説明

空気清浄装置及びその制御方法

【課題】長期に亘って、効率よく、空気を清浄化できる空気清浄装置、及びその制御方法を提供する。
【解決手段】吸気口21と吹出口22とを有する空気流通路2と、吸気口21から空気流通路2に空気を取り込み、取り込んだ空気を吹出口22から外部に送り出す送風手段3と、空気流通路2に設けられ、吸気口21から取り込んだ空気を温風にする温風発生部25とを備えた空気清浄装置であって、空気流通路2の温風発生部25よりも上流側にオゾン発生装置5を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気口と吹出口とを有する空気流通路と、前記吸気口から前記空気流通路に空気を取り込み、取り込んだ空気を前記吹出口から外部に送り出す送風手段と、前記空気流通路に設けられ、前記吸気口から取り込んだ空気を温風にする温風発生部とを備えた空気清浄装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内の空気を清浄化する空気清浄装置としては、光触媒によって脱臭するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような空気清浄装置では、酸化チタン等の光触媒を表面に設けた活性炭等の吸着剤に、室内の空気の臭気成分を吸着させた後、紫外線等の光を光触媒に照射して光触媒を励起させる。これにより、OHラジカル等のラジカルが発生し、このラジカルの酸化作用によって臭気成分や細菌、カビ等を分解することができる。
【0003】
一方、オゾンは触媒等により分解すると、ラジカル等が発生し、臭気成分等を分解できることが知られている。これまで、オゾンの分解による脱臭効果を利用した空気清浄装置について検討されており、この種の空気清浄装置として、オゾン発生装置とオゾン分解触媒とを設けたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この空気清浄装置によれば、オゾン発生装置により発生させたオゾンをオゾン分解触媒によって分解し、Oラジカル等を発生させることにより、空気中の臭気成分等を分解することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平1−234729号公報
【特許文献2】実開平2−25035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された空気清浄装置では、光触媒の表面に、細菌、カビ等が死滅したものや粉塵等が堆積したり、光触媒自体が劣化したりすることによって、経年的にラジカルの発生量が低下する虞があった。
また、光触媒に対するラジカルの発生量は限られているため、臭気成分等の量が多くなると、分解効率が低下するという問題もあった。
【0006】
特許文献2に記載された空気清浄装置では、オゾン分解触媒が劣化することによって、活性酸素の発生量が低下し、臭気成分等の分解効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みて案出されたものであり、長期に亘って、効率よく、空気を清浄化できる空気清浄装置、及びその制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る空気清浄装置の第1特徴構成は、吸気口と吹出口とを有する空気流通路と、前記吸気口から前記空気流通路に空気を取り込み、取り込んだ空気を前記吹出口から外部に送り出す送風手段と、前記空気流通路に設けられ、前記吸気口から取り込んだ空気を温風にする温風発生部とを備えた空気清浄装置であって、前記空気流通路の前記温風発生部よりも上流側にオゾン発生装置を設けた点にある。
【0009】
オゾンは加熱されると、熱分解し、Oラジカル、HO2ラジカル、OHラジカル等を発生する。本構成に係る空気清浄装置では、オゾン発生装置によって発生させたオゾンを、温風発生部において加熱し、熱分解させて、ラジカルを発生させる。したがって、本構成によれば、発生させたラジカルによって、空気中の臭気成分を分解し、細菌やカビ等を死滅させ、花粉等のアレルゲン物質を不活化することができるため、空気を清浄化することができる。
【0010】
また、オゾンは温風を発生させる熱によって分解するため、触媒等のように劣化することがなく、ラジカルを安定して発生させることができ、長期に亘って空気を清浄化することができる。さらに、オゾンの発生量を調整することによって、ラジカルの発生量を制御することができるため、空気中の臭気成分等が多くなっても、効率よく清浄化することができる。
【0011】
本発明に係る空気清浄装置の第2特徴構成は、前記空気流通路は、前記吸気口から取り込んだ空気を加熱手段によって加熱した加熱空気として流通させる加熱空気流通路と、前記吸気口から取り込んだ空気を前記温風発生部に導き、前記加熱空気を希釈して温風にする希釈用空気として流通させる希釈用空気流通路とを備え、前記オゾン発生装置を前記希釈用空気流通路の前記温風発生部よりも上流側に設けた点にある。
【0012】
オゾンは高温になりすぎると、窒素酸化物(NOX)等を発生する虞がある。本構成によれば、オゾンを希釈用空気流通路に発生させ、希釈用空気と共に温風発生部に導き、加熱空気と混合するため、オゾンが高温になりすぎることはない。このため、NOX等を発生させることなく、ラジカルを発生させて空気を清浄化することができる。
【0013】
本発明に係る空気清浄装置の第3特徴構成は、前記空気流通路は、前記吸気口から取り込んだ空気を加熱手段によって加熱した加熱空気として流通させる加熱空気流通路と、前記吸気口から取り込んだ空気を前記温風発生部において前記加熱空気を希釈して温風にする希釈用空気として流通させる希釈用空気流通路とを備え、空気を内部に通過させることによって加熱する筒状の蓄熱部材を、一端が前記吸気口に臨み、他端が前記希釈用空気流通路に臨むように前記加熱空気流通路に配置し、前記オゾン発生装置を前記蓄熱部材の一端に設けた点にある。
【0014】
本構成によれば、蓄熱部材を加熱空気流通路に配置し、加熱手段によって加熱することで、内部をオゾンの熱分解に適した温度に保持することができる。したがって、オゾンを蓄熱部材の内部に通過させることにより、オゾンを効率良く熱分解してラジカルを発生させ、空気を清浄化することができる。
【0015】
本発明に係る空気清浄装置の第4特徴構成は、前記空気流通路は、温風を流通させる温風流通路を備え、当該温風流通路に前記蓄熱部材を温風が内部を通過できるように配置した点にある。
【0016】
本構成によれば、温風流通路に蓄熱部材を配置することにより、蓄熱部材の内部に熱を保持させることができる。このため、蓄熱部材の内部にオゾンを通過させることにより、オゾンの熱分解効率を向上させることができる。
【0017】
本発明に係る空気清浄装置の第5特徴構成は、前記蓄熱部材は、内部にハニカム構造を有する点にある。
【0018】
本構成によれば、オゾンとの接触面積が大きくなるため、オゾンに熱伝達し易くなり、オゾンの熱分解効率を向上させることができる。
【0019】
本発明に係る空気清浄装置の第6特徴構成は、前記吹出口のオゾンの濃度を検知するオゾンセンサと、当該オゾンセンサによって検知したオゾンの濃度に基づき、前記オゾン発生装置のオゾンの発生量を制御する制御部とを設けた点にある。
【0020】
本構成によれば、吹出口のオゾンの濃度によってオゾンの発生量を制御できるため、吹出口から室内に送り出されるオゾンの濃度を調整することができる。
【0021】
本発明に係る空気清浄装置の第7特徴構成は、前記温風発生部の温度を検知する温度センサと、当該温度センサによって検知した温度に基づき、前記オゾン発生装置のオゾンの発生量を制御する制御部とを設けた点にある。
【0022】
本構成によれば、温風発生部の温度に応じてオゾンの発生量を制御できるため、例えば、温風発生部の温度がオゾンの熱分解温度に達していない場合にはオゾンの発生量を低下させる等によって、熱分解されないまま室内に送り出されるオゾンの濃度を調整することができる。
【0023】
本発明に係る空気清浄装置の第8特徴構成は、前記吹出口のオゾンの濃度を検知するオゾンセンサと、前記温風発生部の温度を検知する温度センサと、前記オゾンセンサによって検知したオゾンの濃度、及び前記温度センサによって検知した温度に基づき、前記オゾン発生装置のオゾンの発生量を制御する制御部とを設けた点にある。
【0024】
本構成によれば、温風発生部の温度に応じてオゾンの発生量を制御できると共に、吹出口のオゾンの濃度によってオゾンの発生量を制御できるため、オゾンの発生量に対するラジカルの発生効率を制御することができ、室内に送り出されるオゾンの濃度を調整することができる。
【0025】
本発明に係る空気清浄装置の制御方法の第1特徴手段は、前記空気清浄装置の制御方法であって、前記オゾンセンサによって検知するオゾンの濃度が0.1ppmを越えないように、オゾンの発生量を制御する点にある。
【0026】
本手段によれば、吹出口のオゾンの濃度が0.1ppmを越えないようにオゾンの発生量を制御することにより、発生したオゾンを空気流通路内で熱分解して適切に消費することができると共に、室内に存在するオゾンを爆発限界濃度以下に保ち、空気清浄装置の安全性を向上させることができる。
【0027】
本発明に係る空気清浄装置の制御方法の第2特徴手段は、前記空気清浄装置の制御方法であって、前記温度センサによって検知する温度が300℃以上の場合に、前記オゾン発生装置を駆動する点にある。
【0028】
オゾンの半減期は、300℃において0.1秒以下である。空気流通路における空気の線速は3m/秒程度である。本手段によれば、温度発生部の温度が300℃以上の場合にオゾンを発生させるように制御することにより、空気流通路においてラジカルを発生させることができ、清浄化した温風を室内に送り出すことができる。そして、300℃未満の場合にはオゾンを発生させないようにすることにより、オゾンが分解されないまま室内に送り出されることを抑制することができる。
【0029】
本発明に係る空気清浄装置の制御方法の第3特徴手段は、前記空気清浄装置の制御方法であって、前記温度センサによって検知する温度が300℃以上の場合に、前記オゾン発生装置を駆動し、前記オゾンセンサによって検知するオゾンの濃度が0.1ppmを越えないように、オゾン発生量を制御する点にある。
【0030】
本手段によれば、温度発生部の温度が300℃以上の場合にオゾンを発生させるように制御することにより、空気流通路においてオゾンが熱分解し、ラジカルを発生させることができるようにした上で、吹出口のオゾンの濃度が0.1ppmを越えないようにオゾンの発生量を制御する。これにより、発生したオゾンは空気流通路内でオゾンの発生量に対して効率よくラジカルを発生させることができると共に、室内に送り出されるオゾンの量を抑えて爆発限界濃度以下に保ち、空気清浄装置の安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第一の実施形態〕
以下に、本発明に係る空気清浄装置の第一の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明をガス燃焼式温風暖房機1に適用した場合を例として説明する。
【0032】
本実施形態に係るガス燃焼式温風暖房機1は、図1に示すように、空気流通させる空気流通路2と、室内の空気を空気流通路2を介して対流させる送風手段としてのファン3とを備えて構成される。空気流通路2は、燃焼式温風暖房機1の後面に設けられた吸気口21と前面の下部に設けられた吹出口22とを有しており、ファン3が室内空気を、吸気口21から空気流通路2に取り込み、吹出口22から室内に送り出すことによって対流させる。
【0033】
また、空気流通路2は、吸気口21から取り込んだ空気を加熱手段4によって加熱した加熱空気として流通させる加熱空気流通路23と、吸気口21から取り込んだ空気を加熱空気を希釈して温風にするための希釈用空気として流通させる希釈用空気流通路24と、発生した温風を流通させる温風流通路26とを備える。希釈用空気流通路24の吸気口21の付近には、オゾンを発生させるオゾン発生装置5が設けてある。温風流通路26の上流側には、加熱空気と希釈用空気とが合流する合流部25が設けてあり、合流部25において加熱空気と希釈用空気とが混合されることによって温風が発生する。このため、本実施形態では、加熱空気と希釈空気とが合流する合流部25が、本発明における「温風発生部」である。
【0034】
加熱手段4は、上方が開口して加熱空気流通路23と連通する燃焼室41と、燃焼室41に収容されたガスバーナ42とを備える。ガスバーナ42は、従来公知のものと同様の構成であり、図示しないが、ガス管や燃焼用空気供給路等が接続してある。
【0035】
温風流通路26には、吹出口22の付近のオゾンの濃度を検知するオゾンセンサ51と、合流部25における空気の温度を検知する温度センサ52とが設けてある。オゾンセンサ51及び温度センサ52は、オゾン発生装置5が接続された制御部6と接続してあり、制御部6によって、オゾンセンサ51が検知するオゾンの濃度、及び温度センサ52が検知する温度に基づき、オゾン発生装置5のオゾン発生量を制御できるように構成してある。
【0036】
本実施形態のガス燃焼式温風暖房機1は、運転を開始すると、ファン3が駆動して、室内の空気が吸気口21から矢印で示すように取り込まれる。ガスバーナ42は、ガス管(図示しない)から供給される燃料を、燃焼用空気供給路(図示しない)から取り込まれる燃焼用空気と共に燃焼させることにより点火される。点火されたガスバーナ42の燃焼炎は、燃焼室41の開口を介して、矢印Bに示すように加熱空気供給路23に取り込まれた空気を加熱して加熱空気とする。矢印Aに示すように希釈用空気流通路24に取り込まれた希釈用空気は、加熱空気と合流部25において合流し、加熱空気を希釈して、温風として吹出口22から室内へ送り出される。
【0037】
本実施形態のガス燃焼式温風暖房機1では、運転時にオゾン発生装置5を駆動させてオゾンを発生させる。発生したオゾンは、希釈用空気と共に合流部25に導かれ、加熱空気によって加熱され、熱分解して、ラジカルを発生させる。発生したラジカルは、温風流通路26の内において、臭気成分を分解し、細菌やカビ等を死滅させ、花粉等のアレルゲン物質を不活化させることができる。このようにして、室内の空気を取り込み、清浄化し、温風として室内に送り出すことができる。
【0038】
また、本実施形態のガス燃焼式温風暖房機1は、吹出口22の付近のオゾンの濃度、及び合流部25における温度に基づいてオゾンの発生量を制御する。例えば、オゾンセンサ51が検知する濃度が0.1ppm以上の場合には、制御部6によって、オゾン発生装置5を停止、もしくはオゾンの発生量を低下させて、吹出口22から室内に送り出されるオゾンの濃度が0.1ppmを越えないように制御する。これにより、室内に存在するオゾンを爆発限界濃度以下に保つことができ、安全性を向上させることができる。
【0039】
温度センサ52が検知する温度が300℃未満の場合には、制御部6によって、オゾン発生装置5を停止する。オゾンの半減期は、図2に示すように、300℃において0.1秒以下であり、400℃において0.01秒以下である。一方、ガス燃焼式温風暖房機1の一般的な風量は約2m2/分であり、線速は約3m/秒である。このため、温風流通路26の長さが30cm程度である場合には、合流部25の温度が300℃未満では、オゾンは分解されないまま室内に送り出されることになり、室内のオゾンの濃度が向上する。したがって、合流部25の温度が300℃未満ではオゾンの発生を停止し、300℃以上の場合にオゾンを発生するように制御することにより、温風流通路5の内でオゾンを熱分解させることができ、分解によって発生したラジカルで空気を清浄化することができる。なお、温度センサ52が検知する温度が400℃以上の場合にオゾン発生装置5を駆動させるように制御すれば、温風流通路5において、ラジカルをより確実に発生させることができる。
【0040】
このようなガス燃焼式温風暖房機1の制御方法の一例としては、温度センサ52が検知する温度が300℃未満の場合には、オゾン発生装置5を駆動させないようにし、温度が300℃以上となった場合に、オゾン発生装置5を駆動させて、オゾンを発生させる。オゾン発生装置5を駆動させた場合には、オゾンセンサ51によりオゾンの濃度を検知し、オゾンの濃度が0.1ppm以上となった場合には、オゾン発生装置5を制御し、オゾンの発生量を低下させて0.1ppmを越えないようにする。これにより、オゾンの発生量に対して効率よくラジカルを発生させることができると共に、室内に送り出されるオゾンの量を抑えることができる。また、オゾンの濃度が0の場合には、オゾンが完全に分解されているため、オゾンの発生量を増加させることによって、ラジカルの発生量を増加させることもできる。
【0041】
なお、その他のガス燃焼式温風暖房機1の構成、機能等については、従来公知の温風暖房機と同様である。
【0042】
〔第二の実施形態〕
次に本発明に係る空気清浄装置の第二の実施形態について説明する。本実施形態では、図3に示すように、加熱空気流通路23及び温風流通路26のそれぞれに、ステンレス製の筒状の蓄熱部材7,8が設けてある。蓄熱部材7,8は、内部にハニカム構造を有し、空気が両端間において内部を流通可能に構成してある。蓄熱部材7は、加熱空気流通路23において、一端が吸気口21に臨み、他端が加熱空気流通路23と希釈用空気流通路24との隔壁を貫通して希釈用空気流通路24に臨むように配置してあり、蓄熱部材7の一端の側にオゾン発生装置6が設けてある。蓄熱部材7の一端で発生させたオゾンは、矢印Cに示すように蓄熱部材7の内部を流通して希釈用空地流通路24に送られる。蓄熱部材8は、温風流通路26において、温風の流れに沿って配置してあり、温風は矢印Dに示すように蓄熱部材8の内部を経由して吹出口22に送られる。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
【0043】
オゾンは、上述の通り、高温にすることで熱分解し易くなるが、例えば、800℃以上のように温度が高くなり過ぎると、窒素酸化物(NOX)等が発生する虞がある。ガス燃焼式温風暖房機1における加熱空気流通路23の温度は800℃以上になる。このため、上記の第一の実施形態では、特に限定されるものではないが、好ましい態様として、オゾン発生装置5を希釈用空気流通路24に設けた。本実施形態では、蓄熱部材7を加熱空気流通路23に配置して内部をオゾンの熱分解に適した温度に保持させる。蓄熱部材7の内部にオゾンを通過させることによって、NOX等の発生を抑えつつ、効率よく熱分解して、ラジカルを発生させることができる。また、蓄熱部材8を温風流通路26に配置することにより、熱効率を向上させて、温風流通路26においてもオゾンを熱分解し易くすることができる。
【0044】
〔その他の実施形態〕
第一の実施形態においては、オゾン発生装置5を希釈用空気流通路24の吸気口21の付近に設けた場合を例として示したが、温風発生部である合流部25よりも上流側であれば、特に限定されない。
【0045】
第二の実施形態においては、加熱空気流通路23と温風流通路26とのそれぞれに蓄熱部材7,8を設けた場合を例として示したが、これに限らず、加熱空気流通路23と温風流通路26とのうち、いずれか一方のみに設けてもよい。また、第一の実施形態における温風流通路26に蓄熱部材8を設けることもできる。
【0046】
上記の各実施形態においては、オゾンセンサ51と温度センサ52とを設けた場合を例として説明したが、別に設けなくてもよく、またオゾンセンサ51と温度センサ52とのうち、いずれか一方のみを設けてもよい。
【0047】
上記の各実施形態においては、本発明の空気清浄装置をガス燃焼式温風暖房機1に適用した場合を例として説明したが、これに限らず、加熱手段4として、石油バーナ、電気ヒータ等を用いた灯油燃焼式温風暖房機、電気温風暖房機等に適用することもできる。
また、空気流通路2として、加熱空気流通路23と希釈用空気流通路24との二つの流通路を設けた場合を例として説明したが、これに限らず、空気流通路2を一つの流通路として、空気流通路2の中に電気ヒータ等の加熱手段を設けて、空気を加熱手段に接触させながら流通させることもできる。なお、この場合には、空気は加熱手段と熱交換することにより温風となるため、この部分が温風発生部となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る空気清浄装置は、吸気口と吹出口とを有する空気流通路と、前記吸気口から前記空気流通路に空気を取り込み、取り込んだ空気を前記吹出口から外部に送り出す送風手段と、前記空気流通路に設けられ、前記吸気口から取り込んだ空気を温風にする温風発生部とを備えた、様々な空気清浄装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】第一の実施形態に係るガス燃焼式温風暖房機の概略断面図
【図2】オゾンの半減期と温度との関係を示すグラフ
【図3】第二の実施形態に係るガス燃焼式温風暖房機の概略断面図
【符号の説明】
【0050】
1 ガス燃焼式温風暖房機
2 空気流通路
21 吸気口
22 吹出口
23 加熱空気流通路
24 希釈用空気流通路
25 合流部(温風発生部)
26 温風流通路
3 ファン(送風手段)
4 加熱手段
5 オゾン発生装置
51 オゾンセンサ
52 温度センサ
6 制御部
7,8 蓄熱部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と吹出口とを有する空気流通路と、前記吸気口から前記空気流通路に空気を取り込み、取り込んだ空気を前記吹出口から外部に送り出す送風手段と、前記空気流通路に設けられ、前記吸気口から取り込んだ空気を温風にする温風発生部とを備えた空気清浄装置であって、
前記空気流通路の前記温風発生部よりも上流側にオゾン発生装置を設けた空気清浄装置。
【請求項2】
前記空気流通路は、前記吸気口から取り込んだ空気を加熱手段によって加熱した加熱空気として流通させる加熱空気流通路と、前記吸気口から取り込んだ空気を前記温風発生部に導き、前記加熱空気を希釈して温風にする希釈用空気として流通させる希釈用空気流通路とを備え、前記オゾン発生装置を前記希釈用空気流通路の前記温風発生部よりも上流側に設けた請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記空気流通路は、前記吸気口から取り込んだ空気を加熱手段によって加熱した加熱空気として流通させる加熱空気流通路と、前記吸気口から取り込んだ空気を前記温風発生部において前記加熱空気を希釈して温風にする希釈用空気として流通させる希釈用空気流通路とを備え、空気を内部に通過させることによって加熱する筒状の蓄熱部材を、一端が前記吸気口に臨み、他端が前記希釈用空気流通路に臨むように前記加熱空気流通路に配置し、前記オゾン発生装置を前記蓄熱部材の一端に設けた請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項4】
前記空気流通路は、温風を流通させる温風流通路を備え、当該温風流通路に前記蓄熱部材を温風が内部を通過できるように配置した請求項2または3に記載の空気清浄装置。
【請求項5】
前記蓄熱部材は、内部にハニカム構造を有する請求項3または4に記載の空気清浄装置。
【請求項6】
前記吹出口のオゾンの濃度を検知するオゾンセンサと、当該オゾンセンサによって検知したオゾンの濃度に基づき、前記オゾン発生装置のオゾンの発生量を制御する制御部とを設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気清浄装置。
【請求項7】
前記温風発生部の温度を検知する温度センサと、当該温度センサによって検知した温度に基づき、前記オゾン発生装置のオゾンの発生量を制御する制御部とを設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気清浄装置。
【請求項8】
前記吹出口のオゾンの濃度を検知するオゾンセンサと、前記温風発生部の温度を検知する温度センサと、前記オゾンセンサによって検知したオゾンの濃度、及び前記温度センサによって検知した温度に基づき、前記オゾン発生装置のオゾンの発生量を制御する制御部とを設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気清浄装置。
【請求項9】
請求項6に記載の空気清浄装置の制御方法であって、前記オゾンセンサによって検知するオゾンの濃度が0.1ppmを越えないように、オゾンの発生量を制御する空気清浄装置の制御方法。
【請求項10】
請求項7に記載の空気清浄装置の制御方法であって、前記温度センサによって検知する温度が300℃以上の場合に、前記オゾン発生装置を駆動する空気清浄装置の制御方法。
【請求項11】
請求項8に記載の空気清浄装置の制御方法であって、前記温度センサによって検知する温度が300℃以上の場合に、前記オゾン発生装置を駆動し、前記オゾンセンサによって検知するオゾンの濃度が0.1ppmを越えないように、オゾン発生量を制御する空気清浄装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−125742(P2008−125742A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313303(P2006−313303)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】