説明

端子台およびこれを用いた配電装置

【課題】端子の不完全接続などの異常に対して温度センサが確実に反応する安全機能を備えた端子台を提供する。
【解決手段】端子台100は、一次側端子に接続される一次側端子部11と、二次側端子に接続される二次側端子部12と、前記一次側端子部11と前記二次側端子部12との間に温度変化を検出する温度センサとしての温度ヒューズを備えた温度ヒューズユニット20からなる。温度ヒューズユニット20は、銘板としての板状体からなり、温度センサを装着するように構成された温度ヒューズ本体部と、これを覆う筒状のカバーとを備え、このカバーが端子台本体10に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台およびこれを用いた配電装置に係り、特に、温度センサを備えた端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分電盤、制御盤、制御装置等の電気機器収納箱には、内部に収納した電気機器からの電線(内部電線すなわち二次配線)と、外部からの電線(外部電線すなわち一次配線)とを中継する端子台が備えられている(例えば、特許文献1参照)。このような端子台では、電気機器収納箱の製造業者が、電気機器収納箱内の電気機器からの内部電線を接続する。一方、外部電線の接続は、電気機器収納箱を現場に設置した後に、現場の施工業者が行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−69638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように内部電線すなわち二次配線と、外部電線すなわち一次配線とが接続される端子台は、内部電線を接続した状態で出荷され、現場では外部電線の接続のみを行う。しかし、現場の施工業者が、電気機器収納箱内に外部電線を接続する際に、接続がゆるみ、発熱しやすいという課題があった。
【0005】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子の不完全接続などの異常に対して温度センサが確実に反応する安全機能を備えた端子台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による端子台は、一次側端子に接続される一次側端子部と、二次側端子に接続される二次側端子部と、前記一次側端子部と前記二次側端子部との間に温度変化を検出する温度センサとを具備したことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサが、筒状のカバーを備え、前記カバーが前記端子台に装着されたものを含む。
【0008】
また本発明は、上記端子台であって、前記筒状のカバーは、樹脂成型品で構成されたものを含む。
【0009】
また本発明は、上記端子台であって、前記筒状のカバーは、透明部材で構成されたものを含む。
【0010】
また本発明は、上記端子台であって、前記一次側端子部と前記二次側端子部とを分離するセパレート部を備え、前記セパレート部に前記温度センサを具備したものを含む。
【0011】
また本発明は、上記端子台であって、前記セパレート部が、貫通孔を有し、前記貫通孔から、前記温度センサを挿入し、異常検出を行うべき部材に対して直接接触可能となるように構成したものを含む。
【0012】
また本発明は、上記端子台であって、前記セパレート部が、前記温度センサを係止する突起を有する備えたものを含む。
【0013】
また本発明は、上記端子台であって、前記一次側端子部および前記二次側端子部は遮蔽板で分離されており、前記温度センサは前記遮蔽板よりも前記二次側端子部側に配されたものを含む。
【0014】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサは、筒状のカバーを備え、前記カバーが前記温度センサを固定する蓋体を有するものを含む。
【0015】
また本発明は、上記端子台であって、前記セパレート部が、前記温度センサを係止する係止部を備えたものを含む。
【0016】
また本発明は、上記端子台であって、前記セパレート部は前記一及び二次側端子部間領域を貫通するように構成され、前記一及び二次側端子部を両端で支持する支持板を備え、前記支持板は、前記一及び二次側端子部に接続された出力線用の導出口を有するものを含む。
【0017】
また本発明は、上記端子台であって、前記一及び二次側端子部は、複数の端子部を備え、前記温度センサは、隣接する2つの端子部の間に配置されたものを含む。
【0018】
また本発明は、上記端子台であって、前記セパレート部を覆うように、前記温度センサ上に、蓋部を備えたものを含む。
【0019】
また本発明は、上記端子台であって、前記蓋部は、銘板であるものを含む。
【0020】
また本発明は、上記端子台であって、前記導出口は、貫通口または切り起こしにより貫通口を形成し得るように形成された切り起こし片を備えたものを含む。
【0021】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサと、前記温度センサを固定する固定部とで温度センサユニットを構成しており、前記温度センサユニットが、一次側端子部と前記二次側端子部との間に装着可能に構成されたものを含む。
【0022】
また本発明は、上記端子台であって、一次側端子部と前記二次側端子部との間に、樹脂成型体で形成されたセパレート部を有し、前記温度センサユニットは、前記セパレート部に装着されたものを含む。
【0023】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサが前記端子台に直接当接するように構成されたものを含む。
【0024】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサユニットは、温度センサ部と、電線を挿通させるハーネス部とが分離されたものを含む。
【0025】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサユニットは、前記温度センサの周囲全体を覆う被覆部を備えたものを含む。
【0026】
また本発明は、上記端子台であって、前記被覆部がフラット面を有するものを含む。
【0027】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサユニットの前記フラット面を係止する係止部を備えたものを含む。
【0028】
また本発明は、上記端子台であって、前記温度センサは、弾性体により前記端子台表面に対して付勢されているものを含む。
【0029】
また本発明は、上記端子台を含む配電装置を提供する。
【発明の効果】
【0030】
上記構成によれば、端子の不完全接続などの異常に対して温度センサが確実に反応し得、安全を確保することのできる端子台を提供することができる。
また、一次側端子部と二次側端子部との間に、温度センサが配されているため、一次側端子部と二次側端子部との両側の異常検知が可能である。
このため、端子台が更に加熱されて焼損、発火することがない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1の端子台を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1の端子台を示す分解斜視図であり、(a)は端子台本体、(b)は温度ヒューズユニットを示す図
【図3】本発明の実施の形態1の端子台の断面図
【図4】本発明の実施の形態1の温度ヒューズユニットを示す図であり、(a)は、温度ヒューズユニットの正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB−B断面図
【図5】実施の形態2の端子台を用いた分電盤を示す斜視図
【図6】実施の形態2の端子台のP―P断面図
【図7】実施の形態2の端子台の変形例を示す図
【図8】実施の形態3の端子台の全体図であり、(a)は、この端子台の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図
【図9】実施の形態3の端子台の銘板取付後の端子台を示す斜視図
【図10】実施の形態3の端子台の銘板取付前の端子台を示す斜視図
【図11】図8(b)のA−A断面図
【図12】図8(a)のB−B断面図
【図13】図8の端子台の変形例を示す図
【図14】実施の形態4の端子台の全体図であり、(a)は、この端子台の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図
【図15】銘板取付後の端子台を示す斜視図
【図16】銘板取付前の端子台を示す斜視図
【図17】図14(b)のA−A断面図
【図18】図14(a)のB−B断面図
【図19】温度センサユニット取り外し後の図14(b)のA−A断面図
【図20】温度センサユニット取り外し後の図14(a)のB−B断面図
【図21】温度センサユニットを示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図
【図22】本発明の実施の形態4の温度センサユニットの変形例を示す図
【図23】本発明の実施の形態5の端子台の要部を示す斜視図
【図24】この端子台を示す断面図
【図25】温度ヒューズユニットを示す図であり、(a)は、温度ヒューズユニットの正面図、(b)は背面図、(c)は(b)のA−A断面図、(d)は要部拡大斜視図
【図26】温度ヒューズユニットの露呈面からみた図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の端子台について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の端子台を示す斜視図、図2はこの端子台を示す分解斜視図であり、(a)は端子台本体、(b)は温度ヒューズユニットを示す図である。図3は端子台の断面図、図4は温度ヒューズユニットを示す図であり、(a)は、温度ヒューズユニットの正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB−B断面図である。
【0033】
この端子台100は、図1に示すように、端子台本体10に、一次側端子に接続される一次側端子部11と、二次側端子に接続される二次側端子部12と、一次側端子部11と二次側端子部12との間に温度変化を検出する温度センサを備えたことを特徴とする。ここでは一次側端子部11、二次側端子部12ともに8個の端子を備えるが、各端子部は隔壁10sで分離されている。温度センサとしては、所定の温度以上になるとこれを検知して溶断する温度ヒューズ23を用いている。そして温度ヒューズ23を備えた温度ヒューズユニット20を構成している。そして、温度ヒューズ23は、信号線を構成する電線24に接続される。
【0034】
そしてこの温度センサを含む温度ヒューズユニット20は、銘板としての板状体からなり、温度センサを装着するように構成された温度ヒューズ本体部21と、これを覆う筒状のカバー22とを備え、このカバー22が端子台本体10に装着される。
この筒状のカバーは、透明な樹脂からなる樹脂成型品で構成される。そしてこの端子台は、一次側端子部11と二次側端子部12とを分離するセパレート部13が、端子台本体10と一体成型で形成されている。そして温度ヒューズ本体部21が、セパレート部13に直接当接している。
【0035】
一次側端子部11は、端子ネジ11aを台座11bに設けられたネジ穴に螺合させることにより、一次側配線の各端子とこの端子台本体10との電気的接続を達成している。また、二次側端子部12は、端子ネジ12aを台座12bに設けられたネジ穴に螺合させることにより、二次側配線の各端子とこの端子台本体との電気的接続を達成している。
14は端子台本体10の両端の支持板であり、それぞれ支持板本体14aと、取り付け突起14bと、ビス14cとを有している。また15は端子板であり、この端子板15に形成された配線パターンによって一次側端子部と二次側端子部とが接続されている。
【0036】
また、図4に示すように、この筒状のカバーは、温度ヒューズが打ちあがることなく収納できるように、孔と端子台の銘板を固定するための複数個の突起としての上記隔壁10sにひっかけることができるようにツメ25を具備している。
【0037】
上記構成によれば、温度ヒューズ23があらかじめカバー22にセットされたものを端子台本体10に取り付けることができるため、組み立て作業性が向上する。
またカバー22は端子台本体10の複数個の突起すなわち隔壁10sで確実に保持されているため、温度ヒューズ23が動作するまでの間で熱変形によりカバーが外れるおそれもない。
またこの構成によれば、端子の不完全接続などの異常に対してセンサが確実に反応することができるため、確実な安全装置として作用する。
【0038】
なお、前記実施の形態では、温度ヒューズを用いたが、高温を検知して溶断する温度ヒューズに代えて、単に温度センサを用いて、警告信号を発信したり、別の場所で警告音を発するようにしてもよい。
また前記実施の形態1ではツメ25は一体的に形成したが、複数個のツメを形成してもよく、またこのツメ25に係止される突起についても適宜形状を選択すればよい。
【0039】
(実施の形態2)
次いで、本発明の実施の形態2について、図面を参照して説明する。
図5は、実施の形態2の端子台を用いた分電盤を示す斜視図、図6はそのP―P断面図である。
本実施の形態では一次側端子部11と二次側端子部12との間に金属遮蔽板16を配置した端子台100を用いた分電盤Bについて説明する。
分電盤Bとしては通常の構成を示すものであるが、表示部D、端子台100を備えている。この端子台100は一次側端子部11と二次側端子部12との間に金属遮蔽板16を具備している。そして図6に示すように、温度ヒューズ23が樹脂製のカバー22で完全に覆われて、温度ヒューズユニット20を構成しており、これが、端子台本体10と一体成型で形成された樹脂製のセパレート部13に装着されている。15は端子板であり、この端子板15の中央部に金属遮蔽板16が装着されている。なお、図1に示した実施の形態1の端子台と同一の部分については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0040】
この構成によれば、温度ヒューズ23が完全に樹脂製のカバー22で覆われているため、温度ヒューズ自体の絶縁対策が不要となる。
また、一次側端子部11と二次側端子部12との間に金属遮蔽板16で配置する場合、金属遮蔽板と端子台との間での絶縁対策が不要となるため、金属遮蔽板と端子台との間で異物侵入防止対策として隙間を小さくすることができる。
またこの樹脂製のカバーを透明のアクリル樹脂で構成することにより、内蔵する温度ヒューズ23の位置、状態などを容易に確認することができる。
【0041】
比較のために、温度ヒューズユニットを設けない場合あるいは、温度ヒューズを設けたとしても、温度ヒューズ23にカバー22を設けない場合は、端子部と金属遮蔽板16との短絡を防ぐために距離を維持する必要がある。図7に示すように温度ヒューズユニットを設けない場合、金属遮蔽板16と、一次側端子部11および二次側端子部12との間の絶縁距離が短くなるため、短絡を生じ易くなる。このため絶縁性を確保するためには、一定以上の絶縁距離を維持するように温度ヒューズ23の高さを高くする必要がある。
【0042】
なお、前記実施の形態2では、温度ヒューズを用いたが、実施の形態1の場合と同様、高温を検知して溶断する温度ヒューズに代えて、単に温度センサを用い、警告信号を発信したり、別の場所で警告音を発するようにしてもよい。
【0043】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3の端子台について説明する。この例では、図8乃至図12に示すように、端子台の一次側端子部11と二次側端子部12とを分断している端子板上面のセパレート部に温度センサユニット20Sを設けたものである。図8はこの端子台の全体図であり、(a)は、この端子台の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。また図9は銘板取付後の端子台を示す斜視図、図10は銘板取付前の端子台を示す斜視図である。図11および図12は図8(a)のA−A断面図および図8(b)のB−B断面図である。
【0044】
セパレート部13は一及び二次側端子部間領域を貫通する貫通溝13Mを有しており、この貫通溝13Mに温度センサ23Sを装着している。なおこのセパレート部については端子台本体10と一体成型されている。
【0045】
この端子台100Sは、図8に示すように、前記実施の形態1に示した端子台と同様、端子台本体10に、一次側端子に接続される一次側端子部11と、二次側端子に接続される二次側端子部12と、温度変化を検出する温度センサ23Sを備えたことを特徴とする。この温度センサ23Sはセパレート部13に設けられた貫通溝13Mに装着され、端子台の端子板15に直接接触するように構成されている。なおセパレート部13は、温度センサ23Sを係止する突起18を有しており、この突起18によりしっかりと接続されている。
【0046】
また、セパレート部13は一次側端子部11と二次側端子部12との間に端子台と一体成型で形成される。ここでは一次側端子部11、二次側端子部12ともに8個の端子を備えるが、各端子部は隔壁10sで分離されている。温度センサとしては、白金薄膜センサを用いた温度センサ23Sを用いている。そして、温度センサ23Sは、信号線を構成する電線24に接続される。さらに一及び二次側端子部を両端で支持する支持板14を備えており、図9に示すように、この支持板14は、一及び二次側端子部に接続された出力線用の導出口19を有する。また支持板14は、それぞれ肉盗みにより肉薄化された肉薄部14Fを有している。
そしてこの温度センサ23Sは、銘板26としての板状体からなる蓋部で保護されている。
この端子台において、一次側端子部11と二次側端子部12とを分離するセパレート部13に設けられた貫通溝13M内に温度センサ23Sが挿入され端子板15に直接接触している。そして外側を銘板26で覆われている。
【0047】
一次側端子部11は、端子ネジ11aを台座11bに設けられたネジ穴に螺合させることにより、一次側配線の各端子とこの端子台本体10との電気的接続を達成している。また、二次側端子部12は、端子ネジ12aを台座12bに設けられたネジ穴に螺合させることにより、二次側配線の各端子とこの端子台本体との電気的接続を達成している。
14は端子台本体10の両端の支持板であり、それぞれ支持板本体14aと、取り付け突起14bと、ビス14cとを有している。
【0048】
上記構成によれば、一次側端子部11と二次側端子部12とを分離するセパレート部13に温度センサ23Sを設けているため、端子の不完全接続などの異常に対して温度センサ23Sが確実に反応し、一次側及び二次側の両側の異常検知が可能である。
また端子台と一体成型されたセパレート部に温度センサ装着用の貫通溝を設け、この貫通溝から温度センサ23Sのカバーを構成する絶縁体を露出させ、異常を検知するための検知対象である導体部と温度センサとを直接接触させるようにしているため、異常状態の検知精度が向上する。また温度センサを被覆することなく絶縁を行うことが可能である。
【0049】
さらにまた端子台100のセパレート部13の貫通溝13Mの内壁に温度センサ23Sをひっかける突起18を有しているため、異常時でも温度センサが脱落するのを防止することができ、安定した温度検知が可能となる。
また本実施の形態では、端子台のセパレート部の長手方向全体にわたり、貫通溝を形成し、この貫通溝内に温度センサを配設しているため、容易に確実な温度検出が実現される。
【0050】
また、支持板は、前記一及び二次側端子部に接続された出力線(電線24)用の導出口を有するため、端子のネジ絞め等への影響を抑制することができる。この出力線用の導出口は、貫通穴でもよいし、切り込みを設けて切断を容易にするいわゆるノックアウト部で構成してもよい。あるいは切り起こし片で構成してもよい。
また、温度センサ23Sのハーネスは全極を直列で出力するようにしてもよいし、単極毎の取り出しも可能である。
更にまた、セパレート部13に装着される、温度センサ23Sを覆うように蓋部として銘板26を配置することで、温度センサの導電部の絶縁確保を行うことが可能となる。また美観の向上をはかることが可能となる。
【0051】
前記実施の形態においては、各端子に一つの温度センサを配置するようにしたが、図13に変形例を示すように、隣接する2つの端子部の間に一つの温度センサ23Sを配置するようにしてもよい。これにより温度センサの数を低減することができる。27は仕切り壁であり、温度センサ23Sの固定のために用いられる。
なお、温度センサユニットを構成する場合にも、隣接する2つの端子部の間に相当する領域毎に一つの温度センサ23Sを配置するようにしてもよい。
【0052】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4の端子台について説明する。この例では、図14乃至図18に示すように、端子台の一次側端子部11と二次側端子部12とを分断している端子板15上面のセパレート部13に温度センサユニット20Bを設けたものである。図14はこの端子台の全体図であり、(a)は、この端子台の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。また図15は銘板取付後の端子台を示す斜視図、図16は銘板取付前の端子台を示す斜視図である。図17および図18は図14のA−A断面図およびB−B断面図である。図19及び図20は温度センサユニット取り外し後の、図14のA−A断面図およびB−B断面図に相当する図である。図21は温度センサユニットを示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【0053】
セパレート部13は一及び二次側端子部間領域を貫通する貫通溝13Mを有しており、このセパレート部13に温度センサユニット20Sを装着している。なおこのセパレート部については端子台本体10と一体成型されて、凹部を形成しているが、一次側端子部11と、二次側端子部12との間に、空間を形成し、この空間をセパレート部13としてもよい。そしてこのセパレート部13に温度センサユニット20Sを配してもよい。
【0054】
この端子台100Sは、図18に示すように、前記実施の形態1に示した端子台と同様、端子台本体10に、一次側端子に接続される一次側端子部11と、二次側端子に接続される二次側端子部12と、温度変化を検出する温度センサユニット20Sを備えたことを特徴とする。この温度センサユニット20Sはセパレート部に設けられた貫通溝13Mに装着され、端子台100の端子板15に直接接触するように構成されている。なおセパレート部13は、温度センサユニット20Sを係止する突起18を有しており、この突起18によりしっかりと接続されている。
【0055】
またこの温度センサユニット20Sは、温度センサ部20Cと、電線(リード:信号線)24を挿通させるハーネス部20Hとが分離されている。
また、この温度センサユニット20Sは、温度センサ23Sの3方を覆うカバーを有している。なお温度センサユニット20Sが、温度センサ23Sの周囲全体を覆うカバーを有するようにしてもよい。
【0056】
さらにまたこの被覆部としてのカバーがフラット面を有しており、このフラット面上にさらに銘盤が装着されている。
加えて、この温度センサユニットのフラット面を係止する係止部を有していてもよい。
【0057】
本実施の形態の端子台によれば、温度センサがユニット化されているため、組み立て時の作業性がきわめて良好である。
また温度センサがユニット化されているため、着脱が容易であり、メンテナンスが容易となる。さらに、温度センサとして温度ヒューズを用いた場合には、溶断後温度ヒューズを取り替える場合にも容易に取り換えが可能である。
【0058】
さらにまた温度センサのカバーが直接端子板15に当接するように構成することができ、異常状態の検知精度が向上する。また温度センサを被覆することなく、安全に維持することができる。
【0059】
また、温度センサ部20Cと、電線(信号線)24を挿通させるハーネス部20Hとを分離し、温度センサ部20Cと、電線(信号線)24を挿通させるハーネス部20Hは独立して保持できるようになっている。このため温度センサ20Cを直列接続し、片方向のみに出線する場合、温度センサ23のリード(電線)と折り返しの電線が接触することがないため、電線の絶縁レベルを下げることができ、経済的である。さらにまた折り返しの電線がユニットのハーネス部区画から容易には外れないようにすることができ、ユニットの着脱がより容易となる。
【0060】
また、この温度センサユニット20Sは、温度センサ23Sの3方を覆うカバーを有しており、セパレート部に装着すると、外側から露出することなく完全に覆われることになるため、温度センサを完全に覆うことができ、絶縁、充電部保護を図ることができ、安全性を確保することができる。
【0061】
さらにまたこの被覆部としてのカバーがフラット面を有しているため、直接フラット面に印字することができる。また、このフラット面に、各極間での境界が明確になるように凹凸を形成してもよい。
【0062】
またこのフラット面上にさらに銘盤を装着することで、温度センサユニットにひっかけなどの固定部をあらかじめ成形しておく必要がないため、金型等に対する初期投資を低減することができる。
【0063】
加えて、この温度センサユニットのフラット面を係止する係止部を有していてもよい。
【0064】
また本実施の形態の変形例として図22に示すように、温度センサ23Sは、弾性体としての板ばね30により端子台本体(図示せず)表面に対して付勢されるようにしてもよい。
【0065】
(実施の形態5)
図23は、実施の形態5の端子台の要部を示す斜視図、図24はこの端子台を示す断面図である。図25は温度ヒューズユニットを示す図であり、(a)は、温度ヒューズユニットの正面図、(b)は背面図、(c)は(a)のA−A断面図、(d)は要部拡大斜視図である。図26は、温度ヒューズユニットの露呈面からみた図である。
【0066】
この端子台100は、図24に示すように、この端子台100は一次側端子部11と二次側端子部12との間に金属遮蔽板16を具備しており、この金属遮蔽板16より二次側端子部12側に温度ヒューズユニット20を配したことを特徴とする。そしてこの場合も、温度ヒューズ23が3方を樹脂製のカバー22で完全に覆われて、温度ヒューズユニット20を構成しており、これが、端子台本体10と一体成型で形成された樹脂製のセパレート部13に装着されている。15は端子板であり、この端子板15の中央部に金属遮蔽板16が装着されている。なお、図1に示した実施の形態1の端子台と同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0067】
端子台本体10に、一次側端子に接続される一次側端子部11と、二次側端子に接続される二次側端子部12と、一次側端子部11と二次側端子部12との間に温度変化を検出して所定の温度以上となったときに溶断する温度ヒューズ23とを備えている。ここでは一次側端子部11、二次側端子部12ともに8個の端子を備えるが、各端子部は隔壁10sで分離されている。温度センサとしては、所定の温度以上になるとこれを検知して溶断する温度ヒューズ23を用いている。そして温度ヒューズ23を備えた温度ヒューズユニット20を構成している。そして、温度ヒューズ23は、信号線を構成する電線24に接続される。
【0068】
危険度の高い一次側端子部11の側に温度ヒューズユニットを配置しているため、危険度の高い側の異常温度の検知が早くなり、安全性の向上を図ることができる。
また、温度ヒューズユニットにカバーを配しているため、金属遮蔽板と一次側及び二次側端子部との絶縁性を高めることができる。従って端子台と金属遮蔽板との隙間を小さくすることができ、異物混入リスクの軽減をはかることができる。
【0069】
温度ヒューズ固定用のカバー22においては、裏側には温度ヒューズ23を固定するための樹脂製の蓋体26Fを設けている。これにより温度ヒューズ23と金属遮蔽板16との間の絶縁を維持することができる。
【0070】
さらにまた、カバー22または蓋体26Fのいずれかに温度ヒューズ位置決め用の壁部として仕切り壁27を設けることにより、温度ヒューズ位置を正確に維持することができ、温度以上検知精度がさらに向上する。
【0071】
以上の実施の形態において、セパレート部は、樹脂成型によって形成されてもよいし、何もない状態で、一次側端子部と二次側端子部との間の領域であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 端子台本体
10s 隔壁
11 一次側端子部
11a 端子ネジ
11b 台座
12 二次側端子部
12a 端子ネジ
12b 台座
13 セパレート部
14 支持板
14a 支持板本体
14b 取り付け突起
14c ビス
15 端子板
21 温度ヒューズ本体部
22 カバー
23 温度ヒューズ
26 銘板
26F 蓋体
27 仕切り壁
100 端子台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側端子に接続される一次側端子部と、
二次側端子に接続される二次側端子部と、
前記一次側端子部と前記二次側端子部との間に温度変化を検出する温度センサとを具備した端子台。
【請求項2】
請求項1に記載の端子台であって、
前記温度センサは、筒状のカバーを備え、
前記カバーが前記端子台に装着された端子台。
【請求項3】
請求項2に記載の端子台であって、
前記筒状のカバーは、樹脂成型品で構成された端子台。
【請求項4】
請求項3に記載の端子台であって、
前記筒状のカバーは、透明部材で構成された端子台。
【請求項5】
請求項1に記載の端子台であって、
前記一次側端子部と前記二次側端子部とを分離するセパレート部を備え、
前記セパレート部に前記温度センサを具備した端子台。
【請求項6】
請求項1に記載の端子台であって、
前記セパレート部が、貫通孔を有し、
前記貫通孔から、前記温度センサを挿入し、異常検出を行うべき部材に対して直接接触可能となるように構成した端子台。
【請求項7】
請求項6に記載の端子台であって、
前記セパレート部が、前記温度センサを係止する突起を有する端子台。
【請求項8】
請求項1に記載の端子台であって、
前記一次側端子部および前記二次側端子部は遮蔽板で分離されており、
前記温度センサは前記遮蔽板よりも前記二次側端子部側に配された端子台。
【請求項9】
請求項8に記載の端子台であって、
前記温度センサは、筒状のカバーを備え、
前記カバーが前記温度センサを固定する蓋体を有する端子台。
【請求項10】
請求項5に記載の端子台であって、
前記セパレート部は前記一及び二次側端子部間領域を貫通するように構成され、
前記一及び二次側端子部を両端で支持する支持板を備え、
前記支持板は、前記一及び二次側端子部に接続された出力線用の導出口を有する端子台。
【請求項11】
請求項5または10に記載の端子台であって、
前記一及び二次側端子部は、複数の端子部を備え、
前記温度センサは、隣接する2つの端子部の間に配置された端子台。
【請求項12】
請求項5または11に記載の端子台であって、
前記セパレート部を覆うように、前記温度センサ上に、蓋部を備えた端子台。
【請求項13】
請求項12に記載の端子台であって、
前記蓋部は、銘板である端子台。
【請求項14】
請求項10に記載の端子台であって、
前記導出口は、貫通口または切り起こしにより貫通口を形成し得るように形成された切り起こし片を備えた端子台。
【請求項15】
請求項1に記載の端子台であって、
前記温度センサと、前記温度センサを固定する固定部とで温度センサユニットを構成しており、
前記温度センサユニットが、一次側端子部と前記二次側端子部との間に装着可能に構成された端子台。
【請求項16】
請求項15に記載の端子台であって、
一次側端子部と前記二次側端子部との間に、樹脂成型体で形成されたセパレート部を有し、
前記温度センサユニットは、前記セパレート部に装着された端子台。
【請求項17】
請求項16に記載の端子台であって、
前記温度センサが前記端子台に直接当接するように構成された端子台。
【請求項18】
請求項15に記載の端子台であって、
前記温度センサユニットは、温度センサ部と、電線を挿通させるハーネス部とが分離された端子台。
【請求項19】
請求項15に記載の端子台であって、
前記温度センサユニットは、前記温度センサの周囲全体を覆う被覆部を備えた端子台。
【請求項20】
請求項19に記載の端子台であって、
前記被覆部がフラット面を有する端子台。
【請求項21】
請求項20に記載の端子台であって、
前記温度センサユニットの前記フラット面を係止する係止部を備えた端子台。
【請求項22】
請求項15に記載の端子台であって、
前記温度センサは、弾性体により前記端子台表面に対して付勢されている端子台。
【請求項23】
請求項1乃至22のいずれか1項に記載の端子台を含む配電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−216392(P2012−216392A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80324(P2011−80324)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】