説明

空調装置

【課題】枠体を廃止しても複数の空気通路の独立性を維持できる空調装置を提供する。
【解決手段】室内へ向かって空気が流れる空気通路を形成するケース11と、ケース11に固定され、ケース11内を複数の空気通路15、16に区画形成する仕切部14と、複数の空気通路15、16を通過する空気を浄化する本体部19を有するフィルタ部材17とを備え、本体部19には、仕切部14が挿入される窪み部19aが形成されているので、枠体を用いることなくフィルタ部材17内を複数の空気通路15、16に対応して複数に仕切ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース内に複数の空気通路が形成される空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空調装置が特許文献1〜3に記載されている。これらの従来技術では、空気を清浄するフィルタ部材を2つの空気通路に跨って設けるために、ケース内に複数の空気通路を区画形成する2層仕切り板が、フィルタ部材に対応する位置で途切れるようにしている。
【0003】
一方、フィルタ部材は、空気を浄化する不織布製の本体部と、本体部を固定する枠体とを有しており、複数の空気通路の独立性を維持するために、2層仕切り板に対応する仕切部を枠体に形成し、この仕切部で本体部を2つに分割している。
【特許文献1】特開2001−21176号公報
【特許文献2】特開2002−310453号公報
【特許文献3】特開2002−224519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、仕切部を枠体に形成しているので、コストダウンのために枠体を廃止すると、複数の空気通路の独立性を維持することができなくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、枠体を廃止しても複数の空気通路の独立性を維持できる空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、室内へ向かって空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、
ケース(11)に固定され、ケース(11)内を複数の空気通路(15、16)に区画形成する仕切部(14)と、
複数の空気通路(15、16)を通過する空気を浄化する本体部(19)を有するフィルタ部材(17)とを備え、
本体部(19)には、仕切部(14)が挿入される窪み部(19a)が形成されていることを特徴とする。
【0007】
これによると、枠体を用いることなくフィルタ部材(17)内を複数の空気通路(15、16)に対応して複数に仕切ることができるので、枠体を廃止しても複数の空気通路(15、16)の独立性を維持することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の空調装置において、仕切部(14)は平板状に形成され、
窪み部(19a)は仕切部(14)と平行に延びる溝状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の空調装置において、本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)を有し、
フィルタ部材(17)は、襞状部(20)の折れ線が仕切部(14)と平行になるように複数の空気通路(15、16)内に配置され、
窪み部(19a)は、襞状に折り曲げられた襞状部(20)の谷部で構成されていることを特徴とする。
【0010】
これによると、襞状部(20)の谷部を利用して窪み部(19a)を構成しているので、フィルタ部材(17)を簡素化できる。なお、本発明における「襞状部(20)の折れ線が仕切部(14)と平行になる」とは、襞状部(20)の折れ線と仕切部(14)とが厳密に平行であることのみを意味するものではなく、仕切部(14)を襞状部(20)の谷部に挿入できる範囲内において襞状部(20)の折れ線と仕切部(14)とが略平行であることを含む意味のものである。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の空調装置において、ケース(11)には、フィルタ部材(17)を仕切部(14)と平行な方向に脱着するための脱着口(11a)が形成されていることを特徴とする。
【0012】
これにより、フィルタ部材(17)の脱着を容易に行うことができる。なお、本発明における「フィルタ部材(17)を仕切部(14)と平行な方向に脱着する」とは、厳密に平行な方向に脱着することのみを意味するものではなく、略平行な方向に脱着することを含む意味のものである。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の空調装置において、ケース(11)は、脱着口(11a)を閉塞するカバー(11b)を有し、
仕切部(14)のうち窪み部(19a)内に挿入される部位(14a)は、カバー(11b)に固定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明では、室内へ向かって空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、
ケース(11)内を複数の空気通路(15、16)に区画形成する仕切部(14)と、
複数の空気通路(15、16)を通過する空気を浄化する本体部(19)を有するフィルタ部材(17)とを備え、
本体部(19)には、仕切部(14)の一部を構成するフィルタ側仕切部(20a、20b、21c、22)が形成されていることを特徴とする。これにより、上記した請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0015】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の空調装置において、本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)と、襞状部(20)よりも硬く形成されてフィルタ側仕切部をなす部材(21c、22)とを有していることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明では、請求項6に記載の空調装置において、本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)を有し、
フィルタ側仕切部(20a)は、襞状部(20)の折り曲げ密度を密にすることで形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明では、請求項6に記載の空調装置において、本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)を有し、
フィルタ側仕切部(20b)は、襞状部(20)を硬化させることで形成されていることを特徴とする。
【0018】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1、図2に基づいて説明する。本実施形態は、本発明の空調装置を車両用空調装置に適用したものである。図1は車両用空調装置の室内ユニット10の要部構成を示す断面図であり、図2は室内ユニット10の要部構成を示す分解斜視図である。
【0020】
室内ユニット10は車室内への空気通路をなすケース11を備える。このケース11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
【0021】
ケース11は、成形上の型抜きの都合、ケース内への空調機器の組付上の理由等から、複数の分割ケースに分割して成形した後に、この複数の分割ケースを一体に締結する構成になっている。
【0022】
このケース11内の上流側部位には、空気流を発生する送風手段としての第1ファン12および第2ファン13が設けられている。本例では、第1、第2ファン12、13は同軸上に配置され、共通のモータ(図示せず)にて回転駆動される。
【0023】
図示を省略しているが、ケース11のうち両ファン12、13の上流側には、内気モード、外気モードおよび内外気2層モードの3つのモードに応じて、両ファン12、13の吸込み空気を車室内の空気(内気)および車室外の空気(外気)のいずれかに切り替える内外気切替装置が配置されている。
【0024】
具体的には、内外気切替装置には、内気を導入する内気導入口と、外気を導入する外気導入口とが形成されている。この内気導入口および外気導入口は、内外気切替ドアにより切替開閉されるようになっている。
【0025】
内外気切替装置は、内気モードが選択されると両ファン12、13の吸込み空気を内気にする。内外気切替装置は、外気モードが選択されると両ファン12、13の吸込み空気を外気にする。そして、内外気切替装置は、内外気2層モードが選択されると、第1ファン12の吸込み空気を内気にし、第2ファン13の吸込み空気を外気にする。
【0026】
ケース11内の空間は、第1ファン12からの送風空気が流れる第1の空気通路15と、第2ファン13からの送風空気が流れる第2の空気通路16とに、平板状の仕切部14によって仕切られている。
【0027】
仕切部14は、ケース11と同様の理由により、ポリプロピレン等の樹脂にて成形されており、その全体がケース11に固定されている。具体的には、仕切部14は、ケース11を構成する複数の分割ケースと一体成形されている。なお、仕切部14をケース11と別体に成形した後に、ねじ止め等の適宜固定手段によってケース11に固定してもよい。
【0028】
仕切部14は、後述するフィルタ部材17、蒸発器18およびヒータコアを第1、第2空気通路15、16に跨って配置するために、フィルタ部材17、蒸発器18およびヒータコアの配置領域を避けて形成されている。
【0029】
ケース11内において、第1ファン12、第2ファン13の下流側には、上記内気吸入口と上記外気吸入口とから吸入された空気を浄化するフィルタ部材17が、第1、第2空気通路15、16に跨って配置されている。フィルタ部材17は、一片が15〜30cm程度の四角形状を有しており、ケース11内のほぼ全断面にわたって配置されている。
【0030】
ケース11のうちフィルタ部材17の側方部位には、フィルタ部材17を脱着するための脱着口11aが形成されている。図示の都合上、図1では、脱着口11aを二点鎖線で示している。
【0031】
ケース11は、脱着口11aを閉塞するカバー11bを有している。カバー11bは、ねじ、クリップ、係合爪等の適宜固定手段によりケース11の脱着口11a近傍部分に固定されている。
【0032】
カバー11bをケース11の脱着口11a部分から取り外すことにより、フィルタ部材17をケース11に対して仕切部14と略平行な方向(図1の紙面垂直方向、図2の左右方向)に脱着することが可能になる。
【0033】
ケース11内において、フィルタ部材17の直ぐ下流側には、冷却用熱交換器としての蒸発器18が、第1、第2空気通路15、16に跨って設けられている。蒸発器18は、図示しない圧縮機、放熱器および膨張弁等とともに冷凍サイクルを構成している。
【0034】
図示を省略しているが、ケース11内において、蒸発器18の下流側には加熱用熱交換器としてのヒータコアが、第1、第2空気通路15、16に跨って配置されている。図示を省略しているが、ケース11内には、温度調整手段としてのエアミックスドアが配置されている。
【0035】
エアミックスドアは、その開度を連続的に変化させることによって、蒸発器18にて冷却された冷風のうち、ヒータコアを通過させる風量とヒータコアをバイパスさせる風量との風量比を連続的に変化させて、車室内送風空気の温度を調整する。
【0036】
図示を省略しているが、ケース11の最下流部には、フェイス開口部、フット開口部およびデフロスタ開口部が形成されている。ケース11内で温度調整された空調風は、これらの開口部から図示しないダクトに流入した後に、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口およびデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)から車室内に吹き出される。これらの開口部は、ケース11内に配置された吹出モード切替ドア(図示せず)により切替開閉される。
【0037】
上述した内気モード、外気モードおよび内外気2層モードの3つのモードのうち内外気2層モードでは、第1空気通路15を流れた内気をフット吹出口から車室内足元部に向けて吹き出すとともに、第2空気通路16を流れた外気をデフロスタ吹出口から窓ガラスに向けて吹き出す。これにより、車室内乗員足元部の暖房効果の向上と、窓ガラス防曇性の確保とを両立させる。
【0038】
そして、内外気2層モードにおいて、第1空気通路15を流れる内気と第2空気通路16を流れた外気とがフィルタ部材17で混合してしまうことを防止するために、蒸発器18上流側の仕切部14をフィルタ部材17の本体部19内まで延長している。
【0039】
ここで、フィルタ部材17の構成を詳細に説明すると、本実施形態のフィルタ部材17は、通過空気を浄化する本体部19のみで構成されており、上記従来技術における枠体に相当するものを有していない。
【0040】
本体部19は、濾紙や不織布等の薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された四角形状の襞状部20と、この襞状部20の形状を保持するために襞状部20の外周の全周にわたって接着された帯状の保持部21とで構成されている。保持部21は、不織布等により、襞状部20よりも硬く形成されている。
【0041】
フィルタ部材17は、ケース11内に1つのみ配置されている。また、フィルタ部材17は、襞状部20の折れ線が仕切部14と略平行になるようにケース11内に配置されている。そして、フィルタ部材17は、襞状部20の多数個の谷部のうち1つの谷部内に仕切部14が位置するようにケース11内に配置されている。
【0042】
換言すれば、フィルタ部材17の本体部19には、襞状部20の多数個の谷部によって、仕切部14と平行に延びる溝状の窪み部が多数個形成され、この多数個の窪み部のうち1つの窪み部19aに仕切部14が挿入されている。
【0043】
保持部21のうち仕切部14と直交する方向(図2の上下方向)に延びる部位には、フィルタ部材17を脱着口11aからケース11内に組み付ける際における仕切部14との干渉を回避するための切り欠き21a、21bが形成されている。
【0044】
本例では、切り欠き21a、21bを襞状部20の両側に形成しているが、襞状部20よりもカバー11b側(図2の右方側)の切り欠き21bを廃止してもよい。
【0045】
次に、上記構成における作動を説明する。第1ファン12からの送風空気は、第1空気通路15を流れてフィルタ部材17を通過して浄化される。フィルタ部材17で浄化された空気は、蒸発器18にて冷却された後、蒸発器18下流側の第1空気通路15を流れてヒータコア及びエアミックスドアにて所望温度に調節され、所定の吹出口から車室内に吹き出される。
【0046】
第2ファン13からの送風空気は、第2空気通路16を流れてフィルタ部材17を通過して浄化される。フィルタ部材17で浄化された空気は、蒸発器18にて冷却された後、蒸発器18下流側の第2空気通路16を流れてヒータコア及びエアミックスドアにて所望温度に調節され、所定の吹出口から車室内に吹き出される。
【0047】
本実施形態では、ケース11に固定された仕切部14をフィルタ部材17の窪み部19a内に挿入しているので、上記従来技術におけるフィルタ部材の枠体を廃止しても第1、第2空気通路15、16の独立性を確保することができ、ひいては内外気2層モード時における第1空気通路15の内気と第2空気通路16の外気との混合を防止できる。
【0048】
図3は、本実施形態において、フィルタ部材17を取り外した状態を示している。この状態における作動では、送風空気がフィルタ部材17を通過しないので、通風抵抗を低減して風量を増加させることができる。
【0049】
しかも、仕切部14が蒸発器18の直ぐ上流側まで形成されているので、フィルタ部材17を取り外した場合であっても蒸発器18の直ぐ上流側まで第1空気通路15と第2空気通路16とを仕切部14で仕切ることができる。このため、通風抵抗を低減するためにフィルタ部材17を取り外した場合においても、第1、第2空気通路15、16の独立性を確保することができる。
【0050】
また、本実施形態では、フィルタ部材17の本体部19を1つのみ用いているので、本体部を2つに分割している上記従来技術に比べてコストを低減できる。
【0051】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、仕切部14の全体をケース11本体(カバー11b以外の部分)に固定しているが、本第2実施形態では、図4、図5に示すように、仕切部14のうちフィルタ部材17の窪み部19a内に挿入される部位14aを仕切部14の残余の部位と別体化してケース11のカバー11bに固定している。カバー11bに固定される部位14aはカバー11bと一体成形することができる。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、ケース11側に固定された仕切部14の一部を本体部19内に挿入しているが、本第3実施形態では、図6に示すように、仕切部14の一部を本体部19に形成している。換言すれば、本体部19に、仕切部14の一部を構成するフィルタ側仕切部を形成している。
【0053】
具体的には、保持部21と同様の部材にて構成された帯状部材22を仕切部14と平行に襞状部20内に配置し、帯状部材22の両端を保持部21に接着して固定している。これにより、帯状部材22がフィルタ側仕切部としての役割を果たすこととなる。本実施形態においても、上記第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、襞状部20とは別の部材である帯状部材22によってフィルタ側仕切部を形成しているが、本第4実施形態では、図7に示すように、襞状部20自体によってフィルタ側仕切部を形成している。
【0055】
具体的には、襞状部20のうち仕切部14に対応する部位20aの折り曲げ密度を密にし、この折り曲げ密度を密にした部位20aがフィルタ側仕切部としての役割を果たすようにしている。本実施形態においても、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(第5実施形態)
上記第4実施形態では、襞状部20の折り曲げ密度を密にすることでフィルタ側仕切部20aを形成しているが、本第5実施形態では、図8に示すように、襞状部20を硬化させることでフィルタ側仕切部20bを形成している。具体的には、襞状部20のうち仕切部14に対応する部位20bを、硬化性の樹脂接着剤などを染み込ませて硬化させることでフィルタ側仕切部を形成している。図8では、図示の都合上、フィルタ側仕切部20bの形成部位を太実線で示している。本実施形態においても、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(第6実施形態)
上記第3〜第5実施形態では、フィルタ部材17の本体部19を1つのみ用いているが、本第6実施形態では、図9に示すように、本体部19を2つ用いている。具体的には、第1、第2空気通路に本体部19を1つずつ配置している。
【0058】
本実施形態によると、2つの本体部19の保持部21のうち、仕切部14と平行に延びて互いに隣接する部位21cがフィルタ側仕切部としての役割を果たすので、上記第3〜第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、フィルタ部材17の本体部19の具体的構成の一例を示したものに過ぎず、仕切部14を挿入するための窪み部が形成された構成、または、仕切部14の一部を構成するフィルタ側仕切部が形成された構成であれば、本体部19の具体的構成を種々変更することができる。
【0060】
例えば、上記第1実施形態では、保持部21を襞状部20の外周の全周にわたって配置しているが、保持部21を襞状部20の外周に部分的に配置してもよい。この場合には、仕切部14に対応する部位を避けて保持部21を配置すれば、保持部21に切り欠き21a、21bを形成することなく保持部21と仕切部14との干渉を回避できる。
【0061】
また、上記各実施形態では、仕切部14を平板状に形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば曲板状等の形状に形成してもよい。
【0062】
また、上記第1、第3〜第5実施形態では、ケース11に対するフィルタ部材17の脱着を脱着口11aから行うようになっているが、ケース11を複数の分割ケースに分解してフィルタ部材17の脱着を行うようにしてもよい。この場合には、ケース11の脱着口11aおよびカバー11bを廃止できる。
【0063】
また、上記各実施形態は、本発明を適用した空調装置の構成例を示したものに過ぎず、ケース内に複数の空気通路が形成された種々の空調装置に広く本発明を適用することができる。例えば、車両用空調装置に限定されることなく、据置型の空調装置に本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1実施形態における車両用空調装置の室内ユニットを示す断面図である。
【図2】図1の室内ユニットの分解斜視図である。
【図3】図1の室内ユニットにおいてフィルタ部材を取り外した状態を示す断面図である。
【図4】第2実施形態における車両用空調装置の室内ユニットを示す断面図である。
【図5】図4の室内ユニットの分解斜視図である。
【図6】(a)は第3実施形態における車両用空調装置の室内ユニットを示す断面図であり、(b)は(a)のフィルタ部材の単体断面図である。
【図7】(a)は第4実施形態における車両用空調装置の室内ユニットを示す断面図であり、(b)は(a)のフィルタ部材の単体断面図である。
【図8】(a)は第5実施形態における車両用空調装置の室内ユニットを示す断面図であり、(b)は(a)のフィルタ部材の単体断面図である。
【図9】(a)は第6実施形態における車両用空調装置の室内ユニットを示す断面図であり、(b)は(a)のフィルタ部材の単体断面図である。
【符号の説明】
【0065】
11 ケース
14 仕切部
15 第1空気通路
16 第2空気通路
17 フィルタ部材
19 本体部
19a 窪み部
20 襞状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内へ向かって空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、
前記ケース(11)に固定され、前記ケース(11)内を複数の空気通路(15、16)に区画形成する仕切部(14)と、
前記複数の空気通路(15、16)を通過する空気を浄化する本体部(19)を有するフィルタ部材(17)とを備え、
前記本体部(19)には、前記仕切部(14)が挿入される窪み部(19a)が形成されていることを特徴とする空調装置。
【請求項2】
前記仕切部(14)は平板状に形成され、
前記窪み部(19a)は前記仕切部(14)と平行に延びる溝状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
前記本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)を有し、
前記フィルタ部材(17)は、前記襞状部(20)の折れ線が前記仕切部(14)と平行になるように前記複数の空気通路(15、16)内に配置され、
前記窪み部(19a)は、襞状に折り曲げられた前記襞状部(20)の谷部で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の空調装置。
【請求項4】
前記ケース(11)には、前記フィルタ部材(17)を前記仕切部(14)と平行な方向に脱着するための脱着口(11a)が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の空調装置。
【請求項5】
前記ケース(11)は、前記脱着口(11a)を閉塞するカバー(11b)を有し、
前記仕切部(14)のうち前記窪み部(19a)内に挿入される部位(14a)は、前記カバー(11b)に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の空調装置。
【請求項6】
室内へ向かって空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、
前記ケース(11)内を複数の空気通路(15、16)に区画形成する仕切部(14)と、
前記複数の空気通路(15、16)を通過する空気を浄化する本体部(19)を有するフィルタ部材(17)とを備え、
前記本体部(19)には、前記仕切部(14)の一部を構成するフィルタ側仕切部(20a、20b、21c、22)が形成されていることを特徴とする空調装置。
【請求項7】
前記本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)と、前記襞状部(20)よりも硬く形成されて前記フィルタ側仕切部をなす部材(21c、22)とを有していることを特徴とする請求項6に記載の空調装置。
【請求項8】
前記本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)を有し、
前記フィルタ側仕切部(20a)は、前記襞状部(20)の折り曲げ密度を密にすることで形成されていることを特徴とする請求項6に記載の空調装置。
【請求項9】
前記本体部(19)は、薄い濾材を襞状に折り曲げることで形成された襞状部(20)を有し、
前記フィルタ側仕切部(20b)は、前記襞状部(20)を硬化させることで形成されていることを特徴とする請求項6に記載の空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−48480(P2010−48480A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213993(P2008−213993)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】