説明

空調装置用ドア装置

【課題】レバーの溝に関係なく、駆動レバー30の作動領域のうち一端側と他端側とに、エアミックスドア16aが停止した状態で駆動レバー30が揺動するアイドル領域を設ける。
【解決手段】操作レバー55aが最大冷房位置から最大暖房位置側にスライド移動させた場合には、ケース停止部11aによりエアミックスドア16aの回転軸16bが停止された状態で、駆動レバー30が揺動する。操作レバー55aを最大暖房位置に設定する場合には、ケース停止部11bによりエアミックスドア16aの回転軸16bが停止された状態で、駆動レバー30が揺動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーから伝わる回転力によりドアを駆動する空調装置用ドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空調装置では、ケーシング内の空気通路を開閉するドアと、ドアの軸により支持されているドアレバーと、このドアレバーを駆動する軸レバーとを備えたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
このものにおいて、ドアは、ケーシングにより回転自在に支持された軸とこの軸の回転に伴って回転して空気通路を開閉するドア本体を備える。ドアレバーには、溝が設けられている。軸レバーの長手方向一端側には、溝内に入るピンが設けられている。軸レバーの長手方向他端側には、ケーシングにより回転自在に支持された支持軸が設けられている。
【0004】
軸レバーは、コントロールパネルの操作レバーに接続されている。操作レバーが操作されて軸レバーが支持軸を中心として揺動すると、ピンが溝内を摺動することになる。これに伴い、軸レバーの回転力がドアレバーに伝わる。このため、ドアレバーが回転する。これにより、ドアレバーの回転に伴ってドアが回転することになる。
【0005】
溝の一端側と他端側とには、それぞれ、アイドル部が設けられている。アイドル部は、ピンが溝内を摺動しても、ピンからドアレバーに回転力が伝わないように形成されている。これにより、操作レバーの作動領域のうち一端側と他端側とに、操作レバーを操作してもドアが停止した状態を維持するアイドル領域を設けることになる。
【0006】
ここで、ドア、ドアレバー、および軸レバーなどの距離誤差により、実際のドアの作動範囲が設計上のドアの作動範囲からずれていても、アイドル部が実際のドアの作動範囲と設計上のドアの作動範囲との間のズレ量を吸収することができる。これにより、設計上のドアの作動範囲から外れても、ドアの開閉に伴ってドアがケーシング等の他の部材に衝突することを防ぐことができる。
【特許文献1】実開平7−3007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の空調装置では、操作レバーの作動領域のうち一端側と他端側とにアイドル領域を設けるために、ドアレバーには、アイドル部として余分に溝を設けることが必要になる。このため、ドアレバーの大型化を招くことになる。
【0008】
近年、空調ユニットの小型化が進み、ドアレバー等を収納するリンクスペースを小さくすることが望まれている。このため、上述の如く、ドアレバーの溝にアイドル部を設けると、リンクスペースの省スペース化の妨げになる。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、レバーの溝に関係無く、レバーの作動領域のうち一端側と他端側とに、ドアが停止した状態でレバーが揺動するアイドル領域を設けるようにした空調装置用ドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1の停止部材(11a)により前記回転軸(16b)の回転方向一方側への回転が止められ、かつ前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる回転方向一方側への力により前記バネ(40)が弾性変形した状態から、前記駆動レバー(30)が回転方向他方側に駆動されたとき、前記バネ(40)の弾性変形が戻ることにより、前記回転軸(16b)が停止された状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動するようになっており、
前記第2の停止部材(11b)により前記回転軸(16b)の回転方向他方側への回転が止められた状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたとき、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる回転方向他方側への力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記回転軸(16b)が停止した状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動することを特徴とする。
【0011】
請求項1に係る発明によれば、第1の停止部材により回転軸の回転方向一方側への回転が止められた状態で、バネの弾性変形が戻ることにより、回転軸が停止された状態で駆動レバーが回転方向他方側に揺動する。したがって、駆動レバーの作動領域のうち一端側に、ドアが停止した状態でレバーが揺動するアイドル領域を設けることができる。
【0012】
これに加えて、第2の停止部材により回転軸の回転方向他方側への回転が止められた状態で、バネが弾性変形することにより、回転軸が停止した状態で駆動レバーが回転方向他方側に揺動する。したがって、駆動レバーの作動領域のうち他端側に、ドアが停止した状態でレバーが揺動するアイドル領域を設けることができる。
【0013】
以上により、レバーの溝に関係無く、駆動レバーの作動領域のうち一端側と他端側とに、ドアが停止した状態でレバーが揺動するアイドル領域を設けることができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、前記バネ(40)の弾性力を前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記回転軸(16b)の径方向外周側から径方向中心側に与えることにより前記空気通路内の風圧により前記ドア(16)に回転が生じることを抑えるように前記バネ(40)が予め設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明では、前記凹部(16c)および前記爪部(41)のうち少なくとも一方には、前記回転軸(16b)から前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記バネ(40)に働く力として、前記回転軸(16b)の径方向中心側から径方向外周側に働く力を発生させる面(16d、16e)が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る発明では、前記バネ(40)は、前記駆動レバー(30)から突出するように形成されており、
前記バネ(40)のうち先端側には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が設けられており、
前記面(16d、16e)は、前記回転軸中心側から前記バネ(40)のうち前記先端側に向かう前記回転軸径方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る発明では、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる力に基づいて前記バネ(40)のうち前記先端側より基部側が前記弾性変形により曲がるようになっていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に係る発明では、前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記回転軸(16b)の回転が止められた状態で前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記駆動レバー(30)には、前記バネ(40)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めることにより、前記爪部(41)の先端部が前記凹部(16c)から外れることを防止する外れ防止部(32c)が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に係る発明では、前記駆動レバー(30)には、前記外れ防止部(32c)に向けて凸となる凸部(42)が設けられており、
前記凸部(42)が前記外れ防止部(32c)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めるようになっていることを特徴とする。
【0020】
請求項8に係る発明では、前記駆動レバー(30)には、空所(32a)を形成する開口部(32)が設けられており、
前記バネ(40)は、前記開口部(32)から前記空所(32a)内に突出するように形成されており、
前記開口部(32)は前記外れ防止部(32c)を構成していることを特徴とする。
【0021】
請求項9に係る発明では、前記支持部(31)は、前記回転軸(16b)が挿入されて前記回転軸を回転自在に支持するように形成された貫通孔(31a)を有し、
前記貫通孔(31a)は、前記空所(32a)に隣接して前記空所に繋がるように形成されて、前記回転軸(16b)が前記空所(32a)内に露出するようになっており、
前記回転軸(16b)のうち前記空所(32a)内に露出している部分には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が配置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項10に係る発明では、前記駆動レバー(30)の前記支持部(31)と前記回転軸(16b)とのうち一方には、他方の部材に向けて凸となる凸部(30X)が設けられており、前記他方の部材には、前記凸部(30X)が入る凹部(16X)が設けられており、
前記凸部の円周方向の距離は、前記凹部(16X)の円周方向の距離により短くなっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたときには、前記凸部(30X)および前記凹部(16X)のうち一方が他方に対して相対的に円周方向に移動して、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記他方の部材のうち前記凹部(16X)を形成する円周方向側壁(16Y、16Z)と前記凸部(30X)とが接触することにより、前記駆動レバー(30)の揺動が止まるようになっていることを特徴とする。
【0023】
請求項10に係る発明によれば、凸部および凹部のうち一方が他方に対して相対的に移動した距離により、回転軸の回転が止められた状態で駆動レバーの揺動角度が決まることになる。したがって、凸部の円周方向の距離と凹部の円周方向の距離とを調整することにより、回転軸の回転が止められた状態で駆動レバーが揺動するアイドル領域の揺動範囲を設定することができる。
【0024】
請求項11に係る発明では、第1の停止部材(11a)により前記第2の回転軸(16b)の回転方向一方側への回転が止められ、かつ前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる前記回転方向一方側への力により前記バネ(40)が弾性変形した状態から、前記駆動レバー(30)が回転方向他方側に駆動されたとき、前記バネ(40)の弾性変形が戻ることにより、前記第2の回転軸(16b)が停止された状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動するようになっており、
前記第2の停止部材(11b)により前記第2の回転軸(16b)の回転方向他方側への回転が止められた状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたとき、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる回転方向他方側への力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記第2の回転軸(16b)が停止した状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動するようになっていることを特徴とする。
【0025】
請求項12に係る発明では、前記バネ(40)の弾性力を前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記回転軸(16b)の径方向外周側から径方向中心側に与えることにより前記空気通路内の風圧により前記ドア(16)に回転が生じることを抑えるように前記バネ(40)が予め設定されていることを特徴とする。
【0026】
請求項13に係る発明では、前記凹部(16c)および前記爪部(41)のうち少なくとも一方には、前記第2の回転軸(16b)から前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記バネ(40)に働く力として、前記第2の回転軸(16b)の径方向中心側から径方向外周側に働く力を発生させる面(16d、16e)が設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項14に係る発明では、前記バネ(40)は、前記駆動レバー(30)から突出するように形成されており、
前記バネ(40)のうち先端側には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が設けられており、
前記面(16d、16e)は、前記回転軸中心側から前記バネ(40)のうち前記先端側に向かう前記回転軸径方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【0028】
請求項15に係る発明では、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる力に基づいて前記バネ(40)のうち前記先端側より基部側が前記弾性変形により曲がるようになっていることを特徴とする。
【0029】
請求項16に係る発明では、前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記第2の回転軸(16b)が止められた状態で前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる回転力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記第2の回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記駆動レバー(30)には、前記バネ(40)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めることにより、前記爪部(41)の先端部が前記凹部(16c)から外れることを防止する外れ防止部(32c)が設けられていることを特徴とする。
【0030】
請求項17に係る発明では、前記駆動レバー(30)には、前記外れ防止部(32c)に向けて凸となる凸部(42)が設けられており、
前記凸部(42)が前記外れ防止部(32c)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めるようになっていることを特徴とする。
【0031】
請求項18に係る発明では、前記駆動レバー(30)には、空所(32a)を形成する開口部(32)が設けられており、
前記バネ(40)は、前記開口部(32)から前記空所(32a)内に突出するように形成されており、
前記開口部(32)は、前記外れ防止部(32c)を構成していることを特徴とする。
【0032】
請求項19に係る発明では、前記支持部(31)は、前記第2の回転軸(16b)が挿入されて前記第2の回転軸を回転自在に支持するように形成された貫通孔(31a)を有し
前記貫通孔(31a)は、前記空所(32a)に隣接して前記空所に繋がるように形成されて、前記第2の回転軸(16b)が前記空所(32a)内に露出するようになっており、
前記第2の回転軸(16b)のうち前記空所(32a)内に露出している部分には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が配置されていることを特徴とする。
【0033】
請求項20に係る発明では、前記駆動レバー(30)の前記支持部(31)と前記第2の回転軸(16b)とのうち一方には、他方の部材に向けて凸となる凸部(30X)が設けられており、前記他方の部材には、前記凸部(30X)が入る凹部(16X)が設けられており、
前記凸部の円周方向の距離は、前記凹部(16X)の円周方向の距離により短くなっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記第2の回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたときには、前記凸部(30X)および前記凹部(16X)のうち一方が他方に対して相対的に円周方向に移動して前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記第2の回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記第2の回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記他方の部材のうち前記凹部(16X)を形成する円周方向側壁と前記凸部(30X)とが接触することにより、前記駆動レバー(30)の揺動が止まるようになっていることを特徴とする。
【0034】
請求項21に係る発明では、前記爪部(41)には、前記他方のうち前記凹部(45)を形成する内壁(45a、45b)に向けて突出する突起部(165a、165b)が設けられており、
前記突起部(165a、165b)は、前記内壁(45a、45b)に接触して前記駆動レバー(30)と前記回転軸(16b)との間で力の授受を行うことを特徴とする。
【0035】
請求項22に係る発明では、前記他方には、前記爪部(41)に向けて突出する突起部(16g、16h)が設けられており、
前記突起部(16g、16h)は、前記爪部(41)に接触して前記駆動レバー(30)と前記回転軸(16b)との間で力の授受を行うことを特徴とする。
【0036】
請求項23に係る発明では、前記バネ(40)は、前記駆動レバー(30)と一体に成形されたものであることを特徴とする。
【0037】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(第1実施形態)
図1、図2に本発明に係る空調装置用ドア装置が適用された車両用空調装置の第1実施形態を示す。図1は車両用空調装置の空調ユニット10を車両幅方向から視た断面図、図2は図1中X矢視図である。図中の各矢印は車両搭載状態の方向、前矢印が車両前側、後矢印が車両後側、上矢印が車両上側、下矢印が車両下側、左矢印が車両左側、右矢印が車両右側を示す。
【0039】
図1に示す空調ユニット10は、空気通路を構成する樹脂製の空調ケーシング11を有している。空調ケーシング11の車両前方側の部位には、空気入口空間14が形成されている。空気入口空間14には、送風機ユニット(図示省略)の出口からの送風空気が流入する。
【0040】
空気入口空間14の直後の部位には、蒸発器12が略垂直に配置されている。蒸発器12は、周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調空気を冷却する冷房用熱交換器である。蒸発器12の空気流れ下流側には、所定の間隔を開けてヒータコア13が配置されている。
【0041】
ヒータコア13は、その上端部が下端部より車両後方側に位置するように傾斜して配置されている。ヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を車両エンジンから流入する温水(エンジン冷却水)を熱源として空気を加熱する加熱する暖房用熱交換器である。
【0042】
蒸発器12とヒータコア13との間で上方側の部位には、ヒータコア13をバイパスして冷風が通過する冷風バイパス通路15が形成されている。冷風バイパス通路15の下方側部位には、エアミックスドア16が配置されている。
【0043】
エアミックスドア16は、板状のドア本体16aとドア本体16aの端部に配置された回転軸16bとから構成された板ドアである。ドア本体16aは、2枚の板状のパッキン部材160、161と、パッキン部材160、161の間に挟まれた板材162とから構成されている。エアミックスドア16は、回転軸16bを中心にして回転自在に支持されることになる。
【0044】
図2に図1中X方向からエアミックスドア16を視た図を示す。図2では、エアミックスドア16のドア本体16aが垂下した状態が示されている。
【0045】
回転軸16bは、その軸線方向が水平方向に平行になるように配置されている。回転軸16bの左側端部は、空調ケーシング11の左側側壁110aの軸受穴11cを貫通している。回転軸16bの右側端部は、空調ケーシング11の右側側壁110bの軸受穴11dを貫通している。これにより、回転軸16bは、側壁110a、110bによって回転自在に支持されていることになる。回転軸16bは、後述するように、駆動レバーを介してスライドレバーによって回転駆動される。
【0046】
図1のエアミックスドア16の回転軸16b付近とヒータコア13の上端部付近との間には、仕切り壁17aが設けられている。仕切り壁17aは、ヒータコア13の熱交換用コア部13aの入口通風路18と温風通路19の出口部19aとの間を仕切る。
【0047】
温風通路19は、ヒータコア13の熱交換用コア部13aを通過した温風が流れる通路であって、ヒータコア13の車両後方側部位からヒータコア13の上方部にわたって湾曲状の形状に形成されている。温風通路19の出口部19aの上方部には、仕切り壁17bが設けられている。
【0048】
仕切り壁17bは、空調ケーシング11の内部において車両後方側壁面付近から後述する空気混合部20に至る範囲に亘り車両前後方向に延びるように形成されている。仕切り壁17bは、後述の連通口23より空気流れ下流側の通路と温風通路19との間を仕切ることができる。
【0049】
エアミックスドア16は、ケース停止部11a、11bの間を揺動することにより、冷風バイパス通路15の開度とヒータコア入口通風路18の開度とを調整する。これにより、入口通風路18を通過してヒータコア13の熱交換用コア部13aで加熱される温風(矢印a)と冷風バイパス通路15を通過する冷風(矢印b)との風量割合を調整することになる。
【0050】
温風通路19の下流側には、熱交換用コア部13aで加熱される温風と冷風バイパス通路15を通過する冷風とを混合する空気混合部20(図1中鎖線で示す)が設けられている。
【0051】
空調ケーシング11の上面部には空気混合部20から吹き出される空気流を窓ガラスに向けて吹き出すデフロスタ開口部21が開口している。デフロスタ開口部21はデフロスタドア22により開閉される。
【0052】
デフロスタドア22は、回転軸22aを中心として回転自在に構成され、デフロスタ開口部21および連通口23を選択的に開閉する。連通口23は、空気混合部20からの空調空気をフェイス開口部24とフット開口部25側に流すための通路となる。フェイス開口部24とフット開口部27がフットフェイス切替用ドア26により選択的に開閉される。
【0053】
次に、エアミックスドア16の回転軸16bを駆動するための機構について図2〜図4を参照して説明する。図3は図2中Y矢視図である。
【0054】
回転軸16bの右側端部には、図2に示すように、駆動レバー30が配置されている。駆動レバー30は、図2に示すように、細長い板状部材であって、その長手方向が回転軸16bに対して直交するように設けられている。
【0055】
ここで、空調ケーシング11の突起部11k、11pにより、駆動レバー30における回転軸16bの軸線方向の位置が決められている。突起部11k、11pは、右側側壁110bから右側に突出するように形成されている。
【0056】
駆動レバー30のうち長手方向一端側には、図3に示すように、支持部31と開口部32とが設けられている。開口部32は、駆動レバー30において、長方形の空所32aを形成している。支持部31は、空所32aに対して長手方向他端側に配置されている。
【0057】
支持部31は貫通孔31aを構成しており、貫通孔31aは、回転軸16bが貫通されて回転軸16bを回転自在に支持するように形成されている。貫通孔31aは、空所32aに隣接して形成されている。貫通孔31aの一部が空所32aに繋がるように形成されている。
【0058】
開口部32内には、バネ40が配置されている。バネ40は、断面四角形の角柱部材(梁部材)であって、回転軸16bの軸線方向に直交するように配置されている。バネ40は、その長手方向一端側が駆動レバー30により支持され、開口部32のうち側部32bから突出するように形成されている。バネ40の先端部は、回転軸16bに対して長手方向一端側に位置することになる。
【0059】
バネ40は、後述するように、エアミックスドア16が風圧により回転することを防止するために、弾性力により回転軸16bの径方向外周側から径方向中心側に力(図3中矢印E参照)を与えるように予め設定されている。これに加えて、バネ40は、弾性変形によりエアミックスドア16の作動領域の両側端部にアイドル領域を設ける役割を果たす。
【0060】
図4(a)に図3中のバネ40単体を示し、図4(b)に図3中の回転軸16b単体を示す。
【0061】
バネ40の先端側には、図4(a)に示すように、回転軸16bに向けて凸となる爪部41が設けられている。爪部41は、その断面が3つの角部を有する形状に形成されている。爪部41は、回転軸16bの溝部16c(図4(b)参照)との間で力の授受を行う。なお、回転軸16bの溝部16cの詳細については後述する。
【0062】
バネ40の先端側には、凸部42が設けられている。凸部42は、回転軸16bと反対側に凸となるように形成されている。凸部42は、後述するように、バネ40の先端側が回転軸16bの径方向外周側に移動した際に、駆動レバー30の開口部32の上側32cに接触する。開口部32の上側32c(図3参照)は、バネ40の先端側の移動を止めて、回転軸16bの溝部16cから爪部41の先端部が外れることを防止する外れ防止部を構成する。
【0063】
本実施形態では、バネ40と駆動レバー30とは樹脂材料、或いは金属材料からなるもので、バネ40と駆動レバー30とが一体に成形されたものが用いられている。
【0064】
回転軸16bには、図3および図4(b)に示すように、凹部としての溝16cが設けられている。溝16cは、図3に示すように、空所32aに向けて開口する。
【0065】
溝16cは、互いに対向する側壁16d、16eの間の距離Lが径方向内周側から径方向外周側に向かうほど広がる断面V字状に形成されている。側壁16d、16eは、回転軸16bの中心側からバネ40の爪部41(すなわち、先端側)に向かう径方向に対して傾斜する面をそれぞれ構成している。
【0066】
また、図3に示すように、駆動レバー30のうち長手方向他端側には、ピン35が配置されている。ピン35は、駆動レバー30から右側に突出するように配置されている。
【0067】
ピン35には、リング部材50が嵌め込まれている。リング部材50には、インナーワイヤ51の一端部が接続されている。インナーワイヤ51は、筒状のアウタワイヤ52内を貫通している。インナーワイヤ51の他端部は、コントロールパネル55の操作レバー55aに接続されている。アウタワイヤ52は、空調ケーシング11等に支持されている。
【0068】
操作レバー55aは、コントロールパネル55に対してスライド移動自在に支持されている。操作レバー55aは、エアミックスドア16を駆動するために乗員により操作される。
【0069】
次に、本実施形態の作動について説明する。
【0070】
図5〜図9は、駆動レバー30、回転軸16bおよびエアミックスドア16の作動状態を示す模式図である。
【0071】
まず、操作レバー55aを最大冷房位置(図3中COOLと記す)と最大暖房位置(図3中HOTと記す)との間の中間位置で、最大暖房位置側にスライド移動させると、駆動レバー30が他方側に所定角度揺動する。これにより、駆動レバー30からの回転力がバネ40側から爪部41および溝16cを介して回転軸16b側に伝わる。このため、エアミックスドア16aが他方側に揺動する。
【0072】
一方、操作レバー55aを最大冷房位置と最大暖房位置との間の中間位置で、最大冷房位置側にスライド移動させると、駆動レバー30が一方側に所定角度揺動する。これにより、駆動レバー30からの回転力がバネ40側から爪部41および溝16cを介して回転軸16b側に伝わる。このため、エアミックスドア16aが一方側に揺動する。
【0073】
また、操作レバー55aが最大冷房位置に位置するときには、操作レバー55aにより駆動レバー30がインナーワイヤ51を介して引っ張られている。このとき、駆動レバー30からバネ40を通して回転軸16bに一方側への回転力が加わえられている。これに伴い、エアミックスドア16aに回転力が働いてパッキン部材161がケース停止部11aに当たる。
【0074】
このとき、ケース停止部11aからエアミックスドア16aに反力が与えられる。これに伴い、図5に示すように、回転軸16bの溝16cの側壁16dから反力Aが、バネ40に働く。これに伴い、当該反力Aの分力Bとして、回転軸16bの中心側から外周側に向かう力が働く。このため、バネ40のうち基部40a側が弾性変形により曲がり、バネ40の先端側が回転軸16bの径方向外周側に位置している。
【0075】
これに加えて、バネ40の凸部42が開口部32のうち上側32cに接触している。これにより、バネ40の爪部41の先端部が溝部16c内に位置することになる。
【0076】
次に、操作レバー55aを最大冷房位置から所定距離だけ最大暖房位置(図3中HOTと記す)側にスライド移動させると、駆動レバー30が他方側に角度θ1(図10参照)揺動する。
【0077】
これに伴い、バネ40の弾性変形が戻り、バネ40の先端側が回転軸16bの径方向内周側に移動する。
【0078】
以上により、ケース停止部11aによりエアミックスドア16aの回転軸16bが停止された状態で、バネ40の爪部41が径方向内周側に移動することにより、駆動レバー30が角度θ1揺動することになる。このとき、バネ40の爪部41の移動距離が駆動レバー30の揺動角度θ1に対応することになる。
【0079】
また、バネ40の爪部41が径方向内周側に移動すると、図6に示すように、バネ40の弾性変形により撓んだ状態で、バネ40の爪部41が溝16cの側壁16d、16eに接触する。これにより、バネ40の弾性力が回転軸16bの径方向外周側から径方向中心側に与えられることになる。
【0080】
その後、さらに、操作レバー55aを最大暖房位置側に所定距離だけスライド移動させると、駆動レバー30が他方側に所定角度揺動する。これにより、駆動レバー30からの回転力がバネ40側から爪部41および溝16cを介して回転軸16b側に伝わる。このため、エアミックスドア16aが他方側に揺動する(図7参照)。すなわち、駆動レバー30が、エアミックスドア16aとともに、揺動することになる。
【0081】
ここで、図7に示すように、エアミックスドア16aが回転方向他方側への風圧Hを受けて回転軸16bに回転力が生じると、この回転力に基づいて回転軸16bの側壁16dからバネ40の爪部41に対して力Fが働く。このとき、力Fの分力Fが回転軸16bの径方向中心側から径方向外周側に向けて働く。
【0082】
これに対し、バネ40の弾性力により、上述の如く、回転軸16bの径方向外周側から径方向中心側に力Gが与えられている。このとき、力Gが分力Fより大きくなっている。このため、バネ40の弾性力が風圧Hに基づく回転力を相殺することになる。したがって、エアミックスドア16aが風圧Hを受けた際に回転軸16bに回転力が生じることを抑制することができる。
【0083】
その後、引き続いて操作レバー55aを所定距離だけ最大暖房位置側にスライド移動させると、駆動レバー30が他方側に所定角度揺動する。これにより、駆動レバー30からの回転力がバネ40側から爪部41および溝16cを介して回転軸16b側に伝わる。このため、エアミックスドア16aが他方側に揺動して、図8に示すように、エアミックスドア16aのパッキン部材160がケース停止部11bに当たる。
【0084】
次に、操作レバー55aが最大暖房位置側にスライド移動させて操作レバー55aを最大暖房位置に設定すると、駆動レバー30が他方側に所定角度θ3(図10参照)揺動する。このため、駆動レバー30からバネ40を通して回転軸16bに他方側への回転力が加わる。これに伴い、エアミックスドア16aに対して他方側への回転力が働いてパッキン部材160がケース停止部11bに当たる。
【0085】
このとき、ケース停止部11bからエアミックスドア16aに反力が与えられる。これに伴い、図9に示すように、回転軸16bの溝16の側壁16eから反力Cが、バネ40に働く。このため、当該反力Cの分力Dとして、回転軸16bの中心側から外周側に向かう力が働く。このため、バネ40のうち基部40a側が弾性変形により曲がり、バネ40の爪部41が回転軸16bの径方向外周側に移動することになる。
【0086】
これに加えて、バネ40の凸部42が開口部32の上側32cに接触する。これにより、バネ40の爪部41の先端部が溝16c内に位置することになる。
【0087】
これにより、ケース停止部11aによりエアミックスドア16aの回転軸16bが停止された状態で、バネ40の先端側が径方向外周側に移動することにより、駆動レバー30が角度θ3揺動することになる。ここで、バネ40の爪部41の移動量距離が駆動レバー30の揺動角度θ3に対応することになる。
【0088】
以上説明した本実施形態によれば、図10において駆動レバー30の作動領域とエアミックスドア16aの作動角との関係を示すように、駆動レバー30の作動領域の中間領域θ2では、駆動レバー30の揺動に伴ってエアミックスドア16aの作動角が変化する。
【0089】
操作レバー55aが最大冷房位置から最大暖房位置側にスライド移動させた場合には、ケース停止部11aによりエアミックスドア16aの回転軸16bが停止された状態で、バネ40の先端側が径方向内周側に移動する。これにより、駆動レバー30の作動領域のうち一端側で、エアミックスドア16aが停止した状態で駆動レバー30が角度θ1揺動することになる。
【0090】
操作レバー55aを最大暖房位置に設定する場合には、ケース停止部11bによりエアミックスドア16aの回転軸16bが停止された状態で、バネ40の先端側が径方向外周側に移動する。これにより、駆動レバー30の作動領域のうち他端側で、エアミックスドア16aが停止した状態で駆動レバー30が角度θ3揺動することになる。
【0091】
したがって、レバーの溝に関係なく、駆動レバー30の作動領域のうち一端側と他端側とに、エアミックスドア16aが停止した状態で駆動レバー30が揺動するアイドル領域を設けることができる。
【0092】
本実施形態では、バネ40は、回転軸16bに対してその径方向外周側から径方向中心側に向けて弾性力が働くように予め設定されている。このため、風圧Hによりエアミックスドア16に回転が生じることを抑えることができる。
【0093】
本実施形態では、駆動レバー30がその作動領域のうち一端側および他端側のうち一方に位置するとき、ケース停止部11a(11b)からエアミックスドア16aに反力が生じる。このため、この反力に応じてバネ40が弾性変形により曲がり、バネ40の先端側が回転軸16bの径方向外周側に移動するものの、バネ40の凸部42が駆動レバー30の開口部32のうち上側32cに接触する。これにより、バネ40の爪部41の先端部が溝部16cから外れることを防止できる。
【0094】
ここで、バネ40の爪部41の先端部が溝部16cから外れると、バネ40と回転軸16bとの間の力の授受が行えなくなる。
【0095】
これに対し、本実施形態では、バネ40の凸部42を駆動レバー30の開口部32のうち上側32cに接触させることにより、バネ40の爪部41の先端部が溝部16cから外れることを防止している。このため、バネ40と回転軸16bとの間の力の授受を確実に行うことができる。したがって、エアミックスドア16aが停止した状態で駆動レバー30が揺動するアイドル領域を確実に設けることができる。
【0096】
本実施形態では、バネ40の爪部41の移動量距離が、上述の如く、エアミックスドア16aの回転が停止された状態で駆動レバー30が揺動する角度θ1、θ3に対応することになる。したがって、バネ40の凸部42のうち突出方向の距離を調整することにより、バネ40の爪部41の移動量距離を調整できる。これにより、バネ40の凸部42のうち突出方向の距離を調整することにより、アイドル領域の範囲を調整することができる。
【0097】
上述の実施形態では、バネ40と駆動レバー30とが一体に成形されたものを用いた例を示したが、これに代えて、バネ40および駆動レバー30として、それぞれ、別々の部材として成形されたものを用いてもよい。この場合、例えば、駆動レバー30に溝を設け、この溝にバネ40を嵌め込んで駆動レバー30にバネ40を固定するようにしてもよい。
【0098】
上述の実施形態では、バネ40としてその長手方向一端側が駆動レバー30により支持されたものを用いた例を示したが、これに代えて、バネ40としてその長手方向一端側と他端側とが駆動レバー30により支持されたものを用いてもよい。
【0099】
上述の第1実施形態では、バネ40として、エアミックスドア16が風圧により回転することを防止するために、弾性力により回転軸16bの径方向中心側に力(図3中矢印E参照)を与えるように予め設定されているものを用いた例を示したが、これに代えて、バネ40として、弾性力により回転軸16bの径方向中心側に力を与えないように予め設定されているもの(図11参照)を用いてもよい。
【0100】
上述の第1実施形態では、バネ40の爪部41として、断面が3つの角部を有する形状に形成されたものを用いた例を示したが、これに代えて、バネ40の爪部41を、下記の(1)、(2)、(3)のように構成してもよい。
【0101】
(1)図12(a)の正面図および図12(b)の右側面図に示すように、バネ40の爪部41を、断面略三角形に形成されたものを用いてもよい。
【0102】
図12(a)、(b)に示す例では、回転軸16bの溝部16cは、駆動レバー30の長手方向他端側(すなわち、ピン35側)に開口するように形成されている。回転軸16bのうち溝部16cの側壁16dに対して径方向外周側には、断面球状の突起部16gが設けられている。回転軸16bのうち溝部16cの側壁16eに対して径方向外周側には、断面球状の突起部16hが設けられている。
【0103】
ここで、バネ40の爪部41は、2つの側壁41a、41bの間の距離Mが先端に向かうほど短くなる断面三角形に形成されている。
【0104】
ここで、回転軸16bの突起部16gがバネ40の爪部41の側壁41aに接触し、かつ突起部16hが側壁41bに接触した状態で、回転軸16bとバネ40との間の力の授受を行うことになる。
【0105】
図12(a)、(b)に示す例では、回転軸16bに対して径方向中心側に凹む溝16kが設けられている。駆動レバー30には、回転軸16bの溝16kに係合する鉤部37が設けられている。鉤部37は、駆動レバー30の貫通孔31aから回転軸16bが軸線方向に外れることを防止する。ここで、回転軸16bが停止した状態で、駆動レバー30が揺動する際には、回転軸16bの溝16k内を鉤部37が回転方向移動することになる。
【0106】
(2)図13(a)の正面図および図13(b)の右側面図に示すように、バネ40の溝部45を設け、回転軸16bに突起部165を設けるようにしてもよい。
【0107】
図13(a)、(b)に示す例では、バネ40の溝部45は、互いに対向する側壁165a、165bの間の距離が回転軸16bに近づくほど広がる断面V字状に形成されている。
【0108】
回転軸16bの突起部165のうち先端側には、側壁165aに向けて凸となる凸部165aと、側壁165aに向けて凸となる凸部165bとが設けられている。回転軸16bは、凸部165a、165bによって、バネ40の爪部41との間の力の授受を行うことになる。
【0109】
(3)図14(a)の正面図および図14(b)の右側面図に示すように、 バネ40として、板材から成る板バネを用いてもよい。図14(a)、(b)には、図13(a)、(b)と同様に、バネ40の溝部45を設け、回転軸16bに突起部165を設ける例を示している。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、エアミックスドア16aの回転軸を駆動レバー30が支持するように構成した例を示したが、これに代えて、エアミックスドア16aの回転軸と駆動レバー30との間にドアレバーと軸レバーとを配置させるように構成した本実施形態を示す。
【0110】
図15(a)に、本実施形態においてエアミックスドア16aを駆動するための駆動機構を示す。図15(b)は図15(a)中A−A断面図である。図15(a)、(b)において、図3と同一符号のものは、同一のものを示す。
【0111】
エアミックスドア16aの回転軸82は、ドアレバー81の長手方向一端側に配置されている。回転軸82は、ドアレバー81に支持されている。回転軸82は、空調ケーシング11の右側側壁および左側側壁によって回転自在に支持されている。ドアレバー81には、「く」の字状に形成された溝81aが設けられている。
【0112】
ドアレバー81には、軸レバー80が連結されている。軸レバー80のうち長手方向一端側には、ピン80aが配置されている。ピン80aは、ドアレバー81の溝81a内に入っている。軸レバー80のうち長手方向他端側には、回転軸16bが配置されている。回転軸16bは、軸レバー80によって支持されている。回転軸16bは、空調ケーシング11によって回転自在に支持されている。
【0113】
図16に、回転軸16bの周辺の部分拡大図を示す。
【0114】
回転軸16bには、径方向中心側に凹む凹部16dが設けられている。駆動レバー30の支持部31には、回転軸16bの径方向中心側に突出する凸部30Xが設けられている。凸部30Xは凹部16d内に入っている。
【0115】
ここで、凸部30Xのうち円周方向の距離L1は、回転軸16bのうち凹部16dを形成する円周方向側壁16Y、16Zの間の距離(すなわち、凹部16dのうち円周方向の距離)L2より短くなっている。
【0116】
次に、本実施形態の作動について説明する。図17〜図21は、エアミックスドア16aおよびレバー80、81、30の作動状態を示す模式図である。
【0117】
まず、操作レバー55a(図3参照)が最大冷房位置(図中COOLと記す)側に位置するときには、上述の第1実施形態と同様、操作レバー55aにより駆動レバー30がインナーワイヤ51を介して引っ張られている。このとき、駆動レバー30からバネ40を通して回転軸16bに一方側への回転力が加わる。この回転力は、レバー80、81を介してエアミックスドア16aに働いてパッキン部材161がケース停止部11aに当たる。
【0118】
このとき、上述の第1実施形態と実質的に同様、回転軸16bの溝16cの側壁16eから反力が、バネ40に働く。これに伴い、バネ40のうち基部40a側が弾性変形により曲がる。これに伴い、バネ40の爪部41の先端部が回転軸16bの溝部16c(図16参照)内で径方向外周側に位置している。
【0119】
このとき、凸部30Xが回転軸16bの凹部16dを形成する円周方向側壁16Yに接触する。このため、駆動レバー30が回転することが止められている。
【0120】
次に、操作レバー55aを最大冷房位置から最大暖房位置(図3中HOTと記す)側にスライド移動させると、ケース停止部11aによりエアミックスドア16aの回転軸16bが停止された状態で、駆動レバー30が他方側に角度θ1揺動する。これに伴い、バネ40の弾性変形が戻り、バネ40の先端側が回転軸16bの径方向内周側に移動する。これに伴い、凸部30Xが、図18に示すように、回転軸16bの円周方向側壁16Yから離れる。
【0121】
ここで、凸部30Xの移動距離が駆動レバー30の揺動角度θ1に対応することになる。
【0122】
次に、操作レバー55aを最大暖房位置側にスライド移動させると、駆動レバー30が他方側に揺動する。これにより、駆動レバー30からの回転力がバネ40側から爪部41および溝16cを介して回転軸16b側に伝わる。これに伴い、軸レバー80が回転軸16bを中心として揺動する。
【0123】
このため、ピン80aが、図19および図20に示すように、ドアレバー81の溝81a内を摺動する。これにより、軸レバー80の回転力が回転軸82に伝わる。これにより、操作レバー55aの最大暖房位置側へのスライド移動に伴って、エアミックスドア16aが他方側に揺動することになる。
【0124】
引き続き、操作レバー55aを最大暖房位置側にスライド移動させて操作レバー55aが最大暖房位置に設定されると、駆動レバー30が他方側に所定角度θ3揺動する。
【0125】
このとき、凸部30Xが、円周方向移動して、図21に示すように、回転軸16bの凹部16dを形成する円周方向側壁16Zに接触する。このため、駆動レバー30が回転することが止められる。
【0126】
また、駆動レバー30の揺動に伴って、駆動レバー30からバネ40を通して回転軸16bに他方側への回転力が加わる。この回転力は、レバー80、81を介してエアミックスドア16aに伝わる。このため、パッキン部材161がケース停止部11bに当たる。
【0127】
このとき、上述の第1実施形態と実質的に同様、回転軸16bの溝16の側壁16dから反力が、バネ40に働く。このため、バネ40のうち基部40a側が弾性変形により曲がり、バネ40の先端側が溝部16c(図16参照)内で、径方向外周側に移動することになる。
【0128】
ここで、凸部30Xの移動距離が駆動レバー30の揺動角度θ2に対応することになる。
【0129】
以上説明した本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様に、レバーの溝に関係なく、駆動レバー30の作動領域のうち一端側と他端側とに、エアミックスドア16aが停止した状態で駆動レバー30が揺動するアイドル領域を設けることができる。
【0130】
本実施形態では、上述のごとく、回転軸16bの回転が停止された状態で凸部30Xが回転軸16bの凹部16d内を移動した移動距離が、エアミックスドア16aが停止した状態で駆動レバー30が揺動するアイドル領域の角度θ1、θ3に対応している。このため、円周方向側壁16Y、16Zの間の距離L2に対する凸部30Xのうち円周方向の距離L1を調整することにより、アイドル領域の範囲を調整することができる。
【0131】
上述の第2実施形態では、回転軸16bに凹部16dを設け、駆動レバー30の支持部31に凸部30Xを設けた例を示したが、これに代えて、回転軸16bに凸部30を設け、駆動レバー30の支持部31に凹部を設けてもよい。
【0132】
この場合、回転軸16bが停止した状態で駆動レバー30が回転する際には、凸部30に対して凹部が相対的に移動することになる。
【0133】
上述の第2実施形態では、凹部16dと凸部30Xとを設ける代わりに、上述の第1実施形態と同様に、バネ40の爪部41が溝16cから外れことを防止するために、バネ40の凸部42(図3)を開口部32の上側32cに接触させる構成にしてもよい。
【0134】
また、上述の第1実施形態において、上述の第2実施形態と同様に、凹部16d(図16参照)と凸部30Xとを設けて駆動レバー30に対して回転軸16bの回転を止める構成にしてもよい。
【0135】
上述の第2実施形態では、バネ40の爪部41を設け、回転軸16bに溝16cを設けた例を示したが、これに代えて、バネ40の溝を設け、回転軸16bに爪部を設けてもよい。また、溝および爪部としては、上述の第1実施形態と同様に、図12(a)、(b)、図13(a)、(b)、図14(a)、(b)に示すように構成してもよい。
【0136】
上述の第1、第2実施形態では、本発明に係るドアとして板ドアを用いた例を示したが、これに限らず、スライドドア、ロータリドア、フィルムドアなどの各種のドアを本発明に係るドアとして用いてもよい。
【0137】
上述の第1、第2実施形態では、1つのバネを、駆動レバー30に設けた例を示したが、これに限らず、2つ以上のバネを、駆動レバーに設けてもよい。
【0138】
上述の第1、第2実施形態では、本発明に係るドアとしてエアミックスドア16を用いた例を示したが、これに限らず、デフロスタドア22、フットフェイス切替用ドア26などの各種のドアを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の断面構成を示す図である。
【図2】図1中X矢視図である。
【図3】図1の駆動レバーを示す図である。
【図4】図3の回転軸および爪部を示す図である。
【図5】図3の駆動レバーおよびエアミックスドアの作動状態を示す図である。
【図6】図3の駆動レバーおよびエアミックスドアの作動状態を示す図である。
【図7】図3の駆動レバーおよびエアミックスドアの作動状態を示す図である。
【図8】図3の駆動レバーおよびエアミックスドアの作動状態を示す図である。
【図9】図3の駆動レバーおよびエアミックスドアの作動状態を示す図である。
【図10】図3の駆動レバーの作動領域とエアミックスドアの作動角との関係を示す図である。
【図11】第1実施形態における駆動レバーの第1の変形例を示す図である。
【図12】第1実施形態における駆動レバーの第2の変形例を示す図である。
【図13】第1実施形態における駆動レバーの第3の変形例を示す図である。
【図14】第1実施形態における駆動レバーの第4の変形例を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態における駆動レバーを示す図である。
【図16】第2実施形態の駆動レバーおよび回転軸の部分拡大図である。
【図17】第2実施形態における駆動レバーの第4の変形例を示す図である。
【図18】第2実施形態における駆動レバーの第4の変形例を示す図である。
【図19】第2実施形態における駆動レバーの第4の変形例を示す図である。
【図20】第2実施形態における駆動レバーの第4の変形例を示す図である。
【図21】第2実施形態における駆動レバーの第4の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0140】
11 空調ケーシング
16 エアミックスドア
16b 回転軸
16c 溝部
30 駆動レバー
31 支持部
32 開口部
31a 貫通孔
32a 空所
35 ピン
40 バネ
41 爪部
42 凸部
50 リング部材
51 インナーワイヤ
52 アウタワイヤ
55 コントロールパネル
55a 操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に支持された回転軸(16b)と、前記回転軸(16b)の回転に伴って空調ケーシング内の空気通路を開閉するドア本体(16a)とを有するドア(16)と、
前記回転軸(16b)を回転自在に支持する支持部(31)を有し、かつ前記回転軸(16b)の軸線方向に対して長手方向が交差するように配置されている駆動レバー(30)と、
前記駆動レバー(30)により支持されたバネ(40)と、を備え、
前記バネ(40)と前記回転軸(16b)とのうちいずれか一方には、他方に向けて凸となる爪部(41)が設けられ、前記他方には、前記爪部(41)が入るように形成された凹部(16c)が設けられており、
前記駆動レバー(30)が駆動されて前記回転軸(16b)を中心として揺動することにより、前記駆動レバー(30)からの回転力が前記バネ(40)側から前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記回転軸(16b)側に伝わって、前記ドア(16)が第1の停止部材(11a)と第2の停止部材(11b)との間を揺動するようになっており、
前記第1の停止部材(11a)により前記回転軸(16b)の回転方向一方側への回転が止められ、かつ前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる回転方向一方側への力により前記バネ(40)が弾性変形した状態から、前記駆動レバー(30)が回転方向他方側に駆動されたとき、前記バネ(40)の弾性変形が戻ることにより、前記回転軸(16b)が停止された状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動するようになっており、
前記第2の停止部材(11b)により前記回転軸(16b)の回転方向他方側への回転が止められた状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたとき、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる回転方向他方側への力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記回転軸(16b)が停止した状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動することを特徴とする空調装置用ドア装置。
【請求項2】
前記バネ(40)の弾性力を前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記回転軸(16b)の径方向外周側から径方向中心側に与えることにより前記空気通路内の風圧により前記ドア(16)に回転が生じることを抑えるように前記バネ(40)が予め設定されていることを特徴とする請求項1に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項3】
前記凹部(16c)および前記爪部(41)のうち少なくとも一方には、前記回転軸(16b)から前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記バネ(40)に働く力として、前記回転軸(16b)の径方向中心側から径方向外周側に働く力を発生させる面(16d、16e)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項4】
前記バネ(40)は、前記駆動レバー(30)から突出するように形成されており、
前記バネ(40)のうち先端側には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が設けられており、
前記面(16d、16e)は、前記回転軸中心側から前記バネ(40)のうち前記先端側に向かう前記回転軸径方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項5】
前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる力に基づいて前記バネ(40)のうち前記先端側より基部側が前記弾性変形により曲がるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項6】
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記回転軸(16b)の回転が止められた状態で前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記駆動レバー(30)には、前記バネ(40)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めることにより、前記爪部(41)の先端部が前記凹部(16c)から外れることを防止する外れ防止部(32c)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項7】
前記駆動レバー(30)には、前記外れ防止部(32c)に向けて凸となる凸部(42)が設けられており、
前記凸部(42)が前記外れ防止部(32c)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めるようになっていることを特徴とする請求項6に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項8】
前記駆動レバー(30)には、空所(32a)を形成する開口部(32)が設けられており、
前記バネ(40)は、前記開口部(32)から前記空所(32a)内に突出するように形成されており、
前記開口部(32)は前記外れ防止部(32c)を構成していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の空調装置用ドア装置。
【請求項9】
前記支持部(31)は、前記回転軸(16b)が挿入されて前記回転軸を回転自在に支持するように形成された貫通孔(31a)を有し、
前記貫通孔(31a)は、前記空所(32a)に隣接して前記空所に繋がるように形成されて、前記回転軸(16b)が前記空所(32a)内に露出するようになっており、
前記回転軸(16b)のうち前記空所(32a)内に露出している部分には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が配置されていることを特徴とする請求項8に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項10】
前記駆動レバー(30)の前記支持部(31)と前記回転軸(16b)とのうち一方には、他方の部材に向けて凸となる凸部(30X)が設けられており、前記他方の部材には、前記凸部(30X)が入る凹部(16X)が設けられており、
前記凸部の円周方向の距離は、前記凹部(16X)の円周方向の距離により短くなっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたときには、前記凸部(30X)および前記凹部(16X)のうち一方が他方に対して相対的に円周方向に移動して、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記回転軸(16b)に加わる力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記他方の部材のうち前記凹部(16X)を形成する円周方向側壁(16Y、16Z)と前記凸部(30X)とが接触することにより、前記駆動レバー(30)の揺動が止まるようになっていることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1つに記載の空調装置用ドア装置。
【請求項11】
回転自在に支持された第1の回転軸(82)と、前記第1の回転軸(82)の回転に伴って空調ケーシング内の空気通路を開閉するドア本体(16a)とを有するドア(16)と、
前記第1の回転軸(82)により支持されたドアレバー(81)と、
回転自在に支持された第2の回転軸(16b)を有する軸レバー(80)とを備え、
前記ドアレバー(81)および前記軸レバー(80)のうち一方のレバーには、溝(81a)が設けられており、他方のレバーには、前記溝(81a)内に入るように成形されたピン(80a)が設けられており、
前記第2の回転軸(16b)を回転自在に支持する支持部(31)を有し、かつ前記第2の回転軸(16b)の軸線方向に対して長手方向が交差するように配置された駆動レバー(30)と、
前記駆動レバー(30)により支持されたバネ(40)と、を備え、
前記バネ(40)と前記回転軸(16b)とのうちいずれか一方には、他方に向けて凸となる爪部(41)が設けられ、前記他方には、前記爪部(41)が入るように形成された凹部(16c)が設けられており、
前記駆動レバー(30)が駆動されて前記第2の回転軸(16b)を中心として揺動することにより、前記駆動レバー(30)からの回転力が前記バネ(40)側から前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記第2の回転軸(16b)に伝わって前記軸レバー(80)が揺動し、前記軸レバー(80)の揺動に伴って前記溝(81a)内を前記ピン(80a)が摺動して前記ドアレバー(81)が回転し、前記ドアレバー(81)の回転に伴って前記第1の回転軸(82)が回転して前記ドア(16)が第1の停止部材(11a)と第2の停止部材(11b)との間を揺動するようになっており、
前記第1の停止部材(11a)により前記第2の回転軸(16b)の回転方向一方側への回転が止められ、かつ前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる前記回転方向一方側への力により前記バネ(40)が弾性変形した状態から、前記駆動レバー(30)が回転方向他方側に駆動されたとき、前記バネ(40)の弾性変形が戻ることにより、前記第2の回転軸(16b)が停止された状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動するようになっており、
前記第2の停止部材(11b)により前記第2の回転軸(16b)の回転方向他方側への回転が止められた状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたとき、前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる回転方向他方側への力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記第2の回転軸(16b)が停止した状態で前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に揺動するようになっていることを特徴とする空調装置用ドア装置。
【請求項12】
前記バネ(40)の弾性力を前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記回転軸(16b)の径方向外周側から径方向中心側に与えることにより前記空気通路内の風圧により前記ドア(16)に回転が生じることを抑えるように前記バネ(40)が予め設定されていることを特徴とする請求項11に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項13】
前記凹部(16c)および前記爪部(41)のうち少なくとも一方には、前記第2の回転軸(16b)から前記爪部(41)および前記凹部(16c)を介して前記バネ(40)に働く力として、前記第2の回転軸(16b)の径方向中心側から径方向外周側に働く力を発生させる面(16d、16e)が設けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項14】
前記バネ(40)は、前記駆動レバー(30)から突出するように形成されており、
前記バネ(40)のうち先端側には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が設けられており、
前記面(16d、16e)は、前記回転軸中心側から前記バネ(40)のうち前記先端側に向かう前記回転軸径方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項13に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項15】
前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる力に基づいて前記バネ(40)のうち前記先端側より基部側が前記弾性変形により曲がるようになっていることを特徴とする請求項14に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項16】
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記第2の回転軸(16b)が止められた状態で前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる回転力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記第2の回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記駆動レバー(30)には、前記バネ(40)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めることにより、前記爪部(41)の先端部が前記凹部(16c)から外れることを防止する外れ防止部(32c)が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項17】
前記駆動レバー(30)には、前記外れ防止部(32c)に向けて凸となる凸部(42)が設けられており、
前記凸部(42)が前記外れ防止部(32c)に接触して前記バネ(40)の先端側の移動を止めるようになっていることを特徴とする請求項16に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項18】
前記駆動レバー(30)には、空所(32a)を形成する開口部(32)が設けられており、
前記バネ(40)は、前記開口部(32)から前記空所(32a)内に突出するように形成されており、
前記開口部(32)は、前記外れ防止部(32c)を構成していることを特徴とする請求項11ないし17のいずれか1つに記載の空調装置用ドア装置。
【請求項19】
前記支持部(31)は、前記第2の回転軸(16b)が挿入されて前記第2の回転軸を回転自在に支持するように形成された貫通孔(31a)を有し
前記貫通孔(31a)は、前記空所(32a)に隣接して前記空所に繋がるように形成されて、前記第2の回転軸(16b)が前記空所(32a)内に露出するようになっており、
前記第2の回転軸(16b)のうち前記空所(32a)内に露出している部分には、前記爪部(41)および前記凹部(16c)のうちいずれか一方が配置されていることを特徴とする請求項18に記載の空調装置用ドア装置。
【請求項20】
前記駆動レバー(30)の前記支持部(31)と前記第2の回転軸(16b)とのうち一方には、他方の部材に向けて凸となる凸部(30X)が設けられており、前記他方の部材には、前記凸部(30X)が入る凹部(16X)が設けられており、
前記凸部の円周方向の距離は、前記凹部(16X)の円周方向の距離により短くなっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記第2の回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記駆動レバー(30)が前記回転方向他方側に駆動されたときには、前記凸部(30X)および前記凹部(16X)のうち一方が他方に対して相対的に円周方向に移動して前記駆動レバー(30)から前記バネ(40)を通して前記第2の回転軸(16b)に加わる力により前記バネ(40)が弾性変形することにより、前記バネ(40)の先端側が前記第2の回転軸(16b)の径方向外側に移動するようになっており、
前記第1、第2の停止部材(11a、11b)のうちいずれか一方により前記第2の回転軸(16b)の回転が止められた状態で、前記他方の部材のうち前記凹部(16X)を形成する円周方向側壁と前記凸部(30X)とが接触することにより、前記駆動レバー(30)の揺動が止まるようになっていることを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1つに記載の空調装置用ドア装置。
【請求項21】
前記爪部(41)には、前記他方のうち前記凹部(45)を形成する内壁(45a、45b)に向けて突出する突起部(165a、165b)が設けられており、
前記突起部(165a、165b)は、前記内壁(45a、45b)に接触して前記駆動レバー(30)と前記回転軸(16b)との間で力の授受を行うことを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1つに記載の空調装置用ドア装置。
【請求項22】
前記他方には、前記爪部(41)に向けて突出する突起部(16g、16h)が設けられており、
前記突起部(16g、16h)は、前記爪部(41)に接触して前記駆動レバー(30)と前記回転軸(16b)との間で力の授受を行うことを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1つに記載の空調装置用ドア装置。
【請求項23】
前記バネ(40)は、前記駆動レバー(30)と一体に成形されたものであることを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1つに記載の空調装置用ドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−120497(P2010−120497A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295365(P2008−295365)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】