説明

空気清浄機

【課題】イオン発生部で発生したイオンを効率よく放出し、また、空気浄化部による空気清浄を効率よく行なうシャワーモードを実現しつつ、静音化を図り、且つ省エネルギに寄与することができる空気清浄機を提供する。
【解決手段】第1送風機13の送風量が第2送風機14の送風量より多い第1送風態様と第2送風機14の送風量が第1送風機13の送風量より多い第2送風態様とが交互に切り替えられる。この結果、空気浄化部11による空気の浄化が効率よく行なわれる場合と、イオン発生部12で発生したイオンの放出が効率よく行なわれる場合とが交互に繰り返されることによるシャワーモードが実現される。このときの第1送風機13及び第2送風機14に起因する騒音、並びに第1送風機13及び第2送風機14の消費電力は、何れも、第1送風機13及び第2送風機14の送風量が共に多い場合に比べて小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を浄化する空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気清浄機は、空気を送風する送風機と、吸込口及び吹出口が設けられている通風路とを備える。吸込口近傍には、空気を濾過するエアフィルタが配されている。吹出口近傍には、イオンを発生させるイオン発生部が配されている。送風機が空気を送風することによって、機外から吸込口を介して空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気はエアフィルタを通過してから、イオン発生部で発生したイオンと共に、吹出口を介して機外へ吹き出る。
【0003】
このような空気清浄機は、室内のイオン濃度を短時間で上昇させるためのいわゆるシャワーモードを有することがある(特許文献1参照)。シャワーモードでは、送風機の送風量が可及的に多くされる。この結果、イオン発生部で発生したイオンが通常よりも更に効率よく放出される。のみならず、多量の空気がエアフィルタを通過するため、空気清浄が通常よりも更に効率よく行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3949146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、空気清浄機が、2台の送風機(即ち第1送風機及び第2送風機)と、各送風機に対応する2本の通風路(即ち第1通風路及び第2通風路)とを備える場合を考える。
第1通風路には、空気を濾過するエアフィルタが配されている。第1送風機が空気を送風することによって、機外から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気はエアフィルタを通過してから、機外へ吹き出る。
第2通風路には、イオンを発生させるイオン発生部が配されている。第2送風機が空気を送風することによって、機外から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気はイオン発生部で発生したイオンと共に、機外へ吹き出る。
【0006】
このような空気清浄機において、従来の空気清浄機におけるシャワーモードと同様のシャワーモードを実現するためには、第1送風機及び第2送風機夫々の送風量を共に多くすることが考えられる。
しかしながら、この場合には、第1通風路から吹き出る空気の流れと第2通風路から吹き出る空気の流れとが干渉して互いを大幅に乱し合う可能性が高い。このため、空気清浄機による空気清浄効率が悪化する虞がある。しかも、この場合には、騒音及び消費エネルギが増大するという問題が生じる。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、第1送風機の送風量と第2送風機の送風量との大小関係を交互に切り替える構成とすることにより、静音化を図り省エネルギに寄与しつつシャワーモードを実現することができる空気清浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る空気清浄機は、空気を浄化するための空気浄化部と、イオンを発生させるイオン発生部と、空気を送風する第1送風機及び第2送風機と、前記第1送風機が送風することによって、外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記空気浄化部で浄化してから外部へ吹き出すための第1通風路と、前記第2送風機が送風することによって、外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記イオン発生部で発生したイオンと共に外部へ吹き出すための第2通風路と、前記第1送風機及び前記第2送風機夫々の動作を制御する制御部とを備える空気清浄機であって、前記制御部は、前記第1送風機の送風量を前記第2送風機の送風量より多くする第1送風態様と、前記第2送風機の送風量を前記第1送風機の送風量より多くする第2送風態様とを交互に切り替えるようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る空気清浄機は、前記第1送風態様に係る前記第2送風機の送風量、及び、前記第2送風態様に係る前記第1送風機の送風量は、夫々ゼロであることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る空気清浄機は、前記制御部は、前記第1送風態様と前記第2送風態様とを所定時間毎に切り替えるようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る空気清浄機は、外部の環境に関する物理量を検出する検出部を更に備え、前記制御部は、前記第1送風態様と前記第2送風態様とを前記検出部の検出結果に基づいて交互に切り替えるようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る空気清浄機は、前記第1送風態様と前記第2送風態様とを交互に切り替える第1の運転態様と、該第1の運転態様とは異なる第2の運転態様とを有し、前記第1の運転態様の開始からの経過時間を計時する計時部を更に備え、前記計時部が計時した経過時間が所定運転時間以上である場合に、前記第1の運転態様を前記第2の運転態様に切り替えるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る空気清浄機は、前記第1送風態様と前記第2送風態様とを交互に切り替える第1の運転態様と、該第1の運転態様とは異なる第2の運転態様とを有し、前記第2の運転態様で運転している場合、又は運転していない場合に操作すべき操作部を更に備え、前記操作部が操作された場合に、前記第2の運転態様を前記第1の運転態様に切り替えるか、又は前記第1の運転態様で運転開始するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、制御部が、第1送風機及び第2送風機夫々の動作を第1送風態様で制御する場合と第2送風態様で制御する場合とを交互に切り替える。
第1送風態様で制御する制御部は、第1送風機の送風量を第2送風機の送風量より多くする。この場合、第1通風路にて外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を空気浄化部で浄化してから外部へ吹き出すこと(以下、第1の空気通流という)が行なわれる。第2送風機の送風量がゼロでなければ、第1の空気通流が主として行なわれるだけでなく、第2通風路にて外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気をイオン発生部で発生したイオンと共に外部へ吹き出すこと(以下、第2の空気通流という)も、従として行なわれる。
【0015】
一方、第2送風態様で制御する制御部は、第2送風機の送風量を第1送風機の送風量より多くする。この場合、第2の空気通流が行なわれる。第1送風機の送風量がゼロでなければ、第2の空気通流が主として行なわれるだけでなく、第1の空気通流も、従として行なわれる。
第1の空気通流によって、空気浄化部による空気の浄化が行なわれる。また、第2の空気通流によって、イオン発生部で発生したイオンの放出が行なわれる。
【0016】
第1の空気通流が主として行なわれる場合、第2通風路から吹き出される空気の流れは第1通風路から吹き出される空気の流れによって大幅に乱される可能性が高いが、第1通風路から吹き出される空気の流れが第2通風路から吹き出される空気の流れによって大幅に乱される可能性は低い。従って、第1の空気通流が主として行なわれる場合には、空気浄化部による空気の浄化が効率よく行なわれる。
【0017】
一方、第2の空気通流が主として行なわれる場合、第1通風路から吹き出される空気の流れは第2通風路から吹き出される空気の流れによって大幅に乱される可能性が高いが、第2通風路から吹き出される空気の流れが第1通風路から吹き出される空気の流れによって大幅に乱される可能性は低い。従って、第2の空気通流が主として行なわれる場合には、イオン発生部で発生したイオンの放出が効率よく行なわれる。
【0018】
以上の結果、空気浄化部による空気の浄化が効率よく行なわれる場合と、イオン発生部で発生したイオンの放出が効率よく行なわれる場合とが交互に繰り返される。このときの第1送風機及び第2送風機に起因する騒音、並びに第1送風機及び第2送風機の消費エネルギは、何れも、第1送風機及び第2送風機の送風量が共に多い場合に比べて小さい。
【0019】
本発明にあっては、第1送風態様の場合、第1の空気通流が行なわれ、第2の空気通流は行なわれない。何故ならば、第2送風機の送風量がゼロだからである。換言すれば、第2送風機が送風しないからである。
一方、第2送風態様の場合、第2の空気通流が行なわれ、第1の空気通流は行なわれない。何故ならば、第1送風機の送風量がゼロだからである。換言すれば、第1送風機が送風しないからである。
第1の空気通流及び第2の空気通流の何れか一方に係る送風量がゼロであれば、他方の空気通流によって吹き出た空気の流れは、一方の空気通流からの干渉を受ける虞はない。
【0020】
以上の結果、空気浄化部による空気の浄化が更に効率よく行なわれる場合と、イオン発生部で発生したイオンの放出が更に効率よく行なわれる場合とが交互に繰り返される。このように一方の送風量がゼロであるときの第1送風機及び第2送風機に起因する騒音並びに第1送風機及び第2送風機の消費エネルギは、何れも、第1送風機及び第2送風機の送風量が共にゼロでないときに比べて小さい。故に、シャワーモードを実現しつつ、更なる静音化を図り省エネルギに寄与することができる。
【0021】
本発明にあっては、制御部が、第1送風機及び第2送風機夫々の動作を第1送風態様で制御する場合と第2送風態様で制御する場合とを、所定時間毎に切り替える。
この結果、所定時間の間、空気浄化部による空気の浄化が効率よく行なわれる場合と、所定時間の間、イオン発生部で発生したイオンの放出が効率よく行なわれる場合とが、交互に繰り返される。
このような制御は簡易であり、空気清浄機の構造は簡単である。換言すれば、簡単な構造の空気清浄機において、簡易な制御でシャワーモードを実現することができる。
【0022】
本発明にあっては、制御部が、第1送風機及び第2送風機夫々の動作を第1送風態様で制御する場合と第2送風態様で制御する場合とを、検出部の検出結果に基づいて交互に切り替える。
検出部は、外部の環境(例えば空気清浄機が設置されている室内の環境)に関する物理量を検出する。検出部の検出結果は、外部の環境が、空気浄化部による空気の浄化を優先的に行なうべき状態であるか、イオン発生部で発生したイオンの放出を優先的に行なうべき状態であるかを判定するための指標として用いられる。
【0023】
このため、外部の環境が、空気浄化部による空気の浄化を優先的に行なうべき状態であれば、例えば空気浄化部による空気の浄化が効率よく行なわれる期間を、イオン発生部で発生したイオンの放出が効率よく行なわれる期間よりも長くすることができる。一方、外部の環境が、イオン発生部で発生したイオンの放出を優先的に行なうべき状態であれば、例えばイオン発生部で発生したイオンの放出が効率よく行なわれる期間を、空気浄化部による空気の浄化が効率よく行なわれる期間よりも長くすることができる。
換言すれば、外部の環境に応じて、適切なシャワーモードを実現することができる。
【0024】
本発明にあっては、空気清浄機は、第1及び第2の運転態様を有する。第1の運転態様は、本発明に係るシャワーモードに対応し、第2の運転態様はシャワーモード以外のモードに対応する。即ち、本発明の空気清浄機には、シャワーモードで運転する場合と、シャワーモード以外のモードで運転する場合とがある。
空気清浄機が計時部を備える場合、計時部は、第1の運転態様の開始からの経過時間を計時する。そして、計時部が計時した経過時間が所定運転時間以上である場合に、第1の運転態様が第2の運転態様に切り替えられる。
【0025】
即ち、シャワーモードの空気清浄機は、所定運転時間が経過した場合に、シャワーモードをシャワーモード以外のモードに自動的に切り替える。従って、空気清浄機の使用者が、シャワーモードをシャワーモード以外のモードに手動で切り替える必要はない。即ち、使用者の利便性を向上させることができる。
【0026】
本発明にあっては、空気清浄機が操作部を備える場合、操作部は、第2の運転態様で運転している場合、又は運転していない場合に操作される。そして、操作部が操作された場合に、第2の運転態様が第1の運転態様に切り替えられるか、又は第1の運転態様で運転が開始される。
【0027】
即ち、シャワーモードの空気清浄機は、操作部が操作された場合に、シャワーモードをシャワーモード以外のモードに切り替える。又は、運転していない空気清浄機は、操作部が操作された場合に、シャワーモードで運転開始する。換言すれば、空気清浄機の使用者が、操作部を操作することによって、任意のタイミングで空気清浄機をシャワーモードにすることができる。即ち、使用者の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の空気清浄機による場合、第1の空気通流が主として行なわれ、第2の空気通流が従として行なわれる(又は、第1の空気通流が行なわれ、第2の空気通流が行なわれない)第1送風態様と、第2の空気通流が主として行なわれ、第1の空気通流が従として行なわれる(又は、第2の空気通流が行なわれ、第1の空気通流が行なわれない)第2送風態様とが交互に繰り返される。つまり、空気浄化部による空気の浄化が効率よく行なわれる場合と、イオン発生部で発生したイオンの放出が効率よく行なわれる場合とが交互に繰り返される。
このため、2台の送風機と各送風機に対応する2本の通風路とを備える空気清浄機において、シャワーモードを実現することができる。
【0029】
しかも、第1送風機及び第2送風機に起因する騒音を抑えて静音化を図ることができる。
更に、第1送風機及び第2送風機の消費エネルギを抑えて省エネルギに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態1に係る空気清浄機の正面側から見た外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る空気清浄機の背面側から見た外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る空気清浄機の要部構成(第1送風態様)を模式的に示す側断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る空気清浄機の要部構成(第2送風態様)を模式的に示す側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る空気清浄機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る空気清浄機で実行されるシャワー運転開始判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に係る空気清浄機で実行されるシャワー運転処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0032】
実施の形態 1.
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る空気清浄機1の外観を示す斜視図である。図1は空気清浄機1を正面側から見たものであり、図2は背面側から見たものである。
図3及び図4は、空気清浄機1の要部構成を模式的に示す側断面図である。図3は第1送風態様の場合を示し、図4は第2送風態様の場合を示している。また、図3及び図4の左側(及び右側)は、空気清浄機1の正面側(及び背面側)である。以下では、図3及び図4の左側(及び右側)を空気清浄機1の前側(及び後側)ともいう。図3及び図4の紙面垂直方向は、空気清浄機1の左右方向である。
【0033】
図5は、空気清浄機1の制御系の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の空気清浄機1は、脱臭及び集塵による空気清浄機能と、正イオン及び負イオン(以下、正負イオンという)による空気清浄機能と、空気加湿機能とを有する。
図1〜図4に示すように、空気清浄機1は、縦型直方体状の筐体6を備えている。筐体6は、前面部61、天面カバー62、及び後カバー63等を有する。
図3及び図4に示すように、空気清浄機1は、壁W及び床Fを有する室内において、筐体6の後カバー63が壁Wに対面する姿勢で、床Fに載置される。
筐体6には、互いに区画されている第1通風路3、第2通風路4、及び制御室60が設けられている。
【0034】
第1通風路3には、空気浄化部11、第1送風機13(図5も参照)、臭気センサ15及び埃センサ16(各図5参照)、加湿フィルタユニット5、後パネル30、並びにルーバ33が配されている。第2通風路4には、イオン発生部12、第2送風機14、及びイオンセンサ17(各図5も参照)、エアフィルタ40、並びにルーバ43が配されている。制御室60には、制御部10(図5も参照)が配されている。
空気清浄機1は、操作パネル2(図1、図2、及び図5も参照)を更に備えている。操作パネル2は、筐体6の天面カバー62に配されている。
図5に示すように、空気清浄機1は、第1モータ駆動回路71、第2モータ駆動回路72、及び高電圧回路73を更に備えている。
【0035】
次に、図3及び図4を参照して、第1通風路3について説明する。
第1通風路3は、この順に連通しているフィルタ収容部3a及び吹出風路3bを有する。また、第1通風路3には、第1吸込口31及び第1吹出口32が設けられている(夫々図2も参照)。
第1吸込口31は、筐体6の後カバー63に開口しており、第1吸込口31を介して、空気清浄機1の外部とフィルタ収容部3aとが連通している。第1吹出口32は、筐体6の天面カバー62に開口しており、第1吹出口32を介して、吹出風路3bと空気清浄機1の外部とが連通している。
【0036】
第1送風機13が送風することによって、空気清浄機1の外部の空気は、第1吸込口31を介して第1通風路3へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は、フィルタ収容部3a及び吹出風路3bをこの順に通流してから、第1吹出口32を介して空気清浄機1の外部へ吹き出る。
【0037】
後パネル30は、第1吸込口31を閉塞するようにして、着脱可能に筐体6に取り付けられている。ただし、後パネル30には、複数個の通気孔300,300,…が形成されている。このため、第1吸込口31を介して通流する空気とは、更に詳細には、通気孔300,300,…を介して通流する空気のことである。通気孔300,300,…は、図示しないプレフィルタによって閉塞されており、このプレフィルタは、第1吸込口31を介してフィルタ収容部3aへ流入する空気に含まれている粗い塵埃を捕集し除去する。
【0038】
フィルタ収容部3aの第1吸込口31近傍(更に詳細には、後パネル30の前側)には空気浄化室が設けられており、この空気浄化室に、空気浄化部11が収容されている。第1吸込口31を介してフィルタ収容部3aへ流入した空気は、空気浄化部11を通過する。
【0039】
空気浄化部11は、集塵フィルタ111及び脱臭フィルタ112を備えている。集塵フィルタ111は、例えば、公知のHEPA(High Efficiency Particulate Air )フィルタであり、集塵フィルタ111を通過する空気中に含まれる微細な塵埃及び花粉等を捕集し、除去する。脱臭フィルタ112は、例えば、不織布に活性炭を分散保持させてなり、脱臭フィルタ112を通過する空気中の臭い成分を吸着し、除去する。従って、空気浄化部11を通過した空気は浄化される。
【0040】
臭気センサ15及び埃センサ16は、空気清浄機1の外部の空気の汚れの程度(以下、空気汚染度という)を検出するためのものである。臭気センサ15及び埃センサ16は、第1吸込口31近傍に配してある。本実施の形態では、臭気センサ15及び埃センサ16は、フィルタ収容部3aにおける空気浄化室の側壁上部(空気浄化室の外側)の筐体6内に配してある。臭気センサ15及び埃センサ16が取り付けられる空気浄化室の側壁上部はフィルタ収容部3aに連通している。また、空気浄化室の側壁上部における後パネル30の取付位置付近に、図示しない貫通孔が設けられている。第1吸込口31から吸い込まれる空気の一部は、空気浄化部11を経ずに貫通孔を介して臭気センサ15及び埃センサ16を通過し、フィルタ収容部3aへ通流する。
【0041】
臭気センサ15は、例えば接触燃焼式のガスセンサを用いてなり、悪臭を有する可燃ガスを検出する。埃センサ16は、例えば光電式の粒子センサを用いてなり、微細な塵埃及び花粉等の粒子を検出する。臭気センサ15が検出した可燃ガスの量が多いか、又は、埃センサ16が検出した粒子の個数が多い場合には、空気汚染度は高い。臭気センサ15が検出した可燃ガスの量と埃センサ16が検出した粒子の個数とが共に少ない場合には、空気汚染度は低い。
なお、臭気センサ15及び埃センサ16の配置位置は、第1吸込口31近傍に限定されるものではない。例えば、臭気センサ15及び埃センサ16は、第2通風路4の後述する第2吸込口41近傍に配されていてもよい。
【0042】
空気浄化部11と第1送風機13との間のフィルタ収容部3aには、加湿フィルタユニット5が配されている。
加湿フィルタユニット5は、加湿フィルタ51、水受け皿52、及び回転駆動機構53を備える。
加湿フィルタ51は円盤状をなし、吸水性及び通気性を有する加湿フィルタ本体と、加湿フィルタ本体を保持する枠体とを用いてなる。また、加湿フィルタ51は、縦姿勢に配されて、周方向の一部が水受け皿52にて浸水することによって、吸水する。
水受け皿52には、一定水位の水が貯留される。このために、水受け皿52は、公知の定水位弁が内蔵された図示しない給水タンクから給水される。
【0043】
回転駆動機構53は、加湿フィルタ51を周方向に回転させる。このとき、加湿フィルタ51は、周縁部が周方向に連続的に浸水及び吸水し、更に、周縁部から中央部へ水を吸い上げる。以上の結果、水受け皿52に貯留されていた水が、加湿フィルタ51全体に効率よく行き渡る。
【0044】
空気浄化部11を通過した空気は、加湿フィルタ51を通過する。加湿フィルタ51が回転しているとき、加湿フィルタ51を通過した空気は十分に吸湿する。一方、加湿フィルタ51が回転していないとき、加湿フィルタ51を通過した空気はほとんど吸湿しない。従って、空気清浄機1が空気清浄と共に空気加湿も行なう場合には、回転駆動機構53が作動して加湿フィルタ51を回転させる。一方、空気清浄のみで空気加湿を行なわない場合は、回転駆動機構53は作動しない。以下では、空気清浄機1が空気清浄と共に空気加湿も行なう場合を説明する。
【0045】
フィルタ収容部3aと吹出風路3bとの境界部分には、第1送風機13が配されている。
第1送風機13はシロッコファン(多翼羽根車)を用いてなり、電動のファンモータ131(図5も参照)とファン132とを備えている。
ファンモータ131は直流モータを用いてなり、図示しない支持部によって筐体6の内部に固定されている。ファンモータ131の出力軸は、前後方向に沿うよう配されている。
【0046】
ファンモータ131には、第1モータ駆動回路71が接続されている(図5参照)。本実施の形態におけるファンモータ131は、回転数を少なくとも3段階(具体的には回転数R11,R12,R13。ただし0<R11<R12<R13)に切替可能である。
ファン132は、ファンモータ131の出力軸に固定されている。ファン132は、ファンモータ131の駆動によって回転し、ファン132が回転することによって、空気が送風される。
ファンモータ131の回転数が高い(又は低い)ほど、第1送風機13の送風量は多く(又は少なく)、第1送風機13の作動音及び消費電力は大きい(又は小さい)。
【0047】
フィルタ収容部3aにおいては、後側から前側へ略水平に空気が通流し、吹出風路3bにおいては、前下側から後上側へ傾斜して空気が通流する。
第1吹出口32には、ルーバ33(図2も参照)が配してある。吹出風路3bの内周面とルーバ33とは、第1吹出口32を介して吹き出した空気が壁Wに沿って上昇し易いように、空気が流れる向きを規制する。
【0048】
次に、第2通風路4について説明する。
第2通風路4は、互いに連通している吸込室4a及び吹出室4bを有する。また、第2通風路4には、第2吸込口41及び第2吹出口42が設けられている(夫々図1も参照)。
【0049】
第2吸込口41は、筐体6の前面部61に開口しており、第2吸込口41を介して、空気清浄機1の外部と吸込室4aとが連通している。更に詳細には、図1、図3、及び図4に示すように、前面部61は、前パネル611と、後カバー63に対向配置された前カバー612とを有し、第2吸込口41は、前カバー612に設けられている。前パネル611は、第2吸込口41の上方及び左右両側方を前側から被覆している。図3及び図4に示すように、前パネル611と前カバー612との間には、第2吸込口41の前下側から第2吸込口41へ空気が流入可能であるように、適宜の空間が設けられている。
【0050】
第2吹出口42は、筐体6の前面部61と天面カバー62との境界部分に開口しており、第2吹出口42を介して、吹出室4bと空気清浄機1の外部とが連通している。
第2送風機14が送風することによって、空気清浄機1の外部の空気は、第2吸込口41を介して第2通風路4へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は、吸込室4a及び吹出室4bをこの順に通流してから、第2吹出口42を介して空気清浄機1の外部へ吹き出る。
【0051】
第2吸込口41には、エアフィルタ40が配されている。エアフィルタ40は、第2吸込口41を介して吸込室4aへ流入する空気に含まれている粗い塵埃を捕集し除去する。エアフィルタ40が除去する塵埃のサイズは、後パネル30のプレフィルタが除去する塵埃のサイズと同程度である。
吸込室4aと吹出室4bとの境界部分には、第2送風機14が配されている。
【0052】
第2送風機14はクロスフローファン(貫流羽根車)を用いてなり、電動のファンモータ141(図5参照)とファン142とを備えている。
ファンモータ141は直流モータを用いてなり、図示しない支持部によって筐体6の内部に固定されている。ファンモータ141の出力軸は、左右方向に沿うよう配されている。
ファンモータ141には、第2モータ駆動回路72が接続されている(図5参照)。本実施の形態におけるファンモータ141は、回転数を少なくとも3段階(具体的には回転数R21,R22,R23。ただし0<R21<R22<R23)に切替可能である。
【0053】
ファン142は、ファンモータ141の出力軸に固定されている。ファン142は、ファンモータ141の駆動によって回転し、ファン142が回転することによって、空気が送風される。
ファンモータ141の回転数が高い(又は低い)ほど、第2送風機14の送風量は多く(又は少なく)、第2送風機14の作動音及び消費電力は大きい(又は小さい)。
このような第2送風機14は、ファンモータ141の出力軸に交差する方向に空気を吸い込み、また、吹き出す。このとき、空気の吸込方向と吹出方向とは約90°離隔している。
【0054】
吹出室4bの中途には、上流側にイオン発生部12が、下流側にイオンセンサ17が、夫々配されている。
イオン発生部12は、図示しないイオン発生電極と、イオン発生電極に対向配置されている対向電極とを備える。イオン発生部12には、高電圧回路73が接続されている(図5参照)。高電圧回路73は、電圧イオン発生電極と対向電極との間に高圧の電圧を印加する。このとき、コロナ放電によって、正負イオンが発生する。イオン発生電極は、吹出室4bに露出しており、発生した正負イオンは、吹出室4bを通流する空気中に浮遊する。
【0055】
イオンセンサ17は、吹出室4bを通流する正負イオンを検出する。イオンセンサ17の検出結果は、吹出室4bを通流する正負イオンの多寡、延いてはイオン発生部12で発生した正負イオンの多寡を示すものである。イオン発生部12で発生した正負イオンの量が所定量を下回る場合、イオン発生部12に汚損又は劣化等が生じていることがわかる。
吸込室4aにおいては、前下側から後上側へ傾斜して空気が通流し、吹出室4bにおいては、前上側へ傾斜して空気が通流する。
第2吹出口42には、ルーバ43が配してある(図1も参照)。吹出室4bの内周面とルーバ43とは、第2吹出口42を介して吹き出した空気が室内の中央部分に到達し易いように、空気が流れる向きを規制する。
【0056】
第2吹出口42を介して吹き出した空気と共に室内へ放出された正負イオンは、菌類、ウィルス、及びアレルゲン等を死滅又は不活性化させ、悪臭の原因となる物質(例えばアセトアルデヒドのような有機化合物)を分解する。
【0057】
次に、図5を参照して、空気清浄機1の制御系について説明する。
制御部10は、空気清浄機1の制御中枢である。制御部10は、制御プログラム及びデータが予め格納されているROM、ROMに格納されている制御プログラムに従って入出力制御又は演算を実行するCPU、入出力制御又は演算の際に一時的に発生した情報を記憶するRAM、並びに、制御部10の外部回路と入出力を行なう入出力インタフェースを有する。
制御部10には、入出力インタフェースを介して、操作パネル2、第1モータ駆動回路71、第2モータ駆動回路72、高電圧回路73、臭気センサ15、埃センサ16、及びイオンセンサ17が接続されている。
【0058】
ここで、操作パネル2には、入ボタン20、停止ボタン21、風量切替ボタン22、シャワーボタン23、及び報知部24,24,…が設けられている。
入ボタン20、停止ボタン21、風量切替ボタン22、及びシャワーボタン23の何れかが操作された場合、操作パネル2から制御部10へ、操作されたボタンに対応する操作信号が出力される。制御部10は、入力された操作信号に基づいて、操作パネル2の何れのボタンが操作されたのかを判定する。操作パネル2の各ボタンの機能については後述する。
【0059】
報知部24,24,…は、LED又は液晶パネル等を用いてなる。制御部10は、各報知部24の動作(例えば、LEDの点灯/非点灯、又は液晶パネルにおける文字若しくは記号等の表示)を制御する。この結果、報知部24,24,…を用いて、空気清浄機1の作動状況又は使用者へのメッセージ等が、使用者に対して報知される。
また、制御部10は、第1モータ駆動回路71(又は第2モータ駆動回路72)に所要の回転数を与える。このとき、第1モータ駆動回路71(又は第2モータ駆動回路72)は、与えられた回転数に応じた電流をファンモータ131(又はファンモータ141)に印加する。
【0060】
この結果、ファンモータ131(又はファンモータ141)は、所要の回転数で回転する。このとき、第1送風機13(又は第2送風機14)は、所要の回転数で送風する。
即ち、制御部10は、第1モータ駆動回路71(又は第2モータ駆動回路72)を介して、ファンモータ131(又はファンモータ141)、延いては第1送風機13(又は第2送風機14)の回転数を制御する。
また、制御部10は、高電圧回路73を介して、イオン発生部12における正負イオンの発生を制御する。
【0061】
更に、制御部10には、臭気センサ15及び埃センサ16夫々の検出結果が、適宜の時間間隔で繰り返し入力される。
後述する自動モードにおける制御部10は、臭気センサ15及び埃センサ16夫々から入力された検出結果に基づいて、空気汚染度を演算し、演算結果に基づいて、第1送風機13及び第2送風機14夫々の回転数を制御する。空気汚染度と第1送風機13及び第2送風機14夫々の回転数との関連付けは、制御部10のROMに格納されている。
【0062】
更にまた、制御部10には、イオンセンサ17の検出結果が、適宜の時間間隔で繰り返し入力される。制御部10は、イオンセンサ17から入力された検出結果に基づいて、イオン発生部12に汚損又は劣化等が生じているか否かを判定する。イオン発生部12に汚損又は劣化等が生じている場合、制御部10は、報知部24を用いて、空気清浄機1の使用者に対し、イオン発生部12の清掃又は交換を促す。
制御部10が空気清浄機1の各部の動作を適宜に制御することによって、空気清浄機1の後述する各運転モードが実現される。
【0063】
次に、図3を参照して、空気清浄機1におけるシャワーモードを実現するための第1送風態様及び第2送風態様について説明する。
まず、図3を参照して、第1送風態様で送風が行なわれている場合を説明する。第1送風態様の場合、第1送風機13が回転数R13で送風し、第2送風機14が回転数R21で送風する。
この場合、第1通風路3に関しては、多量の空気が、実線の白抜矢符にて示すように通流する。
【0064】
更に詳細には、室内(具体的には、筐体6の後カバー63と壁Wとの間)から第1吸込口31を介してフィルタ収容部3aへ多量の空気が吸い込まれる。吸い込まれた多量の空気は、フィルタ収容部3aを前方向へ通流する。このとき、吸い込まれた多量の空気は、空気浄化部11及び加湿フィルタ51を通過することによって浄化及び加湿される。以下、空気浄化部11及び加湿フィルタ51によって浄化及び加湿された空気を浄化加湿空気という。
次いで、多量の浄化加湿空気は、フィルタ収容部3aから吹出風路3bへ通流する。吹出風路3bにおいては、多量の浄化加湿空気は、後上方向へ通流し、最後に、第1吹出口32を介して室内へ吹き出る。
【0065】
室内へ吹き出た多量の浄化加湿空気は、壁Wに吹き付けられ、更に壁Wに沿って上昇し、次いで天井に沿って壁Wに対面する壁へ移動し、更にこの壁に沿って下降してから、床Fに沿って壁Wへ移動する。つまり、多量の浄化加湿空気は、室内全体を循環する。
【0066】
一方、第2通風路4に関しては、少量の空気が、破線の矢符にて示すように通流する。
更に詳細には、室内(具体的には、筐体6の前下方)から第2吸込口41を介して吸込室4aへ少量の空気が吸い込まれる。吸い込まれた少量の空気は、吸込室4aを後上方向へ通流してから吹出室4bを前上方向へ通流する。吹出室4bを通流する空気は、イオン発生部12で発生した正負イオンを含む空気(以下、イオン含有空気という)になる。そして、少量のイオン含有空気は、第2吹出口42を介して室内へ吹き出る。
【0067】
室内へ吹き出た少量のイオン含有空気の流れは、室内を循環する大量の浄化加湿空気の流れに干渉されて大幅に乱れる。このため、空気清浄機1から吹き出た少量のイオン含有空気は室内の中央部分に到達し難い。しかしながら、浄化加湿空気の室内全体の循環と共に、イオン含有空気も室内全体を循環するため、イオン含有空気の吹き出しは無駄ではない。
以上の結果、第1送風態様においては、脱臭及び集塵による室内全体の空気浄化と空気加湿とが主として行なわれ、正負イオンによる空気浄化が従として行なわれる。
【0068】
次に、図4を参照して、第2送風態様で送風が行なわれている場合を説明する。第2送風態様の場合、第1送風機13が回転数R11で送風し、第2送風機14が回転数R23で送風する。
この場合、第2通風路4に関しては、多量の空気が、実線の矢符にて示すように通流する。
更に詳細には、室内から第2吸込口41を介して吸込室4aへ多量の空気が吸い込まれる。吸い込まれた多量の空気は、吸込室4aを後上方向へ通流してから吹出室4bを前上方向へ通流する。吹出室4bを通流する多量の空気は、多量のイオン含有空気になる。そして、多量のイオン含有空気は、第2吹出口42を介して室内へ吹き出る。
【0069】
室内へ吹き出た多量のイオン含有空気は、室内の中央部分へ向かう。この結果、多量のイオン含有空気が、室内の中央部分に容易に到達する。
一方、第1通風路3に関しては、少量の空気が、破線の白抜矢符にて示すように通流する。
更に詳細には、室内から第1吸込口31を介してフィルタ収容部3aへ少量の空気が吸い込まれる。吸い込まれた少量の空気は、フィルタ収容部3aを前方向へ通流する。このとき、吸い込まれた少量の空気は浄化加湿空気になる。
次いで、少量の浄化加湿空気は、フィルタ収容部3aから吹出風路3bへ通流する。吹出風路3bにおいては、少量の浄化加湿空気は、後上方向へ通流し、最後に、第1吹出口32を介して室内へ吹き出る。
【0070】
室内へ吹き出た少量の浄化加湿空気の流れは、室内の中央部分へ向かう多量のイオン含有空気の流れに干渉されて大幅に乱れる。このため、空気清浄機1から吹き出た少量の浄化加湿空気は室内全体を循環し難い。しかしながら、イオン含有空気の室内の中央部分への流れと共に、浄化加湿空気も室内の中央部分への流れるため、浄化加湿空気の吹き出しは無駄ではない。
以上の結果、第2送風態様においては、正負イオンによる室内の中央部分の空気浄化が主として行なわれ、脱臭及び集塵による空気浄化と空気加湿とが従として行なわれる。
【0071】
次に、空気清浄機1の運転モードについて説明する。
空気清浄機1は、シャワーモード、自動モード、及び手動モードを有する。
シャワーモードでは、第1送風機13の送風量が多く第2送風機14の送風量が少ない第1送風態様(図3参照)と、第2送風機14の送風量が多く第1送風機13の送風量が少ない第2送風態様(図4参照)とが所定時間(以下、所定送風時間という。例えば10分)毎に交互に切り替えられる。
【0072】
このために、制御部10は、例えば第1送風態様→第2送風態様→第1送風態様と切り替える場合、ファンモータ131,141の回転数を、回転数R13,R21→回転数R11,R23→回転数R13,R21と切り替える。
換言すれば、制御部10は、第1送風態様と第2送風態様とを所定送風時間毎に切り替える。
【0073】
このように、シャワーモードにおいては、脱臭及び集塵による室内全体の空気浄化と空気加湿とが主として行なわれ、正負イオンによる室内の中央部分の空気浄化が従として行なわれる場合と、正負イオンによる室内の中央部分の空気浄化が主として行なわれ、脱臭及び集塵による室内全体の空気浄化と空気加湿とが従として行なわれる場合とが交互に行なわれる。従って、シャワーモードがある程度の時間以上(例えば20分以上)継続して実行されれば、脱臭及び集塵による室内全体の空気浄化と正負イオンによる室内の中央部分の空気浄化と空気加湿とが、総合的に効率よく実行される。
【0074】
なお、シャワーモードでは、第1送風態様及び第2送風態様の内、何れが先に実行されてもよい。また、第1送風態様及び第2送風態様の内、何れを先に実行するか使用者が指定可能な構成でもよい。更に、第1送風態様及び第2送風態様の内、何れか一方のみを実行して、シャワーモードを自動的に終了するか、又は使用者の指示に応じて中断することが可能な構成でもよい。
【0075】
仮に、シャワーモードにおいて第1送風機13が回転数R13で送風し、第2送風機14が回転数R23で送風する場合、浄化加湿空気の流れとイオン含有空気の流れとが干渉し合って共に大幅に乱れるため、室内を効率よく空気浄化することができない。また、第1送風機13及び第2送風機14夫々の作動音が最大であるため、空気清浄機1の静音性が悪化する。更に、第1送風機13及び第2送風機14夫々の消費電力が最大であるため、空気清浄機1のランニングコストが増大する。
【0076】
一方、本実施の形態のシャワーモードにおいては、第1送風機13及び第2送風機14の内、一方の作動音は最大であるが他方の作動音は最小であるため、空気清浄機1の静音性が向上する。また、第1送風機13及び第2送風機14の内、一方の消費電力は最大であるが、他方の消費電力は最小であるため、空気清浄機1のランニングコストが減少する。つまり、第1送風態様と第2送風態様との切り替えによって、空気清浄機1は、シャワーモードにおける静音化を図りつつ省電力に寄与することができる。
【0077】
なお、第1送風態様は、第1送風機13は送風する(オンである)が、第2送風機14は送風せず(オフであり)、イオン発生部12で正負イオンを発生させない(オフである)、という構成でもよい。このような第1送風態様では、第1送風機13は送風量が正値であるが、第2送風機14は送風量がゼロである。
このような第1送風態様に対応する第2送風態様は、第1送風機13はオフであるが、第2送風機14はオンであり、イオン発生部12で正負イオンを発生させる(オンである)、という構成でもよい。このような第2送風態様では、第2送風機14は送風量が正値であるが、第1送風機13は送風量がゼロである。
【0078】
このようなシャワーモードにおいては、第1送風機13及び第2送風機14の内、一方は作動音を発生させるが他方は作動音を発生させないため、空気清浄機1の静音性が更に向上する。また、第1送風機13及び第2送風機14の内、一方は電力を消費するが他方は電力を消費しないため、空気清浄機1のランニングコストが更に減少する。つまり、第1送風態様と第2送風態様との切り替えによって、空気清浄機1は、シャワーモードにおける更なる静音化を図りつつ省電力に寄与することができる。
【0079】
自動モードでは、第1送風機13及び第2送風機14夫々の送風量が、空気汚染度に応じて適宜に切り替えられる。空気汚染度が高い場合、第1送風機13及び第2送風機14夫々の送風量は共に多く、空気汚染度が低い場合、第1送風機13及び第2送風機14夫々の送風量は共に少ない。
【0080】
手動モードでは、第1送風機13及び第2送風機14夫々の送風量は使用者によって与えられる。手動モードは、更に、風量モード「強」、風量モード「中」、及び風量モード「静音」に分類される。
風量モード「強」では、ファンモータ131,141の回転数は回転数R13,R23である。同様に、風量モード「中」(又は風量モード「静音」)では、ファンモータ131,141の回転数は回転数R12,R22(又は回転数R11,R21)である。
【0081】
本実施の形態におけるシャワーモードは、本発明の実施の形態における第1の運転態様として機能する。また、自動モード及び手動モードは、本発明の実施の形態における第2の運転態様として機能する。
【0082】
次に、操作パネル2の各ボタンの機能について説明する(図5参照)。
停止ボタン21は、空気清浄機1の運転を停止する場合に操作される。
空気清浄機1が運転している場合に停止ボタン21が操作されたとき、制御部10は、空気清浄機1の各部をオフにする。この結果、空気清浄機1は運転終了する。
【0083】
特に、自動モード又は手動モードで停止ボタン21が操作されたとき、制御部10は、現在の運転モード(即ち停止ボタン21が操作される直前の運転モード)をRAMに記憶させる。
一方、シャワーモードで停止ボタン21が操作されたとき、制御部10は、シャワーモードでの運転開始前に、空気清浄機1が運転していたか否かを判定する。
シャワーモードでの運転開始前に、空気清浄機1が運転していた場合、即ち、シャワーモードでの運転開始前は自動モード又は手動モードだった場合、制御部10は、シャワーモードでの運転開始前の運転モードをRAMに記憶させる。
シャワーモードでの運転開始前に、空気清浄機1が運転していない場合、制御部10は、RAMに記憶されている運転モードを保持する。
【0084】
入ボタン20は、空気清浄機1の運転を開始させる場合に操作される。
空気清浄機1が運転していない場合に入ボタン20が操作されたとき、制御部10は、制御部10のRAMに記憶されている運転モードで各部をオンにする。この結果、空気清浄機1は、制御部10のRAMに記憶されている運転モードで運転開始する。なお、制御部10のRAMに運転モードが記憶されていないならば、制御部10は、デフォルトの運転モードで各部をオンにすればよい。デフォルトの運転モードは、制御部10のROMに格納されている。制御部10のRAMに記憶される運転モード、及び、デフォルトの運転モードは、夫々自動モード又は手動モードの何れかである。
【0085】
ところで、入ボタン20が操作された場合には、イオン発生部12、第1送風機13、第2送風機14、及び回転駆動機構53等がオンになる。つまり、入ボタン20は、加湿及び空気清浄入ボタンである。
なお、図示はしないが、操作パネル2には、空気清浄入ボタンも設けられる。この空気清浄入ボタンが操作された場合には、イオン発生部12、第1送風機13、及び第2送風機14等がオンになるが、回転駆動機構53はオフのままである。
【0086】
風量切替ボタン22は、シャワーモード以外の運転モード同士を切り替える場合に、延いては空気清浄機1の送風量を切り替える場合に、操作される。
自動モード又は手動モードで風量切替ボタン22が操作される都度、空気清浄機1においては、シャワーモード以外の運転モードが順に切り替えられる。更に詳細には、風量切替ボタン22が操作される都度、自動モード、風量モード「強」、風量モード「中」、風量モード「静音」、自動モード、…の順に運転モードが切り替えられる。
シャワーモードで風量切替ボタン22が操作された場合、風量切替ボタン22の操作は無視される。
【0087】
シャワーボタン23の機能については、次の図6を参照して説明する。
図6は、空気清浄機1で実行されるシャワー運転開始判定処理の手順を示すフローチャートである。
制御部10は、シャワーボタン23が操作されたか否かを判定し(S11)、操作されていない場合(S11でNO)、再びS11の処理を実行する。
シャワーボタン23が操作された場合(S11でYES)、制御部10は、空気清浄機1が運転中であるか否かを判定する(S12)。
【0088】
まず、シャワーボタン23が操作された場合に空気清浄機1が運転中であるときについて説明する。
空気清浄機1が運転中であるとき(S12でYES)、制御部10は、現在の運転モードをRAMに記憶させ(S13)、次に、シャワー運転処理(後述する図7参照)を実行する(S14)。
シャワー運転処理の実行中、空気清浄機1はシャワーモードで運転する。
S14の処理終了後、制御部10は、運転モードをシャワーモードからS13でRAMに記憶させた運転モードに切り替える(S15)。S15の処理終了後、制御部10は、処理をS11へ戻す。
【0089】
このように、S12でYESの場合とは、自動モード又は手動モードで運転中の空気清浄機1において、シャワーモードでの運転を開始させるためにシャワーボタン23が操作された場合である。
つまり、使用者は、シャワーボタン23を操作することによって、空気清浄機1の使用中に任意のタイミングで空気清浄機1を自動モード又は手動モードからシャワーモードに切り替えることができる。
また、シャワーモードでの運転終了後は、シャワーモードでの運転開始前の運転モードへ戻ることができる。
【0090】
この場合のシャワーボタン23は、本発明の実施の形態における操作部(更に詳細には、第2の運転態様で運転している場合に操作すべき操作部)として機能する。
【0091】
次に、シャワーボタン23が操作された場合に空気清浄機1が運転中ではないときについて説明する。
空気清浄機1が運転中ではないとき(S12でNO)、制御部10は、S14の処理と同様に、シャワー運転処理を実行する(S16)。即ち、制御部10は、S13の処理に相当する処理を実行せずに、シャワー運転処理を実行する。
S16の処理終了後、制御部10は、運転モードをシャワーモードからRAMに記憶してある運転モードに切り替える(S17)。ただし、RAMにまだ運転モードが記憶されていないならば、ROMに格納されている運転モードに切り替える。
【0092】
S17の処理終了後、制御部10は、処理をS11へ戻す。
このように、S12でYESの場合とは、運転していない空気清浄機1において、シャワーモードでの運転を開始させるためにシャワーボタン23が操作された場合である。
つまり、使用者は、例えば帰宅時にシャワーボタン23を操作することによって、空気清浄機1をシャワーモードで運転開始させることができる。
【0093】
帰宅直後の室内には、使用者と共に屋外から塵埃又はウィルス等が持ち込まれていることがある。また、帰宅直後の室内は、いわゆる空気がこもった状態であるが、例えば花粉が飛散する季節であれば、室内の空気と屋外の空気とを換気することができない。以上のような場合に、使用者がシャワーボタン23を操作するだけでシャワーモードでの運転が開始されれば、入ボタン20及びシャワーボタン23を順に操作することによってシャワーモードでの運転が開始される場合に比べて、使用者の利便性を向上させることができる。
また、シャワーモードでの運転終了後は、前回停止ボタン21が操作されたときに記憶された運転モード(又はデフォルトの運転モード)で運転することができる。
【0094】
この場合のシャワーボタン23は、本発明の実施の形態における操作部(更に詳細には、運転していない場合に操作すべき操作部)として機能する。
【0095】
図7は、空気清浄機1で実行されるシャワー運転処理手順の詳細を示すフローチャートである。
制御部10は、シャワーモードでの運転開始からの経過時間(以下、運転時間という)の計時を開始する(S31)。
次に、制御部10は、ファンモータ131,141の回転数を第1送風態様で制御する(S32)。
次いで、制御部10は、経過時間の計時を開始する(S33)。
更に、制御部10は、S33で計時開始してから所定送風時間が経過したか否かを判定し(S34)、経過した場合には(S34でYES)、S33で開始した経過時間の計時を終了する(S35)。所定送風時間は、制御部10のROMに予め格納されている。
【0096】
次に、制御部10は、ファンモータ131,141の回転数を第2送風態様で制御する(S36)。
次いで、制御部10は、経過時間の計時を開始する(S37)。
更に、制御部10は、S37で計時開始してから所定送風時間が経過したか否かを判定し(S38)、経過した場合には(S38でYES)、S37で開始した経過時間の計時を終了する(S39)。
S39の処理終了後、制御部10は、処理をS32へ戻す。
【0097】
所定送風時間が経過していない場合(S34又はS38でNO)、制御部は、S31で計時を開始した運転時間が所定運転時間以上であるか否かを判定する(S40又はS42)。所定運転時間は、制御部10のROMに予め格納されている。
運転時間が所定運転時間未満である場合(S40又はS42でNO)、制御部10は、処理をS34又はS38へ戻す。
運転時間が所定運転時間以上である場合(S40又はS42でYES)、制御部10は、S31で開始した運転時間の計時と、S33又はS37で開始した計時とを全て終了し(S41又はS43)、シャワー運転処理を終了して、図6に示すシャワー運転開始判定処理へ戻る。
【0098】
ここで、図示はしないが、シャワー運転処理の実行中に停止ボタン21が操作された場合、制御部10は、シャワー運転処理の実行を中断する。
また、図示はしないが、シャワー運転処理の実行中に入ボタン20が操作された場合、制御部10は、シャワー運転処理の実行を中断して、制御部10のRAMに記憶されている運転モードで各部を制御する。
なお、シャワー運転処理の実行中にシャワーボタン23が再度操作された場合、制御部10はシャワーボタン23の操作を無視してもよく、シャワー運転処理の実行中に入ボタン20が操作された場合と同様にシャワー運転処理の実行を中断して、制御部10のRAMに記憶されている運転モードで各部を制御してもよい。
【0099】
S31に係る運転時間の計時、並びに、S33及びS37に係る経過時間の計時は、制御部10が行なう。このために、制御部10は、制御部10に与えられるクロックの個数を計数する。このような制御部10は、本発明の実施の形態における計時部として機能する。なお、空気清浄機1は、計時部として機能するタイマを備え、このタイマの計時結果が制御部10に与えられる構成でもよい。
以上のような空気清浄機1は、静音化を図り省エネルギに寄与しつつシャワーモードを実現することができる。
【0100】
ところで、従来の一般的な空気清浄機には、第2通風路4が設けられておらず、第1吹出口32の近傍に、イオン発生部12が配される構成である。このような構成では、第1吹出口32の近傍を通流する空気の風速が高ければ、正負イオンを効率よく室内へ放出させることができる。しかしながら、第1吸込口31を介して吸い込まれた空気が空気浄化部11を通過する際に、圧力損失が生じるため、第1吹出口32の近傍を通流する空気の風速を高めることは困難である。
一方、本実施の形態における空気清浄機1は、第2通風路4に脱臭フィルタも集塵フィルタも配されていないため、第2吹出口42の近傍を通流する空気の風速を容易に高めることができる。この結果、正負イオンを効率よく室外へ放出させることができる。
【0101】
なお、第1通風路3及び第2通風路4夫々への空気の吸込方向は同一方向でもよい。また、第1通風路3及び第2通風路4夫々への空気の吹出方向は同一方向でもよい。
【0102】
空気清浄機1は、脱臭及び集塵による空気清浄機能と、正負イオンによる空気清浄機能と、空気加湿機能との内、何れか1つ又は2つを選択的に実現する運転モードを有していてもよい。例えば、空気清浄機1は、第1送風機13はオンであるが、第2送風機14及びイオン発生部12はオフである運転モードを有していてもよい。この運転モードでは、脱臭及び集塵による空気清浄機能と、空気加湿機能とが実現される。また、空気清浄機1は、第1送風機13はオフであるが、第2送風機14及びイオン発生部12はオンである運転モードを有していてもよい。この運転モードでは、正負イオンによる空気清浄機能が実現される。
また、空気清浄機1は、空気加湿機能を有していなくてもよい。
【0103】
空気浄化部11は、集塵フィルタ111及び脱臭フィルタ112を有するものに限定されない。例えば、空気浄化部11は、空気を水中に通すことによって浄化する構成でもよい。
イオン発生部12は、第2送風機14の送風量に応じて正負イオンの発生量が変更される構成でもよい。
ファンモータ131,141の回転数は、2段階若しくは4段階以上の多段階又は無段階に切替可能であってもよい。シャワーモードで使用される回転数と、シャワーモード以外の運転モードで使用される回転数とが異なっていてもよい。
第1通風路3にもイオン発生部が配されていてもよい。
【0104】
実施の形態 2.
本実施の形態における空気清浄機1のハードウェア構成は、実施の形態1における空気清浄機1のハードウェア構成と同様である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
実施の形態1のシャワーモードでは、第1送風態様と第2送風態様とが所定送風時間毎に切り替えられる。
本実施の形態のシャワーモードでは、第1送風態様と第2送風態様とが埃センサ16の検出結果に応じて交互に切り替えられる。
【0105】
空気浄化部11による空気清浄は集塵効果を奏するが、イオン発生部12で発生した正負イオンによる空気清浄には、集塵効果はない。
そこで、埃センサ16の検出結果が高い場合、即ち、室内の空気中に含まれている塵埃及び花粉等の個数が多い場合、第1送風態様は所与の長送風時間(例えば15分)だけ行なわれてから第2送風態様に切り替えられ、第2送風態様は長送風時間より短い所与の短送風時間(例えば5分)だけ行なわれてから第1送風態様に切り替えられる。
【0106】
一方、埃センサ16の検出結果が低い場合、即ち、室内の空気中に含まれている塵埃及び花粉等の個数が少ない場合、第1送風態様は短送風時間だけ行なわれてから第2送風態様に切り替えられ、第2送風態様は長送風時間だけ行なわれてから第1送風態様に切り替えられる。
つまり、室内の空気中に含まれている塵埃及び花粉等の多寡に応じて、第1送風態様で送風される時間(以下、送風時間という)と第2送風態様の送風時間とが変更される。この結果、室内の空気中に含まれている塵埃及び花粉等の個数が多い場合に、これらを効率よく除去することができる。また、室内の空気中に含まれている塵埃及び花粉等の個数が少ない場合には、これらの除去よりも、正負イオンによる空気清浄を重視することができる。
【0107】
第1送風態様及び第2送風態様と長送風時間及び短送風時間との関連付けは、例えば図7に示すシャワー運転処理のS32の処理を実行する前に行なわれる。つまり、第1送風態様での運転開始前に、制御部10は、埃センサ16の検出結果を取得する。
取得した検出結果が所与の所定個数以上であれば、制御部10は、第1送風態様と長送風時間とを関連付け、また、第2送風態様と短送風時間とを関連付ける。この後、S34の処理において、制御部10は、S33で計時開始してから長送風時間が経過したか否かを判定し、S38の処理において、S37で計時開始してから短送風時間が経過したか否かを判定する。
【0108】
一方、取得した検出結果が所与の所定個数未満であれば、制御部10は、第1送風態様と短送風時間とを関連付け、また、第2送風態様と長送風時間とを関連付ける。この後、S34の処理において、制御部10は、S33で計時開始してから短送風時間が経過したか否かを判定し、S38の処理において、S37で計時開始してから長送風時間が経過したか否かを判定する。
そして、S39の処理終了後、制御部10は、再び埃センサ16の検出結果を取得し、第1送風態様及び第2送風態様と長送風時間及び短送風時間とを改めて関連付けてから、S32の処理を実行する。
【0109】
なお、各送風時間は、室内の空気中に含まれている塵埃及び花粉等の個数が非常に多い場合は第1送風態様の送風時間>>第2送風態様の送風時間となり、やや多い場合は第1送風態様の送風時間>第2送風態様の送風時間となる構成でもよい。このような構成においては、室内の空気中に含まれている塵埃及び花粉等の個数が中程度である場合は第1送風態様の送風時間=第2送風態様の送風時間となる。同様に、やや少ない場合は第1送風態様の送風時間<第2送風態様の送風時間となり、非常に少ない場合は第1送風態様の送風時間<<第2送風態様の送風時間となる。
本実施の形態の埃センサ16は、本発明の実施の形態における検出部として機能する。
【0110】
ところで、空気清浄機1は、本発明の実施の形態における検出部として、図示しない温度センサ又は湿度センサを備える構成でもよい。
冬季のような乾燥した季節には、風邪又はインフルエンザ等のウィルスが活性化する。このため、制御部10は、温度センサ又は湿度センサの検出結果が低い場合、即ち冬である場合又は室内が乾燥している場合に、第1送風態様の送風時間よりも第2送風態様の送風時間が長くなるよう第1送風態様と第2送風態様とを切り替える。
【0111】
或いは、夏季のような湿度の高い季節には、カビが活性化する。このため、制御部10は、温度センサ又は湿度センサの検出結果が高い場合、即ち夏である場合又は室内の湿度が高い場合に、第1送風態様の送風時間よりも第2送風態様の送風時間が長くなるよう第1送風態様と第2送風態様とを切り替える。
一方、冬季のような乾燥した季節(或いは、夏季のような湿度の高い季節)ではない場合、制御部10は、第1送風態様の送風時間よりも第2送風態様の送風時間が短くなるよう第1送風態様と第2送風態様とを切り替えてもよく、第1送風態様と第2送風態様とを所定送風時間毎に切り替えてもよい。
【0112】
以上のような空気清浄機1は、空気清浄機1の外部(即ち室内)の環境に関する物理量を検出し、検出結果に基づいて、第1送風態様と第2送風態様とを交互に切り替えることができる。つまり、空気清浄機1は、室内の環境に適応的に自身を制御することができる。
【0113】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、空気清浄機1に、実施の形態1,2に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 空気清浄機
10 制御部(計時部)
11 空気浄化部
12 イオン発生部
13 第1送風機
14 第2送風機
16 埃センサ(検出部)
23 シャワーボタン(操作部)
3 第1通風路
4 第2通風路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を浄化するための空気浄化部と、
イオンを発生させるイオン発生部と、
空気を送風する第1送風機及び第2送風機と、
前記第1送風機が送風することによって、外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記空気浄化部で浄化してから外部へ吹き出すための第1通風路と、
前記第2送風機が送風することによって、外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記イオン発生部で発生したイオンと共に外部へ吹き出すための第2通風路と、
前記第1送風機及び前記第2送風機夫々の動作を制御する制御部と
を備える空気清浄機であって、
前記制御部は、
前記第1送風機の送風量を前記第2送風機の送風量より多くする第1送風態様と、前記第2送風機の送風量を前記第1送風機の送風量より多くする第2送風態様とを交互に切り替えるようにしてあることを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記第1送風態様に係る前記第2送風機の送風量、及び、前記第2送風態様に係る前記第1送風機の送風量は、夫々ゼロであることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1送風態様と前記第2送風態様とを所定時間毎に切り替えるようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
外部の環境に関する物理量を検出する検出部を更に備え、
前記制御部は、前記第1送風態様と前記第2送風態様とを前記検出部の検出結果に基づいて交互に切り替えるようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記第1送風態様と前記第2送風態様とを交互に切り替える第1の運転態様と、該第1の運転態様とは異なる第2の運転態様とを有し、
前記第1の運転態様の開始からの経過時間を計時する計時部を更に備え、
前記計時部が計時した経過時間が所定運転時間以上である場合に、前記第1の運転態様を前記第2の運転態様に切り替えるようにしてあることを特徴とする請求項1から4の何れかひとつに記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記第1送風態様と前記第2送風態様とを交互に切り替える第1の運転態様と、該第1の運転態様とは異なる第2の運転態様とを有し、
前記第2の運転態様で運転している場合、又は運転していない場合に操作すべき操作部を更に備え、
前記操作部が操作された場合に、前記第2の運転態様を前記第1の運転態様に切り替えるか、又は前記第1の運転態様で運転開始するようにしてあることを特徴とする請求項1から5の何れかひとつに記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−70791(P2013−70791A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211291(P2011−211291)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】