端末装置及び通信システム
【課題】複数のストレージにそれぞれ格納されているデータを、接続されるべき端子に接続されたストレージにおいて処理される状態に容易に移行できる状態でそれぞれ維持すること。
【解決手段】制御部は、第1端子に接続するハードディスクの識別データを検出し(ステップS10)、第2端子に接続するハードディスクの識別データを検出する(ステップS20)。そして、制御部は、検出した識別データが示す端子が、その識別データを格納するハードディスクが接続された端子と異なるか否かを判定する(ステップS30)。異なると判定した場合(ステップS30:Yes)、制御部は、制限モードでの処理を行う(ステップS50)。詳細には、制御部は、接続が正しい場合に実行していたホスト装置から配信されたデータをハードディスクに書き込む処理や、バックアップの処理などを実行しないようにハードディスクを制御する。
【解決手段】制御部は、第1端子に接続するハードディスクの識別データを検出し(ステップS10)、第2端子に接続するハードディスクの識別データを検出する(ステップS20)。そして、制御部は、検出した識別データが示す端子が、その識別データを格納するハードディスクが接続された端子と異なるか否かを判定する(ステップS30)。異なると判定した場合(ステップS30:Yes)、制御部は、制限モードでの処理を行う(ステップS50)。詳細には、制御部は、接続が正しい場合に実行していたホスト装置から配信されたデータをハードディスクに書き込む処理や、バックアップの処理などを実行しないようにハードディスクを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のストレージにそれぞれ格納されているデータの処理を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネットワークを介してホスト装置から配信されるデータをストレージに格納し、格納したデータを用いて機能を提供する技術が知られている。特許文献1には、カラオケの機能を有する端末装置が曲データやシステムプログラムのバージョン情報をホスト装置に送信し、バージョンが最新でない曲データやシステムプログラムの最新版をホスト装置に配信させることで、他の端末装置と共通する曲目やシステムの機能を提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−263078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末装置に複数のストレージが備えられている場合、それぞれ接続されるべき端子が予め定められていることがある。ホスト装置及び端末装置は、これらのストレージがそれぞれ接続されるべき端子に正しく接続されていることを前提に、データの配信やバックアップの取得などの処理を実行する。一方、これらのストレージが接続されるべき端子以外の端子に誤って接続されている場合、本来そのストレージには格納されないデータがそのストレージに配信されて格納されたり、その状態でデータが更新されたりしてしまい、その後これらのストレージが正しい端子に接続された状態で動作するように移行する作業が困難になることがある。また、本来格納されないデータを格納することでそのストレージの空きがなくなり、管理用のプログラムの動作にも支障を来し、これが上記作業の妨げになることもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、複数のストレージにそれぞれ格納されているデータを、接続されるべき端子に接続されたストレージにおいて処理される状態に容易に移行できる状態でそれぞれ維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明は、接続されるべき端子を示す識別データを有するストレージが各々接続される複数の端子と、前記複数の端子にそれぞれ接続されたストレージが有する前記識別データを参照して当該ストレージが接続されるべき端子に接続されているか否かを判定する判定手段と、複数の前記ストレージのいずれもが接続されるべき端子に接続されていると前記判定手段により判定された場合に、前記端子に接続されたストレージに対して当該端子に対応する処理を実行し、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合には、前記処理を実行しない実行手段とを備えることを特徴とする端末装置を提供する。
【0006】
また、別の好ましい態様において、前記実行手段は、複数の前記ストレージに対して前記処理を実行しない状態において、複数の当該ストレージが接続されるべき端子の組み合わせと前記複数の端子の組み合わせとが一致する場合に、複数の当該ストレージのそれぞれを、当該状態から、前記処理を実行する状態に切り替えることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記判定手段が判定した結果の履歴を示す履歴データを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した履歴データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、外部装置とネットワークを介して通信する通信手段を備え、前記実行手段は、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合に、前記通信手段を介して前記外部装置が配信する配信データを前記ストレージに格納する処理を実行しないことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記記載の端末装置と、前記ネットワークを介して受信した前記出力手段により出力された履歴データから、前記判定手段が複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定した結果が示された場合に、予め定められた情報を通知する通知手段を備えるホスト装置とを具備することを特徴とする通信システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の端子のうち1つでも接続されるべきストレージ以外のストレージに接続されている場合に端子に接続されたストレージに対して当該端子に対応する処理を実行する構成に比べて、複数のストレージにそれぞれ格納されているデータを、接続されるべき端子に接続されたストレージにおいて処理される状態に容易に移行できる状態でそれぞれ維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】ホスト装置の構成を示すブロック図である。
【図3】設置場所と通知先とを対応づけたテーブルを示す図である。
【図4】カラオケ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】カラオケ端末の制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】各識別データと各端子との対応付けを示す図である。
【図7】カラオケ端末の制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】端子の切り替えが可能な状態を説明するための図である。
【図9】カラオケ端末の制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】履歴データの一例を示す図である。
【図11】カラオケ端末の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図12】変形例に係る各識別データと各端子との対応付けの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1の全体構成を示す図である。通信システム1は、複数のカラオケ端末10と、ホスト装置20とを具備する。カラオケ端末10は、ユーザが楽曲や映像に合わせて歌うことができるいわゆるカラオケの機能を提供する端末であり、本発明に係る「端末装置」の一例に相当するものである。カラオケ端末10は、ネットワークNWを介してホスト装置20と通信する。ホスト装置20は、管理センター等のカラオケ端末10とは異なる場所に設置され、カラオケ端末10を運用し、管理する装置である。例えば、ホスト装置20は、楽曲や映像などを示すデータをネットワークNWを介してカラオケ端末10に配信して、カラオケ端末10がカラオケの機能を提供できるように運用する。また、ホスト装置20は、カラオケ端末10で実行された処理の履歴を示すデータ(履歴データ)を収集したり、カラオケ端末10で不具合が発生したときにその不具合を解消するための処理の実行を指示するデータ(指示データ)を送信したりして、カラオケ端末10が正常に稼働するように管理する。ホスト装置20は、これらの動作を、自動的に行ったり、オペレータの操作で行ったりする。ホスト装置20の構成の詳細について、図2を参照しながら説明する。
【0011】
図2は、ホスト装置20の構成を示すブロック図である。ホスト装置20は、制御部21と、通信部23と、表示部24と、操作部25と、記憶部26とを備える。通信部23は、カラオケ端末10とデータを送信し、又は受信する通信手段である。通信部23により受信されたデータは、制御部21に供給される。表示部24は、制御部21の制御によって画像を表示するディスプレイである。操作部25は、ボタンや表示部24の画面に設けられたタッチパネルなどであり、ユーザによって操作されると、その操作内容を示す操作データを制御部21に供給する。記憶部26は、不揮発性メモリ等の記憶手段であって、カラオケ端末10に配信する各種データや、カラオケ端末10から送られてくる履歴データなどを記憶する。ホスト装置20は、以上の構成により、カラオケ端末10に各種データを配信する。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPUは、記憶部26に記憶されている機能プログラムをRAMにロードして実行することにより、通知部22など各種の機能ブロックを構築する。RAMは、CPUが機能プログラムを実行する際に、データ等を一時的に記憶する領域としても機能する。
【0012】
通知部22は、CPUにより構築される機能ブロックであり、例えばカラオケ端末10から発信された故障の発生及びその内容を示すデータに基づいて、上記オペレータ又はカラオケ端末10の保守を担当する作業員等に予め定められた内容を電子メール等で通知する。このとき通知する内容は、例えば、故障が発生したカラオケ端末が設置されている場所、故障した箇所及び故障した時間等である。通知部22は、上記通知先に通知する際、カラオケ端末10が設置されている場所(設置場所)と通知先とが対応づけられたテーブルを参照する。
図3は、カラオケ端末10の設置場所と通知先とを対応づけたテーブルの一例を示す図である。この例では、通知部22は、設置場所がA店舗又はC店舗の場合、FというオペレータとGという作業員の両方に通知するよう定められている。また、通知部22は、設置場所がB店舗の場合はHという作業員に、D店舗又はE店舗である場合はIという作業員に通知するよう定められている。このテーブルは、記憶部26に記憶されている。
【0013】
図4は、カラオケ端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。カラオケ端末10は、制御部100と、通信部210と、操作部220と、楽音合成装置250と、ミキサ270と、マイク260と、スピーカ280と、画像合成装置230と、ディスプレイ240と、第1端子300と、第2端子400と、第1ハードディスク500と、第2ハードディスク600とを備える。制御部100は、CPU101と、RAMと、記憶部102とを有する。CPU101は、記憶部102、第1ハードディスク500又は第2ハードディスク600に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することによって、各種の機能ブロックを構築する。RAMは、CPUが機能プログラムを実行する際に、データ等を一時的に記憶する領域としても機能する。記憶部102は、ROM(Read Only Memory)等の読み出し専用の不揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリとを有し、制御プログラム103を含む各種プログラムとそれらの設定を示すデータ(設定データ)とを記憶する。設定データは、主に書き込み可能な不揮発性メモリに記憶され、制御部100によって新たな設定や更新された設定を示すデータなどが書き込まれる。制御プログラム103は、カラオケ端末10の各部を制御するためのプログラムであり、ハードディスクに格納されたプログラムの起動などの動作を制御する。
【0014】
通信部210は、ホスト装置20とネットワークを介してデータを通信する通信手段である。通信部210は、本発明に係る「通信手段」の一例に相当する。操作部220は、ボタン、つまみ、タッチパネル、又はこれらを備えたリモコンであり、ユーザによって操作されると、その操作内容を示す操作データを制御部100に供給する。楽音合成装置250は、楽曲データに対応した楽音信号を生成し、これをミキサ270に供給する。楽音合成装置250は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ用の音源データを有しており、楽曲データがMIDIデータである場合は、これらの音源データを用いて楽音信号を生成する。マイク260は、音声を音声信号に変換してミキサ270に供給する。ミキサ270は、楽音信号と音声信号を混合した信号をスピーカ280に供給する。スピーカ280は、供給された信号を変換した音を出力する。画像合成装置230は、歌詞データと映像データとが供給されると、映像データが示す映像に歌詞データが示す歌詞の文字列の映像を合成してディスプレイ240に表示させる。
【0015】
第1端子300及び第2端子400は、ハードディスクを接続する端子であり、互いに同一の形状をしている。第1端子300は、第1ハードディスク500と接続しており、第2端子400は、第2ハードディスク600と接続している。第1端子300及び第2端子400は、各々に接続されるべきハードディスクが予め定められている。言い換えれば、これらの端子には、接続されるべきハードディスクがそれぞれ対応して定められており、以下では、これらのハードディスクを各端子に対応するハードディスクというものとする。第1端子300は、第1ハードディスク500と対応し、第2端子400は、第2ハードディスク600と対応している。記憶部102には、これらの対応を示すデータが記憶されており、制御プログラム103がこのデータに基づいて端子とハードディスクとが対応しているか否かを判断する。図4では、各端子がそれぞれ対応するハードディスクに正しく接続された状態が示されている。
【0016】
第1ハードディスク500及び第2ハードディスク600は、データやプログラム(詳細にはプログラムを表すデータ)を格納する装置であり、例えばホスト装置20から配信されるデータやプログラムを格納する。これらのデータやプログラムは、制御部100がこれらのハードディスクを制御することにより、ハードディスクに書き込まれ、変更され、読み出され、又は削除される。
第1ハードディスク500には、カラオケの機能を提供するためのデータが格納されている。詳細には、第1ハードディスク500には、カラオケ用プログラム510と、管理用プログラム520と、制御データ530と、識別データ540と、第1楽曲データ550と、第1映像データ560と、第2楽曲データ570と、第2映像データ580と、MIDI音源データとが格納されている。
【0017】
制御データ530は、カラオケ用プログラム510及び管理用プログラム520の動作を制御する情報(いわゆる設定)を示すデータであり、例えば、カラオケの採点の有無又は楽曲及び映像のうち再生するものとしないもの等の設定を示すデータである。制御データ530が示す設定には、第2ハードディスク600と共通する設定と、第1ハードディスク500独自の設定とが含まれている。識別データ540は、第1ハードディスク500が接続されるべき端子を示すデータであり、換言すると、第1ハードディスク500と対応する端子を示すデータである。本実施形態においては、識別データ540は、第1端子300を示す「端子1」という文字列を示すデータである。「端子1」は、第1端子300に対応することを示している。識別データ540は、第1ハードディスク500が製造された後最初にデータを格納される際に共に格納され、その後プログラムにより保護されて更新されない状態で格納されている。つまり、識別データ540は、第1ハードディスク500がどの端子に接続されても、「端子1」という文字列によって、第1ハードディスク500が第1端子300に対応するハードディスクであることを示す。
【0018】
第1楽曲データ550は、オーディオデータによりカラオケの楽曲が表されたデータである。第2楽曲データ570は、MIDIデータによりカラオケの楽曲が表されたデータである。このため、第1楽曲データ550は、第2楽曲データ570に比べて、数十倍から数百倍容量が大きいデータとなる。第1映像データ560及び第2映像データ580は、カラオケの楽曲が再生されているときに表示するための映像を表したデータである。第1映像データ560は、楽曲毎に用意された楽曲に対応する映像を表し、第2映像データ580は、楽曲に関係なく共通する映像を表す。このため、第1映像データ560は、第2映像データ580に比べて、数十倍から数百倍容量が大きいデータとなる。
【0019】
カラオケ用プログラム510は、カラオケの機能を提供するプログラムであり、これが実行されると、各楽曲データ及び各映像データが再生され、マイク260で変換された音声がスピーカ280から出力される。また、カラオケ用プログラム510が実行されると、変換された音声が採点され、制御データ530に示された情報から楽曲毎に指定された映像が再生される。管理用プログラム520は、カラオケ端末10を運用し、管理する機能を提供するプログラムである。管理用プログラム520が実行されると、例えば、ホスト装置20からのデータの配信が制御され、制御部100で実行された処理の履歴を示す履歴情報が出力される。また、管理用プログラム520が実行されると、ホスト装置20から送信された指示データにより示される管理又は運用のための処理が実行される。これにより、ホスト装置20を操作するオペレータが、カラオケ端末10を遠隔地から操作する。
【0020】
第2ハードディスク600には、第1ハードディスク500が故障したときにカラオケの機能を提供するためのデータが格納されている。詳細には、第2ハードディスク600には、カラオケ用プログラム610と、管理用プログラム620と、制御データ630と、識別データ640と、第2映像データ680と、第2楽曲データ670と、MIDI音源データとが格納されている。これらのプログラム及びデータは、第1ハードディスク500に格納されているプログラム及びデータのうち、制御データ530の一部、識別データ540、第1映像データ560及び第1楽曲データ550を除いたものをバックアップしたものであり、第1ハードディスクに格納されているものとその内容が共通している。制御データ630が示す設定には、第1ハードディスク500と共通する設定と、第2ハードディスク600独自の設定とが含まれている。識別データ640は、識別データ540と内容が異なり、第2ハードディスク600が接続されるべき(第2ハードディスク600に対応する)端子を示すデータである。識別データ640は、本実施形態においては、第2端子400を示す「端子2」という文字列を示すデータである。第2ハードディスク600には、他のデータに比べて容量が大きい第1映像データ560及び第1楽曲データ550が格納されないため、第1ハードディスク500に比べて容量が小さいハードディスクを用いることができ、本実施形態においては、そのようになっている。なお、第2ハードディスク600に用いられるハードディスクの容量は、これに限定されるものではなく、第1ハードディスク500と同じであっても良いし、それよりも大きくても良い。
【0021】
制御部100は、カラオケ用プログラム510を動作させることが可能な状態では、第1ハードディスク500に格納されたデータを用いてカラオケの機能を提供する。この場合、ユーザは、各楽曲に対応した楽曲毎に異なる映像にオーディオデータによる楽曲の演奏を聴きながら歌を歌う(カラオケに興じる)ことができる。一方、カラオケ用プログラム510を動作させることができない状態、例えば、第1ハードディスク500が故障して動作しない状態では、制御部100は、カラオケ用プログラム610を動作させ、第2ハードディスク600に格納されたデータを用いてカラオケの機能を提供する。この場合、ユーザは、固定の映像にMIDI音源データによる楽曲の演奏を聞きながらカラオケを行うことになる。制御部100は、両方のカラオケ用プログラムが起動可能であれば、カラオケ用プログラム510を優先的に起動する。制御部100は、制御プログラム103により、カラオケ用プログラムや管理用プログラムの起動を制御する。
【0022】
次に、上述したハードウェア構成において、制御部100が機能プログラムを実行したときに構築される機能ブロックについて図5から図10を参照して説明する。
図5は、制御部100の機能的構成を示すブロック図である。制御部100は、データ処理部111と、配信制御部112と、バックアップ部113と、検出部114と、判定部115とを有する。データ処理部111は、ハードディスクに対するデータの記録に関する処理を制御する。詳細には、データ処理部111は、端子を介してハードディスクに対してデータ(プログラムを表すデータを含む)を書き込み、変更し、読み出し、又は削除する。データ処理部111は、例えば、配信制御部112又はバックアップ部113から指示されることで、これらの処理を実行する。
【0023】
配信制御部112は、ホスト装置20からのデータの配信を制御する。詳細には、配信制御部112は、ホスト装置20から送信された配信される予定のデータが記述されたリストから、カラオケ端末10に対して配信させるデータを選択し、選択したデータを配信するようホスト装置20に対して要求する。配信制御部112は、この選択を、図4に示す制御データ530(又は630)に記述されたデータ配信の設定情報に基づいて行う。この設定情報には、例えば、カラオケ端末10で用いられる楽曲データ及び映像データの範囲や、これらのデータのバージョンが示されている。また、配信制御部112は、要求したデータがホスト装置20から送信されると、これらのデータをデータ処理部111に供給し、ハードディスクへの書き込みを指示する。
【0024】
バックアップ部113は、第1端子300に接続するハードディスクのデータを、第2端子400に接続するハードディスクにバックアップする。詳細には、バックアップ部113は、データ処理部111を指示して、第1ハードディスク500に格納されたデータを読み出させ、そこから第2ハードディスク600と内容が共通するデータを選択し、これらのデータを第1ハードディスク500から読み出させると共に第2ハードディスク600に書き込ませる。バックアップ部113は、この処理を、図4に示す制御データ530(又は630)により示される設定に基づいて実行する。
【0025】
検出部114は、ハードディスクに格納されている識別データを検出する。本実施形態においては、検出部114は、第1ハードディスク500から識別データ540(すなわち「端子1」という文字列を示すデータ)を検出し、第2ハードディスク600から識別データ640(すなわち「端子2」という文字列を示すデータ)を検出する。
判定部115は、第1端子300と、第1端子300に接続されているハードディスクに格納されている識別データにより表される端子とが一致するか否かを判定する。詳細には、まず、記憶部102が記憶する上述した設定データには、図6に示す識別データと端子との対応付けが示されている。
【0026】
図6は、各識別データと各端子との対応付けを示す図である。設定データには、この図に示されるように、識別データは、文字列で示されており、その文字列の内容が「端子1」であれば、第1端子300と対応し、「端子2」であれば、第2端子400と対応していることが示されている。判定部115は、設定データを参照して、第1端子300に接続されたハードディスクから検出した識別データが「端子1」という文字列を示すデータであれば、第1端子300と、この識別データが示す端子とが一致すると判定し、この識別データが「端子1」という文字列を示すデータでなければ、一致しないと判定する。図4に示す状態であれば、第1端子300に接続された第1ハードディスク500に格納された識別データ540が「端子1」という文字列を示すデータであるため、判定部115は、第1端子300と、この識別データが示す端子とが一致すると判定する。判定部115は、第2端子400に対しても同様に判定を行う。
【0027】
図7は、判定部115による判定の結果に応じて動作する機能の機能ブロックを示す図である。制限部116は、判定部115が一致しない(否)と判定した結果が1つでもある場合に、第1端子300及び第2端子400に接続するハードディスクに対して、各端子に対応する処理を実行しないように制限する。ここにおいて、各端子に対応する処理とは、接続されるべきストレージが各端子にそれぞれ接続されている場合に、これらのストレージに対してそれぞれ格納すべきデータを書き込み、変更し、読み出し、又は削除する処理である。また、各端子に対応する処理には、これらの処理を指示する処理及びこれらの処理に結びつく動作を要求する処理も含まれる。各端子に対応する処理は、例えば、データ処理部111が第1ハードディスク500に格納すべきデータ、つまり、第1楽曲データ550又は第1映像データ560を書き込む処理である。また、各端子に対応する処理は、配信制御部112がデータの配信を要求する処理であり、バックアップ部113がバックアップを指示する処理である。言い換えれば、これらの各部は、判定部115により各ハードディスクがいずれも接続されるべき端子に接続されていると判定された場合には、制限部116による処理の制限がされないため、各ストレージに対して、これらのハードディスクがそれぞれ接続している端子に対応する処理を実行する。制限部116により処理を制限された各部は、その処理を実行中であればそれを途中で停止し、実行前であればその処理を実行することなく中止する。制限部116は、図4に示す制御データ530(又は630)により示される各設定に基づいて、各端子に対応する処理を制限する。
【0028】
切り替え部117は、制限部116によりハードディスクへの処理が制限されている状態、つまり、判定部115が一致しない(否)と判定した結果が1つでもあった状態において動作する。切り替え部117は、この状態から、各端子に接続されている各ハードディスクに対して、各ハードディスクに格納されている識別データにより表されるハードディスクが接続されるべき端子に対応する処理を実行する状態に切り替える。詳細には、切り替え部117は、「端子1」が第2端子400と対応し、「端子2」が第1端子300と対応することを示すデータをROMに書き加える。これにより、判定部115は、例えば、第1端子300に接続されたハードディスクから検出した識別データが「端子2」という文字列を示すデータであれば、第1端子300と、この識別データが示す端子とが一致すると判定する。切り替え部117は、上記切り替えの処理を、それが可能な場合に実行する。この場合について、図8を参照しながら説明する。
【0029】
図8は、端子の切り替えが可能な状態を説明するための図である。図8(a)は、端子とハードディスクとが対応するもの同士正しく接続された状態であるカラオケ端末(すなわち、本実施形態のカラオケ端末10)を示している。図8(b)、(c)、(d)は、第1端子300及び第2端子400のいずれか又はいずれもが、対応しないハードディスクと誤って接続された状態のカラオケ端末10の例を示している。図8(b)では、カラオケ端末10は、第1端子300に第2ハードディスク600が接続され、第2端子400に第1ハードディスク500が接続されている状態が示されている。つまり、この例においては、各端子に対応するハードディスクの組み合わせ(第1ハードディスク500及び第2ハードディスク600)は、各端子に接続しているハードディスクの組み合わせ(第2ハードディスク600及び第1ハードディスク500)と一致しているが、これらの端子には、各々に対応するハードディスクと反対のハードディスクが接続している。この状態の場合、切り替え部117が上記切り替えを行うことで、第1端子300及び第2端子400には、各々に対応するハードディスクがそれぞれ接続することになる。つまり、図8(b)に示される状態は、上述した端子の切り替えが可能な状態である。
【0030】
図8(c)では、第1端子300及び第2端子400のいずれにも第1ハードディスク500が接続されている状態が示されている。また、図8(d)では、第1端子300には第1ハードディスク500が接続されているが、第2端子400には第1ハードディスク500とも第2ハードディスク600とも異なる第3ハードディスクが接続されている状態が示されている。これらの状態では、切り替え部117により上記切り替えが行われても、第1端子300及び第2端子400には、各々に対応するハードディスクがそれぞれ接続されることがない。つまり、図8(c)、(d)に示される状態は、上述した端子の切り替えが可能な状態ではない。
まとめると、端子の切り替えが可能な状態とは、切り替え部117が切り替えの処理を行うことでハードディスクが正しく接続される状態のことであり、詳細には、ハードディスクの接続が誤っており、かつ、ハードディスクの組み合わせが正しい状態である。
【0031】
以上のとおり、制御部100において、データ処理部111、配信制御部112、バックアップ部113、検出部114、制限部116及び切り替え部117が協働することで、本発明に係る「実行手段」の機能を実現する。これら各部は、図4に示す制御データ530(又は630)又は記憶部102に記憶された設定データにより示される各設定に基づいて、各端子に接続されたハードディスクに対して、それぞれ接続する端子に対応する処理を実行する。
【0032】
図9は、上述した履歴データに関する機能の機能ブロックを示す図である。生成部118は、データ処理部111、配信制御部112、バックアップ部113、検出部114、判定部115、制限部116及び切り替え部117から、各部が実行した処理の履歴を示すデータを供給され、供給されたデータにより示される処理の履歴を示す履歴データを生成する。例えば、履歴データには、判定部115が上述した判定を行った結果の履歴が示されている。生成部118は、生成した履歴データを出力部119に供給する。出力部119は、供給された履歴データを通信部210を介して図1に示すホスト装置20に出力する。
【0033】
図10は、履歴データの一例を示す図である。履歴データには、処理が実行された時刻(処理時刻)、処理を実行した機能及び処理の内容が示されている。この例では、時刻1に配信制御部112がデータ処理部111に対して第1ハードディスク(HD)500へのデータの書き込みを指示したことが示され、時刻2にデータ処理部111がそのデータを第1ハードディスク500へ書き込んだことが示されている。また、時刻3にバックアップ部113がデータ処理部111に対してバックアップの動作を指示したことが示され、時刻4にデータ処理部111が第1ハードディスク(HD)からデータを読み出し、そのデータを第2ハードディスク600へ書き込んだことが示されている。また、時刻11に検出部114が検出した結果から、時刻12に判定部115が端子とハードディスクとの接続が誤っていると判定したことが示されている。その結果、時刻13に制限部116が各部により実行される処理の内容を制限し、時刻14に配信制御部112がデータを要求する動作を中止し、そして、時刻15にバックアップ部113がバックアップを指示する動作を中止したことが示されている。なお、履歴データには、制限部116により制限されて実行されなかった処理であっても、それが実行されなかったこと(中止されたこと)が履歴として示される。
【0034】
次に、実施形態に係るカラオケ端末10の制御部100の動作について説明する。
図11は、制御部100の動作を示すフローチャートである。制御部100は、カラオケ端末10に電源が投入されることを契機に動作を開始する。まず、制御部100は、第1端子300に接続するハードディスクである第1ハードディスク500から、識別データ540(文字列「端子1」)を検出する(ステップS10)。続いて、制御部100は、第2端子400に接続するハードディスクである第2ハードディスク600から、識別データ640(文字列「端子2」)を検出する(ステップS20)。そして、制御部100は、検出した識別データにより示される端子が、その識別データを格納するハードディスクが接続された端子と異なるか否かを判定する(ステップS30)。
【0035】
カラオケ端末10が図8(a)に示す状態である場合、制御部100は、文字列「端子1」が示す第1端子300が、第1ハードディスク500が接続された端子と異ならない(否)と判定する。ステップS30において否と判定した場合(ステップS30:No)、制御部100は、正常モードでの処理を行う(ステップS40)。ここにおいて、正常モードとは、各々に対応するハードディスクが各端子に接続されている正常な状態でカラオケ端末10を動作させるモードのことをいい、例えば、上述した配信制御部112やデータ処理部111、バックアップ部113による処理を制限することなく実行するモードをいう。
【0036】
カラオケ端末が図8(b)、(c)、(d)に示す各状態である場合、制御部100は、識別データにより示される端子のうちの少なくとも1つが、その識別データを格納するハードディスクが接続された端子と異なると判定する。この場合、制御部100は、ステップS30において異なると判定し(ステップS30:Yes)、制限モードでの処理を行う(ステップS50)。ここにおいて、制限モードとは、正常モードで実行される処理の一部を実行しないように制限する(すなわち、正常モードよりも動作を制限する)モードをいい、詳細には、上述した制限部116が処理を行う状態をいう。これにより、接続が誤っている状態において、各ハードディスクに本来格納すべきデータとは異なるデータが格納され続けることがなくなり、正しい接続への移行が容易な状態が維持される。
【0037】
続いて、制御部100は、各端子に接続されているハードディスクの組み合わせが、各端子に対応するハードディスクの組み合わせと一致するか否かを判断する(ステップS60)。カラオケ端末10が図8(b)に示す状態であれば、制御部100は、これらの組み合わせが一致すると判断し(ステップS60:Yes)、切り替えモードでの処理を行う(ステップS70)。ここにおいて、切り替えモードとは、上述した端子の切り替えを実行した後に、上記正常モードでの処理を実行するモードをいう。また、カラオケ端末10が図8(c)、(d)に示す状態であれば、制御部100は、ステップS60において否と判断し(ステップS60:No)、切り替えを行わずに処理を終了する。
【0038】
ところで、カラオケ端末10において、端子に接続しているハードディスクがその端子に対応するハードディスクでない(接続が誤っている)場合に、上述した正常モードで動作を続けると、カラオケ端末10が提供する機能に支障を来すことがある。例えば、第1端子300に第2ハードディスク600が接続され、第2端子400に第1ハードディスク500が接続されている場合、第2ハードディスク600には、第1ハードディスク500に配信されるべき第1映像データ及び第1楽曲データを含む各種データが配信される。第2ハードディスク600は、上述のとおり第1ハードディスク500よりも容量が小さいため、第1映像データと第1楽曲データを格納しきれない。このため、カラオケ端末10では、データの配信が受けられない状態になり、再生されるはずの映像や楽曲が再生されなくなったり、再生されるはずの映像と異なる映像が再生されたりする。
【0039】
また、第2ハードディスク600は、第1映像データと第1楽曲データが配信されると空き容量がほとんどなくなる。このため、管理用プログラム620を実行しようとしても、データを書き込めなくなって処理が極端に遅くなったり、実行できない状態になったりする。また、この状態のままバックアップ処理が実行されると、バックアップされる側のデータ(この場合、第2端子400に接続されている第1ハードディスク500に格納されるデータ)も、本来格納すべきデータとは異なったものになる。このため、接続が誤った状態のまま使用を続けてデータが追加され、変更され、又は削除されるほど、元のデータの状態(接続が誤った状態で使用を開始する前の状態)に復旧するための作業が困難になる。
【0040】
図9に示す生成部118が生成する履歴データは、例えば数十文字単位のテキストデータが制御部100の動作の度に蓄積されたものであるため、映像データや楽曲データに比べて容量が小さいデータである。このため、生成部118は、上述した接続が誤った状態はもちろん、第2ハードディスク600の空き容量がほとんどなくなった状態においても、履歴データを生成し続ける。この履歴データは、時間が経過するに連れて、多くの履歴が蓄積されたデータとなる。出力部119は、例えば、カラオケ端末10に電源が投入されて各プログラムが起動された時点や、その後例えば12時間又は24時間等の予め定められた時間が経過した時点などに、その時点までの履歴が蓄積された履歴データをホスト装置20に出力する。
【0041】
図2に示す通知部22は、上記履歴データが通信部23を介して供給されると、供給された履歴データが示す制限部116による処理の有無から、端子とハードディスクの接続が正しくされているか否かを判断する。接続が正しくされていないと判断すると、通知部22は、その旨を伝える情報などの予め定められた情報を電子メール等の手段で上述したオペレータ及び保守作業員に通知する。また、通知部22は、その後も供給される履歴データに、接続が正しくされていない状態が例えば10回又は20回等予め定められた回数続いていることが示されていた場合、再度その旨をオペレータ及び保守作業員に通知する。通知部22による通知は、ハードディスクを接続し直す作業が実行され、又は切り替え部117による切り替えの処理が実行されることで、接続が正しくされた状態になるまで行われる。通知部22は、本発明に係る「通知手段」の一例に相当する。以上のとおりカラオケ端末10及びホスト装置20において各制御部が動作することで、端子とハードディスクとが正しく接続されるよう促される。
【0042】
また、制御部100は、誤った接続と判定すると、各ハードディスクに対するデータの処理を上述のとおり制限する。このため、データの追加、変更又は削除も制限され、接続が誤った状態のまま正常モードで使用を続けた場合に比べて、元のデータの状態に近い状態、つまり、元のデータへの移行が容易な状態を維持することができる。また、接続されているハードディスクは誤っているが、ハードディスクの組み合わせは正しい場合、制御部100は、接続している端子を上述のとおり切り替え、保守作業員による作業を待たずとも迅速に正しい接続に切り替えることができる。
【0043】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように種々の応用・変形が可能であり、また、必要に応じて組み合わせることも可能である。
【0044】
(変形例1)
本発明において、識別データは、「端子」+数字の文字列以外のものであっても良い。例えば、単に数字だけであっても良いし、数字の代わりにアルファベットを用いても良い。また、識別データは、意味のある文字列でなくても良く、例えば、ハードディスクのシリアル番号等を用いても良い。また、ハードディスクの容量が識別データとして用いられても良い。この場合、容量が閾値より大きければ第1端子300に接続されるべきハードディスクと識別し、閾値以下であれば第2端子400に接続されるべきハードディスクと判定すれば良い。つまり、識別データは、そのハードディスクから検出可能なデータであり、そのハードディスクが接続されるべき端子を示すものであれば良く、その識別データがどのような値である場合にどの端子と対応するかという関係を示すデータが記憶部102に記憶されていれば良い。
【0045】
図12は、本変形例に係る各識別データと各端子との対応付けの例を示す図である。図12(a)は、ハードディスクのシリアル番号に対して端子を対応付けた例を示している。図12(b)は、ハードディスクの容量の大きさによって端子を対応付けた例を示している。この例の場合、容量が5TB(テラバイト)以上であれば、第1楽音データや第1映像データを格納できる容量があるハードディスクであるとして、第1端子と対応付けている。図12(c)は、決められたデータを格納しているか否かによって端子を対応付けた例を示している。この例の場合、第1楽音データを格納しているハードディスクを第1端子と対応付け、格納していないハードディスクを第2端子と対応付けている。上記のいずれの場合も、記憶部102に記憶されている設定データにこれらの対応付けを示しておき、制御部100がその設定データを参照して端子とハードディスクとの対応を判定すればよい。
【0046】
(変形例2)
本発明においては、検出部114は、識別データ以外のデータから、各ハードディスクが接続されるべき端子を検出しても良い。例えば、検出部114は、第1ハードディスク500に格納され、第2ハードディスク600には格納されていない種類のデータ(例えば、第1映像データ560や第1楽曲データ550)がある場合、それらのデータを検出すれば良い。この場合、識別データを予め格納しておかなくとも、接続が正しいか否かを判定することができる。
【0047】
(変形例3)
本発明においては、制御部100は、ステップS60、S70の処理(端子の切り替え)を行わなくとも良い。例えば、第1端子300と第2端子400とが他の端子や装置と対応している場合、正しい接続がされた状態にするためには、これらの対応も切り替えなければならない。このような場合は、制御部100は、ハードディスクへの処理を制限するだけで、物理的に端子の接続を切り替えられるのを待つように動作すれば良い。
【0048】
(変形例4)
本発明においては、制御部100は、端子の切り替えを、ハードディスクに格納されているデータを相互に移行することで行っても良い。例えば、図8(b)に示す状態において、制御部100は、第1ハードディスク500に格納されたデータを第2ハードディスク600に移行し、第2ハードディスク600に格納されたデータを第1ハードディスク500に移行しても良い。ただし、この場合、第2ハードディスク600には、第1楽曲データ550及び第1映像データ560を格納するだけの容量を有するハードディスクが用いられる必要がある。
【0049】
(変形例5)
本発明において、ハードディスクと接続する端子は、2つに限らず、3つ以上であっても良く、これらの端子が、各々に対応するハードディスクが予め定められていれば良い。この場合、カラオケ端末の制御部は、これらの端子が、それぞれ接続しているハードディスクに格納されている識別データにより表される端子と一致する場合、正常モードで動作し、一致しない場合、制限モードで動作すれば良い。
【0050】
(変形例6)
本発明において、制御部100は、上述した実施形態においては、接続が誤っているハードディスクが1つでもあれば、制限モードでの処理を実行したが、接続が誤っているハードディスクに対してのみ制限モードでの処理を実行しても良い。言い換えれば、制御部100は、複数のハードディスクのうちの一部のハードディスクにおける処理を制限しても良い。これにより、例えば、図8(d)に示す状態(第1端子300の接続は正しく、第2端子400の接続のみが正しくない状態)において、第1ハードディスク500を用いて正常モードでのカラオケ機能を提供することが可能な状態であるにも関わらず、制限モードで動作するため配信された楽曲データが格納されないという事態を防止することができる。
【0051】
(変形例7)
第1端子300及び第2端子400には、上述した実施形態では、ハードディスクが接続されていたが、これに限らない。データを格納可能なものであれば、例えばSSD(Solid State Drive)等の他のストレージであっても良い。
【0052】
(変形例8)
本発明に係る端末装置は、上述した実施形態ではカラオケ端末であったが、これに限らず、複数のストレージを備え、これらに接続されるべき端子がそれぞれ対応付けられているものであれば、どのような端末装置であっても良い。この場合であっても、本発明に係る端末装置は、複数のストレージのいずれもがそれぞれ接続されるべき端子に接続されているか否かを識別データにより判定し、否と判定された場合には各端子に対応する処理を各ストレージに対して実行しないように制限することで、これら複数のストレージにそれぞれ格納されているデータを、接続されるべき端子に接続されたストレージにおいて処理される状態に容易に移行できる状態でそれぞれ維持することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…通信システム、10…カラオケ端末、100…制御部、101…CPU、102…記憶部、103…制御プログラム、111…データ処理部、112…配信制御部、113…バックアップ部、114…検出部、115…判定部、116…制限部、117…切り替え部、118…生成部、119…出力部、210…通信部、220…操作部、240…ディスプレイ、300…第1端子、400…第2端子、500…第1ハードディスク、510、610…カラオケ用プログラム、520、620…管理用プログラム、530、630…制御データ、540、640…識別データ、550…第1楽曲データ、560…第1映像データ、570、670…第2楽曲データ、580、680…第2映像データ、600…第2ハードディスク、20…ホスト装置、21…制御部、22…通知部、23…通信部、24…表示部、25…操作部、26…記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のストレージにそれぞれ格納されているデータの処理を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネットワークを介してホスト装置から配信されるデータをストレージに格納し、格納したデータを用いて機能を提供する技術が知られている。特許文献1には、カラオケの機能を有する端末装置が曲データやシステムプログラムのバージョン情報をホスト装置に送信し、バージョンが最新でない曲データやシステムプログラムの最新版をホスト装置に配信させることで、他の端末装置と共通する曲目やシステムの機能を提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−263078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末装置に複数のストレージが備えられている場合、それぞれ接続されるべき端子が予め定められていることがある。ホスト装置及び端末装置は、これらのストレージがそれぞれ接続されるべき端子に正しく接続されていることを前提に、データの配信やバックアップの取得などの処理を実行する。一方、これらのストレージが接続されるべき端子以外の端子に誤って接続されている場合、本来そのストレージには格納されないデータがそのストレージに配信されて格納されたり、その状態でデータが更新されたりしてしまい、その後これらのストレージが正しい端子に接続された状態で動作するように移行する作業が困難になることがある。また、本来格納されないデータを格納することでそのストレージの空きがなくなり、管理用のプログラムの動作にも支障を来し、これが上記作業の妨げになることもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、複数のストレージにそれぞれ格納されているデータを、接続されるべき端子に接続されたストレージにおいて処理される状態に容易に移行できる状態でそれぞれ維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明は、接続されるべき端子を示す識別データを有するストレージが各々接続される複数の端子と、前記複数の端子にそれぞれ接続されたストレージが有する前記識別データを参照して当該ストレージが接続されるべき端子に接続されているか否かを判定する判定手段と、複数の前記ストレージのいずれもが接続されるべき端子に接続されていると前記判定手段により判定された場合に、前記端子に接続されたストレージに対して当該端子に対応する処理を実行し、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合には、前記処理を実行しない実行手段とを備えることを特徴とする端末装置を提供する。
【0006】
また、別の好ましい態様において、前記実行手段は、複数の前記ストレージに対して前記処理を実行しない状態において、複数の当該ストレージが接続されるべき端子の組み合わせと前記複数の端子の組み合わせとが一致する場合に、複数の当該ストレージのそれぞれを、当該状態から、前記処理を実行する状態に切り替えることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記判定手段が判定した結果の履歴を示す履歴データを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した履歴データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、外部装置とネットワークを介して通信する通信手段を備え、前記実行手段は、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合に、前記通信手段を介して前記外部装置が配信する配信データを前記ストレージに格納する処理を実行しないことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記記載の端末装置と、前記ネットワークを介して受信した前記出力手段により出力された履歴データから、前記判定手段が複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定した結果が示された場合に、予め定められた情報を通知する通知手段を備えるホスト装置とを具備することを特徴とする通信システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の端子のうち1つでも接続されるべきストレージ以外のストレージに接続されている場合に端子に接続されたストレージに対して当該端子に対応する処理を実行する構成に比べて、複数のストレージにそれぞれ格納されているデータを、接続されるべき端子に接続されたストレージにおいて処理される状態に容易に移行できる状態でそれぞれ維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】ホスト装置の構成を示すブロック図である。
【図3】設置場所と通知先とを対応づけたテーブルを示す図である。
【図4】カラオケ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】カラオケ端末の制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】各識別データと各端子との対応付けを示す図である。
【図7】カラオケ端末の制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】端子の切り替えが可能な状態を説明するための図である。
【図9】カラオケ端末の制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】履歴データの一例を示す図である。
【図11】カラオケ端末の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図12】変形例に係る各識別データと各端子との対応付けの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1の全体構成を示す図である。通信システム1は、複数のカラオケ端末10と、ホスト装置20とを具備する。カラオケ端末10は、ユーザが楽曲や映像に合わせて歌うことができるいわゆるカラオケの機能を提供する端末であり、本発明に係る「端末装置」の一例に相当するものである。カラオケ端末10は、ネットワークNWを介してホスト装置20と通信する。ホスト装置20は、管理センター等のカラオケ端末10とは異なる場所に設置され、カラオケ端末10を運用し、管理する装置である。例えば、ホスト装置20は、楽曲や映像などを示すデータをネットワークNWを介してカラオケ端末10に配信して、カラオケ端末10がカラオケの機能を提供できるように運用する。また、ホスト装置20は、カラオケ端末10で実行された処理の履歴を示すデータ(履歴データ)を収集したり、カラオケ端末10で不具合が発生したときにその不具合を解消するための処理の実行を指示するデータ(指示データ)を送信したりして、カラオケ端末10が正常に稼働するように管理する。ホスト装置20は、これらの動作を、自動的に行ったり、オペレータの操作で行ったりする。ホスト装置20の構成の詳細について、図2を参照しながら説明する。
【0011】
図2は、ホスト装置20の構成を示すブロック図である。ホスト装置20は、制御部21と、通信部23と、表示部24と、操作部25と、記憶部26とを備える。通信部23は、カラオケ端末10とデータを送信し、又は受信する通信手段である。通信部23により受信されたデータは、制御部21に供給される。表示部24は、制御部21の制御によって画像を表示するディスプレイである。操作部25は、ボタンや表示部24の画面に設けられたタッチパネルなどであり、ユーザによって操作されると、その操作内容を示す操作データを制御部21に供給する。記憶部26は、不揮発性メモリ等の記憶手段であって、カラオケ端末10に配信する各種データや、カラオケ端末10から送られてくる履歴データなどを記憶する。ホスト装置20は、以上の構成により、カラオケ端末10に各種データを配信する。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPUは、記憶部26に記憶されている機能プログラムをRAMにロードして実行することにより、通知部22など各種の機能ブロックを構築する。RAMは、CPUが機能プログラムを実行する際に、データ等を一時的に記憶する領域としても機能する。
【0012】
通知部22は、CPUにより構築される機能ブロックであり、例えばカラオケ端末10から発信された故障の発生及びその内容を示すデータに基づいて、上記オペレータ又はカラオケ端末10の保守を担当する作業員等に予め定められた内容を電子メール等で通知する。このとき通知する内容は、例えば、故障が発生したカラオケ端末が設置されている場所、故障した箇所及び故障した時間等である。通知部22は、上記通知先に通知する際、カラオケ端末10が設置されている場所(設置場所)と通知先とが対応づけられたテーブルを参照する。
図3は、カラオケ端末10の設置場所と通知先とを対応づけたテーブルの一例を示す図である。この例では、通知部22は、設置場所がA店舗又はC店舗の場合、FというオペレータとGという作業員の両方に通知するよう定められている。また、通知部22は、設置場所がB店舗の場合はHという作業員に、D店舗又はE店舗である場合はIという作業員に通知するよう定められている。このテーブルは、記憶部26に記憶されている。
【0013】
図4は、カラオケ端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。カラオケ端末10は、制御部100と、通信部210と、操作部220と、楽音合成装置250と、ミキサ270と、マイク260と、スピーカ280と、画像合成装置230と、ディスプレイ240と、第1端子300と、第2端子400と、第1ハードディスク500と、第2ハードディスク600とを備える。制御部100は、CPU101と、RAMと、記憶部102とを有する。CPU101は、記憶部102、第1ハードディスク500又は第2ハードディスク600に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することによって、各種の機能ブロックを構築する。RAMは、CPUが機能プログラムを実行する際に、データ等を一時的に記憶する領域としても機能する。記憶部102は、ROM(Read Only Memory)等の読み出し専用の不揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリとを有し、制御プログラム103を含む各種プログラムとそれらの設定を示すデータ(設定データ)とを記憶する。設定データは、主に書き込み可能な不揮発性メモリに記憶され、制御部100によって新たな設定や更新された設定を示すデータなどが書き込まれる。制御プログラム103は、カラオケ端末10の各部を制御するためのプログラムであり、ハードディスクに格納されたプログラムの起動などの動作を制御する。
【0014】
通信部210は、ホスト装置20とネットワークを介してデータを通信する通信手段である。通信部210は、本発明に係る「通信手段」の一例に相当する。操作部220は、ボタン、つまみ、タッチパネル、又はこれらを備えたリモコンであり、ユーザによって操作されると、その操作内容を示す操作データを制御部100に供給する。楽音合成装置250は、楽曲データに対応した楽音信号を生成し、これをミキサ270に供給する。楽音合成装置250は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ用の音源データを有しており、楽曲データがMIDIデータである場合は、これらの音源データを用いて楽音信号を生成する。マイク260は、音声を音声信号に変換してミキサ270に供給する。ミキサ270は、楽音信号と音声信号を混合した信号をスピーカ280に供給する。スピーカ280は、供給された信号を変換した音を出力する。画像合成装置230は、歌詞データと映像データとが供給されると、映像データが示す映像に歌詞データが示す歌詞の文字列の映像を合成してディスプレイ240に表示させる。
【0015】
第1端子300及び第2端子400は、ハードディスクを接続する端子であり、互いに同一の形状をしている。第1端子300は、第1ハードディスク500と接続しており、第2端子400は、第2ハードディスク600と接続している。第1端子300及び第2端子400は、各々に接続されるべきハードディスクが予め定められている。言い換えれば、これらの端子には、接続されるべきハードディスクがそれぞれ対応して定められており、以下では、これらのハードディスクを各端子に対応するハードディスクというものとする。第1端子300は、第1ハードディスク500と対応し、第2端子400は、第2ハードディスク600と対応している。記憶部102には、これらの対応を示すデータが記憶されており、制御プログラム103がこのデータに基づいて端子とハードディスクとが対応しているか否かを判断する。図4では、各端子がそれぞれ対応するハードディスクに正しく接続された状態が示されている。
【0016】
第1ハードディスク500及び第2ハードディスク600は、データやプログラム(詳細にはプログラムを表すデータ)を格納する装置であり、例えばホスト装置20から配信されるデータやプログラムを格納する。これらのデータやプログラムは、制御部100がこれらのハードディスクを制御することにより、ハードディスクに書き込まれ、変更され、読み出され、又は削除される。
第1ハードディスク500には、カラオケの機能を提供するためのデータが格納されている。詳細には、第1ハードディスク500には、カラオケ用プログラム510と、管理用プログラム520と、制御データ530と、識別データ540と、第1楽曲データ550と、第1映像データ560と、第2楽曲データ570と、第2映像データ580と、MIDI音源データとが格納されている。
【0017】
制御データ530は、カラオケ用プログラム510及び管理用プログラム520の動作を制御する情報(いわゆる設定)を示すデータであり、例えば、カラオケの採点の有無又は楽曲及び映像のうち再生するものとしないもの等の設定を示すデータである。制御データ530が示す設定には、第2ハードディスク600と共通する設定と、第1ハードディスク500独自の設定とが含まれている。識別データ540は、第1ハードディスク500が接続されるべき端子を示すデータであり、換言すると、第1ハードディスク500と対応する端子を示すデータである。本実施形態においては、識別データ540は、第1端子300を示す「端子1」という文字列を示すデータである。「端子1」は、第1端子300に対応することを示している。識別データ540は、第1ハードディスク500が製造された後最初にデータを格納される際に共に格納され、その後プログラムにより保護されて更新されない状態で格納されている。つまり、識別データ540は、第1ハードディスク500がどの端子に接続されても、「端子1」という文字列によって、第1ハードディスク500が第1端子300に対応するハードディスクであることを示す。
【0018】
第1楽曲データ550は、オーディオデータによりカラオケの楽曲が表されたデータである。第2楽曲データ570は、MIDIデータによりカラオケの楽曲が表されたデータである。このため、第1楽曲データ550は、第2楽曲データ570に比べて、数十倍から数百倍容量が大きいデータとなる。第1映像データ560及び第2映像データ580は、カラオケの楽曲が再生されているときに表示するための映像を表したデータである。第1映像データ560は、楽曲毎に用意された楽曲に対応する映像を表し、第2映像データ580は、楽曲に関係なく共通する映像を表す。このため、第1映像データ560は、第2映像データ580に比べて、数十倍から数百倍容量が大きいデータとなる。
【0019】
カラオケ用プログラム510は、カラオケの機能を提供するプログラムであり、これが実行されると、各楽曲データ及び各映像データが再生され、マイク260で変換された音声がスピーカ280から出力される。また、カラオケ用プログラム510が実行されると、変換された音声が採点され、制御データ530に示された情報から楽曲毎に指定された映像が再生される。管理用プログラム520は、カラオケ端末10を運用し、管理する機能を提供するプログラムである。管理用プログラム520が実行されると、例えば、ホスト装置20からのデータの配信が制御され、制御部100で実行された処理の履歴を示す履歴情報が出力される。また、管理用プログラム520が実行されると、ホスト装置20から送信された指示データにより示される管理又は運用のための処理が実行される。これにより、ホスト装置20を操作するオペレータが、カラオケ端末10を遠隔地から操作する。
【0020】
第2ハードディスク600には、第1ハードディスク500が故障したときにカラオケの機能を提供するためのデータが格納されている。詳細には、第2ハードディスク600には、カラオケ用プログラム610と、管理用プログラム620と、制御データ630と、識別データ640と、第2映像データ680と、第2楽曲データ670と、MIDI音源データとが格納されている。これらのプログラム及びデータは、第1ハードディスク500に格納されているプログラム及びデータのうち、制御データ530の一部、識別データ540、第1映像データ560及び第1楽曲データ550を除いたものをバックアップしたものであり、第1ハードディスクに格納されているものとその内容が共通している。制御データ630が示す設定には、第1ハードディスク500と共通する設定と、第2ハードディスク600独自の設定とが含まれている。識別データ640は、識別データ540と内容が異なり、第2ハードディスク600が接続されるべき(第2ハードディスク600に対応する)端子を示すデータである。識別データ640は、本実施形態においては、第2端子400を示す「端子2」という文字列を示すデータである。第2ハードディスク600には、他のデータに比べて容量が大きい第1映像データ560及び第1楽曲データ550が格納されないため、第1ハードディスク500に比べて容量が小さいハードディスクを用いることができ、本実施形態においては、そのようになっている。なお、第2ハードディスク600に用いられるハードディスクの容量は、これに限定されるものではなく、第1ハードディスク500と同じであっても良いし、それよりも大きくても良い。
【0021】
制御部100は、カラオケ用プログラム510を動作させることが可能な状態では、第1ハードディスク500に格納されたデータを用いてカラオケの機能を提供する。この場合、ユーザは、各楽曲に対応した楽曲毎に異なる映像にオーディオデータによる楽曲の演奏を聴きながら歌を歌う(カラオケに興じる)ことができる。一方、カラオケ用プログラム510を動作させることができない状態、例えば、第1ハードディスク500が故障して動作しない状態では、制御部100は、カラオケ用プログラム610を動作させ、第2ハードディスク600に格納されたデータを用いてカラオケの機能を提供する。この場合、ユーザは、固定の映像にMIDI音源データによる楽曲の演奏を聞きながらカラオケを行うことになる。制御部100は、両方のカラオケ用プログラムが起動可能であれば、カラオケ用プログラム510を優先的に起動する。制御部100は、制御プログラム103により、カラオケ用プログラムや管理用プログラムの起動を制御する。
【0022】
次に、上述したハードウェア構成において、制御部100が機能プログラムを実行したときに構築される機能ブロックについて図5から図10を参照して説明する。
図5は、制御部100の機能的構成を示すブロック図である。制御部100は、データ処理部111と、配信制御部112と、バックアップ部113と、検出部114と、判定部115とを有する。データ処理部111は、ハードディスクに対するデータの記録に関する処理を制御する。詳細には、データ処理部111は、端子を介してハードディスクに対してデータ(プログラムを表すデータを含む)を書き込み、変更し、読み出し、又は削除する。データ処理部111は、例えば、配信制御部112又はバックアップ部113から指示されることで、これらの処理を実行する。
【0023】
配信制御部112は、ホスト装置20からのデータの配信を制御する。詳細には、配信制御部112は、ホスト装置20から送信された配信される予定のデータが記述されたリストから、カラオケ端末10に対して配信させるデータを選択し、選択したデータを配信するようホスト装置20に対して要求する。配信制御部112は、この選択を、図4に示す制御データ530(又は630)に記述されたデータ配信の設定情報に基づいて行う。この設定情報には、例えば、カラオケ端末10で用いられる楽曲データ及び映像データの範囲や、これらのデータのバージョンが示されている。また、配信制御部112は、要求したデータがホスト装置20から送信されると、これらのデータをデータ処理部111に供給し、ハードディスクへの書き込みを指示する。
【0024】
バックアップ部113は、第1端子300に接続するハードディスクのデータを、第2端子400に接続するハードディスクにバックアップする。詳細には、バックアップ部113は、データ処理部111を指示して、第1ハードディスク500に格納されたデータを読み出させ、そこから第2ハードディスク600と内容が共通するデータを選択し、これらのデータを第1ハードディスク500から読み出させると共に第2ハードディスク600に書き込ませる。バックアップ部113は、この処理を、図4に示す制御データ530(又は630)により示される設定に基づいて実行する。
【0025】
検出部114は、ハードディスクに格納されている識別データを検出する。本実施形態においては、検出部114は、第1ハードディスク500から識別データ540(すなわち「端子1」という文字列を示すデータ)を検出し、第2ハードディスク600から識別データ640(すなわち「端子2」という文字列を示すデータ)を検出する。
判定部115は、第1端子300と、第1端子300に接続されているハードディスクに格納されている識別データにより表される端子とが一致するか否かを判定する。詳細には、まず、記憶部102が記憶する上述した設定データには、図6に示す識別データと端子との対応付けが示されている。
【0026】
図6は、各識別データと各端子との対応付けを示す図である。設定データには、この図に示されるように、識別データは、文字列で示されており、その文字列の内容が「端子1」であれば、第1端子300と対応し、「端子2」であれば、第2端子400と対応していることが示されている。判定部115は、設定データを参照して、第1端子300に接続されたハードディスクから検出した識別データが「端子1」という文字列を示すデータであれば、第1端子300と、この識別データが示す端子とが一致すると判定し、この識別データが「端子1」という文字列を示すデータでなければ、一致しないと判定する。図4に示す状態であれば、第1端子300に接続された第1ハードディスク500に格納された識別データ540が「端子1」という文字列を示すデータであるため、判定部115は、第1端子300と、この識別データが示す端子とが一致すると判定する。判定部115は、第2端子400に対しても同様に判定を行う。
【0027】
図7は、判定部115による判定の結果に応じて動作する機能の機能ブロックを示す図である。制限部116は、判定部115が一致しない(否)と判定した結果が1つでもある場合に、第1端子300及び第2端子400に接続するハードディスクに対して、各端子に対応する処理を実行しないように制限する。ここにおいて、各端子に対応する処理とは、接続されるべきストレージが各端子にそれぞれ接続されている場合に、これらのストレージに対してそれぞれ格納すべきデータを書き込み、変更し、読み出し、又は削除する処理である。また、各端子に対応する処理には、これらの処理を指示する処理及びこれらの処理に結びつく動作を要求する処理も含まれる。各端子に対応する処理は、例えば、データ処理部111が第1ハードディスク500に格納すべきデータ、つまり、第1楽曲データ550又は第1映像データ560を書き込む処理である。また、各端子に対応する処理は、配信制御部112がデータの配信を要求する処理であり、バックアップ部113がバックアップを指示する処理である。言い換えれば、これらの各部は、判定部115により各ハードディスクがいずれも接続されるべき端子に接続されていると判定された場合には、制限部116による処理の制限がされないため、各ストレージに対して、これらのハードディスクがそれぞれ接続している端子に対応する処理を実行する。制限部116により処理を制限された各部は、その処理を実行中であればそれを途中で停止し、実行前であればその処理を実行することなく中止する。制限部116は、図4に示す制御データ530(又は630)により示される各設定に基づいて、各端子に対応する処理を制限する。
【0028】
切り替え部117は、制限部116によりハードディスクへの処理が制限されている状態、つまり、判定部115が一致しない(否)と判定した結果が1つでもあった状態において動作する。切り替え部117は、この状態から、各端子に接続されている各ハードディスクに対して、各ハードディスクに格納されている識別データにより表されるハードディスクが接続されるべき端子に対応する処理を実行する状態に切り替える。詳細には、切り替え部117は、「端子1」が第2端子400と対応し、「端子2」が第1端子300と対応することを示すデータをROMに書き加える。これにより、判定部115は、例えば、第1端子300に接続されたハードディスクから検出した識別データが「端子2」という文字列を示すデータであれば、第1端子300と、この識別データが示す端子とが一致すると判定する。切り替え部117は、上記切り替えの処理を、それが可能な場合に実行する。この場合について、図8を参照しながら説明する。
【0029】
図8は、端子の切り替えが可能な状態を説明するための図である。図8(a)は、端子とハードディスクとが対応するもの同士正しく接続された状態であるカラオケ端末(すなわち、本実施形態のカラオケ端末10)を示している。図8(b)、(c)、(d)は、第1端子300及び第2端子400のいずれか又はいずれもが、対応しないハードディスクと誤って接続された状態のカラオケ端末10の例を示している。図8(b)では、カラオケ端末10は、第1端子300に第2ハードディスク600が接続され、第2端子400に第1ハードディスク500が接続されている状態が示されている。つまり、この例においては、各端子に対応するハードディスクの組み合わせ(第1ハードディスク500及び第2ハードディスク600)は、各端子に接続しているハードディスクの組み合わせ(第2ハードディスク600及び第1ハードディスク500)と一致しているが、これらの端子には、各々に対応するハードディスクと反対のハードディスクが接続している。この状態の場合、切り替え部117が上記切り替えを行うことで、第1端子300及び第2端子400には、各々に対応するハードディスクがそれぞれ接続することになる。つまり、図8(b)に示される状態は、上述した端子の切り替えが可能な状態である。
【0030】
図8(c)では、第1端子300及び第2端子400のいずれにも第1ハードディスク500が接続されている状態が示されている。また、図8(d)では、第1端子300には第1ハードディスク500が接続されているが、第2端子400には第1ハードディスク500とも第2ハードディスク600とも異なる第3ハードディスクが接続されている状態が示されている。これらの状態では、切り替え部117により上記切り替えが行われても、第1端子300及び第2端子400には、各々に対応するハードディスクがそれぞれ接続されることがない。つまり、図8(c)、(d)に示される状態は、上述した端子の切り替えが可能な状態ではない。
まとめると、端子の切り替えが可能な状態とは、切り替え部117が切り替えの処理を行うことでハードディスクが正しく接続される状態のことであり、詳細には、ハードディスクの接続が誤っており、かつ、ハードディスクの組み合わせが正しい状態である。
【0031】
以上のとおり、制御部100において、データ処理部111、配信制御部112、バックアップ部113、検出部114、制限部116及び切り替え部117が協働することで、本発明に係る「実行手段」の機能を実現する。これら各部は、図4に示す制御データ530(又は630)又は記憶部102に記憶された設定データにより示される各設定に基づいて、各端子に接続されたハードディスクに対して、それぞれ接続する端子に対応する処理を実行する。
【0032】
図9は、上述した履歴データに関する機能の機能ブロックを示す図である。生成部118は、データ処理部111、配信制御部112、バックアップ部113、検出部114、判定部115、制限部116及び切り替え部117から、各部が実行した処理の履歴を示すデータを供給され、供給されたデータにより示される処理の履歴を示す履歴データを生成する。例えば、履歴データには、判定部115が上述した判定を行った結果の履歴が示されている。生成部118は、生成した履歴データを出力部119に供給する。出力部119は、供給された履歴データを通信部210を介して図1に示すホスト装置20に出力する。
【0033】
図10は、履歴データの一例を示す図である。履歴データには、処理が実行された時刻(処理時刻)、処理を実行した機能及び処理の内容が示されている。この例では、時刻1に配信制御部112がデータ処理部111に対して第1ハードディスク(HD)500へのデータの書き込みを指示したことが示され、時刻2にデータ処理部111がそのデータを第1ハードディスク500へ書き込んだことが示されている。また、時刻3にバックアップ部113がデータ処理部111に対してバックアップの動作を指示したことが示され、時刻4にデータ処理部111が第1ハードディスク(HD)からデータを読み出し、そのデータを第2ハードディスク600へ書き込んだことが示されている。また、時刻11に検出部114が検出した結果から、時刻12に判定部115が端子とハードディスクとの接続が誤っていると判定したことが示されている。その結果、時刻13に制限部116が各部により実行される処理の内容を制限し、時刻14に配信制御部112がデータを要求する動作を中止し、そして、時刻15にバックアップ部113がバックアップを指示する動作を中止したことが示されている。なお、履歴データには、制限部116により制限されて実行されなかった処理であっても、それが実行されなかったこと(中止されたこと)が履歴として示される。
【0034】
次に、実施形態に係るカラオケ端末10の制御部100の動作について説明する。
図11は、制御部100の動作を示すフローチャートである。制御部100は、カラオケ端末10に電源が投入されることを契機に動作を開始する。まず、制御部100は、第1端子300に接続するハードディスクである第1ハードディスク500から、識別データ540(文字列「端子1」)を検出する(ステップS10)。続いて、制御部100は、第2端子400に接続するハードディスクである第2ハードディスク600から、識別データ640(文字列「端子2」)を検出する(ステップS20)。そして、制御部100は、検出した識別データにより示される端子が、その識別データを格納するハードディスクが接続された端子と異なるか否かを判定する(ステップS30)。
【0035】
カラオケ端末10が図8(a)に示す状態である場合、制御部100は、文字列「端子1」が示す第1端子300が、第1ハードディスク500が接続された端子と異ならない(否)と判定する。ステップS30において否と判定した場合(ステップS30:No)、制御部100は、正常モードでの処理を行う(ステップS40)。ここにおいて、正常モードとは、各々に対応するハードディスクが各端子に接続されている正常な状態でカラオケ端末10を動作させるモードのことをいい、例えば、上述した配信制御部112やデータ処理部111、バックアップ部113による処理を制限することなく実行するモードをいう。
【0036】
カラオケ端末が図8(b)、(c)、(d)に示す各状態である場合、制御部100は、識別データにより示される端子のうちの少なくとも1つが、その識別データを格納するハードディスクが接続された端子と異なると判定する。この場合、制御部100は、ステップS30において異なると判定し(ステップS30:Yes)、制限モードでの処理を行う(ステップS50)。ここにおいて、制限モードとは、正常モードで実行される処理の一部を実行しないように制限する(すなわち、正常モードよりも動作を制限する)モードをいい、詳細には、上述した制限部116が処理を行う状態をいう。これにより、接続が誤っている状態において、各ハードディスクに本来格納すべきデータとは異なるデータが格納され続けることがなくなり、正しい接続への移行が容易な状態が維持される。
【0037】
続いて、制御部100は、各端子に接続されているハードディスクの組み合わせが、各端子に対応するハードディスクの組み合わせと一致するか否かを判断する(ステップS60)。カラオケ端末10が図8(b)に示す状態であれば、制御部100は、これらの組み合わせが一致すると判断し(ステップS60:Yes)、切り替えモードでの処理を行う(ステップS70)。ここにおいて、切り替えモードとは、上述した端子の切り替えを実行した後に、上記正常モードでの処理を実行するモードをいう。また、カラオケ端末10が図8(c)、(d)に示す状態であれば、制御部100は、ステップS60において否と判断し(ステップS60:No)、切り替えを行わずに処理を終了する。
【0038】
ところで、カラオケ端末10において、端子に接続しているハードディスクがその端子に対応するハードディスクでない(接続が誤っている)場合に、上述した正常モードで動作を続けると、カラオケ端末10が提供する機能に支障を来すことがある。例えば、第1端子300に第2ハードディスク600が接続され、第2端子400に第1ハードディスク500が接続されている場合、第2ハードディスク600には、第1ハードディスク500に配信されるべき第1映像データ及び第1楽曲データを含む各種データが配信される。第2ハードディスク600は、上述のとおり第1ハードディスク500よりも容量が小さいため、第1映像データと第1楽曲データを格納しきれない。このため、カラオケ端末10では、データの配信が受けられない状態になり、再生されるはずの映像や楽曲が再生されなくなったり、再生されるはずの映像と異なる映像が再生されたりする。
【0039】
また、第2ハードディスク600は、第1映像データと第1楽曲データが配信されると空き容量がほとんどなくなる。このため、管理用プログラム620を実行しようとしても、データを書き込めなくなって処理が極端に遅くなったり、実行できない状態になったりする。また、この状態のままバックアップ処理が実行されると、バックアップされる側のデータ(この場合、第2端子400に接続されている第1ハードディスク500に格納されるデータ)も、本来格納すべきデータとは異なったものになる。このため、接続が誤った状態のまま使用を続けてデータが追加され、変更され、又は削除されるほど、元のデータの状態(接続が誤った状態で使用を開始する前の状態)に復旧するための作業が困難になる。
【0040】
図9に示す生成部118が生成する履歴データは、例えば数十文字単位のテキストデータが制御部100の動作の度に蓄積されたものであるため、映像データや楽曲データに比べて容量が小さいデータである。このため、生成部118は、上述した接続が誤った状態はもちろん、第2ハードディスク600の空き容量がほとんどなくなった状態においても、履歴データを生成し続ける。この履歴データは、時間が経過するに連れて、多くの履歴が蓄積されたデータとなる。出力部119は、例えば、カラオケ端末10に電源が投入されて各プログラムが起動された時点や、その後例えば12時間又は24時間等の予め定められた時間が経過した時点などに、その時点までの履歴が蓄積された履歴データをホスト装置20に出力する。
【0041】
図2に示す通知部22は、上記履歴データが通信部23を介して供給されると、供給された履歴データが示す制限部116による処理の有無から、端子とハードディスクの接続が正しくされているか否かを判断する。接続が正しくされていないと判断すると、通知部22は、その旨を伝える情報などの予め定められた情報を電子メール等の手段で上述したオペレータ及び保守作業員に通知する。また、通知部22は、その後も供給される履歴データに、接続が正しくされていない状態が例えば10回又は20回等予め定められた回数続いていることが示されていた場合、再度その旨をオペレータ及び保守作業員に通知する。通知部22による通知は、ハードディスクを接続し直す作業が実行され、又は切り替え部117による切り替えの処理が実行されることで、接続が正しくされた状態になるまで行われる。通知部22は、本発明に係る「通知手段」の一例に相当する。以上のとおりカラオケ端末10及びホスト装置20において各制御部が動作することで、端子とハードディスクとが正しく接続されるよう促される。
【0042】
また、制御部100は、誤った接続と判定すると、各ハードディスクに対するデータの処理を上述のとおり制限する。このため、データの追加、変更又は削除も制限され、接続が誤った状態のまま正常モードで使用を続けた場合に比べて、元のデータの状態に近い状態、つまり、元のデータへの移行が容易な状態を維持することができる。また、接続されているハードディスクは誤っているが、ハードディスクの組み合わせは正しい場合、制御部100は、接続している端子を上述のとおり切り替え、保守作業員による作業を待たずとも迅速に正しい接続に切り替えることができる。
【0043】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように種々の応用・変形が可能であり、また、必要に応じて組み合わせることも可能である。
【0044】
(変形例1)
本発明において、識別データは、「端子」+数字の文字列以外のものであっても良い。例えば、単に数字だけであっても良いし、数字の代わりにアルファベットを用いても良い。また、識別データは、意味のある文字列でなくても良く、例えば、ハードディスクのシリアル番号等を用いても良い。また、ハードディスクの容量が識別データとして用いられても良い。この場合、容量が閾値より大きければ第1端子300に接続されるべきハードディスクと識別し、閾値以下であれば第2端子400に接続されるべきハードディスクと判定すれば良い。つまり、識別データは、そのハードディスクから検出可能なデータであり、そのハードディスクが接続されるべき端子を示すものであれば良く、その識別データがどのような値である場合にどの端子と対応するかという関係を示すデータが記憶部102に記憶されていれば良い。
【0045】
図12は、本変形例に係る各識別データと各端子との対応付けの例を示す図である。図12(a)は、ハードディスクのシリアル番号に対して端子を対応付けた例を示している。図12(b)は、ハードディスクの容量の大きさによって端子を対応付けた例を示している。この例の場合、容量が5TB(テラバイト)以上であれば、第1楽音データや第1映像データを格納できる容量があるハードディスクであるとして、第1端子と対応付けている。図12(c)は、決められたデータを格納しているか否かによって端子を対応付けた例を示している。この例の場合、第1楽音データを格納しているハードディスクを第1端子と対応付け、格納していないハードディスクを第2端子と対応付けている。上記のいずれの場合も、記憶部102に記憶されている設定データにこれらの対応付けを示しておき、制御部100がその設定データを参照して端子とハードディスクとの対応を判定すればよい。
【0046】
(変形例2)
本発明においては、検出部114は、識別データ以外のデータから、各ハードディスクが接続されるべき端子を検出しても良い。例えば、検出部114は、第1ハードディスク500に格納され、第2ハードディスク600には格納されていない種類のデータ(例えば、第1映像データ560や第1楽曲データ550)がある場合、それらのデータを検出すれば良い。この場合、識別データを予め格納しておかなくとも、接続が正しいか否かを判定することができる。
【0047】
(変形例3)
本発明においては、制御部100は、ステップS60、S70の処理(端子の切り替え)を行わなくとも良い。例えば、第1端子300と第2端子400とが他の端子や装置と対応している場合、正しい接続がされた状態にするためには、これらの対応も切り替えなければならない。このような場合は、制御部100は、ハードディスクへの処理を制限するだけで、物理的に端子の接続を切り替えられるのを待つように動作すれば良い。
【0048】
(変形例4)
本発明においては、制御部100は、端子の切り替えを、ハードディスクに格納されているデータを相互に移行することで行っても良い。例えば、図8(b)に示す状態において、制御部100は、第1ハードディスク500に格納されたデータを第2ハードディスク600に移行し、第2ハードディスク600に格納されたデータを第1ハードディスク500に移行しても良い。ただし、この場合、第2ハードディスク600には、第1楽曲データ550及び第1映像データ560を格納するだけの容量を有するハードディスクが用いられる必要がある。
【0049】
(変形例5)
本発明において、ハードディスクと接続する端子は、2つに限らず、3つ以上であっても良く、これらの端子が、各々に対応するハードディスクが予め定められていれば良い。この場合、カラオケ端末の制御部は、これらの端子が、それぞれ接続しているハードディスクに格納されている識別データにより表される端子と一致する場合、正常モードで動作し、一致しない場合、制限モードで動作すれば良い。
【0050】
(変形例6)
本発明において、制御部100は、上述した実施形態においては、接続が誤っているハードディスクが1つでもあれば、制限モードでの処理を実行したが、接続が誤っているハードディスクに対してのみ制限モードでの処理を実行しても良い。言い換えれば、制御部100は、複数のハードディスクのうちの一部のハードディスクにおける処理を制限しても良い。これにより、例えば、図8(d)に示す状態(第1端子300の接続は正しく、第2端子400の接続のみが正しくない状態)において、第1ハードディスク500を用いて正常モードでのカラオケ機能を提供することが可能な状態であるにも関わらず、制限モードで動作するため配信された楽曲データが格納されないという事態を防止することができる。
【0051】
(変形例7)
第1端子300及び第2端子400には、上述した実施形態では、ハードディスクが接続されていたが、これに限らない。データを格納可能なものであれば、例えばSSD(Solid State Drive)等の他のストレージであっても良い。
【0052】
(変形例8)
本発明に係る端末装置は、上述した実施形態ではカラオケ端末であったが、これに限らず、複数のストレージを備え、これらに接続されるべき端子がそれぞれ対応付けられているものであれば、どのような端末装置であっても良い。この場合であっても、本発明に係る端末装置は、複数のストレージのいずれもがそれぞれ接続されるべき端子に接続されているか否かを識別データにより判定し、否と判定された場合には各端子に対応する処理を各ストレージに対して実行しないように制限することで、これら複数のストレージにそれぞれ格納されているデータを、接続されるべき端子に接続されたストレージにおいて処理される状態に容易に移行できる状態でそれぞれ維持することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…通信システム、10…カラオケ端末、100…制御部、101…CPU、102…記憶部、103…制御プログラム、111…データ処理部、112…配信制御部、113…バックアップ部、114…検出部、115…判定部、116…制限部、117…切り替え部、118…生成部、119…出力部、210…通信部、220…操作部、240…ディスプレイ、300…第1端子、400…第2端子、500…第1ハードディスク、510、610…カラオケ用プログラム、520、620…管理用プログラム、530、630…制御データ、540、640…識別データ、550…第1楽曲データ、560…第1映像データ、570、670…第2楽曲データ、580、680…第2映像データ、600…第2ハードディスク、20…ホスト装置、21…制御部、22…通知部、23…通信部、24…表示部、25…操作部、26…記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されるべき端子を示す識別データを有するストレージが各々接続される複数の端子と、
前記複数の端子にそれぞれ接続されたストレージが有する前記識別データを参照して当該ストレージが接続されるべき端子に接続されているか否かを判定する判定手段と、
複数の前記ストレージのいずれもが接続されるべき端子に接続されていると前記判定手段により判定された場合に、前記端子に接続されたストレージに対して当該端子に対応する処理を実行し、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合には、前記処理を実行しない実行手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記実行手段は、複数の前記ストレージに対して前記処理を実行しない状態において、複数の当該ストレージが接続されるべき端子の組み合わせと前記複数の端子の組み合わせとが一致する場合に、複数の当該ストレージのそれぞれを、当該状態から、前記処理を実行する状態に切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記判定手段が判定した結果の履歴を示す履歴データを生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した履歴データを出力する出力手段とを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
外部装置とネットワークを介して通信する通信手段を備え、
前記実行手段は、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合に、前記通信手段を介して前記外部装置が配信する配信データを前記ストレージに格納する処理を実行しない
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の端末装置と、
前記ネットワークを介して受信した前記出力手段により出力された履歴データから、前記判定手段が複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定した結果が示された場合に、予め定められた情報を通知する通知手段を備えるホスト装置と
を具備することを特徴とする通信システム。
【請求項1】
接続されるべき端子を示す識別データを有するストレージが各々接続される複数の端子と、
前記複数の端子にそれぞれ接続されたストレージが有する前記識別データを参照して当該ストレージが接続されるべき端子に接続されているか否かを判定する判定手段と、
複数の前記ストレージのいずれもが接続されるべき端子に接続されていると前記判定手段により判定された場合に、前記端子に接続されたストレージに対して当該端子に対応する処理を実行し、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合には、前記処理を実行しない実行手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記実行手段は、複数の前記ストレージに対して前記処理を実行しない状態において、複数の当該ストレージが接続されるべき端子の組み合わせと前記複数の端子の組み合わせとが一致する場合に、複数の当該ストレージのそれぞれを、当該状態から、前記処理を実行する状態に切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記判定手段が判定した結果の履歴を示す履歴データを生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した履歴データを出力する出力手段とを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
外部装置とネットワークを介して通信する通信手段を備え、
前記実行手段は、前記判定手段により複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定された場合に、前記通信手段を介して前記外部装置が配信する配信データを前記ストレージに格納する処理を実行しない
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の端末装置と、
前記ネットワークを介して受信した前記出力手段により出力された履歴データから、前記判定手段が複数の前記ストレージのうち1つでも否と判定した結果が示された場合に、予め定められた情報を通知する通知手段を備えるホスト装置と
を具備することを特徴とする通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−174177(P2012−174177A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38253(P2011−38253)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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