立体画像表示装置
【課題】本発明は、正視位置を外れた際の違和感を改善する視差バリア方式の立体画像表示装置表示装置の提供を目的とする。
【解決手段】立体画像表示装置は、第1、第2、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向所定ピッチで繰り返されたマトリクス型の表示パネルと、表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルを備える。視差バリアパネルは表示パネルの出射面と平行な面上で横方向に間隔を設け所定ピッチで設けられ、第1〜第3原色光のうち最低1つの原色光を吸収する吸収領域と、吸収領域と吸収領域間の領域のいずれか一方の透過光が視差バリアパネルから出射するよう透過光を偏光する液晶層とを備える。吸収領域は第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。
【解決手段】立体画像表示装置は、第1、第2、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向所定ピッチで繰り返されたマトリクス型の表示パネルと、表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルを備える。視差バリアパネルは表示パネルの出射面と平行な面上で横方向に間隔を設け所定ピッチで設けられ、第1〜第3原色光のうち最低1つの原色光を吸収する吸収領域と、吸収領域と吸収領域間の領域のいずれか一方の透過光が視差バリアパネルから出射するよう透過光を偏光する液晶層とを備える。吸収領域は第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、視差バリア方式の立体画像表示装置において逆視を改善する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特殊な眼鏡を装着することなく裸眼で立体視が可能な画像を表示する方式として視差バリア方式がある。視差バリア方式の立体画像表示装置では表示パネルの前に視差バリアパネルが設けられる。表示パネルでは、両眼視差を有する視点1画像(右眼画像)と視点2画像(左眼画像)とが短冊状に交互に表示される。視差バリアパネルにより、表示パネルから所定の観察距離を有する位置において、右視点と左視点とが眼間距離に対応した間隔で交互に導かれる。そのため、右眼を右視点に置き左眼を左視点に置いた正視位置に居る観察者は立体画像を認識する。
【0003】
しかしながら、観察者が正視位置から左または右に眼間距離程度移動すると、左眼用画像と右眼用画像が入れ替わって見える逆視という状態が生じる。このような逆視状態で観察者は頭がくらくらする等の不快感を覚える。
【0004】
逆視を防ぐために、特許文献1の立体画像表示装置は、視差バリアパネルの透過部にイエロー色フィルタとマゼンタ色フィルタとシアン色フィルタを順繰りに設けている。画像表示パネル上の各色画素からの光線は、同一色を含む色フィルタを透過して所定の観察領域へ導かれる一方、隣接するフィルタでは同一色以外の色フィルタによって吸収されるので、逆視を防ぐことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−235332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の立体画像表示装置によれば、観察者が正視位置から左または右に眼間距離程度移動したときに逆視は起こらないが、片方の眼には暗い画面が見える。このとき左右の眼が感じる輝度差は大きくなるので、観察者は不快感を覚える。
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑み、正視位置を外れた際の違和感を改善する視差バリア方式の立体画像表示装置表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上で横方向に間隔を設けて前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域と前記吸収領域間の領域のいずれか一方の領域の透過光が前記視差バリアパネルから出射するよう前記透過光を偏光する液晶層と、前記液晶層の透過光を受ける偏光板とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。
【0009】
本発明の第2の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光領域とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上で横方向に間隔を設けて前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域と前記吸収領域間の領域のいずれか一方の領域の透過光が前記視差バリアパネルから出射するよう前記透過光を偏光する液晶層と、前記液晶層の透過光を受ける偏光板とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられるので、右画像又は左画像の表示方向を広くすることができ、正視位置を外れた観察者に平面画像を視認させることが出来る。
【0011】
また、本発明の第2の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光領域とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられるので、右画像又は左画像の表示方向を広くすることができ、正視位置を外れた観察者に平面画像を視認させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】方向別に2つの画像を表示する立体画像表示装置の右画像領域及び左画像領域を示す図である。
【図2】立体画像表示装置の配光特性を示す図である。
【図3】実施の形態1の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態1の立体画像表示装置の立体画像表示時の動作を示す断面図である。
【図5】実施の形態1の立体画像表示装置の配光特性を示す図である。
【図6】実施の形態1の立体画像表示装置の平面画像表示時の動作を示す断面図である。
【図7】実施の形態1の立体画像表示装置の配光特性を示す図である。
【図8】実施の形態2の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。
【図9】表示パネルの平面図である。
【図10】表示パネルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(前提技術)
図1に、視差バリア方式の立体表示装置の視認域を模式的に示す。この立体画像表示装置36は前方の空間に、各画素から左方向に投影された光のみが視認される左画像領域38と、各画素から右方向に投影された光のみが視認される右画像領域39を形成する。右眼を左画像領域38に、左眼を右画像領域39に置いた正視位置に居る観察者37は、立体画像表示装置36の画面全体に3D画像を視認できる。観察者37が正視位置から3D画像を視認したまま左右に移動可能な距離(移動可能幅)は、原理的に観察者の眼間距離以内に制限される。加えて、実際には大きな3Dクロストークや急峻な輝度変化の存在する境界領域40が存在するので、移動可能幅は眼間距離から境界領域40の幅を引いた長さになる。したがって、移動可能幅を広げるためには境界領域40の幅を狭めることが有効である。
【0014】
観察者37が正視位置の範囲を超えて左(右)方向に移動した場合は、観察者37の左右の眼が同時に左画像領域38(右画像領域39)に入り、観察者37は立体画像表示装置36の画面全体に左画像(右画像)を通常の平面画像として見ることになる。逆視を避けるためには、平面画像が見える範囲を広げることが有効であり、そのためには、左右画像の表示方向の角度幅を広げることが望ましい。
【0015】
そこで、光透過域と遮光領域の繰り返し構造で構成された視差バリアを用いて、境界領域を狭め、同時に左右画像のそれぞれの表示方向の角度幅を広げるための最適化計算を行ったが、両者を共に実現するのは困難であることが判明した。図2にバリア距離の異なる2つの視差バリアを用いた場合の配光特性の計算結果を示す。通常、境界領域の幅を狭くするためには、視差バリアと表示パネル画素との間の距離(バリア距離)を大きくすることが有効である。
【0016】
図2の点線で示すのは、条件A(バリア距離0.93mm、光透過域幅0.024mm、バリア周期0.120mm、ブラックマトリクス(BM)幅0.010mm、サブ画素ピッチ0.060mm)における配光特性の計算結果である。結果は、左右方向(横方向)位置が−20〜10mmの範囲において輝度が急激に低下して0に至っている。これより、輝度が急変し且つ3Dクロストークが大きい境界領域幅は30〜40mm程度であることがわかる。したがって、一般的な眼間距離65mmを有する観察者は25〜35mmの余裕をもって3D画像を視認することが出来る。ただし、輝度がピーク輝度の60%以上となる範囲は左右方向位置が−60〜−10mmの範囲であり、一般的な眼間距離65mmよりも狭い。
【0017】
図2の実線は、条件B(バリア距離0.53mm、他は条件Aと同じ)における配光特性の計算結果である。条件Aと比べてバリア距離を小さくしたことにより、ピーク輝度の60%以上を保つ範囲は左右方向位置が−120〜−20mmの範囲に広がり、通常の人の眼間距離65mmよりも十分広く出来る。ただし、左右方向位置−40〜20mmの範囲(正面方向)で急激に輝度が低下し0に至っている。これより、輝度が急変し且つ3Dクロストークが大きい境界領域幅は40〜80mm程度に拡大していることが分かる。これでは通常の人の眼間距離65mmの観察者は、余裕をもって3D画像を視認することが出来ない。
【0018】
本発明は、境界領域を狭めると共に左右画像のそれぞれの表示方向の角度幅を広げることにより、正視位置から外れた観察者に平面画像を視認させるものである。
【0019】
(実施の形態1)
図3は、実施の形態1の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。この立体画像表示装置は、表示パネル1と、表示パネル1の出射光を受ける視差バリアパネル13とを備えている。
【0020】
表示パネル1は、赤色、緑色、青色のサブ画素を有するマトリクス型のカラー表示パネルであり、有機ELパネルやプラズマディスプレイでも良いが、ここでは背面にバックライト2を有する液晶ディスプレイを例に説明を行う。
【0021】
<表示パネル>
表示パネル1では、縦方向(紙面奥行方向)に延びるサブ画素透明電極3と横方向に延びる対向透明電極5が対になって液晶層4を挟んでいる。サブ画素透明電極3は横方向に所定ピッチで設けられ、サブ画素透明電極3上には緑色カラーフィルター6g、青色カラーフィルター6b、赤色カラーフィルター6rが遮光壁8を介して順番に設けられている。さらに、対向透明電極5のバックライト2側には、透明基板を介して裏面偏光板7が設けられている。また、カラーフィルター6g、6b、6rの表面側には、透明基板を介して中間偏光板12が設けられている。
【0022】
以上の構成をもって、表示パネル1には、赤色、青色、緑色の光を放射するサブ画素が遮光壁8を介して所定ピッチで横方向に繰り返し配置される。例えば、図3の一番左側に位置する緑色カラーフィルター6gを含む領域は緑色光を放射するサブ画素9grを構成し、遮光壁8を介してサブ画素9grに隣接するカラーフィルター6bを含む領域は、青色光を放射するサブ画素9blを構成する。さらに、遮光壁8を介してサブ画素9blに隣接するカラーフィルター6rを含む領域は、赤色光を放射するサブ画素10rrを構成する。以下同様にしてサブ画素10gl、11br、11rlが表示パネル1の横方向に構成される。図3ではサブ画素9grからサブ画素11rlまでを示しているが、実際にはこれらのサブ画素がそのままの順番で横方向に繰り返し連続した構成となっている。
【0023】
隣接するサブ画素は、方向別に異なる画像を表示するサブ画素ペアを構成する。サブ画素9grとサブ画素9blは第1サブ画素ペア9を構成し、サブ画素10rrとサブ画素10glは第2サブ画素ペア10を構成し、サブ画素11brとサブ画素11rlは第3サブ画素ペア11を構成する。
【0024】
<視差バリアパネル>
視差バリアパネル13は、液晶層16と、液晶層16を挟み込む第1透明基板14及び第2透明基板18を備えている。また、液晶層16を駆動する縦方向(紙面奥行方向)に延びる第1透明電極15と横方向に延びる第2透明電極17が、第1透明基板14及び第2透明基板18の液晶層16側の表面にそれぞれ設けられている。液晶層16の液晶モードには、ツイストネマティック(TN)、スーパーツイストネマティック(STN)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリコンペンセイテッドベンド(OCB)などが利用可能である。
【0025】
第1透明基板14の液晶層16と反対側の表面には、液晶層16の透過光を受ける表示面偏光板26が設けられる。第2透明基板18の表示パネル1側にも偏光板が設けられるが、図3では中間偏光板12を兼用している。
【0026】
第1透明電極15は液晶層16上、表示パネル1の遮光壁8と対応する位置と、それらの間に対応する位置とに、横方向に一定間隔で複数配置され、遮光領域25と吸収領域19〜24を交互に構成する。遮光壁8と対応する位置の第1透明電極15が吸収領域19〜24を構成し、それ以外の第1透明電極15が吸収領域19〜24間で遮光領域25を構成する。
【0027】
吸収領域19〜24はサブ画素の配列方向と平行に、かつサブ画素のピッチと同じピッチで配列され、赤色光、青色光、緑色光の3原色光のうち、2色を吸収する吸収領域19,21,23と、3原色光のうち1色を吸収する吸収領域20,22,24が交互に配置される。
【0028】
サブ画素ペア同士の境界に対応する位置に配置された吸収領域19,21,23は、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素の放射光を吸収する吸収層を備える。例えば、第1サブ画素ペア9と第2サブ画素ペア10の間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域21では、当該遮光壁8の左側のサブ画素9blが放射する青色光を吸収する青色光吸収層21bと、当該遮光壁8の右側のサブ画素10rrが放射する赤色光を吸収する赤色光吸収層21rが第1透明電極15上に形成される。同様に、吸収領域19では、サブ画素9grが放射する緑色光を吸収する緑色光吸収層19gと、サブ画素11rlが放射する赤色光を吸収する赤色光吸収層19rが第1透明電極15上に形成される。また、吸収領域23では、サブ画素10glが放射する緑色光を吸収する緑色光吸収層23gと、サブ画素11brが放射する青色光を吸収する青色光吸収層23bが第1透明電極15上に形成される。
【0029】
なお、青色光吸収層は、理想的には赤色光と緑色光に対する透過率が100%であり、青色光に対する透過率が0%であることが望ましい。しかし、赤色光と緑色光に対する透過率がそれぞれ青色光に対する透過率の約10倍以上であれば、赤色光と緑色光を遮光することなく、青色光を吸収する機能を有しているといえる。赤色光吸収層や緑色光吸収層の各色に対する透過率についても同様である。
【0030】
一方、サブ画素ペア内のサブ画素同士の境界に対応する位置に配置された吸収領域20,22,24は、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素の放射光以外の原色光を吸収する吸収層を備える。例えば、サブ画素10rr、10gl間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域22では、サブ画素10rrが放射する赤色光とサブ画素10glが出射する緑色光以外の原色光である青色光を吸収する青色光吸収層22bが第1透明電極15上に形成される。同様に、吸収領域20では、サブ画素9grが放射する緑色光とサブ画素9blが放射する青色光以外の原色光である赤色光を吸収する赤色光吸収層20rが第1透明電極15上に形成される。また、吸収領域24では、サブ画素11brが放射する青色光とサブ画素11rlが放射する赤色光以外の原色光である緑色光を吸収する緑色光吸収層24gが第1透明電極15上に形成される。
【0031】
なお、吸収領域19,21,23では、第1透明電極15上に複数の光吸収層が積層されるが、吸収領域間で各色の光吸収層の積層順が逆転しないようにする。図3の例では、第1透明基板14から近い順に青色光吸収層、赤色光吸収層、緑色光吸収層と積層しており、これにより、全吸収領域19〜24における光吸収層の形成を3回の成膜と露光工程で行う事が出来る。なお、各光吸収層の第1透明基板14からの順番はいずれの順番でも良い。
【0032】
また、吸収領域22(イエロー域22とも呼ぶ)の位置は、第二サブ画素ペア10を構成するサブ画素10rrとサブ画素10glの間の遮光壁8の中央から出てイエロー域22の中央を通過する光線が予め定めておいた設計視認点を通過するように設定される。同様に、吸収領域20(シアン域20とも呼ぶ)の位置は、第二サブ画素ペア9を構成するサブ画素9grとサブ画素9blの間の遮光壁8の中央から出てシアン域20の中央を通過する光線が予め定めておいた設計視認点を通過するように設定される。また、吸収領域24(マゼンタ域24とも呼ぶ)の位置は、第二サブ画素ペア11を構成するサブ画素11brとサブ画素11rlの間の遮光壁8の中央から出てマゼンタ域24の中央を通過する光線が予め定めておいた設計視認点を通過するように設定される。
【0033】
<動作>
図4を用いて、実施の形態1の立体画像表示装置の立体画像表示動作を説明する。
【0034】
第1透明電極15に印加する電圧によって、液晶層16の液晶配向状態を制御することが可能である。第1透明電極15にON電圧を印加すると、液晶層16の透過光は表示面偏光板26を透過する。一方、第1透明電極15にOFF電圧を印加すると、液晶層16の透過光は表示面偏光板26で遮断される。
【0035】
立体画像を表示する場合には、吸収領域19〜24において第1透明電極15にON電圧を印加し、遮光領域25では第1透明電極15にOFF電圧を印加する。これにより、吸収領域19〜24の透過光は表示面偏光板26を透過する一方、遮光領域25の透過光は表示面偏光板26で遮断される。
【0036】
第二サブ画素ペア10のサブ画素10rrから放射される赤色光について考えると、当該赤色光のうち遮光領域25を通過した光L0は、液晶層16の作用により表示面偏光板26で遮断され、視差バリアパネル13の前方には放射されない。また、吸収領域19,20,21を通過する光L1、L2、L3は、それぞれ赤色光吸収層19r、20r、21rによって吸収されるため、視差バリアパネル13の前方には放射されない。一方、吸収領域22,23,24には赤色光吸収層が無いので、吸収領域22、23、24に達した光L4、L5、L6は吸収されることなく、さらに表示面偏光板26を透過して視差バリアパネル13の前方に放射される。こうしてサブ画素10rrの赤色光は、サブ画素10rrの右前方に配置された3つの吸収領域22,23,24を通って視差バリアパネル13から右方向に出射される。
【0037】
同様に、サブ画素10rrのペアのサブ画素10glから放射される緑色光は、緑色光吸収層を備える吸収領域23,24,19で吸収され、吸収領域20,21,22を通った光のみが視差バリアパネル13の前方に放射される。こうしてサブ画素10glの緑色光は、サブ画素10glの左前方に配置された3つの吸収領域20,21,22を通って視差バリアパネル13から左方向に出射され、左画像を構成する。
【0038】
他のサブ画素についても同様であり、各サブ画素ペアの左側に設けられたサブ画素9gr、10rr、11brの出射光が右画像を、各サブ画素ペアの右側に設けられたサブ画素9bl、10gl、11rlの出射光が左画像を構成し、立体画像の表示が可能となる。
【0039】
実施の形態1の立体画像表示装置における立体画像表示動作時の配光特性の計算値を図5に示す。バリア条件は、条件A(バリア距離0.93mm、光透過域幅0.024mm、バリア周期0.120mm、ブラックマトリクス幅0.010mm、サブ画素ピッチ0.060mm)とする。図は視差バリアパネル13の前方700mmの位置における相対輝度を示すものであり、横軸は表示パネル1の中央を0とした水平方向(横方向)の位置を示している。実線はサブ画素10rrの放射光の輝度を示し、点線はサブ画素10glの放射光の輝度を示している。
【0040】
図より、吸収領域22,23,24を通過したサブ画素10rrの光L4,L5,L6の輝度のピークが重なり合っており、水平方向10〜110mmの範囲においてサブ画素10rrの放射光を視認できることが分かる。視認幅は100mmとなり、通常の人の眼間距離65mmに比べて35mm広い。そのため、正視位置から外れた観察者は横方向に35mmの余裕を持って左眼、右眼ともにサブ画素10rrの放射光を視認できるため、2D画像を認識することが出来る。
【0041】
また、正面方向では、光透過域22を通過したサブ画素10rrの光L4の輝度が、水平方向−10〜10mmの範囲において0から急激に立ち上がっている。一方、吸収領域20〜22を通過したサブ画素10glの放射光の輝度分布は、図の縦軸を挟んでサブ画素10rrの放射光L4,L5,L6と対称であり、水平方向−10〜10mmの範囲において急激に輝度が低下し0に至る。よって、輝度が急変し且つ3Dクロストークが大きい境界領域幅は20mmであることが分かる。すなわち、眼間距離65mmの観察者は45mmの余裕をもって右眼と左眼をそれぞれサブ画素114とサブ画素113の表示領域に置くことが可能であり、3D画像を視認することが出来る。
【0042】
次に、実施の形態1の立体画像表示装置の平面画像表示動作について図6を用いて説明する。
【0043】
平面画像を表示する場合は、遮光領域25の第1透明電極15にON電圧を印加し、遮光領域を通過した光を表示面偏光板26で透過させる。一方、吸収領域19〜24の第1透明電極15にはOFF電圧を印加し、吸収領域19〜24を通過した光を表示面偏光板26で遮断する。
【0044】
第二サブ画素ペア10のサブ画素10rrから放射される赤色光について考えると、吸収領域19,20,21を通過する光L1,L2,L3は、それぞれ赤色光吸収層19r、20r、21rによって吸収されるため、視差バリアパネル13の前方には放射されない。また、吸収領域22,23,24には赤色光吸収層が無いため、吸収領域22,23,24に入射した光L4,L5,L6は吸収されることなく表示面偏光板26に進む。しかし、吸収領域22,23,24の第一透明電極15にはOFF電圧を印加しているため、光L4,L5,L6は表示面偏光板26で遮断され、視差バリアパネル13の前方には放射されない。
【0045】
一方、遮光領域25では第1透明電極15にON電圧を印加しているため、遮光領域25を通過した光L0は表示面偏光板26を透過し、視差バリアパネル13の前方に放射される。他のサブ画素の放射光も同様に、遮光領域25を通過したもののみが視差バリアパネル13の前方に放射される。
【0046】
実施の形態1の立体画像表示装置における平面画像表示動作時の配光特性の計算値を図7に示す。計算に用いたバリア条件は、条件A(バリア距離0.93mm、光透過域幅0.024mm、バリア周期0.120mm、ブラックマトリクス幅0.010mm、サブ画素ピッチ0.060mm)である。図は視差バリアパネル13の前方700mmの位置におけるサブ画素10rrの放射光の相対輝度を示しており、横軸は表示パネル1の中央を0とした水平方向の位置を示している。
【0047】
図から、各遮光領域25を透過した光L0の輝度のピークが重なり、水平方向位置−180〜180mmの広い範囲においてサブ画素10rrを視認できることが分かる。この配光特性は他のサブ画素に対しても全く同様であるため、水平方向位置−180〜180mmの広い範囲で全てのサブ画素を視認することが出来る。すなわち、平面画像の表示装置として動作する。
【0048】
なお、以上の説明ではサブ画素と吸収領域の位置関係について、サブ画素間の遮光壁8と対応する位置に吸収領域を形成するものとしたが、両者の位置関係はこれに限定されない。例えば図3において、吸収領域19〜24と遮光領域25の配列をそのまま図中右方向、あるいは左方向に所定距離ずらした構成にしても良い。サブ画素と吸収領域が平行な平面上に配列され、且つその配列順が固定されている限りにおいて、両者の横方向の位置関係は限定されない。
【0049】
<効果>
実施の形態1の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネル1と、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネル13とを備え、視差バリアパネル13は、表示パネル1の出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域19〜24と、吸収領域19〜24と吸収領域19〜24間の領域(遮光領域20)のいずれか一方の領域の透過光が視差バリアパネル13から出射するよう前記透過光を偏光する液晶層16と、液晶層16の透過光を受ける偏光板(表示面偏光板26)とを備え、吸収領域19〜24は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。右画像と左画像が混在する境界領域の角度幅を狭めると共に、各画像の表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れても平面画像を表示することにより、観察者に違和感を与えない。また、液晶層16の制御によって立体画像表示と平面画像表示を切り替えることが可能である。
【0050】
また、第3原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられる。このような構成においても、境界領域を狭めると共に表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れても平面画像を表示することにより、観察者に違和感を与えない。
【0051】
また、複数の原色光を吸収する吸収領域19,21,23は、複数の原色光のうちの一つを吸収する吸収層の重ね合わせで構成されるので、製造コストを抑えることが出来る。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態1の立体画像表示装置は、液晶層に印加する電圧を制御することにより立体画像表示と平面画像表示の切り替えを可能にする。これに対して実施の形態2の立体画像表示装置は、平面画像表示への切り替えを行わない代わりに視差バリアパネルから液晶層や液晶層を駆動するための電極類を廃し、構成を簡略化する。
【0053】
<構成>
図8は、実施の形態2の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。図8において、実施の形態1と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
【0054】
実施の形態2の立体画像表示装置は、表示パネル1と、表示パネル1の出射光を受ける視差バリアパネル35とを備える。表示パネル1の構成は実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0055】
実施の形態2の視差バリアパネル35は、透明基板28と、透明基板28の表示パネル1側表面に設けられた吸収領域29〜34及び遮光膜27とを備えている。吸収領域29〜34は、表示パネル1のサブ画素間の境界、もしくは遮光壁8に対応する位置に設けられ、遮光膜27は吸収領域29〜34間に設けられる。遮光膜27は各サブ画素から放射される赤色、緑色、青色の各光を総て吸収する膜であって、黒色物体でも良いし、赤色光吸収層、緑色光吸収層、青色光吸収層を積層して形成しても良い。
【0056】
吸収領域29〜34は表示パネル1のサブ画素と同じピッチで配置され、赤色光、青色光、緑色光の3原色光のうち、2色を吸収する吸収領域29,31,33と、1色を吸収する吸収領域30,32,34が交互に配置される。
【0057】
吸収領域29,31,33では、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素が放射する光を両方とも吸収する。例えば、第1サブ画素ペア9と第1サブ画素ペア10の間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域31は、当該遮光壁8の左側のサブ画素9blが放射する青色光を吸収する青色光吸収層31bと、当該遮光壁8の右側のサブ画素10rrが放射する赤色光を吸収する赤色光吸収層31rを備えている。
【0058】
一方、吸収領域30,32,34は、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素が放射する光以外の原色光を吸収する。例えば、サブ画素10rr、10gl間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域32は、サブ画素10rrが放射する赤色光と、サブ画素10glが放射する緑色光以外の原色光である青色光を吸収する青色光吸収層32bを備えている。
【0059】
なお、吸収領域29,31,33では二つの光吸収層が積層されるが、吸収領域29,31,33間で各色の光吸収層の積層順が逆転しないようにする。図8の例では、透明基板28から近い順に緑色光吸収層、赤色光吸収層、青色光吸収層となるようにしており、これにより、全ての吸収領域における光吸収層の形成を3回の成膜と露光工程で行う事が出来る。なお、各光吸収層の透明基板28からの順番はいずれの順番でも良い。
【0060】
なお、遮光膜27を赤色光吸収層、緑色光吸収層、青色光吸収層の重ね合わせで形成する場合には、吸収領域の光吸収層の形成工程と同時に形成することが出来る。
【0061】
<動作>
図8を用いて、実施の形態2の立体画像表示装置の動作を説明する。
【0062】
第二サブ画素ペア10のサブ画素10rrから放射される赤色光について考えると、当該赤色光のうち遮光膜27に到達した光L00はそこで吸収され、視差バリアパネル35の前方には放射されない。また、吸収領域29,30,31に到達した光L10,L20,L30は、それぞれ赤色光吸収層29r、30r、31rによって吸収されるため、視差バリアパネル35の前方には放射されない。一方、吸収領域32,33,34には赤色光吸収層が無いので、吸収領域32,33,34に到達した光L40,L50,L60は吸収されることなく視差バリアパネル35の前方に放射される。こうしてサブ画素10rrの赤色光は、サブ画素10rrの右前方に配置された3つの吸収領域32,33,34を通って視差バリアパネル13から右方向に出射され、右画像を構成する。
【0063】
一方、サブ画素10rrのペアであるサブ画素10glから放射される緑色光は、緑色光吸収層を備える吸収領域33,34,29で吸収され、吸収領域30,31,32を通った光のみが視差バリアパネル35の前方に放射される。こうしてサブ画素10glの緑色光は、サブ画素10glの左前方に配置された3つの吸収領域30,31,32を通って視差バリアパネル35から左方向に出射され、左画像を構成する。
【0064】
他のサブ画素についても同様であり、各サブ画素ペアの左側に設けられたサブ画素9gr、10rr、11brの出射光が右画像を、各サブ画素ペアの右側に設けられたサブ画素9bl、10gl、11rlの出射光が左画像を構成し、立体画像の表示が可能となる。
【0065】
配光特性は図5に示した実施の形態1の立体画像表示装置と同様になり、水平方向10〜110mmの範囲において、サブ画素10rrを視認することが出来る。この幅100mmは通常の人の眼間距離65mmに比べて35mm広いため、正視位置から外れた観察者は水平方向に35mmの余裕を持って左眼、右眼ともにサブ画素10rrの放射光を視認できるため、平面画像を認識することが出来る。
【0066】
また、正面方向では、水平方向−10〜10mmの範囲において輝度が0から急激に立ち上がる。したがって、眼間距離65mmの観察者は45mmの余裕をもって右眼と左眼をそれぞれサブ画素10rrとサブ画素10glの表示領域に置くことが可能であり、立体画像を視認することが出来る。
【0067】
図9,10に、表示パネル1の平面図を示す。図9では、上下方向に同じ色を担当するサブ画素を配置している。これにより、立体画像の表示動作において上下の視野角が広くなるという効果がある。
【0068】
あるいは、図10に示すように、上下方向に一段移動するごとにサブ画素の配列を左右方向に1つずらしても良い。これにより立体画像の表示動作において右画像と左画像の境目に縦筋が視認されることを抑制する。
【0069】
<効果>
第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネル1と、表示パネル1の出射光を受ける視差バリアパネル35とを備え、視差バリアパネル35は、表示パネル1の出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域29〜34と、吸収領域29〜34間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光膜27(遮光領域)とを備え、吸収領域29〜34は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。境界領域を狭めると共に表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れた観察者は平面画像を視認するので、違和感を覚えない。
【0070】
また、遮光領域は、第1原色光、第2原色光、第3原色光を夫々吸収する吸収層の重ね合わせで構成することにより、製造コストを抑えることが出来る。
【0071】
また、第3原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられる、このような構成においても、境界領域を狭めると共に表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れても平面画像を表示することにより、観察者に違和感を与えない。
【0072】
また、複数の原色光を吸収する吸収領域29,31,33は、複数の原色光のうちの一つを吸収する吸収層の重ね合わせで構成されるので、製造コストを抑えることが出来る。
【符号の説明】
【0073】
1 表示パネル、2 バックライト、3 サブ画素透明電極、4 液晶層、5 対向透明電極、6b 青色カラーフィルター、6g 緑色カラーフィルター、6r 赤色カラーフィルター、7 裏面偏光板、8 遮光壁、9gr,9bl,10rr,10gl,11br,11rl サブ画素、9 第一サブ画素ペア、10 第二サブ画素ペア、11 第三サブ画素ペア、12 中間偏光板、13,35 視差バリアパネル、14 第1透明基板、15 第1透明電極、16 液晶層、17 第2透明電極、18 第2透明基板、19〜24,29〜34 吸収領域、19g,23g,24g,29g,33g,34g 緑色光吸収層、19r,20r,21r,29r,30r,31r 赤色光吸収層、21b,22b,23b,31b,32b,33b 青色光吸収層、25 遮光領域、26 表示面偏光板、27 遮光膜、28 透明基板、36 立体表示装置、37 観察者、38 左画像領域、39 右画像領域、40 境界領域。
【技術分野】
【0001】
この発明は、視差バリア方式の立体画像表示装置において逆視を改善する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特殊な眼鏡を装着することなく裸眼で立体視が可能な画像を表示する方式として視差バリア方式がある。視差バリア方式の立体画像表示装置では表示パネルの前に視差バリアパネルが設けられる。表示パネルでは、両眼視差を有する視点1画像(右眼画像)と視点2画像(左眼画像)とが短冊状に交互に表示される。視差バリアパネルにより、表示パネルから所定の観察距離を有する位置において、右視点と左視点とが眼間距離に対応した間隔で交互に導かれる。そのため、右眼を右視点に置き左眼を左視点に置いた正視位置に居る観察者は立体画像を認識する。
【0003】
しかしながら、観察者が正視位置から左または右に眼間距離程度移動すると、左眼用画像と右眼用画像が入れ替わって見える逆視という状態が生じる。このような逆視状態で観察者は頭がくらくらする等の不快感を覚える。
【0004】
逆視を防ぐために、特許文献1の立体画像表示装置は、視差バリアパネルの透過部にイエロー色フィルタとマゼンタ色フィルタとシアン色フィルタを順繰りに設けている。画像表示パネル上の各色画素からの光線は、同一色を含む色フィルタを透過して所定の観察領域へ導かれる一方、隣接するフィルタでは同一色以外の色フィルタによって吸収されるので、逆視を防ぐことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−235332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の立体画像表示装置によれば、観察者が正視位置から左または右に眼間距離程度移動したときに逆視は起こらないが、片方の眼には暗い画面が見える。このとき左右の眼が感じる輝度差は大きくなるので、観察者は不快感を覚える。
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑み、正視位置を外れた際の違和感を改善する視差バリア方式の立体画像表示装置表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上で横方向に間隔を設けて前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域と前記吸収領域間の領域のいずれか一方の領域の透過光が前記視差バリアパネルから出射するよう前記透過光を偏光する液晶層と、前記液晶層の透過光を受ける偏光板とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。
【0009】
本発明の第2の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光領域とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上で横方向に間隔を設けて前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域と前記吸収領域間の領域のいずれか一方の領域の透過光が前記視差バリアパネルから出射するよう前記透過光を偏光する液晶層と、前記液晶層の透過光を受ける偏光板とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられるので、右画像又は左画像の表示方向を広くすることができ、正視位置を外れた観察者に平面画像を視認させることが出来る。
【0011】
また、本発明の第2の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、前記視差バリアパネルは、前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、前記吸収領域間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光領域とを備え、前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられるので、右画像又は左画像の表示方向を広くすることができ、正視位置を外れた観察者に平面画像を視認させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】方向別に2つの画像を表示する立体画像表示装置の右画像領域及び左画像領域を示す図である。
【図2】立体画像表示装置の配光特性を示す図である。
【図3】実施の形態1の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態1の立体画像表示装置の立体画像表示時の動作を示す断面図である。
【図5】実施の形態1の立体画像表示装置の配光特性を示す図である。
【図6】実施の形態1の立体画像表示装置の平面画像表示時の動作を示す断面図である。
【図7】実施の形態1の立体画像表示装置の配光特性を示す図である。
【図8】実施の形態2の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。
【図9】表示パネルの平面図である。
【図10】表示パネルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(前提技術)
図1に、視差バリア方式の立体表示装置の視認域を模式的に示す。この立体画像表示装置36は前方の空間に、各画素から左方向に投影された光のみが視認される左画像領域38と、各画素から右方向に投影された光のみが視認される右画像領域39を形成する。右眼を左画像領域38に、左眼を右画像領域39に置いた正視位置に居る観察者37は、立体画像表示装置36の画面全体に3D画像を視認できる。観察者37が正視位置から3D画像を視認したまま左右に移動可能な距離(移動可能幅)は、原理的に観察者の眼間距離以内に制限される。加えて、実際には大きな3Dクロストークや急峻な輝度変化の存在する境界領域40が存在するので、移動可能幅は眼間距離から境界領域40の幅を引いた長さになる。したがって、移動可能幅を広げるためには境界領域40の幅を狭めることが有効である。
【0014】
観察者37が正視位置の範囲を超えて左(右)方向に移動した場合は、観察者37の左右の眼が同時に左画像領域38(右画像領域39)に入り、観察者37は立体画像表示装置36の画面全体に左画像(右画像)を通常の平面画像として見ることになる。逆視を避けるためには、平面画像が見える範囲を広げることが有効であり、そのためには、左右画像の表示方向の角度幅を広げることが望ましい。
【0015】
そこで、光透過域と遮光領域の繰り返し構造で構成された視差バリアを用いて、境界領域を狭め、同時に左右画像のそれぞれの表示方向の角度幅を広げるための最適化計算を行ったが、両者を共に実現するのは困難であることが判明した。図2にバリア距離の異なる2つの視差バリアを用いた場合の配光特性の計算結果を示す。通常、境界領域の幅を狭くするためには、視差バリアと表示パネル画素との間の距離(バリア距離)を大きくすることが有効である。
【0016】
図2の点線で示すのは、条件A(バリア距離0.93mm、光透過域幅0.024mm、バリア周期0.120mm、ブラックマトリクス(BM)幅0.010mm、サブ画素ピッチ0.060mm)における配光特性の計算結果である。結果は、左右方向(横方向)位置が−20〜10mmの範囲において輝度が急激に低下して0に至っている。これより、輝度が急変し且つ3Dクロストークが大きい境界領域幅は30〜40mm程度であることがわかる。したがって、一般的な眼間距離65mmを有する観察者は25〜35mmの余裕をもって3D画像を視認することが出来る。ただし、輝度がピーク輝度の60%以上となる範囲は左右方向位置が−60〜−10mmの範囲であり、一般的な眼間距離65mmよりも狭い。
【0017】
図2の実線は、条件B(バリア距離0.53mm、他は条件Aと同じ)における配光特性の計算結果である。条件Aと比べてバリア距離を小さくしたことにより、ピーク輝度の60%以上を保つ範囲は左右方向位置が−120〜−20mmの範囲に広がり、通常の人の眼間距離65mmよりも十分広く出来る。ただし、左右方向位置−40〜20mmの範囲(正面方向)で急激に輝度が低下し0に至っている。これより、輝度が急変し且つ3Dクロストークが大きい境界領域幅は40〜80mm程度に拡大していることが分かる。これでは通常の人の眼間距離65mmの観察者は、余裕をもって3D画像を視認することが出来ない。
【0018】
本発明は、境界領域を狭めると共に左右画像のそれぞれの表示方向の角度幅を広げることにより、正視位置から外れた観察者に平面画像を視認させるものである。
【0019】
(実施の形態1)
図3は、実施の形態1の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。この立体画像表示装置は、表示パネル1と、表示パネル1の出射光を受ける視差バリアパネル13とを備えている。
【0020】
表示パネル1は、赤色、緑色、青色のサブ画素を有するマトリクス型のカラー表示パネルであり、有機ELパネルやプラズマディスプレイでも良いが、ここでは背面にバックライト2を有する液晶ディスプレイを例に説明を行う。
【0021】
<表示パネル>
表示パネル1では、縦方向(紙面奥行方向)に延びるサブ画素透明電極3と横方向に延びる対向透明電極5が対になって液晶層4を挟んでいる。サブ画素透明電極3は横方向に所定ピッチで設けられ、サブ画素透明電極3上には緑色カラーフィルター6g、青色カラーフィルター6b、赤色カラーフィルター6rが遮光壁8を介して順番に設けられている。さらに、対向透明電極5のバックライト2側には、透明基板を介して裏面偏光板7が設けられている。また、カラーフィルター6g、6b、6rの表面側には、透明基板を介して中間偏光板12が設けられている。
【0022】
以上の構成をもって、表示パネル1には、赤色、青色、緑色の光を放射するサブ画素が遮光壁8を介して所定ピッチで横方向に繰り返し配置される。例えば、図3の一番左側に位置する緑色カラーフィルター6gを含む領域は緑色光を放射するサブ画素9grを構成し、遮光壁8を介してサブ画素9grに隣接するカラーフィルター6bを含む領域は、青色光を放射するサブ画素9blを構成する。さらに、遮光壁8を介してサブ画素9blに隣接するカラーフィルター6rを含む領域は、赤色光を放射するサブ画素10rrを構成する。以下同様にしてサブ画素10gl、11br、11rlが表示パネル1の横方向に構成される。図3ではサブ画素9grからサブ画素11rlまでを示しているが、実際にはこれらのサブ画素がそのままの順番で横方向に繰り返し連続した構成となっている。
【0023】
隣接するサブ画素は、方向別に異なる画像を表示するサブ画素ペアを構成する。サブ画素9grとサブ画素9blは第1サブ画素ペア9を構成し、サブ画素10rrとサブ画素10glは第2サブ画素ペア10を構成し、サブ画素11brとサブ画素11rlは第3サブ画素ペア11を構成する。
【0024】
<視差バリアパネル>
視差バリアパネル13は、液晶層16と、液晶層16を挟み込む第1透明基板14及び第2透明基板18を備えている。また、液晶層16を駆動する縦方向(紙面奥行方向)に延びる第1透明電極15と横方向に延びる第2透明電極17が、第1透明基板14及び第2透明基板18の液晶層16側の表面にそれぞれ設けられている。液晶層16の液晶モードには、ツイストネマティック(TN)、スーパーツイストネマティック(STN)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリコンペンセイテッドベンド(OCB)などが利用可能である。
【0025】
第1透明基板14の液晶層16と反対側の表面には、液晶層16の透過光を受ける表示面偏光板26が設けられる。第2透明基板18の表示パネル1側にも偏光板が設けられるが、図3では中間偏光板12を兼用している。
【0026】
第1透明電極15は液晶層16上、表示パネル1の遮光壁8と対応する位置と、それらの間に対応する位置とに、横方向に一定間隔で複数配置され、遮光領域25と吸収領域19〜24を交互に構成する。遮光壁8と対応する位置の第1透明電極15が吸収領域19〜24を構成し、それ以外の第1透明電極15が吸収領域19〜24間で遮光領域25を構成する。
【0027】
吸収領域19〜24はサブ画素の配列方向と平行に、かつサブ画素のピッチと同じピッチで配列され、赤色光、青色光、緑色光の3原色光のうち、2色を吸収する吸収領域19,21,23と、3原色光のうち1色を吸収する吸収領域20,22,24が交互に配置される。
【0028】
サブ画素ペア同士の境界に対応する位置に配置された吸収領域19,21,23は、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素の放射光を吸収する吸収層を備える。例えば、第1サブ画素ペア9と第2サブ画素ペア10の間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域21では、当該遮光壁8の左側のサブ画素9blが放射する青色光を吸収する青色光吸収層21bと、当該遮光壁8の右側のサブ画素10rrが放射する赤色光を吸収する赤色光吸収層21rが第1透明電極15上に形成される。同様に、吸収領域19では、サブ画素9grが放射する緑色光を吸収する緑色光吸収層19gと、サブ画素11rlが放射する赤色光を吸収する赤色光吸収層19rが第1透明電極15上に形成される。また、吸収領域23では、サブ画素10glが放射する緑色光を吸収する緑色光吸収層23gと、サブ画素11brが放射する青色光を吸収する青色光吸収層23bが第1透明電極15上に形成される。
【0029】
なお、青色光吸収層は、理想的には赤色光と緑色光に対する透過率が100%であり、青色光に対する透過率が0%であることが望ましい。しかし、赤色光と緑色光に対する透過率がそれぞれ青色光に対する透過率の約10倍以上であれば、赤色光と緑色光を遮光することなく、青色光を吸収する機能を有しているといえる。赤色光吸収層や緑色光吸収層の各色に対する透過率についても同様である。
【0030】
一方、サブ画素ペア内のサブ画素同士の境界に対応する位置に配置された吸収領域20,22,24は、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素の放射光以外の原色光を吸収する吸収層を備える。例えば、サブ画素10rr、10gl間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域22では、サブ画素10rrが放射する赤色光とサブ画素10glが出射する緑色光以外の原色光である青色光を吸収する青色光吸収層22bが第1透明電極15上に形成される。同様に、吸収領域20では、サブ画素9grが放射する緑色光とサブ画素9blが放射する青色光以外の原色光である赤色光を吸収する赤色光吸収層20rが第1透明電極15上に形成される。また、吸収領域24では、サブ画素11brが放射する青色光とサブ画素11rlが放射する赤色光以外の原色光である緑色光を吸収する緑色光吸収層24gが第1透明電極15上に形成される。
【0031】
なお、吸収領域19,21,23では、第1透明電極15上に複数の光吸収層が積層されるが、吸収領域間で各色の光吸収層の積層順が逆転しないようにする。図3の例では、第1透明基板14から近い順に青色光吸収層、赤色光吸収層、緑色光吸収層と積層しており、これにより、全吸収領域19〜24における光吸収層の形成を3回の成膜と露光工程で行う事が出来る。なお、各光吸収層の第1透明基板14からの順番はいずれの順番でも良い。
【0032】
また、吸収領域22(イエロー域22とも呼ぶ)の位置は、第二サブ画素ペア10を構成するサブ画素10rrとサブ画素10glの間の遮光壁8の中央から出てイエロー域22の中央を通過する光線が予め定めておいた設計視認点を通過するように設定される。同様に、吸収領域20(シアン域20とも呼ぶ)の位置は、第二サブ画素ペア9を構成するサブ画素9grとサブ画素9blの間の遮光壁8の中央から出てシアン域20の中央を通過する光線が予め定めておいた設計視認点を通過するように設定される。また、吸収領域24(マゼンタ域24とも呼ぶ)の位置は、第二サブ画素ペア11を構成するサブ画素11brとサブ画素11rlの間の遮光壁8の中央から出てマゼンタ域24の中央を通過する光線が予め定めておいた設計視認点を通過するように設定される。
【0033】
<動作>
図4を用いて、実施の形態1の立体画像表示装置の立体画像表示動作を説明する。
【0034】
第1透明電極15に印加する電圧によって、液晶層16の液晶配向状態を制御することが可能である。第1透明電極15にON電圧を印加すると、液晶層16の透過光は表示面偏光板26を透過する。一方、第1透明電極15にOFF電圧を印加すると、液晶層16の透過光は表示面偏光板26で遮断される。
【0035】
立体画像を表示する場合には、吸収領域19〜24において第1透明電極15にON電圧を印加し、遮光領域25では第1透明電極15にOFF電圧を印加する。これにより、吸収領域19〜24の透過光は表示面偏光板26を透過する一方、遮光領域25の透過光は表示面偏光板26で遮断される。
【0036】
第二サブ画素ペア10のサブ画素10rrから放射される赤色光について考えると、当該赤色光のうち遮光領域25を通過した光L0は、液晶層16の作用により表示面偏光板26で遮断され、視差バリアパネル13の前方には放射されない。また、吸収領域19,20,21を通過する光L1、L2、L3は、それぞれ赤色光吸収層19r、20r、21rによって吸収されるため、視差バリアパネル13の前方には放射されない。一方、吸収領域22,23,24には赤色光吸収層が無いので、吸収領域22、23、24に達した光L4、L5、L6は吸収されることなく、さらに表示面偏光板26を透過して視差バリアパネル13の前方に放射される。こうしてサブ画素10rrの赤色光は、サブ画素10rrの右前方に配置された3つの吸収領域22,23,24を通って視差バリアパネル13から右方向に出射される。
【0037】
同様に、サブ画素10rrのペアのサブ画素10glから放射される緑色光は、緑色光吸収層を備える吸収領域23,24,19で吸収され、吸収領域20,21,22を通った光のみが視差バリアパネル13の前方に放射される。こうしてサブ画素10glの緑色光は、サブ画素10glの左前方に配置された3つの吸収領域20,21,22を通って視差バリアパネル13から左方向に出射され、左画像を構成する。
【0038】
他のサブ画素についても同様であり、各サブ画素ペアの左側に設けられたサブ画素9gr、10rr、11brの出射光が右画像を、各サブ画素ペアの右側に設けられたサブ画素9bl、10gl、11rlの出射光が左画像を構成し、立体画像の表示が可能となる。
【0039】
実施の形態1の立体画像表示装置における立体画像表示動作時の配光特性の計算値を図5に示す。バリア条件は、条件A(バリア距離0.93mm、光透過域幅0.024mm、バリア周期0.120mm、ブラックマトリクス幅0.010mm、サブ画素ピッチ0.060mm)とする。図は視差バリアパネル13の前方700mmの位置における相対輝度を示すものであり、横軸は表示パネル1の中央を0とした水平方向(横方向)の位置を示している。実線はサブ画素10rrの放射光の輝度を示し、点線はサブ画素10glの放射光の輝度を示している。
【0040】
図より、吸収領域22,23,24を通過したサブ画素10rrの光L4,L5,L6の輝度のピークが重なり合っており、水平方向10〜110mmの範囲においてサブ画素10rrの放射光を視認できることが分かる。視認幅は100mmとなり、通常の人の眼間距離65mmに比べて35mm広い。そのため、正視位置から外れた観察者は横方向に35mmの余裕を持って左眼、右眼ともにサブ画素10rrの放射光を視認できるため、2D画像を認識することが出来る。
【0041】
また、正面方向では、光透過域22を通過したサブ画素10rrの光L4の輝度が、水平方向−10〜10mmの範囲において0から急激に立ち上がっている。一方、吸収領域20〜22を通過したサブ画素10glの放射光の輝度分布は、図の縦軸を挟んでサブ画素10rrの放射光L4,L5,L6と対称であり、水平方向−10〜10mmの範囲において急激に輝度が低下し0に至る。よって、輝度が急変し且つ3Dクロストークが大きい境界領域幅は20mmであることが分かる。すなわち、眼間距離65mmの観察者は45mmの余裕をもって右眼と左眼をそれぞれサブ画素114とサブ画素113の表示領域に置くことが可能であり、3D画像を視認することが出来る。
【0042】
次に、実施の形態1の立体画像表示装置の平面画像表示動作について図6を用いて説明する。
【0043】
平面画像を表示する場合は、遮光領域25の第1透明電極15にON電圧を印加し、遮光領域を通過した光を表示面偏光板26で透過させる。一方、吸収領域19〜24の第1透明電極15にはOFF電圧を印加し、吸収領域19〜24を通過した光を表示面偏光板26で遮断する。
【0044】
第二サブ画素ペア10のサブ画素10rrから放射される赤色光について考えると、吸収領域19,20,21を通過する光L1,L2,L3は、それぞれ赤色光吸収層19r、20r、21rによって吸収されるため、視差バリアパネル13の前方には放射されない。また、吸収領域22,23,24には赤色光吸収層が無いため、吸収領域22,23,24に入射した光L4,L5,L6は吸収されることなく表示面偏光板26に進む。しかし、吸収領域22,23,24の第一透明電極15にはOFF電圧を印加しているため、光L4,L5,L6は表示面偏光板26で遮断され、視差バリアパネル13の前方には放射されない。
【0045】
一方、遮光領域25では第1透明電極15にON電圧を印加しているため、遮光領域25を通過した光L0は表示面偏光板26を透過し、視差バリアパネル13の前方に放射される。他のサブ画素の放射光も同様に、遮光領域25を通過したもののみが視差バリアパネル13の前方に放射される。
【0046】
実施の形態1の立体画像表示装置における平面画像表示動作時の配光特性の計算値を図7に示す。計算に用いたバリア条件は、条件A(バリア距離0.93mm、光透過域幅0.024mm、バリア周期0.120mm、ブラックマトリクス幅0.010mm、サブ画素ピッチ0.060mm)である。図は視差バリアパネル13の前方700mmの位置におけるサブ画素10rrの放射光の相対輝度を示しており、横軸は表示パネル1の中央を0とした水平方向の位置を示している。
【0047】
図から、各遮光領域25を透過した光L0の輝度のピークが重なり、水平方向位置−180〜180mmの広い範囲においてサブ画素10rrを視認できることが分かる。この配光特性は他のサブ画素に対しても全く同様であるため、水平方向位置−180〜180mmの広い範囲で全てのサブ画素を視認することが出来る。すなわち、平面画像の表示装置として動作する。
【0048】
なお、以上の説明ではサブ画素と吸収領域の位置関係について、サブ画素間の遮光壁8と対応する位置に吸収領域を形成するものとしたが、両者の位置関係はこれに限定されない。例えば図3において、吸収領域19〜24と遮光領域25の配列をそのまま図中右方向、あるいは左方向に所定距離ずらした構成にしても良い。サブ画素と吸収領域が平行な平面上に配列され、且つその配列順が固定されている限りにおいて、両者の横方向の位置関係は限定されない。
【0049】
<効果>
実施の形態1の立体画像表示装置は、第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネル1と、前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネル13とを備え、視差バリアパネル13は、表示パネル1の出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域19〜24と、吸収領域19〜24と吸収領域19〜24間の領域(遮光領域20)のいずれか一方の領域の透過光が視差バリアパネル13から出射するよう前記透過光を偏光する液晶層16と、液晶層16の透過光を受ける偏光板(表示面偏光板26)とを備え、吸収領域19〜24は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。右画像と左画像が混在する境界領域の角度幅を狭めると共に、各画像の表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れても平面画像を表示することにより、観察者に違和感を与えない。また、液晶層16の制御によって立体画像表示と平面画像表示を切り替えることが可能である。
【0050】
また、第3原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられる。このような構成においても、境界領域を狭めると共に表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れても平面画像を表示することにより、観察者に違和感を与えない。
【0051】
また、複数の原色光を吸収する吸収領域19,21,23は、複数の原色光のうちの一つを吸収する吸収層の重ね合わせで構成されるので、製造コストを抑えることが出来る。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態1の立体画像表示装置は、液晶層に印加する電圧を制御することにより立体画像表示と平面画像表示の切り替えを可能にする。これに対して実施の形態2の立体画像表示装置は、平面画像表示への切り替えを行わない代わりに視差バリアパネルから液晶層や液晶層を駆動するための電極類を廃し、構成を簡略化する。
【0053】
<構成>
図8は、実施の形態2の立体画像表示装置の構成を示す断面図である。図8において、実施の形態1と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
【0054】
実施の形態2の立体画像表示装置は、表示パネル1と、表示パネル1の出射光を受ける視差バリアパネル35とを備える。表示パネル1の構成は実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0055】
実施の形態2の視差バリアパネル35は、透明基板28と、透明基板28の表示パネル1側表面に設けられた吸収領域29〜34及び遮光膜27とを備えている。吸収領域29〜34は、表示パネル1のサブ画素間の境界、もしくは遮光壁8に対応する位置に設けられ、遮光膜27は吸収領域29〜34間に設けられる。遮光膜27は各サブ画素から放射される赤色、緑色、青色の各光を総て吸収する膜であって、黒色物体でも良いし、赤色光吸収層、緑色光吸収層、青色光吸収層を積層して形成しても良い。
【0056】
吸収領域29〜34は表示パネル1のサブ画素と同じピッチで配置され、赤色光、青色光、緑色光の3原色光のうち、2色を吸収する吸収領域29,31,33と、1色を吸収する吸収領域30,32,34が交互に配置される。
【0057】
吸収領域29,31,33では、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素が放射する光を両方とも吸収する。例えば、第1サブ画素ペア9と第1サブ画素ペア10の間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域31は、当該遮光壁8の左側のサブ画素9blが放射する青色光を吸収する青色光吸収層31bと、当該遮光壁8の右側のサブ画素10rrが放射する赤色光を吸収する赤色光吸収層31rを備えている。
【0058】
一方、吸収領域30,32,34は、対応する遮光壁8の両側に位置するサブ画素が放射する光以外の原色光を吸収する。例えば、サブ画素10rr、10gl間の遮光壁8に対応する位置にある吸収領域32は、サブ画素10rrが放射する赤色光と、サブ画素10glが放射する緑色光以外の原色光である青色光を吸収する青色光吸収層32bを備えている。
【0059】
なお、吸収領域29,31,33では二つの光吸収層が積層されるが、吸収領域29,31,33間で各色の光吸収層の積層順が逆転しないようにする。図8の例では、透明基板28から近い順に緑色光吸収層、赤色光吸収層、青色光吸収層となるようにしており、これにより、全ての吸収領域における光吸収層の形成を3回の成膜と露光工程で行う事が出来る。なお、各光吸収層の透明基板28からの順番はいずれの順番でも良い。
【0060】
なお、遮光膜27を赤色光吸収層、緑色光吸収層、青色光吸収層の重ね合わせで形成する場合には、吸収領域の光吸収層の形成工程と同時に形成することが出来る。
【0061】
<動作>
図8を用いて、実施の形態2の立体画像表示装置の動作を説明する。
【0062】
第二サブ画素ペア10のサブ画素10rrから放射される赤色光について考えると、当該赤色光のうち遮光膜27に到達した光L00はそこで吸収され、視差バリアパネル35の前方には放射されない。また、吸収領域29,30,31に到達した光L10,L20,L30は、それぞれ赤色光吸収層29r、30r、31rによって吸収されるため、視差バリアパネル35の前方には放射されない。一方、吸収領域32,33,34には赤色光吸収層が無いので、吸収領域32,33,34に到達した光L40,L50,L60は吸収されることなく視差バリアパネル35の前方に放射される。こうしてサブ画素10rrの赤色光は、サブ画素10rrの右前方に配置された3つの吸収領域32,33,34を通って視差バリアパネル13から右方向に出射され、右画像を構成する。
【0063】
一方、サブ画素10rrのペアであるサブ画素10glから放射される緑色光は、緑色光吸収層を備える吸収領域33,34,29で吸収され、吸収領域30,31,32を通った光のみが視差バリアパネル35の前方に放射される。こうしてサブ画素10glの緑色光は、サブ画素10glの左前方に配置された3つの吸収領域30,31,32を通って視差バリアパネル35から左方向に出射され、左画像を構成する。
【0064】
他のサブ画素についても同様であり、各サブ画素ペアの左側に設けられたサブ画素9gr、10rr、11brの出射光が右画像を、各サブ画素ペアの右側に設けられたサブ画素9bl、10gl、11rlの出射光が左画像を構成し、立体画像の表示が可能となる。
【0065】
配光特性は図5に示した実施の形態1の立体画像表示装置と同様になり、水平方向10〜110mmの範囲において、サブ画素10rrを視認することが出来る。この幅100mmは通常の人の眼間距離65mmに比べて35mm広いため、正視位置から外れた観察者は水平方向に35mmの余裕を持って左眼、右眼ともにサブ画素10rrの放射光を視認できるため、平面画像を認識することが出来る。
【0066】
また、正面方向では、水平方向−10〜10mmの範囲において輝度が0から急激に立ち上がる。したがって、眼間距離65mmの観察者は45mmの余裕をもって右眼と左眼をそれぞれサブ画素10rrとサブ画素10glの表示領域に置くことが可能であり、立体画像を視認することが出来る。
【0067】
図9,10に、表示パネル1の平面図を示す。図9では、上下方向に同じ色を担当するサブ画素を配置している。これにより、立体画像の表示動作において上下の視野角が広くなるという効果がある。
【0068】
あるいは、図10に示すように、上下方向に一段移動するごとにサブ画素の配列を左右方向に1つずらしても良い。これにより立体画像の表示動作において右画像と左画像の境目に縦筋が視認されることを抑制する。
【0069】
<効果>
第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネル1と、表示パネル1の出射光を受ける視差バリアパネル35とを備え、視差バリアパネル35は、表示パネル1の出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域29〜34と、吸収領域29〜34間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光膜27(遮光領域)とを備え、吸収領域29〜34は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられる。境界領域を狭めると共に表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れた観察者は平面画像を視認するので、違和感を覚えない。
【0070】
また、遮光領域は、第1原色光、第2原色光、第3原色光を夫々吸収する吸収層の重ね合わせで構成することにより、製造コストを抑えることが出来る。
【0071】
また、第3原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられる、このような構成においても、境界領域を狭めると共に表示角度を大きくすることができるので、余裕をもって3D画像を視認できる他、正視位置から外れても平面画像を表示することにより、観察者に違和感を与えない。
【0072】
また、複数の原色光を吸収する吸収領域29,31,33は、複数の原色光のうちの一つを吸収する吸収層の重ね合わせで構成されるので、製造コストを抑えることが出来る。
【符号の説明】
【0073】
1 表示パネル、2 バックライト、3 サブ画素透明電極、4 液晶層、5 対向透明電極、6b 青色カラーフィルター、6g 緑色カラーフィルター、6r 赤色カラーフィルター、7 裏面偏光板、8 遮光壁、9gr,9bl,10rr,10gl,11br,11rl サブ画素、9 第一サブ画素ペア、10 第二サブ画素ペア、11 第三サブ画素ペア、12 中間偏光板、13,35 視差バリアパネル、14 第1透明基板、15 第1透明電極、16 液晶層、17 第2透明電極、18 第2透明基板、19〜24,29〜34 吸収領域、19g,23g,24g,29g,33g,34g 緑色光吸収層、19r,20r,21r,29r,30r,31r 赤色光吸収層、21b,22b,23b,31b,32b,33b 青色光吸収層、25 遮光領域、26 表示面偏光板、27 遮光膜、28 透明基板、36 立体表示装置、37 観察者、38 左画像領域、39 右画像領域、40 境界領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、
前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、
前記視差バリアパネルは、
前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、
前記吸収領域と前記吸収領域間の領域のいずれか一方の領域の透過光が前記視差バリアパネルから出射するよう前記透過光を偏光する液晶層と、
前記液晶層の透過光を受ける偏光板とを備え、
前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられた、
立体画像表示装置。
【請求項2】
第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、
前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、
前記視差バリアパネルは、
前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、
前記吸収領域間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光領域とを備え、
前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられた、
立体画像表示装置。
【請求項3】
前記遮光領域は、第1原色光、第2原色光、第3原色光を夫々吸収する吸収層の重ね合わせで構成される、
請求項2に記載の立体画像表示装置。
【請求項4】
第3原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第3原色光及び第2原色光の吸収領域は、第2原色光を出射するサブ画素及び第3原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第2原色光の吸収領域は、第3原色光を出射するサブ画素及び第1原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第2原色光及び第1原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第1原色光の吸収領域は、第2原色光を出射するサブ画素及び第3原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第1原色光及び第3原色光の吸収領域は、第3原色光を出射するサブ画素及び第1原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられる、
請求項1〜3のいずれかに記載の立体画像表示装置。
【請求項5】
複数の原色光を吸収する前記吸収領域は、前記複数の原色光のうちの一つを吸収する吸収層の重ね合わせで構成される、
請求項1〜4のいずれかに記載の立体画像表示装置。
【請求項1】
第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、
前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、
前記視差バリアパネルは、
前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、
前記吸収領域と前記吸収領域間の領域のいずれか一方の領域の透過光が前記視差バリアパネルから出射するよう前記透過光を偏光する液晶層と、
前記液晶層の透過光を受ける偏光板とを備え、
前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられた、
立体画像表示装置。
【請求項2】
第1原色光を出射するサブ画素、第2原色光を出射するサブ画素、第3原色光を出射するサブ画素が順に横方向に所定ピッチで繰り返し設けられたマトリクス型の表示パネルと、
前記表示パネルの出射光を受ける視差バリアパネルとを備え、
前記視差バリアパネルは、
前記表示パネルの出射面と平行な面上において横方向に間隔を有して前記所定ピッチで設けられ、前記第1〜第3原色光のうち少なくとも1つの原色光を吸収する吸収領域と、
前記吸収領域間に設けられ、全波長の光を吸収する遮光領域とを備え、
前記吸収領域は、第3原色光の吸収領域、第3原色光及び第2原色光の吸収領域、第2原色光の吸収領域、第2原色光及び第1原色光の吸収領域、第1原色光の吸収領域、第1原色光及び第3原色光の吸収領域、の順番で横方向に繰り返し設けられた、
立体画像表示装置。
【請求項3】
前記遮光領域は、第1原色光、第2原色光、第3原色光を夫々吸収する吸収層の重ね合わせで構成される、
請求項2に記載の立体画像表示装置。
【請求項4】
第3原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第3原色光及び第2原色光の吸収領域は、第2原色光を出射するサブ画素及び第3原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第2原色光の吸収領域は、第3原色光を出射するサブ画素及び第1原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第2原色光及び第1原色光の吸収領域は、第1原色光を出射するサブ画素及び第2原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第1原色光の吸収領域は、第2原色光を出射するサブ画素及び第3原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられ、
第1原色光及び第3原色光の吸収領域は、第3原色光を出射するサブ画素及び第1原色光を出射するサブ画素の境界に対応する位置に設けられる、
請求項1〜3のいずれかに記載の立体画像表示装置。
【請求項5】
複数の原色光を吸収する前記吸収領域は、前記複数の原色光のうちの一つを吸収する吸収層の重ね合わせで構成される、
請求項1〜4のいずれかに記載の立体画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−24950(P2013−24950A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157383(P2011−157383)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]