説明

空気圧式制御弁組立体の故障モードを判定するための機器および方法

制御弁組立体は、その制御弁組立体内の機能不全を診断し、かつ、その制御弁組立体(56)内の制御流体漏出の場所を判別する能力がある。制御弁組立体は、制御弁(22)、作動器(24)、および位置決め装置(56)を含む。作動器は作動器筐体内に作動器通気孔(63)を含み、作動器通気孔はフロースイッチ(65)に接続される。作動器通気孔を通る流れ条件を決定することにより、位置決め装置は、制御流体漏出が制御ライン(57)またはダイアフラム(48)のどちらに位置するかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
本開示は、概して制御弁組立体に関し、より具体的には、制御弁内の故障モードを診断および報告する制御弁組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
開示の背景
プロセス制御弁は、流体の流れを制御するために無数の産業用途において用いられる。例えば、化学処理プラントまたは石油精製所において、制御弁は、需要の増加または減少、または他の負荷変動を補うように流動流体を操作するために用いられ、このようにして、流体流を調整された状態に保つ。
【0003】
その制御弁は、一般的に、制御弁、制御弁作動器、および位置決め装置を有する制御弁組立体の一部として提供される。制御弁は、入口および出口を、それらの間にある可動な弁体とともに含む。弁体の位置を調節することにより、弁を通る流体流が調節される。制御弁作動器は、一般的に弁体に接続されたステムを含み、弁体を移動させるために必要な原動力を提供する。位置決め装置は、加圧流体を制御弁作動器(ダイアフラムにより隔てられた2つの室を含んでもよい)に提供する閉ループフィードバックシステムを設け、位置決め装置は弁体の位置、またはより一般的には作動器ステムの位置を監視し、その位置を所望の設定点と比較する。弁を通過する望ましくない流れを結果的にもたらすことになる、実際の位置と所望の設定点との間に偏差が検出される場合に、位置決め装置は、計量機器の位置を適宜に調節するために流体信号を作動器に送信する。
【0004】
このような制御弁組立体は、様々な形態で設けることができる。1つの一般的な配設において、制御弁はスライドステム弁と称される。このような弁において、摺動弁体、つまりピストンは、弁の入り口と出口との間に位置付けられる。弁体の位置に応じて、入口と出口との間の開口部の断面積が調節され、このようにして、より多い、またはより少い流体が弁を通して横断することを可能にする。このような制御弁のための作動器を様々な形態で設けることもできるが、一般的に、当該作動器は、弁体から延在する弁ステムに直接的に連結された可動ステムを有し、空気圧または他の流体圧を作動器のダイアフラムケーシング内で使用し、このようにして、作動器ステムを移動させる。
【0005】
このようなシステムの位置決め装置は、典型的に作動器の外側に搭載され、作動器の摺動ステムに搭載された伝送器から信号を受信するように適合された感知器をその中に含む。位置決め装置は、制御流体圧としての流体信号を作動器に送信するために、位置決め装置を制御弁作動器に流体的に接続する管を含んでもよい。その管は制御弁の外部にあってもよく、または、その管を筐体に組み込んでもよい。
【0006】
近年では、制御弁内における特定の機能不全を診断および報告することができる、いわゆる「高性能の」位置決め装置が導入されてきた。高性能の位置決め装置の1つの例は、Fisher Controlsにより製造されるFIELDVUE(登録商標)位置決め装置である。別のこのような位置決め装置は、米国特許公開第2001/0037159号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。このような位置決め装置は、集中型プロセス制御器に信号を送信することにより、様々な制御弁の機能不全を診断および報告する。高性能の位置決め装置は、FOUNDATION(登録商標)フィールドバスプロトコルおよびHART(商標)プロトコルを含むが、これらに限定されない任意の数のプロトコルを介して、集中型プロセス制御器と通信することができる。既知の高性能の位置決め装置は、制御弁内の特定の一般的な機能不全を検出する能力があるものの、これらの位置決め装置は、制御弁組立体内における特定の種類の制御流体漏出を区別する能力がない。
【0007】
制御弁組立体内の制御流体漏出は、位置決め装置と作動器との間で、管で、またはダイアフラム自体で起こる可能性がある。管における制御流体漏出は概して修理するのが容易であり、かつ安価であるものの、ダイアフラム自体での制御流体漏出は、修理するのがより高価であり、かつ時間がかかる。多くの制御弁がプロセス制御システム内の遠隔の場所に位置することを考慮すると、修理技師は、高性能の位置決め装置が制御流体漏出を報告する時に、管漏出またはダイアフラム漏出の何れかを修理するのに必要な全ての部品および工具を運ばなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本開示の教示に従って構成された摺動ステム制御弁組立体の斜視図である。
【図2】図1の摺動ステム制御弁の断面図である。
【図3】位置決め装置を含む、図1の摺動ステム制御弁の断面図である。
【図4】図1の摺動ステム制御弁内の制御流動漏出の場所を診断するための方法の論理線図である。
【図5】本開示の教示に従って構成された摺動ステム制御弁組立体の代替の一実施形態である。
【図6】本開示の教示に従って構成された摺動ステム制御弁組立体のなお別の代替の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は様々な修正および代替の構成を受け入れることができるものの、その特定の例解的な実施形態が図面に示されており、以下に詳細に記載されることになる。しかしながら、本開示を開示されている具体的な形態に限定する意図は全くなく、それどころか、その意図は、本発明の精神および範囲に属する全ての修正、代替の構成、および均等物を含めることであることを理解されたい。
【0010】
開示の詳細な説明
ここで図面を参照し、図1を具体的に参照すると、制御弁組立体は概して参照番号20により示される。制御弁組立体20は、それに制御弁作動器24が取り付けられる制御弁22を含む。本明細書に記載されている制御弁組立体20は摺動ステム型の制御弁と称されることになるものの、本開示の教示を、回転式弁、バタフライ弁、および同様のものを含むが、これらに限定されない他の種類の制御弁と併せて用いることができる。
【0011】
ここで図2を参照すると、制御弁22は、入口28および出口30を有する筐体26を含むことがさらに詳細に示されている。図示されていないものの、弁22は、流体が入口28から出口30へ流れることを可能にすること、および、筐体26内に摺動可能に配置された弁体32の位置を調節することにより、流体がそれを通して流れる量および速度を同様に調節することができるように適合されることを理解されたい。弁体32の位置は、弁体32に接続された弁ステム34の位置を調節することにより調節される。より具体的には、ステム34の位置を調節することにより、入口28と出口30との間に位置付けられた弁座環33に対する弁体32の位置も調節されることが分かる。
【0012】
作動器24は、ステム34の位置ひいては弁体32の位置を調節する。作動器24は、作動器ステム38がその中で往復運動するように適合される筐体36を含む。より具体的には、描写されている実施形態において、筐体36は、その基部にヨーク40を、およびその頂部にダイアフラムケーシング42を含む。ヨーク40は、弁22に載置するように適合された底部44を画定する。
【0013】
作動器ステム38の移動は、バネおよび流体圧により制御される。図3で最良に示されているように、作動器ステム38は、ダイアフラムケーシング42内に位置付けられたダイアフラム48に接続される。コイルバネ50は作動器ステム38の周りに位置付けられ、ダイアフラム48およびバネ座52の両方に作用することにより、図3において上方へダイアフラム48を付勢する。従って、バネ50は、図3において上方へ、ダイアフラム48、作動器ステム38、弁ステム34、および弁体32を偏倚させる。従って、弁体32と弁座33との間の相対的な関係性に応じて、常時開弁または常時閉弁の何れかの形態で制御弁22を提供することができる可能性があることが分かる。
【0014】
弁体32を移動させ、ひいては弁22の位置を調節するために、制御流体圧はダイアフラムケーシング42内で調節される。より具体的には、ダイアフラム48は、ダイアフラムケーシング42を上部室53および下部室54にそれぞれ分割することに留意されたい。ダイアフラム48は、ダイアフラム板49により少なくとも部分的に支持されてもよい。制御ライン57を通して上部室53内の制御流体圧、典型的には空気圧を調節することにより、ダイアフラム48は、バネ50と上部室53内の制御流体圧との間の相対力に応じて、上方にまたは下方に移動される。
【0015】
描写されている作動器24は、制御弁22の弁ステムおよび弁体の位置を調節するように適合された1つの種類の作動器である。他の形態の作動器が可能であり、本出願の範囲内に含まれる。
【0016】
以上に記載されているもの等の構造を用いると、弁体32の位置を調節し、ひいては、弁22を通る流体の流れを調節することができることが分かる。しかしながら、弁体32を正確に位置付け、ひいては弁22を通る流体の流れを正確に制御するために、位置決め装置56が提供される。位置決め装置56は、加圧制御流体源(図示されず)に接続された流体入口60、制御流体通気孔61、および制御ライン57を有する筐体58を含む。位置決め装置56は、作動器ステム38が上下に移動する際に信号を生成するように適合された伝送器(図示されず)を含んでもよい。さらに、位置決め装置56は、伝送器により生成された信号を監視し、ひいてはステム38の相対位置を判定するように適合された受信器(図示されず)を含んでもよい。同様に、弁体32の位置が判定され、弁体32が適切に位置付けられない場合に、対応する訂正信号を位置決め装置56により生成して制御ライン57を通して送信し、上部室53内の制御流体圧を変化させることによりステム38を作動させることができる。より具体的には、位置決め装置56は、プロセッサおよびメモリ(図示されず)を含んでもよく、受信された信号をプロセッサによりメモリ内に保存された設定点と比較し、このようにして、訂正信号を生成してもよい。代替的には、位置決め装置56は、直接配線、RF通信、または同様のものにより受信された信号を遠隔のプロセッサに通信してもよく、遠隔のプロセッサにより、その後、訂正信号を作動器24に生成しかつ伝送する。
【0017】
上部室53内の制御流体圧が増加するにつれ、ダイアフラム48は、上部室53内の制御流体圧がバネ50により生成されたバネ力に打ち勝つに従い、下方に移動する。ダイアフラム48がこの図で下方に移動するにつれ、下部室54の容積は減少し、かつ上部室53の容積は増加する。上部室53の増加した容積は、入ってくる制御流体により制御ライン57を通して充填される。下部室は、下部室54の容積が減少する際に流体が下部室54から脱出することを可能にする作動器通気孔63を含む。同様に、上部室53内の制御流体圧が減少する時に、上部室53の容積は減少し、一方で下部室54の容積は増加する。位置決め装置は、上部室の容積が減少し、流体が下部室54に作動器通気孔63を通して入り、下部室54の膨張する容積を充填する際に、上部室53から制御ライン57を経由して通気孔61を通して制御流体を排出する。
【0018】
位置決め装置56は、制御弁組立体20内の特定の機能不全を診断し、集中型プロセス制御器55に報告してもよい。具体的には、位置決め装置56は、制御弁組立体20内における制御流体漏出を検出および報告する。制御流体漏出は、一般的に2つの場所のうち1つで起こる。第一に、制御流体漏出は制御ライン57で、例えば外部管で起こる可能性がある。第二に、制御流体漏出はダイアフラム48自体で、例えばダイアフラム48内の裂け目または穴を通して起こる可能性がある。これらの2つの場所における漏出を区別するために、制御弁組立体20は、作動器通気孔63に据え付けられたフロースイッチ65を含む。フロースイッチ65は、いかなる動力も必要としない受動機器である。
【0019】
フロースイッチ65の状態は、ライン68等の通信接続を通して位置決め装置56により調査または監視される。フロースイッチ65の状態は規則的または不規則な間隔で監視されてもよく、または、位置決め装置56が空気漏出等の機能不全を検出する時に、フロースイッチ65の状態は調査または検査されてもよい。例示したように、フロースイッチ65の状態を、規則的な時間間隔で、例えば、毎分に1回、5分に1回、10分に1回など、定期的に監視することができる。代替的には、位置決め装置56は、位置決め装置56が空気漏出を検出する時に、または、位置決め装置56が制御弁組立体20内で任意の他の機能不全を検出する時に、不規則な間隔でフロースイッチ65の状態を監視してもよい。位置決め装置56が機能不全を検出する時にフロースイッチ65を調査することにより、位置決め装置56が機能不全の源を診断および位置特定し、機能不全の源を集中型プロセス制御器55に報告することが可能になる。位置決め装置56とフロースイッチ65との間の通信接続は、例えば、有線接続、無線接続、赤外線接続、無線周波数接続などのような、フロースイッチ65の状態を位置決め装置56へ伝送するのに適している任意の種類の通信接続とすることができる。事実上あらゆる種類のフロースイッチ65が用いられてもよい。フロースイッチ65の例としては、Gentech FCS−04、Malema M−60、およびMalema M064のフロースイッチが挙げられる。加えて、フロースイッチ65は低流条件で閉じられてもよく、高流条件で閉じられてもよい。フロースイッチ65の位置が、1つの特定の流れ条件を表示することだけが重要である。
【0020】
図4に示されているように、位置決め装置56は、制御流体漏出が検出された時に、制御流体漏出の場所を解明する論理400を含む。その論理は、制御流体漏出が検出された時に、例えば、位置決め装置56が制御信号を作動器に送信するが、弁ステムが移動しないか、または弁ステムがその制御信号に対応しない速度で移動する時に、ステップ410から始まる。位置決め装置56は、ステップ420で通信接続68を通してフロースイッチ65を調査する。フロースイッチ65の位置は、ステップ430で判定される。ステップ430でフロースイッチ65の位置が開いている場合に、440で表示されるように制御ライン57内の漏出を意味する、低い流れ条件が表示される。制御ライン57内の漏出が判定されると、位置決め装置56は、450で制御ライン漏出警報を出力してもよく、これは中央プロセス制御器に伝送されてもよい。ステップ430でフロースイッチ65が閉じている場合、位置決め装置56は、ステム38の移動を検出する感知器を監視することにより、ステム38が移動しているかどうかを460で判定する。ステム38が移動していることは、制御信号流体の少なくとも一部が、作動器筐体42の上部室53に入っていて、ダイアフラム48に移動させていることを示す。ステム38が移動している場合に、位置決め装置56はステップ470で5秒待機し、その後ステップ430でフロースイッチ65を再調査する。フィードバックループ475は、フロースイッチ65が閉じていることを示し、ステム38が移動しなくなるまで繰り返される。フロースイッチ65が閉じており(高い流れ条件を示す)、ステム38が移動していない時、ダイアフラム48内の漏出がステップ480で示される。位置決め装置56は、ステップ490でダイアフラム故障警報を出力してもよく、その警報を中央プロセス制御器に送信してもよい。図4に示されている論理400は、低い流れ条件において開いているフロースイッチに対するものである。低い流れ条件において閉じているフロースイッチにその論理を適合させるためには、ステップ430からの開出力と閉出力とを逆転させてもよい。
【0021】
ここで図5を参照すると、本開示の教示に従って構成された制御弁組立体524の代替の一実施形態が例解されている。図1〜図3の実施形態のように、制御弁組立体524は、制御弁522、作動器524、および位置決め装置556を含む。位置決め装置556は、加圧制御流体源(図示されず)に接続される制御流体入口560、および、過剰な加圧制御流体を通気する制御流体通気孔561を有する。作動器524は、作動器524の動作の最中に筐体542から流体を通気するための作動器通気孔563を有する筐体542を含む。図1〜図3の実施形態のように、通気孔563は、通信ライン568を通して位置決め装置556に通信可能に接続されるフロースイッチ565も含んでもよい。しかしながら、大気に直接的に通気されるよりむしろ、図1〜図3の実施形態でのように、フロースイッチ565は、通気ライン570を通して位置決め装置通気孔561に接続される。通気ライン570および位置決め装置通気孔561は接合し、両方ともライン572を通して大気に通気される。位置決め装置通気孔561を通して少量の加圧流体を常時通気することにより、通気ライン570内の流体は、大気圧よりわずかに高い圧力に留まる。従って、大気圧は通気ライン570に入ることを許されない。言い換えれば、通気孔561から通気される制御流体の一定で少ない流れは、ダイアフラムの動作に影響することなく下部室554内の流体を継続的に浄化する。結果として、作動器524の動作の最中に下部ダイアフラム室554の中へ、または外へ移動する流体は、常に加圧制御流体である。典型的には、加圧制御流体は濾過されおよび除湿されている。従って、作動器524の内部構成要素は、雰囲気の不純物および/腐食性化合物に曝されない。結果として、制御弁組立体520は、その制御弁組立体が、内部作動器構成要素の寿命を短縮することになるであろう、腐食性の大気条件または逃散性排出物に曝される場合がある使用に理想的に適している。例えば、図5に示されている制御弁組立体520は、海洋用途に理想的に適している。
【0022】
ここで図6を参照すると、本開示の教示に従って構成された制御弁組立体620の代替の一実施形態が例解されている。図1〜図3の実施形態のように、制御弁組立体620は、制御弁622、作動器624、および位置決め装置656を含む。位置決め装置656は、加圧流体源(図示されず)に接続される制御流体入口660、および、過剰な加圧制御流体を通気する位置決め装置通気孔661を有する。作動器624は、作動器624の動作の最中に筐体642から流体を通気するための通気孔663を有する筐体642を含む。図6に示されている位置決め装置656は、内部的に載置されたフロースイッチ665を含む。この実施形態において、フロースイッチ665は受動機器であり、いかなる動力も必要としない。フロースイッチ665は、組み立ての最中に位置決め装置656内に搭載されてもよく、または、フロースイッチ665は、既存の位置決め装置656に改造設置されてもよい。作動器通気孔663は位置決め装置656に、ひいてはライン659を通してフロースイッチ665に接続されてもよい。結果として、内部的に搭載されたフロースイッチ665は、下部室654に流体的に接続される。従って、作動器筐体642の下部室654は環境条件から隔離され、作動器624の内部構成部は有害な大気中の成分から保護され、図5の実施形態と同様である。内部的に搭載されたフロースイッチ665を有する位置決め装置656の1つの利点は、このような位置決め装置656は、既存の位置決め装置を有する制御弁組立体620に、フロースイッチなしで、容易に搭載される場合があることである。このようにして、事実上あらゆる制御弁組立体620を、以上に記載されているように空気漏出を検出および診断する能力がある制御弁組立体に格上げすることができる。さらに、内部的に搭載されたフロースイッチ665は、環境条件から、および、輸送および据え付けの最中に起こり得る損傷から保護される。
【0023】
先行技術の制御弁組立体とは対照的に、本開示の制御弁組立体は、制御流体漏出の異なる種類および/または場所を区別する能力がある。この能力は、遠隔の場所に位置する場合がある制御弁組立体を修理しに向かう前に、技師が適切な工具および部品を選択することを有利に可能にする。
【0024】
上文から、当業者は、本開示の教示を通じて、異なる種類の機能不全を区別する能力がある弁位置決め装置を有する制御弁組立体を構成することができることを容易に理解するであろう。さらに作動器の内側構成要素を有害な環境条件から保護する制御弁組立体を構成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体入口および流体出口を有する制御弁であって、前記制御弁は、前記弁を通る流体の流れを制御するように、前記流体入口と前記流体出口との間に可動に位置付けられる弁体を備える、制御弁と、
前記弁体を移動させるための作動器であって、前記作動器は、作動器筐体と、前記作動器筐体内に搭載されたダイアフラムであって、前記ダイアフラムは、前記作動器筐体を少なくとも2つの室に分割し、前記室のうち少なくとも1つは作動器通気孔を含み、かつ前記室のうち少なくとも1つは作動器制御流体入口を含む、ダイアフラムと、前記ダイアフラムおよび前記弁体に接続された弁ステムであって、前記弁ステムは、前記ダイアフラムの移動に応答して前記弁体を移動させるように配設される、弁ステムと、を備える、作動器と、
位置決め装置制御流体入口、制御流体通気孔、および制御ラインを備える位置決め装置であって、前記制御ラインは、前記制御流体入口に接続される、位置決め装置と、を備え、
前記作動器通気孔は、前記作動器通気孔を通して流れ条件を検出する能力があるフロースイッチに接続され、前記フロースイッチは前記位置決め装置に通信的に接続される、制御弁組立体。
【請求項2】
前記位置決め装置が、前記フロースイッチの位置について前記フロースイッチを調査することにより、前記作動器通気孔を通して流れ条件を決定するように配設される、請求項1に記載の制御弁組立体。
【請求項3】
前記位置決め装置が、制御流体の漏出が検出される時に中央制御器に警報を送信するように配設される、請求項2に記載の制御弁組立体。
【請求項4】
前記位置決め装置が、制御流体ラインでの制御流体漏出と前記ダイアフラムでの制御流体漏出とを区別するように配設され、かつ、前記中央制御器に送信された前記警報が、流体漏出の種類を識別する情報を含む、請求項3に記載の制御弁組立体。
【請求項5】
前記フロースイッチが、有線接続、無線接続、無線周波数接続、および赤外線接続のうち1つを介して前記位置決め装置に接続される、請求項1に記載の制御弁組立体。
【請求項6】
前記制御流体が気体である、請求項1に記載の制御弁組立体。
【請求項7】
前記位置決め装置通気孔が前記作動器通気孔に接合される、請求項1に記載の制御弁組立体。
【請求項8】
前記位置決め装置通気孔および前記作動器通気孔の両方が、前記位置決め装置通気孔が前記作動器通気孔に接合する場所の下流の大気に通気される、請求項7に記載の制御弁組立体。
【請求項9】
前記フロースイッチが、前記位置決め装置通気孔と前記作動器通気孔との間に位置付けられる、請求項7に記載の制御弁組立体。
【請求項10】
前記フロースイッチの開位置が、前記作動器通気孔を通る低い流れ条件を示す、請求項1に記載の制御弁組立体。
【請求項11】
前記フロースイッチの閉位置が、前記作動器通気孔を通る低い流れ条件を示す、請求項1に記載の制御弁組立体。
【請求項12】
流体入口および流体出口を有する弁であって、前記弁は、前記弁を通る流体の流れを制御するように、前記流体入口と前記流体出口との間に位置付けられる弁体を備える、弁と、
前記弁体を移動させるための作動器であって、前記作動器は、作動器筐体と、前記作動器筐体内に搭載されたダイアフラムであって、前記ダイアフラムは、前記作動器筐体を少なくとも2つの室に分割し、前記室のうち少なくとも1つは作動器通気孔を含み、かつ前記室のうち少なくとも1つは作動器制御流体入口を含む、ダイアフラムと、前記ダイアフラムおよび前記弁体に接続された弁ステムであって、前記ダイアフラムの移動は前記ステムを移動させ、これは次いで前記弁体を運動させる、弁ステムと、を備える、作動器と、
位置決め装置制御流体入口、制御流体通気孔、第1の制御ライン、および第2の制御ラインを備える位置決め装置であって、前記第1の制御ラインは前記作動器制御流体入口に接続され、かつ前記第2の制御ラインは前記作動器通気孔に接続される、位置決め装置と、を備え、
フロースイッチは前記作動器通気孔を通る流れ条件を検出し、前記フロースイッチは前記位置決め装置に通信可能に接続される、制御弁組立体。
【請求項13】
前記位置決め装置が前記フロースイッチを備える、請求項12に記載の制御弁組立体。
【請求項14】
前記位置決め装置、前記フロースイッチを調査することにより、前記作動器通気孔を通る流れ条件を判定する、請求項12に記載の制御弁組立体。
【請求項15】
前記位置決め装置は、前記位置決め装置が制御流体の漏出を検出する時に中央制御器に警報を送信する、請求項14に記載の制御弁組立体。
【請求項16】
前記位置決め装置が、前記制御流体ラインでの制御流体漏出と前記ダイアフラムでの制御流体漏出を区別する、請求項15に記載の制御弁組立体。
【請求項17】
制御弁組立体内の故障モードを判定する方法であって、
制御流体の漏出を検出することと、
作動器通気孔に接続されたフロースイッチを調査し、前記フロースイッチの位置を判定することと、
前記フロースイッチが開いているかまたは閉じているかを判定することと、
前記フロースイッチの前記位置に基づいて、前記作動器通気孔を通る流れ条件を判定することと、
弁ステムが移動しているかどうかを判定することと、
前記弁ステムが運動している場合に、前記フロースイッチをその後調査する前に、ある期間にわたり待機することと、
前記フロースイッチが前記作動器通気孔を通る低い流れ条件を示す場合に、制御ライン漏出警報を出力することと、
前記フロースイッチが前記作動器通気孔を通る高い流れ条件を示し、かつ前記弁ステムが運動していない場合に、ダイアフラム漏出警報を出力することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記期間がおおよそ5秒である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
制御弁組立体のための位置決め装置であって、
筐体と、
前記筐体から延在する制御ラインと、
内部的に搭載されたフロースイッチと、を備え、
前記内部的に搭載されたフロースイッチは、作動器組立体内の室に接続されるように適合され、それにより、前記室内の流体を大気中の不純物から保護する、位置決め装置。
【請求項20】
前記フロースイッチが受動フロースイッチである、請求項19に記載の位置決め装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−532287(P2012−532287A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518530(P2012−518530)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/035141
【国際公開番号】WO2011/002560
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(591055436)フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー (183)
【Fターム(参考)】