説明

空気清浄機

【課題】 設置面積を小さく保ちつつ、性能のよい空気清浄機を提供する。
【解決手段】 ハウジング2内に、モータ、ファンおよびフィルタを含む構成ユニット25、26を夫々上下2段に配置し、上構成ユニット25の吸気口8及び排気口6、ならびに下構成ユニット26の吸気口9及び排気口7を、夫々上下に分散して設ける。ガスセンサ10と、人体の動きを検知する移動物検知センサ11の検知出力に応じて、上下構成ユニットのモータ17、22を個別に制御する。例えば、ガスセンサ10の検知信号により、上モータ17を駆動し、移動物検知センサ11の検知信号により、下モータ22を駆動する。
【効果】 上方空間に多く存在するガス成分や微小な塵埃は上構成ユニットで、人の動きで床から舞い上がる塵埃は下構成ユニットで夫々効果的に除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気中を浮遊する塵埃等を捕獲して空気を浄化する装置として、空気清浄機が広く利用されている。空気清浄機は、通常、モータ、ファンおよびフィルタを備えており、モータによりファンを回転させて空気を内部に吸い込み、吸い込んだ空気をフィルタを通過させることにより、塵埃等をフィルタで捕獲して空気を浄化する。このような空気清浄機が特許文献1に記載されている。
【0003】
この空気清浄機は、集塵フィルタおよび脱臭フィルタを備えており、空気をこれらのフィルタを通過させることで、空気中に含まれる塵埃および臭気が除去される
【特許文献1】特開2002−79018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の空気清浄機では、集塵フィルタおよび脱臭フィルタを空気清浄機の厚さ方向に重ねるように配置しているため、空気清浄機の奥行きが大きくなり、設置面積が大きくなってしまう(大きな設置場所が必要となる)といった問題がある。
【0005】
また、空気清浄機の性能を向上させるために、さらに、ファンやフィルタを大きくすることが考えられるが、この場合も同様に、空気清浄機の設置面積が大きくなってしまうといった問題がある。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、設置面積を小さく保ちつつ、性能の良い空気清浄機を提供することを目的とする。さらにこの発明は、効率的に空気を浄化することのできる空気清浄機を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、モータによりファンを回転させて空気を吸い込み、吸い込んだ空気をフィルタを通すことにより浄化して、排気口から排気する空気清浄機において、ハウジング内に、前記モータ、ファンおよびフィルタを含む構成ユニットを2つ夫々上下2段に配置し、前記ハウジングには、上段の構成ユニットのための吸気口及び排気口ならびに下段の構成ユニットのための吸気口及び排気口を、夫々上下に分散して設け、空気中のガス濃度を検知するガスセンサと、室内を移動する物を検知する移動物検知センサを有して、ガスセンサおよび移動物検知センサの検知出力に応じて、前記上下の構成ユニットのモータを個別に制御するものである。
【0008】
例えば、ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを駆動し、移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを駆動する。
【0009】
あるいは、ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを下側構成ユニットのモータより重点的に駆動し、移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを上側構成ユニットのモータより重点的に駆動する。具体的には、ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを下側構成ユニットのモータより高速で駆動し、移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを上側構成ユニットのモータより高速で駆動する。
【0010】
また、ガスセンサによる検知出力レベルと、移動物検知センサによる検知出力レベルを比較して大きなほうの検知出力レベルに基づいて、上下の構成ユニットのモータを制御する。
【0011】
移動物検知センサとしては、焦電型赤外線センサにて人の動きを検知するものを例示できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、モータ、ファンおよびフィルタを含む構成ユニットが上下2段に配置され、上段の構成ユニットのための吸気口及び排気口ならびに下段の構成ユニットのための吸気口及び排気口を、夫々上下に分散して設けているので、より多くの空気を広範囲から吸い込んで浄化し、浄化した空気を広範囲へ放出でき、空気清浄機の能力を向上できるにもかかわらず、空気清浄機の奥行きが大きくなるのを防ぐことができ、設置面積を小さく保つことができる。
【0013】
また空気中のガス濃度を検知するガスセンサと、室内を移動する物を検知する移動物検知センサを有して、ガスセンサおよび移動物検知センサの検知出力に応じて、上下の構成ユニットのモータを個別に制御するので、効率的に空気を浄化することが可能となる。
【0014】
例えば、ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを駆動し、移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを駆動すれば、効率的に空気を浄化できる。すなわち、タバコを吸った時等に発生するガスやそれに付随した微小な塵埃は、上方空間に浮遊しやすく、ガスセンサによりガス成分を検知することにより、これらのガス成分やこれに伴う塵埃が多く存在する上方空間の空気を上側構成ユニットへ吸引して浄化することにより、効率的にこれらを除去することができる。また人間が移動すれば、床に積もっていた塵埃や花粉が舞い上がるので、人間の動きを移動物検知センサにより検知することによって、舞い上がった塵埃や花粉が多く存在する下方空間の空気を下側構成ユニットへ吸引して浄化することにより、効率的にこれら塵埃や花粉を除去することができる。
【0015】
また、ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを下側構成ユニットのモータより重点的に駆動(例えば高速で駆動)し、移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを上側構成ユニットのモータより重点的に駆動(例えば高速で駆動)しても、上記の場合と同様に、上方空間に多く浮遊しているタバコを吸った時等に発生するガスやそれに付随した微小な塵埃、及び下方空間に多く浮遊している床面から舞い上がった塵埃や花粉を、上下の構成ユニットで効率よく除去することができる。
【0016】
また、ガスセンサによる検知出力レベルと、移動物検知センサによる検知出力レベルを比較して大きな方の検知出力レベルに基づいて、上下の構成ユニットのモータを制御すれば、空気の汚れの種類に適した空気浄化を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。 図1は、この発明の一実施形態にかかる空気清浄機1の構成を示す正面図である。また、図2は、図1に示す空気清浄機1を切断線A−Aで切断した状態を示す図である。
【0018】
空気清浄機1は、たとえば、室内に設置されて、機外の空気を取り込み、その空気を清浄する処理を施して機外に排出することにより、室内の空気清浄を行うものである。空気清浄機1の外形は、左右方向の長さに比べて前後方向の長さが短い薄型のハウジング2により区画されている。ハウジング2の前面には、ハウジング2の前面のほぼ上半分を覆う略矩形の上前面板3と、ハウジング2の前面のほぼ下半分を覆う略矩形の下前面板4とが取付けられている。また、ハウジング2の前面であって上前面板3と下前面板4との間には操作表示部としての操作パネル5が取り付けられている。また、正面側からみてハウジング2の上部の右側の側面には、上排気口6が形成されており、正面側からみてハウジング2の下部の左側の側面には、下排気口7が形成されている。
【0019】
上前面板3には、上前面板3の上部から下部にかけて延びる細長の上吸気口8が複数形成されている。また、上前面板3の内側には、ガスセンサ10と移動物検知センサ11が備えられている。
【0020】
ガスセンサ10は、金属酸化物半導体で形成され、喫煙などで発生する還元性ガスを検知する周知のものである。移動物検知センサ11は、焦電型赤外線センサと称されるもので、人体表面及び着衣から発せられる遠赤外線を受け、人が動くことにより焦電型赤外線センサ上に焦電効果を生じせしめて人の動きを検知する周知のものである。
【0021】
下前面板4には、下前面板4の上部から下部にかけて延びる細長の下吸気口9が複数形成されている。
【0022】
上排気口6は、後述するように、上吸気口8から吸い込まれた空気を浄化した後、その空気を排気するためのものであり、上吸気口8から吸い込まれた空気は、図1において破線で示す渦巻状の上ファンケーシング40内を移動して、上排気口6から排気される。下排気口7は、後述するように、下吸気口9から吸い込まれた空気を浄化した後、その空気を排気するためのものであり、下吸気口9から吸い込まれた空気は、図1において破線で示す渦巻状の下ファンケーシング50内を移動して、下排気口7から排気される。
【0023】
ハウジング2には、ハウジング2内のほぼ上半分を占めるように区画された上区画室12と、ハウジング2内のほぼ下半分を占めるように区画された下区画室13とが形成されている。上区画室12は、その前方側が上前面板3により区画されている。また、上区画室12には、上前面板3の所定寸法後方に、細塵フィルタ14および脱臭フィルタ15が備えられている。
【0024】
細塵フィルタ14は、上前面板3に形成された上吸気口8を覆うことのできる大きさであり、微細な塵埃を捕獲することのできる高性能のフィルタで構成されている。脱臭フィルタ15は、細塵フィルタ14とほぼ同程度の大きさであり、臭気を吸着することができる活性炭や、ガス成分を捕獲することのできるフィルタで構成されている。そして、脱臭フィルタ15は、細塵フィルタ14とハウジング2の厚さ方向に重なるように配置されている。
【0025】
また、上区画室12には、上ファンケーシング40の一部を構成する仕切体16が備えられており、この仕切体16に上モータ17が取り付けられている。また、上モータ17の回転軸17aには、ファン18が取り付けられている。
【0026】
ファン18は、いわゆるシロッコファンであって、ファン18が回転されると、前方中央側から空気が吸い込まれて、その空気がファン18の径方向に放出されるようになっている。したがって、ファン18が回転されると、図2において矢印Bで示すように、機外の空気が上吸気口8から吸い込まれて細塵フィルタ14および脱臭フィルタ15を通過し、ファン18の径方向に流れる。また、上ファンケーシング40は上排気口6へと続いており、ファン18の径方向に流れた空気は、図1において矢印Cで示すように、上排気口6から機外に排気される。
【0027】
このように、ハウジング2内の上段には、上モータ17、ファン18、細塵フィルタ14および脱臭フィルタ15を含む上構成ユニット25が備えられている。
【0028】
下区画室13は、その前方側が下前面板4により区画されている。また、下区画室13には、下前面板4の所定寸法後方に、粗ゴミフィルタ19および花粉専用フィルタ20が備えられている。
【0029】
粗ゴミフィルタ19は、下前面板4に形成された下吸気口9を覆うことのできる大きさであり、大きい塵埃を捕獲することのできるフィルタで構成されている。すなわち、粗ゴミフィルタ19は、細塵フィルタ14に比べて間隙の多いフィルタであり、相対的に細塵フィルタ14が高性能のフィルタであり、粗ゴミフィルタ19が低性能のフィルタである。
【0030】
花粉専用フィルタ20は、粗ゴミフィルタ19とほぼ同程度の大きさであり、花粉を捕獲することのできるフィルタで構成されている。そして、花粉専用フィルタ20は、粗ゴミフィルタ19とハウジング2の厚さ方向に重なるように配置されている。
【0031】
また、下区画室13には、下ファンケーシング50の一部を構成する仕切体21が備えられており、この仕切体21に下モータ22が取り付けられている。また、下モータ22の回転軸22aには、ファン23が取り付けられている。
【0032】
ファン23は、いわゆるシロッコファンであって、ファン23が回転されると、前方中央側から空気が吸い込まれて、その空気がファン23の径方向に放出されるようになっている。したがって、ファン23が回転されると、図2において矢印Dで示すように、機外の空気が下吸気口9から吸い込まれて粗ゴミフィルタ19および花粉専用フィルタ20を通過し、ファン23の径方向に流れる。また下ファンケーシング50は下排気口7へと続いており、ファン23の径方向に流れた空気は、図1において矢印Eで示すように、下排気口7から機外に排気される。
【0033】
このように、ハウジング2内の下段には、下モータ22、ファン23、粗ゴミフィルタ19および花粉専用フィルタ20を含む下構成ユニット26が備えられている。
【0034】
図3は、空気清浄機1の要部の電気的構成を示すブロック図である。空気清浄機1には、空気清浄機1の各部を制御する制御部24が備えられている。制御部24は、マイクロコンピュータ、ROMおよびRAM等を備えている。また、制御部24は、操作パネル5、ガスセンサ10および移動物検知センサ11からの信号が入力されるようにされており、これらの信号に応じて、操作パネル5の表示態様、上モータ17および下モータ22の駆動を制御する。
【0035】
そこで、ユーザにより、操作パネル5が操作されて、空気清浄機1の電源がオンされると、ガスセンサ10および移動物検知センサ11が空気中の汚れ成分の検知を開始する。これらセンサ10、11の検知出力に基づいた運転動作を以下説明する。
【0036】
動作1
ガスセンサ10が空気中のガス成分を検知すると、上モータ17が駆動されてファン18が回転される。そして、上吸気口8を介して機外の空気が上区画室12に吸い込まれる。このとき、空気は細塵フィルタ14および脱臭フィルタ15を通過して浄化される。そして、浄化された空気は、上排気口6から排気される。
【0037】
タバコを吸った時等に発生するガスやそれに付随した微小な塵埃は、上方空間に浮遊しやすく、ガスセン10によりガス成分を検知することにより、これらのガス成分やこれに伴う塵埃が多く存在する上方空間の空気を上側構成ユニット25へ吸引して浄化することにより、効率的にこれらを除去することができる。ガスセンサ10の検知出力が大きくなるにつれ(ガス濃度が高くなるにつれ)上モータ17の速度が高速になるよう制御すれば、より効率的にこれらを除去できる。
【0038】
また、移動物検知センサ11が人体の動き検知すると、下モータ22が駆動されてファン23が回転される。そして、下吸気口9を介して機外の空気が下区画室13に吸い込まれる。このとき、空気は粗ゴミフィルタ19および花粉専用フィルタ20を通過して浄化される。そして、浄化された空気は、下排気口7から排気される。
【0039】
人間が移動すれば、床に積もっていた塵埃や花粉が舞い上がるので、人間の動きを移動物検知センサ11により検知することによって、舞い上がった塵埃や花粉が多く存在する下方空間の空気を下側構成ユニット26へ吸引して浄化することにより、効率的にこれら塵埃や花粉を除去することができる。移動物検知センサ11の検知出力が大きくなるにつれ(移動が頻繁なる)下モータ22の速度が高速になるよう制御すれば、より効果的にこれらを除去できる。
【0040】
ガスセンサ10と移動物検知センサ11が共にガス成分と人体の移動を検知した場合は、夫々のセンサによって各モータ17、22の速度が制御される。
【0041】
動作2
動作1では、ガスセンサ10の検知信号により、上側構成ユニットのモータ17を、移動物検知センサ11の検知信号により、下側構成ユニットのモータ22を夫々選択的に駆動するようにしているが、動作2では、ガスセンサ10の検知信号により、上側構成ユニットのモー17を下側構成ユニットのモータ22より重点的に駆動し、移動物検知センサ11の検知信号により、下側構成ユニットのモータ22を上側構成ユニットのモータ17より重点的に駆動するようにしたものである。
【0042】
具体的には、図4で表す動作を行う。即ち、ガスセンサ10の検知レベルを4段階に設定し(数値が大きいほどガス濃度が高くなる)、レベルが「0」(空気がガスで汚染されていない状態)のときは上下のモータ17、22は共に停止しており、レベルが「1」のときは、上モータ17のみを最も回転数の低い低速回転せしめ、レベル「2」のときは、上モータ17を低速回転より回転数の高い中速回転すると共に下モータ22を低速回転せしめる。これにより、ガス成分やこれに伴う微小な塵埃が多く存在する上方空間の空気を主として上側構成ユニット25へ吸引して浄化しており、効率的にこれらを除去することができる。
【0043】
なお、レベル「3」のときは汚染が部屋全体に拡がっているとみなして、上下のモータ17、22を共に中速回転せしめているが、上モータ17を最も回転数の高い高速回転し、下モータ22を中速回転してもよい。
【0044】
また、移動物検知センサ11の検知レベルも4段階に設定し(数値が大きいほど移動物(人体)の動きが頻繁になる)、レベルが「0」(人が存在しないか、動きが極めて少ない場合)のときは上下のモータ17、22は共に停止しており、レベルが「1」のときは、下モータ22のみを最も回転数の低い低速回転せしめ、レベル「2」のときは、下モータ22を低速回転より回転数の高い中速回転すると共に上モータ17を低速回転せしめる。これにより、人間の動きにより床から舞い上がった塵埃や花粉が多く存在する下方空間の空気を主として下側構成ユニット26へ吸引して浄化しており、効率的にこれらを除去することができる。
【0045】
なお、レベル「3」のときは塵埃等が部屋全体に舞い上がって拡がっているとみなして、上下のモータ17、22を共に中速回転せしめているが、下モータ22を最も回転数の高い高速回転し、上モータ17を中速回転してもよい。
【0046】
ガスセンサ10と移動物検知センサ11が共にガス濃度と移動物を検知した場合は、その検知レベルの大きな方に基づいて運転が行われる。例えばガスセンサ10の検知レベルが「2」、移動物検知センサ11の検知レベルが「1」の場合、ガスセンサ10に基づいて、上モータ17を中速回転し、下モータ22を低速回転する。
【0047】
ガスセンサ10と移動物検知センサ11の検知レベルが同じときは、上下モータ17、22は同一回転数で回転する。例えばどちらの検知レベルも「2」の場合、上下モータ17、22は共に中速回転する。
【0048】
このように動作1や動作2によって、空気の汚れの種類に適した効率の良い空気浄化を行うことができる。
【0049】
また上側構成ユニット25および下側構成ユニット26が上下2段に配置され、上段の構成ユニットのための吸気口8及び排気口6ならびに下段の構成ユニットのための吸気口9及び排気口7を、夫々上下に分散して設けているので、より多くの空気を広範囲から吸い込んで浄化し、浄化した空気を広範囲へ放出でき、空気清浄機の能力を向上できる。能力を向上できるにもかかわらず、空気清浄機の奥行きが大きくなるのを防ぐことができ、設置面積を小さく保つことができる。
【0050】
また、以上の実施例の構成では、上側構成ユニット25に相対的に高性能のフィルタである細塵フィルタ14が用いられ、下側構成ユニット26に相対的に低性能のフィルタである粗ゴミフィルタ19が用いられているので、効率的に空気を浄化することができる。すなわち、小さい塵埃等は上方空間を浮遊し、大きい塵埃等は下方空間に多く存在するので、小さい塵埃等を上側構成ユニット25の細塵フィルタ14で確実に捕獲し、大きい塵埃等は下側構成ユニット26の粗ゴミフィルタ19でも充分に捕獲することができる。よって、効率的にフィルタを使い分けることができる。また、細塵フィルタ14を上側構成ユニット25および下側構成ユニット26の両方に用いる場合に比べて、細塵フィルタ14を少なくすることができ、コストを削減することができる。
【0051】
以上の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮するように解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0052】
例えば、上側構成ユニット25および下側構成ユニット26は夫々別個のフィルタを用いているが、一枚の共通のフィルタを用いることができる。この場合、ハウジング2の中央部に設けた操作パネル5をハウジングの上部や側部に設ければよい。
【0053】
また上側構成ユニット25および下側構成ユニット26の排気口6、7は左右に分散しているが、上下に分散しておれば特に場所を限定する必要はなく、例えば、上側構成ユニット25の排気口をハウジング2の上面に設け、下側構成ユニット26の排気口をハウジング2の左右両側面の2箇所に設けてもよい。また上側構成ユニット25および下側構成ユニット26の吸気口8、9もハウジング2の前面のほぼ全体に亘って設けられているが、上下に分散しておれば特に場所は限定する必要はない。
【0054】
また移動物検知センサ11として、焦電型赤外線センサを用いているが、超音波センサを用いて動く人に反射して返ってくる超音波のドップラー効果により、人の動きを検知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の実施形態にかかる空気清浄機の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す空気清浄機を切断線A−Aで切断した状態を示す図である。
【図3】空気清浄機の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の各センサに基づく各モータの動作一覧図である。
【符号の説明】
【0056】
1 空気清浄機
2 ハウジング
6 上排気口
7 下排気口
8 上吸気口
9 下吸気口
10 ガスセンサ
11 移動物検知センサ
14 細塵フィルタ
15 脱臭フィルタ
17 上モータ
18 ファン
19 粗ゴミフィルタ
20 花粉専用フィルタ
22 下モータ
23 ファン
25 上側構成ユニット
26 下側構成ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータによりファンを回転させて空気を吸い込み、吸い込んだ空気をフィルタを通すことにより浄化して、排気口から排気する空気清浄機において、
ハウジング内に、前記モータ、ファンおよびフィルタを含む構成ユニットを2つ夫々上下2段に配置し、前記ハウジングには、上段の構成ユニットのための吸気口及び排気口ならびに下段の構成ユニットのための吸気口及び排気口を、夫々上下に分散して設け、空気中のガス濃度を検知するガスセンサと、室内を移動する物を検知する移動物検知センサを有して、前記ガスセンサおよび前記移動物検知センサの検知出力に応じて、前記上下の構成ユニットのモータの駆動を個別に制御することを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを駆動し、前記移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを駆動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを下側構成ユニットのモータより重点的に駆動し、前記移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを上側構成ユニットのモータより重点的に駆動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記ガスセンサの検知信号により、上側構成ユニットのモータを下側構成ユニットのモータより高速で駆動し、前記移動物検知センサの検知信号により、下側構成ユニットのモータを上側構成ユニットのモータより高速で駆動するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記ガスセンサによる検知出力レベルと、前記移動物検知センサによる検知出力レベルを比較して大きなほうの検知出力レベルに基づいて、上下構成ユニットのモータを制御することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記移動物検知センサは、焦電型赤外線センサにて人の動きを検知するものである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−336957(P2006−336957A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163741(P2005−163741)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】