説明

空気調和機

【課題】空気調和対象室内の雰囲気に応じた芳香用薬剤の供給を行なうことが可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】空気清浄機100は、周囲の空間に芳香用薬剤を供給するための芳香部130と、芳香部130によって供給された芳香用薬剤を検知し、臭気を検知しない芳香用においセンサ110と、臭気を検知するための室内用においセンサ120とを備え、芳香部130は、室内用においセンサ120によって検知された臭気の量にかかわらず、芳香用においセンサ110によって検知された芳香用薬剤の量に応じて芳香用薬剤の周囲の空間への供給量を調整するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には空気調和機に関するものであり、特定的には、芳香の発生や消臭を行なうことが可能な空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、室内環境への関心が高まり、それに伴って、様々な空気調和機能を備える空気調和機が提案されている。このような機能には、例えば、消臭用薬剤を放出して室内の臭気を消失させる消臭機能や、芳香用薬剤を放出して、室内に香気を放つ芳香機能などがある。
【0003】
特開2000−121110号公報(特許文献1)に記載の空気清浄装置は臭いセンサと芳香発生装置とオゾン発生器と光触媒フィルタを備え、臭いセンサが臭いを検知すると、オゾンと光触媒によってアンモニア、アセトアルデヒド、メルカプタン等の悪臭物質が酸化分解されて空気が消臭される。その後、芳香発生装置が芳香を発生させる。芳香発生中にも、臭いセンサが臭いを検知すると、芳香の発生を停止して消臭を行なう。
【0004】
また、特開2004−141618号公報(特許文献2)には、脱臭機能部と、芳香発生部と、ニオイセンサーを備え、ニオイセンサーが臭いを検知した場合には、芳香の発生を停止して脱臭を行なう、トイレ用脱臭芳香器が記載されている。
【特許文献1】特開2000−121110号公報
【特許文献2】特開2004−141618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2000−121110号公報(特許文献1)に記載されている空気清浄装置と特開2004−141618号公報(特許文献2)に記載されているトイレ用脱臭芳香器は、空気中の臭いを一種類のセンサで検知している。臭気としてアンモニア、アセトアルデヒド、メルカプタン等の悪臭物質を、これらの物質の還元性を利用して検知するセンサは、芳香を発生させるための物質として用いられることが多いリモネンやリナロールも臭気と同様に検知してしまう。センサが検知した物質が悪臭を感じさせる物質であるのか、芳香物質であるのかを判別することができないので、芳香を発生させているときに芳香を悪臭として検知して消臭動作を行い、発生させている芳香を消臭してしまうという誤動作が引き起こされる。このような誤作動が引き起こされると、芳香用薬剤が無駄に消費されてしまう。また、悪臭と芳香の判別ができないので、発生させる芳香の強弱を制御することが困難である。
【0006】
そこで、この発明の目的は、空気調和対象室内の雰囲気に応じた雰囲気調整材の供給を行なうことが可能な空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に従った空気調和機は、周囲の空間に雰囲気調整材を供給するための雰囲気調整材供給手段と、雰囲気調整材供給手段によって供給された雰囲気調整材を検知し、臭気を検知しない第一の検知手段と、臭気を検知するための第二の検知手段とを備え、雰囲気調整材供給手段は、第二の検知手段によって検知された臭気の量にかかわらず、第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量に応じて雰囲気調整材の周囲の空間への供給量を調整するように構成されている。
【0008】
雰囲気調整材供給手段によって空気調和対象室内に雰囲気調整材が供給されると、第一の検知手段と第二の検知手段の両方が雰囲気調整材を検知する。一方、空気調和対象室内に、メルカプタンなどの臭気の原因となる悪臭物質がある場合には、第二の検知手段のみが臭気を検知する。第一の検知手段の検知結果と、第二の検知手段の検知結果とを比較することによって、悪臭物質による臭気と、雰囲気調整材とを区別して検知することができる。
【0009】
このようにして悪臭と区別して検知された雰囲気調整材の量に応じて、空気調和対象室内への雰囲気調整材の供給量を調整する。このようにすることによって、例えば、雰囲気調整材が芳香を発生させるものである場合に、芳香が強くなれば雰囲気調整材の供給量を減らしたり、芳香が弱ければ雰囲気調整材の供給量を増やしたりすることができる。
【0010】
このようにすることにより、空気調和対象室内の雰囲気に応じた雰囲気調整材の供給を行なうことが可能な空気調和機を提供することができる。
【0011】
この発明に従った空気調和機においては、雰囲気調整材供給手段は、液体の雰囲気調整材を収容するための容器と、雰囲気調整材を容器の内部から容器の外部に輸液するためのポンプと、ポンプによって容器の外部に輸液された雰囲気調整材を周囲の空間に徐放するために送風を行なう送風装置とを有することが好ましい。
【0012】
このようにすることにより、雰囲気調整材の徐放は送風装置による送風によって調整することができるので、例えば、空気調和機による空気調和対象室内への送風量を低く保ったままで、雰囲気調整材を徐放するための送風装置によって強風を発生させて雰囲気調整材を大量に供給するなど、空気調和機が発生させる空気調和対象室内への送風量に左右されない雰囲気調整材の徐放を行なうことができる。
【0013】
この発明にしたがった空気調和機においては、送風装置は、第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量が増大すれば、送風量を減少させるように構成されていることが好ましい。
【0014】
このようにすることにより、雰囲気調整材を一度に拡散させてしまうことなく、安定的に空気調和対象室内に供給することが可能になる。
【0015】
この発明に従った空気調和機においては、送風装置は、第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量が平衡状態に達した場合には送風量を増大させるように構成されていることが好ましい。
【0016】
雰囲気調整材の供給が安定的に行われると、第一の検知手段によって検知される雰囲気調整材の量は平衡状態に達する。また、送風量を増大させることによって、第一の検知手段の周囲に滞留している雰囲気調整材を拡散させることができる。
【0017】
このようにすることにより、雰囲気調整材が安定的に供給されていることが確認された後に、第一の検知手段の周囲に滞留している雰囲気調整材を拡散させて、新たに雰囲気調整材の検知をしなおすことができる。
【0018】
この発明にしたがった空気調和機においては、送風装置は、第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量が、所定の値より大きい値から減少して所定の値以下になった場合には、送風を停止するように構成されていることが好ましい。
【0019】
雰囲気調整材の供給後、時間が経過するにつれて、雰囲気調整材は雰囲気調整材供給手段から空気調和対象室内に拡散する。そのため、雰囲気調整材の供給開始からある程度の時間が経過すると、第一の検知手段によって検知される雰囲気調整材の量は、徐々に減少して、所定の値以下になる。
【0020】
そこで、第一の検知手段によって検知される雰囲気調整材の量が所定の値以下になって空気調和対象室内に雰囲気調整材を充分に拡散させたことを確認した場合に、送風を停止することによって、動作に無駄がない空気調和機を提供することができる。
【0021】
この発明に従った空気調和機においては、送風装置は、送風を停止した場合には、所定の時間送風を行なわないように構成されていることが好ましい。
【0022】
このようにすることにより、例えば、雰囲気調整材が消臭成分である場合には、雰囲気調整材が室内に充分に拡散した後の消臭効果を確認することができる。また、例えば、雰囲気調整材が芳香を発生させる場合には、連続した雰囲気調整材の放出によって使用者の鼻を疲労させることなく、雰囲気調整材による芳香を効果的に感じさせることが可能になる。
【0023】
この発明に従った空気調和機は、気体が流れる流路を備え、第一の検知手段は、流路において雰囲気調整材供給手段の下流側に配置されていることが好ましい。
【0024】
このようにすることにより、雰囲気調整材を正確に検知することができる。また、雰囲気調整材が徐放されてから検知までの間に要する時間を短くすることができる。
【0025】
この発明に従った空気調和機においては、第二の検知手段は、第一の検知手段が検知した雰囲気調整材の量が増大すれば、検知感度が低下するように構成されていることが好ましい。
【0026】
このようにすることにより、第一の検知手段の検知結果が優先されるので、雰囲気調整材の濃度が高くなっても、臭気が増したと判断されることがない。例えば、第二の検知手段の検知結果に応じて消臭を行なう空気調和機においても、雰囲気調整材の濃度が高くなったときに臭気が強くなったと誤認されて消臭が行なわれて、雰囲気調整材が無駄に消費されることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、この発明によれば、空気調和対象室内の雰囲気に応じた雰囲気調整材の供給を行なうことが可能な空気調和機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。雰囲気調整材は、芳香、殺菌、減菌、防カビ、防臭、消臭などの効果を発揮して空間内を調整することが可能な物質とする。以下の実施の形態においては、レモンやオレンジの香りとしてリモネンやリナロールなどの成分を含む芳香用薬剤を雰囲気調整材として用いる。
【0029】
図1は、この発明の一つの実施形態として、空気調和機の代表として空気清浄機の全体を概略的に示す側面断面図である。図の左側が空気清浄機の前面、右側が背面となる。空気清浄機の前面パネルは取り外されている。
【0030】
図1に示すように、空気清浄機100は、ベース107と、ベース107上に支持されている本体部101と、本体部101の内部に配置されている第一の検知手段として芳香用においセンサ110と、第二の検知手段として室内用においセンサ120と、雰囲気調整材供給手段として芳香部130と、ファン106と、消臭装置と、制御部と、本体部101の前面上部に配置されている操作パネル108とを備える。本体部101の前面には、前面のほぼ全体にわたって前面吸気口102が形成され、本体部101と前面パネルとの間には側面吸気口103が形成されている。本体部101の上面と前面上部の操作部108の下方には、それぞれ、吹出口104と吹出口105が形成されている。
【0031】
室内用においセンサ120は、酸化金属系半導体素子を利用したにおいセンサであり、芳香用においセンサ110は、光ファイバを利用したにおいセンサである。
【0032】
使用者は、操作パネル108を操作することによって、空気清浄機100の様々な運転の開始、運転の切替え、運転の停止などを制御することができる。操作パネル108には、芳香部130の駆動(ON)と駆動停止(OFF)とを切り替えるための芳香スイッチが配置されている。使用者は、芳香強度を「強」「中」「低」などから選択することができる。
【0033】
ファン106は、本体部101の背面側から前面側に向かってほぼ水平に延びる軸を中心にして、前面吸気口102に平行な面内で回転する。ファン106が回転することによって、空気清浄機100の外部の気体がファン106の軸方向に吸気され、ファン106の周方向に排気される。ファン106が回転すると、図中に二点鎖線で示す矢印Qの向きに気体が流れる。空気清浄機100の外部の気体は、前面吸気口102から本体部101の内部に吸引され、芳香用においセンサ110と室内用においセンサ120と芳香部130と消臭装置が配置されている流路として通風路を通って、吹出口104と吹出口105から排気される。
【0034】
図2は、芳香部の全体を概略的に示す図である。
【0035】
図2に示すように、芳香部130は、液体の芳香用薬剤を収容するための容器として芳香用薬剤貯蔵タンク131と、ポンプとして微少流量ポンプ132と、揮発皿133と、送風装置として芳香用ファン134と、加温装置135を有する。
【0036】
芳香用薬剤貯蔵タンク131は、吸入管136aによって微少流量ポンプ132と接続されている。芳香用薬剤貯蔵タンク131内の芳香用薬剤は、微少流量ポンプ132が駆動することによって、吸入管136aを通って微少流量ポンプ132内に吸入され、微少流量ポンプ132内から吐出管136b内に吐出され、吐出管136bの下方に配置されている揮発皿133内に滴下される。揮発皿133に滴下する芳香用薬剤の量は、微少流量ポンプ132の駆動時間や微少流量ポンプ132に印加される電圧によって調整することができる。
【0037】
揮発皿133内に滴下された芳香用薬剤は、芳香用ファン134が駆動して揮発皿133に送風することによって徐放される。徐放される芳香用薬剤の量は、揮発皿133に滴下される芳香用薬剤の量と、芳香用ファン134による送風量や芳香用ファン134の駆動時間等によって調整される。揮発皿133に滴下される芳香用薬剤が一定の量であっても、単位時間当たりに徐放させる量を少なくして一定量の徐放にかかる時間を長くさせたり、単位時間当たりに徐放させる量を多くして短時間で多量の芳香用薬剤を徐放させたりすることができる。
【0038】
揮発皿133の下方には、揮発皿133を加熱するための加温装置135が配置されている。加温装置135は、揮発皿133に埋め込まれていてもよい。加温装置135が揮発皿133を加熱することによって、芳香用薬剤の徐放を促進することができる。また、加温装置135の温度を変化させることによって、徐放の速度を調整することができる。
【0039】
芳香部130から徐放された芳香用薬剤は、図1に一点鎖線の矢印Rで示す向きに、上向きに流れて、芳香用においセンサ110を通って吹出口104と吹出口105から空気清浄機100の外部に放出される。
【0040】
図3は、室内用においセンサの概略的な全体を示す図である。図3の(A)は、室内用においセンサの上面図、図3の(B)は室内用においセンサの底面図である。
【0041】
図3の(A)に示すように、室内用においセンサ120においては、アルミナ基板121の上面に酸化物半導体として酸化錫(SnO)で形成された感ガス素子122と電極123が配置されている。
【0042】
図3の(B)に示すように、室内用においセンサ120の底面には、加熱用のヒータ125とリード線124が取り付けられている。
【0043】
感ガス素子122の表面には、酸素が吸着している。感ガス素子122の表面に吸着している酸素の電子親和力によって、感ガス素子122を流れる電子が酸素に捉えられ、感ガス素子122中の電子の流れが妨げられるので、酸素が吸着した状態の感ガス素子122の電気抵抗は、酸素が吸着していない状態の感ガス素子122の電気抵抗よりも大きい。
【0044】
酸素が吸着した感ガス素子122に、悪臭物質であるメルカプタンなどの還元性ガスが吸着すると、感ガス素子122の表面において還元性ガスが酸素と反応する酸化反応が起きて酸素が感ガス素子122の表面から除去される。感ガス素子122の表面から酸素が除去されると、電子が感ガス素子122の表面を移動しやすくなるので、感ガス素子122の電気抵抗が小さくなる。
【0045】
このように、感ガス素子122の表面に吸着した還元性ガスの濃度に対応して電極123間の電気抵抗が変化するので、室内用においセンサ120は、この電気抵抗を電圧に変換して、電圧を測定することによって感ガス素子122に吸着した還元性ガスの量を検知する。
【0046】
図4は、芳香用においセンサの概略的な全体を示す図である。図4の(A)は、芳香用においセンサの正面図、図4の(B)は、芳香用においセンサの検出部の断面図である。
【0047】
図4の(A)に示すように、芳香用においセンサ110は、発光ダイオードなどの光源111と、光を検知するためのデジタルメータ112と、光電子増倍管113と、検知部114を有する。光源111とデジタルメータ112は、それぞれ光ファイバ115と光ファイバ116に接続されている。光ファイバ115と光ファイバ116のそれぞれの一方の端部は、光源111またはデジタルメータ112に接続され、光ファイバ115と光ファイバ116のそれぞれの他方の端部は、ひとつにまとめられて、光ファイバ117を介して検知部114に接続されている。光ファイバ116においては、中間部に、光電子増倍管113が配置されている。
【0048】
図4の(B)に示すように、検知部114においては、光ファイバ117の外周面にポリスチレン薄膜118が塗布され、光ファイバ117の端面には、金属が蒸着されて金属膜119が形成されている。
【0049】
図4の(A)に示す光源111から出た光は、光ファイバ115、光ファイバ117を通って検知部114に入射し、図4の(B)中に二点鎖線の矢印Pで示すように、金属膜119で反射して、光ファイバ117、光ファイバ116を通って、光電子増倍管113に入射する。光電子増倍管113は、入射した光を増幅する。光電子増倍管113で増幅された光はデジタルメータ112に入射する。
【0050】
芳香用薬剤に含まれてオレンジやレモンの香りを感じさせるリモネンは、ポリスチレンを溶解する。芳香用においセンサ110の検知部114に、芳香用薬剤に含まれるリモネンが付着すると、リモネンがポリスチレン膜118を溶解し、リモネンはポリスチレン膜118に吸着される。リモネンを吸着したポリスチレン膜118は、屈折率が変化するので、光ファイバ117を通る光の反射量が変化して、リモネンがポリスチレン膜118に吸着される前と後とでデジタルメータ112に検知される光の量が変化する。また、ポリスチレン膜118に吸着されたリモネンの量によっても、デジタルメータ112に検知される光の量が変化する。
【0051】
芳香を感じさせる成分であるリモネンはポリスチレンを溶解するが、悪臭物質であるメルカプタン等はポリスチレンを溶解させない。したがって、芳香用においセンサ110は、芳香成分のみを選択的に検出することができる。
【0052】
図5は、この発明の一つの実施形態にかかる空気清浄機の制御関連の構成を示すブロック図である。
【0053】
図5に示すように、空気清浄機100の制御部150は、芳香部130の微少流量ポンプ132と芳香用ファン134と加温装置135と、空気清浄部160の消臭装置161とファン106とに制御信号を送信し、操作パネル108から制御信号を受信する。また、制御部150は芳香用においセンサ110と室内用においセンサ120と制御信号の送受信を行う。空気清浄部160と芳香部130は、それぞれ独立に制御される。
【0054】
使用者が操作パネル108の芳香スイッチをONにすると、制御部150が、微少流量ポンプ132と芳香用ファン134と加温装置135に、駆動を開始させるための制御信号を送信する。制御部150が送信した制御信号を受信した微少流量ポンプ132は、駆動を開始し、芳香用薬剤貯蔵タンク131内の芳香用薬剤が揮発皿133に輸液される。芳香部130の動作中には、芳香用においセンサ110がにおいを検知している。
【0055】
芳香用においセンサ110と室内用においセンサ120は、それぞれが検知したにおいの程度に応じて、制御部150に制御信号を送信する。芳香用においセンサ110と室内用においセンサ120から制御信号を受信した制御部150は、室内用においセンサ120によって検知されたにおいの程度と、芳香用においセンサ110によって検知されたにおいの程度とを比較して、消臭すべき悪臭の程度を判別する。このようにして判別された悪臭の程度に応じて空気清浄部160のファン106を動作させるように制御部150がファン106を制御して、活性炭フィルタなどの消臭装置に通風することによって、空気調和対象室内の空気を清浄化する。
【0056】
図6は、芳香用においセンサによって検知される芳香の強さの時間変化(A)、微少流量ポンプの動作の時間変化(B)、芳香用ファンの動作の時間変化(C)、加温装置の動作の時間変化(D)の一つの例を示す図である。
【0057】
図6に示すように、使用者が操作パネル108の芳香スイッチをONにすると、制御部150は、芳香用薬剤が揮発皿133に一定量吐出されるように微少流量ポンプ132を制御する。制御部150は、微少流量ポンプ132に制御信号を送信した後、芳香用ファン134に制御信号を送信して、芳香用ファン134の駆動を開始させるように制御する。微少流量ポンプ132は、動作の確認信号を制御部150に送信し、制御部150はこの確認信号を受信した後に芳香用ファン134に制御信号を送信してもよい。また、制御部150は、加温装置135にも制御信号を送信して、揮発皿133の加熱を開始するように制御する。芳香用ファン134と加温装置135が駆動すると、揮発皿133の芳香用薬剤が加熱徐放される。芳香用においセンサ110は、においの検知を開始し、芳香用薬剤の芳香強度を監視する。
【0058】
芳香用においセンサ110によって検知されるにおいの強度は、芳香用薬剤の徐放開始直後には強レベルを示し、その後、徐々に低下傾向を示す。芳香用においセンサ110によるにおいの検知レベルが低下し始めると、制御部150は、芳香用ファン134が徐々に送風量を多くするように制御する。芳香用においセンサ110によって検知されるにおいのレベル、すなわち、空気中の芳香用薬剤の濃度が低下するとともに送風量を多くすることによって、使用者が芳香を長く安定的に感じるように、芳香用薬剤を徐放することが可能になる。
【0059】
ある程度の時間が経過して、芳香用薬剤が充分に揮発すると、検知されるにおいは中レベルで平衡する。芳香用においセンサ110の検知部114には芳香用薬剤が付着しているので、検知部114をクリーニングするために、制御部150は、芳香用ファン134の送風量を上げて強い送風を行なうように制御する。芳香用においセンサ110の検知部114に付着したにおい物質が送風によって除去されることによって、検知されるにおいが低レベルまで下がる。
【0060】
さらに時間が経過して、芳香用においセンサ110によって検知されるにおいがある一定のレベル以下になると、制御部150が、芳香用ファン134による送風を停止するように制御する。芳香用においセンサ110が検知するにおいの量が、ほぼ初期状態になっていることが検知された上で芳香用ファン134の送風による芳香用薬剤の徐放を終了するので、揮発皿133に輸液された薬剤を充分に徐放することができる。
【0061】
芳香用ファン134の動作が停止すると同時に、制御部150は、加温装置135の駆動を停止するように制御して、芳香部130の駆動制御を終了する。
【0062】
制御部150は、芳香部130の駆動制御の終了後には、一定時間、芳香部130の駆動を行なわないように制御する。このようにすることにより、芳香用においセンサ110の検知部114に付着した芳香用薬剤をより確実に除去することができるので、芳香用においセンサ110の検出値を初期状態に戻すことができる。
【0063】
このように、空気清浄機100においては、芳香用ファン134は、芳香用においセンサ110によって検知された芳香用薬剤の量が増大すれば、送風量を減少させるように構成されている。
【0064】
このようにすることにより、芳香用薬剤を一度に拡散させてしまうことなく、安定的に空気調和対象室内に供給することが可能になる。
【0065】
またこのように、空気清浄機100においては、芳香用ファン134は、芳香用においセンサ110によって検知された芳香用薬剤の量が平衡状態に達した場合には送風量を増大させるように構成されている。
【0066】
芳香用薬剤の供給が安定的に行われると、芳香用においセンサ110によって検知される芳香用薬剤の量は平衡状態に達する。また、送風量を増大されることによって、芳香用においセンサ110の周囲に滞留している芳香用薬剤を拡散させることができる。
【0067】
このようにすることにより、芳香用薬剤が安定的に供給されていることが確認された後に、芳香用においセンサ110の周囲に滞留している芳香用薬剤を拡散させて、新たに芳香用薬剤の検知をしなおすことができる。
【0068】
またこのように、空気清浄機100においては、芳香用ファン134は、芳香用においセンサ110によって検知された芳香用薬剤の量が、所定の値より大きい値から減少して所定の値以下になった場合には、送風を停止するように構成されている。
【0069】
芳香用薬剤の供給後、時間が経過するにつれて、芳香用薬剤は芳香部130から空気調和対象室内に拡散する。そのため、芳香用薬剤の供給開始からある程度の時間が経過すると、芳香用においセンサ110によって検知される芳香用薬剤の量は、徐々に減少して、所定の値以下になる。
【0070】
そこで、芳香用においセンサ110によって検知される芳香用薬剤の量が所定の値以下になって空気調和対象室内に芳香用薬剤を充分に拡散させたことを確認した場合に、送風を停止することによって、動作に無駄がない空気清浄機100を提供することができる。
【0071】
図7は、芳香用においセンサによって検知される芳香の強さの時間変化(A)、微少流量ポンプの動作の時間変化(B)、芳香用ファンの動作の時間変化(C)、加温装置の動作の時間変化(D)のもう一つの例を示す図である。
【0072】
図7に示すように、使用者が操作パネル108の芳香スイッチをONにすると、制御部150は、芳香用薬剤が揮発皿133に一定量吐出されるように微少流量ポンプ132を制御する。制御部150は、微少流量ポンプ132に制御信号を送信した後、芳香用ファン134に制御信号を送信して、芳香用ファン134の駆動を開始させるように制御する。微少流量ポンプ132は、動作の確認信号を制御部150に送信し、制御部150はこの確認信号を受信した後に芳香用ファン134に制御信号を送信してもよい。また、制御部150は、加温装置135にも制御信号を送信して、揮発皿133の加熱を開始するように制御する。芳香用ファン134と加温装置135が駆動すると、揮発皿133の芳香用薬剤が加熱徐放される。芳香用においセンサ110は、においの検知を開始し、芳香用薬剤の芳香強度を監視する。
【0073】
芳香用ファン134の送風については、制御部150は、芳香用ファン134が強い送風を行なうように芳香用ファン134を制御する。このようにして、芳香用ファン134による送風の風量と風速を大きくして、揮発皿133中の芳香用薬剤を短時間で徐放する。
【0074】
芳香用においセンサ110は、徐放開始直後に芳香用薬剤によるにおいを検知するが、強い送風によって芳香用薬剤が徐放されるので、検知されるにおいのレベルは短時間で低下する。
【0075】
芳香用においセンサ110によって検知されるにおいが一定の程度以下になると、制御部150は、芳香用ファン134と加温装置135の駆動を停止するように制御する。
【0076】
制御部150は、芳香用ファン134が停止してから一定時間が経過した後に、再び微少流量ポンプ132と芳香用ファン134と加温装置135を駆動させるように制御を行う。その後、芳香用においセンサ110によって検知されるにおいの強度が一定のレベルよりも低くなれば芳香用ファン134と加温装置135の駆動を停止させるように制御する。制御部150は、このように、一定時間ごとに、微少流量ポンプ132と芳香用ファン134と加温装置135の駆動と駆動停止とを繰り返すように制御を行う。
【0077】
この制御は、使用者が芳香強度の「強」レベルを選択した場合に行なってもよい。
【0078】
このように、空気清浄機100においては、芳香用ファン134は、送風を停止した場合には、所定の時間送風を行なわないように構成されている。
【0079】
このようにすることにより、例えば、芳香用薬剤が消臭成分である場合には、芳香用薬剤が室内に充分に拡散した後の消臭効果を確認することができる。また、例えば、芳香用薬剤が芳香を発生させる場合には、連続した芳香用薬剤の放出によって使用者の鼻を疲労させることなく、芳香用薬剤による芳香を効果的に感じさせることが可能になる。
【0080】
図8は、室内用においセンサの検知感度の時間変化(A)、芳香用においセンサの検知感度の時間変化(B)、微少流量ポンプの動作の時間変化(C)、芳香用ファンの動作の時間変化(D)の一つの例を示す図である。
【0081】
図8に示すように、使用者が操作パネル108の芳香スイッチをONにしていない状態では、室内用においセンサ120の検知感度が強い状態になるように制御され、芳香用においセンサ110の検知感度が低い状態、すなわち、スタンバイ状態あるように制御されている。
【0082】
使用者が芳香スイッチをONにしていない状態であっても、空気清浄機100においては、制御部150が、室内用においセンサ120によって検知されたにおいの程度に応じて空気清浄部160のファン106を動作させるようにファン106を制御して、空気調和対象室内の空気を清浄化している。
【0083】
使用者が操作パネル108の芳香スイッチをONにすると、制御部150は、芳香用薬剤が揮発皿133に一定量、吐出されるように微少流量ポンプ132を制御する。制御部150は、微少流量ポンプ132に制御信号を送信した後、芳香用ファン134に制御信号を送信して、芳香用ファン134の駆動を開始させるように制御する。芳香用ファン134が駆動すると、揮発皿133の芳香用薬剤が徐放される。
【0084】
制御部150は、使用者が操作パネル108の芳香スイッチをONにすると、芳香用においセンサ110の感度を上げて、芳香用薬剤が検出されやすくなるように制御する。芳香用においセンサ110は、においの検知を開始し、芳香用薬剤の芳香強度を監視する。また、制御部150は、室内用においセンサ120の感度を下げて、感度が低い状態、すなわち、スタンバイ状態で待機させるように制御する。
【0085】
ある程度の時間が経過して、芳香用においセンサ110によって検知されるにおいのレベルが上昇すると、制御部150は、室内用においセンサ120の検知感度を上げるように制御する。室内用においセンサ120は、室内のにおいの検知を行なう。
【0086】
さらに時間が経過して、揮発皿133中に輸液された芳香用薬剤が十分に徐放されて、空気調和対象室内に芳香用薬剤が充分に拡散されたと制御部150が判断すると、制御部150は、芳香用においセンサ110の感度を徐々に低下させるように制御し、室内用においセンサ120の感度を上げるように制御する。芳香部130が次に駆動するまでは、芳香用においセンサ110の検知感度はスタンバイの状態であり、室内用においセンサ120は検知感度が強い状態である。制御部150は、空気清浄機100が空気清浄運転を継続するように空気清浄部160を制御する。
【0087】
このように、芳香用においセンサ110によって検知される芳香の程度に対応して、芳香用においセンサ110と室内用においセンサ120の感度を変えるように制御を行い、それぞれのセンサについて必要最小限の駆動をさせることによって、それぞれのセンサの劣化を抑えて長期間使用することができる。
【0088】
このように、空気清浄機100においては、室内用においセンサ120は、芳香用においセンサ110が検知した芳香用薬剤の量が増大すれば、検知感度が低下するように構成されている。
【0089】
このようにすることにより、芳香用においセンサ110の検知結果が優先されるので、芳香用薬剤の濃度が高くなっても、臭気が増したと判断されることがない。例えば、室内用においセンサ120の検知結果に応じて消臭を行なう空気清浄機100においても、芳香用薬剤の濃度が高くなったときに臭気が強くなったと誤認されて消臭が行なわれて、芳香用薬剤が無駄に消費されることを防ぐことができる。
【0090】
このように、空気清浄機100は、周囲の空間に芳香用薬剤を供給するための芳香部130と、芳香部130によって供給された芳香用薬剤を検知し、臭気を検知しない芳香用においセンサ110と、臭気を検知するための室内用においセンサ120とを備え、芳香部130は、室内用においセンサ120によって検知された臭気の量にかかわらず、芳香用においセンサ110によって検知された芳香用薬剤の量に応じて芳香用薬剤の周囲の空間への供給量を調整するように構成されている。
【0091】
芳香部130によって空気調和対象室内に芳香用薬剤が供給されると、芳香用においセンサ110と室内用においセンサ120の両方が芳香用薬剤を検知する。一方、空気調和対象室内に、メルカプタンなどの臭気の原因となる悪臭物質がある場合には、室内用においセンサ120のみが臭気を検知する。芳香用においセンサ110の検知結果と、室内用においセンサ120の検知結果とを比較することによって、悪臭物質による臭気と、芳香用薬剤とを区別して検知することができる。
【0092】
このようにして悪臭と区別して検知された芳香用薬剤の量に応じて、空気調和対象室内への芳香用薬剤の供給量を調整する。このようにすることによって、例えば、芳香用薬剤が芳香を発生させるものである場合に、芳香が強くなれば芳香用薬剤の供給量を減らしたり、芳香が弱ければ芳香用薬剤の供給量を増やしたりすることができる。
【0093】
このようにすることにより、空気調和対象室内の雰囲気に応じた芳香用薬剤の供給を行なうことが可能な空気清浄機100を提供することができる。
【0094】
空気清浄機100においては、芳香部130は、液体の芳香用薬剤を収容するための芳香用薬剤貯蔵タンク131と、芳香用薬剤を芳香用薬剤貯蔵タンク131の内部から芳香用薬剤貯蔵タンク131の外部に輸液するための微少流量ポンプ132と、微少流量ポンプ132によって芳香用薬剤貯蔵タンク131の外部に輸液された芳香用薬剤を周囲の空間に徐放するために送風を行なう芳香用ファン134とを有する。
【0095】
このようにすることにより、芳香用薬剤の徐放は芳香用ファン134による送風によって調整することができるので、例えば、空気清浄機100による空気調和対象室内への送風量を低く保ったままで、芳香用薬剤を徐放するための芳香用ファン134によって強風を発生させて芳香用薬剤を大量に供給するなど、空気清浄機100が発生させる空気調和対象室内への送風量に左右されない芳香用薬剤の徐放を行なうことができる。
【0096】
空気清浄機100は、気体が流れる通風路を備え、芳香用においセンサ110は、通風路において芳香部130の下流側に配置されている。
【0097】
このようにすることにより、芳香用薬剤を正確に検知することができる。また、芳香用薬剤が徐放されてから検知までの間に要する時間を短くすることができる。
【0098】
以上の実施の形態では、空気清浄機100は、芳香用薬剤を徐放するための芳香用ファン134を空気清浄部160のファン106とは別に備えているが、空気清浄部160のファン106が芳香用薬剤の徐放を行なうファンを兼ねてもよく、空気清浄機100の各部材は、この実施の形態に限られるものではなく、上記の制御がされればよい。また、空気調和機として空気清浄機を用いたが、空気調和対象室内に送風をすることができる機器の全般において同様の制御を行なうことが可能である。
【0099】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】この発明の一つの実施形態として、空気調和機の代表として空気清浄機の全体を概略的に示す側面断面図である。
【図2】芳香部の全体を概略的に示す図である。
【図3】室内用においセンサの概略的な全体を示す図である。図3の(A)は、室内用においセンサの上面図、図3の(B)は室内用においセンサの底面図である。
【図4】芳香用においセンサの概略的な全体を示す図である。図4の(A)は、芳香用においセンサの正面図、図4の(B)は、芳香用においセンサの検出部の断面図である。
【図5】この発明の一つの実施形態にかかる空気清浄機の制御関連の構成を示すブロック図である。
【図6】芳香用においセンサによって検知される芳香の強さの時間変化(A)、微少流量ポンプの動作の時間変化(B)、芳香用ファンの動作の時間変化(C)、加温装置の動作の時間変化(D)の一つの例を示す図である。
【図7】芳香用においセンサによって検知される芳香の強さの時間変化(A)、微少流量ポンプの動作の時間変化(B)、芳香用ファンの動作の時間変化(C)、加温装置の動作の時間変化(D)のもう一つの例を示す図である。
【図8】室内用においセンサの検知感度の時間変化(A)、芳香用においセンサの検知感度の時間変化(B)、微少流量ポンプの動作の時間変化(C)、芳香用ファンの動作の時間変化(D)の一つの例を示す図である。
【符号の説明】
【0101】
100:空気清浄機、110:芳香用においセンサ、120:室内用においセンサ、130:芳香部、131:芳香用薬剤貯蔵タンク、132:微少流量ポンプ、134:芳香用ファン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の空間に雰囲気調整材を供給するための雰囲気調整材供給手段と、
前記雰囲気調整材供給手段によって供給された雰囲気調整材を検知し、臭気を検知しない第一の検知手段と、
臭気を検知するための第二の検知手段とを備え、
前記雰囲気調整材供給手段は、前記第二の検知手段によって検知された臭気の量にかかわらず、前記第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量に応じて雰囲気調整材の周囲の空間への供給量を調整するように構成されている、空気調和機。
【請求項2】
前記雰囲気調整材供給手段は、液体の雰囲気調整材を収容するための容器と、雰囲気調整材を前記容器の内部から前記容器の外部に輸液するためのポンプと、前記ポンプによって前記容器の外部に輸液された雰囲気調整材を周囲の空間に徐放するために送風を行なう送風装置とを有する、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記送風装置は、前記第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量が増大すれば、送風量を減少させるように構成されている、請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記送風装置は、前記第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量が平衡状態に達した場合には送風量を増大させるように構成されている、請求項2または請求項3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記送風装置は、前記第一の検知手段によって検知された雰囲気調整材の量が、所定の値より大きい値から減少して所定の値以下になった場合には、送風を停止するように構成されている、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記送風装置は、送風を停止した場合には、所定の時間送風を行なわないように構成されている、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
気体が流れる流路を備え、
前記第一の検知手段は、前記流路において前記雰囲気調整材供給手段の下流側に配置されている、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記第二の検知手段は、前記第一の検知手段が検知した雰囲気調整材の量が増大すれば、検知感度が低下するように構成されている、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の空気調和機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−215781(P2008−215781A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57958(P2007−57958)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】