説明

空気膜構造体

【課題】灌漑に不適な水資源から湿潤な空気を供給するとともに、植生に必要な真水を供給することで、農耕の可能な大規模な閉空間を有する空気膜構造体を提供する。
【解決手段】ドーム2、送風機7、水蒸発器4及び水蒸発器5を有する空気膜構造体1であって、送風機により送入される膜支持用の空気を水蒸発器に通じて水分含有量を増大させた湿り空気とする手段と、湿り空気の流れを水凝縮器に通じ、その空気から水分を真水として回収することにより空気膜構造体内部空間へ外気よりも水分含有量の大きい空気を送入する手段を有する空気膜構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部環境の改善された空気膜構造体に関し、より詳しくは、乾燥地域において灌漑に不適な水資源を用いて真水と湿潤空気を内部空間に供給することのできる空気膜構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
水はすべての生き物にとってなくてはならないものである。水の供給は生活、農業、工業の発展の要ともいえる。しかし、水は優れた溶媒であるため好ましくない汚染物の受け皿ともなる。農業用に地下水をくみ上げることは土壌の劣化や沈泥による肥料分の減少、枯渇、それに塩害を引き起こす。
【0003】
土地の灌漑、特に砂漠の灌漑は砂漠の緑化をもたらしその土地の農業生産性を著しく改善することになる。しかし、砂漠地域での灌漑技術はごく限られたものである。そもそも、水は少ないのだから。遠く離れたところから真水を配水することは資材やシステムのコスト面から制約で通常は有効でなく、移送中の蒸発によるロスもある。また灌漑により一旦地中に浸透した水は地表からの盛んな蒸発により毛管現象で下から上に引き上げられ蒸発する。このとき地中で水に溶解した塩類は地表での蒸発に伴い析出し、塩類が地表に滞積する現象を招き、植生に適さない土壌へと変質させ所謂塩害を引き起こす。さらに乾燥地域の地下水には通常微量の塩分が含まれているため、灌漑に使用するといずれ土地は塩害をこうむることになる。そうして、灌漑した土壌から洗い流すのに十分な量の豊富な良質の水がない限り、灌漑地は結局植生に適した土壌環境としては使えなくなる。
【0004】
閉空間を包み込み内部の気候を穏やかにする構造体(Large Climate Moderating Envelope、 LCME)のアイデアは古く1960年代に発表されている(非特許文献1)。直径2kmに及ぶ布製エアドーム(1971年)やジェッダ空港ターミナル(425、000m2)といった大規模なLCMEの建設、あるいはアリゾナの砂漠にLCMEを作って農耕地化したケースの経済評価(1983年)が発表されている。これらはいずれも空間内部の気候を穏やかにすることで植生や省エネルギーを提案するにとどまるもので、水の供給までを提案するものではなかった。
【0005】
空気を媒体とした蒸留方法であって、水蒸発器と水凝縮器を組み合わせて造水とともに冷気を生成して、水と冷気を温室に供給する植物育成装置が特許に開示されている(特許文献1)
【非特許文献1】Proceedings of ISES 1983 Solar World Congress, (1983) vol.1 1217-1221
【特許文献1】特開平4−156990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大規模な空間を有する空気膜構造体において、灌漑に不適な水資源から湿潤な空気を供給するとともに、植生に必要な真水を供給する手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次のいずれか1項に記載の発明である。
[1]ドーム、送風機、水蒸発器及び水凝縮器を有する空気膜構造体であって、送風機により送入される膜支持用の空気を水蒸発器に通じて水分含有量を増大させた湿り空気とする手段と、空気の流れを水凝縮器に通じ、その空気から水分を真水として回収する手段とを有する、膜支持用の空気の水分含有量を外気よりも高めた空気膜構造体。
[2]ドーム、送風機、水蒸発器及び水凝縮器を有する空気膜構造体であって、送風機により送入される膜支持用の空気を水蒸発器と水凝縮器に順次通じ、水蒸発器において水分含有量を増大させた空気とする手段と、次いで水凝縮器においてその空気から水分を真水として回収する手段と、残余の水分を含む空気をドーム内部空間へ送入する手段とを有する空気膜構造体。
[3]水蒸発器において、送風機により送入される膜支持用の空気を原水と直接接触させて水分含有量を増大させるとともに使用後の原水を系外に排出するようにした請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
[4]高温循環液通路と熱交換可能に結合された熱交換プレートを介して外気通路が形成された水蒸発器が高温循環液を熱媒体としてヒートポンプの冷媒凝縮器と熱的に接続され、水蒸発器の外気通路内の熱交換プレートの表面を濡らすように原水を流下させて外気を湿り空気に変換し、低温循環液通路と熱交換可能に接続された熱交換プレートを介して湿り空気通路が形成された水凝縮器が低温循環液を熱媒体としてヒートポンプの冷媒蒸発器と熱的に接続され、湿り空気から水を凝縮させ真水として回収するようにされている請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
[5]冷媒吐出管に接続されたヒートポンプの冷媒凝縮器として外気通路が形成された水蒸発器の表面を濡らすように原水を流下させて接触させることで外気を湿り空気に変換し、冷媒吸入管に接続されたヒートポンプの冷媒蒸発器として湿り空気通路が形成された水凝縮器の表面において湿り空気から水を凝縮させて真水として回収するようにされている請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
[6]原水循環路の中間部に設けた加熱器により水蒸発器へ供給する原水又は循環原水を加熱するに際し、加熱器がヒートポンプの冷媒凝縮器であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
[7]原水循環路の中間部に設けた加熱器により水蒸発器へ供給する原水又は循環原水を加熱するに際し、加熱器がヒートポンプの冷媒凝縮器と高温循環液を介して熱的に接続していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
[8]少なくとも水蒸発器の熱交換プレートの外気通路側表面が親水性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気膜構造体。
[9]空気膜構造体のドームの側壁がドームを構成する膜材により形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気膜構造体。
[10]空気膜構造体の膜がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリエステル又はフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気膜構造体。
[11]請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気膜構造体を用いた灌漑方法であって、回収した真水を空気膜構造体内部の土壌の灌漑に利用することを特徴とする灌漑方法。
[12]請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気膜構造体を用いた灌漑方法であって、空気膜構造体内部空間を植物育成に利用することを特徴とする灌漑方法。
[13]植物を育成することのできる内部空間を有するドームと、
太陽光または風力発電により発電する発電設備と、
発電設備により発電された電気エネルギーを動力源とするヒートポンプと、
塩分を含む水源から原水を採取する水源設備と、
ヒートポンプにより水を蒸発、凝縮させて水分を含んだ空気と真水を製造する送風・造水装置とからなる、
送風・造水装置で発生した水分を含んだ空気を空気膜構造体のドームの支持用空気とし、併せて、送風・造水装置で製造された真水を空気膜構造体の内部空間の灌漑に用いる灌漑システム。
【発明の効果】
【0008】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明は、空気膜構造体に必須の加圧空気を発生させる送風を水の蒸留に用いることで、真水を調製するために全く独立に必要な脱塩設備や蒸留設備を必要とせず、さらに、水の沸点において操業する通常の蒸留のような高温を使わないのでエネルギー消費が少なく、安全性が高い上に、一旦蒸発させた水は真水または空気中の水分として余すところなく利用できるという効果がある。
【0009】
この空気中の水分と真水を利用して、植物の育成を自然水に乏しい砂漠地帯などにおいて促進でき、その緑化に貢献できる。
【0010】
請求項第4記載の発明においては、圧縮機で発生する熱を水蒸発器で外気又は水を含んだ空気の温度を高めるために利用するためエネルギーの消費を減らすことができる。
【0011】
請求項第5記載の発明においては、水蒸発器と水凝縮器をそれぞれヒートポンプの冷媒凝縮器と冷媒蒸発器として機能させるため、エネルギー効率を高めることができる。
【0012】
請求項6又は7記載の発明においては、ヒートポンプの圧縮工程で発生する熱を原水の加熱に利用できるため、蒸発効率を容易に高めることができ、また、水蒸発器の水蒸発媒体として織物、不織布などを用いる簡単な構造をとることができる。
【0013】
請求項8に記載の発明においては、水蒸発媒体表面に薄い水の膜を形成できるので原水・外気の接触面積を実質的に拡大できるため蒸発効率を高めることができる。
【0014】
請求項9に記載の発明においては、高ライズ型空気膜構造体は、建設が容易で低ライズ型の側壁のような構造物を要しないので、砂漠などのインフラストラクチャーに乏しい地域では特に有効である。
【0015】
請求項10に記載の発明においては、高耐候性のフッ素樹脂、低コストのポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、塩化ビニル樹脂又はポリエステル樹脂を使用することでそれぞれの特徴を生かすことができる。
【0016】
請求項11又は12に記載の発明においては、請求項1〜10で提供する空気膜構造体を用いることで内部空間に耕作可能な空間を提供できるという効果を奏する。
【0017】
請求項13に記載の発明においては、砂漠などのインフラの整備されていない地域においても、空気膜構造体を用いてドーム部分、発電設備、ヒートポンプ、水源設備、送風・造水装置をシステム化することで内部に植物育成可能な空間を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[空気膜構造体]
本発明の空気膜構造体1を説明する。空気膜構造体1は、ドーム2とドーム形状を維持するための加圧空気を送入する送風機7を備える。図1に示す空気膜構造体1は、送風機7は水蒸発器4と水凝縮器5をダクト6により結合された送風・造水装置3に組み込まれている。また、図2に示す空気膜構造体1では、送風機7は水蒸発器4のドーム側(内部側)に設けられているが、外部側であってもよく、一方、水凝縮器5はドーム2からの排気が流通するように設けられている。
【0019】
空気膜構造体1は、耐候性を有し可撓性または柔軟性のある膜材によって室内の気密性を高めることができるように形成したものであって、室内を送風機7によって常時送風し、排気用ダンパ(図示せず)を経て適宜排気(換気)させながら室内空気圧を外気圧よりやや高く維持するようにされている。
【0020】
空気膜構造体1のドーム2には、側壁を有しそれに固定される形式の低ライズ型と、側壁を有さず膜材が地面に実質的に直接接する形式の高ライズ型があるが、本発明の空気膜構造体としては、高ライズ型が経済性から好ましく用いられる。
【0021】
空気膜構造体1のドーム2の構造は、膜構造として単膜構造、二重膜構造などの公知の構造のものが使用できる。膜材は、通常、合成樹脂シートを使用し、積層構造をとることもでき、合成樹脂膜とガラス繊維、合成樹脂繊維を積層して強度を高めた積層シートを使用できる。膜材の材質は過酷な気象条件、たとえば、砂漠の気候、日射への耐候性、飛砂、暴風に対する機械的強度を有することが求められる。また、膜材自体は透明または不透明なものが使用されるが、その外面側に遮光膜などの遮光部材を設けることができる。膜材に用いる樹脂としては、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の二元共重合体、VDFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)の三元共重合体、およびVDFとクロロトリフルオロエチレン(CTFE)の二元共重合体などのフッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などが使用できるが、前記フッ素樹脂が耐候性の点で好ましいものとして挙げられるが、比較的短期間の使用を目的とする場合にはポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、塩化ビニル樹脂やポリエステル樹脂が経済性から選択される。
【0022】
上記膜材によって形成された屋根部の重量は、膜材、膜固定金物、ケーブル等の部材の種類により異なるが、通常2〜30kg/m2、一般的には5〜10kg/m2である。この屋根を支持するためには、構造体の内外圧差(内圧)を大気圧より高く保てばよい。しかし、突風によって膜がバタつく(フラックリング)のを防ぐため、また、積雪による負荷で変形または破損することのないだけの余裕を持たせることが必要である。
【0023】
空気膜構造体1内部の空気は、200mm水柱以下の圧力を保持する。使用する環境に応じて、例えば、5〜10mm水柱だけ大気圧よりも高く保てばよいことになるが、通常、内圧は10〜80mm水柱程度とし、また、沙漠、海岸などでは数十ないし百数十mm水柱とするのが好ましい。
【0024】
また、この種の空気膜構造体1は、ドアの開閉や換気等のため、常時、漏気されており、これらの漏気量は、気候、天候、昼夜などの使用状況によって変化する。従って、これらの漏気量の変化に備えて前記内圧を維持するために、補助用又は予備用の送風機を備えることができる。
【0025】
空気膜構造体1を支持する空気を送入する送風機7は、次に述べる送風・造水装置3の水蒸発器4と水凝縮器5との位置関係は任意であり、送風・造水装置3に外気の気流を導入することができればよい。例えば、外気取入口8、空気吐出口9、水蒸発器4と水凝縮器5の中間に設置することができる。また、送風機7は、送風・造水装置3とは別に付加的に設置することもできる。さらに、送風・造水装置3に使用する送風機の気流の一部をバイパスさせて直接空気膜構造体内部に送入することもできる。
[送風・造水装置]
図1に示す送風・造水装置3について図3を用いて説明する。水蒸発器4と水凝縮器5が分離した図2の場合も蒸留の作用は同様である。送風・造水装置3は送風機7と水蒸発器4と水凝縮器5並びに水蒸発器4と水凝縮器5との間で熱交換するための熱交換サイクルからなる。水蒸発器4は上部より原水として海水や汽水、鹹水などの潅概用に適さない水を供給し、水蒸発器4を流下する間に空気の流れと接触させ、水を蒸発させて空気中の相対湿度を上昇させる装置である。原水として真水を用いることもできる。
【0026】
水蒸発器4ではドーム2に送風する空気の相対湿度を上昇させる。水蒸発器4を上から下に流下する水とそれを横切って送風される空気とが接触する時間は極短いため、空気への水分の単位時間当たりの移動速度を大きくすることが装置の形状から重要である。水蒸発器4の効率を良くするためには、形状的に水と空気の接触面積を大きくすることで相対的な接触時間の増大を図ることができる。また、流下させる水の膜を薄くすることで流下する海水や汽水、鹹水等の原水のうち単位水量あたりの蒸発水量を大きくすることができ、循環原水量を減らせるので効率的であり好ましい。
【0027】
即ち貴重な水資源を水蒸発器で蒸発させるに際して水蒸発器を流下する水膜を可能な限り薄くすることにより、(1)熱交換を効率的に行う、(2)水資源の供給に用いるエネルギーを最小にする、(3)濃縮を高度に行うことにより供給水中に溶存した塩類を有利に回収することができる。
【0028】
水蒸発器の原水との接触面は、親水性表面である。特に水の接触角がほとんど0°である超親水性表面とすることがより好ましい。液体の固体上への広がりは、一般に固体の表面エネルギーと液体の表面エネルギーおよび固体表面の微細形状により決まる。したがって、親水性表面は大きな表面エネルギーをもった物質を微少な凹凸を持った形状に平面上に形成させて得られる。
【0029】
親水表面を有する水蒸発器4では、上部から供給された水は速やかに水蒸発器4の表面に広がり、薄膜を形成して流下するため、気液の接触効率および熱交換効率は飛躍的に向上しドームに送風する空気中の相対湿度の上昇を飛躍的に大きくすることができる。
【0030】
水の蒸発量は温度に大きく依存することが知られている。即ち、空気中の飽和水蒸気量は1立米当たり20℃では約17g、40℃では約51g、60℃では約130gである。水蒸発器4で流下する水から水分が蒸発する際、気化熱が奪われ、水蒸発器4の温度は低下する。水蒸発器4の温度が低下すると水の蒸発が抑制され好ましくない。そのため、水蒸発器4は温度を上昇させる仕組みをもたせることができる。例えば、水凝縮器4との熱交換によるヒートポンプの利用が好適である。また、流下させる水をあらかじめ加熱しておくこともでき、熱源としては太陽光も利用できる。
【0031】
加熱は下記の実施例1のように水蒸発器4で行うこともできるが、原水循環路15の中間部とすることもできる。例えば、原水槽12、上部水槽11、又は原水循環路15の任意の位置であってもよく、形状も限られない。熱交換を水蒸発器4で行う必要がない場合、水蒸発器4の原水・外気接触媒体として織物、不織布、フィルターなどの表面に微細構造を有する材料を使用することができる。
【0032】
水分を蒸発し濃縮された海水や汽水、鹹水は水蒸発器4の下部より排出され、原水槽12に回収される。濃縮された海水や汽水、鹹水はさらなる濃縮工程を経て塩類を回収することで資源として利用することできる。また、濃縮された海水や汽水、鹹水をドーム内の開放水路に導き、自然蒸発によりドームに内に水分を供給するとともに海水や汽水、鹹水をさらに濃縮し、以後の塩類の回収を容易にすることもできる。
【0033】
水蒸発器4の形状は流下する原水とそれを通過する空気が効率よく接触することと、流下する水の気化熱による温度低下を補償する熱交換を効率よく行うことに留意され決定される。具体的には多数の薄板(フィン)と熱媒体通路から構成される広く熱交換器に採用されているラヂエータ形や熱媒体通路が熱交換プレートに密接して設置された形などが推奨される。
【0034】
水蒸発器4では、水凝縮器5の間にフィルターなどを配置することで飛沫同伴による塩類の同伴を防ぐことが好ましい。その場合、空気中に水蒸気として同伴される水や回収された水を真水として植生に利用し易くなる。
【0035】
水蒸発器4を通過した空気は、そのまま空気膜構造体1のドーム2に導入してもよく、次に述べる水凝縮器5に通じて、含有する水の一部を液体の真水として回収し、凝縮しなかった水を含有する空気として空気膜構造体1に導入することもできる。導入される空気は、外気が含有するよりも多くの水を含むように水凝縮器5の操業条件を決めることが好ましい。
【0036】
水蒸発器4で加湿された空気を水凝縮器5に通過させて冷却することで空気中の相対湿度を上昇させて飽和させ水を凝縮させる。短い接触時間で効率的に湿り空気を冷却するために、水凝縮器5の表面と通過する湿り空気との温度差をできるだけ大きくして熱の移動効率を大きくする。また、このように形状的に空気と凝縮器の接触する面積を大きくすることで接触時間の増大を図る一方、凝縮した水を液滴とし水凝縮器から速やかに排出することができる。
【0037】
水凝縮器5は、水蒸発器4との熱交換によるヒートポンプの利用により冷却する。また、独立の冷凍機により調製した冷媒により冷却することもできる。
【0038】
水凝縮器5は、空気圧を一定に保つために空気膜構造体1から外部へ排気される気流を用いて行うこともできる。この場合、冷却された空気が排気されるので、適度の湿度を伴ったエアコンディショニングに利用することができる。
【0039】
本発明の空気膜構造体を用いて灌漑システムを構成することができる。すなわち、空気膜構造体のドーム部分、発電設備、ヒートポンプ、水源設備、送風・造水装置からなり
、これらの要素設備を機能させることで内部に植物育成可能な空間を有する空気膜構造体を中心とする灌漑システムを構成できる。
【0040】
ここで、発電設備としては、太陽光発電や、風力発電に依存できない夜間や荒天時に備え、または安定した電源を確保するために蓄電設備を設けることもできる。蓄電設備としては、従来から使用されている鉛蓄電池などのほか、大型リチウムイオン二次電池や超伝導蓄電システム等を使用するができる。
【実施例】
【0041】
次に、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
<実施例1>
第1図に本発明の一実施例を示す。空気膜構造体1は、ドーム2とドーム形状を維持するための加圧空気を送入する送風機7を備えた送風・造水装置3から構成される。ドーム2は、適当な強度,耐候性及び気密性を有すると共に、日射光のうち可視光が透過可能で、且つ赤外線等の熱線を遮断可能な所謂選択透過性を備えた素材、例えば透明フッ素樹脂フィルム等の膜材からなる。
【0042】
図3に送風・造水装置3の一例を示す。送風機の位置や原水の受入れおよび回収された原水の受入れなどの方法はこの例に限られるものではない。送風・造水装置3は全体として、一端に外気取り入れ口8を、その他端には空気吐出口9を設けたエアダクト6とから構成され、この両端の中間部分でこのエアダクト6内には送風機7が配設してある。この送風機7の吸気側で送風機7と外気取入口8との中間に水蒸発器4が配設してあり、また、この送風機7の排気側で送風機7と空気吐出口12との中間に水凝縮器5が配設してある。水蒸発器4には、原水を一時貯留する上部水槽11と、原水槽12が付属する。原水槽12は、井戸、海洋などから取り込んだ原水を受け入れ、また、水蒸発器4で蒸発しないで回収された原水を受ける。
【0043】
水蒸発器4は冷凍機10の冷媒凝縮器18から高温循環液通路16を通って送られてくる高温循環液が流通する高温循環液通路30と、外気通路31とが熱交換プレート32を介して隣接して構成されている(図5、図6)。
【0044】
水凝縮器5は、冷凍機10の冷媒蒸発器19から低温循環液通路17を通って送られてくる低温循環液が流通する低温循環液通路33と、これら低温循環液通路33間に熱交換プレート35を介して構成された湿り空気通路32とからなり、エアダクト6の底部でこの水凝縮器5の下部には凝縮した水を受ける真水溜(図示せず)が設けられている(図5、図7)。
【0045】
水蒸発器4では、高温循環液通路30は熱交換プレート32を介して外気通路31と熱交換可能に結合し、熱交換プレート32に密接して形成した通路として構成され、熱交換プレート32を複数枚間隔をおいて垂直に並設し、隣接する熱交換プレート32間に外気通路31が形成されており、水蒸発器4の熱交換プレート32の空気通路側表面が親水性を有している(図6)。
【0046】
また、水凝縮器5における低温循環液通路33は、熱交換プレート35内に形成した通路として構成してあり、熱交換プレート35を複数枚間隔をおいて垂直に並設し、隣接する熱交換プレート35間に湿り空気通路34が形成されている(図7)。
【0047】
原水の通路としては、原水槽12から原水ポンプ13で汲み上げて上部水槽11に供給・貯留し、水蒸発器4へ流下させて外気通路31で外気と気液接触させ蒸発しなかった一部の原水が、原水槽12に回収される原水循環路15が配管されている(図6)。また、高温循環水と低温循環水の通路としては、冷凍機10の冷媒吐出側に接続された冷媒凝縮器21で加熱された高温循環液を水蒸発器4の高温循環液通路30へ高温循環液ポンプ26で送液し、原水と間接接触することで冷却された高温循環液を冷媒凝縮器21に戻す高温循環路16と、この冷凍機10の冷媒吸入側に接続された冷媒蒸発器19で冷却された低温循環液を水凝縮器5の低温循環液通路33へ低温循環液ポンプ27で送液し、水蒸発器4から送られてくる湿り空気を間接的に冷却した後、自身は加温された状態で冷凍機10の冷媒蒸発器19に戻り再度冷却される低温循環路17とが配管されている(図5)。
【0048】
送風機7の運転によりエアダクト6内にその一端の外気取り入れ口8から外気を取り入れる一方、原水を原水ポンプ13により汲み上げ上部水槽11から、水蒸発器4の熱交換プレート32の空気通路側表面を流下させ、外気と気液接触させ原水の一部を蒸発させて、この蒸発した水分を含む湿り空気を水凝縮器5へ送風機7により供給する。次いで、一部が蒸発された原水の残りを原水槽12に回収しそれから再度上部水槽11へ戻し循環使用する(図6)。
【0049】
一方、冷凍機10の冷媒凝縮器18において加温された高温循環液を水蒸発器4の高温循環液通路30へ供給し、原水と熱交換プレートを介して間接接触させ、この原水加熱の顕熱及びその気化の潜熱の移動により若干冷却された高温循環液を冷凍機10の冷媒凝縮器21に戻して、この冷凍機10の冷媒凝縮器18で冷媒を冷却することで、自身は再び加熱され昇温した後、水蒸発器4の高温循環液通路30へ供給し循環する。
【0050】
更に冷凍機10の冷媒吸入側に接続された冷媒蒸発器19で冷却された低温循環液を水凝縮器5の低温循環液通路33へ低温循環液ポンプ27で送液し、この水凝縮器5における湿り空気通路34内に流れる湿り空気をこの低温循環液で熱交換プレート35を介して間接的に冷却し冷気とすると共に、この湿り空気中の水分を凝縮させて真水としダクト6底部で水凝縮器5の下部に形成された真水溜(図示せず)に滴下させ、ダクト外部に設けられた真水貯槽14に回収する。
【0051】
水凝縮器5を通過した水分を含む空気をエアダクト6のドーム側に形成した空気吐出口9から吐出し、空気膜構造体1の内部を外部よりも高い空気圧に保つ。
<実施例2>
第2図は本発明の一実施例を示す。本実施例は、送風・造水装置3を構成する水蒸発器4及び水凝縮器5が分離して設置されている点で実施例1と異なる。
【0052】
水凝縮器5は、送風機により駆動される湿り空気の代わりに空気膜構造体1の内部圧力を調整するために行う排気による空気膜構造体1内部の空気の気流を利用する。
【0053】
実施例2では、水蒸発器4で調製された湿り空気をそのままドーム内部に供給することになるため、空気膜構造体1への水分の供給は主として水蒸気として行われ、内部で自然に凝縮し、または植物により吸収された水分を除いた部分が水凝縮器5で回収され、灌漑等に利用することができる。
<実施例3>
本発明の一実施例を示す。本実施例は、送風・造水装置3を構成する水蒸発器4及び水凝縮器5の加熱冷却が、冷凍機10の圧縮機20を作動する冷媒で直接加熱、直接冷却すること以外は実施例1と同様である。
【0054】
水蒸発器4は、冷媒が流通する液冷媒通路21に密接して形成した熱交換プレート32と熱交換プレート32を複数枚間隔をおいて垂直に並設し、隣接する熱交換プレート間に外気通路31が形成されており、水蒸発器4の熱交換プレート32の外気通路側表面は親水性を有している(図8)。原水循環路については実施例1と同様である。
【0055】
水凝縮器5は圧縮機20で加圧・凝縮して水凝縮器4の液冷媒通路21を通った液化冷媒を毛細管23で減圧冷却したガス冷媒が流通するガス冷媒通路22に密接して形成した熱交換プレート35と、熱交換プレート35を複数枚間隔をおいて垂直に並設し、隣接する熱交換プレート間に湿り空気通路34が形成されている 。エアダクト6の底部でこの水凝縮器5の下部には真水溜(図示せず)が設けられている(図9)。
【0056】
圧縮機20には、冷媒蒸発器19(水凝縮器5)が冷媒吸入管25に連結されている。また、冷媒蒸発器19(水凝縮器5)は毛細管23を介して冷媒凝縮器18(水蒸発器4)と連結している。冷媒吐出管24は冷媒凝縮器18(水蒸発器4)と圧縮機20を連結している(図5)。
【0057】
圧縮機20は冷媒吸入管25を介して冷媒蒸発器19のガス冷媒通路22を通った低圧のガス冷媒を吸入し圧縮して高温高圧のガス冷媒とする。高温高圧のガス冷媒は冷媒吐出管24から液冷媒通路21を通って冷媒凝縮器18に導かれ熱交換プレート32を介して原水と熱交換により凝縮潜熱を放出し液化して高圧の液冷媒になる。高圧の液冷媒は毛細管23により断熱膨脹して低温低圧の液冷媒となり冷媒蒸発器19に導かれる。低温低圧の液冷媒は冷媒蒸発器19の表面をその圧力を飽和圧力とする温度に保持し、蒸発潜熟により熱交換プレート35を介して湿り空気を冷却するためにガス冷媒となり再び圧縮機20に吸引される。この時冷媒凝縮器18の下部に配置した原水槽12の原水を原水ポンプ13により吸引して上部水槽11により冷媒凝縮器18の上方から流下させる。流下された水は冷媒凝縮器18の表面を濡らしながら降下する間に冷媒の凝縮潜熱を放出している冷媒凝縮器18により加熱されて蒸発し、空気を多湿にする。
【0058】
多湿になった湿り空気は送風機7により水凝縮器5に導かれ低温の冷媒蒸発器19の熱交換プレート35の表面を通過する間に冷媒と熱交換して冷却され、空気中に含まれている水分量は冷却後の空気温度に対応する飽和水分量以上となり残余の水分は冷媒蒸発器19の表面に凝縮して順次滴下し、冷媒蒸発器19の下方に配置した真水貯槽14に集められる。
<実施例4>
本実施例の水蒸発器4を図10に示す。実施例1においては高温循環液通路30が水蒸発器の熱交換プレート32に密接して形成されているのに対し、実施例4では多数の薄板(フィン)38を垂直に並設し高温循環液通路30が貫通して形成されている点で異なっている。上部水槽11から水蒸発器4への原水の導入部には、分散板37を設けて薄板38の表面への水の展開を容易にしてある。
【0059】
また、本実施例の水凝縮器5を図11に示す。実施例1においては低温循環液通路33が水蒸発器の熱交換プレートに密接して形成されているのに対し、実施例4では多数の薄板(フィン)38を垂直に並設し低温循環液通路33が貫通して形成されている点で異なっている。
【0060】
水蒸発器4の薄板はアルミ表面に特開2007-308602明細書に記載された方法と同様の方法で親水化処理して使用した。
【0061】
風量2.2 m3/分(ダクト内風速1m/秒)、供給水量517mL/分、高温循環液温度40℃、低温循環液温度4℃、気温23℃、湿度60%(13g/m3)の時、毎時3.6kgの水がドーム内に持ち込まれた。このうち1.0kgの水が水凝縮器の下から液体の水として回収された。供給水として海水(塩素濃度18.8g/L)を用いたところ河川水レベルの塩濃度(塩素濃度0.18g/L)まで脱塩され灌漑用水として十分使用出来る水が回収された。液体および気体の形でドーム内に持ち込まれた水分量は交換空気量1回/時間としたとき、面積5千平米(体積5万立米)のドーム(奈良シクルロード博エアドーム会場規模)で換算すると年間雨量2400mm(南九州の平均雨量)に相当することを意味し、ドーム内に十分な植生を可能とする環境が形成されることを示唆するものであった。
【産業上の利用可能性】
【0062】
農耕に適した水資源入手の困難な乾燥地域や沙漠などにおいて、閉空間内に灌漑された農耕地を開発できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施例1の空気膜構造体の全体を表す概略図である。
【図2】実施例2の空気膜構造体の全体を表す概略図である。
【図3】送風・造水装置を表す概略図である。
【図4】実施例1の水蒸発器と水凝縮器の熱交換を表す概略図である。
【図5】実施例3の水蒸発器と水凝縮器の熱交換を表す概略図である。
【図6】実施例1の水蒸発器を表す概略図である。
【図7】実施例1の水凝縮器を表す概略図である。
【図8】実施例3の水蒸発器を表す概略図である。
【図9】実施例3の水凝縮器を表す概略図である。
【図10】実施例4の水蒸発器を表す概略図である。
【図11】実施例4の水凝縮器を表す概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1・・空気膜構造体 2・・ドーム 3・・送風・造水装置 4・・水蒸発器 5・・水凝縮器 6・・ダクト 7・・送風機 8・・外気取入口 9・・空気吐出口 10・・冷凍機 11・・上部水槽 12・・原水槽 13・・原水ポンプ 14・・真水貯槽 15・・原水循環路 16・・高温循環路 17・・低温循環路 18・・冷媒凝縮器 19・・冷媒蒸発器 20・・圧縮機 21・・液冷媒通路 22・・ガス冷媒通路 23・・毛細管 24・・冷媒吐出管 25・・冷媒吸入管 26・・高温循環液ポンプ 27・・低温循環液ポンプ 30・・高温循環液通路 31・・外気通路 32・・熱交換プレート(蒸発器) 33・・低温循環液通路 34・・湿り空気通路 35・・熱交換プレート(凝縮器) 37・・分散板 38・・薄板(フィン)

A・・外気 B・・湿り空気 C・・含水空気 D・・排出空気 E・・高温循環液 F・・低温循環液 G・・液冷媒 H・・ガス冷媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーム、送風機、水蒸発器及び水凝縮器を有する空気膜構造体であって、送風機により送入される膜支持用の空気を水蒸発器に通じて水分含有量を増大させた湿り空気とする手段と、空気の流れを水凝縮器に通じ、その空気から水分を真水として回収する手段とを有する、膜支持用の空気の水分含有量を外気よりも高めた空気膜構造体。
【請求項2】
ドーム、送風機、水蒸発器及び水凝縮器を有する空気膜構造体であって、送風機により送入される膜支持用の空気を水蒸発器と水凝縮器に順次通じ、水蒸発器において水分含有量を増大させた空気とする手段と、次いで水凝縮器においてその空気から水分を真水として回収する手段と、残余の水分を含む空気をドーム内部空間へ送入する手段とを有する空気膜構造体。
【請求項3】
水蒸発器において、送風機により送入される膜支持用の空気を原水と直接接触させて水分含有量を増大させるとともに使用後の原水を系外に排出するようにした請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
【請求項4】
高温循環液通路と熱交換可能に結合された熱交換プレートを介して外気通路が形成された水蒸発器が高温循環液を熱媒体としてヒートポンプの冷媒凝縮器と熱的に接続され、水蒸発器の外気通路内の熱交換プレートの表面を濡らすように原水を流下させて外気を湿り空気に変換し、低温循環液通路と熱交換可能に接続された熱交換プレートを介して湿り空気通路が形成された水凝縮器が低温循環液を熱媒体としてヒートポンプの冷媒蒸発器と熱的に接続され、湿り空気から水を凝縮させ真水として回収するようにされている請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
【請求項5】
冷媒吐出管に接続されたヒートポンプの冷媒凝縮器として外気通路が形成された水蒸発器の熱交換プレートの表面を濡らすように原水を流下させて接触させることで外気を湿り空気に変換し、冷媒吸入管に接続されたヒートポンプの冷媒蒸発器として湿り空気通路が形成された水凝縮器の表面において湿り空気から水を凝縮させて真水として回収するようにされている請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
【請求項6】
原水循環路の中間部に設けた加熱器により水蒸発器へ供給する原水又は循環原水を加熱するに際し、加熱器がヒートポンプの冷媒凝縮器であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
【請求項7】
原水循環路の中間部に設けた加熱器により水蒸発器へ供給する原水又は循環原水を加熱するに際し、加熱器がヒートポンプの冷媒凝縮器と高温循環液を介して熱的に接続していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気膜構造体。
【請求項8】
少なくとも水蒸発器の熱交換プレートの外気通路側表面が親水性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気膜構造体。
【請求項9】
空気膜構造体のドームの側壁がドームを構成する膜材により形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気膜構造体。
【請求項10】
空気膜構造体の膜がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリエステル又はフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気膜構造体。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気膜構造体を用いた灌漑方法であって、回収した真水を空気膜構造体内部の土壌の灌漑に利用することを特徴とする灌漑方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気膜構造体を用いた灌漑方法であって、空気膜構造体内部空間を植物育成に利用することを特徴とする灌漑方法。
【請求項13】
植物を育成することのできる内部空間を有するドームと、
太陽光または風力発電により発電する発電設備と、
発電設備により発電された電気エネルギーを動力源とするヒートポンプと、
塩分を含む水源から原水を採取する水源設備と、
ヒートポンプにより水を蒸発、凝縮させて水分を含んだ空気と真水を製造する送風・造水装置とからなる、
送風・造水装置で発生した水分を含んだ空気を空気膜構造体のドームの支持用空気とし、併せて、送風・造水装置で製造された真水を空気膜構造体の内部空間の灌漑に用いる灌漑システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−254974(P2009−254974A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107078(P2008−107078)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】