空気調和機
【課題】フィルター裏面への塵埃の侵入を抑制することができる空気調和機を提供すること。
【解決手段】本発明の空気調和機は、フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、念入りモードは標準モードに比べてフィルターの清掃時間を長くしたことにより、使用状況に応じてユーザーが選択することができ、より使用環境に即した自動掃除機能を実現することができる。
【解決手段】本発明の空気調和機は、フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、念入りモードは標準モードに比べてフィルターの清掃時間を長くしたことにより、使用状況に応じてユーザーが選択することができ、より使用環境に即した自動掃除機能を実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動でフィルターの掃除を行う自動掃除機能を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フィルターの掃除を自動で行う自動掃除機能を備えた空気調和機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−263984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エアコンの使用環境は各家庭によって異なり、油分を多く含んだ塵埃や、砂塵を多く含んだ塵埃など、フィルターに付着する塵埃の種類は様々である。このように様々な塵埃が存在する中、塵埃の種類によっては自動掃除を繰り返すとフィルターに塵埃が押し付けられ、フィルターで塵埃が濾されてフィルターの裏面に入り込んでしまうという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、フィルター裏面への塵埃の侵入を抑制することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の空気調和機は、フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、念入りモードは標準モードに比べてフィルターの清掃時間を長くしたことにより、使用状況に応じてユーザーが選択することができ、より使用環境に即した自動掃除機能を実現することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルター裏面への塵埃の侵入を抑制することができる空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1における室内機の外観斜視図および要部構成図
【図2】同実施の形態1における空気調和機の冷凍サイクルの構成概略図
【図3】同実施の形態1における掃除機構の模式図
【図4】同実施の形態1における掃除機構の状態図
【図5】同実施の形態1における全面掃除時の掃除機構の状態図
【図6】同実施の形態1における運転状況と掃除機構の駆動回数との対応関係図
【図7】同実施の形態1における掃除機構の状態図
【図8】同実施の形態1における標準モードのイメージ図
【図9】同実施の形態1における念入りモードのイメージ図
【図10】同実施の形態1における掃除機構の上限値規定図
【図11】(a)同実施の形態1における表示部の構成図(b)同実施の形態1における表示部の構成図
【図12】(a)同実施の形態1における表示板23の状態図(b)同実施の形態1における標準モード時の表示板23の状態図(c)同実施の形態1における念入りモード時の表示板23の状態図
【図13】同実施の形態1におけるXX断面図
【図14】本発明の実施の形態2における掃除機構の模式図
【図15】同実施の形態2におけるY方向の要部拡大図
【図16】同実施の形態2における全面掃除時の掃除機構の状態図
【図17】同実施の形態2における運転状況とエアフィルターの駆動回数との対応関係図
【図18】同実施の形態2におけるエアフィルターの駆動回数の上限値規定図
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明の空気調和機は、フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、念入りモードは標準モードに比べてフィルターの清掃時間を長くしたことにより、使用状況に応じてユーザーが選択することができ、より使用環境に即した自動掃除機能を実現することができる。
【0010】
第2の発明の空気調和機は、特に第1の発明に記載の空気調和機を操作するリモコン装置を備え、リモコン装置で標準モードと念入りモードとを切換可能に構成したことにより、ユーザーが簡単に切り換えることができる。
【0011】
第3の発明の空気調和機は、特に第2の発明において、リモコン装置に運転情報を表示する表示部を備え、念入りモードを選択した場合には表示部に念入りモードを選択していることが分かる表示を行うことにより、自動掃除時間が長いことにユーザーが不信感を持たないようにすることができる。
【0012】
第4の発明の空気調和機は、自動掃除機能は、フィルターの前面側を掃除機構が駆動して塵埃を除去する構成、もしくはフィルターの前面側に掃除機構を配しフィルター自身が駆動することによって塵埃を除去する構成のいずれかで構成し、念入りモードを選択した場合には、掃除機構の駆動時間もしくはフィルターの駆動時間を、標準モードに比べて長くすることにより、自動掃除機能の形態に合わせて使用環境に即した自動掃除運転を実現することができる。
【0013】
第5の発明の空気調和機は、特に第1から第4のいずれかの発明において、念入りモードを選択時の掃除機構またはフィルターの駆動回数は、標準モード時の掃除機構またはフィルターの駆動回数の整数倍としたことにより、簡単な構成で実現することができる。
【0014】
第6の発明の空気調和機は、特に第5の発明において、掃除機構またはフィルターの駆動回数に上限回数を設け、念入りモード選択時の掃除機構またはフィルターの駆動回数が上限回数を超える場合は、掃除機構またはフィルターの駆動回数は上限回数とすることにより、清掃時間が長いことにユーザーが不信感を持たないようにすることができる。
【0015】
第7の発明の空気調和機は、標準モード選択時の掃除機構またはフィルターの駆動回数は、第5または第6の発明の空気調和機の運転時間に応じて決定されることにより、フィルターの汚れ具合に応じた最適な自動掃除運転を行うことができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における室内機の外観斜視図および要部構成図、図2は空気調和機の冷凍サイクルの構成概略図である。本実施の形態における空気調和機は、室内に設置される室内機1と、室外に設置される室外機2とを冷媒配管3で接続することによって構成されている。
【0018】
室内機1には、室内空気と冷媒とが熱交換を行う室内熱交換器5と、室内熱交換器5での熱交換を促進し室内へ送風するための室内送風ファン6を備える。また、室内温度を検出する室内温度検出手段である温度センサ7と、室内湿度を検出する室内湿度検出手段である湿度センサ8とを備える。
【0019】
室外機2には、室外空気と冷媒とが熱交換を行う室外熱交換器9と、室外熱交換器9での熱交換を促進し送風する室外ファン10と、冷媒を圧縮し高温冷媒を吐出する圧縮機11と、冷媒の流路の順逆を切り換える四方弁12と、冷媒を減圧する減圧装置13を備える。
【0020】
そして、冷房運転時には、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器9、減圧装置13、室内熱交換器5、四方弁12、圧縮機11の順に冷媒が流れるように冷凍サイクルが構成され、暖房運転時には四方弁12を切り換えることによって冷媒の流路が逆となる。
【0021】
また、室内機1の正面側には空調運転時に開き、空調運転停止時に閉まる正面パネル20と、室内へ送風を行う吹き出し口21と、吹き出し口21からの風の風向を上下に変更させる上下羽根22と、吹き出し口21からの風の風向を左右に変更させる左右羽根(図示せず)とを備える。
【0022】
また、室内機1の室内熱交換器5に流れ込む気流の上流側には、室内熱交換器5への不純物を防ぐエアフィルター5aと、エアフィルター5a上に堆積した塵埃を自動的に除去する掃除機構5bとを有する。そして、室内送風ファン6を駆動することによって、図2の点線矢印で示す気流6aが発生し、エアフィルター5aを通過した後、室内熱交換器5で冷媒と室内空気とが熱交換をして室内へ吹き出される。
【0023】
また、室内機1には正面パネル20が開いたときにユーザーが視認できる箇所に、運転状況等を表示する表示板23を設けている。
【0024】
また、室内機1へ運転指示を行うリモコン装置30を備え、リモコン装置30には運転情報やその他情報を表示する表示部31と、設定の変更や指示を行う操作部32とを備える。なお、操作部32は複数のボタンで構成されている。
【0025】
リモコン装置30では、冷房運転や暖房運転の指示、基準室内設定温度を設定することができ、通常の空調運転では、基準室内設定温度となるように空調運転が実施される。
【0026】
以上のように構成された空気調和機において、次に、本実施の形態の空気調和機が有する自動掃除機能について説明する。
【0027】
本実施の形態における空気調和機は、掃除機構5bによってエアフィルター5aを自動的に掃除する自動掃除機能を有している。
【0028】
図3は、掃除機構5bの一例を示した模式図である。図3に示すように、本実施の形態における掃除機構5bは、エアフィルター5aの前面側に左右に駆動するノズル5cと、ノズルでエアフィルター5aと対向する側に設けた吸引口5dと、ノズル5cを左右に駆動する駆動機構5eで構成される。
【0029】
なお、駆動機構5eはモータやギア等で構成され、吸引口5dから塵埃を吸い取る吸引力を発生させるファンなども別途備える。さらに、吸引口5dから吸い取った塵埃はノズル5cの内部に堆積させるように構成しても良いし、吸引口5dが屋外と連通する排気ホースに繋がっていて、塵埃を屋外に排出するように構成してもよい。
【0030】
そして、自動掃除機能が有効になっているときは、所定の条件を満たしたときに自動掃除運転が開始される。エアフィルター5aの自動掃除が開始されると、ノズル5cが左右方向に駆動する動きと、吸引口5dが上下方向に駆動する動きで自動掃除が行われる。図3にはそれぞれの動きを矢印で示す。なお、ここでいう所定の条件とは、リモコン装置30で設定された条件によって決定される条件をいう。
【0031】
図4は、自動掃除機能の状態の一例を示すものであり、ルートEに吸引口5dが位置した状態を示している。図4に示すように、ルートEに吸引口5dがある状態で、ノズル5cが左右方向に駆動すると、ルートEの左右に水平方向の掃除が実施される。そして、ルートEの掃除が完了すると、吸引口5dが上下に駆動して、その他のルートの掃除を行う。
【0032】
なお、図3にはルートA〜Iの9ルートを設定しているが、これに限定されることはなく、エアフィルター5aの大きさによってルート数を増減させてもよい。また、本実施の形態では左から右方向、さらに右から左方向に往復駆動することによって、そのルートの掃除完了としている。
【0033】
図5は、エアフィルター5aを全面掃除する際の動きを示した図である。図5に示すように、エアフィルター5aを全面掃除する場合には、ルートAにおいて左から右方向、さらに右から左方向へ往復して掃除を行った後、ルートBに吸引口を動かして、右から左方向、さらに左から右方向へ掃除を行う。
【0034】
これを順次繰り返し、ルートIまで全てのルートを掃除することによって全面掃除が完了する。なお、図5には、ルートA→ルートB→ルートC→ルートD→ルートE→ルートF→ルートG→ルートH→ルートIの順で全面掃除を行っている図を示すが、ルートの選定はランダムに選定されても良く、全面掃除の場合に、全てのルートを掃除するという条件を満たしていれば、ルートAの次にルートCを掃除しても良い。また、本実施の形態では左端が掃除開始(ノズル5cの駆動開始)の起点としたが、無論、右端が掃除開始の起点としてもよい。
【0035】
次に、自動掃除機能の標準モードと念入りモードについて説明する。本実施の形態では、リモコン装置30の操作部32を操作することによって、エアフィルター5aの掃除を行う標準モードと、標準モードよりも掃除頻度を上げた念入りモードの2種類が切換可能になっている。
【0036】
このように構成することによって、使用環境に応じてユーザー自身が設定することができるので、より使用環境に即した自動掃除運転を行うことができ、エアフィルター5aの裏面へ塵埃が侵入してしまうことを防ぐことができ、リモコン装置30のような通常ユーザーが運転の設定等を行う機器で切り換えることができるので、ユーザーは簡単に自動掃除機能のモードを変更することができる。
【0037】
まず、標準モードについて説明する。標準モードでは、運転状況に基づいてノズル5cの左右方向に駆動する回数を決定する。なお、運転状況とは空気調和機の運転時間や、冷房運転や暖房運転の種類などで構成され、運転状況とノズル5cの駆動回数との対応関係
が予め設定されており、その運転状況を満たした場合にノズル5cの駆動回数が決定されるようになっている。
【0038】
図6は、運転状況とノズル5cの駆動回数との対応関係を示した図である。本実施の形態では、冷房運転時と暖房運転時で回数を異ならせ、かつ、空調運転の累積運転時間に応じて、ノズル5cの駆動回数が決定されるようにしている。なお、図6に示す対応関係は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。すなわち、ノズル5cの駆動回数の決定方法は、システムに応じて適宜変更可能である。
【0039】
ただし、本実施の形態のように累積運転時間が多くなるほど、塵埃がより多く堆積しているという状況が想定されるために、累積運転時間が多くなるほど、ノズル5cの駆動回数を多くすることで、エアフィルター5aの塵埃を適切に除去することができる。
【0040】
図6のような条件のもとで、例えば、ノズル5cの駆動回数が2回と決定された場合、ルートB〜Iの中から2つのルートがランダムもしくは所定のルールに従って選択される。ここでルートC、ルートEが選択された場合、図7に示すようにルートA→ルートC→ルートEの順で順次掃除される。なお、ルートA、ルートC、ルートEの掃除の順番はどのような順番でもよい。なお、毎回の自動掃除運転終了後は、吸引口はルートAに戻り、毎回の掃除運転はルートAから開始する。よって、毎回の自動掃除運転時にはルートAは必ず実施し、図6で決定されたノズル駆動回数には、ルートAの駆動回数は入らない。
【0041】
そして、次回の運転で再度ノズル5cの駆動回数が決定されるが、次回の運転で選択されるルートは、前回の自動掃除運転時に選択されていないルートとしている。これは前回の運転のルートと重複しないためである。
【0042】
例えば、前回の運転でルートA、ルートC、ルートEを選択しており、次の運転でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合には、ルートC、ルートE以外のルートから4ルート選択する必要がある。
【0043】
以上のように、ルートの選定を繰り返すことによって、最終的にエアフィルター5aの全面を掃除することになる。
【0044】
さらに本実施の形態では、エアフィルター5aの全面掃除が終了すると、いずれかのルートの掃除を行ってから終了する。すなわち、全面掃除を終了した後に、ランダムに所定のルートを選択して、追加で掃除を行う。これによって、掃除頻度を向上させることができ、塵埃の堆積を防ぐことができる。これについて図8を用いて説明する。
【0045】
図8は、本実施の形態における標準モードのイメージ図である。図8に示すように、自動掃除運転1回目でノズル5cの駆動回数が8回と選択された場合は、全てのルートを選択することになるので、追加で所定のルートを2つ選択して掃除を終了する。なお、図8において追加の2つのルートは囲みを入れて示す。
【0046】
次に、自動掃除運転2回目でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合は、4ルートの自動掃除運転を行い、自動掃除運転を終了する。そして、自動掃除運転3回目でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合は、2回目の自動掃除運転と合わせて全面掃除が完了することになるので、追加で所定のルートを2つ選択して掃除を終了する。
【0047】
このように全面掃除と追加の掃除を繰り返すことによって、全面掃除が完了したタイミングで、追加された所定のルートの掃除運転を行うことによって、全体的に掃除の頻度を向上させることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では全面掃除後に2つのルートを選択するとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば、1つのルートを追加してもよいし、3つのルートを追加してもよい。すなわち、全面掃除完了後に、所定の回数(>1)のルートを追加で選択して掃除することによって、掃除の頻度を向上させることができ、ひいてはエアフィルター5aへの塵埃堆積を防止することができる。
【0049】
例えば、全面掃除が行われるたびに1ルートの追加掃除を行うことによって、1ルート/(9ルート−ルートA)=1ルート/8ルート=12.5%だけ掃除頻度を向上させることができ、全面掃除が行われるたびに2ルートの追加掃除を行うことによって、2ルート/8ルート=25%だけ掃除頻度を向上させることができる。但し、ルートを追加するだけ掃除時間が長くなってしまうので、システムに応じて適切な時間が設定されることが望ましい。
【0050】
次に、念入りモードについて説明する。念入りモードでは、標準モードと同じように運転状況に基づいてノズル5cの駆動回数を決定するが、念入りモードでは標準モードよりも多い回数を駆動するようにしている。本実施の形態では、標準モードの駆動回数の3倍の駆動回数としている。
【0051】
例えば、念入りモードが選択されている状態で、図6に示すような条件でノズル5cの駆動回数が4回と決定された場合には、4回×3倍の12回の駆動回数としている。そして、ノズル5cの駆動回数が12回となるように自動掃除を行う。
【0052】
このように念入りモードが選択されているときは、標準モードに比べて掃除頻度を上げることによって、エアフィルター5aへの塵埃堆積を防止し、エアフィルター5aへの裏面への塵埃の侵入を防止することができる。なお、本実施の形態では念入りモードのノズル駆動回数が、標準モードのノズル駆動回数の3倍としたが、これに限定されることなく、2倍であってもよいし、4倍であってもよく、整数倍とすることによって簡単な制御で念入りモードを実現することができる。
【0053】
図9は、本実施の形態における念入りモードのイメージ図である。図9に示すように、自動掃除運転1回目でノズル5cの駆動回数が8回と選択された場合は、8回×3=24回だけノズル5cを往復駆動する。なお、標準モードと念入りモードとを同じアルゴリズムで制御しているので、全面掃除が完了した後に、追加で2ルートの掃除運転を行っている。よって、ルートA→ルートC→ルートE→ルートG→ルートI→ルートB→ルートD→ルートF→ルートH→ルートC→ルートE→ルートC→ルートE→ルートG→ルートI→ルートB→ルートD→ルートF→ルートH→ルートG→ルートI→ルートC→ルートE→ルートG→ルートIの順で掃除が行われる。全面掃除が行われた後の追加掃除のルートについては図9において囲みを入れて示す。
【0054】
次に、自動掃除運転2回目でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合は、4回×3=12回だけノズル5cを往復駆動する。以降の掃除回数も念入りモードを選択時には標準モードの3倍の回数だけノズル5cを往復駆動させている。
【0055】
また、念入りモードで行う回数の中には、追加で掃除運転を行うルートの回数も含まれている。すなわち、図9に示す自動掃除運転1回目の例であれば、全面掃除後のルートCおよびルートEの追加掃除と、ルートGおよびルートIの追加掃除の合計4回の追加掃除の回数も含めて、24回となるようにしている。
【0056】
ただし、図9の自動掃除運転3回目のルートで示しているように、4回×3=12回だ
けノズル5cを往復駆動すると判断された場合において、12回目のノズル5cの駆動によって全面掃除が成立してしまう場合がある。このような場合においては、全面掃除が完了しているので、4回×3=12回の各ルートの掃除を行った後に、追加で2ルートの掃除を行って、自動掃除運転を完了させている。
【0057】
このように、標準モードにくらべて念入りモード選択時には、掃除時間を長くすること(ノズル5cの駆動回数を増加させること)によって、環境に応じた掃除運転を行うことができ、かつ、標準モードと同じアルゴリズムで念入りモードを行うことによって、複雑なプログラムを組むことなく、簡単な制御で実現することができる。
【0058】
図10は、ノズル5cの駆動回数の上限を示した図である。図10に示すように、ノズル5cの駆動回数の上限値を設けている。これは、ノズル5cの駆動回数が多くなるにつれて、室内機1の空調運転停止後に自動掃除運転する時間が長くなるためであり、エアフィルター5aを掃除できるだけの時間は確保しつつも、あまり自動掃除運転時間が長くならないように上限値を設けている。なお、図10に規定している上限値は、一例を示すものであり、図10に示す時間に限定されるものではない。
【0059】
暖房運転を11時間から12時間の間行った場合、図6に基づいて決定されるノズル5cの駆動回数は6回となり、念入りモード時には18回となる。一方、図10に基づいて決定されるノズル5cの駆動回数は、標準モードであれば6回であり、念入りモードであれば18回となる。よって、いずれの場合もノズル5cの駆動回数は、図10で規定される上限値以下であるが、本実施の形態においては、全面掃除が完了した後に、2ルートを追加で掃除を行っているため、上限値を上回ってしまう場合が発生する。
【0060】
例えば、標準モードであればノズル5cの6回目の往復駆動時に全面掃除が完了した場合は、2ルート追加されて7回目、8回目の往復掃除を行い、念入りモードであればノズル5cの18回目の往復駆動時に全面掃除が完了した場合は、2ルート追加されて19回目、20回目の往復掃除を行う場合がある。このようなときには、上限値を上回るため、必要以上の掃除運転を行わないために、ノズル5cの駆動回数は上限値までとして、掃除運転を終了する。
【0061】
図11(a)は標準モードを選択時の表示部31の状態図、図11(b)は念入りモードを選択時の表示部31の状態図である。図11(a)(b)に示すように、念入りモード選択時には、念入りモードを選択していることが分かるような表示33を行うことによって、ユーザーが念入りモードを選択していることを理解することができる。これは、念入りモードを選択しているときは掃除時間が長くなってしまうため、室内機1へ運転停止の指示を行った後、自動掃除運転が完了するまで室内機1が運転している状態になってしまい、ユーザーが故障しているのではないかと誤判断してしまうことを防止するためである。
【0062】
また、図12は表示板23の拡大図である。図12(a)は通常運転時の状態図、図12(b)は標準モード時の状態図、図12(c)は念入りモード時の状態図である。通常の空調運転時には図12(a)に示すように運転LED23のみが点灯し、標準モード選択時の掃除運転中は図12(b)に示すように運転LED23に加えて、お掃除運転LED24が点灯する。
【0063】
また、念入りモード選択時の掃除運転中は図12(c)に示すように運転LED23に加えて、念入りお掃除運転LED25が点灯する。このように標準モード時と念入りモード時とにおいて、点灯させるLEDを異ならせることでユーザーが現在の掃除運転のモードを容易に確認することができる。なお、標準モードと念入りモードにおいて点灯させる
LEDを共用化させた場合は、それぞれのモードにおいて点灯させる色を異ならせることによってもユーザーに分かりやすく表示させることができる。
【0064】
また、図13は、吸引口5d近傍の要部拡大図である(図4のXX断面図)。吸引口5dの近傍には、目の粗いブラシ5fと、目の細かいブラシ5gの2種類のブラシを設け、さらに、目の粗いブラシ5fに対して吸引口5dをはさんで反対側には、シリコンフォームを用いたパッド5hを設けている。
【0065】
そして、2種類のブラシを用いることによって、ノズル5cが左方向もしくは右方向へ駆動する際に、エアフィルター5aに堆積した塵埃を掻き起こし、エアフィルター5aの裏側に侵入することを防ぐことができる。
【0066】
以上のように、本実施の形態において自動掃除運転のモードをユーザーが標準モードと念入りモードとを選択できるようにしておくことで、空気調和機の設置環境に合わせて適切な掃除運転をユーザーが選択して設定することができるため、エアフィルター5aへの塵埃の堆積を防止することができ、かつ、エアフィルター5aの裏側への塵埃の侵入を防止することができる。
【0067】
(実施の形態2)
本実施の形態2においては、実施の形態1と掃除機構が異なり、その他の箇所(例えば、リモコン装置30への表示など)については実施の形態1と同様に実施の形態2にも適用することができる。実施の形態1では、エアフィルター5aの前面をノズル5cが駆動することによってエアフィルター5a上の塵埃を掃除していたのに対して、本実施の形態では、エアフィルター5a自体が駆動し、掃除機構5bは固定されている点が異なる。なお、実施の形態1と同じ部位については同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
図14は本実施の形態2における掃除機構の構成図であり、図15はY方向から直視した要部拡大図である。本実施の形態の掃除機構5bは、塵埃を内部に溜める塵埃収集部5hと、塵埃収集部5hに塵埃取り入れ口5iと、塵埃取り入れ口5iには回転するブラシ5kで構成され、さらに、エアフィルター5aを上下に駆動させるエアフィルター駆動機構5jを有している。
【0069】
エアフィルター駆動機構5jはモータおよびギア等で構成され、エアフィルター5aを上下に駆動させる。また塵埃収集部5hは常時固定されており、エアフィルター5aが塵埃収集部5hに対して相対的に上下に駆動することによって、ブラシ5kでエアフィルター5a上の塵埃を掻き取り、塵埃取り入れ口5iを介して塵埃収集部5hの内部に塵埃を取り込む。塵埃収集部5hの内部に取り込まれた塵埃は、そこに溜めておいてユーザー自身が捨てるようにしてもよいし、塵埃収集部5hから自動的に屋外へ排出されるような構造にしてもよい。
【0070】
図16は本実施の形態2におけるエアフィルター5aを全面掃除する際の動きを示した図である。図16に示すように、まずステップ161から自動掃除運転が開始されると、エアフィルター5aが塵埃収集部5hに対して相対的に上方向へ駆動し、ステップ162を経て、ステップ163でエアフィルター5aを最下部に塵埃収集部5hが位置するまでエアフィルター5aを駆動させる。
【0071】
エアフィルター5aの最下部に塵埃収集部5hが位置すると、次に、エアフィルター5aが塵埃収集部5hに対して相対的に下方向へ駆動し、ステップ165を経て、元の位置まで戻り、ステップ166でエアフィルター5aの全面掃除が完了する。
【0072】
なお、本実施の形態においてエアフィルター5aの最上部に位置するように塵埃収集部5hを設けたが、これに限定されることはなく、エアフィルター5aの最下部に位置するように塵埃収集部5hを設けてもよく、その場合は、図16に示すステップとは逆方向にエアフィルター5aを駆動させればよい。
【0073】
また、エアフィルター5aの中ほどに塵埃収集部5hを設けてもよく、その場合にはエアフィルター5aを上下に駆動させてエアフィルター5aの全面を掃除するような構成にすればよい。
【0074】
以上のように構成された空気調和機において、本実施の形態においても実施の形態1と同様に自動掃除機能において標準モードと念入りモードを有し、ユーザーによって選択可能に構成されている。
【0075】
本実施の形態2に示すような掃除機構の場合、自動掃除運転のたびに全面が掃除されることになる。よって、標準モードを選択している場合は、エアフィルター5aの全面掃除が1回だけ行われるようにしている。一方、念入りモードを選択している場合は、標準モードよりも多い回数(例えば、3回)だけエアフィルター5aの全面掃除を行うようにしている。
【0076】
また、標準モードにおけるエアフィルター5aの駆動回数は、空調運転の累積運転時間に応じて決定されてもよい。図17は、空調運転の累積運転時間に対応するエアフィルター5aの駆動回数を表した図である。なお、図17のようにエアフィルター5aの駆動回数が一義的に決定されるものではなく、適宜、駆動回数を変更することは問題ない。
【0077】
図17に示すように、標準モードを選択している場合、11時間の空調運転であればエアフィルター5aの駆動回数は1回となり、13時間の空調運転であればエアフィルター5aの駆動回数は2回とする。なお、ここでいうエアフィルター5aの駆動回数とは、エアフィルター5aの全面の掃除が完了したタイミングで1回とする。
【0078】
また、念入りモードにおけるエアフィルター5aの駆動回数は、標準モードを選択したときのエアフィルター5aの駆動回数の整数倍(例えば、3倍)としている。このように整数倍とすることによって、簡単な制御で、かつ、標準モードのアルゴリズムを使用することができるため複雑な制御を必要としない。
【0079】
また、図18はエアフィルター5aの駆動回数の上限を示した図である。図18に示すように、それぞれのモードにおいてエアフィルター5aの駆動回数の上限値を設定している。これは実施の形態1と同じように、室内機へ空調運転の停止指示をした後に、あまりにも長時間、自動掃除運転を行うと、ユーザーが故障しているのではないかと誤認してしまう可能性がある。そこで、本実施の形態では上限値を設け、上限値以上はエアフィルター5aの駆動は行わないようにしている。
【0080】
例えば、図17に示しているように、12時間以上空調運転したときの念入りモードのエアフィルター5aの駆動回数は、単純に標準モードの整数倍であれば、6回となるが、図18に示すように5回を上限値としているため、エアフィルター5aの駆動回数は5回となる。このように自動掃除運転の時間と、エアフィルター5aの掃除具合とを両立させている。
【0081】
以上のように、本実施の形態において自動掃除運転のモードをユーザーが標準モードと念入りモードとを選択できるようにしておくことで、空気調和機の設置環境に合わせて適切な掃除運転をユーザーが選択して設定することができるため、エアフィルター5aへの
塵埃の堆積を防止することができ、かつ、エアフィルター5aが駆動する掃除機構であっても、エアフィルター5aの裏側への塵埃の侵入を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように本発明は、1台の室外機に1台の室内機が接続される空気調和機だけではなく、1台の室外機に複数台の室内機が接続されるマルチ型の空気調和機であっても適用することができる。
【符号の説明】
【0083】
5a エアフィルター
5b 掃除機構
5c ノズル
5d 吸引口
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動でフィルターの掃除を行う自動掃除機能を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フィルターの掃除を自動で行う自動掃除機能を備えた空気調和機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−263984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エアコンの使用環境は各家庭によって異なり、油分を多く含んだ塵埃や、砂塵を多く含んだ塵埃など、フィルターに付着する塵埃の種類は様々である。このように様々な塵埃が存在する中、塵埃の種類によっては自動掃除を繰り返すとフィルターに塵埃が押し付けられ、フィルターで塵埃が濾されてフィルターの裏面に入り込んでしまうという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、フィルター裏面への塵埃の侵入を抑制することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の空気調和機は、フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、念入りモードは標準モードに比べてフィルターの清掃時間を長くしたことにより、使用状況に応じてユーザーが選択することができ、より使用環境に即した自動掃除機能を実現することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルター裏面への塵埃の侵入を抑制することができる空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1における室内機の外観斜視図および要部構成図
【図2】同実施の形態1における空気調和機の冷凍サイクルの構成概略図
【図3】同実施の形態1における掃除機構の模式図
【図4】同実施の形態1における掃除機構の状態図
【図5】同実施の形態1における全面掃除時の掃除機構の状態図
【図6】同実施の形態1における運転状況と掃除機構の駆動回数との対応関係図
【図7】同実施の形態1における掃除機構の状態図
【図8】同実施の形態1における標準モードのイメージ図
【図9】同実施の形態1における念入りモードのイメージ図
【図10】同実施の形態1における掃除機構の上限値規定図
【図11】(a)同実施の形態1における表示部の構成図(b)同実施の形態1における表示部の構成図
【図12】(a)同実施の形態1における表示板23の状態図(b)同実施の形態1における標準モード時の表示板23の状態図(c)同実施の形態1における念入りモード時の表示板23の状態図
【図13】同実施の形態1におけるXX断面図
【図14】本発明の実施の形態2における掃除機構の模式図
【図15】同実施の形態2におけるY方向の要部拡大図
【図16】同実施の形態2における全面掃除時の掃除機構の状態図
【図17】同実施の形態2における運転状況とエアフィルターの駆動回数との対応関係図
【図18】同実施の形態2におけるエアフィルターの駆動回数の上限値規定図
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明の空気調和機は、フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、念入りモードは標準モードに比べてフィルターの清掃時間を長くしたことにより、使用状況に応じてユーザーが選択することができ、より使用環境に即した自動掃除機能を実現することができる。
【0010】
第2の発明の空気調和機は、特に第1の発明に記載の空気調和機を操作するリモコン装置を備え、リモコン装置で標準モードと念入りモードとを切換可能に構成したことにより、ユーザーが簡単に切り換えることができる。
【0011】
第3の発明の空気調和機は、特に第2の発明において、リモコン装置に運転情報を表示する表示部を備え、念入りモードを選択した場合には表示部に念入りモードを選択していることが分かる表示を行うことにより、自動掃除時間が長いことにユーザーが不信感を持たないようにすることができる。
【0012】
第4の発明の空気調和機は、自動掃除機能は、フィルターの前面側を掃除機構が駆動して塵埃を除去する構成、もしくはフィルターの前面側に掃除機構を配しフィルター自身が駆動することによって塵埃を除去する構成のいずれかで構成し、念入りモードを選択した場合には、掃除機構の駆動時間もしくはフィルターの駆動時間を、標準モードに比べて長くすることにより、自動掃除機能の形態に合わせて使用環境に即した自動掃除運転を実現することができる。
【0013】
第5の発明の空気調和機は、特に第1から第4のいずれかの発明において、念入りモードを選択時の掃除機構またはフィルターの駆動回数は、標準モード時の掃除機構またはフィルターの駆動回数の整数倍としたことにより、簡単な構成で実現することができる。
【0014】
第6の発明の空気調和機は、特に第5の発明において、掃除機構またはフィルターの駆動回数に上限回数を設け、念入りモード選択時の掃除機構またはフィルターの駆動回数が上限回数を超える場合は、掃除機構またはフィルターの駆動回数は上限回数とすることにより、清掃時間が長いことにユーザーが不信感を持たないようにすることができる。
【0015】
第7の発明の空気調和機は、標準モード選択時の掃除機構またはフィルターの駆動回数は、第5または第6の発明の空気調和機の運転時間に応じて決定されることにより、フィルターの汚れ具合に応じた最適な自動掃除運転を行うことができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における室内機の外観斜視図および要部構成図、図2は空気調和機の冷凍サイクルの構成概略図である。本実施の形態における空気調和機は、室内に設置される室内機1と、室外に設置される室外機2とを冷媒配管3で接続することによって構成されている。
【0018】
室内機1には、室内空気と冷媒とが熱交換を行う室内熱交換器5と、室内熱交換器5での熱交換を促進し室内へ送風するための室内送風ファン6を備える。また、室内温度を検出する室内温度検出手段である温度センサ7と、室内湿度を検出する室内湿度検出手段である湿度センサ8とを備える。
【0019】
室外機2には、室外空気と冷媒とが熱交換を行う室外熱交換器9と、室外熱交換器9での熱交換を促進し送風する室外ファン10と、冷媒を圧縮し高温冷媒を吐出する圧縮機11と、冷媒の流路の順逆を切り換える四方弁12と、冷媒を減圧する減圧装置13を備える。
【0020】
そして、冷房運転時には、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器9、減圧装置13、室内熱交換器5、四方弁12、圧縮機11の順に冷媒が流れるように冷凍サイクルが構成され、暖房運転時には四方弁12を切り換えることによって冷媒の流路が逆となる。
【0021】
また、室内機1の正面側には空調運転時に開き、空調運転停止時に閉まる正面パネル20と、室内へ送風を行う吹き出し口21と、吹き出し口21からの風の風向を上下に変更させる上下羽根22と、吹き出し口21からの風の風向を左右に変更させる左右羽根(図示せず)とを備える。
【0022】
また、室内機1の室内熱交換器5に流れ込む気流の上流側には、室内熱交換器5への不純物を防ぐエアフィルター5aと、エアフィルター5a上に堆積した塵埃を自動的に除去する掃除機構5bとを有する。そして、室内送風ファン6を駆動することによって、図2の点線矢印で示す気流6aが発生し、エアフィルター5aを通過した後、室内熱交換器5で冷媒と室内空気とが熱交換をして室内へ吹き出される。
【0023】
また、室内機1には正面パネル20が開いたときにユーザーが視認できる箇所に、運転状況等を表示する表示板23を設けている。
【0024】
また、室内機1へ運転指示を行うリモコン装置30を備え、リモコン装置30には運転情報やその他情報を表示する表示部31と、設定の変更や指示を行う操作部32とを備える。なお、操作部32は複数のボタンで構成されている。
【0025】
リモコン装置30では、冷房運転や暖房運転の指示、基準室内設定温度を設定することができ、通常の空調運転では、基準室内設定温度となるように空調運転が実施される。
【0026】
以上のように構成された空気調和機において、次に、本実施の形態の空気調和機が有する自動掃除機能について説明する。
【0027】
本実施の形態における空気調和機は、掃除機構5bによってエアフィルター5aを自動的に掃除する自動掃除機能を有している。
【0028】
図3は、掃除機構5bの一例を示した模式図である。図3に示すように、本実施の形態における掃除機構5bは、エアフィルター5aの前面側に左右に駆動するノズル5cと、ノズルでエアフィルター5aと対向する側に設けた吸引口5dと、ノズル5cを左右に駆動する駆動機構5eで構成される。
【0029】
なお、駆動機構5eはモータやギア等で構成され、吸引口5dから塵埃を吸い取る吸引力を発生させるファンなども別途備える。さらに、吸引口5dから吸い取った塵埃はノズル5cの内部に堆積させるように構成しても良いし、吸引口5dが屋外と連通する排気ホースに繋がっていて、塵埃を屋外に排出するように構成してもよい。
【0030】
そして、自動掃除機能が有効になっているときは、所定の条件を満たしたときに自動掃除運転が開始される。エアフィルター5aの自動掃除が開始されると、ノズル5cが左右方向に駆動する動きと、吸引口5dが上下方向に駆動する動きで自動掃除が行われる。図3にはそれぞれの動きを矢印で示す。なお、ここでいう所定の条件とは、リモコン装置30で設定された条件によって決定される条件をいう。
【0031】
図4は、自動掃除機能の状態の一例を示すものであり、ルートEに吸引口5dが位置した状態を示している。図4に示すように、ルートEに吸引口5dがある状態で、ノズル5cが左右方向に駆動すると、ルートEの左右に水平方向の掃除が実施される。そして、ルートEの掃除が完了すると、吸引口5dが上下に駆動して、その他のルートの掃除を行う。
【0032】
なお、図3にはルートA〜Iの9ルートを設定しているが、これに限定されることはなく、エアフィルター5aの大きさによってルート数を増減させてもよい。また、本実施の形態では左から右方向、さらに右から左方向に往復駆動することによって、そのルートの掃除完了としている。
【0033】
図5は、エアフィルター5aを全面掃除する際の動きを示した図である。図5に示すように、エアフィルター5aを全面掃除する場合には、ルートAにおいて左から右方向、さらに右から左方向へ往復して掃除を行った後、ルートBに吸引口を動かして、右から左方向、さらに左から右方向へ掃除を行う。
【0034】
これを順次繰り返し、ルートIまで全てのルートを掃除することによって全面掃除が完了する。なお、図5には、ルートA→ルートB→ルートC→ルートD→ルートE→ルートF→ルートG→ルートH→ルートIの順で全面掃除を行っている図を示すが、ルートの選定はランダムに選定されても良く、全面掃除の場合に、全てのルートを掃除するという条件を満たしていれば、ルートAの次にルートCを掃除しても良い。また、本実施の形態では左端が掃除開始(ノズル5cの駆動開始)の起点としたが、無論、右端が掃除開始の起点としてもよい。
【0035】
次に、自動掃除機能の標準モードと念入りモードについて説明する。本実施の形態では、リモコン装置30の操作部32を操作することによって、エアフィルター5aの掃除を行う標準モードと、標準モードよりも掃除頻度を上げた念入りモードの2種類が切換可能になっている。
【0036】
このように構成することによって、使用環境に応じてユーザー自身が設定することができるので、より使用環境に即した自動掃除運転を行うことができ、エアフィルター5aの裏面へ塵埃が侵入してしまうことを防ぐことができ、リモコン装置30のような通常ユーザーが運転の設定等を行う機器で切り換えることができるので、ユーザーは簡単に自動掃除機能のモードを変更することができる。
【0037】
まず、標準モードについて説明する。標準モードでは、運転状況に基づいてノズル5cの左右方向に駆動する回数を決定する。なお、運転状況とは空気調和機の運転時間や、冷房運転や暖房運転の種類などで構成され、運転状況とノズル5cの駆動回数との対応関係
が予め設定されており、その運転状況を満たした場合にノズル5cの駆動回数が決定されるようになっている。
【0038】
図6は、運転状況とノズル5cの駆動回数との対応関係を示した図である。本実施の形態では、冷房運転時と暖房運転時で回数を異ならせ、かつ、空調運転の累積運転時間に応じて、ノズル5cの駆動回数が決定されるようにしている。なお、図6に示す対応関係は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。すなわち、ノズル5cの駆動回数の決定方法は、システムに応じて適宜変更可能である。
【0039】
ただし、本実施の形態のように累積運転時間が多くなるほど、塵埃がより多く堆積しているという状況が想定されるために、累積運転時間が多くなるほど、ノズル5cの駆動回数を多くすることで、エアフィルター5aの塵埃を適切に除去することができる。
【0040】
図6のような条件のもとで、例えば、ノズル5cの駆動回数が2回と決定された場合、ルートB〜Iの中から2つのルートがランダムもしくは所定のルールに従って選択される。ここでルートC、ルートEが選択された場合、図7に示すようにルートA→ルートC→ルートEの順で順次掃除される。なお、ルートA、ルートC、ルートEの掃除の順番はどのような順番でもよい。なお、毎回の自動掃除運転終了後は、吸引口はルートAに戻り、毎回の掃除運転はルートAから開始する。よって、毎回の自動掃除運転時にはルートAは必ず実施し、図6で決定されたノズル駆動回数には、ルートAの駆動回数は入らない。
【0041】
そして、次回の運転で再度ノズル5cの駆動回数が決定されるが、次回の運転で選択されるルートは、前回の自動掃除運転時に選択されていないルートとしている。これは前回の運転のルートと重複しないためである。
【0042】
例えば、前回の運転でルートA、ルートC、ルートEを選択しており、次の運転でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合には、ルートC、ルートE以外のルートから4ルート選択する必要がある。
【0043】
以上のように、ルートの選定を繰り返すことによって、最終的にエアフィルター5aの全面を掃除することになる。
【0044】
さらに本実施の形態では、エアフィルター5aの全面掃除が終了すると、いずれかのルートの掃除を行ってから終了する。すなわち、全面掃除を終了した後に、ランダムに所定のルートを選択して、追加で掃除を行う。これによって、掃除頻度を向上させることができ、塵埃の堆積を防ぐことができる。これについて図8を用いて説明する。
【0045】
図8は、本実施の形態における標準モードのイメージ図である。図8に示すように、自動掃除運転1回目でノズル5cの駆動回数が8回と選択された場合は、全てのルートを選択することになるので、追加で所定のルートを2つ選択して掃除を終了する。なお、図8において追加の2つのルートは囲みを入れて示す。
【0046】
次に、自動掃除運転2回目でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合は、4ルートの自動掃除運転を行い、自動掃除運転を終了する。そして、自動掃除運転3回目でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合は、2回目の自動掃除運転と合わせて全面掃除が完了することになるので、追加で所定のルートを2つ選択して掃除を終了する。
【0047】
このように全面掃除と追加の掃除を繰り返すことによって、全面掃除が完了したタイミングで、追加された所定のルートの掃除運転を行うことによって、全体的に掃除の頻度を向上させることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では全面掃除後に2つのルートを選択するとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば、1つのルートを追加してもよいし、3つのルートを追加してもよい。すなわち、全面掃除完了後に、所定の回数(>1)のルートを追加で選択して掃除することによって、掃除の頻度を向上させることができ、ひいてはエアフィルター5aへの塵埃堆積を防止することができる。
【0049】
例えば、全面掃除が行われるたびに1ルートの追加掃除を行うことによって、1ルート/(9ルート−ルートA)=1ルート/8ルート=12.5%だけ掃除頻度を向上させることができ、全面掃除が行われるたびに2ルートの追加掃除を行うことによって、2ルート/8ルート=25%だけ掃除頻度を向上させることができる。但し、ルートを追加するだけ掃除時間が長くなってしまうので、システムに応じて適切な時間が設定されることが望ましい。
【0050】
次に、念入りモードについて説明する。念入りモードでは、標準モードと同じように運転状況に基づいてノズル5cの駆動回数を決定するが、念入りモードでは標準モードよりも多い回数を駆動するようにしている。本実施の形態では、標準モードの駆動回数の3倍の駆動回数としている。
【0051】
例えば、念入りモードが選択されている状態で、図6に示すような条件でノズル5cの駆動回数が4回と決定された場合には、4回×3倍の12回の駆動回数としている。そして、ノズル5cの駆動回数が12回となるように自動掃除を行う。
【0052】
このように念入りモードが選択されているときは、標準モードに比べて掃除頻度を上げることによって、エアフィルター5aへの塵埃堆積を防止し、エアフィルター5aへの裏面への塵埃の侵入を防止することができる。なお、本実施の形態では念入りモードのノズル駆動回数が、標準モードのノズル駆動回数の3倍としたが、これに限定されることなく、2倍であってもよいし、4倍であってもよく、整数倍とすることによって簡単な制御で念入りモードを実現することができる。
【0053】
図9は、本実施の形態における念入りモードのイメージ図である。図9に示すように、自動掃除運転1回目でノズル5cの駆動回数が8回と選択された場合は、8回×3=24回だけノズル5cを往復駆動する。なお、標準モードと念入りモードとを同じアルゴリズムで制御しているので、全面掃除が完了した後に、追加で2ルートの掃除運転を行っている。よって、ルートA→ルートC→ルートE→ルートG→ルートI→ルートB→ルートD→ルートF→ルートH→ルートC→ルートE→ルートC→ルートE→ルートG→ルートI→ルートB→ルートD→ルートF→ルートH→ルートG→ルートI→ルートC→ルートE→ルートG→ルートIの順で掃除が行われる。全面掃除が行われた後の追加掃除のルートについては図9において囲みを入れて示す。
【0054】
次に、自動掃除運転2回目でノズル5cの駆動回数が4回と選択された場合は、4回×3=12回だけノズル5cを往復駆動する。以降の掃除回数も念入りモードを選択時には標準モードの3倍の回数だけノズル5cを往復駆動させている。
【0055】
また、念入りモードで行う回数の中には、追加で掃除運転を行うルートの回数も含まれている。すなわち、図9に示す自動掃除運転1回目の例であれば、全面掃除後のルートCおよびルートEの追加掃除と、ルートGおよびルートIの追加掃除の合計4回の追加掃除の回数も含めて、24回となるようにしている。
【0056】
ただし、図9の自動掃除運転3回目のルートで示しているように、4回×3=12回だ
けノズル5cを往復駆動すると判断された場合において、12回目のノズル5cの駆動によって全面掃除が成立してしまう場合がある。このような場合においては、全面掃除が完了しているので、4回×3=12回の各ルートの掃除を行った後に、追加で2ルートの掃除を行って、自動掃除運転を完了させている。
【0057】
このように、標準モードにくらべて念入りモード選択時には、掃除時間を長くすること(ノズル5cの駆動回数を増加させること)によって、環境に応じた掃除運転を行うことができ、かつ、標準モードと同じアルゴリズムで念入りモードを行うことによって、複雑なプログラムを組むことなく、簡単な制御で実現することができる。
【0058】
図10は、ノズル5cの駆動回数の上限を示した図である。図10に示すように、ノズル5cの駆動回数の上限値を設けている。これは、ノズル5cの駆動回数が多くなるにつれて、室内機1の空調運転停止後に自動掃除運転する時間が長くなるためであり、エアフィルター5aを掃除できるだけの時間は確保しつつも、あまり自動掃除運転時間が長くならないように上限値を設けている。なお、図10に規定している上限値は、一例を示すものであり、図10に示す時間に限定されるものではない。
【0059】
暖房運転を11時間から12時間の間行った場合、図6に基づいて決定されるノズル5cの駆動回数は6回となり、念入りモード時には18回となる。一方、図10に基づいて決定されるノズル5cの駆動回数は、標準モードであれば6回であり、念入りモードであれば18回となる。よって、いずれの場合もノズル5cの駆動回数は、図10で規定される上限値以下であるが、本実施の形態においては、全面掃除が完了した後に、2ルートを追加で掃除を行っているため、上限値を上回ってしまう場合が発生する。
【0060】
例えば、標準モードであればノズル5cの6回目の往復駆動時に全面掃除が完了した場合は、2ルート追加されて7回目、8回目の往復掃除を行い、念入りモードであればノズル5cの18回目の往復駆動時に全面掃除が完了した場合は、2ルート追加されて19回目、20回目の往復掃除を行う場合がある。このようなときには、上限値を上回るため、必要以上の掃除運転を行わないために、ノズル5cの駆動回数は上限値までとして、掃除運転を終了する。
【0061】
図11(a)は標準モードを選択時の表示部31の状態図、図11(b)は念入りモードを選択時の表示部31の状態図である。図11(a)(b)に示すように、念入りモード選択時には、念入りモードを選択していることが分かるような表示33を行うことによって、ユーザーが念入りモードを選択していることを理解することができる。これは、念入りモードを選択しているときは掃除時間が長くなってしまうため、室内機1へ運転停止の指示を行った後、自動掃除運転が完了するまで室内機1が運転している状態になってしまい、ユーザーが故障しているのではないかと誤判断してしまうことを防止するためである。
【0062】
また、図12は表示板23の拡大図である。図12(a)は通常運転時の状態図、図12(b)は標準モード時の状態図、図12(c)は念入りモード時の状態図である。通常の空調運転時には図12(a)に示すように運転LED23のみが点灯し、標準モード選択時の掃除運転中は図12(b)に示すように運転LED23に加えて、お掃除運転LED24が点灯する。
【0063】
また、念入りモード選択時の掃除運転中は図12(c)に示すように運転LED23に加えて、念入りお掃除運転LED25が点灯する。このように標準モード時と念入りモード時とにおいて、点灯させるLEDを異ならせることでユーザーが現在の掃除運転のモードを容易に確認することができる。なお、標準モードと念入りモードにおいて点灯させる
LEDを共用化させた場合は、それぞれのモードにおいて点灯させる色を異ならせることによってもユーザーに分かりやすく表示させることができる。
【0064】
また、図13は、吸引口5d近傍の要部拡大図である(図4のXX断面図)。吸引口5dの近傍には、目の粗いブラシ5fと、目の細かいブラシ5gの2種類のブラシを設け、さらに、目の粗いブラシ5fに対して吸引口5dをはさんで反対側には、シリコンフォームを用いたパッド5hを設けている。
【0065】
そして、2種類のブラシを用いることによって、ノズル5cが左方向もしくは右方向へ駆動する際に、エアフィルター5aに堆積した塵埃を掻き起こし、エアフィルター5aの裏側に侵入することを防ぐことができる。
【0066】
以上のように、本実施の形態において自動掃除運転のモードをユーザーが標準モードと念入りモードとを選択できるようにしておくことで、空気調和機の設置環境に合わせて適切な掃除運転をユーザーが選択して設定することができるため、エアフィルター5aへの塵埃の堆積を防止することができ、かつ、エアフィルター5aの裏側への塵埃の侵入を防止することができる。
【0067】
(実施の形態2)
本実施の形態2においては、実施の形態1と掃除機構が異なり、その他の箇所(例えば、リモコン装置30への表示など)については実施の形態1と同様に実施の形態2にも適用することができる。実施の形態1では、エアフィルター5aの前面をノズル5cが駆動することによってエアフィルター5a上の塵埃を掃除していたのに対して、本実施の形態では、エアフィルター5a自体が駆動し、掃除機構5bは固定されている点が異なる。なお、実施の形態1と同じ部位については同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
図14は本実施の形態2における掃除機構の構成図であり、図15はY方向から直視した要部拡大図である。本実施の形態の掃除機構5bは、塵埃を内部に溜める塵埃収集部5hと、塵埃収集部5hに塵埃取り入れ口5iと、塵埃取り入れ口5iには回転するブラシ5kで構成され、さらに、エアフィルター5aを上下に駆動させるエアフィルター駆動機構5jを有している。
【0069】
エアフィルター駆動機構5jはモータおよびギア等で構成され、エアフィルター5aを上下に駆動させる。また塵埃収集部5hは常時固定されており、エアフィルター5aが塵埃収集部5hに対して相対的に上下に駆動することによって、ブラシ5kでエアフィルター5a上の塵埃を掻き取り、塵埃取り入れ口5iを介して塵埃収集部5hの内部に塵埃を取り込む。塵埃収集部5hの内部に取り込まれた塵埃は、そこに溜めておいてユーザー自身が捨てるようにしてもよいし、塵埃収集部5hから自動的に屋外へ排出されるような構造にしてもよい。
【0070】
図16は本実施の形態2におけるエアフィルター5aを全面掃除する際の動きを示した図である。図16に示すように、まずステップ161から自動掃除運転が開始されると、エアフィルター5aが塵埃収集部5hに対して相対的に上方向へ駆動し、ステップ162を経て、ステップ163でエアフィルター5aを最下部に塵埃収集部5hが位置するまでエアフィルター5aを駆動させる。
【0071】
エアフィルター5aの最下部に塵埃収集部5hが位置すると、次に、エアフィルター5aが塵埃収集部5hに対して相対的に下方向へ駆動し、ステップ165を経て、元の位置まで戻り、ステップ166でエアフィルター5aの全面掃除が完了する。
【0072】
なお、本実施の形態においてエアフィルター5aの最上部に位置するように塵埃収集部5hを設けたが、これに限定されることはなく、エアフィルター5aの最下部に位置するように塵埃収集部5hを設けてもよく、その場合は、図16に示すステップとは逆方向にエアフィルター5aを駆動させればよい。
【0073】
また、エアフィルター5aの中ほどに塵埃収集部5hを設けてもよく、その場合にはエアフィルター5aを上下に駆動させてエアフィルター5aの全面を掃除するような構成にすればよい。
【0074】
以上のように構成された空気調和機において、本実施の形態においても実施の形態1と同様に自動掃除機能において標準モードと念入りモードを有し、ユーザーによって選択可能に構成されている。
【0075】
本実施の形態2に示すような掃除機構の場合、自動掃除運転のたびに全面が掃除されることになる。よって、標準モードを選択している場合は、エアフィルター5aの全面掃除が1回だけ行われるようにしている。一方、念入りモードを選択している場合は、標準モードよりも多い回数(例えば、3回)だけエアフィルター5aの全面掃除を行うようにしている。
【0076】
また、標準モードにおけるエアフィルター5aの駆動回数は、空調運転の累積運転時間に応じて決定されてもよい。図17は、空調運転の累積運転時間に対応するエアフィルター5aの駆動回数を表した図である。なお、図17のようにエアフィルター5aの駆動回数が一義的に決定されるものではなく、適宜、駆動回数を変更することは問題ない。
【0077】
図17に示すように、標準モードを選択している場合、11時間の空調運転であればエアフィルター5aの駆動回数は1回となり、13時間の空調運転であればエアフィルター5aの駆動回数は2回とする。なお、ここでいうエアフィルター5aの駆動回数とは、エアフィルター5aの全面の掃除が完了したタイミングで1回とする。
【0078】
また、念入りモードにおけるエアフィルター5aの駆動回数は、標準モードを選択したときのエアフィルター5aの駆動回数の整数倍(例えば、3倍)としている。このように整数倍とすることによって、簡単な制御で、かつ、標準モードのアルゴリズムを使用することができるため複雑な制御を必要としない。
【0079】
また、図18はエアフィルター5aの駆動回数の上限を示した図である。図18に示すように、それぞれのモードにおいてエアフィルター5aの駆動回数の上限値を設定している。これは実施の形態1と同じように、室内機へ空調運転の停止指示をした後に、あまりにも長時間、自動掃除運転を行うと、ユーザーが故障しているのではないかと誤認してしまう可能性がある。そこで、本実施の形態では上限値を設け、上限値以上はエアフィルター5aの駆動は行わないようにしている。
【0080】
例えば、図17に示しているように、12時間以上空調運転したときの念入りモードのエアフィルター5aの駆動回数は、単純に標準モードの整数倍であれば、6回となるが、図18に示すように5回を上限値としているため、エアフィルター5aの駆動回数は5回となる。このように自動掃除運転の時間と、エアフィルター5aの掃除具合とを両立させている。
【0081】
以上のように、本実施の形態において自動掃除運転のモードをユーザーが標準モードと念入りモードとを選択できるようにしておくことで、空気調和機の設置環境に合わせて適切な掃除運転をユーザーが選択して設定することができるため、エアフィルター5aへの
塵埃の堆積を防止することができ、かつ、エアフィルター5aが駆動する掃除機構であっても、エアフィルター5aの裏側への塵埃の侵入を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように本発明は、1台の室外機に1台の室内機が接続される空気調和機だけではなく、1台の室外機に複数台の室内機が接続されるマルチ型の空気調和機であっても適用することができる。
【符号の説明】
【0083】
5a エアフィルター
5b 掃除機構
5c ノズル
5d 吸引口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、前記自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、前記念入りモードは前記標準モードに比べて前記フィルターの清掃時間を長くしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機を操作するリモコン装置を備え、前記リモコン装置で前記標準モードと前記念入りモードとを切換可能に構成したことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
前記リモコン装置に運転情報を表示する表示部を備え、前記念入りモードを選択した場合には前記表示部に前記念入りモードを選択していることが分かる表示を行うことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記自動掃除機能は、前記フィルターの前面側を掃除機構が駆動して塵埃を除去する構成、もしくは前記フィルターの前面側に掃除機構を配し前記フィルター自身が駆動することによって塵埃を除去する構成のいずれかで構成し、前記念入りモードを選択した場合には、前記掃除機構の駆動時間もしくは前記フィルターの駆動時間を、前記標準モードに比べて長くすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記念入りモードを選択時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数は、前記標準モード時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数の整数倍としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数に上限回数を設け、前記念入りモード選択時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数が前記上限回数を超える場合は、前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数は前記上限回数とすることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記標準モード選択時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数は、請求項5または請求項6の空気調和機の運転時間に応じて決定されることを特徴とする空気調和機。
【請求項1】
フィルターを自動で掃除する自動掃除機能を有する空気調和機であって、前記自動掃除機能のモードに標準モードと念入りモードとを設け、前記念入りモードは前記標準モードに比べて前記フィルターの清掃時間を長くしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機を操作するリモコン装置を備え、前記リモコン装置で前記標準モードと前記念入りモードとを切換可能に構成したことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
前記リモコン装置に運転情報を表示する表示部を備え、前記念入りモードを選択した場合には前記表示部に前記念入りモードを選択していることが分かる表示を行うことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記自動掃除機能は、前記フィルターの前面側を掃除機構が駆動して塵埃を除去する構成、もしくは前記フィルターの前面側に掃除機構を配し前記フィルター自身が駆動することによって塵埃を除去する構成のいずれかで構成し、前記念入りモードを選択した場合には、前記掃除機構の駆動時間もしくは前記フィルターの駆動時間を、前記標準モードに比べて長くすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記念入りモードを選択時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数は、前記標準モード時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数の整数倍としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数に上限回数を設け、前記念入りモード選択時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数が前記上限回数を超える場合は、前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数は前記上限回数とすることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記標準モード選択時の前記掃除機構または前記フィルターの駆動回数は、請求項5または請求項6の空気調和機の運転時間に応じて決定されることを特徴とする空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−88018(P2013−88018A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228579(P2011−228579)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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