説明

端末処理光ケーブル、光ケーブルの端末処理方法、及び光ケーブル用端子

【課題】光ケーブルを光コネクタに取付けるための固定部材の取付けが容易である、端末処理光ケーブル、光ケーブルの端末処理方法、及び光ケーブル用端子を提供する。
【解決手段】光ケーブル2を他の部材に固定するための固定部31と、光ケーブル2のシース材23の周囲に圧着されて前記光ケーブル用端子3を前記光ケーブル2に取付けるためのバレル部32とを有する光ケーブル用端子3を用い、光ケーブル2の端末に、バレル部31をシース材23の外周に圧着して端末処理光ケーブル1とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末に光ケーブル用端子が取り付けられた端末処理光ケーブル、光ケーブルの端末に光ケーブル用端子を取り付けて光ケーブルの端末を処理する方法、及び光ケーブルをコネクタ等に固定するための部材として光ケーブルの端末を処理するために用いられる光ケーブル用端子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバを用いた光ケーブル(光ファイバケーブルと称されることもある)は、多量の情報の高速通信が可能であることから、家庭用、産業用の情報通信に広く利用されている。光ケーブルは、例えば自動車では、カーナビゲーション等の電装品の光通信等に用いられている。光ケーブル同士の接続、或いは光ケーブルと機器との接続には、光ケーブルの端末に接続した光ケーブルコネクタ(光コネクタ或いは光ファイバコネクタと称されることもある)が用いられる。
【0003】
光ケーブルコネクタは、相手方光ケーブルコネクタ等と着脱可能に形成されている。光ケーブルコネクタには、光ケーブルの端末が、所定の位置に固定保持されている。光ケーブルを光ケーブルコネクタに固定する方法として、各種の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
【0004】
特許文献1には、図28(a)に示すように、光ファイバ101の間にテンションメンバ102が設けられた光ケーブル100をコネクタに固定する方法が記載されている。この光ケーブル100の固定方法は、同図(b)に示すように、上下の固定金具103、104の間に、光ケーブルのテンションメンバ102の端部を挟み込み、上下の固定金具103、104を固定ネジ105、105により締め付ける。固定金具103、104を光ケーブルコネクタ(光ファイバケーブル固定アダプタ)106の内部に固定することで、光ファイバ100は光ケーブルコネクタ106に固定される。
【0005】
特許文献2には、図29(a)に示すように,中央部に二本の光ファイバ101、101が設けられ、その外側に二本のテンションメンバ102、102が設けられた光ケーブル100の固定方法が記載されている。この方法は、同図(b)に示すように、先端がV字状に形成された挟持部を持つケーブル保持部材107により、光ケーブルのテンションメンバ102、102を前記挟持部に保持し、該ケーブル保持部材107を光ケーブルコネクタ106の所定の位置に保持して、光ケーブル100を光ケーブルコネクタ106の所定の位置に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−54912号公報
【特許文献2】特開2010−54681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の上記特許文献1〜2に記載されている光ケーブルを光コネクタに取付ける方法は、いずれも光ケーブルのテンションメンバを取付け部材に保持して、該取付け部材を光コネクタに固定するようにしたものである。
【0008】
上記方法では、テンションメンバに取付部材を取付け、前記取付部材を光ケーブルコネクタに取付ける際に、光ファイバを皮むきしてテンションメンバを露出させる必要がある。更に露出した該テンションメンバを固定部材に固定するという作業を行う。このような作業は、非常に手間が掛かる作業であるという問題があった。更に、このような手間の掛かる作業が必要なので、製造コストも上昇してしまう。
【0009】
また、光ケーブルを取付部材に取付ける場合、取付作業や取付部材により光ファイバが物理的な変形を受けると、光ケーブルに伝送損失が発生する虞がある。光ケーブルコネクタにおいて、このような取付作業や構造等による光ケーブルの伝送損失を小さく抑制することは、非常に重要である。
【0010】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、光ケーブルを光コネクタに取付けるための固定部材の取付けが容易であり、端末処理光ケーブル、光ケーブルの端末処理方法、及び光ケーブル用端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の端末処理光ケーブルは、
光ファイバがシース材に覆われている光ケーブルの端末に、該光ケーブルを他の部材に固定するための光ケーブル用端子が取付けられている端末処理光ケーブルであって、
前記光ケーブル用端子が、前記光ケーブルを固定するための固定部と、該光ケーブル用端子を前記光ケーブルに取付けるためのバレル部とを有し、
前記光ケーブル用端子の前記バレル部が、前記光ケーブルの端末の前記シース材の外周に圧着されて、前記光ケーブル用端子が前記光ケーブルに取付けられていることを要旨とするものである。
【0012】
本発明の光ケーブルの端末処理方法は、
光ファイバがシース材に覆われている光ケーブルの端末に、前記光ケーブルを他の部材に固定するための固定部と、該光ケーブル用端子自体を前記光ケーブルに取付けるためのバレル部とを有する光ケーブル用端子を用い、前記バレル部を前記シース材の外周に圧着することで、前記光ケーブル用端子を前記光ケーブルに取付けることを要旨とするものである。
【0013】
本発明の光ケーブル用端子は、
光ファイバがシース材に覆われている光ケーブルの端末に取付けられて該光ケーブルを固定するために用いられる光ケーブル用端子であって、
前記光ケーブルを他の部材に固定するための固定部と、前記光ケーブルのシース材の周囲に圧着されて前記光ケーブル用端子を前記光ケーブルに取付けるためのバレル部とを有し、
前記バレル部の内面側に突出して前記シース材に食い込み可能な係止突起、又は前記シース材が膨出することが可能な肉逃げ凹部、或いは前記係止突起及び肉逃げ凹部が設けられていることを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の端末処理光ケーブルは、光ケーブル用端子のバレル部が光ケーブルの端末のシース材の外周に圧着されて光ケーブルに取付けられているので、従来のテンションメンバを挟み込んで固定する方法と比較して、光ケーブルを光コネクタに取付けるための光ケーブル用端子(固定部材)を取付けることが容易である。
【0015】
本発明の光ケーブルの端末処理方法は、光ケーブル用端子を用い、バレル部を光ケーブルのシース材の外周に圧着するだけの簡単な作業で光ケーブル用端子を取付けることができ、取付け作業の作業性が良好であり、製造コストを低減できる。
【0016】
本発明の光ケーブル用端子は、前記バレル部の内面側に突出して前記シース材に食い込み可能な係止突起、又は前記シース材が膨出することが可能な肉逃げ凹部、或いは前記係止突起及び肉逃げ凹部が設けられていることにより、光ケーブル端子を光ケーブルに圧着した際に、光ケーブルを確実に保持して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の端末処理光ケーブルの一例を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は図1のA−A断面図であり、同図(b)は同図(a)の圧着前の状態を示す断面図である。
【図3】図3は、光ケーブル用端子の圧着方法の一例を示す断面図である。
【図4】図4(a)、(b)は、光ケーブルに光ケーブル用端子を圧着する際に加わる力を模式的に示す端末処理光ケーブルのバレル部の縦断面図である。
【図5】図5(a)、(b)は、それぞれ図4(a)、(b)に対応する端末処理光ケーブルの線方向のバレル部付近を示す部分横断面図である。
【図6】図6は端末処理光ケーブルの他の態様を示すバレル部の断面図である。
【図7】図7(a)、(b)は、端末処理光ケーブルのその他の態様を示すバレル部の幅方向断面図である。
【図8】図8は図1の端末処理光ケーブルに用いられる光ケーブル用端子の正面図である。
【図9】図9は図8の光ケーブル用端子の平面図である。
【図10】図10は図8の光ケーブル用端子の背面図である。
【図11】図11は図8の光ケーブル用端子の底面図である。
【図12】図12は図8の光ケーブル用端子の側面図である。
【図13】図13は図9のB−B断面図である。
【図14】図14は図9のC−C断面図である。
【図15】図15は図8の光ケーブル用端子の曲げ加工前の状態を示す展開図である。
【図16】図16(a)は図1の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。
【図17】図17(a)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。
【図18】図18(a)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。
【図19】図19(a)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。
【図20】図20は図16(b)のE−E断面図である。
【図21】図21は図19(b)のF−F断面図である。
【図22】図22は、本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。
【図23】図23(a)、(b)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図である。
【図24】図24(a)〜(c)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図である。
【図25】図25(a)〜(c)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図である。
【図26】図26は本発明の端末処理光ケーブルを装着した光ケーブルコネクタの分解斜視図である。
【図27】図27は図26の光ケーブルコネクタの組み立て状態を示す長手方向の断面図である。
【図28】図28は従来の光ケーブルの端末処理を示すものであり、(a)は光ケーブルの断面図であり、(b)は光ケーブルをコネクタに固定した状態を示す幅方向の断面図である。
【図29】図29は従来の光ケーブルの端末処理を示すものであり、(a)は光ケーブルの断面図であり、(b)は光ケーブルをコネクタに固定した状態を示す幅方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施形態につて詳細に説明する。図1は本発明の端末処理光ケーブルの一例を示す斜視図である。図1の端末処理光ケーブル1は、光ファイバ21、22がシース材23で覆われた光ケーブル2の端末に、光ケーブル用端子3が取付けられて構成されている。
【0019】
光ケーブル用端子3は、光ケーブル2を光コネクタ(後述する)等の他の部材に固定するための固定部31と、光ケーブル用端子3自体を光ケーブル2に取付けるためのバレル部32とを有している。光ケーブル用端子3の固定部31は、断面略U字状に形成されている。光ケーブル用端子3は、バレル部32が光ケーブル2の端末のシース材23の外周にかしめられて圧着されて、光ケーブル2の端末に固定されている。
【0020】
尚、図1の端末処理光ケーブル1は、光ケーブル用端子3よりも端部側(図中右側)が皮剥ぎされて、2本の光ファイバ21、22のみがシース材23から外部に露出した状態に形成されている。
【0021】
図2(a)は、図1のA−A断面図であり、同図(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を圧着する前の状態を示す断面図である。図1の端末処理光ケーブル1に用いる光ケーブル2は、図2(a)に示すように、二本の光ファイバ21、22の周囲が合成樹脂製のシース材23により被覆されている。光ケーブル2は、光信号を伝達する送信用と受信用の二本の光ファイバを有する二芯型の光ケーブルとして構成されている。光ファイバ21、22は、ガラス系材料又は合成樹脂系材料等からなるものが用いられる。光ファイバ21、22は、表面に着色剤等が塗布され、送信用と受信用の区別を可能に形成されている。二本の光ファイバ21、22は、光ケーブル2の幅方向断面において、左右横方向の中心から左右外側に略同じ距離に、シース材23の内部に配置されている。
【0022】
図2(a)に示すように、光ケーブル2は、該光ケーブル2の機械的強度を高める抗張力線として、二本のテンションメンバ24、25が設けられている。テンションメンバ24が光ファイバ21の左方向の外側の位置に配置され、テンションメンバ25が光ファイバ22の右方向の外側の位置に配置され、それぞれシース材23の内部に埋設されている。テンションメンバ24、25は、シース材の幅方向の中心から左右横方向に略同じ距離となる位置に配置されている。このように光ケーブル2のシース23の内部には、光ファイバ21、22が中心側に配置され、テンションメンバ24、25が、光ファイバ21、22よりも外側に配置されている。また、光ファイバ21、22とテンションメンバ24、25は、シース材の幅方向断面において、左右の幅方向に略一線上に並ぶように配置されている。またテンションメンバ24、25の線方向(長手方向)は、光ファイバ21、22と平行に、シース材に埋設されている。
【0023】
本発明において光ケーブル2の横方向とは、図2(a)に示す光ケーブル2の幅方向断面において、光ファイバ21、22に対しテンションメンバ24、25の配置されている方向であり、図2(a)中では左右横方向である。これに対し光ケーブルの幅方向断面における上下方向とは、光ファイバに対してテンションメンバの方向と交差するテンションメンバの配置されていない方向であり、図2(a)中の上下方向である。尚、端末処理光ケーブル1の上とは、便宜的に、圧着片が対向している方を上とし、基底部側を下とした。この上下方向を光ケーブルの厚み方向ということもある。また光ケーブルの幅という場合、図2(a)の光ケーブル2の左右の横幅Waのことである。
【0024】
図2(b)に示すように、光ケーブル2に圧着する前の光ケーブル用端子3はバレル部の一方向(図中では上方向)が開口した形状に形成されている。また圧着前の光ケーブル2の断面は、横長の矩形状に形成されている。端末処理光ケーブル1は、光ケーブル用端子3のバレル部32に、上から光ケーブル2の端末を載置し、該バレル部32をかしめて、光ケーブルのシース材23の上から光ケーブル用端子3を圧着している。
【0025】
本発明端末処理光ケーブルは、このように光ケーブル用端子3がシース材23の外側から光ケーブル2に、かしめられて圧着されている点に大きな特徴がある。光ケーブル2のシース材23に光ケーブル用端子3を圧着する作業は、従来の光ケーブルの端末処理のような、テンションメンバに固定部材を取付ける作業と比べて、作業が極めて容易である。作業が容易であるから、製造コストを低減することができ、端末処理光ケーブルの低コスト化を図ることができる。尚、従来、光ケーブル2の分野では、シース材23の周囲に、光ケーブル用端子3を直接圧着して取付けることは行われていなかった。これは光ケーブルでは、圧着の際の圧力が、シース材の内部の光ファイバに対して伝送損失等の悪影響を与える虞があったことや、従来、光ケーブルでは低コスト化がそれほど要求されていなかったからである。
【0026】
光ケーブル用端子を圧着する際に、光ケーブルの伝送損失を小さく抑制するための具体的な構造について説明する。図1の端末処理光ケーブル1は、図2(a)に示す圧着後の光ケーブル用端子で圧着した部分の光ケーブルの幅Wa(以下、単に圧着後の幅Waということもある)と、図2(b)に示す圧着前の光ケーブルの幅Wb(以下、単に圧着前の幅Wbということもある)との関係が、次の(1)式を満足するものである。
Wa≧Wb・・・(1)
【0027】
上記(1)式は、光ケーブル2の圧着後の幅Waが、圧着前の幅Wbと同じか、或いは圧着前の幅Wbよりも大きくなっていることを示している。光ケーブル2の線方向の幅は同じであるから、圧着前の幅Wbは、圧着後の光ケーブルの非圧着部分の幅と同じことになる。上記(1)式は、光ケーブル2の圧着後の幅Waが、非圧着部分の幅と同じか、或いは、それよりも大きければよいということを意味する。上記構成により、光ケーブル端子1の圧着の際のテンションメンバ方向からの圧力を抑制して、光ファイバ21、22に対して伝送損失等の悪影響を与えることのない端末処理光ケーブル1が得られる。
【0028】
図3は、光ケーブル用端子の圧着方法の一例を示す断面図である。以下、光ケーブル用端子3を光ケーブル2の端部に圧着する方法について説明する。図3に示すように、光ケーブル用端子3を光ケーブル2に圧着するには、まず所定の形状に形成され、上型41と下型42が上下に対向するように配置され、型締め可能に形成された圧着装置4を用い、光ケーブル用端子3のバレル部32と光ケーブル2の端部を上型41と下型42の間に載置する。次に圧着装置4を型締めする。バレル部32の先端が、上型内面の天井に当接すると、バレル部32の圧着片32b、32c(図8参照)の先端が内側方向に曲げられる。更に型締めすると、上型43の内面形状に沿って圧着片32b、32cの先端が対向するように内側に曲がる。更に型締めすると、図2(a)に示すように、バレル部32は、光ケーブル2のシース材23の表面周囲を覆うように当接して、光ケーブル2に圧着される。
【0029】
図4(a)、(b)は、光ケーブルに光ケーブル用端子を圧着する際に加わる力を模式的に示す端末処理光ケーブルのバレル部の縦断面図である。図5(a)、(b)は、それぞれ図4(a)、(b)に対応する端末処理光ケーブルの線方向のバレル部付近を示す部分横断面図である。図4(a)に示すように、光ケーブル2に光ケーブル用端子3を圧着する際に、シース材23に外部から応力が加わる。この応力が上下方向(厚み方向)から加わる場合には、シース材23から光ファイバに21、22直接応力が加わるが光ファイバに伝送損失を生じさせるものではない。
【0030】
これに対し、光ケーブル2の左右方向からの応力は、ケーブルの幅が狭くなるように圧着されると、応力がテンションメンバ24、25を介して光ファイバ21、22に加えられ、光ファイバ21、22に伝送損失が生じることになる。図4(a)、図5(a)に示すように、光ケーブル2のバレル部32の部分の幅が狭くなるように圧着が行われた場合、テンションメンバ24、25側のシース材23の外側の方向(左右幅方向)から内側方向に応力が加わる。テンションメンバ24、25は、内側に曲げられる。テンションメンバ24、25の内側に位置している光ファイバ21、22は、テンションメンバ24、25からの応力を受けて、シース材23の中心側に曲げられる。光ファイバ21、22が、バレル部32の部分でこのように変形すると、伝送損失を生じることになる。
【0031】
上記の形態に対し、図4(b)、図5(b)に示すように、光ケーブル3において、バレル部32の幅が圧着前と比較して変化しないか、もしくは広くなるように圧着した場合には、光ファイバ21、22に対して、テンションメンバ24、25を介した応力が加わることはない。そのため、バレル部32の部分で光ファイバ21、22に伝送損失が生じる虞がない。
【0032】
圧着後の光ケーブル2のバレル部32の幅が、非圧着部の幅と同じか広がるようにするには、光ケーブル2に光ケーブル用端子3を圧着する場合、光ケーブル2の幅方向からの応力が加わらないようにし、光ケーブル2の上下方向から応力が加わるようにすればよい。具体的には、図3に示すように、圧着用の成形型4の形状を適宜選択すればよい。
【0033】
図6は端末処理光ケーブルの他の態様を示すバレル部の断面図である。端末処理光ケーブル1は、図6に示すように、光ケーブル2に光ケーブル端子を圧着する際に、バレル部32の先端が光ケーブルのシース材23に食い込むようにかしめて、バレル部32を光ケーブル2に圧着する方法を用いてもよい。このような形状にかしめるには、図3に示すように上型43の内面天井部の突起43aの形状等を適宜設定すればよい。光ケーブル2のシース材23にバレル先端が食い込むことで、光ケーブル用端子3の固着力が更に高くなる。また、テンションメンバ24、25を介して光ファイバ21、22に加わる圧力を更に小さくすることができる。
【0034】
図7(a)、(b)は、端末処理光ケーブルのその他の態様を示すバレル部の幅方向断面図である。端末処理光ケーブル1は、図7(a)に示すように、前記光ケーブル用端子3のバレル部32の幅方向断面における曲率半径Rが、図4(b)に示す態様の曲率半径Rと比較して、小さくなるように圧着するのが好ましい。曲率半径Rが小さくなると、更にテンションメンバ24、25に対する横圧を抑制し、更に光ファイバに対する伝送損失が低減できる。
【0035】
更に端末処理光ケーブル1は、図7(b)に示すように、前記光ケーブル用端子3のバレル部32の幅方向断面において、同図(a)と同様に曲率半径Rを小さく形成すると共に、バレル部32の圧着片32b、32cの先端がシース部23に食い込むように圧着するのが好ましい。バレル部32がテンションメンバ24、25を抱え込むように圧着されるので、圧着の圧力をテンションメンバ24、25方向に逃がして、光ファイバ21、22方向からの圧力を抑制し、光ファイバの伝送損失を更に低減できる。
【0036】
図8〜図14は図1の端末処理光ケーブルに用いられる光ケーブル用端子を示すものであり、図8は正面図、図9は平面図、図10は背面図、図11は底面図、図12は側面図、図13は図9のB−B断面図であり、図14は図9のC−C断面図である。また図16(a)は図1の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。
【0037】
図10に示すように、光ケーブル用端子1の固定部31は、底面部31aと、その左右から立設された圧入部31b、31cから構成されている。固定部31は、幅方向断面がU字状に形成されている。更に圧着前のバレル部32は、図8。図9に示すように、固定部の底面部31aに連設されている基底部32aと、その左右に上方に立設された圧着片32b、32cとを有している。
【0038】
バレル部32の基底部32aには、バレル部32の内面側(シース材23側)に突出して、シース材23に食い込み可能な係止突起33、33が形成されている。係止突起33、33は、図11に示すように、固定部31側が底辺となる二等辺三角形を平面形状とする突起として形成されている。更に基底部32には、係止突起33、33の三角形の底辺側に、該基底部32の表裏を貫通する貫通孔34、34が形成されている。
【0039】
図9、図13及び図14に示すように、バレル部32の圧着片となる左右の位置には、シース材23が膨出することが可能な肉逃げ凹部35がそれぞれ設けられている。各肉逃げ凹部35は、光ケーブルの幅方向に長い溝状凹部が3本設けられて構成されている。圧着後は図16(b)に示すように、肉逃げ部35にシース材23が凸条として膨出する。
【0040】
前記係止突起33、33及び前記肉逃げ凹部35、35は、前記光ケーブル用端子3を光ケーブル2に圧着する際の圧力が、テンションメンバ24、35を介して光ファイバ21、22に加わらない位置に設けられている。すなわち、図16(b)に示すように、前記係止突起33、33及び前記肉逃げ凹部35、35は、光ファイバ21、22の直上、直下を避けて、テンションメンバ24、25の上又は下に位置するように設けられている。
【0041】
バレル部32を光ケーブルに圧着した後は、図16(b)に示すように、係止突起33がシース材23に食い込む。図20は図16(b)のE−E断面図である。同図に示すように、光ケーブル用端子の係止突起33は、圧着後の光ケーブル2が三角形の頂点方向(図中右矢印方向)に引張られた際に、バレル部32の係止突起33の底辺側33aがシース材に大きく食い込んでいるので、光ケーブル2を引張った際にシース材23が引き抜かれるのを防止することができる。
【0042】
肉逃げ凹部35は、光ケーブル用端子3を光ケーブル2に圧着した際に、シース材23が該肉逃げ凹部35、35の内部に入り込み、係止突起33による圧力を逃がすことができる。また肉逃げ凹部35にシース材23が張り込むと、厚み方向に段差ができることから、剪断力が発生し圧着強度を向上させる。肉逃げ凹部35は、図14に示すようにバレル部32を貫通しない凹部として形成されているが、バレル部32の表裏を貫通する貫通孔として形成してもよい。
【0043】
図15は図1の光ケーブル用端子の曲げ加工前の状態を示す展開図である。光ケーブル用端子3は、金属板等の基板を所定の形状に型抜き加工して、図15に示す如く、ベース5に複数の展開形状の端子3Aが連なる状態に形成したものを製造する。更に、前記展開形状の端子3Aをプレス等の曲げ加工により、所定の折り曲げ形状により成型することで、光ケーブル用端子3が得られる。尚、上記型抜き加工や、プレス等の曲げ加工等の際に、係止突起33、貫通孔34、肉逃げ凹部35等を同時に形成することができる。
【0044】
本発明の光ケーブル用端子は、係止突起、肉逃げ凹部の数や形成位置等は上記の態様に限定されず、種々の態様に形成することができる。図17(a)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。同図に示すように、光ケーブル用端子3のバレル部32は、肉逃げ凹部35を下方の基底部側に設け、係止突起33を上方の圧着片側に設けて構成してもよい。この態様でも、係止突起33と肉逃げ凹部33は、光ファイバ21、22の上下の位置を避けて設けられ、圧着の圧力がテンションメンバ24、25を介して前記光ファイバ21、22に加わらない位置に設けられている。
【0045】
図18(a)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。同図(a)に示すように、光ケーブル用端子3はバレル部32の肉逃げ凹部35が、光ケーブルの長手方向及び幅方向の両方向に広がる方形の面状凹部として構成してもよい。圧着後は同図(b)に示すように、肉逃げ凹部35にシース材23が面状に膨出する。図18(a)、(b)の態様でも、係止突起33と肉逃げ凹部33は、光ファイバ21、22の上下の位置を避けて設けられ、圧着の圧力がテンションメンバ24、25を介して前記光ファイバ21、22に加わらない位置に設けられている。
【0046】
図19(a)は本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。同図(a)に示す光ケーブル用端子は、図18(a)、(b)の態様と比較して、係止突起と肉逃げ凹部の上下の位置が反対になるように形成されている。すなわち、光ケーブル用端子3のバレル部32の肉逃げ凹部35が下側に設けられ、係止突起33、34が上側に設けられている。図19(a)、(b)の態様でも、係止突起33と肉逃げ凹部33は、光ファイバ21、22の上下の位置を避けて設けられ、圧着の圧力がテンションメンバ24、25を介して前記光ファイバ21、22に加わらない位置に設けられている。
【0047】
また図21は図19(b)のF−F断面図である。図21に示すように、肉逃げ凹部35を光ケーブルの長手方向及び幅方向の両方向に広がる方形の面状凹部として構成した場合、圧着後は同図(b)及び図21に示すように、肉逃げ凹部35にシース材23が面状に膨出する。このように肉逃げ凹部35が面状凹部として形成されていると、図20に示す三本の溝状凹部からなる肉逃げ凹部35と比較して、膨出面積が更に大きくなるので、圧力を逃がす効果が大きくなる。
【0048】
図22は、本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図であり、(b)は同図(a)の光ケーブル用端子を用いた端末処理光ケーブルのバレル部を示す断面図である。同図(a)、(b)に示すように、光ケーブル用端子3は、テンションメンバ24、25の上下に係止突起33、33、33、33及び貫通孔34、34、34、34を設けて構成してもよい。
【0049】
図23(a)、(b)、図24(a)〜(c)、図25(a)〜(c)は、本発明の他の態様の光ケーブル用端子の圧着前のバレル部の平面図である。図23(a)に示すように、光ケーブル用端子3は、バレル部32に溝状凹部からなる肉逃げ凹部35、35、35、35のみを、圧着後にテンションメンバ24、25の上下となる位置に設け手構成してもよい。また、同図(b)に示すように、光ケーブル用端子3は、バレル部32に、面状凹部として形成されている肉逃げ凹部35、35、35、35のみを、圧着後にテンションメンバ24、25の上下となる位置に設けて構成してもよい。
【0050】
また図24(a)に示すように、光ケーブル用端子3は、バレル部32に係止突起33、33を、圧着後にテンションメンバ24、25の下となる位置のみに設けて構成してもよい。また図24(b)に示すように、光ケーブル用端子3は、バレル部32に、圧着後にテンションメンバ24、25の下となる位置のみに、三本の溝状凹部からなる肉逃げ凹部35、35を設けて構成してもよい。また同図24(c)に示すように、光ケーブル用端子3は、バレル部32に、圧着後にテンションメンバ24、25の下となる位置のみに、面状凹部からなる肉逃げ凹部35、35を設けて構成してもよい。
【0051】
また図25(a)に示すように、光ケーブル用端子3は、バレル部32に、圧着後にテンションメンバ24、25の上となる位置のみに、係止突起33、33を設けて構成してもよい。また同図(b)、(c)に示すように、光ケーブル用端子3は、バレル部32に、圧着後にテンションメンバ24、25の上となる位置のみに、肉逃げ凹部35、35を設けて構成してもよい。
【0052】
図26は本発明の端末処理光ケーブルを装着した光ケーブルコネクタの分解斜視図であり、図27は図26の光ケーブルコネクタの組み立て状態を示す断面図である。図26及び図27に示すように、光ケーブルコネクタ10は、雄型コネクタ12および雌型コネクタ13と、雄型コネクタ12および雌型コネクタ13のそれぞれに、フェルール15、コイルばね16、端末処理光ケーブル1が収納されている。雄型コネクタ12および雌型コネクタ13の嵌合により、光ケーブル1の光ファイバ21、22同士が光学的に接続された状態となる。
【0053】
雄型コネクタ12及び雌型コネクタ13(コネクタハウジング)は、いずれもハウジング本体122、132と、ハウジングカバー124、134とを有する。ハウジング本体122、132は、先端から所定長さ(フード部228、328となる部分)の位置から基端にかけて切り欠かれた構造となっている。
【0054】
雄型コネクタ12のハウジング本体122には、切り欠かれた部分に沿って、フェルール15が収容されるフェルール収容部222、コイルばね16が収容されるコイルばね収容部224、端末処理光ケーブル1が固定される固定部材収容部226が所定の大きさに形成されている。これらの収容部は、ハウジングの一部が切り欠かれることにより、外側に向かって(軸線方向と直交する方向に向かって)開口している。
【0055】
固定部材収容部226、326は、端末処理光ケーブルの固定部31が装着可能な形状に形成されている。固定部材収容部226、326の内底面には、軸線方向に細長い二つの圧入孔226a、326aが形成されている。固定部31の先端部分が、圧入孔226a、326aに圧入される圧入部となっている。固定部31の先端部分が圧入孔226a,326aに圧入されることで、端末処理光ケーブル1がハウジング本体122、132に固定される。ハウジングカバー124、134に設けられた係止孔242、342のそれぞれを、ハウジング本体122、132に設けられた係止突起229、329に係止させることによって、ハウジングカバー124、134を取り付ける。
【0056】
雄型コネクタ12と雌型コネクタ13は、図27に示すように、雄型コネクタ12のハウジング本体122に設けられた嵌合突起227が、雌型コネクタ13のハウジング本体132に形成された嵌合孔327に係合されることにより嵌合する。両者の嵌合により、コイルばね16、16によって先端側に付勢されたフェルール15、15の先端面同士が突き合わされ、端末処理光ケーブル1の光ファイバ21、22が光学的に接続される。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば上記態様では、光ケーブルは、2本の光ファイバが設けられたものであるが、光ケーブルは1本の光ファイバが中央に設けられたものを用いても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 端末処理光ケーブル
2 光ケーブル
21、22 光ファイバ
23 シース材
24、25 テンションメンバ
3 光ケーブル用端子
31 固定部
32 バレル部
32a 基底部
32b、32c 圧着片
33 係止突起
35 肉逃げ凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバがシース材に覆われている光ケーブルの端末に、該光ケーブルを他の部材に固定するための光ケーブル用端子が取付けられている端末処理光ケーブルであって、
前記光ケーブル用端子が、前記光ケーブルを固定するための固定部と、該光ケーブル用端子を前記光ケーブルに取付けるためのバレル部とを有し、
前記光ケーブル用端子の前記バレル部が、前記光ケーブルの端末の前記シース材の外周に圧着されて、前記光ケーブル用端子が前記光ケーブルに取付けられていることを特徴とする端末処理光ケーブル。
【請求項2】
前記光ケーブルが、前記シース材内部の前記光ファイバよりも幅方向外側にテンションメンバが配置されているものであり、前記光ケーブルの圧着部分の前記テンションメンバ方向の幅が、前記光ケーブルの非圧着部分の前記テンションメンバ方向の幅と同じか、或いは大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の端末処理光ケーブル。
【請求項3】
前記光ケーブルは、光ケーブルの幅方向断面において、中心側に2本の光ファイバが配置され、該2本の光ファイバの外側にそれぞれ2本のテンションメンバが配置されており、前記2本の光ファイバと前記2本のテンションメンバが略一線上に並んでいることを特徴とする請求項2記載の端末処理光ケーブル。
【請求項4】
光ファイバがシース材に覆われている光ケーブルの端末に、前記光ケーブルを他の部材に固定するための固定部と、該光ケーブル用端子自体を前記光ケーブルに取付けるためのバレル部とを有する光ケーブル用端子を用い、前記バレル部を前記シース材の外周に圧着することで、前記光ケーブル用端子を前記光ケーブルに取付けることを特徴とする光ケーブルの端末処理方法。
【請求項5】
前記光ケーブルが、前記シース材の内部の前記光ファイバよりも幅方向外側に、前記光ファイバと平行に配置されたテンションメンバを有するものであり、前記光ケーブルの圧着部分のテンションメンバ方向の幅が、非圧着部分のテンションメンバ方向の幅と同じか、或いは大きくなるように、前記光ファイバに対するテンションメンバ方向からの圧力を抑制して、前記バレル部の圧着を行うことを特徴とする請求項4記載の光ケーブルの端末処理方法。
【請求項6】
前記バレル部の先端が前記シース材に食い込むようにかしめて、前記バレル部を前記光ケーブルに圧着することを特徴とする請求項4又は5記載の光ケーブルの端末処理方法。
【請求項7】
光ファイバがシース材に覆われている光ケーブルの端末に取付けられて該光ケーブルを固定するために用いられる光ケーブル用端子であって、
前記光ケーブルを他の部材に固定するための固定部と、前記光ケーブルのシース材の周囲に圧着されて前記光ケーブル用端子を前記光ケーブルに取付けるためのバレル部とを有し、
前記バレル部の内面側に突出して前記シース材に食い込み可能な係止突起、又は前記シース材が膨出することが可能な肉逃げ凹部、或いは前記係止突起及び肉逃げ凹部が設けられていることを特徴とする光ケーブル用端子。
【請求項8】
前記係止突起及び前記肉逃げ凹部は、前記光ケーブル用端子が前記光ケーブルに圧着する際の圧力がテンションメンバを介して前記光ファイバに加わらない位置に設けられていることを特徴とする請求項7記載の光ケーブル用端子。
【請求項9】
前記バレル部の係止突起の平面形状が、前記光ケーブルの端部側を底辺とする三角形であり、前記係止突起の前記底辺側が、前記シース材に大きく突出していることを特徴とする請求項7又は8に記載の光ケーブル用端子。
【請求項10】
前記バレル部の肉逃げ凹部が、前記光ケーブルの幅方向に長い溝状凹部からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の光ケーブル用端子。
【請求項11】
前記バレル部の肉逃げ凹部が、前記光ケーブルの長手方向及び幅方向に広がる面状凹部からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の光ケーブル用端子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−227296(P2011−227296A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97085(P2010−97085)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】