説明

端末装置及び変化情報通知方法

【課題】視覚、聴覚のみによらず、また、振動のように不快ではない情報の通知手段によって、電池残量などの各種情報を通話中でも知ることができるなどの状況に応じた柔軟かつ汎用性のある情報の通知が可能な携帯用端末装置等を提供する。
【解決手段】携帯用端末装置100は、当該携帯用端末装置100内部に設けられた所定質量の移動体121の移動制御を行う移動体制御機構120と、電池10の電力残量を検出する電池残量検出部130と、検出された電池残量の割合を所定のスケールに基づいて算出するスケール調整部140と、スケール調整データに基づいて内部の重心位置を算出する重心位置算出部150と、算出された重心位置に基づいて移動体の位置を算出する移動体位置算出部160と、算出された移動体の位置に基づいて移動体を制御する移動体制御部170と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置に関し、特に各種情報の使用者への提示に適用し得る端末装置および当該端末装置の情報の通知方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信技術や種々の回路素子および表示装置の小型化など、周辺技術の発達に伴って、携帯用端末装置をはじめとする各種の端末装置が普及し、最近では、液晶素子や有機EL素子などを用いて種々の情報を提示する表示画面を備える端末装置が一般化している。
【0003】
従来、例えば、携帯用端末装置においては、電池残量などの各種情報の使用者への提示を行う際には、電池残量のレベルを示すインジケータを表示部に表示するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
具体的には、この種の携帯用端末装置は、電池の電圧から電池残量を検出して電池残量データを取得するとともに、取得した電池残量データを複数の所定しきい値と比較しつつ、電池残量のレベルを残量レベルデータとして算出するようになっており、当該残量レベルデータに基づいて、電池残量のレベルを示すインジケータを表示部に表示出力するようになっている。
【0005】
一方、携帯用端末装置をはじめてとする各種の端末装置において、種々の情報を提示する方法としては、各種情報を音や振動によって使用者に提示するものも知られている(例えば、特許文献2)。
【0006】
例えば、使用者に音によって情報を提示する場合には、携帯用端末装置は、電池の電圧から電池残量を検出して電池残量データを取得するとともに、この電池残量データを所定しきい値と比較して、電池残量データがしきい値を下回った時点で通知信号を、通話音声信号とミキシングしつつ、受話スピーカに出力するようになっている。
【特許文献1】特開平10−13898号公報
【特許文献2】特開2000−106693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各種情報を表示部にて使用者に提示する端末装置にあっては、通話機能を有する場合に、通常、当該端末装置を顔の側面に位置させる必要があるため、表示部を目視できず、通話中に各種の情報を知ることができないことも多い。
【0008】
一方、各種情報を音やバイブレータの振動によって使用者に提示する端末装置にあっては、通話機能を有する場合に、通話中に各種の情報を知ることはできるが、音や振動は常に提示しておくことができず、警告のような単発的な情報しか提示できず、通話中や操作中に不意に発生してしまうので、通話や操作を中断させる可能性がある。
【0009】
また、このような振動にて情報を伝達する端末装置においては、振動を常に発生し続けるため、操作者に不快感を与えることが多いとともに、振動で情報を伝達するためには、どうしても、ある時点で急に発生させるしかなく、かつ、単発的な提示になってしまうことも多いので、汎用性や柔軟性に限界がある。
【0010】
さらに、このような端末装置においては、使用者側からすれば不意に振動が発生することによる、誤操作を発生させ、又は違和感を与え、通話や操作を中断させることになる場合も想定される。
【0011】
他方、通常、人間は、暗いところでは手探りで周囲状況を把握するなど、五感を状況に応じて併用あるいは切り替えながら柔軟に外界の認識を行っているが、上述のような視覚と聴覚の2つの感覚のみで情報を伝達する端末装置にあっては、例えば視覚により情報を認識できない場合に、すなわち、情報が表示される画面を見ることができない場合に、所定の情報の通知など、状況に応じて柔軟に所定の情報を通知することができない。
【0012】
本発明の目的は、視覚、聴覚のみによらず、また、振動のように不快ではない情報の通知手段によって、電池残量などの各種情報を通話中でも知ることができるなどの状況に応じた柔軟かつ汎用性のある情報の通知が可能な携帯用端末装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は操作者が把持しつつ使用する端末装置において、当該端末装置における重心位置を変動させる変動制御機構と、所定の状況に従って変化する変化情報を取得する取得手段と、前記変化情報の変化に伴って前記変動制御機構を制御して当該端末装置における重心位置を変動させる変動制御手段と、を備える構成を有している。
【0014】
この構成により、請求項1に記載の発明は、当該端末装置を駆動させるための電圧を供給する電池残量、無線通信を行う際の電波状況又は所定のサーバ装置に記録される電子マネー残高などの変化情報が変化した場合に、当該端末装置の重心を変動させることができるので、操作者が端末装置の一部を把持して通話やその他の操作を行っている際に、端末装置の重心位置が変化すると、重心位置が手元に近ければ軽く、手元から離れるほど重く感じるなど、全体の重量が変化しなくても、操作者が感じる重量感を変化させることができる。
【0015】
したがって、請求項1に記載の発明は、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができるので、例えば視覚的又は聴覚的に振動のような単発的にしか発生し得ないものと異なり汎用性があるとともに、操作中に不意に発生するものではないため、通話や操作を中断させてしまうこともない。
【0016】
この結果、請求項1に記載の発明は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の端末装置においては、前記変動制御機構が、当該端末装置内部を移動自在に保持された所定の質量を有する移動体と、前記移動体を端末装置内部の所定の範囲を移動させるアクチュエータと、を有する構成をしている。
【0018】
この構成により、請求項2に記載の発明は、端末装置内部において的確に重心位置を変化させることができるので、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができる。
【0019】
したがって、請求項2に記載の発明は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の端末装置において、前記取得手段によって取得された変化情報の変化の割合を算出する変化割合算出手段と、前記算出された変化の割合に基づいて前記重心位置を算出する重心位置算出手段と、を更に備え、前記変動制御手段が、前記変動制御機構を制御して前記算出された重心位置に基づいて当該端末装置における重心位置を変動させる構成を有している。
【0021】
この構成により、請求項3に記載の発明は、変化情報の変化の割合に基づいて重心位置を変化させることができるので、変化情報の変化の割合についても、視覚及び聴覚だけによらずに詳細に情報を通知することができる。
【0022】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の端末装置において、前記取得手段によって取得された変化情報によって示される値と予め設定されたしきい値を比較する比較手段を更に備え、前記変動制御手段が、前記比較手段にて比較した結果、所定の条件を具備した際に、前記変動制御機構を制御して当該端末装置における重心位置を変動させる構成を有している。
【0023】
この構成により、請求項4に記載の発明は、例えば、所定の条件が具備した際に重心位置を大きく変化させることができ、操作者に対して容易に重心変化を認識させることができるので、充電すべきタイミングやその他の通知により操作者が行うべきことを的確にかつ容易に認識させることができる。
【0024】
また、請求項5に記載の端末装置において、前記変動制御手段が、前記所定の条件を具備した際に、前記移動体を所定の範囲内にて往復移動させる構成を有している。
【0025】
この構成により、請求項5に記載の発明は、重心位置が往復変化するため、端末装置の重心変化を強調することできるとともに、操作者に対して「警報」的な通知として認識させやすく、当該操作者の使用よる重量感の変化への馴れをも回避させることができる。
【0026】
また、請求項6に記載の端末装置は、請求項1乃至5の何れか一方に記載の端末装置において、前記取得手段が、当該端末装置の使用状況に伴って変化する情報又は前記操作者によって予め定められた情報の何れか一方を前記変化情報として取得する構成を有している。
【0027】
この構成により、請求項6に記載の発明は、当該端末装置の使用状況に伴って変化する情報又は前記操作者によって予め定められた情報が変化した場合に、操作者に通知することができるので、当該情報変化を視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができる。
【0028】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、操作者が把持しつつ使用する端末装置にて、所定の状況に従って変化する変化情報を当該操作者に通知する変化情報通知方法において、前記変化情報を取得する取得工程と、前記変化情報の変化に伴って当該端末装置における重心位置を変動させる変動制御機構を制御する変動制御工程と、を含む構成を有している。
【0029】
この構成により、請求項7に記載の発明は、当該端末装置を駆動させるための電圧を供給する電池残量、無線通信を行う際の電波状況又は所定のサーバ装置に記録される電子マネー残高などの変化情報が変化した場合に、当該端末装置の重心を変動させることができるので、操作者が端末装置の一部を把持して通話やその他の操作を行っている際に、端末装置の重心位置が変化すると、重心位置が手元に近ければ軽く、手元から離れるほど重く感じるなど、全体の重量が変化しなくても、操作者が感じる重量感を変化させることができる。
【0030】
したがって、請求項7に記載の発明は、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができるので、例えば視覚的又は聴覚的に振動のような単発的にしか発生し得ないものと異なり汎用性があるとともに、操作中に不意に発生するものではないため、通話や操作を中断させてしまうこともない。
【0031】
この結果、請求項7に記載の発明は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【0032】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7記載の変化情報通知方法において、前記制御工程にて、当該端末装置内部を移動自在に保持された所定の質量を有する移動体を当該端末装置内部の所定の範囲を移動させることによって、当該端末装置における重心位置を変動させる構成を有している。
【0033】
この構成により、請求項8に記載の発明は、端末装置内部において的確に重心位置を変化させることができるので、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができる。
【0034】
したがって、請求項8に記載の発明は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【0035】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の変化情報通知方法において、前記取得工程にて取得された変化情報の変化の割合を算出する変化割合算出工程と、前記算出された変化の割合に基づいて前記重心位置を算出する重心位置算出工程と、を更に含み、前記変動制御工程にて、前記変動制御機構を制御して前記算出された重心位置に基づいて当該端末装置における重心位置を変動させる構成有している。
【0036】
この構成により、請求項9に記載の発明は、変化情報の変化の割合に基づいて重心位置を変化させることができるので、変化情報の変化の割合についても、視覚及び聴覚だけによらずに詳細に情報を通知することができる。
【0037】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7又は8に記載の変化情報通知方法において、前記取得手段によって取得された変化情報によって示される値と予め設定されたしきい値を比較する比較工程を更に含み、前記変動制御工程が、前記比較工程にて比較した結果、所定の条件を具備した際に、前記変動制御機構を制御して当該端末装置における重心位置を変動させる構成を有している。
【0038】
この構成により、請求項10に記載の発明は、例えば、所定の条件が具備した際に重心位置を大きく変化させることができ、操作者に対して容易に重心変化を認識させることができるので、充電すべきタイミングやその他の通知により操作者が行うべきことを的確にかつ容易に認識させることができる。
【0039】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の変化情報通知方法において、前記変動制御工程が、前記所定の条件を具備した際に、前記移動体を所定の範囲内にて往復移動させる構成を有している。
【0040】
この構成により、請求項11に記載の発明は、重心位置が往復変化するため、端末装置の重心変化を強調することできるとともに、操作者に対して「警報」的な通知として認識させやすく、当該操作者の使用よる重量感の変化への馴れをも回避させることができる。
【0041】
また、請求項12に記載の変化情報通知方法は、請求項7乃至11の何れか一方に記載の変化情報通知方法において、前記取得工程にて、当該端末装置の使用状況に伴って変化する情報又は前記操作者によって予め定められた情報の何れか一方を前記変化情報として取得する構成を有している。
【0042】
この構成により、請求項12に記載の発明は、当該端末装置の使用状況に伴って変化する情報又は前記操作者によって予め定められた情報が変化した場合に、操作者に通知することができるので、当該情報変化を視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができる。
【0043】
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、重量感の変化によって変化する変化情報を通知する情報通知手段を有する構成をしている。
【0044】
この構成により、請求項13に記載の発明は、当該端末装置を駆動させるための電圧を供給する電池残量、無線通信を行う際の電波状況又は所定のサーバ装置に記録される電子マネー残高などの変化情報が変化した場合に、重量変化によって変化情報を通知することができるので、操作者が端末装置の一部を把持して通話やその他の操作を行っている際に、端末装置の重心位置が変化すると、重心位置が手元に近ければ軽く、手元から離れるほど重く感じるなど、全体の重量が変化しなくても、操作者が感じる重量感を変化させることができる。
【0045】
したがって、請求項13に記載の発明は、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができるので、例えば視覚的又は聴覚的に振動のような単発的にしか発生し得ないものと異なり汎用性があるとともに、操作中に不意に発生するものではないため、通話や操作を中断させてしまうこともない。
【0046】
この結果、請求項13に記載の発明は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【0047】
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、重量感の変化によって変化する変化情報を通知する情報通知工程を含む構成を有している。
【0048】
この構成により、請求項14に記載の発明は、当該端末装置を駆動させるための電圧を供給する電池残量、無線通信を行う際の電波状況又は所定のサーバ装置に記録される電子マネー残高などの変化情報が変化した場合に、重量変化によって変化情報を通知することができるので、操作者が端末装置の一部を把持して通話やその他の操作を行っている際に、端末装置の重心位置が変化すると、重心位置が手元に近ければ軽く、手元から離れるほど重く感じるなど、全体の重量が変化しなくても、操作者が感じる重量感を変化させることができる。
【0049】
したがって、請求項14に記載の発明は、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができるので、例えば視覚的又は聴覚的に振動のような単発的にしか発生し得ないものと異なり汎用性があるとともに、操作中に不意に発生するものではないため、通話や操作を中断させてしまうこともない。
【0050】
この結果、請求項14に記載の発明は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明は、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができるので、例えば視覚的又は聴覚的に振動のような単発的にしか発生し得ないものと異なり汎用性があるとともに、操作中に不意に発生するものではないため、通話や操作を中断させてしまうこともない。
【0052】
したがって、本発明は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
次に、本発明の携帯用端末装置の好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、その技術的特徴を有する範囲を包含し、以下に示す図面等に限定されない。
【0054】
以下に説明する実施の形態は、アンテナを介して電話公衆網回線などのネットワークに接続され、他の通信機器との電話通信またはデータ通信を行う通信機能を有する携帯用端末装置に対して本願発明を適用した場合の実施形態である。
【0055】
〔第1実施形態〕
はじめに、図1〜図3を用いて本発明に係る携帯用端末装置の第1実施形態について説明する。
【0056】
まず、図1及び図2を用いて携帯用端末装置の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態における携帯用端末装置の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施形態における移動体制御機構の一例である。
【0057】
本実施形態の携帯用端末装置100は、図1に示すように、通信制御を行う通信制御部110と、当該携帯用端末装置100内部に設けられた所定質量の移動体121の移動制御を行う移動体制御機構120と、電池10の電力残量を検出する電池残量検出部130と、検出された電池残量の割合を所定のスケールに基づいて算出するスケール調整部140と、を有している。
【0058】
また、この携帯用端末装置100は、算出されたスケールの割合を示すデータ(以下、「スケール調整データ」という。)に基づいて、携帯用端末装置100内部の重心位置を算出する重心位置算出部150と、算出された重心位置に基づいて移動体121の位置を算出する移動体位置算出部160と、算出された移動体121の位置に基づいて移動体121を制御する移動体制御部170と、を有している。
【0059】
さらに、この携帯用端末装置100は、各部の制御を行うシステム制御部180と、各部を制御する際に用いられるROM/RAM190と、操作部220と連動しつつ各種の表示を行う表示部200と、当該表示部200の表示制御を行う表示制御部210と、各種の操作を行う操作部220と、を備えている。
【0060】
通信制御部110は、音声処理、電力増幅処理及び音声又は着信音の拡声制御など他の電話機との電話通信を行うための種々の機能又は他の通信端末装置とにおいて画像データ、テキストデータ又は音声データなどの各種のデータを送受信するための機能を有している。
【0061】
なお、例えば、電話通信を行う場合には、受信された音声データなどは、図示しないスピーカにより拡声されるとともに、音声データを送信する際には、図示しないマイクロホンに入力された音声を所定のデータに変換して他の電話機に送信するようになっている。
【0062】
移動体制御機構120は、図2に示すように、携帯用端末装置100内部を移動自在に保持された所定の質量を有する固体の移動体121と、移動体121を後述する移動体駆動信号に基づいて携帯用端末装置100の長手方向に移動させる直動アクチュエータ122と、を有している。
【0063】
なお、本実施形態の直動アクチュエータ122は、リニアモータや、ボールネジと回転モータの組合せなど、移動体121を所定の位置に移動できるものであればよい。また、本実施形態の移動体制御機構120は、携帯用端末装置100の長手方向に移動体121を移動させるようになっているが、他の方向に直線的に移動させても、又は、円または楕円的に移動させるようにしてもよい。
【0064】
電池残量検出部130は、所定のタイミング毎に、電池10の電圧から電池残量を検出し、当該検出した電池残量を電池残量データとして出力するようになっている。
【0065】
スケール調整部140は、電池残量検出部130から出力された電池残量データを受信し、当該受信した電池残量データに基づいて電池容量の最大変化範囲のうち、予め設定された所定の範囲をフルスケールとして、検出された電池残量がフルスケールの何%に相当するかを算出するようになっている。
【0066】
すなわち、本実施形態のスケール調整部140は、電池容量の最大変化範囲のうち、一部の範囲を除いた範囲内をフルスケールとして、検出された電池残量がフルスケールの何%に相当するかを算出するようになっている。
【0067】
なお、本実施形態の携帯端末装置は、電池残量が「0」であっても、実際の電池容量は「0」でなく、所定の時間の使用が可能な時間的な余裕を与えるようになっている。すなわち、本実施形態の携帯用端末装置100は、使用上、電池容量が少し残っている状態で充電を行わせることができ、携帯機器を継続的に使用することができるように構成されている。
【0068】
ただし、用途や使用方法によっては、電池容量の最大変化範囲とフルスケールとして設定する範囲とを一致させるようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態のスケール調整部140は、電池残量の割合を示す値が算出されると、当該算出結果をスケール調整データとして重心位置算出部150に出力するようになっている。
【0070】
重心位置算出部150は、スケール調整部140から出力されたスケール調整データを受信し、当該受信したスケール調整データの値を重心移動範囲内の位置に換算して重心位置データを算出するようになっている。そして、この重心位置算出部150は、算出した重心位置データを移動体位置算出部160に出力するようになっている。
【0071】
例えば、本実施形態の重心位置算出部150は、スケール調整部140にて算出された100分率にて示されるスケール調整データを、割合を示す値に変換するとともに、携帯用端末装置100の予め定められた一方向の両端部(本実施形態においては長手方向)を基準に、(式1)を用いて重心位置データを算出するようになっている。
【0072】
d = L+(L−L) × c/100 …(式1)
【0073】
なお、「d」は、重心位置データの値を示し、「c」は、スケール調整データの値を示す。また、「L」は、重心を移動変化させることが可能な携帯用端末装置100の一端部の端点を示し、「L」は、当該携帯用端末装置100の他端の端点を示す。すなわち、本実施形態の携帯用端末装置100は、その重心をLからLまで変化させることが可能になっている。
【0074】
移動体位置算出部160は、重心位置算出部150から出力された重心データを受信するとともに、当該受信した重心位置データに対応する移動体121の位置を算出するようになっており、この算出した値を移動体位置データとして移動体制御部170に出力するようになっている。
【0075】
具体的には、この移動体位置算出部160は、移動体121を除く携帯用端末装置100自体の質量と重心位置を(式2)を用いて移動体121を移動させるべき移動体位置データを算出するようになっている。
【0076】
e = (d×(M+M)−M×L)/m …(式2)
【0077】
なお、「e」は、移動体位置データの値を示し、「d」は、重心位置データの値を示す。また、Mは、移動体121の質量を示し、「M」は、移動体121を除く携帯用端末装置100の質量及び「L」は、当該携帯用端末装置100の重心位置を示す。
【0078】
移動体制御部170は、移動体位置算出部160から出力された移動体位置データを受信し、当該受信した移動体位置データに基づいて、移動体制御機構120を制御し、移動体121を所定の位置に移動させるようになっている。具体的には、この移動体制御部170は、移動体121を所定の位置に移動させるための移動体駆動信号を移動体制御機構120に出力し、移動体位置データにて示される位置に移動体121を移動させるようになっている。
【0079】
また、本実施形態の移動体制御部170は、移動体121の移動開始点として、携帯用端末装置100の長手方向における直動アクチュエータ122における何れか一方の端点、すなわち、電池残量と携帯用端末装置100の重量感において、使用状態において上端から下端または下端から上端に移動体121を移動させる。
【0080】
なお、本実施形態において、携帯用端末装置100の使用状態において上端から下端に移動体121を移動させる場合には、電池残量が減少するとともに携帯用端末装置100の重量を操作者に対して軽く感じさせることができるようになっている。
【0081】
一方、使用状態において、携帯用端末装置100の使用状態において下端から上感に移動体121を移動させる場合には、電池残量が減少するとともに携帯用端末装置100の重量を操作者に対して重く感じさせることができるようになっている。
【0082】
ただし、残量が少ないときに軽く感じさせる場合には、「何かの中身が少ないときには軽い」という一般的な認識に合致させることができるので、操作者に容易に認識させ易く、残量が少ないときに重く感じさせる場合には、重さを「警報」として操作者に認識させ易い。
【0083】
また、本実施形態の移動体制御機構120は、移動体駆動信号が入力されると、当該入力された移動体駆動信号に従って移動体121を移動させるようになっている。
【0084】
システム制御部180は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、バスBによって各部と接続されており、携帯用端末装置100の全般的な機能を総括的に制御するようになっている。
【0085】
具体的には、このシステム制御部180は、ROM/RAM190に格納される制御プログラムに基づいて、通話機能、通信機能などの携帯用端末装置100全体の動作を制御するとともに、移動体121の移動を制御することによって所定の情報、すなわち、電池残量の情報を操作者に通知する処理(以下、「情報通知処理」という。)に関連する各制御を行うようになっている。
【0086】
操作部220は、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキーおよびその他の数字キーなど、多数のキーにより構成されている。
【0087】
表示部200は、液晶素子またはEL(Electro Luminescence)素子によって構成され、表示制御部210にて生成された表示データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。
【0088】
表示制御部210は、電話機制御部150の制御の下、他の電話機との通話を行う際などの表示部200に種々の画像を表示するための表示データを生成するようになっている。
【0089】
次に、図3を用いて本実施形態における情報通知処理の動作について説明する。なお、図3は、本実施形態における情報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【0090】
以下の説明においては、電池残量を用いて情報通知処理について説明するとともに、携帯端末装置内には、所定の電池残量が存在しているものとする。
【0091】
まず、電源が投入されるなどシステム制御部180によって情報通知処理の開始を検出すると(ステップS101)、システム制御部180は、図示しないタイマーを初期値に設定するなど初期設定を実行する(ステップS102)。
【0092】
次いで、システム制御部180は、タイマーが所定の時刻であるか否かを判定し、所定の時刻(例えば5秒)になるまで本動作を繰り返す(ステップS103)。
【0093】
次いで、システム制御部180は、タイマーが所定の時刻であると判定すると、当該タイマーをリセットするとともに、電池残量検出部130に電池10の電圧から電池残量データを検出させる(ステップS104)。
【0094】
次いで、システム制御部180は、スケール調整部140に、所定の範囲内をフルスケールとして、検出された電池残量データがフルスケールの何%に相当するかをスケール調整データとして算出させる(ステップS105)。
【0095】
次いで、システム制御部180は、重心位置算出部150にスケール調整データの値を重心移動範囲内の位置に対応させた重心位置データに換算させる(ステップS106)。
【0096】
次いで、システム制御部180は、移動体位置算出部160に、重心位置データに対応する移動体121の位置を移動体位置データとして算出させる(ステップS107)。
【0097】
次いで、移動体制御部170は、算出された移動体位置データに基づいて、移動体121を移動させるための移動体駆動信号を生成し、当該移動体駆動信号を移動体制御機構120に出力する(ステップS108)。このとき、移動体制御機構120は、入力された移動体駆動信号に基づいて移動体121の移動を制御する。
【0098】
最後に、システム制御部180は、電源がオフにされるなど、電池残量表示処理を終了させるか否かを判定する(ステップS109)。
【0099】
このとき、システム制御部180は、当該電池残量表示処理を終了させないと判定した場合には、ステップS103に移行し、当該電池残量表示処理を終了させると判定した場合には本動作を終了させる。
【0100】
以上本実施形態の携帯用端末装置100は、当該携帯用端末装置100を駆動させるための電圧を供給する電池残量の変化情報が変化した場合に、当該端末装置の重心を変動させることができるので、操作者が携帯用端末装置100の一部を把持して通話や操作を行う際に、当該携帯用端末装置100の重心位置が変化すると、重心位置が手元に近ければ軽く、手元から離れるほど重く感じるなど、全体の重量が変化しなくても、操作者が感じる重量感を変化させることができる。
【0101】
したがって、本実施形態の携帯用端末装置100は、視覚又は聴覚と異なり、重心の移動という力学的な感覚(力覚)による情報の通知を行うことができるので、例えば視覚的又は聴覚的に振動のような単発的にしか発生し得ないものと異なり汎用性があるとともに、操作中に不意に発生するものではないため、通話や操作を中断させてしまうこともない。
【0102】
この結果、本実施形態の携帯用端末装置100は、視覚及び聴覚だけによらない柔軟な情報の通知が可能で、かつ不快でも単発的でもなく、所定の状況に従って変化する変化情報を操作者に通知することができるとともに、視覚と聴覚に偏ることなく、視覚障害や聴覚障害などの視覚機能又は聴覚機能が低下した操作者にとっても端末装置の操作性及びその利便性を向上させることができる。
【0103】
特に、本実施形態の携帯用端末装置100は、移動自在に保持された所定の質量を有する移動体121を所定の範囲内移動させているので、的確に当該携帯用端末装置100の重心位置を変化させることができるとともに、変化情報の変化の割合に基づいて重心位置を変化させることができる。
【0104】
なお、本実施形態では、重心位置データを(式1)により算出することによって、電池容量の変化量と重心位置の変化量とを線形的に算出するようになっているが、所定の重み付け関数を用いて電池容量の変化量と重心位置の変化量を非線形的に算出するようにしてもよい。
【0105】
例えば、電池容量が所定の値以下になった場合には、一定の電池容量の変化量に対して、重心位置をそれまでより大きく変化させるようにしてもよい。この場合、電池残量が残り少なくなったときに、より詳細に情報を提示することができるので、操作者が充電タイミングを決定する際の自由度をより高めることができる。
【0106】
また、本実施形態において、操作者に通知する情報は、電池残量に限らず携帯用端末装置100から得られる情報であればよい、例えば、保存あるいは通信データ量やメモリ残量、電子マネーの保持金額、通信のための電波状態などでもよい。ただし、これらの場合には、予めフルスケールとなる値を定め、当該定められたフルスケールを基準に各値を通知するようになっている。
【0107】
さらに、本実施形態において、操作者に提示する情報は、携帯用端末装置100の内部にあるもののみならず、外部から通信等で得た情報でもよい。例えば、外部サーバに記録されるタイプの電子マネー残高や、預金残高、株価の変動情報などでもよい。
【0108】
〔第2実施形態〕
次に、図4及び図5を用いて本発明に係る携帯用端末装置の第2実施形態について説明する。
【0109】
本実施形態の携帯用端末装置は、第1実施形態において予め定められたフルスケールを基準に電池残量の変化量の割合を算出して移動体を制御する点に代えて、電池残量が所定のしきい値を下回った場合に、移動体をストロークの最大位置まで移動させる点に特徴とがある。
【0110】
すなわち、本実施形態の携帯用端末装置は、電池残量と所定のしきい値とを比較し、電池残量がしきい値以上の場合は重心位置を初期位置のままにしておき、電池残量がしきい値を下回った時点で、重心位置を大きく変化させるようになっている。
【0111】
なお、本実施形態の携帯用端末装置においては、その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、同一部材に対して同一符号を付してその説明を省略する。
【0112】
まず、図4を用いて本実施形態の携帯用端末装置の構成について説明する。なお、図4は、本実施形態における携帯用端末装置の構成を示すブロック図である。
【0113】
本実施形態の携帯用端末装置300は、図4に示すように、第1実施形態と同様に、通信制御部110と、移動体制御機構120と、電池残量検出部130と、システム制御部180と、ROM/RAM190と、操作部220と、表示部200と、表示制御部210と、有している。
【0114】
また、この携帯用端末装置300は、上述の他に、検出された電池残量データを所定のしきい値と比較して所定条件が成立した際に移動体121を制御するため信号(以下、「移動体制御信号」という。)を出力する移動体制御判定部310と、移動体制御信号に基づいて移動体121を制御する移動体制御部320と、を有している。
【0115】
移動体制御判定部310は、電池残量検出部130から出力された電池残量データを受信し、当該受信した電池残量データを予め定められた所定のしきい値と比較するようになっている。また、この移動体121判定部は、電池残量データの値が所定のしきい値を下回った場合に、移動体121を制御するため移動体制御信号を出力するようになっている。
【0116】
移動体制御部320は、移動体制御判定部310から出力された移動体制御信号を受信し、当該受信した移動体制御信号に基づいて、移動体121をストロークの最大位置まで移動させる移動体駆動信号を移動体制御機構120に出力するようになっている。
【0117】
次に、図4を用いて本実施形態における情報通知処理の動作について説明する。なお、図4は、本実施形態における情報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【0118】
以下の説明においては、電池残量を用いて情報通知処理について説明するとともに、携帯端末装置内には、所定の電池残量が存在しているものとする。
【0119】
まず、電源が投入されるなどシステム制御部180によって情報通知処理の開始を検出すると(ステップS201)、システム制御部180は、図示しないタイマーを初期値に設定するなど初期設定を実行する(ステップS202)。
【0120】
次いで、システム制御部180は、タイマーが所定の時刻であるか否かを判定し、所定の時刻になるまで本動作を繰り返す(ステップS203)。
【0121】
次いで、システム制御部180は、タイマーが所定の時刻であると判定すると、当該タイマーをリセットするとともに、電池残量検出部130に電池10の電圧から電池残量データを検出させる(ステップS204)。
【0122】
次いで、システム制御部180は、移動体制御判定部310に検出された電池残量データと所定のしきい値と比較させ、当該電池残量データが所定のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS205)。
【0123】
このとき、移動体制御判定部310が電池残量データの値が所定のしきい値より小さいと判定した場合には、ステップS203の処理に移行する。
【0124】
一方、移動体制御判定が電池残量データの値が所定のしきい値以上であると判定した場合には、システム制御部180は、移動体制御判定部310に移動体制御信号を出力させる(ステップS206)。
【0125】
次いで、移動体制御部320は、移動体制御信号が入力されると、移動体121をストロークの最大位置まで移動させるための移動体駆動信号を生成し、当該移動体駆動信号を移動体制御機構120に出力する(ステップS207)。このとき、移動体制御機構120は、入力された移動体駆動信号に基づいて移動体121をストロークの最大位置まで移動させる。
【0126】
最後に、システム制御部180は、電源がオフにされるなど、電池残量表示処理を終了させるか否かを判定する(ステップS208)。
【0127】
このとき、システム制御部180は、当該電池残量表示処理を終了させないと判定した場合には、ステップS203に移行し、当該電池残量表示処理を終了させると判定した場合には本動作を終了させる。
【0128】
以上本実施形態の携帯用端末装置300は、第1実施異形態の効果に加えて、所定の条件が具備した際に重心位置を大きく変化させることができ、操作者に対して容易に重心変化を認識させることができるので、充電すべきタイミングなどの他の通知により操作者が行うべきことを的確にかつ容易に認識させることができる。
【0129】
なお、本実施形態の携帯用端末装置300は、電池残量データの値と一のしきい値とを比較することによって移動体121を制御するようになっているが、しきい値を複数予め設定し、各しきい値と比較することによって移動体121を段階的に移動させるようにしてもよい。
【0130】
また、本実施形態の携帯用端末装置300は、電池残量データの値が所定のしきい値以上であると判定した場合に移動体121の移動を制御するようになっているが、電池残量データの値が所定のしきい値以下であると判定した場合に移動体121の移動を制御するようにしてもよい。
【0131】
また、本実施形態において、第1実施形態と同様に、操作者に通知する情報は、電池残量に限らず携帯用端末装置300から得られる情報であればよい。そして、第1実施形態と同様に、操作者に提示する情報は、携帯用端末装置300の内部にあるもののみならず、外部から通信等で得た情報でもよい。例えば、外部サーバに記録されるタイプの電子マネー残高や、預金残高、株価の変動情報などでもよい。
【0132】
また、本実施形態の携帯用端末装置300は、しきい値を越えたことをトリガーとして重心位置の変化を開始させているが、携帯電話機において着信などの携帯用端末装置300自体の状態変化をトリガーとして重心位置を変化させるようにしてもよい。
【0133】
〔第3実施形態〕
次に、図6及び図7を用いて本発明に係る携帯用端末装置の第3実施形態について説明する。
【0134】
本実施形態の携帯用端末装置は、第2実施形態において電池残量が所定のしきい値を下回った場合に、移動体をストロークの最大位置まで移動させる点に代えて、当該電池残量が所定のしきい値を下回った場合に、移動体を所定の周期と振幅で所定回数往復移動させる点に特徴とがある。
【0135】
すなわち、本実施形態の携帯用端末装置は、電池残量と所定のしきい値とを比較し、電池残量がしきい値以上の場合は重心位置を初期位置のままにしておき、電池残量がしきい値を下回った時点で、重心位置の大きな変化を繰り返すようになっている。
【0136】
なお、本実施形態の携帯用端末装置においては、その他の構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同様であるため、同一部材に対して同一符号を付してその説明を省略する。
【0137】
まず、図6を用いて本実施形態の携帯用端末装置の構成について説明する。なお、図6は、本実施形態における携帯用端末装置の構成を示すブロック図である。
【0138】
本実施形態の携帯用端末装置400は、図6に示すように、第2実施形態と同様に、通信制御部110と、移動体制御機構120と、電池残量検出部130と、システム制御部180と、ROM/RAM190と、操作部220と、表示部200と、表示制御部210と、移動体制御判定部310と、有している。
【0139】
また、この携帯用端末装置400は、上述の他に、移動体制御信号に基づいて移動体121を所定回数の往復移動を制御する移動体制御部410と、を有している。
【0140】
移動体制御部410は、移動体制御信号を受信し、当該受信した移動体制御信号に基づいて移動体121を所定の周期と振幅で所定回数往復移動させるための駆動信号を生成するようになっている。そして、この移動体制御部410は、生成した駆動信号を移動体制御機構120に出力するようになっている。
【0141】
次に、図7を用いて本実施形態における情報通知処理の動作について説明する。なお、図7は、本実施形態における情報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【0142】
以下の説明においては、電池残量を用いて情報通知処理について説明するとともに、携帯端末装置内には、所定の電池残量が存在しているものとする。
【0143】
まず、電源が投入されるなどシステム制御部180によって情報通知処理の開始を検出すると(ステップS301)、システム制御部180は、図示しないタイマーを初期値に設定するなど初期設定を実行する(ステップS302)。
【0144】
次いで、システム制御部180は、タイマーが所定の時刻であるか否かを判定し、所定の時刻になるまで本動作を繰り返す(ステップS303)。
【0145】
次いで、システム制御部180は、タイマーが所定の時刻であると判定すると、当該タイマーをリセットするとともに、電池残量検出部130に電池10の電圧から電池残量データを検出させる(ステップS304)。
【0146】
次いで、システム制御部180は、移動体制御判定部310に検出された電池残量データと所定のしきい値と比較させ、当該電池残量データが所定のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS305)。
【0147】
このとき、移動体制御判定が電池残量データの値が所定のしきい値より小さいと判定した場合には、ステップS303の処理に移行する。
【0148】
一方、移動体制御判定が電池残量データの値が所定のしきい値以上であると判定した場合には、システム制御部180は、移動体制御判定部310に移動体制御信号を出力させる(ステップS306)。
【0149】
次いで、移動体制御部410は、移動体121を所定回数であって所定範囲(例えば、直動アクチュエータ122にて移動可能な最大の範囲)を移動させるための移動体駆動信号を生成し、当該移動体駆動信号を移動体制御機構120に出力する(ステップS307)。このとき、移動体制御機構120は、入力された移動体駆動信号に基づいて移動体121の往復移動を制御する。
【0150】
最後に、システム制御部180は、電源がオフにされるなど、電池残量表示処理を終了させるか否かを判定する(ステップS308)。
【0151】
このとき、システム制御部180は、当該電池残量表示処理を終了させないと判定した場合には、ステップS303に移行し、当該電池残量表示処理を終了させると判定した場合には本動作を終了させる。
【0152】
以上本実施形態の携帯用端末装置400は、第2実施形態の効果に加えて、重心位置が往復変化するため、端末装置の重心変化を強調することできるとともに、操作者に対して「警報」的な通知として認識させやすく、当該操作者の使用よる重量感の変化への馴れをも回避させることができる。
【0153】
なお、本実施形態の携帯用端末装置400は、移動体121を往復運動させて情報変化の通知をおこなっているが、振動のような不意に発生する不快な触覚とは異なり、重量感という使用中には常時感じている力覚の、比較的なだらかな時間変化であるため、操作者を驚かせて通話や操作を中断させてしまうことはない。
【0154】
また、本実施形態において、第2実施形態と同様に、操作者に通知する情報は、電池残量に限らず携帯用端末装置400から得られる情報であればよい。そして、第1実施形態と同様に、操作者に提示する情報は、携帯用端末装置400の内部にあるもののみならず、外部から通信等で得た情報でもよい。例えば、外部サーバに記録されるタイプの電子マネー残高や、預金残高、株価の変動情報などでもよい。
【0155】
また、本実施形態の携帯用端末装置400は、第3実施形態と同様に、電池残量データの値が所定のしきい値以上であると判定した場合に移動体121の移動を制御するようになっているが、電池残量データの値が所定のしきい値以下であると判定した場合に移動体121の移動を制御するようにしてもよい。
【0156】
また、本実施形態の携帯用端末装置400は、しきい値を越えたことをトリガーとして重心位置の変化を開始させているが、携帯電話機において着信などの携帯用端末装置400自体の状態変化をトリガーとして重心位置を変化させるようにしてもよい。
【0157】
〔第4実施形態〕
次に、図8を用いて本発明に係る携帯用端末装置の第4実施形態について説明する。
【0158】
本実施形態の携帯用端末装置は、第1実施形態において固体にて形成される移動体121を所定の範囲内にて移動させて当該携帯用端末装置の重心位置を変更する点に代えて、液体にて形成される移動体(以下、「移動液体」という。)を所定の範囲内にて移動させてその重心位置を変更する点に特徴とがある。
【0159】
すなわち、本実施形態の携帯用端末装置は、第1実施形態において移動体制御機構の構造のみ異なっており、その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0160】
なお、本実施形態においては、第1実施形態と同一部材に対して同一符号を付してその説明を省略する。また、図8は、本実施形態の移動体制御機構の一例である。
【0161】
本実施形態の移動体制御機構520は、図8に示すように、携帯用端末装置100の長手方向に沿って設けられており、移動体駆動信号に基づいて動作する複数の制御弁521と、複数の制御弁521によって複数の領域に分割された空間を有する液体ケース522と、液体ケース522中の分割された一領域を満たす所定質量の移動液体523と、移動体駆動信号に基づいて動作し、移動液体523を移動させるためのポンプ524と、を有している。
【0162】
そして、この移動体制御機構520は、ポンプ524と制御弁521とにより移動液体523を液体ケース522の中で移動させるようになっており、すなわち、所定質量の液体を携帯用端末装置100移動させることで携帯機器の重心位置を変化させるようになっている。
【0163】
なお、本実施形態の移動体制御機構520は、第1実施形態と同様に、携帯用端末装置100の重心位置を変更するために所定の質量を移動させるものであればよく、液体の種別は限定されない。
【0164】
また、本実施形態においては、液体ケース522中の分割された一領域を移動液体523が満たしていないと、携帯用端末装置100の把持姿勢によって移動液体523が移動して当該携帯用端末装置100の重心位置に変動が生ずるので、移動液体523の移動は液体ケース522中の分割された領域毎に離散的に行う方ようになっている。
【0165】
以上本実施形態の携帯用端末装置100は、第1実施形態と同様に、当該携帯用端末装置100を駆動させるための電圧を供給する電池残量の変化情報が変化した場合に、当該端末装置の重心を変動させることができるので、操作者が携帯用端末装置100の一部を把持して通話や操作を行う際に、当該携帯用端末装置100の重心位置が変化すると、重心位置が手元に近ければ軽く、手元から離れるほど重く感じるなど、全体の重量が変化しなくても、操作者が感じる重量感を変化させることができる。
【0166】
なお、本実施形態の移動体制御機構520を第2実施形態及び第3実施形態に適応させるように構成してもよい。
【0167】
また、本実施形態の移動体制御機構520は、移動液体523として液体を用いているが、液体以外にも、複数の微細粒子の集合体などを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明に係る携帯用端末装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態における移動体制御機構の一例である。
【図3】第1実施形態における情報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る携帯用端末装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態における情報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る携帯用端末装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図7】第3実施形態における情報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】第4実施形態における移動体制御機構の一例である。
【符号の説明】
【0169】
100、300、400…携帯端末装置
110…通信制御部
120、520…移動体制御機構
130…電池残量検出部
140…スケール調整部
150…重心位置算出部
160…移動体位置算出部
170、320、410…移動体制御部
180…システム制御部
190…ROM/RAM
200…表示部
210…表示制御部
220…操作部
310…移動体制御判定部
521…制御弁
522…液体ケース
523…移動液体
524…ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が把持しつつ使用する端末装置において、
当該端末装置における重心位置を変動させる変動制御機構と、
所定の状況に従って変化する変化情報を取得する取得手段と、
前記変化情報の変化に伴って前記変動制御機構を制御して当該端末装置における重心位置を変動させる変動制御手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置においては、
前記変動制御機構が、
当該端末装置内部を移動自在に保持された所定の質量を有する移動体と、前記移動体を端末装置内部の所定の範囲を移動させるアクチュエータと、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の端末装置において、
前記取得手段によって取得された変化情報の変化の割合を算出する変化割合算出手段と、
前記算出された変化の割合に基づいて前記重心位置を算出する重心位置算出手段と、
を更に備え、
前記変動制御手段が、前記変動制御機構を制御して前記算出された重心位置に基づいて当該端末装置における重心位置を変動させることを特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の端末装置において、
前記取得手段によって取得された変化情報によって示される値と予め設定されたしきい値を比較する比較手段を更に備え、
前記変動制御手段が、前記比較手段にて比較した結果、所定の条件を具備した際に、前記変動制御機構を制御して当該端末装置における重心位置を変動させることを特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の端末装置において、
前記変動制御手段が、前記所定の条件を具備した際に、前記移動体を所定の範囲内にて往復移動させることを特徴とする端末装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一方に記載の端末装置において、
前記取得手段が、当該端末装置の使用状況に伴って変化する情報又は前記操作者によって予め定められた情報の何れか一方を前記変化情報として取得することを特徴とする端末装置。
【請求項7】
操作者が把持しつつ使用する端末装置にて、所定の状況に従って変化する変化情報を当該操作者に通知する変化情報通知方法において、
前記変化情報を取得する取得工程と、
前記変化情報の変化に伴って当該端末装置における重心位置を変動させる変動制御機構を制御する変動制御工程と、
を含むことを特徴とする変化情報通知方法。
【請求項8】
請求項7記載の変化情報通知方法において、
前記制御工程にて、
当該端末装置内部を移動自在に保持された所定の質量を有する移動体を当該端末装置内部の所定の範囲を移動させることによって、当該端末装置における重心位置を変動させることを特徴とする変化情報通知方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の変化情報通知方法において、
前記取得工程にて取得された変化情報の変化の割合を算出する変化割合算出工程と、
前記算出された変化の割合に基づいて前記重心位置を算出する重心位置算出工程と、
を更に含み、
前記変動制御工程にて、前記変動制御機構を制御して前記算出された重心位置に基づいて当該端末装置における重心位置を変動させることを特徴とする変化情報通知方法。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の変化情報通知方法において、
前記取得手段によって取得された変化情報によって示される値と予め設定されたしきい値を比較する比較工程を更に含み、
前記変動制御工程が、前記比較工程にて比較した結果、所定の条件を具備した際に、前記変動制御機構を制御して当該端末装置における重心位置を変動させることを特徴とする変化情報通知方法。
【請求項11】
請求項10に記載の変化情報通知方法において、
前記変動制御工程が、前記所定の条件を具備した際に、前記移動体を所定の範囲内にて往復移動させることを特徴とする変化情報通知方法。
【請求項12】
請求項7乃至11の何れか一方に記載の変化情報通知方法において、
前記取得工程にて、当該端末装置の使用状況に伴って変化する情報又は前記操作者によって予め定められた情報の何れか一方を前記変化情報として取得することを特徴とする変化情報通知方法。
【請求項13】
重量感の変化によって変化する変化情報を通知する情報通知手段を有することを特徴とする端末装置。
【請求項14】
重量感の変化によって変化する変化情報を通知する情報通知工程を含むことを特徴とする変化情報通知方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−206236(P2010−206236A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133668(P2007−133668)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】