空気浮上式ベルトコンベヤ
【課題】 ベルトに負荷がかかっていない状態においてベルトとキャリア側トラフとの間の摩擦抵抗が増大することを防止し、ベルトの異常浮上を抑制し、ベルトの癖の影響を受けずに安定したベルトの走行を確保できる空気浮上式ベルトコンベヤを提供する。
【解決手段】 トラフ14とベルト2との間に空気を供給することによりベルト2を浮上させた状態で、ベルト2を走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルト2の耳部2aが所定位置を越えて浮上した時に、一端が該所定の位置よりも低い位置においてベルト2とトラフ14の間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフ14とベルト2との間の空気を外部へ逃がすバイパス6を有する。
【解決手段】 トラフ14とベルト2との間に空気を供給することによりベルト2を浮上させた状態で、ベルト2を走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルト2の耳部2aが所定位置を越えて浮上した時に、一端が該所定の位置よりも低い位置においてベルト2とトラフ14の間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフ14とベルト2との間の空気を外部へ逃がすバイパス6を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱石、石炭、穀物などの様々な積載物を搬送するベルトコンベヤであって、ほぼ半円弧状断面に撓曲させた無端ベルトを空気圧力により浮上させて走行させる空気浮上式ベルトコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の空気浮上式ベルトコンベヤを示している。図8に示されるように空気式ベルトコンベヤは、無端ベルト2を有し、この無端ベルト2は図示されない駆動装置によりキャリア側トラフ14とリターン側トラフ15の上を走行させられる。例えば、図9に示されるように、積層物をキャリア側トラフ14の一方の端部側の投入口から積載物をベルト2に載せて、キャリア側トラフ14の他方の端部側の排出口へ積層物を降ろす。排出口へ積層物を降ろした無端ベルト2は、ヘッドプーリ16を回って上下逆になり、図8のリターン側トラフ15の上を走行してテールプーリ17を回って上下が元に戻り、再び投入口から投入された積層物を載せてキャリア側トラフ14の上を走行する。なお、簡単のため図9においてトラフ等は省略してある。
【0003】
図10は、空気浮上式ベルトコンベヤの断面図である。空気浮上式ベルトコンベヤの場合には、図8と図10に示されるように、ベルト2を案内するキャリア側トラフ14とリターン側トラフ15の下には空気ダクト18が設けられる。また、キャリア側トラフ14とリターン側トラフ15には、空気ダクト18の内部と連通する空気供給孔20が長手方向に所定の間隔で複数形成されている。空気ダクト18に給気ファン22により空気を送り込み、トラフに形成された空気供給孔20から空気を空気ダクト18から噴出させることで、ベルト2とキャリア側トラフ14及びリターン側トラフ15との間に空気を送り込み、ここに空気層を形成する。この空気層により、ベルト2はキャリア側トラフ14及びリターン側トラフ15上を浮上しながら走行する。
【0004】
上述した構成により、ベルト2が浮上しながら走行することで、ベルト2とキャリア側トラフ14及びリターン側トラフ15との間の摩擦抵抗が大幅に低下し、ベルト2の駆動力を低減でき、騒音や振動を減少させることができる。このような空気浮上式ベルトコンベヤは、例えば特許文献1や2に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−68442
【特許文献2】特開2001−310810
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、空気浮上式ベルトコンベヤでは、ベルト2に積層物を載せていない場合には、ベルト2の自重しかベルト2に負荷がかからないために、空気供給孔20から供給された空気により空気層が厚くなり、図11に示されるようにベルト2が異常浮上してしまうことがある。通常、ベルト2を浮上させるために供給する空気は、例えばバタフライダンパにより負荷時に必要な量に調整する。従って、負荷時、無負荷時とも同じ空気量でベルトコンベヤを運転するので、異常浮上が起こりやすい。従来においてベルト2の幅方向の両端部である耳部2aは角張った形状をしており、この異常浮上状態では浮上用空気圧力により下面が押されベルトがより平らになる方向に形状が変わっているので、ベルト2の耳部2aとキャリア側トラフ14が強く接触してしまい、摩擦抵抗が増大する。
【0007】
また、ヘッドプーリ16で回った後、ベルト2は上下が逆になるので、リターン側トラフ15上を走行している間に、搬送物を積層する面が出っ張るような形状の癖がついてしまう。このため、テールプーリ17を回った後、積層物の載せない場合には、ベルト2には自重分の負荷しかかからないため、図12に示すように、空気供給孔20から供給された空気により空気層が風船のように膨らんだ状態になってしまうことがある。この風船状態では、上述のように従来のベルト2の耳部2aは角張った形状をしているので、ベルト2の耳部2aとキャリア側トラフ14が強く接触してしまい、摩擦抵抗が増大する。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ベルトに負荷がかかっていない状態においてベルトとキャリア側トラフとの間の摩擦抵抗が増大することを防止し、ベルトの異常浮上を抑制し、ベルトの癖の影響を受けずに安定したベルトの走行を確保できる空気浮上式ベルトコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部は、トラフと接触したときの摩擦抵抗を低減する抵抗低減形状を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
本発明に好ましい実施形態によると、前記抵抗低減形状は、前記耳部の角を面取りした形状であるか若しくは丸い形状である。
【0010】
これにより、ベルトの耳部が、面取りした形状であるか若しくは丸い形状となっているので、ベルトが異常浮上した時のベルトの耳部とトラフとの接触面積は、従来の耳部の角とトラフとの接触面積と比べて大きくなり、ベルトの耳部がトラフに与える面圧力は従来と比べて小さくなる。従って、面圧力が小さくなるので、ベルトとトラフとの間から空気が耳部の脇を通過して外部へ抜けやすくなる。結果として、空気が抜ける箇所においては、耳部とトラフは接触しないので、耳部とトラフとの接触面積は全体として小さくなる。また、空気が外部へ抜けるベルトの箇所においては浮上効果が得られる。よって、トラフにかかる摩擦抵抗は全体として小さくなる。これにより、ベルトの異常浮上や風船状態を抑制できる。
【0011】
また、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部が通過する付近のトラフ上に設けられ、ベルトを内側方向へ押してトラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がす隙間を耳部付近のトラフとベルトとの間に確保する突起部を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
【0012】
これにより、ベルトが異常浮上して耳部がトラフと接触しても、この突起部がトラフとベルトの間の空気を外部へ逃がす隙間を確保するので、異常浮上を抑制し安定したベルトの走行が得られる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によると、前記突起部は、トラフの長手方向に間隔をおいてトラフの両側に複数設けられる。これにより、ベルトの全体にわたって突起部がトラフとベルトの間の空気を外部へ逃がす隙間を確保できるので、異常浮上を抑制し安定したベルトの走行が得られる。
【0014】
さらに、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部の浮上位置が高くなりすぎるのを防止するために、一端がトラフの上部側表面においてベルトとトラフの間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がすバイパスを有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
【0015】
この構成により、所定の位置よりも高く浮上した時に、トラフとベルトとの間の空気がバイパスを通って外部へ逃げるので、空気の供給量を調整することなく、トラフとベルトとの間の空気量が調整され、安定したベルト浮上状態が得られる。
【0016】
さらに、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部が所定位置を越えて異常浮上した時に、ベルトとトラフとの間の空気を外部へ逃がすように前記所定位置付近でありこれよりも低い位置においてトラフを貫通するようにトラフに形成された排気孔を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
【0017】
この構成により、上述と同様に、空気の供給量を調整することなく、トラフとベルトとの間の空気量が調整され、安定したベルト浮上状態が得られる。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明によると、ベルトの耳部が面取りした形状であるか若しくは丸い形状のような抵抗低減形状となっているので、ベルトに負荷がかかっていない状態においてもベルトとキャリア側トラフとの間の摩擦抵抗を低減させることができる。また、ベルトが異常浮上してベルトの耳部がトラフに接触したときでも、前記突起部によりトラフとベルトの間の空気を外部へ逃がす隙間を確保するので、ベルトの異常浮上を抑制できる。さらに、ベルトが異常浮上した時にトラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がすバイパスを設けることで、空気の供給量を調整することなく安定したベルト浮上状態が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。本発明は上述した図8に示されるような空気浮上式ベルトコンベヤに適用可能である。以下において、トラフ14と言うときは、キャリア側トラフ14だけでなくリターン側トラフ15をも意味してよい。以下で説明する本発明は、キャリア側の構成だけでなく、リターン側の構成にも適用可能だからである。
【0020】
図1は本発明の第1実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤのベルト2の幅方向の端部である耳部2aを示している。図1(A)に示されるように、ベルト2の幅方向の両端部である耳部2aは丸い形状となっている。上述したようにベルト2の上に積載物が載せられていない場合に、ベルト2への負荷がベルト自重しかないため、空気供給孔20からトラフ14とベルト2の間の空間への空気の供給により、ベルト2が図11のように異常浮上することがある。このようにベルト2が異常浮上した時に、従来では、ベルト2の耳部2aの角とトラフ14が強く接触するため、トラフ14とベルト2の間の空気が、正常浮上状態を示す図10の矢印Aのように耳部2aの脇を通って外部へ逃げにくいため、異常浮上が治まりにくかった。
【0021】
しかし、本発明の第1実施形態によると耳部2aは丸い形状を有するので、ベルトが異常浮上した時のベルトの耳部とトラフとの接触面積は、従来の耳部の角とトラフとの接触面積と比べて小さくなり、ベルトの耳部2aがトラフ14に与える面圧力は従来と比べて大きくなる。従って、面圧力が小さくなるので、ベルト2とトラフ14との間から空気が耳部の脇を通過して外部へ抜けやすくなる。結果として、空気が抜ける箇所においては、耳部2aとトラフ14は接触しないので、耳部2aとトラフ14との接触面積は全体として小さくなる。また、空気が外部へ抜けるベルト2の箇所においては浮上効果が得られる。よって、トラフ14にかかる摩擦抵抗は全体として小さくなる。これにより、ベルトの異常浮上や風船状態も抑制できる。
【0022】
本発明の第1実施形態は、ベルト2の耳部2aを丸い形状にすることに限られない。例えば、図1(B)のようにベルト2の耳部2aの角を面取りした形状でもよい。耳部2aの形状は上述に限られず、ベルト2の風船状態を抑制でき異常浮上時に耳部2aとトラフ14の摩擦抵抗を低減できる適切な抵抗低減形状であればよい。
【0023】
図2と図3は本発明の第2実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示している。図2に示されるように、トラフ14には長手方向に所定の間隔を置いてその両側に複数の突起部4が、ベルト2の耳部2aが通過する位置付近に設けられる。この突起部4の表面は、ベルト2がこの上を通過しても抵抗にならないように滑らかに形成される。なお、トラフ14の製作時に、長手方向に連結させるための溶接をする場合があるが、この溶接ビードを残しておき、これを突起部4とすることもできる。
【0024】
突起部4によりベルト2が内側へ押されることになり、空気供給孔20からベルト2とトラフ14との間に供給された空気が、外部に抜ける隙間を形成することができる。即ち、ベルト2に自重以外の負荷がかかっていない時に耳部2aがトラフと接触しても前述の隙間が確保され、図2と図3の矢印が示すように、空気がベルト2とトラフ14との間の空間から外部へ抜けることが可能になる。従って、無負荷状態において、ベルト2が異常浮上することを防止することができ、安定したベルト2の走行を確保することができる。
【0025】
なお、ベルト2が正常に浮上している時にもベルト2の耳部2aが突起部4に乗るように、突起部4が延在していてよいが、ベルト2が正常に浮上している時に突起部4の下端部がベルト2の耳部2aよりも高い位置にあり、ベルト2の耳部2aが所定の位置を越えて異常浮上した時にベルト2の耳部2aが突起部4に乗るように突起部4が延在していてもよい。
【0026】
図4から図6は、本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示している。第3実施形態では、ベルト2が異常浮上した時に、ベルト2とトラフ14の間の空間から空気を外部へ逃がすバイパス6が形成される。図4の矢印はベルト2が異常浮上した時に、空気が空気層からバイパス6を通って外部へ逃げる経路を示し、図5はベルト2が正常に浮上している状態を示し、図6は複数のバイパス6が設けられた空気浮上式ベルトコンベヤを示す斜視図である。図6に示されるように、長手方向に所定の間隔を置いて複数のバイパス6がトラフ14の両側に設けられる。
【0027】
各バイパス6は、トラフ14上に形成された排気孔6aと、トラフ14の外側から排気孔6aを覆うようにトラフ14の外側面に取り付けられるカバー6bから構成される。
【0028】
排気孔6aが形成される位置について説明する。図5の正常浮上状態において、排気孔6aの下端部はベルト2の耳部2aよりも高い位置にある。即ち、好ましくは、排気孔6aは、その下端部が正常に浮上しているベルト2の耳部2aよりも高く、所定位置を越えて異常浮上したベルト2の耳部2aよりも低い位置になるようにトラフ14上に形成される。なお、場合によっては、排気孔6aの下端部が異常浮上したベルト2の耳部2aよりも低い位置にあり、排気孔6aの上端部が異常浮上したベルト2の耳部2aよりも高い位置にありさえすれば、ベルト2が正常に浮上している状態において、ベルトの浮上効果が適切に得られれば、排気孔6aの下端部はベルト2の耳部2aよりも低い位置にあってもよい。なお、上記所定位置はトラフ14の上部側にあり、耳部2aの浮上位置が高くなりすぎることを防止するのに適切な位置である。
【0029】
上述のように、カバー6bはトラフ14の外側側面に排気孔6aを覆うように取り付けられ、これによりバイパス6が形成され、ベルト2が異常浮上した時に、トラフ14とベルト2の間の空間に供給された空気は、図4と図6の矢印が示すように外部に排気される。即ち、ベルト2の耳部2aが異常浮上位置に対応する所定位置を越えて浮上した時に、一端がこの所定の位置よりも低い位置においてベルト2とトラフ14の間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフ14とベルト2の間の空気を外部へ逃がすバイパス6が形成されることになる。
【0030】
従って、給気量をバルブ等で制御する必要がなくなり、ベルト2の浮上状態によって適宜にトラフ14とベルト2の間の空間から外部へ空気を逃がすことができるので、トラフ14とベルト2間の空間に供給される空気量が自動的に調整され、ベルト2に負荷がかかっている時だけでなく無負荷である時においても、ベルト2の安定した浮上状態を得ることができる。
【0031】
本発明の第3実施形態は上述に限定されない。例えば、図7に示されるように排気孔8だけを、正常浮上したベルト2の耳部2aよりも高く、所定位置を越えて異常浮上したベルト2の耳部2aよりも低い位置でありこの所定位置付近においてトラフ14を貫通するように形成してよい。この排気孔8は、トラフの長手方向に所定の間隔を置いてその両側に複数形成されてよい。これにより、異常浮上したベルト2とトラフ14の間の空間から空気を図7の矢印のように外部に逃がすことができるので、ベルト2の安定した浮上状態を得ることができる。なお、上記所定位置はトラフ14の上部側にあり、耳部2aの浮上位置が高くなりすぎることを防止するのに適切な位置である。
【0032】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態によるベルトの耳部を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示す図である。
【図3】図2の空気浮上式ベルトコンベヤにおけるベルトの空気浮上状態を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが異常浮上した時の空気の流れを示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが正常に浮上している状態を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤの別の例を示す図である。
【図8】従来の空気浮上式ベルトコンベヤを示す斜視図である。
【図9】従来の空気浮上式ベルトコンベヤを示す図である。
【図10】従来の空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが正常に浮上している状態を示す図である。
【図11】従来の空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが異常浮上している状態を示す図である。
【図12】従来の空気浮上式ベルトコンベヤにおいて空気層が膨らんだ風船状態を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
2 ベルト
2a 耳部
4 突起部
6 バイパス
6a 排気孔
6b カバー
8 排気孔
14 キャリア側トラフ
15 リターン側トラフ
16 ヘッドプーリ
17 テールプーリ
18 空気ダクト
20 空気供給孔
22 給気ファン
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱石、石炭、穀物などの様々な積載物を搬送するベルトコンベヤであって、ほぼ半円弧状断面に撓曲させた無端ベルトを空気圧力により浮上させて走行させる空気浮上式ベルトコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の空気浮上式ベルトコンベヤを示している。図8に示されるように空気式ベルトコンベヤは、無端ベルト2を有し、この無端ベルト2は図示されない駆動装置によりキャリア側トラフ14とリターン側トラフ15の上を走行させられる。例えば、図9に示されるように、積層物をキャリア側トラフ14の一方の端部側の投入口から積載物をベルト2に載せて、キャリア側トラフ14の他方の端部側の排出口へ積層物を降ろす。排出口へ積層物を降ろした無端ベルト2は、ヘッドプーリ16を回って上下逆になり、図8のリターン側トラフ15の上を走行してテールプーリ17を回って上下が元に戻り、再び投入口から投入された積層物を載せてキャリア側トラフ14の上を走行する。なお、簡単のため図9においてトラフ等は省略してある。
【0003】
図10は、空気浮上式ベルトコンベヤの断面図である。空気浮上式ベルトコンベヤの場合には、図8と図10に示されるように、ベルト2を案内するキャリア側トラフ14とリターン側トラフ15の下には空気ダクト18が設けられる。また、キャリア側トラフ14とリターン側トラフ15には、空気ダクト18の内部と連通する空気供給孔20が長手方向に所定の間隔で複数形成されている。空気ダクト18に給気ファン22により空気を送り込み、トラフに形成された空気供給孔20から空気を空気ダクト18から噴出させることで、ベルト2とキャリア側トラフ14及びリターン側トラフ15との間に空気を送り込み、ここに空気層を形成する。この空気層により、ベルト2はキャリア側トラフ14及びリターン側トラフ15上を浮上しながら走行する。
【0004】
上述した構成により、ベルト2が浮上しながら走行することで、ベルト2とキャリア側トラフ14及びリターン側トラフ15との間の摩擦抵抗が大幅に低下し、ベルト2の駆動力を低減でき、騒音や振動を減少させることができる。このような空気浮上式ベルトコンベヤは、例えば特許文献1や2に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−68442
【特許文献2】特開2001−310810
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、空気浮上式ベルトコンベヤでは、ベルト2に積層物を載せていない場合には、ベルト2の自重しかベルト2に負荷がかからないために、空気供給孔20から供給された空気により空気層が厚くなり、図11に示されるようにベルト2が異常浮上してしまうことがある。通常、ベルト2を浮上させるために供給する空気は、例えばバタフライダンパにより負荷時に必要な量に調整する。従って、負荷時、無負荷時とも同じ空気量でベルトコンベヤを運転するので、異常浮上が起こりやすい。従来においてベルト2の幅方向の両端部である耳部2aは角張った形状をしており、この異常浮上状態では浮上用空気圧力により下面が押されベルトがより平らになる方向に形状が変わっているので、ベルト2の耳部2aとキャリア側トラフ14が強く接触してしまい、摩擦抵抗が増大する。
【0007】
また、ヘッドプーリ16で回った後、ベルト2は上下が逆になるので、リターン側トラフ15上を走行している間に、搬送物を積層する面が出っ張るような形状の癖がついてしまう。このため、テールプーリ17を回った後、積層物の載せない場合には、ベルト2には自重分の負荷しかかからないため、図12に示すように、空気供給孔20から供給された空気により空気層が風船のように膨らんだ状態になってしまうことがある。この風船状態では、上述のように従来のベルト2の耳部2aは角張った形状をしているので、ベルト2の耳部2aとキャリア側トラフ14が強く接触してしまい、摩擦抵抗が増大する。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ベルトに負荷がかかっていない状態においてベルトとキャリア側トラフとの間の摩擦抵抗が増大することを防止し、ベルトの異常浮上を抑制し、ベルトの癖の影響を受けずに安定したベルトの走行を確保できる空気浮上式ベルトコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部は、トラフと接触したときの摩擦抵抗を低減する抵抗低減形状を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
本発明に好ましい実施形態によると、前記抵抗低減形状は、前記耳部の角を面取りした形状であるか若しくは丸い形状である。
【0010】
これにより、ベルトの耳部が、面取りした形状であるか若しくは丸い形状となっているので、ベルトが異常浮上した時のベルトの耳部とトラフとの接触面積は、従来の耳部の角とトラフとの接触面積と比べて大きくなり、ベルトの耳部がトラフに与える面圧力は従来と比べて小さくなる。従って、面圧力が小さくなるので、ベルトとトラフとの間から空気が耳部の脇を通過して外部へ抜けやすくなる。結果として、空気が抜ける箇所においては、耳部とトラフは接触しないので、耳部とトラフとの接触面積は全体として小さくなる。また、空気が外部へ抜けるベルトの箇所においては浮上効果が得られる。よって、トラフにかかる摩擦抵抗は全体として小さくなる。これにより、ベルトの異常浮上や風船状態を抑制できる。
【0011】
また、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部が通過する付近のトラフ上に設けられ、ベルトを内側方向へ押してトラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がす隙間を耳部付近のトラフとベルトとの間に確保する突起部を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
【0012】
これにより、ベルトが異常浮上して耳部がトラフと接触しても、この突起部がトラフとベルトの間の空気を外部へ逃がす隙間を確保するので、異常浮上を抑制し安定したベルトの走行が得られる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によると、前記突起部は、トラフの長手方向に間隔をおいてトラフの両側に複数設けられる。これにより、ベルトの全体にわたって突起部がトラフとベルトの間の空気を外部へ逃がす隙間を確保できるので、異常浮上を抑制し安定したベルトの走行が得られる。
【0014】
さらに、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部の浮上位置が高くなりすぎるのを防止するために、一端がトラフの上部側表面においてベルトとトラフの間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がすバイパスを有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
【0015】
この構成により、所定の位置よりも高く浮上した時に、トラフとベルトとの間の空気がバイパスを通って外部へ逃げるので、空気の供給量を調整することなく、トラフとベルトとの間の空気量が調整され、安定したベルト浮上状態が得られる。
【0016】
さらに、本発明によると、積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、ベルトの幅方向の両端部である耳部が所定位置を越えて異常浮上した時に、ベルトとトラフとの間の空気を外部へ逃がすように前記所定位置付近でありこれよりも低い位置においてトラフを貫通するようにトラフに形成された排気孔を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤが提供される。
【0017】
この構成により、上述と同様に、空気の供給量を調整することなく、トラフとベルトとの間の空気量が調整され、安定したベルト浮上状態が得られる。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明によると、ベルトの耳部が面取りした形状であるか若しくは丸い形状のような抵抗低減形状となっているので、ベルトに負荷がかかっていない状態においてもベルトとキャリア側トラフとの間の摩擦抵抗を低減させることができる。また、ベルトが異常浮上してベルトの耳部がトラフに接触したときでも、前記突起部によりトラフとベルトの間の空気を外部へ逃がす隙間を確保するので、ベルトの異常浮上を抑制できる。さらに、ベルトが異常浮上した時にトラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がすバイパスを設けることで、空気の供給量を調整することなく安定したベルト浮上状態が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。本発明は上述した図8に示されるような空気浮上式ベルトコンベヤに適用可能である。以下において、トラフ14と言うときは、キャリア側トラフ14だけでなくリターン側トラフ15をも意味してよい。以下で説明する本発明は、キャリア側の構成だけでなく、リターン側の構成にも適用可能だからである。
【0020】
図1は本発明の第1実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤのベルト2の幅方向の端部である耳部2aを示している。図1(A)に示されるように、ベルト2の幅方向の両端部である耳部2aは丸い形状となっている。上述したようにベルト2の上に積載物が載せられていない場合に、ベルト2への負荷がベルト自重しかないため、空気供給孔20からトラフ14とベルト2の間の空間への空気の供給により、ベルト2が図11のように異常浮上することがある。このようにベルト2が異常浮上した時に、従来では、ベルト2の耳部2aの角とトラフ14が強く接触するため、トラフ14とベルト2の間の空気が、正常浮上状態を示す図10の矢印Aのように耳部2aの脇を通って外部へ逃げにくいため、異常浮上が治まりにくかった。
【0021】
しかし、本発明の第1実施形態によると耳部2aは丸い形状を有するので、ベルトが異常浮上した時のベルトの耳部とトラフとの接触面積は、従来の耳部の角とトラフとの接触面積と比べて小さくなり、ベルトの耳部2aがトラフ14に与える面圧力は従来と比べて大きくなる。従って、面圧力が小さくなるので、ベルト2とトラフ14との間から空気が耳部の脇を通過して外部へ抜けやすくなる。結果として、空気が抜ける箇所においては、耳部2aとトラフ14は接触しないので、耳部2aとトラフ14との接触面積は全体として小さくなる。また、空気が外部へ抜けるベルト2の箇所においては浮上効果が得られる。よって、トラフ14にかかる摩擦抵抗は全体として小さくなる。これにより、ベルトの異常浮上や風船状態も抑制できる。
【0022】
本発明の第1実施形態は、ベルト2の耳部2aを丸い形状にすることに限られない。例えば、図1(B)のようにベルト2の耳部2aの角を面取りした形状でもよい。耳部2aの形状は上述に限られず、ベルト2の風船状態を抑制でき異常浮上時に耳部2aとトラフ14の摩擦抵抗を低減できる適切な抵抗低減形状であればよい。
【0023】
図2と図3は本発明の第2実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示している。図2に示されるように、トラフ14には長手方向に所定の間隔を置いてその両側に複数の突起部4が、ベルト2の耳部2aが通過する位置付近に設けられる。この突起部4の表面は、ベルト2がこの上を通過しても抵抗にならないように滑らかに形成される。なお、トラフ14の製作時に、長手方向に連結させるための溶接をする場合があるが、この溶接ビードを残しておき、これを突起部4とすることもできる。
【0024】
突起部4によりベルト2が内側へ押されることになり、空気供給孔20からベルト2とトラフ14との間に供給された空気が、外部に抜ける隙間を形成することができる。即ち、ベルト2に自重以外の負荷がかかっていない時に耳部2aがトラフと接触しても前述の隙間が確保され、図2と図3の矢印が示すように、空気がベルト2とトラフ14との間の空間から外部へ抜けることが可能になる。従って、無負荷状態において、ベルト2が異常浮上することを防止することができ、安定したベルト2の走行を確保することができる。
【0025】
なお、ベルト2が正常に浮上している時にもベルト2の耳部2aが突起部4に乗るように、突起部4が延在していてよいが、ベルト2が正常に浮上している時に突起部4の下端部がベルト2の耳部2aよりも高い位置にあり、ベルト2の耳部2aが所定の位置を越えて異常浮上した時にベルト2の耳部2aが突起部4に乗るように突起部4が延在していてもよい。
【0026】
図4から図6は、本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示している。第3実施形態では、ベルト2が異常浮上した時に、ベルト2とトラフ14の間の空間から空気を外部へ逃がすバイパス6が形成される。図4の矢印はベルト2が異常浮上した時に、空気が空気層からバイパス6を通って外部へ逃げる経路を示し、図5はベルト2が正常に浮上している状態を示し、図6は複数のバイパス6が設けられた空気浮上式ベルトコンベヤを示す斜視図である。図6に示されるように、長手方向に所定の間隔を置いて複数のバイパス6がトラフ14の両側に設けられる。
【0027】
各バイパス6は、トラフ14上に形成された排気孔6aと、トラフ14の外側から排気孔6aを覆うようにトラフ14の外側面に取り付けられるカバー6bから構成される。
【0028】
排気孔6aが形成される位置について説明する。図5の正常浮上状態において、排気孔6aの下端部はベルト2の耳部2aよりも高い位置にある。即ち、好ましくは、排気孔6aは、その下端部が正常に浮上しているベルト2の耳部2aよりも高く、所定位置を越えて異常浮上したベルト2の耳部2aよりも低い位置になるようにトラフ14上に形成される。なお、場合によっては、排気孔6aの下端部が異常浮上したベルト2の耳部2aよりも低い位置にあり、排気孔6aの上端部が異常浮上したベルト2の耳部2aよりも高い位置にありさえすれば、ベルト2が正常に浮上している状態において、ベルトの浮上効果が適切に得られれば、排気孔6aの下端部はベルト2の耳部2aよりも低い位置にあってもよい。なお、上記所定位置はトラフ14の上部側にあり、耳部2aの浮上位置が高くなりすぎることを防止するのに適切な位置である。
【0029】
上述のように、カバー6bはトラフ14の外側側面に排気孔6aを覆うように取り付けられ、これによりバイパス6が形成され、ベルト2が異常浮上した時に、トラフ14とベルト2の間の空間に供給された空気は、図4と図6の矢印が示すように外部に排気される。即ち、ベルト2の耳部2aが異常浮上位置に対応する所定位置を越えて浮上した時に、一端がこの所定の位置よりも低い位置においてベルト2とトラフ14の間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフ14とベルト2の間の空気を外部へ逃がすバイパス6が形成されることになる。
【0030】
従って、給気量をバルブ等で制御する必要がなくなり、ベルト2の浮上状態によって適宜にトラフ14とベルト2の間の空間から外部へ空気を逃がすことができるので、トラフ14とベルト2間の空間に供給される空気量が自動的に調整され、ベルト2に負荷がかかっている時だけでなく無負荷である時においても、ベルト2の安定した浮上状態を得ることができる。
【0031】
本発明の第3実施形態は上述に限定されない。例えば、図7に示されるように排気孔8だけを、正常浮上したベルト2の耳部2aよりも高く、所定位置を越えて異常浮上したベルト2の耳部2aよりも低い位置でありこの所定位置付近においてトラフ14を貫通するように形成してよい。この排気孔8は、トラフの長手方向に所定の間隔を置いてその両側に複数形成されてよい。これにより、異常浮上したベルト2とトラフ14の間の空間から空気を図7の矢印のように外部に逃がすことができるので、ベルト2の安定した浮上状態を得ることができる。なお、上記所定位置はトラフ14の上部側にあり、耳部2aの浮上位置が高くなりすぎることを防止するのに適切な位置である。
【0032】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態によるベルトの耳部を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示す図である。
【図3】図2の空気浮上式ベルトコンベヤにおけるベルトの空気浮上状態を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが異常浮上した時の空気の流れを示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが正常に浮上している状態を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤを示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態による空気浮上式ベルトコンベヤの別の例を示す図である。
【図8】従来の空気浮上式ベルトコンベヤを示す斜視図である。
【図9】従来の空気浮上式ベルトコンベヤを示す図である。
【図10】従来の空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが正常に浮上している状態を示す図である。
【図11】従来の空気浮上式ベルトコンベヤにおいてベルトが異常浮上している状態を示す図である。
【図12】従来の空気浮上式ベルトコンベヤにおいて空気層が膨らんだ風船状態を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
2 ベルト
2a 耳部
4 突起部
6 バイパス
6a 排気孔
6b カバー
8 排気孔
14 キャリア側トラフ
15 リターン側トラフ
16 ヘッドプーリ
17 テールプーリ
18 空気ダクト
20 空気供給孔
22 給気ファン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部は、トラフと接触したときの摩擦抵抗を低減する抵抗低減形状を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項2】
前記抵抗低減形状は、前記耳部の角を面取りした形状であるか若しくは丸い形状であることを特徴とする請求項1に記載の空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項3】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部が通過する付近のトラフ上に設けられ、ベルトを内側方向へ押してトラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がす隙間を耳部付近のトラフとベルトとの間に確保する突起部を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項4】
前記突起部は、トラフの長手方向に間隔をおいてトラフの両側に複数設けられることを特徴とする請求項3に記載の空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項5】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部の浮上位置が高くなりすぎるのを防止するために、一端がトラフの上部側表面においてベルトとトラフの間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がすバイパスを有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項6】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部が所定位置を越えて異常浮上した時に、ベルトとトラフとの間の空気を外部へ逃がすように前記所定位置付近でありこれよりも低い位置においてトラフを貫通するようにトラフに形成された排気孔を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項1】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部は、トラフと接触したときの摩擦抵抗を低減する抵抗低減形状を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項2】
前記抵抗低減形状は、前記耳部の角を面取りした形状であるか若しくは丸い形状であることを特徴とする請求項1に記載の空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項3】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部が通過する付近のトラフ上に設けられ、ベルトを内側方向へ押してトラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がす隙間を耳部付近のトラフとベルトとの間に確保する突起部を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項4】
前記突起部は、トラフの長手方向に間隔をおいてトラフの両側に複数設けられることを特徴とする請求項3に記載の空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項5】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部の浮上位置が高くなりすぎるのを防止するために、一端がトラフの上部側表面においてベルトとトラフの間の空間に開口し、他端が外部へ開口して、トラフとベルトとの間の空気を外部へ逃がすバイパスを有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【請求項6】
積載物を載せて搬送するベルトと、該ベルトの下に設けられベルトを案内し支持するトラフとを有し、トラフとベルトとの間に空気を供給することによりベルトをトラフから浮上させた状態でベルトを走行させる空気浮上式ベルトコンベヤであって、
ベルトの幅方向の両端部である耳部が所定位置を越えて異常浮上した時に、ベルトとトラフとの間の空気を外部へ逃がすように前記所定位置付近でありこれよりも低い位置においてトラフを貫通するようにトラフに形成された排気孔を有することを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−8371(P2006−8371A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190942(P2004−190942)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】
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