説明

端子圧着装置

【解決手段】 電気端子(52、164)をワイヤに圧着する端子圧着装置(50、160)は圧着中に端子の動きを制限する端子抑制装置(90)を含む。端子抑制装置(90)は端子抑制アーム(92、200)、一対のガイドロッド(102)および取り外し可能なスタンドオフ(standoff)を含む。ガイドロッド(102)は往復運動が可能なラム(62、200)によって移動させられ、ラム(62)が圧着サイクルを終えるまでの間、スタンドオフを移動制限ブロック(148)に当接させることで、端子抑制アーム(92、200)が端子(52、164)の接近位置に保持されるように調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気端子をワイヤに圧着プロセスによって圧着する端子圧着装置に関し、特に、圧着プロセスの間に端子の動きを制限し、変形を防止するために端子圧着装置のラムによって搬送される端子抑制装置(terminal hold down device)を有する端子圧着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
端子圧着装置は、電気端子を導電体に取り付けるために、産業において広範囲に用いられている。これらの端子圧着装置は、典型的には、動力と運動を端子圧着装置に与えるプレス機に取り付けられている。端子圧着装置は手動で用いられる場合があり、作業者は、前処理されたワイヤ端をクリンパと端子を備えるアンビルとの間の圧着領域に挿入し、端子が圧着されるまでの間、所定位置にワイヤを保持する。
【0003】
別の方法として、端子圧着装置および関連するプレス機は、ホスト機に取り付けられる場合もある。例えばリードメーカなどで、準備されたワイヤ端は、自動的に圧着のためにクリンパへ提供される。端子圧着装置は、典型的には、ガイドレールに沿って端子ストリップを端子の1つがアンビル上に配されるワークステーションへと供給する。ワイヤ端は、予め絶縁物が取り除かれた状態でワークステーション内に設置され、装置は、クリンパを作動させ、ワイヤ端へ端子のタブを圧着する。
【0004】
二種類の端子搬送方法があり、ストリップの搬送方法に関しての端子の配し方に依存している。ストリップの搬送方法は、横送り(サイドフィード)であるか端送り(エンドフィード)であるかの端子の配置に基づいて設計される。各方法が、端子をワイヤに実際に圧着する間に端子の動きを制限し、制御するための端子抑制装置を設計する際に異なる特徴を呈している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1には、端送りの場合についての従来技術の端子抑制装置が、一例として示される。端子クリンパ4と端子抑制装置6を備える端子圧着装置のラム2が示されている。端子クリンパ4と端子抑制装置6の両方は、圧着プロセスの際にこのラムによって搬送される。端子抑制装置6は、矢印10、12によって示される方向に移動制限がなく、スライドしてラム2内に形成された開口部8へ入り込む。端子抑制装置6を矢印12の方向に移動制御するために、開口部8の中には図示しないゴム部材が設けられている。
【0006】
端子抑制装置6は、端子抑制装置の表面14と表面14から所定量の大きさのスペースで隔てられた停止表面18がある突起16とを含み、このスペースはラム2がストローク運動の端に達し、端子クリンパ4が端子を圧着する際に、停止表面18は図示しない固定された表面と接する。そして、端子抑制装置の表面14は、端子の逆移動を制限するために端子の望ましい接近位置に位置する。
【0007】
端子抑制装置6は、突起16および正確に設計された停止表面18を必ず備えなければならず、表面14から表面18の間のスペースの大きさは、圧着される端子に応じて関連付けられる必要性がある。異なるスペースの大きさを要求される場合には、その全ての端子は、表面14から表面18までの独自のスペースの大きさを持った端子抑制装置6を必要とすることになる。このことは製造され保管される端子抑制装置が、それぞれごとに大きく異なり、かなり複雑となることとなり、もちろん、多大なコストがかかることにもなる。
【0008】
図2には、横送りのための従来技術の端子抑制装置が一例として示される。端子クリンパ26と端子抑制装置28を備える端子圧着装置のラム24の部分図が示され、端子クリンパ26と端子抑制装置28の両方とも圧着プロセスの間、このラムによって搬送されることになる。端子抑制装置28は、端子抑制装置表面30を有し、ウレタン製であり、ラム24および所望の位置にロックナット36で止められて共に部材34中の穴へはめ込まれている止め金具32を含む。
【0009】
端子抑制装置28は、ラム24がストローク運動の端へ達すると、端子クリンパ26により端子を圧着可能とすることができる。そして、端子抑制装置表面30は、端子の逆移動を制限するために端子の望ましい接近位置に配置されることになる。この配置は、端子抑制装置28が圧着する際に、ラム24が完全に伸びたとしても端子が損傷のないように非常に正確に位置付けられる必要がある。
【0010】
ウレタン素材は、柔軟な表面で、端子が許容できる範囲の損傷を受けることを防止する。しかしながら、この素材は使用の間に時々取替えが必要となるという問題を有する。別の問題としては、圧着高さを調整するごとに端子抑制装置28の位置を再調整しなければならないことである。端子装置の取替えおよび/または再調整作業は、端子圧着装置の初期セットアップの際に煩雑であり、問題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する手段としては、異なる端子サイズに幅広く対応し、端送りと横送りとに対応し、端子圧着装置の圧着高さの調整の際に再調整の必要のない、簡易で安いという特徴を有するという現在公知の電気端子を導電体に接着する端子圧着装置の提供を挙げることができる。
【0012】
この端子圧着装置は、電気端子を受容するように配されたフレームおよびフレームに支持されたアンビルを含む。ラムは、備え付けのクリンパを有しており、フレームに対してスライドして、圧着方向軸に沿ってクリンパを電気端子と圧着可能なように、そして電気端子から離れた戻り方向へ移動させるという往復運動可能な動きができるように配される。クリンパはアンビルと協働して圧着を行う。ラムによって搬送される端子抑制装置は、クリンパが端子と接するよう接近する際に、圧着工程の際の端子の逆移動と変形を最小限にするために端子の接近位置にまで配される。端子抑制装置は、クリンパが端子と接するように移動する際と圧着している際について、端子抑制装置と端子との間の圧接を防ぎ、かつ、端子抑制装置の表面に接して取り付けられる取り外し可能なスタンドオフ(standoff)を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は以下、参照される図面に示される一例によって説明される。
図3には、電気端子52をワイヤ(図示しない)と圧着する端子圧着装置50が示されている。この端子圧着装置は、フレーム56、アンビル60を支えるベース58、このフレームの中の開口部64へスライドして入り込むラム62、を含み、アンビル方向へ向かう圧着方向78とそこから離れて移動垂直軸66に沿って戻る方向80へ往復運動可能なように配されている。
ラム62(好適図として図4と図5が挙げられるが)は、通常の方法でラムに取り付けられたクリンパ70を移動させるラム62として構成されている。圧着高さ調節機構72は、機構72への内部スクリュー移動手段とラム62への外部スクリュー移動手段とによってラム62と連結されている。ワイヤの圧着高さは、ステッピングモータと端子圧着装置50のリードスクリュー(図示しない)とによって調節されている。ワイヤ圧着高さ調節装置は一例として記載されているのであり、他のステッピングモータやリードスクリューを適用してもよいことは当業者であれば理解される。ラム62は、ホスト機の押圧ラム(図示しない)にラム62を取り付ける連結ヘッド76を含む。ホスト機の押圧ラムが作動すると、ホスト機の押圧ラムは、ラム62に往復運動可能な動きを与える。
【0014】
端子搬送機構84は、フレーム56と連結され、モーションコントローラ(図示しない)によるプログラムによって電気的にコントロールされ、通常の方法で搬送経路88に沿って端子52のストリップ86を徐々に搬送し、新しい端子52がそれぞれの圧着プロセスごとにアンビル60上に配されるようにする。このプロセスは以下に詳細に記述される。端子圧着装置のラム62と搬送機構84とは機械的には連結しない。搬送機構は、迅速交換装置(図示しない)によってフレーム56とマウントされ、モーションコントローラ(図示しない)とケーブル(図示しない)を介してホスト機内部で連結される。ラムのストローク運動と搬送指82の位置とのタイミングは、ホスト機内のモーションコントローラによってプログラミングされてコントロールされている。以上で説明した搬送機構は、機械的にはラムとは結合していないものの、本発明の開示するところはラムのストロークと搬送指の位置とのタイミングをコントロールするラムと物理的に連結された、公知の搬送機構を有する端子圧着装置に対して好適に用いられる。本端子抑制装置90の適用は、利用される端子搬送機構のタイプに依存されることはない。この非依存性はさらに以下に説明される本発明のあらゆる態様に適用される。
【0015】
端子抑制装置90がラム62と連結されている態様は、図3から図6に好適図として示される。端子抑制装置90は、端子抑制表面94とオフセットマウントフランジ96とを備える端子抑制アーム92を含む。図7および図8に好適図として示されるように、二つの皿頭状の穴98がフランジ96内に形成され、図5に示されるように、垂直軸66に平行するようにラム62にあけられた二つの穴100と一致するようにされている。図5と図9に示される二本のガイドロッド102は、それぞれラム62の中の穴100にスライドフィット可能な外径104であることを含む。二本のガイドロッドは、図示される穴100に即して配される。小径106は、ラム62内のプレスフィット穴内にある保持ピン108を受けることができるように外径106内に形成されている。それぞれの穴100には、図5に示されるように、垂直軸66に沿って下方向に平行に配され、ガイドロッド102を制御するために配置された圧縮スプリング114が備えられている。保持ピン108は、ガイドロッドの一つの段部116にはめ込まれることで、ガイドロッド102が過度に下方へ行き過ぎてしまうことを防止している。
【0016】
図9に示されるように、小径106の長さ118は、ガイドロッド102の十分な移動を許容することとなり、クリンパが実際に端子と接する前に、端子抑制アーム92が端子52の接近位置に配されることを可能にするが、このことは以下に詳細に記述される。図9に好適図として示されるように、それぞれのガイドロッド102は、二つのレンチ平面120を含む。ネジ穴126は、それぞれのガイドロッド102の小径端内に軸に沿って形成されている。二本のガイドロッドの小径122は、フランジ96の二つの穴98にスライドして入ることが可能なように、そのサイズが決められている。
【0017】
図5と図6が好適図として示されるように、端子抑制アーム92は、それぞれの穴98内に二本のガイドロッドの小径122が入り込み、フランジ96の上側表面128が段部124と対面接触するように配されている。平頭ネジ130は、皿頭状の穴98の一つにねじ込まれており、対応するガイドロッド126の一つのネジ穴にもねじ込まれている。
【0018】
スタンドオフ136(standoff)は、図6、10、11に示されているように、外表面138を有し、外表面138は図10に示されるように円筒状に形成されてもよく、図4に示されるように六角筒状に形成されてもよく、さらには簡易に着脱可能なレンチ平面を提供する他の形状であってもよい。
【0019】
スタンドオフ136の円筒状部分は、長さLを有し、この長さは端子圧着装置50に適用される特定の端子の基づいて変えられるものであり、以下に詳細に記述される。ネジの端または止め具140は、段部142から伸び、ガイドロッド102のネジ穴126にネジ止めできるようにサイズが決められ、取り外し可能な状態とされている。作動中は、好適図として図4、5、6に示されるように、止め具140は、きつく平頭ネジ130によって占められていない側の穴126内にネジ止めされ、段部142はフランジ96の下側表面144に密接し、押圧することとなる。それゆえに、上側表面128をガイドロッドの段部124にきつく接して押圧する。スタンドオフ136はさらに止め具140の反対端にある停止表面146を含む。ここで、移動制限ブロック148は、ベース58に取り付けられており、図5に示されるように上側に面する当接表面150を有しており、スタンドオフ136と協働して、ラム62が下方に移動する際に、停止表面と当接表面とを当接させる。
【0020】
図12には、端子圧着装置50に似た端子圧着装置160が示されている。しかしながら、この装置は、搬送経路166に沿ってなる端子164の端送りのための装置である。端子圧着装置160は、端子圧着装置50と異なる点について簡潔に説明され、二つの装置間で本質的に互換可能な同様パーツについては同じ番号として記載される。
【0021】
端子圧着装置160は、フレーム168、アンビル172を支持するベース170、このフレーム内の開口部64内にスライドして入り込むラム62、とを備え、移動垂直軸66によってアンビルへ向かう圧着方向とそこから離れて戻る方向の往復運動可能な移動ができるように配されている。
【0022】
ラム62は、図13に好適図として示されるように、通常の方法でラムと取り付けられるクリンパ174を搬送するラム62として構成されている。圧着高さ調整機構72は、図12に示されるように、ラム62と連結され、その連結方法は、端子圧着装置50と同様の方法であり、機構72への内部スクリュー移動手段とラム62への外部スクリュー移動手段とによって連結される。段部連結ヘッド76は、ラム62の一部であるが、以上に述べられたように作業のためにホスト機に連結される。
【0023】
端子搬送機構84は、端子圧着装置50と同様の方法によってフレーム168と連結され、ホスト機内のモーションコントローラによって電気的に作動させられ、ラム62の搬送を通常の方法で行い、搬送経路166に沿って端子164のストリップ162を徐々に搬送し、新しい端子164がそれぞれの圧着ごとにアンビル172上に配されるようにする。端子圧着装置50と同様に、ラム62と搬送機構84との間は機械的に連結しない。搬送機構は迅速交換装置(図示しない)によってフレーム168とマウントされ、モーションコントローラ(図示しない)とケーブル(図示しない)を介してホスト機内部で連結される。ラムのストローク運動と搬送指176の位置とのタイミングはホスト機内のモーションコントローラによってプログラミングされてコントロールされている。
【0024】
端子抑制装置90は、ラム62と連結されている様子が図13に示され、以上で端子圧着装置50について説明したように、端子抑制表面94とオフセットマウントフランジ96とを備える端子抑制アーム92を含む。端子抑制アーム92は、端子圧着装置50と同様の方法で、ガイドロッド102、ネジ130、スプリング114、保持ピン108、スタンドオフ130によって端子圧着装置160と連結されている。
【0025】
小径106の長さ118は、図9に示されるように、ガイドロッド102の十分な移動を許容し、クリンパが実際に端子と接する以前に、図12と13に示されるように、端子抑制アーム92が端子164の接近位置に配されることを可能にするが、このことは以下に詳細に記述される。移動制限ブロック178は、フレーム168に取り付けられており、図13に示されるように上側に面する当接表面180を有しており、端子圧着装置50と同様の態様で、スタンドオフ136と協働して、ラム62が下方に移動する際に、停止表面と当接表面とが当接するようにされている。
【0026】
図5に好適図として示されるように、端子圧着装置50が作動すると、ラム62は往復運動可能な動きを点線190で示される上端限と実線で示される下端限との間に与えられる。上端限からスタートして、ガイドロッド102は、段部116が保持ピン108と当接するように降下し、そして、スタンドオフ136の停止表面146が移動制限ブロック148上との間に適切なスペースを形成する。図5に示されるように、ラム62がベース58の方の圧着方向へ垂直軸66に沿って下降移動すると、それに伴って端子抑制アーム92を移動させ、スタンドオフは移動制限ブロック148に接近し、ついには停止表面146が当接表面と当接することになり、それゆえに、さらなる端子抑制アームの下方移動を防ぐことができる。このラム62の下方移動の際には、クリンパ70は、端子52と圧着するための接近をするように移動することになる。端子抑制アームの端子抑制表面94は、実際に接することはないものの、非常に端子52と接近した接近位置にある。
【0027】
図5に示されるように、距離(間隙)192は、端子抑制表面94と端子52の上端表面との間に形成され、好ましくは約0.005インチから約0.010インチの間であるが、所望の端子の適用状況に応じて、0.000インチから約0.0060インチの間程度まで変化させられてもよい。作動中、端子はこの間隙を変形させ、狭め、端子抑制表面に実際に接触するかも場合もある。図5に示されるように、ラム62が下方移動して下方移動限に達すると、クリンパ70がアンビル60と協働して端子52を導電体(図示しない)と圧着させる。ラム62が下方移動した状況で端子の圧着が行われている際には、二つのスプリング114は、端子抑制表面94について間隙192の大きさを維持するように、二本のガイドロッド102がそれぞれの穴100において上方向に移動可能なように押圧する。このようにして、端子抑制装置90は、圧着プロセスの間、効果的に端子の逆移動と可能性のある変形を防止している。その後、ラムは図5の190で示される上端限まで戻り方向80で移動し、このサイクルは所望の回数に応じて繰り返される。端子圧着装置160の作動態様は実質的には以上で説明した端子圧着装置50の作動態様と同様であるので、ここでは説明しない。
【0028】
図10で示されるように、スタンドオフ136の長さLは、端子圧着装置50および端子圧着装置160に圧着される所望の端子に基づいて、所望の大きさの間隙192を提供するために選択される。端子圧着装置50または端子圧着装置160に圧着される各異なった端子は、それぞれ特定の長さLを持ったスタンドオフ136を提供される必要がある。
【0029】
図14には、端子抑制アーム92と移動制限ブロック148、178の平面構造図が示される。参考までに、この構造図は、図5に示される端子抑制アーム92の下方側から観察した図と同様である。図14に示されるように、横送りのための搬送経路88および端送りのための搬送経路166は互いに右側からの構図であり、端子抑制表面94のおよその中央で交差している。スタンドオフ136は搬送経路88と160から十分に離れている。この離れは、本発明の実施には要求されないものの、横送りのための端子圧着装置と端送りのための端子圧着装置の両方において、同様の端子抑制装置90の使用を可能とするが、中でも特にラム62が円筒形状の場合に好適である。
【0030】
図15には、本発明の第二の実施態様が示されているが、第一の実施態様の端子抑制アーム92を細長くし、若干長方形の同様に停止表面94を有する端子抑制アーム200としたものである。二本のガイドロッド102は、第一の実施態様と同様の方法で、ラム202内であって図示しないがスプリング114と保持ピン108も含んでいる二つの穴64に配されている。この場合、二つの穴64は、それらの大体真ん中に設けられているクリンパ174と共にラム202とは逆側に形成されている。
【0031】
一対のスタンドオフ136は、取り外し可能なようにガイドロッド端の穴126にねじ込まれて、端子抑制アーム200の適切な位置に固定されている。スタンドオフ136のうちの一方は、移動ブロック148と垂直に協働し、ラム200が十分に下方に移動した際に、停止表面146が当接表面150と当接することとなり、第一の実施形態と同様の態様で、端子抑制アームのさらなる下方移動を防ぐことになる。二つのスタンドオフ136のうちの一方は、選択的に、ネジ130と取り替えられてもよい。以上で説明された違いを除いては、第二の実施態様における構造と作動態様は第一の実施態様のものと同様である。
【0032】
平頭ネジ130と止め具140の位置が逆となってもよいこと、ガイドロッド102と関連づけられる穴100が円筒状の穴以外とされてもよいこと、スタンドオフ136と移動制限ブロック148、178の形状が変えられてもよいことは、本発明の範囲を脱することなく、理解される。さらには、本発明の範囲に入るが、搬送経路88と幾分か協働する二つのガイドロッド102と共に、端子抑制アーム92は略長方形としてもよい。
【0033】
本発明の重要な効果は、ラム62と連携する端子抑制装置90は、横送りのための端子圧着装置50と端送りのための端子圧着装置160の両方において用いられることができることであり、それゆえに購入し、保管しなければならない異なったパーツの数を減らすことができる点にある。端子抑制装置90は、圧着プロセス中の端子の逆移動や可能性のある変形を効果的に抑制することができる。
【0034】
さらに別の重要な効果は、端子抑制アーム92およびガイドロッド102は、すべてのあらゆる端子に適用して使用することができるという点にある。異なった端子を適用する際においても、それぞれの簡易な所望の長さLを持ったスタンドオフ136を製造する必要があるだけであり、それゆえに従来の装置に必要とされたさらに複雑なパーツを製造する必要性がなくなることになる。
【0035】
さらには、従来の端子抑制装置とは異なり、圧着高さを調整する際にも間隙192は影響を受けることがない。端子圧着装置をセットアップする際に、所望の端子に適切なスタンドオフが迅速に取り付けられ、煩雑ではなく、調整時間を消費することもない。一度適切なスタンドオフが取り付けられると、間隙192の作業中の調整不良は、スタンドオフ136の長さが固定されているので、従来の装置よりも少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】端送りのための従来技術の端子抑制装置が示される端子圧着装置のラムの部分等尺図である。
【図2】横送りのための従来技術の端子抑制装置が示される端子圧着装置のラムの部分等尺図である。
【図3】横送りのための本発明の技術が関連付けられた端子圧着装置の部分等尺図であり、端子のストリップの横送りのための搬送機構を示す。
【図4】図3の端子圧着装置の拡大された後方図であり、ラムと端子抑制装置と端子のストリップを示す。
【図5】図3における線5−5によって切断された断面図であり、端子抑制装置と端子抑制装置とラムとの関係を示す。
【図6】図3におけるラムの一部分と端子抑制機構と等尺図である。
【図7】図6に示される端子抑制アームの平面図である。
【図8】図7に示される端子抑制アームの側面図である。
【図9】図6に示されるガイドロッドの等尺図である。
【図10】図6に示されるスタンドオフの等尺図である。
【図11】図10に示されるスタンドオフの端面図である。
【図12】図3と同様の端子のストリップの端送りの等尺図である。
【図13】図12の端子圧着装置の拡大された後方図であり、図4と同様にラムと端子抑制装置と端子のストリップを示す。
【図14】図5に示される端子抑制装置と移動制限ブロックの概略平面図である。
【図15】図6と似ている図であり、本発明の第二の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
50、160 端子圧着装置
52、164 電気端子
56、168 フレーム
60、172 アンビル
62、200 ラム
66 軸
70、174 クリンパ
90 端子抑制装置
92、200 端子抑制アーム
94 端子抑制表面
102 ガイドロッド
136 スタンドオフ
140 止め具
146 停止表面
148、178移動制限ブロック
150、180当接表面
L 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気端子(52、164)を導電体に取り付ける端子圧着装置(50、160)であって、
前記端子圧着装置(50、160)は、
当接表面(150、180)を有するフレーム(56、168)と、
前記フレーム(56、168)によって支持されたアンビル(60、172)と、
前記アンビル(60、172)の圧着位置にある電気端子のストリップを搬送するための前記フレーム(56、168)に連結された搬送機構(84)と、
クリンパ(70、174)を備え、前記フレーム(56、168)にスライドして入り込み、かつ、軸(66)に沿って前記アンビル(60、172)上で前記電気端子(52、164)を圧着可能なように圧着方向と逆の前記アンビル(60、172)から離れた戻り方向(80)と前記クリンパ(70、174)を移動させる往復運動可能な動きをするように配されたラム(62、202)と、を含み
端子抑制表面(94)を備えた端子抑制装置(90)を備え、この端子抑制装置(90)は、前記クリンパ(70、174)が前記端子(52、164)に前記圧着可能なように接近する際に前記端子抑制表面(94)を前記端子(52、164)の接近位置まで移動させるために前記ラム(62、202)によって運ばれ、
さらに、前記端子抑制装置(90)は、前記クリンパ(70、174)が前記圧着可能なように接近する際に、前記当接表面(150、180)に当接し、取り外し可能なように前記端子抑制装置(90)に取り付けられたスタンドオフ(136)を含むことを特徴とする端子圧着装置。
【請求項2】
前記端子抑制装置(90)は、前記ラム(62、202)と連動してスライドし、前記軸に沿って前記アンビル(60)の方へ弾性的に移動制御され、かつ、前記端子抑制表面を備える端子抑制アーム(92、200)を含むことを特徴とする請求項1に記載の端子圧着装置。
【請求項3】
前記スタンドオフ(136)は、ネジによる埋め込み手段によって取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の端子圧着装置。
【請求項4】
前記ネジによる埋め込み手段は、前記スタンドオフに形成され前記端子抑制装置中のネジ穴に埋め込まれることを特徴とする請求項3に記載の端子圧着装置。
【請求項5】
前記端子抑制装置(90)は、前記端子抑制装置(90)から突出した少なくとも一本のガイドロッド(102)によって、前記ラム(62、202)と連動してスライドし、かつ、前記ラム(62、202)内のガイド(100)にスライドして入り込むことを特徴とする請求項2に記載の端子圧着装置。
【請求項6】
前記少なくとも一本のガイドロッド(102)は、前記ラム(62、202)内の二つのガイド(100)に関連づけられたそれぞれ平行な二本のロッドであることを特徴とする請求項5に記載の端子圧着装置。
【請求項7】
前記二つのガイドは、前記ラム(62、202)に前記軸(66)と略平行に開けられた二つの穴であり、かつ、前記二本のロッドは円筒形状であり、それぞれ前記二つの穴(100)の一方にスライドして入り込むことを特徴とする請求項6に記載の端子圧着装置。
【請求項8】
前記端子抑制装置は、前記二つの穴(100)のうちの一方に備えら得たスプリング(114)によって弾性的に移動制御されることを特徴とする請求項6に記載の端子圧着装置。
【請求項9】
前記端子抑制装置(90)は、前記端子の横送りのために配された端子圧着装置と前記端子の端送りのために配された端子圧着装置との両方に互換可能な機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の端子圧着装置。
【請求項10】
前記スタンドオフ(136)は、前記端子抑制表面(94)と近接しており、前記横送りと前記端送りとの両方の前記搬送経路から離れていることを特徴とする請求項9に記載の端子圧着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−528665(P2009−528665A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557336(P2008−557336)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/005041
【国際公開番号】WO2007/100810
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】