説明

空気清浄機

【課題】ワイヤレスセンサー周辺の空気を効率よく浄化することができる空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気の環境状態を検知するワイヤレスセンサー本体14と、ワイヤレスセンサー本体14とは離れた位置に配置され、環境状態に応じて、吸い込んだ空気を浄化した後に吹き出すことにより、空気の流れを発生させる空気清浄機本体1と、を備え、ワイヤレスセンサー本体14は、当該ワイヤレスセンサー本体14の設置方向に関する無線信号を送信し、空気清浄機本体1は、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向に関する無線信号を受信し、受信した無線信号に基づいてワイヤレスセンサー本体14の設置方向を検出して、ワイヤレスセンサー本体14の設置位置周辺の空気が移動するように、空気の流れを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気清浄機においては、空気清浄機本体に汚れセンサーが設けられる。この空気清浄機によれば、汚れセンサーの測定結果に応じて、空気清浄機本体の動作が制御される。このため、空気清浄機本体周辺の空気中を浄化することができる。
【0003】
しかしながら、上記汚れセンサーは、空気清浄機本体周辺の空気の汚れしか検出しない。このため、空気清浄機本体から離れた位置の空気が汚れていても、空気清浄機本体が動作しない。
【0004】
これに対し、空気清浄機本体から離れた位置にワイヤレスセンサー本体を設けた空気清浄機が提案されている。この空気清浄機によれば、ワイヤレスセンサー本体が空気の汚れを検出すると、空気清浄機本体は風量を変化させる。このため、ワイヤレスセンサー本体周辺の空気を浄化し得る(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−268937号公報
【特許文献2】特開2008−086926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、空気清浄機本体の風量を変化させるだけでは、必ずしも、ワイヤレスセンサー本体周辺の空気を効率よく浄化するとは限らない。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、ワイヤレスセンサー本体周辺の空気を効率よく浄化することができる空気清浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る空気清浄機は、空気の環境状態を検知するワイヤレスセンサー本体と、前記ワイヤレスセンサー本体とは離れた位置に配置され、前記環境状態に応じて、吸い込んだ空気を浄化した後に吹き出すことにより、空気の流れを発生させる空気清浄機本体と、を備え、前記ワイヤレスセンサー本体は、当該ワイヤレスセンサー本体の設置方向に関する無線信号を送信し、前記空気清浄機本体は、前記ワイヤレスセンサー本体の設置方向に関する無線信号を受信し、受信した無線信号に基づいて前記ワイヤレスセンサー本体の設置方向を検出して、前記ワイヤレスセンサー本体の設置位置周辺の空気が移動するように、空気の流れを調整するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ワイヤレスセンサー本体周辺の空気を効率よく浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1における空気清浄機の本体の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1における空気清浄機の本体の縦断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1における空気清浄機のワイヤレスセンサー本体の斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1における空気清浄機の本体とワイヤレスセンサー本体との位置関係を示す平面図である。
【図5】この発明の実施の形態1における空気清浄機がワイヤレスセンサー本体の設置方向を検出する方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2における空気清浄機の本体の斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態3における空気清浄機の本体の縦断面図である。
【図8】この発明の実施の形態4における空気清浄機の本体の縦断面図である。
【図9】この発明の実施の形態4における空気清浄機のワイヤレスセンサー本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0012】
実施の形態1.
まず、図1と図2とを用いて、空気清浄機本体を説明する。
図1はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の本体の斜視図である。図2はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の本体の縦断面図である。
【0013】
図1において、1は空気清浄機本体である。空気清浄機本体1は、フロントケース2とリアケース3とを備える。フロントケース2の正面には、吸い込みパネル4が設けられる。吸い込みパネル4には、吸込口5が形成される。リアケース3の上面には、吹出口6が形成される。吹出口6には、1個以上の可動ルーバー7が取り付けられる。
【0014】
図2に示すように、リアケース3内部には、ファン装置8が設けられる。ファン装置8は、モータとファンとからなる。ファン装置8の上流側では、フロントケース2内部に、集塵フィルター9が設けられる。フロントケース2内部の下方では、吸い込みパネル4と集塵フィルター9との間に、汚れセンサー10が設けられる。汚れセンサー10は、空気中のホコリやニオイ等の汚れ具合を検出する機能を備える。
【0015】
図1及び図2に示すように、フロントケース2の前面と上面との交わり部中央には、操作パネル11が取り付けられる。操作パネル11の前面の一部には、受信部12が設けられる。受信部12は、外部から赤外線信号を受信する機能を備える。可動ルーバー7、ファン装置8、汚れセンサー10、操作パネル11、受信部12は、配線(図示せず)を介して制御部13に接続される。
【0016】
次に、図3を用いて、ワイヤレスセンサー本体を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1における空気清浄機のワイヤレスセンサー本体の斜視図である。
【0017】
図3において、14はワイヤレスセンサー本体である。ワイヤレスセンサー本体14は、略立方体状に形成される。ワイヤレスセンサー本体14は、空気清浄機本体1から離れた同一室内の任意の場所に置かれる。
【0018】
ワイヤレスセンサー本体14の上面には、汚れセンサー15が設けられる。汚れセンサー15は、空気の環境状態を検知する機能を備える。具体的には、汚れセンサー15は、空気中のホコリやニオイ等の汚れ具合を検出する機能を備える。ワイヤレスセンサー本体14の上面には、必要に応じて、表示部16が設けられる。表示部16は、汚れセンサー15の測定結果を表示する機能を備える。
【0019】
ワイヤレスセンサー本体14の他側面には、送信部17が設けられる。送信部17は、汚れセンサー15の測定結果を赤外線信号Ipで送信する機能を備える。ワイヤレスセンサー本体14の他側面には、送信部17と異なる位置に、送信部18が設けられる。送信部18は、設置方向検出用の無線信号として、赤外線信号Ipを送信する機能を備える。送信部17と送信部18は、同一の送信部の場合もある。
【0020】
次に、図1と図2を用いて、空気清浄機本体1の基本的な動作を説明する。
操作パネル11の運転スイッチがONになると、ファン装置8が駆動する。この駆動により、室内の空気は、吸い込み気流Aとなって、吸込口5から吸い込まれる。吸い込まれた空気は、集塵フィルター9を通過することにより浄化される。浄化された空気は、吹き出し気流Bとなって、吹出口6から再び室内に吹き出される。
【0021】
この際、制御部13は、汚れセンサー10、19で汚れが検出されるまでは、可動ルーバー7を左右に自動でスイングさせる。このスイングにより、吹き出し気流Bの向きが調整される。このスイングは、一定間隔で断続的に行われたり、連続的に行われたりする。なお、可動ルーバー7は、前後に自動でスイングするように形成される場合もある。また、可動ルーバー7は、前後と左右を組み合わせて自動でスイングするように形成される場合もある。
【0022】
次に、図4と図5を用いて、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向の検出方法を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の本体とワイヤレスセンサー本体との位置関係を示す平面図である。図5はこの発明の実施の形態1における空気清浄機がワイヤレスセンサー本体の設置方向を検出する方法を説明するためのフローチャートである。
【0023】
図4に示すように、受信部12には、駆動手段19が取り付けられる。駆動手段19は、ステッピングモータ等からなる。駆動手段19は、回転駆動する。この駆動に追従して、受信部12は、矢印に示すように、位置aから位置bまで水平方向に移動するようになっている。
【0024】
ワイヤレスセンサー本体14の設置方向の検出は、操作パネル11の運転スイッチがONとなった後、任意の時間間隔で行われる。具体的には、図5に示すように、操作パネル11の運転スイッチがONになると、空気清浄機本体1の制御部13は、検出手段として、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向の検出を開始する。このとき、ワイヤレスセンサー本体14の送信部18は任意の周波数で常に発光している。
【0025】
この状態で、ステップS1に進み、駆動位置決め動作が行われる。具体的には、制御部13は、駆動手段19を図4の位置a方向に移動させる。これにより、受信部12が位置aに位置決めされる。
【0026】
その後、ステップS2に進み、制御部13は、駆動測定を開始する。具体的には、制御部13は、駆動手段19を図4の位置b方向に移動させ、受信部12を走査する。その後、ステップS3に進み、制御部13は、受信部12が受信した赤外線信号Ipの信号出力ViがMIN信号閾値Vs以上か否かを判定する。
【0027】
信号出力ViがMIN信号閾値Vsよりも小さい場合は、ステップS2に戻り、制御部13は、駆動測定を継続する。信号出力ViがMIN信号閾値Vs以上の場合は、ステップS4に進む。ステップS4では、制御部13は、信号出力Viを駆動手段19の位置情報とともに記憶する。
【0028】
その後、ステップS5に進み、制御部13は、図4の位置aから位置bまでの全エリアでの駆動測定が終了したか否かを判定する。全エリアの駆動測定が終了していない場合は、ステップS2に戻り、制御部13は、駆動測定を継続する。全エリアの駆動測定が終了している場合は、ステップS6に進む。
【0029】
ステップS6では、制御部13は、信号出力Viの記憶があるか否かを判定する。信号出力Viの記憶がない場合は、ステップS7に進む。ステップS7では、制御部13は、駆動測定の検出範囲にワイヤレスセンサー本体14がないと判定し、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向の検出を終了する。この際、空気清浄機本体1にその旨を表示するとよい。
【0030】
これに対し、ステップS6で信号出力Viの記憶がある場合は、ステップS8に進む。ステップS8では、制御部13は、信号Viが最も大きいときの駆動手段19の位置情報をワイヤレスセンサー本体14の設置方向として記憶する。その後、ステップS9に進み、制御部13は、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向の検出を終了する。
【0031】
このように、空気清浄機本体1は、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向を認識する。自動運転モードでは、この認識結果に基づいて、空気清浄機本体1が動作する。以下、自動運転モードでの空気清浄機本体1の動作を説明する。
【0032】
使用者が操作パネル11で自動運転モードを選択すると、空気清浄機本体1の制御部13は、吸い込み気流Aと吹き出し気流Bの風量が弱又は中になるようにファン装置8を駆動する。
【0033】
空気清浄機本体1の汚れセンサー10は、空気清浄機本体1周辺の空気の汚れ具合の検出動作を常に行っている。ワイヤレスセンサー本体14の汚れセンサー15は、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気の汚れ具合の検出動作を常に行っている。汚れセンサー15の検出結果は、赤外線信号Ipで送信部17から空気清浄機本体1の受信部12へ送信される。
【0034】
次に、空気清浄機本体1の汚れセンサー10がある一定量以上の汚れを検出した場合を説明する。この場合、空気清浄機本体1の制御部13は、可動ルーバー7のスイングを止める。この状態で、空気清浄機本体1の制御部13は、吸い込み気流Aと吹き出し気流Bの風量が強程度にアップするようにファン装置8を駆動する。この状態は、一定時間維持されたり、汚れセンサー10による汚れの検出量が所定値以下になるまで維持されたりする。
【0035】
なお、このような場合、室内の空気の汚れを空気清浄機本体1に効率的に吸い込ませる気流が形成されるのであれば、可動ルーバー7のスイングを継続してもよい。
【0036】
次に、ワイヤレスセンサー本体14の汚れセンサー15がある一定量以上の汚れを検出した場合を説明する。この場合、汚れセンサー15の検出結果に対応した赤外線信号Ipが送信部17から送信される。この赤外線信号Ipは、空気清浄機本体1の受信部12に受信される。この赤外線信号Ipに基づいて、空気清浄機本体1の制御部13は、可動ルーバー7を設置方向検出で検出した方向に向けて停止させる。これと同時に、空気清浄機本体1の制御部13は、吸い込み気流Aと吹き出し気流Bの風量が強程度にアップするようにファン装置8を駆動する。
【0037】
この状態は、一定時間維持されたり、汚れセンサー15による汚れの検出量が所定値以下になるまで維持されたりする。このような気流の制御により、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気を集中的に浄化する状態が維持される。
【0038】
なお、この場合、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気の汚れを空気清浄機本体1に効率的に吸い込ませる気流が形成されればよい。このため、必ずしも、可動ルーバー7を停止する必要はない。
【0039】
次に、汚れセンサー10、19の双方がある一定量以上の汚れを検出している場合を説明する。この場合、空気清浄機本体1は、検出量の大きい汚れセンサーの検出結果を優先させて動作する。すなわち、空気清浄機本体1は、優先したセンサーにより一定量以上の汚れが検出されているとして、可動ルーバー7、ファン装置8を制御する。なお、このような場合に汚れセンサー10の検出結果と汚れセンサー15の検出結果のどちらを優先させるかを予め設定してもよい。
【0040】
以上で説明した実施の形態1によれば、空気清浄機本体1は、赤外線信号Ipに基づいてワイヤレスセンサー本体14の設置方向を検出する。この検出結果に基づいて、ワイヤレスセンサー本体14の設置位置周辺の空気が移動するように、空気の流れが調整される。このため、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気を効率よく浄化することができる。
【0041】
また、空気清浄機本体1とワイヤレスセンサー本体14とを電線で接続する必要がない。このため、空気清浄機本体1とワイヤレスセンサー本体14との設置の自由度を高くすることができる。これにより、空気清浄機本体1から離れた同一室内の任意の場所の汚れを検出することができる。
【0042】
また、赤外線信号Ipの受信強度が最大となったときの受信部12の位置に基づいて、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向が検出される。このため、簡易な構成で、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向を検出することができる。
【0043】
また、ワイヤレスセンサー本体14の汚れセンサー15が汚れを検出した場合に、空気清浄機本体1からの吹き出し気流Bがワイヤレスセンサー本体14の設置位置周辺に向かうように、可動ルーバー7の向きが調整される。このため、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気をより確実に効率よく浄化することができる。
【0044】
また、ワイヤレスセンサー本体14の汚れセンサー15がある一定量以上の汚れを検出した場合のみ、ワイヤレスセンサー本体14の設置位置周辺の空気が移動するように、空気の流れが調整される。このため、消費電力を抑制することができる。
【0045】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2における空気清浄機の本体の斜視図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
実施の形態2の受信部20は、複数の受信素子20a〜20eを備える。これらの受信素子20a〜20eは、水平方向に並んで設けられる。これらの受信素子20a〜20eは、互いの受信視野Ra〜Reが重ならないように配置される。
【0047】
実施の形態2においては、制御部13は、受信部20の受信素子20a〜20eのうち、ワイヤレスセンサー本体14の送信部18からの赤外線信号Ipを受信した受信素子の位置に対応した方向にワイヤレスセンサー本体14が設置されていると判定する。
【0048】
以上で説明した実施の形態2によれば、駆動手段19を設けることなく、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向を検出することができる。
【0049】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3における空気清浄機の本体の縦断面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
実施の形態3の空気清浄機本体1は、実施の形態1の空気清浄機本体1の底面に回動機構21を付加したものである。回動機構21の中央上面には、モータ22が配置される。モータ22は、空気清浄機本体1を支持する。
【0051】
ワイヤレスセンサー本体14の汚れセンサー15がある一定量以上の汚れを検出した場合を説明する。この場合、検出結果に対応した赤外線信号Ipが送信部17から送信される。この赤外線信号Ipは、空気清浄機本体1の受信部12に受信される。この赤外線信号Ipに基づいて、空気清浄機本体1の制御部13は、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向へ吸込口5が向くように、モータ22を駆動し、空気清浄機本体1を回転させる。
【0052】
その後、ワイヤレスセンサー本体14の設置方向へ吸込口5が向くと、制御部13は、モータ22を停止させる。この状態で、制御部13は、吸い込み気流Aと吹き出し気流Bの風量が強程度にアップするように、ファン装置8を駆動する。
【0053】
この状態は、一定時間維持されたり、汚れセンサー15による汚れの検出量が所定値以下になるまで維持されたりする。このとき、吸い込み気流Aは、ワイヤレスセンサー本体14の方向から流れ込む。すなわち、吸い込み気流Aは、ワイヤレスセンサー本体14の吹き出し気流Dから形成される。その結果、ワイヤレスセンサー本体14の周辺の空気が集中的に浄化される。
【0054】
以上で説明した実施の形態3によれば、空気清浄機本体1は、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気を吸い込む。このため、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気を効率よく浄化することができる。
【0055】
実施の形態4.
まず、図8を用いて、空気清浄機本体1を説明する。
図8はこの発明の実施の形態4における空気清浄機の本体の縦断面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
実施の形態1においては、フロントケース2の正面に、吸い込みパネル4が設けられていた。一方、実施の形態4においては、リアケース3の背面に、吸い込みパネル4が設けられている。
【0057】
実施の形態4の空気清浄機本体1は、タンク23、水受けトレイ24、加湿手段25を備える。タンク23は、空気清浄機本体1の正面に着脱自在に設けられる。タンク23は、水を貯留する機能を備える。水受けトレイ24は、タンク23の下方に配置される。水受けトレイ24は、タンク23が供給する水を受ける機能を備える。加湿手段25は、ファン装置8と水受けトレイ24との間に配置される。加湿手段25は、フィルター材と枠体とからなる。フィルター材は、毛管現象により水を吸い込み易い材料で形成される。フィルター材の下部は、水受けトレイ24内に浸漬する。枠体は、フィルター材を収納し固定する。
【0058】
次に、図9を用いて、ワイヤレスセンサー本体14を説明する。
図9はこの発明の実施の形態4における空気清浄機のワイヤレスセンサー本体の斜視図である。
【0059】
ワイヤレスセンサー本体14は、汚れセンサー15、表示部16、送信部17、送信部18の他、湿度センサー26、表示部27を備える。湿度センサー26は、ワイヤレスセンサー本体14の上面に設けられる。湿度センサー26は、湿度を測定する機能を備える。表示部27は、必要に応じて、ワイヤレスセンサー本体14の上面に設けられる。表示部27は、湿度センサー26の測定結果を表示する機能を備える。
【0060】
次に、図8を用いて、空気清浄機本体1の基本的な動作を説明する。
空気清浄機本体1の運転中は、吸込口5から空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、集塵フィルター9を通過し、浄化される。浄化された空気は、加湿手段25を通過して、加湿される。加湿された空気は、吹出口6から再び室内に吹き出される。
【0061】
このとき、ワイヤレスセンサー本体14周辺の湿度は、湿度センサー26に測定される。測定結果に対応した赤外線信号Ipは、送信部17から送信される。この赤外線信号Ipは、空気清浄機本体1の受信部12に受信される。この赤外線信号Ipに対応した測定値が所定値以下になると、空気清浄機本体1の制御部13は、ワイヤレスセンサー本体14の方向へ可動ルーバー7を向けて停止させる。
【0062】
これと同時に、空気清浄機本体1の制御部13は、吸い込み気流Aと吹き出し気流Bの風量が強程度にアップするように、ファン装置8を駆動する。この吹き出し気流Bにより、ワイヤレスセンサー本体14周辺の空気が集中的に加湿される。この状態は、湿度センサー26の測定値が所定値以上になるまで維持される。
【0063】
以上で説明した実施の形態4によれば、空気清浄機本体1に加湿手段25が設けられる。このため、空気を浄化するだけでなく、加湿することもできる。
【0064】
また、実施の形態1と同様に、空気清浄機本体1とワイヤレスセンサー本体14とを電線で接続する必要がない。このため、空気清浄機本体1とワイヤレスセンサー本体14との設置の自由度を高くすることができる。これにより、空気清浄機本体1から離れた同一室内の任意の場所の湿度を検出することができる。
【0065】
また、湿度センサー26の測定結果に応じて、空気の流れが調整される。このため、ワイヤレスセンサー本体14周辺の湿度を効率よく上げることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 空気清浄機本体
2 フロントケース
3 リアケース
4 吸い込みパネル
5 吸込口
6 吹出口
7 可動ルーバー
8 ファン装置
9 集塵フィルター
10 汚れセンサー
11 操作パネル
12 受信部
13 制御部
14 ワイヤレスセンサー本体
15 汚れセンサー
16 表示部
17 送信部
18 送信部
19 駆動手段
20 受信部
20a〜20e 受信素子
21 回動機構
22 モータ
23 タンク
24 水受けトレイ
25 加湿手段
26 湿度センサー
27 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の環境状態を検知するワイヤレスセンサー本体と、
前記ワイヤレスセンサー本体とは離れた位置に配置され、前記環境状態に応じて、吸い込んだ空気を浄化した後に吹き出すことにより、空気の流れを発生させる空気清浄機本体と、
を備え、
前記ワイヤレスセンサー本体は、当該ワイヤレスセンサー本体の設置方向に関する無線信号を送信し、
前記空気清浄機本体は、前記ワイヤレスセンサー本体の設置方向に関する無線信号を受信し、受信した無線信号に基づいて前記ワイヤレスセンサー本体の設置方向を検出して、前記ワイヤレスセンサー本体の設置位置周辺の空気が移動するように、空気の流れを調整する空気清浄機。
【請求項2】
前記空気清浄機本体は、
回動自在に設けられた受信手段と、
前記受信手段を回動させ、前記受信手段による前記無線信号の受信強度が最大となったときの前記受信手段の位置に基づいて、前記ワイヤレスセンサー本体の設置方向を検出する検出手段と、
を備えた請求項1記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記空気清浄機本体は、
受信視野が重ならないように並べられた複数の受信素子と、
前記複数の受信素子のうち、前記無線信号を受信した受信素子の位置に基づいて、前記ワイヤレスセンサー本体の設置方向を検出する検出手段と、
を備えた請求項1記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記空気清浄機本体は、
空気を吹き出す吹出口と、
前記吹出口に設けられたルーバーと、
前記吹出口から吹き出す空気が前記ワイヤレスセンサー本体の設置位置周辺に向かうように、前記ルーバーの向きを調整する制御手段と、
を備えた請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記空気清浄機本体は、
空気を吸い込む吸込口と、
前記吸込口を回動するための回動機構と、
前記吸込口から吸い込む空気が前記ワイヤレスセンサー本体の設置位置周辺から流れ込むように、前記回動機構を駆動する制御手段と、
を備えた請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記ワイヤレスセンサー本体は、空気の環境状態として、空気中の汚れ具合を検出する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記空気清浄機本体は、
水を貯留するタンクと、
前記タンクの下方に設けられ、前記タンクが供給する水を受ける水受けトレイと、
下部が前記水受けトレイ内の水に浸漬した加湿手段と、
を備え、
吸い込んだ空気を前記加湿手段の上部に通すことにより加湿する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項8】
前記ワイヤレスセンサー本体は、空気の環境状態として、空気中の湿度を検出する請求項7記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−172887(P2012−172887A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34590(P2011−34590)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】