説明

穿刺デバイスおよびその製造方法

【課題】穿刺針を皮膚に刺す際に、患者に与える痛みを低減するための小型化された穿刺デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】穿刺デバイス1は、本体部10と、可撓性部材からなり、本体部から延びる複数の突起部12、14と、本体部の複数の突起部の間から所定方向に延びる穿刺針16とを備え、各突起部を穿刺部位に当接させた状態で、本体部を所定方向に押圧したとき、複数の突起部が互いに対して遠ざかる拡張方向に変形して、穿刺部位を引っ張り、穿刺針が穿刺部位を突き刺す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺針を有する穿刺デバイスおよびその製造方法に関し、穿刺針を穿刺する際に患者が受ける痛みを緩和することができる穿刺デバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、注射針などの穿刺針を患者などの皮膚に突き刺して薬液を注入するとき、患者は大きな痛みを感じる。とりわけ子供が注射を受ける場合、痛みに過剰に反応することがあり、施術者(医者や看護師)の作業性は格段に減退し、注射針が突き刺さった状態で暴れるなどして、不適切な注射を助長することにもなりかねない。そこで、これまでにも「できるだけ痛くない注射針」に対する研究開発が進められてきた。
【0003】
同様に、例えば、糖尿患者は、血中糖濃度を定期的に測定する必要があり、穿刺針を皮膚(例えば、指先)に突き刺して、微少量の血液を採取するが、大人であっても、穿刺針を突き刺す際の痛みは不快であり、一日に何度も血液を採取することは多大な苦痛を伴うものである。
【0004】
本願発明者は、できるだけ痛くない注射針の形状に関し、蚊の針が皮膚に刺さっても痛みを感じないことからヒントを得て、特許文献1に開示された蚊の針を模したランセットを開発した。
また、注射針を皮膚に刺すための周辺デバイスに対する工夫もなされており、特許文献2によれば、注射針を振動させながら突き刺したり、注射部位押さえ治具を用いて、これに接触する皮膚を逆向きに引っ張ることにより、痛みを低減することが開示されている。
【特許文献1】WO2005/058162号パンフレット
【特許文献2】特開2001−346874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2の注射部位押さえ治具は、一対の半鋏からなり、施術者の一方の手で注射部位押さえ治具を患者の皮膚にしっかりと固定するように保持しながら、他方の手で注射を行う必要があり、操作が複雑で、使い勝手が悪かった。
また、この注射部位押さえ治具は、押さえ部全体が患者の皮膚に接触するようにして用いられることから、注射を打つ毎に、押さえ部を含む治具を殺菌処理する必要があり、施術者に過大な手間を強いるものであった。さらに、この押さえ治具は嵩張るため、糖尿病患者が常時携帯するには不便なものであった。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、穿刺針を皮膚に刺す際に、患者に与える痛みを低減するための小型化された穿刺デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、穿刺デバイスは、本体部と、可撓性部材からなり、本体部から延びる複数の突起部と、本体部の複数の突起部の間から所定方向に延びる穿刺針とを備え、各突起部を穿刺部位に当接させた状態で、本体部を所定方向に押圧したとき、複数の突起部が互いに対して遠ざかる拡張方向に変形して、穿刺部位を引っ張り、穿刺針が穿刺部位を突き刺すことを特徴とする。
【0008】
好適には、穿刺針は、拡張方向と直交する方向に沿って延びる鋭利なエッジを有する。
【0009】
また、複数の突起部が対向する1対の突起部からなり、所定方向と拡張方向が互いに実質的に直交していてもよい。
【0010】
また、一方の突起部が他方の突起部より長くてもよい。
【0011】
択一的には、複数の突起部が対向する2対の突起部からなり、一方の対の突起部の第1の拡張方向が他方の対の突起部の第2の拡張方向と実質的に直交し、所定方向と第1および第2の拡張方向が互いに実質的に直交するように構成することができる。
【0012】
さらに好適には、本体部および突起部が一体に成形されている。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、穿刺デバイスの製造方法は、基板の表面上に所定形状の凹部を形成するステップと、基板の側部から凹部に貫通する貫通孔を形成するステップと、貫通孔に管状部材を挿通するステップと、凹部に樹脂部材を充填し、硬化させて、成型品を形成するステップと、管状部材を貫通孔から取り外すステップと、凹部から成型品を離型するステップとを有することを特徴とする。
【0014】
好適には、基板はシリコンからなり、凹部および貫通孔は、シリコンを選択的にエッチングすることにより形成される。
【0015】
また、基板は金属からなり、凹部および貫通孔は、金属を切削加工することにより形成してもよい。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による穿刺デバイスの製造方法は、本体部と複数の突起部に対応する領域において、基板の表面上に凹部を形成するステップと、凹部に樹脂部材を充填し、硬化させるステップとを有することを特徴とする。
【0017】
択一的には、穿刺デバイスの製造方法は、直方体形状を有する樹脂部材を形成するステップと、樹脂部材の一部領域をアッシングまたはレーザビームにより切除するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の穿刺デバイスは、穿刺針を皮膚に刺す際に、患者に与える痛みを低減するとともに、携帯しやすくするために、容易に小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明に係る穿刺デバイスの実施形態を説明する。各実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「X方向」、「Y方向」および「Z方向」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。また本発明は、特許請求の範囲により定義される精神および範疇に含まれるすべての変形例を含むものとし、各実施形態の説明に基づいて限定的に解釈すべきではない。
【0020】
<実施形態1>
(穿刺デバイスの構成)
図1および図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態による穿刺デバイスの構成について以下に説明する。本発明の穿刺デバイスは、例えば、糖尿病患者の血中糖濃度を測定するために、患者の適当な身体部位(例えば、指先)に穿刺して、微量血液を採取するか、択一的には、薬剤を血管内に注入するために用いられる。
【0021】
第1の実施形態による穿刺デバイス1は、図1〜図4に示すように、概略、本体部10と、本体部10から所定方向(図1(a)のZ方向下向き)に延びる一対の突起部12,14と、同様に所定方向に延びる穿刺針16とを備える。一対の突起部12,14は、例えば、ポリジメチルシロキサン樹脂(PDMS)、ポリシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などの可撓性を有する任意の樹脂を用いて成形して、任意の接着剤を用いて本体部10に接合してもよいが、好適には、上記樹脂材料を用いて、本体部10および一対の突起部12,14を一体に成形する。
特に、図1(a)および(c)によれば、本体部10は板状形状を有し、各突起部12,14は楔形形状を有するが、その他の外形形状を有していてもよい。
【0022】
穿刺デバイス1の本体部10は、X方向およびY方向の中央位置においてZ方向に延びる貫通孔18を有し、この貫通孔18に穿刺針16が挿通されている。図1(b)に示す穿刺針16は、XY平面において円形断面を有し、先細った鋭利な先端部20を有する。また好適には、穿刺針16は、その先端部20が一対の突起部12,14の先端部12a,14aより若干上方(Z方向)に配置されるか、あるいは一対の突起部12,14の先端部12a,14aと実質的に同じZ方向レベルに達するように(同一のXY平面内に配置されるように)、本体部10に対して固定されている。
【0023】
このように構成された穿刺デバイス1において、各突起部12,14を穿刺部位Pに当接させた状態から、本体部10を所定方向に押圧したとき(図2(a))、一対の突起部12,14の一部が、患者の皮膚に係合し、互いに対して遠ざかる拡張方向(X方向とその反対方向)に変形する。すなわち、一方の突起部12がX方向に、他方の突起部14がX方向とは反対方向に向かって湾曲する。このとき一対の突起部12,14は、湾曲することにより、より広い面積で皮膚(穿刺部位P)と当接し、突起部12,14の拡張方向に皮膚を引っ張る。このように、患者の皮膚が拡張方向に引っ張られた状態で、穿刺針16が皮膚内に侵入し始め、本体部10をさらに強く所定方向に押圧したとき、図2(b)に示すように、突起部12,14が拡張方向に皮膚をさらに強く引っ張り、穿刺針16が皮膚の深部に到達するので、患者に与える痛みを実質的に低減することができる。
【0024】
上記説明では、XY平面における断面が円形である穿刺針16について説明したが、さらに好適には、穿刺針16の先端部20は、概略、拡張方向と直交する方向(Y方向とその反対方向)に沿って延びる鋭利なエッジ22を有するように形成される。こうした鋭利なエッジ22を有する穿刺針16は、例えば、先端部20が斜めにカットされた中空注射針16a(図3)であってもよいし、択一的には、先細った鋭利な先端部20を有し、XY平面で切断した切断面が台形となるように形成されたランセット16b(図4)であってもよい。拡張方向と直交する方向に沿って延びる鋭利なエッジ22は、患者の皮膚細胞を切り裂きやすくし、その結果、患者が受ける痛みをさらに軽減することができる。
【0025】
(穿刺デバイスの製造方法)
図5〜図8を参照しながら、本実施形態に係る穿刺デバイスのいくつかの製造方法について以下説明する。
【0026】
1)シリコン基板金型を用いた製造方法
まずシリコンウェーハ(シリコン基板)30を用意し、図5に示すような複数のフォトマスクパターン32を形成する。各フォトマスクパターン32は、正方形(一辺が例えば2mm、l=l=2mm)から台形部分を切り取ったような領域、すなわち本体部領域34および一対の突起部領域36において、シリコン基板30がエッチングされるように形成されている。そして、一般的な誘導結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)による深堀反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)技術(ICP−DRIE)を用いて、本体部領域34および一対の突起部領域36におけるシリコン基板30を、例えば300μmの深さまでエッチングする。こうして、シリコン基板30の表面上に所定形状の凹部38を形成する。
【0027】
こうして形成されたシリコン基板30上の凹部38に、離型剤を塗布した後、加熱して溶融した熱可塑性樹脂を充填する(流し込む)。この熱可塑性樹脂は、硬化した後に可撓性を有するものならば任意の材料であってもよく、例えば、上述のポリジメチルシロキサン樹脂(PDMS)、ポリシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂に適当に調合された添加剤、架橋剤などを含むものであってもよい。樹脂が硬化した後、硬化した樹脂部材40をシリコン基板30から離型し、矢印方向(負のZ方向)にレーザビームLBを照射することにより、あるいは上述のICP−DRIE手法により、図6に示す樹脂部材40のX方向およびY方向の中央位置に貫通孔18を設ける。さらに、貫通孔18に上述の穿刺針16を挿通し、任意の適当な接着手段を用いて、本体部10と穿刺針16を接合する。こうして、第1の実施形態による穿刺デバイス1を形成することができる。
【0028】
2)金属金型を用いた製造方法
まずニッケルまたは黄銅などからなる金属基板50を用意し、切削加工技術を用いて、図7(a)に示すような凹部52を表面上に形成する。凹部52の形状および寸法は、第1の実施形態で説明したものと同様のものであってもよい。
【0029】
こうして形成された金属基板50上の凹部52に、第1の実施形態と同様、離型剤を塗布した後、加熱して溶融させた熱可塑性樹脂を充填し、硬化後、硬化した樹脂部材40を金属基板50から離型する。さらに、レーザビームLBを用いて樹脂部材40に貫通孔18を設け、貫通孔18に穿刺針16を挿通し、任意の適当な接着手段により本体部10と穿刺針16を接合する。
【0030】
択一的には、図7(a)に示すように、レーザビームLBを用いて、凹部52を表面上に形成した金属基板50の側面54に貫通孔56を形成する。こうして形成された貫通孔56に管状部材58を挿通した状態で(図7(b))、凹部52および管状部材58の周囲に離型剤を塗布した後、上述の熱可塑性樹脂を加熱して溶融させた熱可塑性樹脂を充填する。樹脂が硬化した後、まず管状部材58を引き抜き、樹脂部材40をシリコン基板から離型する。すなわち、この変形例による樹脂部材40は、すでに形成された貫通孔18を有している。この貫通孔18に上述の穿刺針16を挿通し、任意の適当な接着手段を用いて、本体部10と穿刺針16を接合することにより、穿刺デバイス1を実現することができる。
【0031】
3)アッシングまたはレーザビームによる製造方法
まず図8に示すような直方体形状の可撓性を有する樹脂部材60(l=l=2mm,l=300μm)を用意する。この樹脂部材60は、上述のようなシリコン基板または金属基板に凹部を形成し、熱可塑性樹脂を充填することにより形成してもよいし、他の任意の方法を用いて形成してもよい。
【0032】
次に、図8のハッチングで示した切除領域62において、酸素ラジカル(O)をY方向から照射して、樹脂部材60の一部を切除する。
さらに、上記と同様に、負のZ方向にレーザビームを照射することにより、あるいはICP−DRIE手法により、樹脂部材60のX方向およびY方向の中央位置に貫通孔18を設け、貫通孔18に上述の穿刺針16を挿通し、任意の適当な接着手段を用いて、本体部10と穿刺針16を接合する。こうして、穿刺デバイス1を実現することができる。
【0033】
択一的には、すなわち酸素ラジカル(O)を樹脂部材60に照射する代わりに、レーザビームを切除領域62にY方向から照射することにより、樹脂部材60の一部を切除してもよい。
【0034】
<実施形態2>
図9および図10を参照しながら、本発明の第2の実施形態による穿刺デバイスについて以下に説明する。第2の実施形態による穿刺デバイス2は、概略、第1および第2の穿刺補助部材70,80を有し、それぞれ切り欠き部を有する点を除いて、その基本的構造は、第1の実施形態による穿刺デバイス1と同様のものである。具体的には、第1の穿刺補助部材70は、本体部72の上面に幅d(X方向の距離)の切り欠き部74を有し、第2の穿刺補助部材80は、本体部82の下面に幅d(Y方向の距離)の切り欠き部84を有する。好適には、幅dは、第1の穿刺補助部材70のY方向の幅(および第2の穿刺補助部材80のX方向の幅)と同じとなるように構成されている。こうして構成された第1および第2の穿刺補助部材70,80を、本体部72,82が互いの切り欠き部74,84に嵌合するように接合する。
【0035】
第1および第2の穿刺補助部材70,80の本体部72,82は、第1の実施形態と同様、X方向およびY方向の中央位置においてZ方向に延びる貫通孔18を有し、この貫通孔18に穿刺針16が挿通されている。
【0036】
使用に際して、各突起部76,86を穿刺部位に当接させた状態(図10(a))から、本体部10を所定方向に押圧したとき(図10(b))、二対の突起部76,86の一部が、患者の皮膚に係合し、互いに対して遠ざかる拡張方向(X方向およびY方向とその反対方向)に変形する。すなわち、第1の穿刺補助部材70の一方の突起部76がX方向に、他方の突起部76がX方向とは反対方向に向かって湾曲し、第2の穿刺補助部材80の一方の突起部86がY方向に、他方の突起部86がY方向とは反対方向に向かって湾曲する。このとき二対の突起部76,86は、湾曲することにより、より広い面積で皮膚と当接し、突起部76,86の拡張方向に皮膚を引っ張る。このように、患者の皮膚が拡張方向(X方向およびY方向)に引っ張られた状態で、穿刺針16が皮膚内に侵入し始め、本体部10をさらに強く所定方向に押圧したとき、突起部76,86が拡張方向に皮膚をさらに強く引っ張り、穿刺針16が皮膚の深部に到達するので、患者に与える痛みを実質的に低減することができる。
【0037】
<実施形態3>
図11を参照しながら、本発明の第3の実施形態による注射デバイスについて以下に説明する。第3の実施形態による注射デバイス3は、微量血液を採取するだけでなく、カテーテル用留置針などの薬液を体内に注入するためのものであって、一方の突起部が他方の突起部に比して長く、中空注射針がZ軸方向に対して傾斜している点を除き、第1の実施形態による穿刺デバイス1と同様のものである。
【0038】
より具体的には、図11(a)に示すように、一方(図面中左側)の突起部14は、他方(図面中右側)の突起部12よりも長く形成されている。また、中空注射針16は、Z軸方向に対して所定の角度(θ)を有するように本体部10に固定されている。したがって、中空注射針16を角度(θ)で傾斜させた状態で固定して血管注射や静脈注射などを行う場合に、この注射針デバイス3を有効に用いることができる。すなわち、第1の実施形態と同様、本体部10を所定方向(Z方向)に押圧したとき、一対の突起部12,14が互いに対して遠ざかる拡張方向に変形して、患者の皮膚の穿刺部位を引っ張り、この状態で注射針が穿刺部位Pを突き刺すので、患者に与える痛みを同様に低減することができる。なお、これに特に限定されないが、注射針16の傾斜角(θ)は、0度〜85度の範囲に設定される。さらに、好適には、傾斜角(θ)が60度〜80度となるように、一方の突起部14を他方の突起部12に比して長く設計される。これにより、注射針16を穿刺部位Pに穿刺しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(a)〜(d)は、本発明に係る第1の実施形態による穿刺デバイスのそれぞれ斜視図、平面図、正面図、および側面図である。
【図2】(a)および(b)は、図1(c)と同様の正面図である。
【図3】(a)〜(c)は、好適な穿刺針の正面図、側面図、および平面図である。
【図4】(a)〜(c)は、別の好適な穿刺針の正面図、側面図、および平面図である。
【図5】図1に示す穿刺デバイスの本体部および突起部を形成するシリコン基板の平面図である。
【図6】図1に示す穿刺デバイスの製造方法を示す斜視図である。
【図7】(a)および(b)は、図1に示す穿刺デバイスの本体部および突起部を形成する金属基板の斜視図である。
【図8】図1に示す穿刺デバイスの別の製造方法を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る第2の実施形態による穿刺デバイスの分解斜視図である
【図10】(a)および(b)は、図9の穿刺デバイスの使用前および使用中を示す斜視図である。
【図11】(a)および(b)は、本発明に係る第3の実施形態による注射デバイスの使用前および使用中を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
10 本体部、12,14 突起部、12a,14a 先端部、16 穿刺針、18 貫通孔、20 先端部、22 エッジ、30 シリコン基板、32 フォトマスクパターン、34 本体部領域、36 突起部領域、38 凹部、40 樹脂部材、50 金属基板、52 凹部、56 貫通孔、58 管状部材、60 樹脂部材、62 切除領域、70,80 穿刺補助部材、72,82 本体部、74,84 切り欠き部、76,86 突起部、P 穿刺部位、LB レーザビーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺デバイスであって、
本体部と、
可撓性部材からなり、本体部から延びる複数の突起部と、
本体部の複数の突起部の間から所定方向に延びる穿刺針とを備え、
各突起部を穿刺部位に当接させた状態で、本体部を所定方向に押圧したとき、複数の突起部が互いに対して遠ざかる拡張方向に変形して、穿刺部位を引っ張り、穿刺針が穿刺部位を突き刺すことを特徴とする穿刺デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の穿刺デバイスであって、
穿刺針は、拡張方向と直交する方向に沿って延びる鋭利なエッジを有することを特徴とする穿刺デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の穿刺デバイスであって、
複数の突起部が対向する1対の突起部からなり、所定方向と拡張方向が互いに実質的に直交することを特徴とする穿刺デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の穿刺デバイスであって、
一方の突起部が他方の突起部より長いことを特徴とする穿刺デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の穿刺デバイスであって、
複数の突起部が対向する2対の突起部からなり、一方の対の突起部の第1の拡張方向が他方の対の突起部の第2の拡張方向と実質的に直交し、所定方向と第1および第2の拡張方向が互いに実質的に直交することを特徴とする穿刺デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の穿刺デバイスであって、
本体部および突起部が一体に成形されていることを特徴とする穿刺デバイス。
【請求項7】
穿刺デバイスの製造方法であって、
基板の表面上に所定形状の凹部を形成するステップと、
基板の側部から凹部に貫通する貫通孔を形成するステップと、
貫通孔に管状部材を挿通するステップと、
凹部に樹脂部材を充填し、硬化させて、成型品を形成するステップと、
管状部材を貫通孔から取り外すステップと、
凹部から成型品を離型するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
基板はシリコンからなり、
凹部および貫通孔は、シリコンを選択的にエッチングすることにより形成されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、
基板は金属からなり、
凹部および貫通孔は金属を切削加工することにより形成されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の穿刺デバイスの製造方法であって、
本体部と複数の突起部に対応する領域において、基板の表面上に凹部を形成するステップと、
凹部に樹脂部材を充填し、硬化させるステップとを有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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