説明

空気改質装置、並びに循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体、または排水の浄化方法、並びに野菜および果物の鮮度を保持する方法

【課題】 冷却水、切削油、浴用水のような循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体または排水中でレジオネラ菌または嫌気性菌のような有害な微生物が増殖したり、あるいはこれらの水もしくは水性液体または排水に接触する装置や部材などにスケールや錆が生じたり、あるいは水垢のような堆積物が付着しないような水の浄化方法を提供する。
【解決手段】 空気を改質するためのセラミックスが収容されている空気改質部と空気ポンプとが、この空気ポンプから出る空気が前記空気改質部に流入するように互いに連結している空気改質装置によって改質された空気を、循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体または排水中に導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気改質装置、並びに循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体、または排水の浄化方法、並びに野菜および果物の鮮度を保持する方法に関するものである。
【技術背景】
【0002】
循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体、例えば、冷凍機のような種々の冷却装置に接続された冷却塔で循環して繰り返し使用される冷却水、プラスチックまたはゴムをプラスチック製品またはゴム製品等にそれぞれ加工する成形機械用の循環冷却水(チラー水)、工作機械等の産業機械で循環して繰り返し使用される切削油、循環して繰り返し使用される風呂水もしくは温泉水のような浴用水、または排水、例えば、産業排水、または家庭もしくは様々な施設等から排出される排水は一般に20〜35℃位の温かい温度になるばかりでなく、種々の無機および有機物質または汚染物質を含んでいるために、レジオネラ属菌、大腸菌もしくは嫌気性菌のような微生物またはアオコのような藻類が繁殖し易く、また、これらの水に接する装置や部材の表面にはスケールや錆もしくは水垢またはその他の汚染物が付着して、これらの装置や部材の表面を汚染する傾向があり、そして旋盤等の工作機械において水と混合した状態で循環させながら繰り返し使用される切削油は、その使用中に細菌の作用で腐敗すると、悪臭を放って円滑な作業が妨げられるという問題があった。
【0003】
それで、従来では、冷却水または浴用水のような循環して繰り返し使用される水または水性液体中で、例えばレジオネラ属菌(以下、単にレジオネラ菌ともいう。)のような微生物が繁殖するのを抑えるために、晒粉のような塩素系の消毒剤または過酸化水素等の薬剤をポンプで上記の水または水性液体の循環系統に注入するか、あるいは水槽に直接投入するような方策が採られていたが、これには、化学的な薬剤によって自然環境が汚染されたり、あるいは人体に対してアトピー性皮膚炎のような障害を起こさせるという不都合があった。
【0004】
また、旋盤等の工作機械で循環して繰り返し使用される切削油でも細菌が発生して切削油が腐敗し、その結果この切削油から悪臭が放出されて、円滑な作業が妨げられるという問題があった。
【0005】
更に、冷却装置およびそれに付随する装置もしくは部材に発生したスケールや錆を除去したり、あるいはこれらの装置もしくは部材にスケールや錆が発生するのを防止するために従来では、薬品でスケールや錆を溶解して除去するか、または冷却水に防錆剤を混入させたり、あるいは2〜3年位に一度の頻度で塩酸等の強酸性または強アルカリ性の薬剤により装置や部材に付着したスケールや錆を除去する酸洗浄方式のような方策が採られていたが、これらの方法は薬品を含む廃液や廃酸または廃アルカリを生じるために、これらの廃棄物の不法投棄も招いたりして、これらの方策は自然環境保護の観点からみて望ましいものではなかった。
【0006】
また、様々な工場等から排出される産業排水、施設または家庭等から排出される排水では、これらの排水中に含まれる有機物を分解する種々の細菌が増殖する結果、強い悪臭が始終発生するとともに、不潔感を起こさせる細菌の代謝物が排水の通路を汚すという問題があったために、これらの排水中に薬剤を日常的に注入または撒布するという処置が採られてきたが、これにもやはり、河川、湖沼または海の水の中に生息する生物に害を与えて自然の生態系を破壊するという不都合があった。
【発明の開示】

【課題が解決しようとする課題】
【0007】
それで、上記のような不都合を起こさずに、上記のような冷却水、切削油、浴用水のような循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体または排水中でレジオネラ菌または嫌気性菌のような有害な微生物が増殖したり、あるいはこれらの水もしくは水性液体または排水に接触する装置や部材などにスケールや錆が生じたり、あるいは水垢のような堆積物が付着しないように、これらの水を浄化する方法の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上述の状況に鑑みて種々研究を重ねた結果、
1.二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメ−トル以下、好ましくは1マイクロメ−トル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスをハウジング内に収容させ、そしてこのハウジング中に空気を流入させてこの空気を前記セラミックスと接触させると、その空気中のO同士が結合してできていたクラスタ−が分解されるばかりでなく、その空気中に含まれるNO、SO、COおよびCO等の酸素含有化合物からも、また炭化水素等に酸素が結合して形成されていたクラスタ−からも酸素が遊離して単独の形の遊離のO酸素量が増加する上に、その酸素含有化合物自体も分解することによって、この化合物中に含まれていた酸素が遊離して、やはり遊離のO酸素量が増加する結果、空気の質が改良され、そして前記のハウジング内に前記のセラミックスが収納されている空気改質部と空気ポンプとを、この空気ポンプから出る空気が前記空気改質部に流入するように互いに連結させると、この流入した空気がセラミックスに勢いよく衝突する結果、特に前記の改質が十分に達成された空気を様々な用途のために放出させるのに便利な装置が得られること、
【0009】
2.上記の装置によって改質された空気を冷却水、切削油、または浴用水のような循環して繰り返し使用される水もしくは水性液または排水中に導入すると、これらの水または水性液の中でレジオネラ属菌または嫌気性菌のような微生物またはアオコのような藻類の繁殖が抑制されて、これらの水に接する装置や部材に付着するスケールや錆もしくは水垢等の発生が防止されること、および
3.上記の装置によって改質された空気を野菜や果物に接触させると、これらの野菜および果物の鮮度が長時間保持されること、
を見い出した。
【0010】
本発明はこのような知見に基づいて発明されたもので、
1.大気中から取り入れた空気を改質して、この改質された空気を放出する空気改質装置であって、二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる、1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメ−トル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスがハウジングに収容されている空気改質部と空気ポンプとが、この空気ポンプから出る空気が前記空気改質部に流入するように互いに連結していることを特徴とする、前記空気改質装置、
【0011】
2.上記1に記載された空気改質装置によって改質された空気を、循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体、または排水中に導入することによって、これらの水もしくは水性液体、または排水を浄化する方法、および
3.上記1に記載された空気改質装置によって改質された空気を野菜または果物に接触させてこれらの野菜または果物の鮮度を保持する方法、
に係わるものである。
【発明の効果】
【0012】
以上述べた説明から明らかなように、本発明によれば、大気中の空気を活性の高い遊離の形のO酸素量が増加した空気へ改質できる空気改質装置が提供され、また、この空気改質装置で改質された空気によって、レジオネラ菌のような微生物およびアオコのような藻類で汚染された種々の冷却水、浴用水、切削油および排水が浄化されるばかりでなく、これらの水に接する装置や部材の表面にスケールや錆が発生したり、あるいは水垢等の堆積物が付着するのも防止され、更に野菜や果物の鮮度を長期間維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の空気改質装置では、二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメ−トル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスが使用される。
【0014】
このセラミックスおよびそれの製造方法は本発明者が開発したものであって、特開2002ー226275号公報に詳しく述べられているが、本明細書中でこれらのセラミックスとその製造方法の要点を述べると、次の通りである。
【0015】
セラミックスの原料となる鉱物または岩石としては、二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物または岩石が用いられ、このような鉱物および岩石としては、例えば、石英、珪砂、珪石、珪岩のような二酸化珪素鉱物;珪酸アルミニウム鉱物、含水珪酸アルミニウム鉱物、珪酸マグネシウム鉱物、蛇紋岩、石綿、金属珪酸塩鉱物のような珪酸塩鉱物;螢石のようなハロゲン化物鉱物;およびこれらの二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物およびハロゲン化物鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石が用いられる。これらのうち、電子の回転速度が非常に速くてエネルギ−の大きい鉱物または岩石、例えば螢石が特に好ましく用いられる。
【0016】
したがって、本発明で用いられるセラミックスは、珪素、酸素およびフッ素のようなハロゲン元素を主成分として、原料の鉱物または岩石に由来する様々な元素、すなわち、例えば、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、水素、銅、亜鉛、炭素、錫、鉛、チタン、窒素、燐、酸素、硫黄、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルトおよび炭素のような比較的多く存在する元素ばかりでなく、例えば、リチウム、ベリリウム、バリウム、砒素、カドミウム、水銀、銀、金、セレン、モリブデン、タングステン、パラジウムおよび種々の希土類金属のような微量元素までの多種類の元素を含んでいる。
【0017】
セラミックスの原料として用いられる鉱物および/または岩石は、焼結される前に微細に粉砕される。鉱物および/または岩石の粉体は、その粒度分布における中央値が2マイクロメ−トル以下であることが必要であり、この中央値が2マイクロメ−トルを超えると、空気中のO酸素量を増加させるというこのセラミックスに特有の作用が十分に発揮されなくなって、上記の浄化作用が満足に得られなくなる。この中央値としては1マイクロメ−トル以下が好ましく選択される。このような粒度分布は、例えば図1のように表される。
【0018】
鉱物または岩石の粉体には、シリカ、アルミナ、珪藻土または粘土のような材料を、例えば、1〜8重量%添加してもよい。
【0019】
原料の鉱物または岩石を上記のような微細な粒子からなる粉体にするには、一般にどのような粉砕装置を用いてもよいが、高速で旋回する空気の流れ、すなわち所謂空気刃による粉砕が遂行される粉砕装置をを利用するのが便利である。この空気刃による粉砕は、例えば、図2の縦断側面図に示されるような粉砕装置10によって遂行される。
【0020】
この粉砕装置10には、図示されるように、それのドラム状本体11の上部左端側に、原料Gを供給するための原料供給用ホッパ−12が、そして上部右端側に、フィルタ−14を備えた製品取り出し管13がそれぞれ設けられていて、この本体11は、支柱16を介して基板15の上に固定されている。
【0021】
本体11には、それの中心線に沿って回転軸17が本体11の左側端面11aにわたって回転自在に挿入されていて、この回転軸17の左側には、図10に示されるような粉砕羽根18が、そしてそれの右側には、仕切り円盤19が回転軸17の回転に伴って回転するようにそれぞれ回転軸17に取り付けられていて、本体11の内部はこれらの粉砕羽根18および仕切り円盤19によって左から右に向かって順にA域、B域およびC域に区分けされている。
【0022】
本体11の右側端面11bには、仕切り円盤19の中央部に圧入空気PAを吹き付けるための空気ノズル20が、この右側端面11bから本体11の内部に向かって挿入されており、本体11の底部には、循環パイプ21が循環ポンプ22と共に備えられている。
【0023】
回転軸17の左側端部には、この回転軸17に回転力を与えるためのモ−タ−23がジョイント24を介して取り付けられており、このモ−タ−23はモ−タ−台座25の上に設置されている。
【0024】
粉砕羽根18は、図3の斜視図に示されるように、中空の円錐部18aと環状の円筒部18bとが連なって一体になった形状となっており、その円錐部18aと円筒部18bには、図4(但し、図4では円筒部18bについて図示されており、円錐部18aについても同様)の拡大斜視図に示されるように、コ字状の切れ目19dで区画された部分が屈曲線18eから斜め下方(内側)に向かって押し曲げられるようにして形成された、空気流案内用の多数の舌片状粉砕刃18cが三角状の2枚の支持片18fと一体になって設けられている。
【0025】
粉砕羽根18が矢印のX方向に向かって回転すると、その回転に伴って空気が矢印のY方向に向かって粉砕羽根18の外側から、前記切れ目19dで区画される開口を通り粉砕刃18cに沿って粉砕羽根18の内側へと勢いよく流入する。
【0026】
仕切り円盤19には、図5の平面図に示されるように、ノズル20から吹き込まれる圧入空気PAを受け入れるための空気流案内用の舌片状粉砕刃(図示せず)が前記粉砕刃18cと同様に設けられており、この粉砕刃18cは扇型コ字状の切れ目19aで区画された部分が斜め下方に押し曲げられるようにして形成されている。
【0027】
このように構成された粉砕装置10によれば、ホッパ−12から本体11のA域内に投入された適度の大きさの塊状の鉱物および/または岩石からなる原料Gは先ず、回転する粉砕羽根18に当たって粗い粉状ないし粒状の大きさに砕かれた後、粉砕羽根18の内部に吸引されてB域内に取り込まれる。このB域では、仕切り円盤19の切り欠きぶ19aを通過して、外部から流入してくる空気と、粉砕羽根18の回転によって生ずる空気の流れとによって空気圧が高まると同時に激しい乱流が起こる。この空気の乱流で粗い粉状ないし粒状の粒子は互いに衝突を繰り返すことによって次第に粒度が小さくなり、その一部は前記粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメ−トル以下、あるいは更にそれ以下の微粒子になるまで微粉砕される。
【0028】
B域で微粉砕された粒子は、仕切り円盤19と本体11との間の0.2mm程度の隙間を通ってB域からC域に移動し、それによってC域内は煙状の微粒子によって満たされる。ノズル20から圧入される空気で高められているC域内の圧力によって煙状の微粒子が製品取り出し管13に向かって押し出され、フィルタ−14を通過することによって、微粒子の粒度分布における中央値が2マイクロメ−トル以下になるまで微粉砕された微粒子が取り出し管13から製品Qとして集められる。
【0029】
フィルタ−14を通過しなかった粗い粒子の一部または全部、および取り出し管13に向かわないでC域内の底部に沈降した粗い粒子は、循環ポンプ22により循環パイプ21を経てA域内に戻されて、再び微粉砕処理を受ける。
【0030】
粉体は、セラミックスの用途に応じて、例えば円盤状、方形板状、煉瓦状、棒状または球状等の適当な形状および大きさに成形される。この成形には、従来セラミックスの成形に利用されてきたどのような成形方法でも、例えば、ろくろ法、鋳込法、あるいは加圧成形、テ−プ成形、加圧鋳込、押し出し成形または射出成形等のいずれの成形方法も採用できるが、本発明では一般に、ろくろ法のような成形方法が好ましく利用される。
【0031】
この成形に当たっては種々のバインダ−、例えば珪酸ナトリウム、種々の粘土類またはCMC、のようなバインダ−、あるいは溶液型、熱可塑性または熱硬化性合成樹脂のような高分子系の有機質バインダ−のようなバインダ−が使用される。
【0032】
ついで、成形体は焼結炉において窒素雰囲気または水素雰囲気のような還元雰囲気の下に1000〜1800℃、好ましくは1200〜1700℃の温度、特に1450〜1550℃の温度に10〜26時間、好ましくは16〜20時間の間曝される熱処理を受けることによって焼結される。
【0033】
この焼結体、すなわちセラミックスを容器状の部材の中に収めることによって前記の空気改質部が形成され、この空気改質部では一般に適当な形状、寸法のセラミックスを適当な配置で、例えば円筒形のハウジングの中に収められる。
【0034】
図6はこのような空気改質部32と空気ポンプ31とが連結している本発明の空気改質装置30を示す側面図である。この空気ポンプ31によって空気改質部32へ空気を流入させると、その空気は空気改質部32の中のセラミックスに勢いよく衝突して遊離のO酸素量が増加した空気へと改質される。
【0035】
この空気改質部では、前記のセラミックスが空気改質部に流入する空気の流れになるべく激しく抵抗するように、このセラミックスがハウジング内に配置または充填されているのが好ましく、例えば、セラミックスが板状に形成されている場合には、このセラミックス板の表裏両面が空気改質部の空気流入口から流出口に至る空気の流れに対して抵抗するような角度をもってハウジング内に収容されているのが好ましい。
【0036】
このような好ましい空気改質部のうち、特に好ましいものの一例が図7に示されている。図7に示される空気改質部32は、一方の端から他方の端に向かって空気を流すことができるステンレス鋼製またはアルミニウム合金製などの円筒状ハウジング33内に、例えば図8に示されるような円盤状のセラミックス板34を容器33の内壁の上下方向から互い違いに適当枚数並べ、そしてこれらの円盤34の偏心した中心を通ってこれらの円盤34を互いに連結する棒状の支持部材35によって支持される円盤34を前記円筒状ハウジング33内に収納させた構造となっていて、空気ポンプによって、この空気改質部32の空気流入口36から空気流出口37に向けて空気を流せば、その空気はセラミックス板34と激しく密に接触して、それの遊離のO酸素含有量が増加した活性の高い改質空気が生成する。
【0037】
このような空気改質装置によって改質された空気を、循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体、または排水中に導入すると、これらの水もしくは水性液体、または排水中でレジオネラ属菌や嫌気性菌のような微生物、またはアオコのような藻類の繁殖が抑制され、その結果、これらの水、水性液体または排水で悪臭が発生することも防止されるばかりでなく、その水、水性液体または排水と接触する装置や部材、または流路の表面が錆やスケールまたは水垢のような堆積物で汚染されることも防止される。
【0038】
本発明で浄化の対象としているのは、上記のように、循環して繰り返し使用される水もしくは水性液、または排水であって、そのうちの循環して繰り返し使用される水としては、例えば、冷凍機のような冷却装置に接続された冷却塔で循環して繰り返し使用される冷却水、プラスチックやゴムをそれぞれ所望の製品に加工する成形機械で循環して繰り返し使用される循環冷却水(チラー水)、風呂水および温泉水が挙げられ、そして循環して繰り返し使用される水性液としては、例えば、水と混ざり合って使用される切削油、水溶液、水性エマルションおよび水性懸濁液が挙げられ、また、排水としては、例えば、産業排水、および家庭もしくは種々の施設等から排出される排水が挙げられる。
【0039】
本発明による浄化は、例えば、次の図9〜図11のようにして行なわれる。
本発明によって提供される改質空気を、図9に示されるように冷却塔40の下部の水槽41中に注入するか、あるいは図10に示されるように風呂または温泉の浴槽42から循環ポンプ43により抜き出されて循環管路44を経て浴槽42へと戻される循環温水中に注入(矢印)するか、あるいは図11に示されるように工場排水が溜められる排水桝45中の排水中に放出(矢印)すると、上記の冷却塔40の水および浴槽42の温水中でレジオネラ属菌のような微生物の繁殖が抑制されるとともに、これらの水または温水に接する装置や部材の表面にスケールや錆もしくは水垢が付着するのが抑制され、また、上記の排水桝45中の排水中では強い悪臭や、微生物の代謝によって生ずる不潔な堆積物の生成が抑えられる。
【0040】
本発明によって野菜または果物の鮮度を保持するために、これらの野菜または果物を上記の改質空気に曝すには、例えば、図12に示されるように、ポリ袋46の中に野菜または果物を入れて、このポリ袋46の中に改質空気を注入し、そしてポリ袋46の口を閉じるというようなやり方で、野菜または果物と改質空気とをなるべく長い間接触させておけば.ポリ袋46の中の野菜や果物の鮮度は、これらを単に空気中に放置した場合に比べて長時間保持される。
【実施例】
【0041】
ついで、実施例を参照して本発明を説明するが、本発明は勿論このような実施例に限定されない。
【0042】
実施例1
浴用の湯の中のレジオネラ属菌に対する本発明の殺菌効果を試験するために、次の実験を遂行した。
【0043】
a)空気改質装置の製造
それぞれ水洗後乾燥させることによって水が除かれた、Si:85重量%を含有するアフリカ産の堆積岩600g、中国産のモリブデンに富む岩石200gおよび中国産のニッケルに富む岩石180gを前述の粉砕機にかけて、前記図10に示されるような粒 度分布における中央値が1マイクロメ−トル以下である粉体940gを製造した。
【0044】
ついで、この粉体に940gの水ガラス(SiO分:80重量%)を混合してペースト状にしてから、これを、ろくろ成形によって直径32mm、厚さ10mmの円盤状に成形した。
上記の成形体を焼結炉において窒素雰囲気の下に1100〜1500℃の温度に18時間焼結することによって空気改質部で使われるセラミックスを製造した。
【0045】
このように製造されて、図8に示されるような形状の直径32mm、厚さ約10mmのセラミックス8枚を前記の図7のように並べて内径35mm×長さ10cmの円筒状の容器内に収納し、その容器の一方の端から他方の端に向けて空気を流すことによってこの空気を改質するための空気改質部を作製した。この空気改質部と出力59Wの安永社製の空気ポンプとを直列に連結することによって、図6のような空気改質装置を組み立てた。
【0046】
b)接種菌液の調製
レジオネラ属菌に属するLegionella pneumophilaの3群をBCYE寒天培地上に移植して35±1℃で7日間培養した後、その培養した菌の1白金耳をWYOα寒天培地上に移植して35±1℃で7日間培養したものを菌の個体数が103−4のオーダーとなるように均一に分散させたものを接種菌液とした。
【0047】
c)試験方法および試験結果
前記の図10のように、途中に循環ポンプ((株)工進製、機種名PX−540 型式PX−540−AAA1)が組み込まれている循環管路を通って浴槽中の湯が循環するように作られている密閉した疑似浴槽中に40℃の湯(水道水)を入れて、上記の菌液を接種した。
【0048】
次いで、この湯を前記の循環管路を通して毎分208Lの量で循環させ、かつ、上記の空気改質装置で毎分60Lの量の改質空気を上記の循環管路の途中の湯の中に注入して、その注入の開始から15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、3時間後、6時間後、9時間後、12時間後、24時間後および48時間後に浴槽の湯500mLを採取し、その中に生息する上記のレジオネラ属菌の存在個体数を測定したところ、その結果は下記の表1の通りであった。
この測定は、厚生省生活衛生局企画課監修「新版レジオネラ症防止指針」に準じて行なわれた。
【0049】
【表1】


*上記の空気改質装置による改質空気の吹き込みを行なわない場合
** 検出限界:10CFU/100mL
【0050】
表1および図11によれば、循環開始の1時間後までに湯の中のレジオネラ属菌の数は急速に減少し、そして循環が2時間を経過した後ではレジオネラ属菌が検出限界未満まで減少していることが分かった。
【0051】
実施例2
浴用に湯について、それぞれ実施例1と同じ空気改質装置、疑似浴槽、循環ポンプ、循環管路および接種菌液を用いて実施例1と同様な実験を実施した。
【0052】
疑似浴槽中に40℃に保たれている湯(水道水)に上記の菌液を接種した後、この湯を前記の循環管路を通して毎分208Lの量で循環させ、かつ前記の空気改質装置で毎分60Lの量の改質空気を上記の循環管路の途中の湯の中に注入して、その循環の開始から3日後、7日後、15日後、25日後、35日後に浴槽の湯500mLを採取し、その中に生息する上記のレジオネラ属菌の存在個体数を測定したところ、その結果は下記の表2の通りであった。この測定も、実施例1と同様に、厚生省生活衛生局企画課監修「新版レジオネラ症防止指針」に準じて行なわれた。
【0053】
【表2】

* 上記の空気改質装置による改質空気の吹き込みを行なわない場合
** 検出限界:10CFU/100mL
【0054】
表2および図12によれば、循環開始の3日後には、既に湯の中のレジオネラ属菌の数が検出限界未満まで減少し、その後、7日後以降も菌の増殖は全く認められなかった。
【0055】
実施例3
2機のターボ冷凍機の冷却塔でそれぞれ使われている冷却水の一方に本発明による改質空気を注入し、そして、比較のために、その他方にはこの改質空気を注入しないで、本発明による改質空気が冷却水中のレジオネラ菌に対してどのような抑制効果を示すのかについて試験した。
【0056】
これらの各冷却塔の保有水量はそれぞれ10mで、1日当たり5mの水が流入して排出され、その水温は冷却塔の入口で約30℃であり、出口で約24〜27であって、年間を通してほぼ一定していた。
この冷却水に対して既に微生物処理剤のハイクリーンΣを投入したことがあったが、レジオネラ菌に対する抑制効果は認められていなかった。
【0057】
このような冷却水の一方について改質空気を注入しないで456日間の間に8回サンプリングしてレジオネラ菌の生息数を調査するとともに、他方の冷却水については実施例1で用いた空気改質によって改質された空気を、冷却塔下部の水槽中の冷却水の中に導かれてその冷却水の水面下に常時沈んでいる空気ホースを通して、上記の場合の調査開始日と同じ日を調査開始日(サンプリング開始日)として、前記冷却水中に放出し、この調査開始日から391日間の間に12回サンプリングしてレジオネラ菌の生息数を調べたところ、その菌の数はそれぞれ下記の表3および表4の通りであった。
【0058】
【表3】

【0059】
【表4】

【0060】
また、上記の改質空気を注入しなかった場合、冷却塔上部の日照が強く当たる部分にはアオコのような藻類がどうしても発生し易く、薬剤を注入してもこの藻類が消滅しないで、冷却塔内部にも発生し、ストレーナーにはスケールが付着したが、上記の改質空気を注入した場合には、アオコのような藻類が消滅し、更に冷却塔内部の汚れもなくなって、スケールは簡単な水洗によって容易に除去することができた。
【0061】
実施例4
200Lのドラム缶を2つ用意して、これらのドラム缶に工業団地の廃棄物処理場で発生する排水(汚水)180Lをそれぞれ充填した。その一方のドラム缶に実施例1で用いた空気改質装置によって改質された空気を注入し、また、他方のドラム缶にはこの改質空気を注入しないで、それぞれ10時間曝し、その間の1分、10分、1時間、2時間および10時間の各曝気時間毎に汚水中に含まれる溶存酸素量を測定したところ、下記の表5のような結果が得られた。
【0062】
【表5】

曝気前の汚水のMLSS:43,000ppm、溶存酸素量:0.11ppm
【0063】
表5に示されるように、一般空気を曝気した場合の汚水の溶存酸素量は相変わらず低い値に止まったのに対して、改質空気を曝気した場合の汚水の溶存酸素量は時間が経過するにつれて増加したが、このような溶存酸素量の増加は汚水の臭気の改善に役立つことが分かった。
【0064】
実施例5
図13に示されるように、温泉の湯51が入れられた浴槽52の中に、この温泉の湯51の減量分が、源泉の湯が溜められている原水槽53から管路54を通って供給され、そして浴槽52の湯が管路55を通って原水槽53に戻される循環型の温泉の湯について、実施例1と同じように実験を実施した。
【0065】
このような形式の温泉では、浴槽52からの湯が原水槽53に戻されるため、この原水槽53中の湯51もレジオネラ菌で汚染された湯となったが、原水槽53中に源泉の湯を供給する管路56から出る源泉の湯にはレジオネラ菌は全く含まれていなかった。
【0066】
この実験では、空気改質装置によって改質された空気を、図示のように、管路57を介して原水槽53の湯51の中に放出させた。この際、空気改質装置の空気流出口にバルブを取り付けて空気の吐出量を低下させ、改質された空気の改質作用を幾分抑えた状態で、この改質空気を浄化のために使用した。
【0067】
レジオネラ菌は、原水槽53の澄んだ湯の中には、実験開始前に350CFU/100ml含まれていたが、この湯を掻き混ぜると、原水槽53の中のスライムやスケール中のレジオネラ菌が湯の中に浮き出たために、実験開始時にそのレジオネラ菌の数は3930CFU/100mlとなっていた。レジオネラ菌の数は実験開始後の時間の経過にしたがって、下記の表6に示されるように変化していった。
【0068】
【表6】


【0069】
空気を吹き込んでから10〜47時間経過後の間に菌数が増えたのは、この空気で湯が攪拌され、それによって原水槽の底に沈殿またはその壁面に付着していたスライムやスケール中の菌が浮き出たためであって、その後では菌数が著しく減少して、改質空気の優れた除菌効果が確認された。
また、この温泉の控室の中に上記の改質空気を放出させることによって、この控室に籠もっていた臭気が消失した。
【0070】
実施例6
鋳物を加工している旋盤で循環して使用され、その結果、嫌気性菌により悪臭を放っている切削油を対象として、それの循環管路中のサービスタンクに本発明による改質空気を吹き込むことによって、この切削油に及ぼす改質空気の効果を調べる試験を実施した。
【0071】
切削油としてはノリタケクールNK−300S(商品名)を使用し、試験開始日と試験開始後31日目に試料を採取して、それの外観、pH、濃度、フリーオイル量(%)(水と完全に分離している油の割合(%)で、この割合は低いほど好ましい。)、存在する全ての菌の合計数である総菌数、カビ胞子の含有量を示すカビ汚染度、油と水との乳化に伴って発生する酵母菌の含有量を示す酵母菌汚染度および鋳物表面における赤錆の発生量の多寡で示される鋳物防錆性を調べ、また、試験開始後62日目から改質空気の放出(曝気)を開始して、その当日および試験開始後95日目の試料も採取して、それらの外観、pH、濃度、フリーオイル量(%)、総菌数、カビ汚染度、酵母菌汚染度および鋳物防錆性を同様に調べた。
これらの結果を次の表7に示す。
【0072】
【表7】

【0073】
表7に示される結果によれば、試料番号4では、フリーオイル量は痕跡となって、水と油が良く混ざり合っていることが示され、「無し」と示される総菌数、カビ汚染度および酵母菌汚染度は、細菌、カビおよび酵母菌がいずれも無くなったことが示され、また、菌以外の、金属の切り子、切り屑およびゴミホコリ等の有機物の死骸を示す夾雑物の重量割合が減少したことが示され、このような結果から、本発明によって提供される改質空気が切削油の浄化にも優れた効果を発揮することが分かる。
【0074】
実施例7
3つのポリエチレン袋の中に、図12で示されるようにして、それぞれ苺4個と、未だ青みが両端に残っている完全には熟していないバナナ2本を入れて、これらの袋の中に前記の空気改質装置によって改質した空気を0時間(すなわち、注入せず)、1時間そして2時間吹き込み、その口を紐で縛って閉じたのち放置して、苺とバナナのどのように変化するかを調べた。
【0075】
改質空気を入れなかった袋の苺では3日目に黴が発生したが、改質空気を2時間吹き込んだ袋の苺では6日目に黴が発生し、このような改質空気の放出によって苺の鮮度が、改質空気を入れなかった場合に比べて2倍の期間保持されることが分かった。バナナについては、これらの3つの袋の間で外観上の相違は殆ど観察されなかったけれども、改質空気を2時間吹き込んだ袋のバナナは、他の袋のものよりも完熟していて美味であった。
このように、改質空気は果物の鮮度保持にも役立つことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、空気中の酸素が活性の高い遊離の形のO酸素に変化することによって改質された空気が提供され、この改質空気は、冷凍機に接続された冷却塔のような種々の冷却装置で循環して使われる冷却水、産業機械でやはり循環して使用される切削油、あるいは同様に循環して使われる浴用の温水中で発生するレジオネラ属菌のような微生物の繁殖を抑制するとともに、これらの水に触れる装置や部材にスケールや錆が発生したり、あるいは水垢のような堆積物が付着するのを防止し、また、様々な工場、施設または家庭などから排出される排水を浄化して、その悪臭を軽減したり、あるいは排水路を汚す付着物や堆積物の発生を防止することができるので、このような冷却水、温水または切削油、あるいはこれらの水または水性液に類似する水または水性液、および細菌のような微生物と有機物とを含むために悪臭や泥状の汚染物を生ずる様々な排水に対して本発明を利用することができる。
本発明はまた、果物や野菜のような生鮮食料品の鮮度保持にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】 本発明で用いられる鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布の一例を示す粒度分布図である。
【図2】 本発明で用いられるセラミックスを製造する場合に使われる粉砕装置の一例を示す縦断側面図である。
【図3】 上記粉砕装置における粉砕羽根の斜視図である。
【図4】 上記粉砕羽根における粉砕刃の拡大斜視図である。
【図5】 上記粉砕羽根における仕切り円盤の平面図である。
【図6】 空気改質装置の概要を示す側面図である。
【図7】 空気改質装置を構成する空気改質部の一例を示す縦断側面図である。
【図8】 空気改質装置に組み込まれるセラミックス板が円盤状を呈している一例を示す正面図である。
【図9】 冷却水に改質空気を注入する態様の一例を示す縦断側面図である。
【図10】 循環する浴用水中に改質空気を注入する態様の一例を示す縦断側面図である。
【図11】 排水桝の排水中に改質空気を注入する態様の一例を示す縦断側面図である。
【図12】 ポリ袋中に注入された改質空気の中で保存される果物の状態を示す説明図である。
【図13】 循環して使用される温泉水を本発明によって浄化する仕組みを示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
10・・・・・・粉砕装置
11・・・・・・粉砕装置の本体
12・・・・・・ホッパー
13・・・・・・製品取り出し管
14・・・・・・フィルター
15・・・・・・基板
16・・・・・・支柱
17・・・・・・回転軸
18・・・・・・粉砕羽根
19・・・・・・仕切り円盤
20・・・・・・ノズル
21・・・・・・循環パイプ
22・・・・・・循環ポンプ
23・・・・・・モーター
30・・・・・・空気改質装置
31・・・・・・空気ポップ
32・・・・・・空気改質部
33・・・・・・ハウジング
34・・・・・・セラミックスウ板
40・・・・・・冷却塔
41・・・・・・水槽
42・・・・・・浴槽
43・・・・・・循環ポンプ
44・・・・・・循環管路
45・・・・・・排水桝
46・・・・・・ポリ袋
52・・・・・・浴槽
53・・・・・・原水槽
G・・・・・・・鉱物または岩石
Q・・・・・・・製品の粉体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気中から取り入れた空気を改質して、この改質された空気を放出する空気改質装置であって、二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物、およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる、1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスがハウジングに収容されている空気改質部と空気ポンプとが、この空気ポンプから出る空気が前記空気改質部に流入するように互いに連結していることを特徴とする、前記空気改質装置。
【請求項2】
前記セラミックスが板状を呈して、この板状のセラミックスの表裏両面が前記空気改質部の空気流入口から流出口に至る空気の流れに対して抵抗するような角度をもって、前記板状のセラミックスが前記ハウジング内に収容されている、請求項1記載の空気改質装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された空気改質装置によって改質された空気を、循環して繰り返し使用される水もしくは水性液体、または排水中に導入することによって、これらの水もしくは水性液、または排水を浄化する方法。
【請求項4】
前記の水もしくは水性液体、または排水中で生息するレジオネラ属菌が除去される、請求項3記載の浄化方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載された空気改質装置によって改質された空気を野菜または果物に接触させてこれらの野菜または果物の鮮度を保持する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−175681(P2007−175681A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381241(P2005−381241)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(501003157)
【Fターム(参考)】