければならないという面倒な問題がある。また、切り替えバルブを設けることは、コストがかかり、また構造的スペースをさらに必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、この種の装置の取り扱いを改善し、そしてその構造をシンプルにする必要がある。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を具える装置によって充足される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従うと、同一のホースが、圧力発生手段と被充填タイヤとの間、また容器の出口と被充填タイヤとの間の接続のために準備され、圧力発生手段、容器の入口、容器の出口、および、ホースの入口端に、それぞれのカップリングが設けられ、これによって、ホースの入口端が圧力発生手段に直接接続される、または容器の入口が圧力発生手段に接続されかつホースの入口端が容器の出口に接続されることが選択的に可能となる。
【0007】
圧力発生手段と容器とホースとを、互いに交互に結合しそしてそれらを互いに切り離すことができるので、装置は2つの異なった接続形態を提供する。そしてその接続形態に応じて、容器を経ること無く圧力発生手段からホースへの直接的空気貫流、または結果として容器からホースへのシーラントの取り出しが生じる容器への空気供給が行われる。直接的空気貫流によって、圧縮空気がシーラント無しでホースの出口端から放出され、この接続形態の装置は純粋にタイヤの膨張のために使用できる。圧力発生手段から送られて容器を経る空気流れによって、シーラントは、容器を出てホースへと促される。この接続形態の装置は、不具合のあるタイヤのシーリング、そしてそれに続く膨張のために使用できる。
【0008】
装置の操作性は、カップリングによって容易になる。何故なら、ユーザーは、希望する操作モード"膨張のみ"または"シーリングと膨張"を、相当する装置構成要素を直感的に連結することで決定し得る。特にユーザーは、切り替えバルブの操作に注意する必要も、2本のホースから正しいものを選択する必要もない。両方の操作モードのために1本の同一のホースが使用され、さらに切り替えバルブが必要無いので、材料、重量、製造コストの節約となり、よってまた環境への影響の減少となる。また特に、装置はより省スペースに設計することができ、それは自動車への搭載に関して特に重要なことである。また、それぞれの装置構成要素が連結可能なことにより、使用による交換部品は、再使用できない部品、即ち例えば容器に限定されるという利点がある。同様に、シーラントの保存寿命の終了後、過剰にホースをも交換することなく、容器だけを交換できる。
【0009】
圧力発生手段を容器の入口に接続するため、また容器の出口をホースの入口端に接続するために、同一のカップリングが好ましく設けられる。従って、容器とホースの両方を、圧力発生手段に連結することが可能となる。従って、圧力発生手段の接続は、同一のカップリングによって多目的接続として構成される。
【0010】
カップリングは、好ましくは、差し込み接続式のカップリングとして形成される。これは、特に簡単な操作性を可能とする。2つの接続形態の間の変更は非常に素早く行うことができ、パンクの場合これは特に重要である。カップリングは、しかし、通常、ねじ込み接続式やクランプ接続式とすることもできる。
【0011】
一実施例によると、圧力発生手段の、容器の入口の、容器の出口の、またホースの入口端の各接続スタブは、差し込み接続のためのプラグまたはソケットである。この場合、特に簡単な構造とし得る。
【0012】
とりわけ、カップリングプラグは、ホースの入口端に設けることができ、それは、圧力発生手段にある適合するカップリングソケットまたは容器の出口にある適合するカップリングソケットに選択的に差し込むことができる。本実施例では、さらにカップリングプラグが容器の入口に設けられており、それは同様に圧力発生手段のカップリングソケットに差し込むことができる。通常各用途において、結合のために、あるプラグをあるソケットに差し込むべきかどうか、或いはあるソケットをあるプラグに押し付けるべきかどうかという点が問題である。
【0013】
差し込み接続のシーリングのために、O−リングをカップリングに設けることができる。これによって、比較的高圧の空気は、圧力発生手段から容器へ及び/又はホースへ容易に導かれる。
【0014】
またさらに、カップリングを連結状態でラッチし得るロック装置を設けることができる。ロック装置は、各カップリング構成部品に直接設ける、または対応する装置構成要素のハウジングに設けることができる。各カップリング構成部品のラッチ/アンラッチのために、例えば、バイオネットクロージャーを設けることができる。ロック装置によって、互いに結合した装置構成要素の不用意な分離が防止できる。
【0015】
ホースが接続されていない時に容器の出口を閉じる安全弁、または、穴を開けることができる膜を、該出口に設けることができる。それによって、例えば容器の出口にホースが接続されていないにもかかわらず、圧力発生手段のスイッチを偶発的に作動させた場合のように、無用にシーラントが出口から放出されることを防ぎ得る。ホースを介してシールすべきタイヤへ、シーラントを分与することを可能とするために、ホースを容器の出口に連結することで、安全弁が開くように設計することができる。このために、ホースの入口端において、カップリングを特別な様式で設計することができる。とりわけ、カップリングプラグは、ホースの入口端に、開き棒を有し得る。これは、ホースを容器へ連結することによって、安全弁の閉塞要素を開放位置まで押圧する。またホースの入口端の開き棒は、装置の輸送状態における容器の出口をシールする膜に穴を開ける働きをする。
【0016】
本発明の一実施例によると、取り出しユニットが設けられる。これは好ましくは容器に結合解除可能なように結合され、これはとりわけ容器に螺着でき、これは入口用と出口用のカップリングとして形成されたそれぞれの支持スタブを有する。従って、取り出しユニットは、圧縮空気の供給のための接続スタブ、またさらに、容器からシーラントを取り出すための接続スタブを有し得る。そして、接続スタブに直接カップリングが設けられる。例えば、空になった容器を取り出しユニットからねじって外し、充てんされた容器をねじって取り付けるというように、空になった容器は簡単かつ迅速に交換できる。
【0017】
さらなる実施例に従うと、取り出しユニットのハウジングにおいて、容器の出口用の接続スタブは、容器の入口用の接続スタブに対して180度位置ずれしている。これは、取り出しユニット付の容器を、圧力発生手段とホースとの間に簡単に連結できるという利点を有する。
【0018】
取り出しユニットは、好ましくは装置の使用姿勢において、容器の下端に配される。それによって、容器を可能な限り完全に空にすることが容易となる。装置の使用姿勢において、容器は、その一側に配することができる。容器をその一側に配した場合に、完全に空にし得る能力を確保すために、その出口を、使用姿勢における容器の底より下に位置させることができる。容器は、しかし、好ましくは取り出し位置において、逆さまに配される。
【0019】
ホースの入口端にあるカップリングは、蓄圧器または圧力調整システムへの接続用に形成できる。これによって、本装置の柔軟性がさらに増す。
【0020】
さらなる実施例に従うと、装置構成要素の少なくとも一部を収容するためのハウジングが設けられる。例えば、ハウジングは、自動車のトランクルーム内の容易にアクセス可能な場所に収容できる。またハウジングは、通常、装置の使用姿勢において、その一側に配しうる。
【0021】
またさらに、ハウジングは、容器の台座を形成しうる。従って、装置を使用するために、ハウジングを単に床に置くだけで、容器は、正しい使用位置になる。そのような台座への容器の確実な取り付けを確保するために、ハウジングの一側に、容器に結合した取り出しユニットを差し込みうる切欠きを設けることができる。
【0022】
さらに、本発明の実施例は、従属クレーム、記述、添付図面から理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、第1の接続形態にある、本発明に従う空気及び/又はシーラントをタイヤに導入する装置を示す。
【図2】図2は、第2の接続形態にある、図1の装置を示す。
【図3】図3は、図1の装置の、圧力発生手段を有するハウジングを示す。
【図4】図4は、図1の装置の上からの部分拡大図を示す。
【図5】図5は、図4の配置の横断面図を示す。
【図6】図6は、図2の装置の上からの部分拡大図を示す。
【図7】図7は、図6の配置の横断面図を示す。
【図8】図8は、本発明の別の実施例に従う装置の横部分断面図を示す。
【図9】図9は、本発明のさらなる実施例に従う装置の横部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を、図面と実施例とを参照して説明する。
図1は、使用姿勢に配された本発明の装置10を示し、装置は、コンプレッサーユニット(ここでは見えない)を有するハウジング12と、シーラントを具える容器14と、ホース20とを含む。コンプレッサーユニットは、図では見えないが、環境大気を加圧するためのコンプレッサーと、コンプレッサーの駆動部としての電気モーターとを含み得る。コンプレッサーユニットはさらに、図2および3に示すように、コンプレッサーが発生する空気圧を表示する圧力計を具える。コンプレッサーユニットには、例えば、自動車のシガーライターから、図示されない電気的接続ケーブルで、電気エネルギーが供給され得る。
【0025】
ホース2は、入口端24と出口端26とを有し、出口端26は、ホース20をタイヤバルブに接続するための、例えば所謂VG8ねじ込み接続するための、対応する接続部28を有する。
【0026】
容器14は、入口と出口とを有する。図1に示す第1の接続形態では、以下でより詳細に説明するように、容器14の入口はコンプレッサーに接続され、容器14の出口はホース20に接続される。例えばスイッチ操作によるコンプレッサーの起動により、シーラントは、容器14からシールすべきタイヤ内へ導入され得る。容器14が空になった後は、そのままでタイヤを直接膨張させ得る。
【0027】
図2は、第2の接続形態にある装置10を示す。
この接続形態では、容器14を例えば横に退けて、ホース20が直接コンプレッサーに接続される。従って、圧縮空気は被充填タイヤに導入され得る。これはシーラントが付加されない本質的にそのままである。すなわち、圧力計22を使用してタイヤの充填レベルがチェックできるだけである。
【0028】
図3に、コンプレッサーユニット付のハウジング12が、容器14とホース20無しで示されている。容器14とホース20の取り外しは、例えば、タイヤへシーラントを導入した後や容器14内のシーラントの保存寿命がきたときに、新しい容器と必要に応じて新しいホースとを与えるために、行うことができる。
【0029】
第1と第2の接続形態を切り替えるために、以下で図4〜7を参照してより正確に説明するように、コンプレッサー、容器14、ホース20は、交互に互いに連結したり互いに切り離したりできる。
【0030】
容器14の入口と出口(それらは容器の首部分によって容易に実現され得る)は何れも、取り出しユニット30内へ開口している。取り出しユニット30は、使用姿勢において下に位置する容器14の端に螺着され、シーラントの取り出しに際して容器14を完全に空にすることを容易とするため容器は上下逆に配される。取り出しユニット30は、互いに180度位置ずれしてハウジング34に配される入口接続スタブ36と出口接続スタブ38とを有するハウジング34を含む。入口接続スタブ36は、差し込み接続式のカップリングプラグ37として形成され、出口接続スタブ38は、差し込み接続式のカップリングソケット39として形成される。コンプレッサーはさらに、差し込み接続式のカップリングソケット39として形成されたコンプレッサー接続スタブ32を具える。さらにカップリングプラグ37として形成されたホース接続スタブ40が、ホース20の入口端24に取り付けられる。
【0031】
取り出しユニット30の入口接続スタブ36は、コンプレッサー接続スタブ32に差し込みでき、入口接続スタブ36に設けられた第1のO−リング42は接続の理想的なシーリングを提供する。ホース接続スタブ40も同様に取り出しユニット30の出口接続スタブ38に差し込みでき、ホース接続スタブ40に設けられた第2のO−リング44は接続の理想的なシーリングを提供する。装置10が第1の接続形態での運用の準備が整った状態で、取り出しユニット30の入口接続スタブ36が、コンプレッサー接続スタブ32に差し込まれ、ホース接続スタブ40が、取り出しユニット30の出口接続スタブ38に差し込まれる。この状態で、カップリングプラグ37とカップリングソケット39との相互回転による偶発的な分離に対して、各差し込み接続は確保され得る。そのために、コンプレッサー接続スタブ32と取り出しユニット30の出口接続スタブ38とに、角のある溝46が設けられ、そして、その溝に、ホース接続スタブ40の対応する止めピン48が係合し得る。
【0032】
またさらに、好ましくは弾力性のあるラッチフック60が、取り出しユニット30のハウジング34から突出し、装置10のハウジング12に設けた凹部62に係合でき、従って取り出しユニット30をハウジング12に固定し得る。ハウジング12の一側面に設けられた切欠き70は、コンプレッサー接続スタブ32へのアクセスを可能とし、また取り出しユニット30をハウジング12の少なくとも一部で受ける役目を果たし、従って容器14と台座の役目を果たすハウジング12との間の接続をさらに安定なものとする。取り出しユニット30がハウジング12に取り付けられる場合、入口接続スタブ36はコンプレッサー接続スタブ32に差し込まれ、ラッチフック60は凹部62に係合し、切欠き70のへりは取り出しユニット30のハウジング34の一部と係合し、全体として、ハウジング12への取り出しユニット30の、従って容器14の、非常に信頼性のある取り付けが可能となる。
【0033】
取り出しユニット30は、前記入口接続スタブ36及び出口接続スタブ38のそばにある容器出口接続スタブ50と、容器入口接続スタブ49とを有する。容器入口接続スタブ49と容器出口接続スタブ50とは、取り出しユニット30のハウジング34に、入口接続スタブ36と出口接続スタブ38とに対して90度ずれて配され、一方が他方に入れ子状態となって同軸に延びている。容器入口スタブ49と同軸で雌ねじ54を有するジャケット52が、ハウジング34を、容器14の対応する雄ねじ部にネジ止めする役目を果たす。ハウジング34が容器14にネジ止めされた時、容器入口接続スタブ49と容器出口接続スタブ50の両方が、容器14の内部に接続される。この点に関して、容器14は、容器入口接続スタブ49と連通する入口と、該入口とは分離し容器出口接続スタブ50と連通する出口とを有し得る。またあるいは、容器14は、ハウジング34が螺着された場合、容器入口接続スタブ49と容器出口接続スタブ50の両方が開口する1つの開口部(従ってそれは同時に入口と出口としての役目を果たす)を有し得る。そのような形態では、従って容器14の入口は、容器14の出口と同一である。
【0034】
装置10の2つのカップリングプラグ37は同一設計のものなので、そしてまた、2つのカップリングソケット39も同一設計のものなので、ホース接続スタブ40は、取り出しユニット30の出口接続スタブ38だけではなく、必要に応じて、コンプレッサー接続スタブ32にも差し込むことができる。従って、コンプレッサーにより発生した圧縮空気をシーラントを加えること無くタイヤへ導くために、ホース20を直接コンプレッサーに連結できる。これは、図6および7に示す第2の接続形態に対応する。
【0035】
電気モーターの起動の後、コンプレッサーは、接続形態に応じて、直接的にまたは容器14を介在する、ホース20に向けた空気流れをその出口に発生する。空気流れがまず最初に容器14に入る場合、それによって生じる容器14内の圧力増加によって、まずシーラントが、出口接続スタブ38とホース20とを経て、ホース20の出口端26に接続されている漏れを起こしているタイヤに、該タイヤをシールするために、吹き込まれる。続いて、タイヤは、空気で、所定のタイヤ圧にするために、膨張され得る。一方、ホース20がコンプレッサーに直接接続されている場合、ホース20の出口端26に接続されているタイヤは、シーラント供給無しの空気で膨張され得る。
【0036】
接続形態に応じて、修理すべきタイヤは、シーラントと空気とが充填され、また、正常に機能するタイヤは、コンプレッサーからの空気で直接膨張され得る。このように、損傷のないタイヤの膨張、または漏れを起こしているタイヤのシーリングは、1本の同一のホース20を用いて行われる。そして、ユーザーがしなければならないのは、装置を運転する前に、カップリングプラグ37とカップリングソケット39とを用いて、容器14を取り出しユニット30に、そしてコンプレッサーと、ホース20の出口端26とを正しくつなぐことだけである。
【0037】
この点に関して、ホース20を直接コンプレッサーに連結するか、もしくはその間に取り出しユニット30付きの容器14を連結するかが、基本的な問題であるので、不正確な使用によるリスクは比較的小さい。
【0038】
容器14を交換する場合、接続スタブ36、38を一体に具える取り出し装置30は、通常、再使用できる。これは環境的に非常に有利である。
【0039】
図8には、本発明の他の実施例が示されている。
本実施例では、取り出しユニット30’の出口接続スタブ38’からのシーラントの意図していない漏れを防ぐために、該出口接続スタブ38’には、安全弁72が設けられている。安全弁72は、出口接続スタブ38’を閉じるために、好ましくはゴムからなりそしてスプリング76で弁座78に向かって押圧されるシーリングディスク74を含む。ホース接続スタブ40’は、先細の端部80を有し、ホース接続スタブ40’を出口接続スタブ38’に差し込んだ時、該端部は、シーリングディスク74に隣接し、そしてそれを弁座78から離れる開放位置まで押圧する。このように安全弁72が開くと、ホース接続スタブ40’にある図示しない開口を経て、シーラントは容器14からホース20へ入る。また取り出しユニット30’にホースがつながれていないのに、ユーザーがコンプレッサーのスイッチを入れた場合、安全弁72は、出口接続スタブ38’を閉じることにより、意図していないシーラントの漏れを防止する。
【0040】
図9は、本発明の更なる実施例を示す。
本実施例では、意図していないシーラントの漏れを防ぐために、取り出しユニット30”の出口接続スタブ38”は、輸送状態では、穴を開けることができる膜82によって閉じられる。この膜82は、出口接続スタブ38”に配された熱シールフィルムであり得る。ホース接続スタブ40’は 図8を参照して説明したものと同様の構造を有し、とりわけ、同様の先細の端部80を有する。ホース接続スタブ40’を出口接続スタブ38”に差し込むことで、開き棒の役をする先細の端部80は、膜82を突き破り、容器14とホース20との間の流過が可能となる。
【符号の説明】
【0041】
10 装置
12 ハウジング
14 容器
20 ホース
22 圧力計
24 入口端
26 出口端
28 接続部
30、30’、30” 取り出しユニット
32 コンプレッサー接続スタブ
34 ハウジング
36 入口接続スタブ
37 カップリングプラグ
38、38’、38” 出口接続スタブ
39 カップリングソケット
40、40’ ホース接続スタブ
42 第1のO−リング
44 第2のO−リング
46 溝
48 止めピン
49 容器入口接続スタブ
50 容器出口接続スタブ
52 ジャケット
54 雌ねじ
60 ラッチフック
62 凹部
70 切欠き
72 安全弁
74 シーリングディスク
76 スプリング
78 弁座
80 先細の端部
82 膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気及び/又はシーラントをタイヤとりわけ自動車タイヤに導入する装置(10)であって、
出口側が被充填タイヤに接続し得るホースの入口端に接続し得る出口と入口とを有するシーラント用容器(14);及び
容器(14)の入口に、または、出口端が被充填タイヤに接続し得るホースの入口端に、選択的に接続され得る圧力発生手段とりわけ電動ポンプすなわちコンプレッサーを含み、
圧力発生手段と被充填タイヤとの間の接続、または、容器(14)の出口と被充填タイヤとの間の接続のために同一のホース(20)が備えられるとともに、
圧力発生手段、容器(14)の入口、容器(14)の出口、および、ホースの入口端(20)に、それぞれのカップリング(37、39)が設けられ、これによって、
ホース(20)の入口端(24)が圧力発生手段に直接接続される、または、容器(14)の入口が圧力発生手段に接続されかつ同時にホース(20)の入口端(24)が容器(14)の出口に接続されることを選択的に可能としたことを特徴とする装置。
【請求項2】
圧力発生手段を容器(14)の入口に接続するために、そして容器(14)の出口をホース(20)の入口端(24)に接続するために、同一のカップリング(38、39)が用いられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カップリング(37、39)は、差し込み接続式のカップリングであることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
圧力発生手段の、容器(14)の入口と出口の、またホース(20)の入口端(24)の各接続スタブ(32、36、38、40)は、差し込み接続のためのプラグまたはソケットであることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
圧力発生手段に設けられた適合するカップリングソケット(39)、または容器(14)の出口に設けられた適合するカップリングソケット(39)に選択的に差し込み接続し得るカップリングプラグ(37)がホース(20)の入口端(24)に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
カップリング(37、39)に、差し込み接続のシーリングのためのO−リング(42、44)が設けられていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
連結状態のカップリング(37、39)が外れ止めされるロック装置(46、48、60、62)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
ホース(20)が接続されていないときに出口を閉じるための安全弁(72)または穴を開けることができる膜(82)が、容器(14)の出口に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
容器(14)に結合解除可能に結合され、とりわけ容器(14)に螺着でき、容器(14)の入口と出口のためのカップリングとして形成された接続スタブ(36、38、38’、38”)を有する、取り出しユニット(30、30’、30”)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
取り出しユニット(30、30’、30”)のハウジング(34)に、容器(14)の出口用の接続スタブ(38、38’、38”)が、容器(14)の入口用の接続スタブ(36)に対して180度ずれて配されていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
取り出しユニット(30、30’、30”)は、装置(10)の使用姿勢における容器(14)の下端に配されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記カップリング(37)は、蓄圧器または圧力調整システムに接続するためにホース(20)の入口端(24)に形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
装置構成要素の少なくとも一部を収容するハウジング(12)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記ハウジング(12)は、容器(14)の台座をなすことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ハウジング(12)の一側に、容器(14)に接続された取り出しユニット(30、30’、30”)を差し込むことができる切欠きが設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−521151(P2013−521151A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555333(P2012−555333)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/001034
【国際公開番号】WO2011/107272
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】