立体映像表示システム
【課題】赤外線通信機器に対して干渉妨害を起こすことの無い、新規な方式のワイヤレスシャッター眼鏡を具備する立体映像表示システムを提供する。
【解決手段】表示装置は、一部のフレームを所定の左右判別用フレームに置き換えて表示を行う。シャッター眼鏡は、表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号から左右判別用フレームに対応する部分を検知することにより、その左右判別用フレームに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する。
【解決手段】表示装置は、一部のフレームを所定の左右判別用フレームに置き換えて表示を行う。シャッター眼鏡は、表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号から左右判別用フレームに対応する部分を検知することにより、その左右判別用フレームに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター眼鏡を通して立体映像を視聴する立体映像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機では、赤外線のリモートコントロール(以下、リモコンと略する。)が用いられる。リモコン信号の受信部は、通常、テレビジョン受像機の前面の所定位置(一般に、蛍光灯の光照射による影響を受けにくい位置)に赤外線透過フィルターを介して配置されている。
【0003】
一方、再生映像を立体映像として見る立体映像表示システムとしてはいくつかの方式が提案されており、例えば、シャッター眼鏡方式のものは既に家庭用のテレビジョン受像機などにも実用されている。シャッター眼鏡方式とは、表示装置で左眼用画像と右眼用画像を交互に表示する一方、画像切換に同期させてシャッター眼鏡の左右の液晶シャッターの透過/非透過を切り換えることで、右眼には右眼用画像のみ、左眼には左眼用画像のみを見せる方式である。
【0004】
ワイヤレスのシャッター眼鏡において切換同期信号(シャッター制御信号と呼ぶ。)の送信に赤外線通信を使用すると、リモコン信号の受信部がシャッター制御信号の干渉を受けることによって正しいリモコン信号を受信できないという課題が生じる。特許文献1には、その課題に対しての回避方法が提案されているが、シャッター制御信号が他の赤外線通信機器に対して干渉妨害を与え得る問題は依然として残る。
【0005】
よって、シャッター制御信号は、赤外線通信以外の方法を利用して送信することが望まれる。特許文献2では、音響信号を電波で送受信するワイヤレスヘッドホンを備える立体映像再生システムにおいて、この音響信号にシャッター制御信号を多重化して伝送することが提案されている。しかしこの構成は、ワイヤレスヘッドホンと一体となったシャッター眼鏡にしか適用できないと共に、表示装置に電波の発信装置を設ける必要があるため、コストアップになってしまうという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−317427号公報
【特許文献2】特開昭63−15376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、赤外線通信機器に対して干渉妨害を起こすことの無い、新規な方式のワイヤレスシャッター眼鏡を具備する立体映像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様は、右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、前記表示装置は、一部のフレームを所定の左右判別用フレームに置き換えて表示を行うものであり、前記シャッター眼鏡は、前記表示装置の表示光を検知し光
強度に対応する信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号から左右判別用フレームに対応する部分を検知することにより、その左右判別用フレームに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する立体映像表示システムを提供する。
【0009】
本発明の第2態様は、右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、前記表示装置は、右眼用画像のフレームとその次の左眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さと、左眼用画像のフレームとその次の右眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さが互いに異なるように、各フレームの表示を行うものであり、前記シャッター眼鏡は、前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号からブランク期間の長さが長い方か短い方かを判別することにより、当該ブランク期間に続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する立体映像表示システムを提供する。
【0010】
本発明の第3態様は、右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、前記表示装置は、フレーム間のブランク期間の一部で左右判別用パルスを瞬間的に表示するものであり、前記シャッター眼鏡は、前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号から左右判別用パルスを検知することにより、その左右判別用パルスに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する立体映像表示システムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、赤外線通信機器に対して干渉妨害を起こすことの無い、新規な方式のワイヤレスシャッター眼鏡を具備する立体映像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係る立体映像表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態においてシャッター眼鏡の同期を取るための映像信号の例。
【図3】第1実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【図4】第1実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【図5】シャッター眼鏡の構造を示す図。
【図6】第2実施形態に係る立体映像表示システムの構成を示すブロック図。
【図7】第2実施形態における表示装置の垂直同期のタイミングを示す図。
【図8】第2実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【図9】第3実施形態に係る立体映像表示システムの構成を示すブロック図。
【図10】第3実施形態においてシャッター眼鏡の同期を取るための発光の例。
【図11】第3実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明に係るシャッター眼鏡方式の立体映像表示システムの実施形態を説明する。シャッター眼鏡方式とは、表示装置で左眼用画像と右眼用画像を交互に表示する一方、画像切換に同期させてシャッター眼鏡の左右の液晶シャッターの透過/非透過を切り換えることで、右眼には右眼用画像のみ、左眼には左眼用画像のみを見せる方式である。シャッター眼鏡方式の立体映像表示システムの基本的な構成については公知の技術を利用できるため詳しい説明は割愛し、以下では、本発明の特徴部分であるワイヤレスシャッター眼鏡の同期を取るための構成を主に説明する。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態は、映像表示の中に特殊な左右判別用フレームを挿入することによって、シャッター眼鏡の同期を取る構成である。なお、本実施形態では、左右判別用フレームとして全黒画像を用いる。ただし左右判別用フレームは必ずしも全黒画像である必要はなく、通常の表示映像と比べたときにその表示輝度に有意な差(判別可能な程度の差)がある画像であればよい。例えば、通常の表示映像に比べて十分低い輝度の画像や逆に十分高い輝度の画像などを、左右判別用フレームとして用いることができる。
【0015】
図1A、図1Bは、本発明の第1実施形態に係る立体映像表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。図1Aは、表示装置の主要な構成を示しており、図1Bは、シャッター眼鏡の主要な構成を示している。
【0016】
図1Aに示すように、表示装置は、映像処理回路11、パネル制御回路12、表示パネル13を備えている。映像処理回路11は、1フレームにパッキングされている3D表示用映像信号から2フレーム分の映像信号(右眼用画像と左眼用画像)を生成する回路である。なお、「右眼用画像」「左眼用画像」を以下単に「右画像」「左画像」とも記す。パネル制御回路12は、映像同期信号から表示パネル13のパネル制御信号を生成すると共に、映像処理回路11から出力される映像信号に基づき表示パネル13を駆動するための駆動信号を生成する回路である。表示パネル13は、パネル制御回路12から出力されるパネル制御信号及び駆動信号に基づき映像を表示するパネルモジュールである。本実施形態では、液晶モジュールとバックライトとそれらの駆動回路から構成されるLCDパネルを用いるが、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイなど他のタイプの表示パネルモジュールを用いてもよい。
【0017】
図1Bに示すように、シャッター眼鏡は、受光装置(受光手段)14、バンドパスフィルター15、コンパレータ16、同期調整回路17、シャッター制御回路18、右眼用の右シャッター19、左眼用の左シャッター20を備えている。受光装置14は、所定の波長域の光(ここでは可視光)を受信し、電気信号に変換するセンサである。バンドパスフィルター15は、特定の周波数をもつ電気信号のみを通過させる回路である。コンパレータ16は、閾値以上の電気信号を判定する回路である。同期調整回路17は、右シャッター19と左シャッター20の開閉のタイミングを調整するための回路である。シャッター制御回路18は、右シャッター19と左シャッター20それぞれの開閉(透過/非透過)を制御する回路である。右シャッター19、左シャッター20はいわゆる液晶シャッターである。
【0018】
3D表示用映像信号には、1フレームの左右にそれぞれの映像を配置するサイドバイサイド型や、上下に配置するライン分離型、またどちらか片方の映像に左右の相違部分を圧縮するパッキング型、などの方式がある。本実施形態の表示装置にはいずれの方式の映像信号を入力することもできる。
【0019】
映像処理回路11は、入力された映像信号の方式を自動判別し、その方式に応じて3D
表示用映像信号から右画像と左画像を分離し、右画像のフレーム(右フレーム)と左画像のフレーム(左フレーム)を交互に出力する。例えば、入力された映像信号のフレーム周波数が60Hzであった場合は、120Hzの映像信号が出力され、入力された映像信号が50Hzであった場合は、100Hzの映像信号が出力される。この120Hz(又は100Hz)の映像信号に基づき駆動される結果、表示パネル13では120Hz(又は100Hz)のフレーム周波数で右画像と左画像が交互に表示される。
【0020】
視聴者は、表示パネル13の映像をシャッター眼鏡を通して見る。そのシャッター眼鏡は、右画像と左画像の切り換えに同期して、右シャッター19と左シャッター20の透過/非透過を切り換えるために、以下のように動作する。
【0021】
受光装置14は、表示パネル13の表示光を検知し、その光強度を電気信号に変換して出力する。なお、受光装置14は、環境光の影響を少なくし画面の光信号を効果的に受光するため、メガネの向きと平行に取り付けられ、且つ、狭い指向性を持つようにすることが好ましい。
【0022】
後に説明するが、光信号には環境光の成分と表示光の成分が混合している。そこで、受光装置14から出力される電気信号に含まれる環境光成分を、バンドパスフィルター15によって除去する。このとき併せて、表示光の高周波成分についてもバンドパスフィルター15により除去する。
【0023】
次に、コンパレータ16を用いて、フィルター出力のアナログ信号を、デジタルのパルス信号に変換する。コンパレータ16の閾値は、受光装置14で検知される光強度に応じて、適切な値にフィードバック制御するとよい。同期調整回路17では、パルス信号の長さ(パルス幅)を、映像信号のフレーム期間(発光期間)に合わせて調整するとともに、以降に述べる方法により、左右のシャッターのどちらを透過状態にすべきかをシャッター制御回路18に知らせる。
【0024】
シャッター制御回路18は、同期調整回路17から出力されるパルス信号を用いて、右シャッター19および左シャッター20の開閉を制御し、左右のシャッターの透過状態と非透過状態を適切なタイミングで切り換える。
【0025】
以下、図2、図3、図4を用いて、以上の構成における、映像信号の具体的な一例を用いることにより、その動作を説明する。
【0026】
図2A、図2Bは、第1実施形態において、シャッター眼鏡の同期を取るために利用される映像信号を模式的に示している。図2Aは、一例としてサイドバイサイド方式の入力映像信号を示している。21〜23はそれぞれ左画像(L)と右画像(R)を含む各フレームの画像を示す。このうち画像22では、左画像が全黒画像となっている。図2Bは、パネル制御回路12に入力される映像信号の各フレームを示している。右画像24と左画像25が画像21に対応し、右画像26と左画像27が画像22に対応し、右画像28と左画像29が画像23に対応している。
【0027】
図2Bのような映像信号を生成する方法として、映像処理回路11の二通りの動作を説明する。
一つ目は、入力された3D表示用映像信号の中に、画像22に示すように、特殊な左右判別用フレームの画像(ここでは全黒画像)が埋め込まれている場合である。この場合は、映像処理回路11は、一般的な立体映像表示装置と同じように、入力された各フレームの画像21〜23を表示用の左右のフレームの画像24〜29に変換する。
【0028】
二つ目は、入力された3D表示用映像信号の中に左右判別用フレームの画像が埋め込まれていない場合、すなわち、通常の3D表示用映像信号の場合である。この場合は、映像処理回路11が左右判別用フレーム(全黒画像)を生成する。左右判別用フレームは、表示用の映像信号に対し、一定の周期で挿入することもできるが、好ましくは、シーンチェンジのタイミングで挿入するとよい。シーンチェンジのときであれば、左右判別用フレームを挿入することによる妨害感・違和感が視聴者にほとんど検知されないからである。シーンチェンジの検出は、例えば、映像処理回路11が映像信号の各フレームのAPL(平均輝度レベル)を求め、APL値が所定の閾値以上(例えば10%以上)変動したときにシーンチェンジと判定するという方法を利用できる。他にも、動きベクトルの変化、音声の変化などからシーンチェンジを検出してもよい。なお、図2Bの例では、左画像27のフレームのみ左右判別用フレーム(全黒画像)に置き換えているが、右画像のフレームを左右判別用フレームに置き換えてもよいし、右画像と左画像の両方のフレームとも左右判別用フレームに置き換えてもよい。
【0029】
図3A〜図3Gは、シャッター眼鏡において行われる、光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図3Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は光強度である。図3Bは、図3Aの光信号の強度に比例した電気信号の周波数特性を示し、横軸は周波数、縦軸は強度である。図3Cは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の周波数特性を示している。図3Dは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は電圧である。図3Eは、コンパレータ16を通した電気信号、図3Fは、同期調整回路17を通した電気信号、図3Gは、右シャッター19のシャッター制御信号、図3Hは、左シャッター20のシャッター制御信号を示す。
【0030】
受光装置14で受光した光信号(図3A)には、照明などの環境光の成分および表示パネル13の表示光の高周波成分が含まれているので、その周波数特性は図3Bのようになっている。そこで、バンドパスフィルター15を使用して、表示画像の周波数成分だけを取り出す。例えば、表示映像のフレーム周波数が120Hzの場合は、120Hz±20Hzの周波数範囲を帯域とするバンドパスフィルター15を通せば、図3Cのような周波数特性を持つ電気信号(図3D)を抽出することができる。
【0031】
この電気信号をコンパレータ16にてパルス化する(図3E)。この時の閾値は、電気信号の強さに応じて適応的に決められる。例えば、受光装置14又はバンドパスフィルター15から出力されるアナログ電気信号の数秒間の平均電圧を積分回路で作成し、その平均電圧を閾値とすればよい。
【0032】
同期調整回路17において、コンパレータ16から出力されたパルス信号(図3E)のパルス幅を、映像信号のフレーム期間(発光期間)に対応するパルス幅に直す。なお、映像信号のフレーム期間の時間幅は、映像信号のフレーム周波数や表示パネル13の表示モードなどから一意に決まるので、同期調整回路17はその時間幅に合わせて、パルス信号の立ち上がりと立ち下りのタイミングを伸縮する。このようにして得られた同期調整パルス信号が図3Fである。
【0033】
シャッター制御回路18は、同期調整パルス信号を1つおきに分離して、右シャッター制御信号(図3G)と左シャッター制御信号(図3H)を得る。そして、シャッター制御回路18は、右シャッター制御信号のHi/Lowに従って右シャッター19を開/閉し、左シャッター制御信号のHi/Lowに従って左シャッター20を開/閉する。これにより、表示映像(図3A)のフレーム切換に同期して、左右のシャッターの透過/非透過を切り換えることができる。
【0034】
上記方法によれば、シャッター眼鏡側で検知した表示映像の明暗の周期により、シャッターの開閉タイミングを決定することができる。しかしながら、これだけでは、右画像か左画像かの判別ができないため、右シャッター19と左シャッター20のいずれを開く(閉じる)べきかの判断がつかない。そこで本実施形態では、図2Bに示した左右判別用フレームを利用して左右の判別を行う。
【0035】
図4A〜図4Fは、シャッター眼鏡において行われる、左右判別用フレームがあるときの光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図4Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化、図4Bは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の時間変化、図4Cは、コンパレータ16を通した電気信号、図4Dは、同期調整回路17を通した電気信号である。また、図4Eは、右シャッター19のシャッター制御信号、図4Fは、左シャッター20のシャッター制御信号である。図4A〜図4Fの横軸及び縦軸は、図3A〜図3Gの対応する図と同じである。
【0036】
第1実施形態における左右判別用フレームは、図2Bで説明したように、全黒画面である。全黒画面が表示されると、当然その時の表示輝度は小さいので、受光装置14で検知される光強度は図4Aに示すように、41の部分で一部が欠けたような時間変化になる。
【0037】
この光強度を変換した電気信号を、バンドパスフィルター15に通せば、図4Bに示すように、サインカーブが42の部分で一回分欠けたような時間変化になる。この電圧波形をコンパレータ16に通したら、図4Cに示すようなパルス信号が得られる。このパルス信号は、43の部分で1回パルスが欠けている。このパルス信号を同期調整回路17に通せば、図4Dに示すようになる。
【0038】
シャッター制御回路18は、パルスが欠けるまでは、図3Gと図3Hに示すように右シャッター19と左シャッター20のLCDが交互に透過状態になるように制御する。そして、シャッター制御回路18は、図4Dの44のようにパルスが欠けたことを検知すると、次のパルスが右画像に対応するものであると理解し、そのパルスで右シャッター19が透過状態になるように制御する。
【0039】
すると、パルスの欠けた部分44で、図4Eのパルス45のように右シャッター19が透過状態であったとしても、次のパルスでは、左シャッター20が透過状態になるのではなく、図4Eのパルス46のように右シャッター19が透過状態になる。それ以降は、また左右のシャッターが交互に透過状態となるよう制御される。
【0040】
以上述べた構成によれば、シーンチェンジなどに所定の左右判別用フレームを挿入することによって、シャッターの開閉と画像表示のタイミングを合わせることはもちろんのこと、左右の判別もできるようになる。よって、もしシャッター眼鏡の左右と表示装置の左右が不一致になってしまったとしても、自動的にシャッター眼鏡と表示装置の左右を同期させることができる。
【0041】
図5は、シャッター眼鏡の構造を示す図である。図中、51は立体映像表示が可能な表示装置であり、13は表示パネルである。52はシャッター眼鏡であり、14は受光装置、19と20は左右のLCDシャッター、53は受光装置14への導光路、54は回路部のケースである。また、55は視聴者の眼であり、56は照明装置である。
【0042】
上記で説明した動作を実現するためには、受光装置14で検知する光信号において、表示パネル13の発する光と照明装置56の発する光とが弁別できるようにする必要がある。照明装置56として、白熱電球やインバーター方式蛍光灯、LED照明、などを使用する場合には、回路部ケース54内のバンドパスフィルター15にて照明光の成分を除去で
きるので問題とはならない。特に問題となるのは、照明装置56の発光周波数と表示パネル13のフレーム周波数とが同じ場合である。この場合、バンドパスフィルター15で照明光成分を取り除くのは困難である。
【0043】
そこで本実施形態では、受光装置14の前に導光路53を付加することによって、受光装置14の指向性を良くして、照明装置56からの光が受光装置に少ししか入らないようにする方法をとっている。
【0044】
更に、表示装置の発光スペクトルが既知の場合は、表示装置の各原色の発光スペクトルに対応する、光学フィルターを受光装置14の前に設置すると外光の受光強度を下げることが可能になる。例えば、三原色LEDバックライト等の各原色の発光スペクトルが狭帯域の場合、有効な方法である。
【0045】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、左画像と右画像の表示のタイミング(垂直同期)を通常の表示装置とは変える事で、シャッター眼鏡の同期を取る構成である。
【0046】
図6A、図6Bは、本発明の第1実施形態に係る立体映像表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。図6Aは、表示装置の主要な構成を示しており、図6Bは、シャッター眼鏡の主要な構成を示している。
【0047】
本実施形態の表示装置は同期変調回路211を有している。また、シャッター眼鏡は、第1実施形態のバンドパスフィルター15とは特性の異なるバンドパスフィルター212と、第1実施形態のシャッター制御回路18とは動作が異なるシャッター制御回路213を有している。それ以外の構成については第1実施形態のものと同様であるため、図1A、図1Bと同一の符号を付して、説明を省略する。
【0048】
図7A〜図7Cは、シャッター眼鏡での左右判別を可能とするために、同期変調回路211が表示装置の同期信号のタイミングを変更する動作について示している。図7Aは、同期変調回路211に入力された垂直同期(Vsync)信号である。図7Bは、同期変調回路211から出力されるデータイネーブル信号である。図7Cは、パネル制御回路12から出力される駆動信号(データ信号)である。
【0049】
映像処理回路11は、第1実施形態と同じように、元の3D表示用映像信号から右画像と左画像を分離して、各画像を120Hzのフレーム周波数で交互に出力する。
【0050】
同期変調回路211に入力される垂直同期信号(図7A)は、120Hzの均等な周期である。同期変調回路211は、この垂直同期信号を元に、新たなデータイネーブル信号(図7B)を発生する。新たなデータイネーブル信号は、垂直同期信号からの遅延量(バックポーチ)の長さが、右画像の場合と左画像の場合とで異なる。具体的には、右画像の場合は221のようにバックポーチを長くし、左画像の場合は222のようにバックポーチを短くする。
【0051】
それによって、パネル制御回路12から出力される駆動信号(図7C)のブランク期間(2つのフレームの間の非表示期間)の幅が異なる。このような駆動信号に基づき表示パネル13を駆動することで、長いブランク期間223の後に右画像が表示され、短いブランク期間224の後に左画像が表示されるようになる。その結果、表示光の無い暗期間(非表示期間)の長い部分と短い部分が交互に発生する。これをシャッター眼鏡で検知し、左右の判別を行う。
【0052】
図8A〜図8Gは、シャッター眼鏡において行われる、光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図8Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は光強度である。図8Bは、図8Aの光信号の強度に比例した電気信号の周波数特性を示し、横軸は周波数、縦軸は強度である。図8Cは、バンドパスフィルター212を通した電気信号の周波数特性を示している。図8Dは、バンドパスフィルター212を通した電気信号の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は電圧である。図8Eは、コンパレータ16を通した電気信号、図8Fは、同期調整回路17を通した電気信号、図8Gは、右シャッター19のシャッター制御信号、図8Hは、左シャッター20のシャッター制御信号を示す。
【0053】
受光装置14で受光した光信号(図8A)には、照明などの環境光の成分および表示パネル13の表示光の高周波成分が含まれている。本実施形態の表示光は、右画像と左画像に対応する山231、232のペアが60Hzの周期で現れるような波形になっている。それゆえ、その周波数特性では、図8Bのように、60Hzと120Hzの部分に二つの山が現れる。
【0054】
そこで、バンドパスフィルター212を使用して、表示画像の周波数成分だけを取り出す。例えば40〜140Hzの周波数範囲を帯域とするバンドパスフィルター212を通せば、図8Cのような周波数特性を持つ、図8Dのような電気信号が得られる。この電気信号は周期的に電圧が変化する信号となるが、電圧の低い部分が短時間であるところ235と、電圧の低い部分が長時間であるところ236が交互に現れる。
この電気信号を第1実施形態と同じようにコンパレータ16にてパルス化する(図8E)。この時の閾値は、第1実施形態と同様の手段で決められる。
【0055】
同期調整回路17において、コンパレータ16から出力されたパルス信号(図8E)のパルス幅を、映像信号のフレーム期間(発光期間)に対応するパルス幅に直す。パルス幅の伸縮の方法は第1実施形態と同様である。
そして、シャッター制御回路213は、同期調整パルス信号を1つおきに分離して、右シャッター制御信号(図8G)と左シャッター制御信号(図8H)を得る。このとき、シャッター制御回路213は、同期調整パルス信号のブランク期間の長さ(広さ)を調べ、広い方のブランク期間237に続くパルスは右シャッター用のパルス、狭い方のブランク期間238に続くパルスは左シャッター用のパルスと判別する。
【0056】
以上述べた構成によれば、垂直同期の周期を調整することによって、シャッターの開閉と画像表示のタイミングを合わせることがもちろんのこと、左右の判別もできるようになる。また、第1実施形態のように映像信号の1フレームを左右判別用フレームに置き換える必要が無いため、映像の欠落を防止することもできる。
【0057】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態は、映像信号の垂直ブランク期間に表示画面を一瞬発光させること(この瞬間的な発光を左右判別用パルスと呼ぶ。)によって、シャッター眼鏡の同期を取る構成である。
【0058】
図9A、図9Bは、本発明の第3実施形態に係る立体映像表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。図9Aは、表示装置の主要な構成を示しており、図9Bは、シャッター眼鏡の主要な構成を示している。
【0059】
本実施形態の表示装置は、第1実施形態のものとは動作が異なるパネル制御回路311を有している。また、シャッター眼鏡は、ハイパスフィルター312、信号の差分をとる差分回路313、差分回路313の出力をパルス化するコンパレータ314、第1実施形
態のものとは動作が異なるシャッター制御回路315を有している。それ以外の構成については第1実施形態のものと同様であるため、図1A、図1Bと同一の符号を付して、説明を省略する。
【0060】
図10A、図10Bは、シャッター眼鏡の同期及び左右判別を行うための表示パネル13の発光タイミングについて説明した図である。図10Aは、垂直同期信号の時間変化を表す図であり、横軸は時間、縦軸は電圧である。図10Bは、表示パネル13の発光輝度の時間変化を表す図である。図10Bの321はブランク期間であり、322はブランク期間中に設けられた発光期間である。
【0061】
映像処理回路11は、第1実施形態と同じように、元の3D表示用映像信号から右画像と左画像を分離して、各画像を120Hzのフレーム周波数で交互に出力する。その垂直同期信号は、図10Aのように120Hz周期になっている。
【0062】
パネル制御回路311は、垂直同期信号(図10A)のブランク期間のうち、右画像の後のブランク期間は通常のブランク期間321とし、左画像の後のブランク期間では、時々、322のようにブランク期間中の一瞬のみ発光させる。
【0063】
発光させるための手段は、表示パネル13の種類により異なる。例えば、液晶ディスプレイにおいては、バックライト制御により、通常のブランク期間中を黒画面としておき、発光させる期間のみ、バックライトを一瞬だけ点灯させることで行なう。プラズマディスプレイにおいては、サブフィールドによって表示を行なうので、ブランク期間中の点灯として、ブランク期間中に1回だけサブフィールド点灯させて、全面白またはグレー画面を表示させる。フィールドエミッションディスプレイや有機ELディスプレイなどのライン駆動型の表示パネルにおいては、データ側ドライブICにはグレー階調を書き込んでおき、スキャン側ドライブICを上から下まで高速にスキャンすればよい。
このブランク期間中の発光は、目立たないように10秒程度の間隔を空けて、行うのが望ましい。
【0064】
なお、ブランク期間中に発光させることが表示の妨害として感じられないように、視聴者にわかりにくいようにすると良い。そのためにシーンチェンジを検出し、シーンチェンジしているフレーム間におけるブランク期間において、左右判別用パルスを発光させるのが望ましい。
【0065】
図11A〜図11Kは、シャッター眼鏡において行われる、光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図11Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化、図11Bは、図11Aの光信号の強度に比例した電気信号の周波数特性を示す。図11Cは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の周波数特性、図11Dは、ハイパスフィルター312を通した電気信号の周波数特性を示す。図11Eは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の時間変化、図11Fは、ハイパスフィルター312を通した電気信号の時間変化を示す。図11Gは、差分回路313を通した電気信号の時間変化を示し、図11Hは、コンパレータ314を通した電気信号の時間変化を示す。図11Iは、同期調整回路17を通した電気信号、図11Jは、右シャッター19のシャッター制御信号、図11Kは、左シャッター20のシャッター制御信号を示す。
【0066】
受光装置14で受光した光信号(図11A)には、破線で示したように、ブランク期間に瞬間的な発光(左右判別用パルス)が含まれている。それゆえ、その周波数特性では、図11Bにおいて破線で示したように左右判別用パルスに対応する高周波成分が現れる。
【0067】
まず、第1実施形態と同様に、バンドパスフィルター15を通して、表示画像の周波数
成分だけを取り出す(図11C、図11E)。例えば120Hz±20Hzの周波数範囲を抽出するバンドパスフィルターを用いればよい。
【0068】
他方、ハイパスフィルター312を通して、ブランク期間中の左右判別用パルスに対応する周波数成分を取り出す(図11D、図11F)。例えば1kHz以上の周波数範囲のみを抽出するハイパスフィルターを用いればよい。
【0069】
次に、図11Fの電気信号から表示内容による高周波成分を除去するために、差分回路313において図11Fの信号から図11Eの信号を減算し、図11Gの信号が得られる。左右判別用パルスに対応する部分333が抽出されていることが分かる。この電気信号をコンパレータ314でパルス化すると、図11Hのパルス信号が得られる。このパルス信号には、左右判別用パルスに対応するパルス334が含まれる。本実施形態ではこのパルス334をシャッター眼鏡の左右の判別に用いるのである。
【0070】
シャッター制御回路315は、パルス334を検知するまでは、図3Gと図3Hに示すように右シャッター19と左シャッター20のLCDが交互に透過状態になるように制御する。そして、シャッター制御回路315は、パルス334を検知すると、同期調整回路17の出力信号(図11I)における次のパルスが右画像に対応するものであると理解する。
【0071】
すると、パルス334の時点で、図11Jのパルス335のように右シャッター19が透過状態であったとしても、次のパルスでは、左シャッター20が透過状態になるのではなく、図11Jのパルス336のように右シャッター19が透過状態になる。それ以降は、また左右のシャッターが交互に透過状態となるよう制御される。
【0072】
本実施形態の構成によれば、垂直ブランク期間に一瞬画面を発光させ、それをシャッター眼鏡側で検知することによって、第1実施形態と同様、自動的にシャッター眼鏡と表示装置の左右を同期させることができる。なお、シャッター眼鏡同期用の発光は、シーンチェンジがあるフレーム間の垂直ブランク期間に行うとよい。シーンチェンジがあると表示画像の内容が大きく変わるため、シャッター眼鏡同期用の発光に視聴者が気づきにくいという利点があるからである。
【0073】
以上述べたように、本発明の各実施形態の構成では、立体視用のシャッター眼鏡の同期を表示装置の表示画像(表示光)を利用して行うため、リモコンをはじめとする赤外線通信機器に対して干渉妨害を起こすことが無い。また、音響信号に多重化したり、電波により信号送信したりする構成に比べると、通常の2D用表示装置の映像処理回路を小変更するだけで実現できるため、低コストで立体映像表示システムを作製できる、という利点もある。
【0074】
なお、上記実施形態では、テレビジョン装置で3D動画を表示する場合を想定しているが、本発明は、コンピュータのモニタなど各種のディスプレイ装置に適用可能であり、また表示コンテンツも動画に限らず静止画にも適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
11:映像処理回路、13:表示パネル、14:受光装置、18:シャッター制御回路、19:右シャッター、20:左シャッター
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター眼鏡を通して立体映像を視聴する立体映像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機では、赤外線のリモートコントロール(以下、リモコンと略する。)が用いられる。リモコン信号の受信部は、通常、テレビジョン受像機の前面の所定位置(一般に、蛍光灯の光照射による影響を受けにくい位置)に赤外線透過フィルターを介して配置されている。
【0003】
一方、再生映像を立体映像として見る立体映像表示システムとしてはいくつかの方式が提案されており、例えば、シャッター眼鏡方式のものは既に家庭用のテレビジョン受像機などにも実用されている。シャッター眼鏡方式とは、表示装置で左眼用画像と右眼用画像を交互に表示する一方、画像切換に同期させてシャッター眼鏡の左右の液晶シャッターの透過/非透過を切り換えることで、右眼には右眼用画像のみ、左眼には左眼用画像のみを見せる方式である。
【0004】
ワイヤレスのシャッター眼鏡において切換同期信号(シャッター制御信号と呼ぶ。)の送信に赤外線通信を使用すると、リモコン信号の受信部がシャッター制御信号の干渉を受けることによって正しいリモコン信号を受信できないという課題が生じる。特許文献1には、その課題に対しての回避方法が提案されているが、シャッター制御信号が他の赤外線通信機器に対して干渉妨害を与え得る問題は依然として残る。
【0005】
よって、シャッター制御信号は、赤外線通信以外の方法を利用して送信することが望まれる。特許文献2では、音響信号を電波で送受信するワイヤレスヘッドホンを備える立体映像再生システムにおいて、この音響信号にシャッター制御信号を多重化して伝送することが提案されている。しかしこの構成は、ワイヤレスヘッドホンと一体となったシャッター眼鏡にしか適用できないと共に、表示装置に電波の発信装置を設ける必要があるため、コストアップになってしまうという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−317427号公報
【特許文献2】特開昭63−15376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、赤外線通信機器に対して干渉妨害を起こすことの無い、新規な方式のワイヤレスシャッター眼鏡を具備する立体映像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様は、右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、前記表示装置は、一部のフレームを所定の左右判別用フレームに置き換えて表示を行うものであり、前記シャッター眼鏡は、前記表示装置の表示光を検知し光
強度に対応する信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号から左右判別用フレームに対応する部分を検知することにより、その左右判別用フレームに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する立体映像表示システムを提供する。
【0009】
本発明の第2態様は、右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、前記表示装置は、右眼用画像のフレームとその次の左眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さと、左眼用画像のフレームとその次の右眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さが互いに異なるように、各フレームの表示を行うものであり、前記シャッター眼鏡は、前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号からブランク期間の長さが長い方か短い方かを判別することにより、当該ブランク期間に続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する立体映像表示システムを提供する。
【0010】
本発明の第3態様は、右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、前記表示装置は、フレーム間のブランク期間の一部で左右判別用パルスを瞬間的に表示するものであり、前記シャッター眼鏡は、前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、前記受光手段から出力される信号から左右判別用パルスを検知することにより、その左右判別用パルスに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する立体映像表示システムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、赤外線通信機器に対して干渉妨害を起こすことの無い、新規な方式のワイヤレスシャッター眼鏡を具備する立体映像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係る立体映像表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態においてシャッター眼鏡の同期を取るための映像信号の例。
【図3】第1実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【図4】第1実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【図5】シャッター眼鏡の構造を示す図。
【図6】第2実施形態に係る立体映像表示システムの構成を示すブロック図。
【図7】第2実施形態における表示装置の垂直同期のタイミングを示す図。
【図8】第2実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【図9】第3実施形態に係る立体映像表示システムの構成を示すブロック図。
【図10】第3実施形態においてシャッター眼鏡の同期を取るための発光の例。
【図11】第3実施形態における光信号からシャッター制御信号への変換過程の例。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明に係るシャッター眼鏡方式の立体映像表示システムの実施形態を説明する。シャッター眼鏡方式とは、表示装置で左眼用画像と右眼用画像を交互に表示する一方、画像切換に同期させてシャッター眼鏡の左右の液晶シャッターの透過/非透過を切り換えることで、右眼には右眼用画像のみ、左眼には左眼用画像のみを見せる方式である。シャッター眼鏡方式の立体映像表示システムの基本的な構成については公知の技術を利用できるため詳しい説明は割愛し、以下では、本発明の特徴部分であるワイヤレスシャッター眼鏡の同期を取るための構成を主に説明する。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態は、映像表示の中に特殊な左右判別用フレームを挿入することによって、シャッター眼鏡の同期を取る構成である。なお、本実施形態では、左右判別用フレームとして全黒画像を用いる。ただし左右判別用フレームは必ずしも全黒画像である必要はなく、通常の表示映像と比べたときにその表示輝度に有意な差(判別可能な程度の差)がある画像であればよい。例えば、通常の表示映像に比べて十分低い輝度の画像や逆に十分高い輝度の画像などを、左右判別用フレームとして用いることができる。
【0015】
図1A、図1Bは、本発明の第1実施形態に係る立体映像表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。図1Aは、表示装置の主要な構成を示しており、図1Bは、シャッター眼鏡の主要な構成を示している。
【0016】
図1Aに示すように、表示装置は、映像処理回路11、パネル制御回路12、表示パネル13を備えている。映像処理回路11は、1フレームにパッキングされている3D表示用映像信号から2フレーム分の映像信号(右眼用画像と左眼用画像)を生成する回路である。なお、「右眼用画像」「左眼用画像」を以下単に「右画像」「左画像」とも記す。パネル制御回路12は、映像同期信号から表示パネル13のパネル制御信号を生成すると共に、映像処理回路11から出力される映像信号に基づき表示パネル13を駆動するための駆動信号を生成する回路である。表示パネル13は、パネル制御回路12から出力されるパネル制御信号及び駆動信号に基づき映像を表示するパネルモジュールである。本実施形態では、液晶モジュールとバックライトとそれらの駆動回路から構成されるLCDパネルを用いるが、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイなど他のタイプの表示パネルモジュールを用いてもよい。
【0017】
図1Bに示すように、シャッター眼鏡は、受光装置(受光手段)14、バンドパスフィルター15、コンパレータ16、同期調整回路17、シャッター制御回路18、右眼用の右シャッター19、左眼用の左シャッター20を備えている。受光装置14は、所定の波長域の光(ここでは可視光)を受信し、電気信号に変換するセンサである。バンドパスフィルター15は、特定の周波数をもつ電気信号のみを通過させる回路である。コンパレータ16は、閾値以上の電気信号を判定する回路である。同期調整回路17は、右シャッター19と左シャッター20の開閉のタイミングを調整するための回路である。シャッター制御回路18は、右シャッター19と左シャッター20それぞれの開閉(透過/非透過)を制御する回路である。右シャッター19、左シャッター20はいわゆる液晶シャッターである。
【0018】
3D表示用映像信号には、1フレームの左右にそれぞれの映像を配置するサイドバイサイド型や、上下に配置するライン分離型、またどちらか片方の映像に左右の相違部分を圧縮するパッキング型、などの方式がある。本実施形態の表示装置にはいずれの方式の映像信号を入力することもできる。
【0019】
映像処理回路11は、入力された映像信号の方式を自動判別し、その方式に応じて3D
表示用映像信号から右画像と左画像を分離し、右画像のフレーム(右フレーム)と左画像のフレーム(左フレーム)を交互に出力する。例えば、入力された映像信号のフレーム周波数が60Hzであった場合は、120Hzの映像信号が出力され、入力された映像信号が50Hzであった場合は、100Hzの映像信号が出力される。この120Hz(又は100Hz)の映像信号に基づき駆動される結果、表示パネル13では120Hz(又は100Hz)のフレーム周波数で右画像と左画像が交互に表示される。
【0020】
視聴者は、表示パネル13の映像をシャッター眼鏡を通して見る。そのシャッター眼鏡は、右画像と左画像の切り換えに同期して、右シャッター19と左シャッター20の透過/非透過を切り換えるために、以下のように動作する。
【0021】
受光装置14は、表示パネル13の表示光を検知し、その光強度を電気信号に変換して出力する。なお、受光装置14は、環境光の影響を少なくし画面の光信号を効果的に受光するため、メガネの向きと平行に取り付けられ、且つ、狭い指向性を持つようにすることが好ましい。
【0022】
後に説明するが、光信号には環境光の成分と表示光の成分が混合している。そこで、受光装置14から出力される電気信号に含まれる環境光成分を、バンドパスフィルター15によって除去する。このとき併せて、表示光の高周波成分についてもバンドパスフィルター15により除去する。
【0023】
次に、コンパレータ16を用いて、フィルター出力のアナログ信号を、デジタルのパルス信号に変換する。コンパレータ16の閾値は、受光装置14で検知される光強度に応じて、適切な値にフィードバック制御するとよい。同期調整回路17では、パルス信号の長さ(パルス幅)を、映像信号のフレーム期間(発光期間)に合わせて調整するとともに、以降に述べる方法により、左右のシャッターのどちらを透過状態にすべきかをシャッター制御回路18に知らせる。
【0024】
シャッター制御回路18は、同期調整回路17から出力されるパルス信号を用いて、右シャッター19および左シャッター20の開閉を制御し、左右のシャッターの透過状態と非透過状態を適切なタイミングで切り換える。
【0025】
以下、図2、図3、図4を用いて、以上の構成における、映像信号の具体的な一例を用いることにより、その動作を説明する。
【0026】
図2A、図2Bは、第1実施形態において、シャッター眼鏡の同期を取るために利用される映像信号を模式的に示している。図2Aは、一例としてサイドバイサイド方式の入力映像信号を示している。21〜23はそれぞれ左画像(L)と右画像(R)を含む各フレームの画像を示す。このうち画像22では、左画像が全黒画像となっている。図2Bは、パネル制御回路12に入力される映像信号の各フレームを示している。右画像24と左画像25が画像21に対応し、右画像26と左画像27が画像22に対応し、右画像28と左画像29が画像23に対応している。
【0027】
図2Bのような映像信号を生成する方法として、映像処理回路11の二通りの動作を説明する。
一つ目は、入力された3D表示用映像信号の中に、画像22に示すように、特殊な左右判別用フレームの画像(ここでは全黒画像)が埋め込まれている場合である。この場合は、映像処理回路11は、一般的な立体映像表示装置と同じように、入力された各フレームの画像21〜23を表示用の左右のフレームの画像24〜29に変換する。
【0028】
二つ目は、入力された3D表示用映像信号の中に左右判別用フレームの画像が埋め込まれていない場合、すなわち、通常の3D表示用映像信号の場合である。この場合は、映像処理回路11が左右判別用フレーム(全黒画像)を生成する。左右判別用フレームは、表示用の映像信号に対し、一定の周期で挿入することもできるが、好ましくは、シーンチェンジのタイミングで挿入するとよい。シーンチェンジのときであれば、左右判別用フレームを挿入することによる妨害感・違和感が視聴者にほとんど検知されないからである。シーンチェンジの検出は、例えば、映像処理回路11が映像信号の各フレームのAPL(平均輝度レベル)を求め、APL値が所定の閾値以上(例えば10%以上)変動したときにシーンチェンジと判定するという方法を利用できる。他にも、動きベクトルの変化、音声の変化などからシーンチェンジを検出してもよい。なお、図2Bの例では、左画像27のフレームのみ左右判別用フレーム(全黒画像)に置き換えているが、右画像のフレームを左右判別用フレームに置き換えてもよいし、右画像と左画像の両方のフレームとも左右判別用フレームに置き換えてもよい。
【0029】
図3A〜図3Gは、シャッター眼鏡において行われる、光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図3Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は光強度である。図3Bは、図3Aの光信号の強度に比例した電気信号の周波数特性を示し、横軸は周波数、縦軸は強度である。図3Cは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の周波数特性を示している。図3Dは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は電圧である。図3Eは、コンパレータ16を通した電気信号、図3Fは、同期調整回路17を通した電気信号、図3Gは、右シャッター19のシャッター制御信号、図3Hは、左シャッター20のシャッター制御信号を示す。
【0030】
受光装置14で受光した光信号(図3A)には、照明などの環境光の成分および表示パネル13の表示光の高周波成分が含まれているので、その周波数特性は図3Bのようになっている。そこで、バンドパスフィルター15を使用して、表示画像の周波数成分だけを取り出す。例えば、表示映像のフレーム周波数が120Hzの場合は、120Hz±20Hzの周波数範囲を帯域とするバンドパスフィルター15を通せば、図3Cのような周波数特性を持つ電気信号(図3D)を抽出することができる。
【0031】
この電気信号をコンパレータ16にてパルス化する(図3E)。この時の閾値は、電気信号の強さに応じて適応的に決められる。例えば、受光装置14又はバンドパスフィルター15から出力されるアナログ電気信号の数秒間の平均電圧を積分回路で作成し、その平均電圧を閾値とすればよい。
【0032】
同期調整回路17において、コンパレータ16から出力されたパルス信号(図3E)のパルス幅を、映像信号のフレーム期間(発光期間)に対応するパルス幅に直す。なお、映像信号のフレーム期間の時間幅は、映像信号のフレーム周波数や表示パネル13の表示モードなどから一意に決まるので、同期調整回路17はその時間幅に合わせて、パルス信号の立ち上がりと立ち下りのタイミングを伸縮する。このようにして得られた同期調整パルス信号が図3Fである。
【0033】
シャッター制御回路18は、同期調整パルス信号を1つおきに分離して、右シャッター制御信号(図3G)と左シャッター制御信号(図3H)を得る。そして、シャッター制御回路18は、右シャッター制御信号のHi/Lowに従って右シャッター19を開/閉し、左シャッター制御信号のHi/Lowに従って左シャッター20を開/閉する。これにより、表示映像(図3A)のフレーム切換に同期して、左右のシャッターの透過/非透過を切り換えることができる。
【0034】
上記方法によれば、シャッター眼鏡側で検知した表示映像の明暗の周期により、シャッターの開閉タイミングを決定することができる。しかしながら、これだけでは、右画像か左画像かの判別ができないため、右シャッター19と左シャッター20のいずれを開く(閉じる)べきかの判断がつかない。そこで本実施形態では、図2Bに示した左右判別用フレームを利用して左右の判別を行う。
【0035】
図4A〜図4Fは、シャッター眼鏡において行われる、左右判別用フレームがあるときの光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図4Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化、図4Bは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の時間変化、図4Cは、コンパレータ16を通した電気信号、図4Dは、同期調整回路17を通した電気信号である。また、図4Eは、右シャッター19のシャッター制御信号、図4Fは、左シャッター20のシャッター制御信号である。図4A〜図4Fの横軸及び縦軸は、図3A〜図3Gの対応する図と同じである。
【0036】
第1実施形態における左右判別用フレームは、図2Bで説明したように、全黒画面である。全黒画面が表示されると、当然その時の表示輝度は小さいので、受光装置14で検知される光強度は図4Aに示すように、41の部分で一部が欠けたような時間変化になる。
【0037】
この光強度を変換した電気信号を、バンドパスフィルター15に通せば、図4Bに示すように、サインカーブが42の部分で一回分欠けたような時間変化になる。この電圧波形をコンパレータ16に通したら、図4Cに示すようなパルス信号が得られる。このパルス信号は、43の部分で1回パルスが欠けている。このパルス信号を同期調整回路17に通せば、図4Dに示すようになる。
【0038】
シャッター制御回路18は、パルスが欠けるまでは、図3Gと図3Hに示すように右シャッター19と左シャッター20のLCDが交互に透過状態になるように制御する。そして、シャッター制御回路18は、図4Dの44のようにパルスが欠けたことを検知すると、次のパルスが右画像に対応するものであると理解し、そのパルスで右シャッター19が透過状態になるように制御する。
【0039】
すると、パルスの欠けた部分44で、図4Eのパルス45のように右シャッター19が透過状態であったとしても、次のパルスでは、左シャッター20が透過状態になるのではなく、図4Eのパルス46のように右シャッター19が透過状態になる。それ以降は、また左右のシャッターが交互に透過状態となるよう制御される。
【0040】
以上述べた構成によれば、シーンチェンジなどに所定の左右判別用フレームを挿入することによって、シャッターの開閉と画像表示のタイミングを合わせることはもちろんのこと、左右の判別もできるようになる。よって、もしシャッター眼鏡の左右と表示装置の左右が不一致になってしまったとしても、自動的にシャッター眼鏡と表示装置の左右を同期させることができる。
【0041】
図5は、シャッター眼鏡の構造を示す図である。図中、51は立体映像表示が可能な表示装置であり、13は表示パネルである。52はシャッター眼鏡であり、14は受光装置、19と20は左右のLCDシャッター、53は受光装置14への導光路、54は回路部のケースである。また、55は視聴者の眼であり、56は照明装置である。
【0042】
上記で説明した動作を実現するためには、受光装置14で検知する光信号において、表示パネル13の発する光と照明装置56の発する光とが弁別できるようにする必要がある。照明装置56として、白熱電球やインバーター方式蛍光灯、LED照明、などを使用する場合には、回路部ケース54内のバンドパスフィルター15にて照明光の成分を除去で
きるので問題とはならない。特に問題となるのは、照明装置56の発光周波数と表示パネル13のフレーム周波数とが同じ場合である。この場合、バンドパスフィルター15で照明光成分を取り除くのは困難である。
【0043】
そこで本実施形態では、受光装置14の前に導光路53を付加することによって、受光装置14の指向性を良くして、照明装置56からの光が受光装置に少ししか入らないようにする方法をとっている。
【0044】
更に、表示装置の発光スペクトルが既知の場合は、表示装置の各原色の発光スペクトルに対応する、光学フィルターを受光装置14の前に設置すると外光の受光強度を下げることが可能になる。例えば、三原色LEDバックライト等の各原色の発光スペクトルが狭帯域の場合、有効な方法である。
【0045】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、左画像と右画像の表示のタイミング(垂直同期)を通常の表示装置とは変える事で、シャッター眼鏡の同期を取る構成である。
【0046】
図6A、図6Bは、本発明の第1実施形態に係る立体映像表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。図6Aは、表示装置の主要な構成を示しており、図6Bは、シャッター眼鏡の主要な構成を示している。
【0047】
本実施形態の表示装置は同期変調回路211を有している。また、シャッター眼鏡は、第1実施形態のバンドパスフィルター15とは特性の異なるバンドパスフィルター212と、第1実施形態のシャッター制御回路18とは動作が異なるシャッター制御回路213を有している。それ以外の構成については第1実施形態のものと同様であるため、図1A、図1Bと同一の符号を付して、説明を省略する。
【0048】
図7A〜図7Cは、シャッター眼鏡での左右判別を可能とするために、同期変調回路211が表示装置の同期信号のタイミングを変更する動作について示している。図7Aは、同期変調回路211に入力された垂直同期(Vsync)信号である。図7Bは、同期変調回路211から出力されるデータイネーブル信号である。図7Cは、パネル制御回路12から出力される駆動信号(データ信号)である。
【0049】
映像処理回路11は、第1実施形態と同じように、元の3D表示用映像信号から右画像と左画像を分離して、各画像を120Hzのフレーム周波数で交互に出力する。
【0050】
同期変調回路211に入力される垂直同期信号(図7A)は、120Hzの均等な周期である。同期変調回路211は、この垂直同期信号を元に、新たなデータイネーブル信号(図7B)を発生する。新たなデータイネーブル信号は、垂直同期信号からの遅延量(バックポーチ)の長さが、右画像の場合と左画像の場合とで異なる。具体的には、右画像の場合は221のようにバックポーチを長くし、左画像の場合は222のようにバックポーチを短くする。
【0051】
それによって、パネル制御回路12から出力される駆動信号(図7C)のブランク期間(2つのフレームの間の非表示期間)の幅が異なる。このような駆動信号に基づき表示パネル13を駆動することで、長いブランク期間223の後に右画像が表示され、短いブランク期間224の後に左画像が表示されるようになる。その結果、表示光の無い暗期間(非表示期間)の長い部分と短い部分が交互に発生する。これをシャッター眼鏡で検知し、左右の判別を行う。
【0052】
図8A〜図8Gは、シャッター眼鏡において行われる、光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図8Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は光強度である。図8Bは、図8Aの光信号の強度に比例した電気信号の周波数特性を示し、横軸は周波数、縦軸は強度である。図8Cは、バンドパスフィルター212を通した電気信号の周波数特性を示している。図8Dは、バンドパスフィルター212を通した電気信号の時間変化を示し、横軸は時間、縦軸は電圧である。図8Eは、コンパレータ16を通した電気信号、図8Fは、同期調整回路17を通した電気信号、図8Gは、右シャッター19のシャッター制御信号、図8Hは、左シャッター20のシャッター制御信号を示す。
【0053】
受光装置14で受光した光信号(図8A)には、照明などの環境光の成分および表示パネル13の表示光の高周波成分が含まれている。本実施形態の表示光は、右画像と左画像に対応する山231、232のペアが60Hzの周期で現れるような波形になっている。それゆえ、その周波数特性では、図8Bのように、60Hzと120Hzの部分に二つの山が現れる。
【0054】
そこで、バンドパスフィルター212を使用して、表示画像の周波数成分だけを取り出す。例えば40〜140Hzの周波数範囲を帯域とするバンドパスフィルター212を通せば、図8Cのような周波数特性を持つ、図8Dのような電気信号が得られる。この電気信号は周期的に電圧が変化する信号となるが、電圧の低い部分が短時間であるところ235と、電圧の低い部分が長時間であるところ236が交互に現れる。
この電気信号を第1実施形態と同じようにコンパレータ16にてパルス化する(図8E)。この時の閾値は、第1実施形態と同様の手段で決められる。
【0055】
同期調整回路17において、コンパレータ16から出力されたパルス信号(図8E)のパルス幅を、映像信号のフレーム期間(発光期間)に対応するパルス幅に直す。パルス幅の伸縮の方法は第1実施形態と同様である。
そして、シャッター制御回路213は、同期調整パルス信号を1つおきに分離して、右シャッター制御信号(図8G)と左シャッター制御信号(図8H)を得る。このとき、シャッター制御回路213は、同期調整パルス信号のブランク期間の長さ(広さ)を調べ、広い方のブランク期間237に続くパルスは右シャッター用のパルス、狭い方のブランク期間238に続くパルスは左シャッター用のパルスと判別する。
【0056】
以上述べた構成によれば、垂直同期の周期を調整することによって、シャッターの開閉と画像表示のタイミングを合わせることがもちろんのこと、左右の判別もできるようになる。また、第1実施形態のように映像信号の1フレームを左右判別用フレームに置き換える必要が無いため、映像の欠落を防止することもできる。
【0057】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態は、映像信号の垂直ブランク期間に表示画面を一瞬発光させること(この瞬間的な発光を左右判別用パルスと呼ぶ。)によって、シャッター眼鏡の同期を取る構成である。
【0058】
図9A、図9Bは、本発明の第3実施形態に係る立体映像表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。図9Aは、表示装置の主要な構成を示しており、図9Bは、シャッター眼鏡の主要な構成を示している。
【0059】
本実施形態の表示装置は、第1実施形態のものとは動作が異なるパネル制御回路311を有している。また、シャッター眼鏡は、ハイパスフィルター312、信号の差分をとる差分回路313、差分回路313の出力をパルス化するコンパレータ314、第1実施形
態のものとは動作が異なるシャッター制御回路315を有している。それ以外の構成については第1実施形態のものと同様であるため、図1A、図1Bと同一の符号を付して、説明を省略する。
【0060】
図10A、図10Bは、シャッター眼鏡の同期及び左右判別を行うための表示パネル13の発光タイミングについて説明した図である。図10Aは、垂直同期信号の時間変化を表す図であり、横軸は時間、縦軸は電圧である。図10Bは、表示パネル13の発光輝度の時間変化を表す図である。図10Bの321はブランク期間であり、322はブランク期間中に設けられた発光期間である。
【0061】
映像処理回路11は、第1実施形態と同じように、元の3D表示用映像信号から右画像と左画像を分離して、各画像を120Hzのフレーム周波数で交互に出力する。その垂直同期信号は、図10Aのように120Hz周期になっている。
【0062】
パネル制御回路311は、垂直同期信号(図10A)のブランク期間のうち、右画像の後のブランク期間は通常のブランク期間321とし、左画像の後のブランク期間では、時々、322のようにブランク期間中の一瞬のみ発光させる。
【0063】
発光させるための手段は、表示パネル13の種類により異なる。例えば、液晶ディスプレイにおいては、バックライト制御により、通常のブランク期間中を黒画面としておき、発光させる期間のみ、バックライトを一瞬だけ点灯させることで行なう。プラズマディスプレイにおいては、サブフィールドによって表示を行なうので、ブランク期間中の点灯として、ブランク期間中に1回だけサブフィールド点灯させて、全面白またはグレー画面を表示させる。フィールドエミッションディスプレイや有機ELディスプレイなどのライン駆動型の表示パネルにおいては、データ側ドライブICにはグレー階調を書き込んでおき、スキャン側ドライブICを上から下まで高速にスキャンすればよい。
このブランク期間中の発光は、目立たないように10秒程度の間隔を空けて、行うのが望ましい。
【0064】
なお、ブランク期間中に発光させることが表示の妨害として感じられないように、視聴者にわかりにくいようにすると良い。そのためにシーンチェンジを検出し、シーンチェンジしているフレーム間におけるブランク期間において、左右判別用パルスを発光させるのが望ましい。
【0065】
図11A〜図11Kは、シャッター眼鏡において行われる、光信号からシャッター制御信号への変換過程を説明する図である。図11Aは、受光装置14で検知した光信号の強度の時間変化、図11Bは、図11Aの光信号の強度に比例した電気信号の周波数特性を示す。図11Cは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の周波数特性、図11Dは、ハイパスフィルター312を通した電気信号の周波数特性を示す。図11Eは、バンドパスフィルター15を通した電気信号の時間変化、図11Fは、ハイパスフィルター312を通した電気信号の時間変化を示す。図11Gは、差分回路313を通した電気信号の時間変化を示し、図11Hは、コンパレータ314を通した電気信号の時間変化を示す。図11Iは、同期調整回路17を通した電気信号、図11Jは、右シャッター19のシャッター制御信号、図11Kは、左シャッター20のシャッター制御信号を示す。
【0066】
受光装置14で受光した光信号(図11A)には、破線で示したように、ブランク期間に瞬間的な発光(左右判別用パルス)が含まれている。それゆえ、その周波数特性では、図11Bにおいて破線で示したように左右判別用パルスに対応する高周波成分が現れる。
【0067】
まず、第1実施形態と同様に、バンドパスフィルター15を通して、表示画像の周波数
成分だけを取り出す(図11C、図11E)。例えば120Hz±20Hzの周波数範囲を抽出するバンドパスフィルターを用いればよい。
【0068】
他方、ハイパスフィルター312を通して、ブランク期間中の左右判別用パルスに対応する周波数成分を取り出す(図11D、図11F)。例えば1kHz以上の周波数範囲のみを抽出するハイパスフィルターを用いればよい。
【0069】
次に、図11Fの電気信号から表示内容による高周波成分を除去するために、差分回路313において図11Fの信号から図11Eの信号を減算し、図11Gの信号が得られる。左右判別用パルスに対応する部分333が抽出されていることが分かる。この電気信号をコンパレータ314でパルス化すると、図11Hのパルス信号が得られる。このパルス信号には、左右判別用パルスに対応するパルス334が含まれる。本実施形態ではこのパルス334をシャッター眼鏡の左右の判別に用いるのである。
【0070】
シャッター制御回路315は、パルス334を検知するまでは、図3Gと図3Hに示すように右シャッター19と左シャッター20のLCDが交互に透過状態になるように制御する。そして、シャッター制御回路315は、パルス334を検知すると、同期調整回路17の出力信号(図11I)における次のパルスが右画像に対応するものであると理解する。
【0071】
すると、パルス334の時点で、図11Jのパルス335のように右シャッター19が透過状態であったとしても、次のパルスでは、左シャッター20が透過状態になるのではなく、図11Jのパルス336のように右シャッター19が透過状態になる。それ以降は、また左右のシャッターが交互に透過状態となるよう制御される。
【0072】
本実施形態の構成によれば、垂直ブランク期間に一瞬画面を発光させ、それをシャッター眼鏡側で検知することによって、第1実施形態と同様、自動的にシャッター眼鏡と表示装置の左右を同期させることができる。なお、シャッター眼鏡同期用の発光は、シーンチェンジがあるフレーム間の垂直ブランク期間に行うとよい。シーンチェンジがあると表示画像の内容が大きく変わるため、シャッター眼鏡同期用の発光に視聴者が気づきにくいという利点があるからである。
【0073】
以上述べたように、本発明の各実施形態の構成では、立体視用のシャッター眼鏡の同期を表示装置の表示画像(表示光)を利用して行うため、リモコンをはじめとする赤外線通信機器に対して干渉妨害を起こすことが無い。また、音響信号に多重化したり、電波により信号送信したりする構成に比べると、通常の2D用表示装置の映像処理回路を小変更するだけで実現できるため、低コストで立体映像表示システムを作製できる、という利点もある。
【0074】
なお、上記実施形態では、テレビジョン装置で3D動画を表示する場合を想定しているが、本発明は、コンピュータのモニタなど各種のディスプレイ装置に適用可能であり、また表示コンテンツも動画に限らず静止画にも適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
11:映像処理回路、13:表示パネル、14:受光装置、18:シャッター制御回路、19:右シャッター、20:左シャッター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、
前記表示装置は、一部のフレームを所定の左右判別用フレームに置き換えて表示を行うものであり、
前記シャッター眼鏡は、
前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、
前記受光手段から出力される信号から左右判別用フレームに対応する部分を検知することにより、その左右判別用フレームに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する
ことを特徴とする立体映像表示システム。
【請求項2】
前記左右判別用フレームは全黒画像であることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示システム。
【請求項3】
右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、
前記表示装置は、右眼用画像のフレームとその次の左眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さと、左眼用画像のフレームとその次の右眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さが互いに異なるように、各フレームの表示を行うものであり、
前記シャッター眼鏡は、
前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、
前記受光手段から出力される信号からブランク期間の長さが長い方か短い方かを判別することにより、当該ブランク期間に続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する
ことを特徴とする立体映像表示システム。
【請求項4】
右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、
前記表示装置は、フレーム間のブランク期間の一部で左右判別用パルスを瞬間的に表示するものであり、
前記シャッター眼鏡は、
前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、
前記受光手段から出力される信号から左右判別用パルスを検知することにより、その左右判別用パルスに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する
ことを特徴とする立体映像表示システム。
【請求項1】
右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、
前記表示装置は、一部のフレームを所定の左右判別用フレームに置き換えて表示を行うものであり、
前記シャッター眼鏡は、
前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、
前記受光手段から出力される信号から左右判別用フレームに対応する部分を検知することにより、その左右判別用フレームに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する
ことを特徴とする立体映像表示システム。
【請求項2】
前記左右判別用フレームは全黒画像であることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示システム。
【請求項3】
右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、
前記表示装置は、右眼用画像のフレームとその次の左眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さと、左眼用画像のフレームとその次の右眼用画像のフレームの間のブランク期間の長さが互いに異なるように、各フレームの表示を行うものであり、
前記シャッター眼鏡は、
前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、
前記受光手段から出力される信号からブランク期間の長さが長い方か短い方かを判別することにより、当該ブランク期間に続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する
ことを特徴とする立体映像表示システム。
【請求項4】
右眼用画像のフレームと左眼用画像のフレームを交互に表示する表示装置と、右眼用画像の表示にあわせ透過状態となる右シャッターと左眼用画像の表示にあわせ透過状態となる左シャッターを有するシャッター眼鏡と、を備える立体映像表示システムにおいて、
前記表示装置は、フレーム間のブランク期間の一部で左右判別用パルスを瞬間的に表示するものであり、
前記シャッター眼鏡は、
前記表示装置の表示光を検知し光強度に対応する信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される信号から右眼用画像及び左眼用画像の各フレームに対応する部分の周期を判別し、その判別した周期に基づいて右シャッター及び左シャッターの透過状態を切り換えるタイミングを決定する手段と、
前記受光手段から出力される信号から左右判別用パルスを検知することにより、その左右判別用パルスに続くフレームが右眼用画像のフレームか左眼用画像のフレームかを判別する手段と、を有する
ことを特徴とする立体映像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−204980(P2012−204980A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66156(P2011−66156)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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