端子圧着装置およびワイヤーハーネスの製造方法
【課題】電線の位置ずれを抑制できる端子圧着装置を提供する。
【解決手段】電線3の先端部が突き当てられ、端子4に対する電線3の位置決めに用いられるストッパ113と、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段25と、電線3をクランプするクランプ手段21と、端子4を電線3の芯線3aに圧着する圧着手段111と、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを突き当て検出手段25が検出するとクランプ手段21が電線3をクランプするようにクランプ手段21の作動を制御する制御装置14、24とを備える。
【解決手段】電線3の先端部が突き当てられ、端子4に対する電線3の位置決めに用いられるストッパ113と、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段25と、電線3をクランプするクランプ手段21と、端子4を電線3の芯線3aに圧着する圧着手段111と、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを突き当て検出手段25が検出するとクランプ手段21が電線3をクランプするようにクランプ手段21の作動を制御する制御装置14、24とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線に端子を圧着する端子圧着装置およびそれを用いたワイヤーハーネスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の端子圧着装置では、端子に対する電線の位置決めを容易に行うために、電線の先端部が突き当てられるストッパが設けられている(例えば特許文献1)。
【0003】
この従来技術による端子圧着装置を用いて電線に端子を圧着する場合には、作業者は電線を手に持ち、電線の先端部を端子圧着装置のストッパに突き当てた状態で端子圧着装置の起動操作スイッチを押す。これにより、端子に対して電線が位置決めされた状態で圧着が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−223347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、ストッパに電線が当たっているかは作業者の目視や手感(手の感覚)に頼っている。また、ストッパに電線が当たっていても、起動操作スイッチを押して圧着が開始されるまでに作業者の手ブレによって電線がストッパから離れてしまうことも起こり得る。
【0006】
このため、上記従来技術では、端子に対する電線の位置がずれて圧着不良が生じる場合がある。特に、非常に細い径の電線に非常に小さい端子を圧着する場合には、端子に対する電線の位置ずれが僅かであっても圧着不良が生じてしまうため、電線を高精度に位置決めすることが求められる。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、電線の位置ずれを抑制できる端子圧着装置、およびそれを用いたワイヤーハーネスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電線(3)の先端部が突き当てられ、端子(4)に対する電線(3)の位置決めに用いられるストッパ(113)と、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段(25)と、
電線(3)をクランプするクランプ手段(21)と、
端子(4)を電線(3)の芯線(3a)に圧着する圧着手段(111)と、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることを突き当て検出手段(25)が検出するとクランプ手段(21)が電線(3)をクランプするようにクランプ手段(21)の作動を制御する制御手段(14、24)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これによると、ストッパ(113)で位置決めされた電線(3)をクランプ手段(21)で自動的にクランプするので、電線(3)を位置決めしてから圧着手段(111)で圧着するまでの間に電線(3)の位置がずれることを抑制できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の端子圧着装置において、複数の端子(4)がキャリア(6)によって芯線(3a)と直交する方向に繋げられた連続端子(5)を芯線(3a)と直交する方向に送る端子送り機構(12)と、
ストッパ(113)を連続端子(5)の送り方向に回動自在に支持する転がり軸受(115)とを備えることを特徴とする。
【0011】
これによると、ストッパ(113)は、端子送り機構(12)による連続端子(5)の送り方向に回動可能になっているので、端子送り機構(12)が連続端子(5)を送る際にストッパ(113)が連続端子(5)や電線(3)に干渉することを回避できる。
【0012】
さらに、ストッパ(113)の転がり軸受け(115)によって回動自在に支持されているので、回動に伴う摩耗が生じにくい。そのため、摩耗によるストッパ(113)のガタ(突き当て方向のふらつき)も生じにくいので、電線(3)の位置ずれを一層抑制できる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の端子圧着装置において、クランプ手段(21)が電線(3)をクランプしていることを検出するクランプ検出手段(22a)を備え、
制御手段(14、24)は、クランプ手段(21)が電線(3)をクランプしていることをクランプ検出手段(22a)が検出している場合には圧着手段(111)の起動を許容し、それ以外の場合には圧着手段(111)の起動を禁止することを特徴とする。
【0014】
これにより、クランプ手段(21)が電線(3)をまだクランプしていないときに圧着手段(111)が起動することを防止できるので、電線(3)の位置ずれを一層抑制できる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の端子圧着装置において、圧着手段(111)が端子(4)を電線(3)に圧着したことを検出する圧着検出手段(26)を備え、
制御手段(14、24)は、圧着手段(111)が端子(4)を電線(3)に圧着したことを圧着検出手段(26)が検出するとクランプ手段(21)が電線(3)をアンクランプするようにクランプ手段(21)の作動を制御することを特徴とする。
【0016】
これにより、クランプ手段(21)による電線(3)のクランプを、圧着手段(111)による圧着が完了するまで確実に行うことができるので、電線(3)の位置ずれを一層抑制できる。
【0017】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法であって、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることを突き当て検出手段(25)によって検出し、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることが突き当て検出手段(25)によって検出されると電線(3)がクランプ手段(21)によってクランプされるように、クランプ手段(21)の作動を制御手段(14、24)によって制御し、
クランプ手段(21)によってクランプされた電線(3)の芯線(3a)に端子(4)を圧着手段(111)によって圧着することを特徴とする。
【0018】
これにより、圧着品質の高いワイヤーハーネスを製造することができる。
【0019】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態における端子圧着装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の端子圧着装置によって加工された電線および端子の外観図である。
【図3】図1の端子圧着装置におけるストッパ支持構造を示す断面図である。
【図4】図1の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法の工程フロー図である。
【図5】図1の端子圧着装置の原位置を説明する図である。
【図6】セット工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図7】クランプ工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図8】圧着工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図9】アンクランプ工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図10】端子送り・ワーク取り出し工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図11】端子送り・ワーク取り出し工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図12】圧着機の制御装置によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。
【図13】チャック装置の制御装置によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。
【図14】従来技術におけるストッパ支持構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態の端子圧着装置の全体構成を示すブロック図である。端子圧着装置は、アプリケータ1とチャック装置2とを備えている。
【0022】
アプリケータ1は、圧着機11、端子送り機構12、キャリアカッター13、制御装置14および起動操作スイッチ15を備えている。
【0023】
圧着機11は、電線3に端子4を圧着する圧着手段をなすクリンパ111と、クリンパ111を駆動するアクチュエータ112とを備えている。
【0024】
クリンパ111は、端子4のバレル部4aをかしめるカシメ型であり、図2に示すように、電線3の芯線3aを包み込むように端子4のバレル部4aをかしめることで電線3に端子4を圧着する。
【0025】
図示を省略しているが、圧着機11は、アクチュエータ112の1回の駆動によりクリンパ111の下降・上昇が一連の動作として行われるようにする機械的機構を備えている。
【0026】
図1に示すように、圧着機11は、電線3を位置決めするためのストッパ113を備えている。ストッパ113は、図3に示すように、圧着機11のステー部材114に転がり軸受け115を介して回動可能に支持されている。
【0027】
ストッパ113は、電線3のうち芯線3a側の先端部が突き当てられることにより電線3の位置決めを行うものであり、全体として平板状に形成されている。
【0028】
ストッパ113には、ステー部材114に対する取り付けのために用いられる孔が形成されている。図3では図示を省略しているが、ストッパ113のうち電線3の先端部が突き当てられる部位は、孔が形成された平板状の部位から突出し且つ段状に曲げられた舌状に形成されている(後述する図5〜図11を参照)。
【0029】
ステー部材114は、圧着機11のフレーム(図示せず)に固定された部材であり、転がり軸受け115を収容する凹部114aが形成されている。転がり軸受け115は、外輪115aと内輪115bとを有する玉軸受けで構成されている。
【0030】
外輪115aは、ストッパ113の孔に嵌入されている。外輪115aの軸方向両端部には、径方向外側に突出する鍔状部115cが形成されている。両鍔状部115cの間にはストッパ113と円筒状のカラー116とが挟み込まれている。
【0031】
内輪115bの中心孔にはボルト117が嵌入されている。ボルト117はステー部材114に螺合している。内輪115bはボルト117の頭部とステー部材114の凹部114aの底面との間に挟み込まれている。
【0032】
これにより、ストッパ113、外輪115aおよびカラー116が、ステー部材114、内輪115bおよびボルト117に対して回動自在になるので、ストッパ113が転がり軸受け115を介してステー部材114に回動自在に支持されることとなる。
【0033】
なお、図3の例では、内輪115bとボルト117の頭部との間にスペーサ118が配置され、内輪115bとステー部材114の凹部114aの底面との間にもスペーサ119が配置されている。
【0034】
図1に示す端子送り機構12は、連続端子5を圧着機11に送るものである。連続端子5は、複数の端子4と、複数の端子4を繋ぐキャリア6(後述する図5〜図11を参照)とが一体成形されたものであり、本例では、複数の端子4がその軸方向(長手方向)と直交する方向に繋げられている。したがって、端子送り機構12は、連続端子5を端子4の軸方向と直交する方向(電線3の芯線3aと直交する方向)に送る。
【0035】
ストッパ113の回動軸は端子4の軸方向と平行に配置されているので、ストッパ113は、端子送り機構12による連続端子5の送り方向に回動することができる(後述する図10を参照)。このため、端子送り機構12が連続端子5を送る際にストッパ113が連続端子5や電線3に干渉することを回避できる。
【0036】
図1に示すキャリアカッター13は、圧着後の端子4をキャリア6から切り離すものである。図示を省略しているが、圧着機11は、アクチュエータ112によるクリンパ111の下降・上昇動作と連動して端子送り機構12およびキャリアカッター13の動作が行われるようにする機械的機構を備えている。
【0037】
制御装置14は、コンピュータ等により構成された制御手段であり、アクチュエータ112に駆動信号を出力する。起動操作スイッチ15は、作業者によってオン操作されると、制御装置14に圧着作動開始信号を出力する。
【0038】
図1に示すように、チャック装置2は、チャック21、エアシリンダ22、ソレノイドバルブ23および制御装置24とを備えている。
【0039】
チャック21は、ストッパ113で位置決めされた電線3を掴んで電線3の位置を固定するクランプ手段をなすものであり、エアシリンダ22によって駆動される。具体的には、エアシリンダ22が出端に操作されるとチャック21が電線3を掴み、エアシリンダ22が戻り端に操作されるとチャック21が電線3を開放するようになっている。
【0040】
ソレノイドバルブ23は、エアシリンダ22に供給される空気の流れ方向を切り替えることによってエアシリンダ22を出端位置と戻り端位置とに操作するものであり、制御装置24によって制御される。
【0041】
エアシリンダ22には、クランプ検出手段をなすシリンダスイッチ22aが設けられている。シリンダスイッチ22aは、エアシリンダ22の出端を検出するものである。シリンダスイッチ22aの検出信号は制御装置24に入力される。
【0042】
制御装置24は、コンピュータ等により構成された制御手段であり、シリンダスイッチ22aの検出信号に応じて圧着機11の制御装置14にインターロック信号を出力する。
【0043】
さらに、チャック装置2は、レーザーセンサ25と下降端スイッチ26とを備えている。レーザーセンサ25は、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段をなすものであり、レーザーセンサ25の検出信号は制御装置24に入力される。
【0044】
本例では、レーザーセンサ25は、反射型レーザセンサで構成されており、ストッパ113に突き当てられた電線3の先端部に向けてレーザー光を照射し、電線3の先端部で反射されたレーザー光を受光する。レーザーセンサ25の誤検出を防止するために、ストッパ113は黒塗りされていることが好ましい。
【0045】
下降端スイッチ26は、圧着機11のクリンパ111の下降端を検出する圧着検出手段をなすものであり、下降端スイッチ26の検出信号は制御装置24に入力される。
【0046】
次に、上記構成の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法(端子圧着方法)を、端子圧着装置の作動とともに説明する。図4は端子圧着方法の工程フロー図であり、図5〜図11は、図4に示す各工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【0047】
図5(a)は、端子圧着装置の要部をストッパ113の正面側から水平方向に見た図であり、図5(b)は、図5(a)の上視図である。図6〜図11も同様である。
【0048】
図12は、圧着機11の制御装置14によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。図13は、チャック装置2の制御装置24によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。
【0049】
図4に示すセット工程は、端子圧着装置を原位置にした状態で行われる。図5は、端子圧着装置を原位置にした状態を示している。端子圧着装置を原位置にした状態とは、連続端子5のうち所定の端子4を圧着機11の端子受け(図示せず)にセットした状態のことを言う。
【0050】
セット工程では、図6に示すように圧着機11にセットされた端子4のバレル部4aに電線3の芯線3aをセットする。この電線3のセット作業は作業者によって行われる。
【0051】
具体的には、作業者は、電線3を手で持ち、電線3のうち芯線3a側の先端部をストッパ113に突き当てて、端子4に対する電線3の位置決めを行う。これにより、レーザーセンサ25は、芯線3aの先端部で反射されたレーザー光を受光する。すなわち、レーザーセンサ25は、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する。
【0052】
本例では、図2に示すように、電線3として、芯線3aの径がφ1mmのものを用い、端子4のバレル部4aからの電線3の芯線3aの突き出し代を0.5mmに設定し、突き出し代の許容公差を+0.5mm、−0.4mmに設定している。
【0053】
次いで、図4に示すクランプ工程を行い、図7に示すように電線3をチャック21によってクランプする。このクランプ工程では、チャック装置2の制御装置24が図13のステップS200、S210の処理を行う。
【0054】
具体的には、ステップS200において、レーザーセンサ25の検出信号に基づいて、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられているか否かを判定する。電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS210へ進み、ソレノイドバルブ23をオン(ON)する。これにより、エアシリンダ22が出端に操作されてチャック21が電線3を掴む(クランプする)。このとき、エアシリンダ22が出端になったことがシリンダスイッチ22aによって検出される。
【0055】
電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS200を繰り返す。
【0056】
ここで、チャック装置2の制御装置24は、ステップS210に次いで図13のステップS220、S230の処理を行う。このステップS220、S230の処理は、アプリケータ1の制御装置14に対するインターロックを解除するための処理である。
【0057】
具体的には、ステップS220において、シリンダスイッチ22aの検出信号に基づいて、エアシリンダ22が出端にあるか否か、すなわちチャック21が電線3をクランプしているか否かを判定する。エアシリンダ22が出端にある、すなわちチャック21が電線3をクランプしていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS230へ進み、アプリケータ1の制御装置14に対するインターロックをインターロック信号によって解除(OFF)する。
【0058】
ステップS220にてエアシリンダ22が出端にない、すなわちチャック21が電線3を掴んでいないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS220を繰り返す。
【0059】
ステップS210にてソレノイドバルブ23がオン(ON)されてチャック21が電線3をクランプすると、図4に示す圧着工程を行い、図8、図9に示すようにクリンパ111によって電線3に端子4を圧着する。この圧着工程では、アプリケータ1の制御装置14が図12のステップS100〜S120の処理を行う。
【0060】
具体的には、ステップS100において、起動操作スイッチ15がオン(ON)されているか否かを判定する。起動操作スイッチ15がオンされていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS110へ進み、起動操作スイッチ15がオンされていないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS100を繰り返す。
【0061】
ステップS110では、チャック装置2の制御装置24からのインターロック信号に基づいて、インターロックが解除(OFF)されているか否かを判定する。インターロックが解除されていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS120へ進み、アクチュエータ112に駆動信号を出力してクリンパ111を作動させる。
【0062】
なお、ステップS110にてインターロックが設定(ON)されている(解除されていない)と判定された場合(NO判定の場合)にはステップS100に戻るので、起動操作スイッチ15がオンされていてもクリンパ111が作動しない。
【0063】
ステップS120にてアクチュエータ112に駆動信号が出力されるとアクチュエータ112が駆動されてクリンパ111が下降する(図8)。クリンパ111が下降端に達すると、クリンパ111によって端子4が電線3の芯線を包み込むようにかしめられる(図9)。すなわち、電線3に端子4が圧着される。このとき、下降端スイッチ26は、クリンパ111が下降端に達したことを検出する。
【0064】
クリンパ111が下降端に達して電線3に端子4が圧着されると、図4に示すアンクランプ工程を行い、図9に示すようにチャック21が電線3を開放(アンクランプ)する。このアンクランプ工程では、チャック装置2の制御装置24が図13のステップS240〜S260の処理を行う。
【0065】
具体的には、ステップS240において、下降端スイッチ26の検出信号に基づいて、圧着機11のクリンパ111が下降端にあるか否かを判定する。クリンパ111が下降端にあると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS250へ進み、ソレノイドバルブ23をオフ(OFF)する。これにより、エアシリンダ22が戻り端に操作されてチャック21が電線3を開放(アンクランプ)する。
【0066】
ステップS240にてクリンパ111が下降端にないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS240を繰り返す。
【0067】
ステップS250にてソレノイドバルブ23がオフ(OFF)されてチャック21が電線3をアンクランプすると、ステップS260に進み、アプリケータ1の制御装置14に対するインターロックをインターロック信号によって設定(ON)する。
【0068】
次いで、図4に示す端子送り・ワーク取り出し工程を行う。この端子送り・ワーク取り出し工程では、図10、図11に示すように連続端子5を1ピッチ分、圧着機11側に送るとともに、圧着された電線および端子4をキャリア6から切り離して圧着機11から取り出す。
【0069】
具体的には、端子送り機構12およびキャリアカッター13が、アクチュエータ112によるクリンパ111の一連の下降・上昇動作と連動して動作する。端子送り機構12が連続端子5を1ピッチ分、圧着機11側に送ることにより、連続端子5の次の端子4が圧着機11にセットされる。キャリアカッター13によって切り離された電線および端子4の取り出し作業は作業者によって行われる。
【0070】
端子送り機構12によって連続端子5が送られる際には図10に示すようにストッパ113が連続端子5の送り方向に回動し、連続端子5の送りが完了すると図11に示すようにストッパ113が自重で元の位置に復帰する。これにより、ストッパ113が設けられていても端子送り機構12によって連続端子5を支障なく送ることができる。
【0071】
以上の工程および作動を繰り返すことにより、ワイヤーハーネスの製造作業(電線3と端子4との圧着作業)を連続的に行うことができる。
【0072】
上述のごとく、本例では、電線3として、芯線3aの径がφ1mmという極細いものを用い、端子4のバレル部4aからの電線3の芯線3aの突き出し代を0.5mmに設定し、突き出し代を許容公差を+0.5mm、−0.4mmに設定している。すなわち、要求加工精度が極めて高い。
【0073】
この点、本実施形態によると、電線3のうち芯線3a側の先端部をストッパ113に突き当てるので、電線3の位置決めを容易に行うことができる。
【0074】
また、ストッパ113で位置決めされた電線3をチャック21で自動的にクランプするので、電線3を位置決めしてから起動操作スイッチ15をオンしてクリンパ111で圧着するまでの間に電線3の位置がずれることを防止できる。
【0075】
しかも、クリンパ111が下降端に達して圧着が行われるとチャック21が電線3を自動的にアンクランプするので、チャック21による電線3のクランプを、圧着が完了するまで確実に行うことができ、ひいては電線3の位置ずれを確実に防止できる。
【0076】
上述のごとくストッパ113は、端子送り機構12による連続端子5の送り方向に回動可能になっているので、端子送り機構12が連続端子5を送る際にストッパ113が連続端子5や電線3に干渉することを回避できる。
【0077】
ここで、図14は、ストッパ113を回動自在に支持する支持構造の比較例を示している。この比較例では、転がり軸受け115が用いられておらず、ストッパ113の孔にボルト117が直接挿入され、ストッパ113がボルト117に対して摺動することによってストッパ113が回動するように構成されている。
【0078】
この比較例によると、ストッパ113が回動することによってストッパ113およびボルト117に摩耗が生じる。ストッパ113およびボルト117に摩耗が生じると、ストッパ113にガタ(突き当て方向のふらつき)が生じるので電線3の位置決め精度が悪化する。
【0079】
これに対し、本実施形態では、ストッパ113を回動自在に支持する支持構造として転がり軸受け115が用いられているので、図14の比較例に比べてストッパ113の回動に伴う摩耗が生じにくい。そのため、ストッパ113のガタ(突き当て方向のふらつき)も生じにくいので、電線3の位置決め精度を向上できる。
【0080】
また、本実施形態では、クリンパ111の作動に対して、チャック21の作動状態に基づいてインターロックが設定されるようになっている。具体的には、電線3がチャック21でクランプされている場合、すなわちエアシリンダ22が出端にある場合にはクリンパ111の起動が許容されるので、作業者が起動操作スイッチ15をオンするとクリンパ111が作動するのに対し、電線3がチャック21でクランプされていない場合、すなわちエアシリンダ22が出端にない場合にはクリンパ111の起動が禁止されるので、作業者が起動操作スイッチ15をオンしてもクリンパ111が作動しない。このため、電線3の位置がずれた状態で圧着されることを防止できる。
【0081】
以上のことから、電線3の位置ずれを抑制することができるので、端子4のバレル部4aからの電線3の芯線3aの突き出し代を高精度に管理することができる。このため、要求加工精度の高いワイヤーハーネスにおいても圧着品質を良好に確保することができる。
【0082】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段としてレーザーセンサ25が用いられているが、これに限定されるものではなく、突き当て検出手段として種々の非接触式センサを用いることができる。また、突き当て検出手段として接触式センサを用いてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、転がり軸受け115が玉軸受けで構成されているが、これに限定されるものではなく、転がり軸受け115が、ころ軸受け等で構成されていてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、アプリケータ1の制御装置14とチャック装置2の制御装置24とが別個に設けられているが、アプリケータ1の制御装置14とチャック装置2の制御装置24とが一体化されていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
3 電線
3a 芯線
4 端子
4a バレル部
6 キャリア
12 端子送り機構
14 圧着機の制御装置(制御手段)
15 起動操作スイッチ
21 チャック(クランプ手段)
22a シリンダスイッチ(クランプ検出手段)
24 チャック装置の制御装置(制御手段)
25 レーザーセンサ(突き当て検出手段)
26 下降端スイッチ(圧着検出手段)
111 クリンパ(圧着手段)
113 ストッパ
115 転がり軸受
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線に端子を圧着する端子圧着装置およびそれを用いたワイヤーハーネスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の端子圧着装置では、端子に対する電線の位置決めを容易に行うために、電線の先端部が突き当てられるストッパが設けられている(例えば特許文献1)。
【0003】
この従来技術による端子圧着装置を用いて電線に端子を圧着する場合には、作業者は電線を手に持ち、電線の先端部を端子圧着装置のストッパに突き当てた状態で端子圧着装置の起動操作スイッチを押す。これにより、端子に対して電線が位置決めされた状態で圧着が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−223347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、ストッパに電線が当たっているかは作業者の目視や手感(手の感覚)に頼っている。また、ストッパに電線が当たっていても、起動操作スイッチを押して圧着が開始されるまでに作業者の手ブレによって電線がストッパから離れてしまうことも起こり得る。
【0006】
このため、上記従来技術では、端子に対する電線の位置がずれて圧着不良が生じる場合がある。特に、非常に細い径の電線に非常に小さい端子を圧着する場合には、端子に対する電線の位置ずれが僅かであっても圧着不良が生じてしまうため、電線を高精度に位置決めすることが求められる。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、電線の位置ずれを抑制できる端子圧着装置、およびそれを用いたワイヤーハーネスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電線(3)の先端部が突き当てられ、端子(4)に対する電線(3)の位置決めに用いられるストッパ(113)と、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段(25)と、
電線(3)をクランプするクランプ手段(21)と、
端子(4)を電線(3)の芯線(3a)に圧着する圧着手段(111)と、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることを突き当て検出手段(25)が検出するとクランプ手段(21)が電線(3)をクランプするようにクランプ手段(21)の作動を制御する制御手段(14、24)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これによると、ストッパ(113)で位置決めされた電線(3)をクランプ手段(21)で自動的にクランプするので、電線(3)を位置決めしてから圧着手段(111)で圧着するまでの間に電線(3)の位置がずれることを抑制できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の端子圧着装置において、複数の端子(4)がキャリア(6)によって芯線(3a)と直交する方向に繋げられた連続端子(5)を芯線(3a)と直交する方向に送る端子送り機構(12)と、
ストッパ(113)を連続端子(5)の送り方向に回動自在に支持する転がり軸受(115)とを備えることを特徴とする。
【0011】
これによると、ストッパ(113)は、端子送り機構(12)による連続端子(5)の送り方向に回動可能になっているので、端子送り機構(12)が連続端子(5)を送る際にストッパ(113)が連続端子(5)や電線(3)に干渉することを回避できる。
【0012】
さらに、ストッパ(113)の転がり軸受け(115)によって回動自在に支持されているので、回動に伴う摩耗が生じにくい。そのため、摩耗によるストッパ(113)のガタ(突き当て方向のふらつき)も生じにくいので、電線(3)の位置ずれを一層抑制できる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の端子圧着装置において、クランプ手段(21)が電線(3)をクランプしていることを検出するクランプ検出手段(22a)を備え、
制御手段(14、24)は、クランプ手段(21)が電線(3)をクランプしていることをクランプ検出手段(22a)が検出している場合には圧着手段(111)の起動を許容し、それ以外の場合には圧着手段(111)の起動を禁止することを特徴とする。
【0014】
これにより、クランプ手段(21)が電線(3)をまだクランプしていないときに圧着手段(111)が起動することを防止できるので、電線(3)の位置ずれを一層抑制できる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の端子圧着装置において、圧着手段(111)が端子(4)を電線(3)に圧着したことを検出する圧着検出手段(26)を備え、
制御手段(14、24)は、圧着手段(111)が端子(4)を電線(3)に圧着したことを圧着検出手段(26)が検出するとクランプ手段(21)が電線(3)をアンクランプするようにクランプ手段(21)の作動を制御することを特徴とする。
【0016】
これにより、クランプ手段(21)による電線(3)のクランプを、圧着手段(111)による圧着が完了するまで確実に行うことができるので、電線(3)の位置ずれを一層抑制できる。
【0017】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法であって、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることを突き当て検出手段(25)によって検出し、
電線(3)の先端部がストッパ(113)に突き当てられていることが突き当て検出手段(25)によって検出されると電線(3)がクランプ手段(21)によってクランプされるように、クランプ手段(21)の作動を制御手段(14、24)によって制御し、
クランプ手段(21)によってクランプされた電線(3)の芯線(3a)に端子(4)を圧着手段(111)によって圧着することを特徴とする。
【0018】
これにより、圧着品質の高いワイヤーハーネスを製造することができる。
【0019】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態における端子圧着装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の端子圧着装置によって加工された電線および端子の外観図である。
【図3】図1の端子圧着装置におけるストッパ支持構造を示す断面図である。
【図4】図1の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法の工程フロー図である。
【図5】図1の端子圧着装置の原位置を説明する図である。
【図6】セット工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図7】クランプ工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図8】圧着工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図9】アンクランプ工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図10】端子送り・ワーク取り出し工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図11】端子送り・ワーク取り出し工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【図12】圧着機の制御装置によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。
【図13】チャック装置の制御装置によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。
【図14】従来技術におけるストッパ支持構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態の端子圧着装置の全体構成を示すブロック図である。端子圧着装置は、アプリケータ1とチャック装置2とを備えている。
【0022】
アプリケータ1は、圧着機11、端子送り機構12、キャリアカッター13、制御装置14および起動操作スイッチ15を備えている。
【0023】
圧着機11は、電線3に端子4を圧着する圧着手段をなすクリンパ111と、クリンパ111を駆動するアクチュエータ112とを備えている。
【0024】
クリンパ111は、端子4のバレル部4aをかしめるカシメ型であり、図2に示すように、電線3の芯線3aを包み込むように端子4のバレル部4aをかしめることで電線3に端子4を圧着する。
【0025】
図示を省略しているが、圧着機11は、アクチュエータ112の1回の駆動によりクリンパ111の下降・上昇が一連の動作として行われるようにする機械的機構を備えている。
【0026】
図1に示すように、圧着機11は、電線3を位置決めするためのストッパ113を備えている。ストッパ113は、図3に示すように、圧着機11のステー部材114に転がり軸受け115を介して回動可能に支持されている。
【0027】
ストッパ113は、電線3のうち芯線3a側の先端部が突き当てられることにより電線3の位置決めを行うものであり、全体として平板状に形成されている。
【0028】
ストッパ113には、ステー部材114に対する取り付けのために用いられる孔が形成されている。図3では図示を省略しているが、ストッパ113のうち電線3の先端部が突き当てられる部位は、孔が形成された平板状の部位から突出し且つ段状に曲げられた舌状に形成されている(後述する図5〜図11を参照)。
【0029】
ステー部材114は、圧着機11のフレーム(図示せず)に固定された部材であり、転がり軸受け115を収容する凹部114aが形成されている。転がり軸受け115は、外輪115aと内輪115bとを有する玉軸受けで構成されている。
【0030】
外輪115aは、ストッパ113の孔に嵌入されている。外輪115aの軸方向両端部には、径方向外側に突出する鍔状部115cが形成されている。両鍔状部115cの間にはストッパ113と円筒状のカラー116とが挟み込まれている。
【0031】
内輪115bの中心孔にはボルト117が嵌入されている。ボルト117はステー部材114に螺合している。内輪115bはボルト117の頭部とステー部材114の凹部114aの底面との間に挟み込まれている。
【0032】
これにより、ストッパ113、外輪115aおよびカラー116が、ステー部材114、内輪115bおよびボルト117に対して回動自在になるので、ストッパ113が転がり軸受け115を介してステー部材114に回動自在に支持されることとなる。
【0033】
なお、図3の例では、内輪115bとボルト117の頭部との間にスペーサ118が配置され、内輪115bとステー部材114の凹部114aの底面との間にもスペーサ119が配置されている。
【0034】
図1に示す端子送り機構12は、連続端子5を圧着機11に送るものである。連続端子5は、複数の端子4と、複数の端子4を繋ぐキャリア6(後述する図5〜図11を参照)とが一体成形されたものであり、本例では、複数の端子4がその軸方向(長手方向)と直交する方向に繋げられている。したがって、端子送り機構12は、連続端子5を端子4の軸方向と直交する方向(電線3の芯線3aと直交する方向)に送る。
【0035】
ストッパ113の回動軸は端子4の軸方向と平行に配置されているので、ストッパ113は、端子送り機構12による連続端子5の送り方向に回動することができる(後述する図10を参照)。このため、端子送り機構12が連続端子5を送る際にストッパ113が連続端子5や電線3に干渉することを回避できる。
【0036】
図1に示すキャリアカッター13は、圧着後の端子4をキャリア6から切り離すものである。図示を省略しているが、圧着機11は、アクチュエータ112によるクリンパ111の下降・上昇動作と連動して端子送り機構12およびキャリアカッター13の動作が行われるようにする機械的機構を備えている。
【0037】
制御装置14は、コンピュータ等により構成された制御手段であり、アクチュエータ112に駆動信号を出力する。起動操作スイッチ15は、作業者によってオン操作されると、制御装置14に圧着作動開始信号を出力する。
【0038】
図1に示すように、チャック装置2は、チャック21、エアシリンダ22、ソレノイドバルブ23および制御装置24とを備えている。
【0039】
チャック21は、ストッパ113で位置決めされた電線3を掴んで電線3の位置を固定するクランプ手段をなすものであり、エアシリンダ22によって駆動される。具体的には、エアシリンダ22が出端に操作されるとチャック21が電線3を掴み、エアシリンダ22が戻り端に操作されるとチャック21が電線3を開放するようになっている。
【0040】
ソレノイドバルブ23は、エアシリンダ22に供給される空気の流れ方向を切り替えることによってエアシリンダ22を出端位置と戻り端位置とに操作するものであり、制御装置24によって制御される。
【0041】
エアシリンダ22には、クランプ検出手段をなすシリンダスイッチ22aが設けられている。シリンダスイッチ22aは、エアシリンダ22の出端を検出するものである。シリンダスイッチ22aの検出信号は制御装置24に入力される。
【0042】
制御装置24は、コンピュータ等により構成された制御手段であり、シリンダスイッチ22aの検出信号に応じて圧着機11の制御装置14にインターロック信号を出力する。
【0043】
さらに、チャック装置2は、レーザーセンサ25と下降端スイッチ26とを備えている。レーザーセンサ25は、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段をなすものであり、レーザーセンサ25の検出信号は制御装置24に入力される。
【0044】
本例では、レーザーセンサ25は、反射型レーザセンサで構成されており、ストッパ113に突き当てられた電線3の先端部に向けてレーザー光を照射し、電線3の先端部で反射されたレーザー光を受光する。レーザーセンサ25の誤検出を防止するために、ストッパ113は黒塗りされていることが好ましい。
【0045】
下降端スイッチ26は、圧着機11のクリンパ111の下降端を検出する圧着検出手段をなすものであり、下降端スイッチ26の検出信号は制御装置24に入力される。
【0046】
次に、上記構成の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法(端子圧着方法)を、端子圧着装置の作動とともに説明する。図4は端子圧着方法の工程フロー図であり、図5〜図11は、図4に示す各工程における端子圧着装置の作動を説明する図である。
【0047】
図5(a)は、端子圧着装置の要部をストッパ113の正面側から水平方向に見た図であり、図5(b)は、図5(a)の上視図である。図6〜図11も同様である。
【0048】
図12は、圧着機11の制御装置14によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。図13は、チャック装置2の制御装置24によって実行される制御処理の概要を示すフローチャートである。
【0049】
図4に示すセット工程は、端子圧着装置を原位置にした状態で行われる。図5は、端子圧着装置を原位置にした状態を示している。端子圧着装置を原位置にした状態とは、連続端子5のうち所定の端子4を圧着機11の端子受け(図示せず)にセットした状態のことを言う。
【0050】
セット工程では、図6に示すように圧着機11にセットされた端子4のバレル部4aに電線3の芯線3aをセットする。この電線3のセット作業は作業者によって行われる。
【0051】
具体的には、作業者は、電線3を手で持ち、電線3のうち芯線3a側の先端部をストッパ113に突き当てて、端子4に対する電線3の位置決めを行う。これにより、レーザーセンサ25は、芯線3aの先端部で反射されたレーザー光を受光する。すなわち、レーザーセンサ25は、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する。
【0052】
本例では、図2に示すように、電線3として、芯線3aの径がφ1mmのものを用い、端子4のバレル部4aからの電線3の芯線3aの突き出し代を0.5mmに設定し、突き出し代の許容公差を+0.5mm、−0.4mmに設定している。
【0053】
次いで、図4に示すクランプ工程を行い、図7に示すように電線3をチャック21によってクランプする。このクランプ工程では、チャック装置2の制御装置24が図13のステップS200、S210の処理を行う。
【0054】
具体的には、ステップS200において、レーザーセンサ25の検出信号に基づいて、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられているか否かを判定する。電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS210へ進み、ソレノイドバルブ23をオン(ON)する。これにより、エアシリンダ22が出端に操作されてチャック21が電線3を掴む(クランプする)。このとき、エアシリンダ22が出端になったことがシリンダスイッチ22aによって検出される。
【0055】
電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS200を繰り返す。
【0056】
ここで、チャック装置2の制御装置24は、ステップS210に次いで図13のステップS220、S230の処理を行う。このステップS220、S230の処理は、アプリケータ1の制御装置14に対するインターロックを解除するための処理である。
【0057】
具体的には、ステップS220において、シリンダスイッチ22aの検出信号に基づいて、エアシリンダ22が出端にあるか否か、すなわちチャック21が電線3をクランプしているか否かを判定する。エアシリンダ22が出端にある、すなわちチャック21が電線3をクランプしていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS230へ進み、アプリケータ1の制御装置14に対するインターロックをインターロック信号によって解除(OFF)する。
【0058】
ステップS220にてエアシリンダ22が出端にない、すなわちチャック21が電線3を掴んでいないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS220を繰り返す。
【0059】
ステップS210にてソレノイドバルブ23がオン(ON)されてチャック21が電線3をクランプすると、図4に示す圧着工程を行い、図8、図9に示すようにクリンパ111によって電線3に端子4を圧着する。この圧着工程では、アプリケータ1の制御装置14が図12のステップS100〜S120の処理を行う。
【0060】
具体的には、ステップS100において、起動操作スイッチ15がオン(ON)されているか否かを判定する。起動操作スイッチ15がオンされていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS110へ進み、起動操作スイッチ15がオンされていないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS100を繰り返す。
【0061】
ステップS110では、チャック装置2の制御装置24からのインターロック信号に基づいて、インターロックが解除(OFF)されているか否かを判定する。インターロックが解除されていると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS120へ進み、アクチュエータ112に駆動信号を出力してクリンパ111を作動させる。
【0062】
なお、ステップS110にてインターロックが設定(ON)されている(解除されていない)と判定された場合(NO判定の場合)にはステップS100に戻るので、起動操作スイッチ15がオンされていてもクリンパ111が作動しない。
【0063】
ステップS120にてアクチュエータ112に駆動信号が出力されるとアクチュエータ112が駆動されてクリンパ111が下降する(図8)。クリンパ111が下降端に達すると、クリンパ111によって端子4が電線3の芯線を包み込むようにかしめられる(図9)。すなわち、電線3に端子4が圧着される。このとき、下降端スイッチ26は、クリンパ111が下降端に達したことを検出する。
【0064】
クリンパ111が下降端に達して電線3に端子4が圧着されると、図4に示すアンクランプ工程を行い、図9に示すようにチャック21が電線3を開放(アンクランプ)する。このアンクランプ工程では、チャック装置2の制御装置24が図13のステップS240〜S260の処理を行う。
【0065】
具体的には、ステップS240において、下降端スイッチ26の検出信号に基づいて、圧着機11のクリンパ111が下降端にあるか否かを判定する。クリンパ111が下降端にあると判定された場合(YES判定の場合)には、ステップS250へ進み、ソレノイドバルブ23をオフ(OFF)する。これにより、エアシリンダ22が戻り端に操作されてチャック21が電線3を開放(アンクランプ)する。
【0066】
ステップS240にてクリンパ111が下降端にないと判定された場合(NO判定の場合)にはステップS240を繰り返す。
【0067】
ステップS250にてソレノイドバルブ23がオフ(OFF)されてチャック21が電線3をアンクランプすると、ステップS260に進み、アプリケータ1の制御装置14に対するインターロックをインターロック信号によって設定(ON)する。
【0068】
次いで、図4に示す端子送り・ワーク取り出し工程を行う。この端子送り・ワーク取り出し工程では、図10、図11に示すように連続端子5を1ピッチ分、圧着機11側に送るとともに、圧着された電線および端子4をキャリア6から切り離して圧着機11から取り出す。
【0069】
具体的には、端子送り機構12およびキャリアカッター13が、アクチュエータ112によるクリンパ111の一連の下降・上昇動作と連動して動作する。端子送り機構12が連続端子5を1ピッチ分、圧着機11側に送ることにより、連続端子5の次の端子4が圧着機11にセットされる。キャリアカッター13によって切り離された電線および端子4の取り出し作業は作業者によって行われる。
【0070】
端子送り機構12によって連続端子5が送られる際には図10に示すようにストッパ113が連続端子5の送り方向に回動し、連続端子5の送りが完了すると図11に示すようにストッパ113が自重で元の位置に復帰する。これにより、ストッパ113が設けられていても端子送り機構12によって連続端子5を支障なく送ることができる。
【0071】
以上の工程および作動を繰り返すことにより、ワイヤーハーネスの製造作業(電線3と端子4との圧着作業)を連続的に行うことができる。
【0072】
上述のごとく、本例では、電線3として、芯線3aの径がφ1mmという極細いものを用い、端子4のバレル部4aからの電線3の芯線3aの突き出し代を0.5mmに設定し、突き出し代を許容公差を+0.5mm、−0.4mmに設定している。すなわち、要求加工精度が極めて高い。
【0073】
この点、本実施形態によると、電線3のうち芯線3a側の先端部をストッパ113に突き当てるので、電線3の位置決めを容易に行うことができる。
【0074】
また、ストッパ113で位置決めされた電線3をチャック21で自動的にクランプするので、電線3を位置決めしてから起動操作スイッチ15をオンしてクリンパ111で圧着するまでの間に電線3の位置がずれることを防止できる。
【0075】
しかも、クリンパ111が下降端に達して圧着が行われるとチャック21が電線3を自動的にアンクランプするので、チャック21による電線3のクランプを、圧着が完了するまで確実に行うことができ、ひいては電線3の位置ずれを確実に防止できる。
【0076】
上述のごとくストッパ113は、端子送り機構12による連続端子5の送り方向に回動可能になっているので、端子送り機構12が連続端子5を送る際にストッパ113が連続端子5や電線3に干渉することを回避できる。
【0077】
ここで、図14は、ストッパ113を回動自在に支持する支持構造の比較例を示している。この比較例では、転がり軸受け115が用いられておらず、ストッパ113の孔にボルト117が直接挿入され、ストッパ113がボルト117に対して摺動することによってストッパ113が回動するように構成されている。
【0078】
この比較例によると、ストッパ113が回動することによってストッパ113およびボルト117に摩耗が生じる。ストッパ113およびボルト117に摩耗が生じると、ストッパ113にガタ(突き当て方向のふらつき)が生じるので電線3の位置決め精度が悪化する。
【0079】
これに対し、本実施形態では、ストッパ113を回動自在に支持する支持構造として転がり軸受け115が用いられているので、図14の比較例に比べてストッパ113の回動に伴う摩耗が生じにくい。そのため、ストッパ113のガタ(突き当て方向のふらつき)も生じにくいので、電線3の位置決め精度を向上できる。
【0080】
また、本実施形態では、クリンパ111の作動に対して、チャック21の作動状態に基づいてインターロックが設定されるようになっている。具体的には、電線3がチャック21でクランプされている場合、すなわちエアシリンダ22が出端にある場合にはクリンパ111の起動が許容されるので、作業者が起動操作スイッチ15をオンするとクリンパ111が作動するのに対し、電線3がチャック21でクランプされていない場合、すなわちエアシリンダ22が出端にない場合にはクリンパ111の起動が禁止されるので、作業者が起動操作スイッチ15をオンしてもクリンパ111が作動しない。このため、電線3の位置がずれた状態で圧着されることを防止できる。
【0081】
以上のことから、電線3の位置ずれを抑制することができるので、端子4のバレル部4aからの電線3の芯線3aの突き出し代を高精度に管理することができる。このため、要求加工精度の高いワイヤーハーネスにおいても圧着品質を良好に確保することができる。
【0082】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、電線3の先端部がストッパ113に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段としてレーザーセンサ25が用いられているが、これに限定されるものではなく、突き当て検出手段として種々の非接触式センサを用いることができる。また、突き当て検出手段として接触式センサを用いてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、転がり軸受け115が玉軸受けで構成されているが、これに限定されるものではなく、転がり軸受け115が、ころ軸受け等で構成されていてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、アプリケータ1の制御装置14とチャック装置2の制御装置24とが別個に設けられているが、アプリケータ1の制御装置14とチャック装置2の制御装置24とが一体化されていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
3 電線
3a 芯線
4 端子
4a バレル部
6 キャリア
12 端子送り機構
14 圧着機の制御装置(制御手段)
15 起動操作スイッチ
21 チャック(クランプ手段)
22a シリンダスイッチ(クランプ検出手段)
24 チャック装置の制御装置(制御手段)
25 レーザーセンサ(突き当て検出手段)
26 下降端スイッチ(圧着検出手段)
111 クリンパ(圧着手段)
113 ストッパ
115 転がり軸受
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線(3)の先端部が突き当てられ、端子(4)に対する前記電線(3)の位置決めに用いられるストッパ(113)と、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段(25)と、
前記電線(3)をクランプするクランプ手段(21)と、
前記端子(4)を前記電線(3)の芯線(3a)に圧着する圧着手段(111)と、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることを前記突き当て検出手段(25)が検出すると前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をクランプするように前記クランプ手段(21)の作動を制御する制御手段(14、24)とを備えることを特徴とする端子圧着装置。
【請求項2】
複数の前記端子(4)がキャリア(6)によって前記芯線(3a)と直交する方向に繋げられた連続端子(5)を前記芯線(3a)と直交する方向に送る端子送り機構(12)と、
前記ストッパ(113)を前記連続端子(5)の送り方向に回動自在に支持する転がり軸受(115)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の端子圧着装置。
【請求項3】
前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をクランプしていることを検出するクランプ検出手段(22a)を備え、
前記制御手段(14、24)は、前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をクランプしていることを前記クランプ検出手段(22a)が検出している場合には前記圧着手段(111)の起動を許容し、それ以外の場合には前記圧着手段(111)の起動を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の端子圧着装置。
【請求項4】
前記圧着手段(111)が前記端子(4)を前記電線(3)に圧着したことを検出する圧着検出手段(26)を備え、
前記制御手段(14、24)は、前記圧着手段(111)が前記端子(4)を前記電線(3)に圧着したことを前記圧着検出手段(26)が検出すると前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をアンクランプするように前記クランプ手段(21)の作動を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の端子圧着装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法であって、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることを前記突き当て検出手段(25)によって検出し、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることが前記突き当て検出手段(25)によって検出されると前記電線(3)が前記クランプ手段(21)によってクランプされるように、前記クランプ手段(21)の作動を前記制御手段(14、24)によって制御し、
前記クランプ手段(21)によってクランプされた前記電線(3)の前記芯線(3a)に前記端子(4)を前記圧着手段(111)によって圧着することを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
【請求項1】
電線(3)の先端部が突き当てられ、端子(4)に対する前記電線(3)の位置決めに用いられるストッパ(113)と、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることを検出する突き当て検出手段(25)と、
前記電線(3)をクランプするクランプ手段(21)と、
前記端子(4)を前記電線(3)の芯線(3a)に圧着する圧着手段(111)と、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることを前記突き当て検出手段(25)が検出すると前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をクランプするように前記クランプ手段(21)の作動を制御する制御手段(14、24)とを備えることを特徴とする端子圧着装置。
【請求項2】
複数の前記端子(4)がキャリア(6)によって前記芯線(3a)と直交する方向に繋げられた連続端子(5)を前記芯線(3a)と直交する方向に送る端子送り機構(12)と、
前記ストッパ(113)を前記連続端子(5)の送り方向に回動自在に支持する転がり軸受(115)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の端子圧着装置。
【請求項3】
前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をクランプしていることを検出するクランプ検出手段(22a)を備え、
前記制御手段(14、24)は、前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をクランプしていることを前記クランプ検出手段(22a)が検出している場合には前記圧着手段(111)の起動を許容し、それ以外の場合には前記圧着手段(111)の起動を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の端子圧着装置。
【請求項4】
前記圧着手段(111)が前記端子(4)を前記電線(3)に圧着したことを検出する圧着検出手段(26)を備え、
前記制御手段(14、24)は、前記圧着手段(111)が前記端子(4)を前記電線(3)に圧着したことを前記圧着検出手段(26)が検出すると前記クランプ手段(21)が前記電線(3)をアンクランプするように前記クランプ手段(21)の作動を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の端子圧着装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の端子圧着装置を用いたワイヤーハーネスの製造方法であって、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることを前記突き当て検出手段(25)によって検出し、
前記電線(3)の前記先端部が前記ストッパ(113)に突き当てられていることが前記突き当て検出手段(25)によって検出されると前記電線(3)が前記クランプ手段(21)によってクランプされるように、前記クランプ手段(21)の作動を前記制御手段(14、24)によって制御し、
前記クランプ手段(21)によってクランプされた前記電線(3)の前記芯線(3a)に前記端子(4)を前記圧着手段(111)によって圧着することを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−49068(P2012−49068A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191984(P2010−191984)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(500296295)株式会社テクマ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(500296295)株式会社テクマ (2)
【Fターム(参考)】
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