説明

端部シール部材の製造方法、端部シール部材、燃料電池の製造方法及び燃料電池

【課題】ガス不透過性及び電解質に対する耐食性を向上させたリン酸型燃料電池を提供する。
【解決手段】セパレータ142の主面に樹脂シート132b及びスペーサ材132aを順に複数積層する工程と、最上層のスペーサ材132aとセパレータ142との距離を、加熱しながら縮める工程とによって、樹脂シート132b及びスペーサ材132aが熱融着して、ガス不透過性及び電解質に対する耐食性を備えた端部シール部材132が形成される。また、このような端部シール部材132が用いられた燃料電池は信頼性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端部シール部材の製造方法、端部シール部材、燃料電池の製造方法及び燃料電池に関し、特に、燃料電池を構成する端部シールの製造方法、燃料電池を構成する端部シール部材、端部シール部材を有する燃料電池の製造方法及び端部シール部材を有する燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)は、電解質層にリン酸溶液を保持させ、燃料ガス(例えば、水素)及び空気ガス(例えば、酸素)を燃料極及び空気極にそれぞれ連続的に供給して、これらを反応させて得られるエネルギーを電気化学的に電気エネルギーに変換するものである。
【0003】
図6はリン酸型燃料電池の単位セルの斜視図である。
燃料電池を構成する単位セル200は、対極を構成する電極部211,212と、電極部211,212にそれぞれガスを供給するためのガス流路221a,222aを備えたリブ付の多孔質基材221,222とを有する。さらに、単位セル200のガス流路221a,222aと平行に相対する二辺の多孔質基材221,222の両端部部分に、ガス不透過性の端部シール部材231,232が配置され、さらに、ガス遮蔽板であるセパレータ241,242が上下面を封止するように配置されている。
【0004】
電極部211は、多孔質基材221を介して供給されるガスの構成分子から電子とイオンとに分けて、電子を図示しない外部回路へ、イオンを電極部212側へ供給する。電極部212は、多孔質基材222を介して供給されるガスと、外部回路からの電子と、電極部211からのイオンとが反応する。例えば、電極部211で、ガスを構成する水素分子が電子と水素イオンとに分解され、電子は外部回路へ、水素イオンは電極部212側へ供給される。電極部212で、多孔質基材222から酸素分子と、外部回路からの電子と、電極部211からの水素イオンとが反応して水が生成される。
【0005】
多孔質基材221,222は、電極部211,212にそれぞれ接触して配置されており、多孔質の材料から構成されている。多孔質基材221,222は、ガス流路221a,222aが形成されており、ガス流路221a,222aから取り込まれたガスが電極部211,212にそれぞれ供給される。なお、多孔質基材221,222はガス流路221a,222aのガスの流路方向が互いに直交するように電極部211,212に配置されている。
【0006】
端部シール部材231,232は、ガス流路221a,222aからそれぞれ取り込まれるガスが単位セル200内で混合しないようにガス不透過性を有する部材によって構成されており、ガス流路221a,222aと平行に相対する二辺の多孔質基材221,222のそれぞれの両端部部分に形成されている。
【0007】
セパレータ241,242は、ガス流路221a,222aからそれぞれ取り込まれるガスを遮蔽する炭素板等により構成されており、多孔質基材221,222及び端部シール部材231,232上にそれぞれ配置されている。
【0008】
このように構成される単位セル200が複数積層されて燃料電池が形成される。
また、このような単位セル200において、端部シール部材231,232に膨張黒鉛シートを用いることで、気密性をより向上させてガス漏れを防ぎ(例えば、特許文献1参照)、また、ガス流路221a,222aの各々の断面積を所定の比率にすることで、単位セルの性能を保持しつつ、単位セル自体の厚さを薄くすることができる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−23654号公報
【特許文献2】特開平7−6773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1,2よりも、ガス不透過性をより向上させるために、本発明は、ガス不透過性及び電解質に対する耐食性が向上した端部シール部材の製造方法及び端部シール部材、並びにこのような端部シール部材を有する燃料電池の製造方法及び燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、燃料電池を構成する端部シール部材の製造方法が提供される。
このような端部シール部材の製造方法は、セパレータの主面に樹脂シート及びスペーサ材を順に複数積層する工程と、最上層の前記スペーサ材と前記セパレータとの距離を、加熱しながら縮める工程と、を有する。
【0011】
また、燃料電池の製造方法はこのような端部シール部材の製造方法を有する。
このような端部シール部材の製造方法、及び燃料電池の製造方法によれば、セパレータの主面に樹脂シート及びスペーサ材が順に複数積層され、最上層のスペーサ材とセパレータとの距離が、加熱しながら縮められて、端部シール部材、及びこのような端部シール部材を有する燃料電池が形成されるようになる。
【発明の効果】
【0012】
上記端部シールの製造方法、及び燃料電池の製造方法では、ガス不透過性及び耐食性を備える端部シール部材、及び信頼性が向上した燃料電池を製造する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は実施の形態に係る端部シール部材のプレス手段による形成を説明するための斜視図である。
【0014】
燃料電池に用いられる端部シール部材132を形成するためのプレス手段15は、載置台151と、載置台151と対向して配置された押圧板152とで構成されている。このようなプレス手段15では、載置台151の所定の位置に載置させた対象物を、図示しない加熱手段で加熱しながら、押圧板152を降下させて対象物をプレスする。以下に、対象物である端部シール部材132の具体的な形成方法について説明する。
【0015】
まず、このようなプレス手段15の載置台151にセパレータ142を載置する。セパレータ142上に所定の間隔をおいて二か所に、樹脂シート132b及びスペーサ材132aを順に複数積層させてそれぞれ配置する。
【0016】
次いで、押圧板152を降下させて、複数積層させたスペーサ材132a及び樹脂シート132bを、図示しない加熱手段によって加熱しながら押圧する。
樹脂シート132bは溶融するために、複数積層させたスペーサ材132a及び樹脂シート132bは密着性よく熱融着する。熱融着後、冷却して、一対の端部シール部材132が形成される。
【0017】
上記のように、セパレータ142上に複数積層させたスペーサ材132a及び樹脂シート132bを熱融着させることにより、密着性が向上し、ガス不透過性及び耐食性を有する端部シール部材132が形成される。また、このような端部シール部材132を有する燃料電池は燃料ガス等の漏れが抑制されるために信頼性が向上する。
【0018】
上記端部シール部材132が適用された燃料電池について説明する。
図2は燃料電池の斜視図である。なお、図2に示される燃料電池100は、単位セル10が2層積層されて構成されている。
【0019】
単位セル10は、燃料極側に、燃料電極部111と、燃料電極部111に接して配置された、水素分子を含有する燃料ガスのガス流路121aを有する多孔質基材121とを有する。空気極側に、空気電極部112と、空気電極部112と接して配置された酸素分子を含有する空気ガスのガス流路122aを有する多孔質基材122とを有する。さらに、これらの構成に、ガス流路121a,122aと平行に相対する二辺の多孔質基材121,122のそれぞれの両端部部分に、燃料極側の端部シール部材131及び空気極側の端部シール部材132がそれぞれ備えられている。また、ガス遮蔽板である燃料極側のセパレータ141及び空気極側のセパレータ142がそれぞれ積層されている。
【0020】
燃料電極部111は、多孔質基材121側から順に、燃料極基材と、燃料極触媒層と、電解質層とが積層されて構成されている。なお、燃料電極部111の各構成の図示は省略している。
【0021】
燃料極基材は、例えば、多孔質の炭素板により構成されている。燃料極基材は、多孔質基材121を介して供給される燃料ガスを電子と水素イオンとに分けて、電子を図示しない外部回路へ、水素イオンを空気電極部112側へ供給する。燃料極触媒層は、例えば、白金の微粒子を炭素粉末に担持させた触媒とテフロン(登録商標)とから構成されており、燃料極基材での化学反応を促進させる。電解質層はリン酸溶液を、例えば、珪化炭素基板に含ませて構成されて、燃料極基材からの水素イオンが通過する。
【0022】
多孔質基材121は、燃料電極部111に接触して配置されており、多孔質の材料から構成されている。多孔質基材121は、水素分子を含有する燃料ガスをガス流路121aから取り込み、燃料ガスが燃料電極部111の燃料極基材に供給される。
【0023】
空気電極部112は、多孔質基材122側から順に、空気極基材と、空気極触媒層と、電解質層とが積層されて構成されている。なお、空気電極部112の各構成の記載は省略している。
【0024】
空気極基材は、例えば、多孔質の炭素板により構成されている。空気極基材では、多孔質基材122を介して供給される空気ガスが含有する酸素分子と、外部回路からの電子と、燃料極基材からの水素イオンとが反応して、水が生成される。なお、上記の燃料電極部111と同様に、空気極触媒層は空気極基材での化学反応を促進させて、電解質層はリン酸溶液で構成されて、燃料電極部111からの水素イオンが通過する。
【0025】
多孔質基材122は、空気電極部112の空気極基材に接触して配置されており、多孔質の材料から構成されている。多孔質基材122は、酸素分子を含有する空気ガスのガス流路122aが形成されており、ガス流路122aから取り込まれた空気ガスが空気極基材に供給される。なお、多孔質基材122は、多孔質基材121に対して互いの流路の方向が直交するように配置されている。
【0026】
端部シール部材131,132はガス流路121a,122aと平行に相対する二辺の多孔質基材121,122のそれぞれの両端部部分に備えられている。端部シール部材131,132は、樹脂シート131b,132bとスペーサ材131a,132aとが順にそれぞれ複数積層されて構成されている。スペーサ材131a,132aは後述するセパレータ141,142と同じ部材で構成されている。
【0027】
セパレータ141,142は、黒鉛化された炭素板が用いられており、ガス不透過性を有するとともに、電解質に対する耐食性も備える。また、このような部材の他に、耐食性の高いステンレスやチタン等の特殊金属を用いても構わない。上記の通り、スペーサ材131a,132aもこのような部材が用いられる。セパレータ141,142は、燃料極側及び空気極側において、多孔質基材121,122及び端部シール部材131,132上に積層されており、ガス漏れを防ぐだけでなく、単位セル10を冷却する役割も担っている。
【0028】
次に、上記端部シール部材131,132の別の形成方法について説明する。
図3は膨張黒鉛シートを用いた端部シール部材のプレス手段による形成を説明するための斜視図である。
【0029】
端部シール部材132を形成するためのプレス手段150は、上記図1と同様に、載置台151と、載置台151と対向して配置された押圧板152とで構成されている。さらに、押圧板152のプレス面には、形成される端部シール部材132の寸法及び配置間隔に応じて、新たに、膨張黒鉛シート153が配置されている。このようなプレス手段150では、載置台151の所定の位置に載置させた対象物を、図示しない加熱手段で加熱しながら、押圧板152を降下させて膨張黒鉛シート153を介してプレスする。以下に、対象物である端部シール部材132の具体的な形成方法について説明する。
【0030】
まず、このようなプレス手段150の載置台151にセパレータ142を載置する。セパレータ142上に所定の間隔をおいて二か所に、樹脂シート132b及びスペーサ材132aを順に複数積層させてそれぞれ配置する。
【0031】
次いで、押圧板152を降下させて、最上層のスペーサ材132aに膨張黒鉛シート153を配置させて、押圧板152でスペーサ材132a及び樹脂シート132bを図示しない加熱手段によって加熱しながら、押圧する。加熱温度が上昇するにつれて、樹脂シート132bは溶け出し、膨張黒鉛シート153は熱膨張する。押圧板152に加えて、熱膨張した膨張黒鉛シート153からの押圧によって、溶融した樹脂シート132bと、スペーサ材132aとが密着性よく熱融着し、ガス不透過性を有する融着構造の端部シール部材132が形成される。
【0032】
一方、押圧板152のみを所定の距離だけ降下させて、載置板151との距離を縮めて、複数積層したスペーサ材132a及び樹脂シート132bを加熱しながら押圧すると、上記図1のように樹脂シート132bはスペーサ材132aとが熱融着する。この時、樹脂シート132bは溶融して軟化するため、樹脂シート132bからの厚さ方向への圧力は低下する。また、所定の距離だけ降下させた押圧板152と載置板151との隙間は一定であるため、スペーサ材132aと樹脂シート132bとをさらに押圧することができず、樹脂シート132bが漏れ出す恐れがある。このようにして形成された端部シール部材132は密着性が低下している可能性がある。
【0033】
そこで、膨張黒鉛シート153を最上層のスペーサ材132aに配置させると、押圧板152と載置板151との隙間が一定になった後でも、膨張黒鉛シート153は熱膨張するために、押圧板152からの圧力を補うことが可能となる。このため、膨張黒鉛シート153を用いることにより、溶融した樹脂シート132bと、スペーサ材132aとが密着性よく熱融着し、ガス不透過性を有する融着構造の端部シール部材132を確実に形成することが可能となる。
【0034】
また、所定の熱融着温度時に膨張黒鉛シート153が所望の膨張寸法になるように、膨張黒鉛シート153の厚さを熱膨張係数に応じて予め設定することができる。こうすることで、端部シール部材132を所望の厚さに制御することができ、溶融した樹脂シート132bの過剰な漏れ出しを防止して、樹脂シート132bとスペーサ材132aとの融着不足によるガス不透過性の低下を抑えることができる。
【0035】
また、膨張黒鉛シート153の配置位置を次のようにして端部シール部材132を形成することもできる。
図4は膨張黒鉛シートを用いた端部シール部材の別のプレス手段による形成を説明するための正面図である。
【0036】
端部シール部材132を形成するために、膨張黒鉛シート153を、樹脂シート132bが形成されたセパレータ142の反対面に配置させても構わない(図4(A))。
この場合にも、加熱しながら、押圧板152を載置台152側へ降下させて、最上層のスペーサ材132a及び膨張黒鉛シート153をそれぞれ押圧して、上記と同様に端部シール部材132を形成することができる。
【0037】
または、膨張黒鉛シート153a,153bを、樹脂シート132bが形成されたセパレータ142の反対面及び最上層のスペーサ材132aにそれぞれ配置させても構わない(図4(B))。
【0038】
この場合にも、加熱しながら、押圧板152を載置台152側へ降下させて、膨張黒鉛シート153a,153bをそれぞれ押圧して、上記と同様に端部シール部材132を形成することができる。
【0039】
なお、端部シール部材131も上記の図3及び図4と同様にして形成することができる。
図5は単位セルの組み立て工程を説明するための斜視図である。
【0040】
セパレータ142と、セパレータ142の主面に所定の間隔をおいて二か所に形成された端部シール部材132とに対して、別途形成されたガス流路122aを有する多孔質基材122を嵌め込み、多孔質基材122の主面に空気電極部112を形成する。
【0041】
同様に燃料極側でも、セパレータ141と、セパレータ141の主面に所定の間隔をおいて二か所に形成された端部シール部材131とに対して、ガス流路121aを有する多孔質基材121を嵌め込み、多孔質基材121の主面に燃料電極部111を形成する。
【0042】
このようにして形成したものをガス流路121a,122aの流路方向が直交するように貼り合わせて単位セル10が形成され、単位セル10を複数積層することにより燃料電池100が構成される。
【0043】
上記のようにして形成された燃料電池100は、スペーサ材131a,132aはセパレータ141,142と同一の黒鉛化された炭素板であるため、電解質に対する耐食性に優れている。炭素板は厚すぎると黒鉛化時に破損する恐れがあるが、スペーサ材131a,132aは薄い状態で用いられるために、黒鉛化時の破損が抑制される。このようなスペーサ材131a,132a及び樹脂シート131b,132bを複数積層させて加熱させて、密着性よく熱融着して、ガス不透過性及び耐食性を有する端部シール部材131,132が形成される。さらに、樹脂シート131b,132bを過剰にはみ出さずにスペーサ材131a,132aに熱融着させて、所望の厚さの端部シール部材131,132を形成でき、端部シール部材131,132の寸法不良を抑制することができる。したがって、作成歩留りが改善されて、信頼性が高まった燃料電池100が提供される。
【0044】
以下、上記の方法を用いた端部シール部材132の形成について具体的に説明する。
なお、形成する端部シール部材132の目標の厚さを約1.9mmとする。
また、セパレータ141,142に、寸法が縦130mm×横130mm×厚さ0.6mmのガラス状カーボン板(SG−3(昭和電工(株)製))を用いた。
【0045】
スペーサ材131a,132aに、寸法が縦10mm×横130mm×厚さ0.6mmの上記のガラス状カーボン板を用いた。
樹脂シート131b,132bに、寸法が縦8mm×横130mm×厚さ50μmのPFAシートを用いた。
【0046】
膨張黒鉛シート153に、寸法が縦10mm×横130mm×厚さ1.8mmのPF180(東洋炭素(株)製、かさ密度:0.65g/cm3、熱膨張係数(厚さ方向):1×10-6/℃)を用いた。
【0047】
押圧板152を載置台151側に降下させて、加熱手段によって310℃で加熱しながら、スペーサ材132a及び樹脂シート132bを10分間、押圧する。なお、この時の押圧板152による圧力は比較的小さい0.29MPaとした。
【0048】
膨張黒鉛シート153は、温度が常温(25℃とする)から310℃まで上昇すると、厚さ方向に約0.05mm(=1.8×(310−25)×1×10-6)膨張する。このような膨張黒鉛シート153が配置されたプレス手段150によって、端部シール部材132は、膨張した膨張黒鉛シート153に押圧されるために、その厚さは目標である約1.9mmとなった。同様にして形成された端部シール部材131と端部シール部材132とを有する燃料電池100はガス漏れが発生せずに動作した。これは、押圧板152による圧力が弱くても、膨張黒鉛シート153の熱膨張による圧力がさらに加わることで、樹脂シート131b,132b及びスペーサ材131a,132aの間に十分な密着性が得られて融着したと考えられる。
【0049】
上記のようにして、スペーサ材131a,132a及び樹脂シート131b,132bを複数積層させて加熱させて、密着性よく熱融着させて、ガス不透過性及び耐食性を有する端部シール部材131,132が形成される。さらに、端部シール部材131,132の厚さを所望の寸法で形成でき、端部シール部材131,132の寸法不良を抑制することができる。したがって、作成歩留りが改善されて、信頼性が高まった燃料電池100が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施の形態に係る端部シール部材のプレス手段による形成を説明するための斜視図である。
【図2】燃料電池の斜視図である。
【図3】膨張黒鉛シートを用いた端部シール部材のプレス手段による形成を説明するための斜視図である。
【図4】膨張黒鉛シートを用いた端部シール部材の別のプレス手段による形成を説明するための正面図である。
【図5】単位セルの組み立て工程を説明するための斜視図である。
【図6】リン酸型燃料電池の単位セルの斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
10 単位セル
100 燃料電池
111 燃料電極部
112 空気電極部
121,122 多孔質基材
121a,122a ガス流路
131,132 端部シール部材
131a,132a スペーサ材
131b,132b 樹脂シート
141,142 セパレータ
150 プレス手段
151 載置台
152 押圧板
153,153a,153b 膨張黒鉛シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池を構成する端部シール部材の製造方法において、
セパレータの主面に樹脂シート及びスペーサ材を順に複数積層する工程と、
最上層の前記スペーサ材と前記セパレータとの距離を、加熱しながら縮める工程と、
を有することを特徴とする端部シール部材の製造方法。
【請求項2】
最上層の前記スペーサ材の表面又は前記セパレータの前記主面の反対面のいずれか一方に膨張黒鉛シートを配置する工程と、
前記膨張黒鉛シートと前記膨張黒鉛シートが配置されていない他方の面との距離を、加熱しながら縮める工程と、
を有することを特徴とする請求項1記載の端部シール部材の製造方法。
【請求項3】
最上層の前記スペーサ材の表面及び前記セパレータの前記主面の反対面に膨張黒鉛シートをそれぞれ配置する工程と、
一対の前記膨張黒鉛シートの距離を、加熱しながら縮める工程と、
を有することを特徴とする請求項1記載の端部シール部材の製造方法。
【請求項4】
燃料電池を構成する端部シール部材において、
セパレータの主面に樹脂シート及びスペーサ材が順に複数積層されて融着されたことを特徴とする端部シール部材。
【請求項5】
前記セパレータと前記スペーサ材とは同一の部材で構成されていることを特徴とする請求項4記載の端部シール部材。
【請求項6】
前記同一の部材は黒鉛化された炭素板であることを特徴とする請求項5記載の端部シール部材。
【請求項7】
端部シール部材を有する燃料電池の製造方法において、
セパレータの主面に樹脂シート及びスペーサ材を順に複数積層する工程と、
最上層の前記スペーサ材と前記セパレータとの距離を、加熱しながら縮めて前記端部シール部材を形成する工程と、
前記燃料電池の電極部に配置した多孔質基材の端部が前記端部シール部材に隣接して、前記多孔質基材を前記セパレータの前記主面に配置する工程と、
を有することを特徴とする燃料電池の製造方法。
【請求項8】
最上層の前記スペーサ材の表面又は前記セパレータの前記主面の反対面のいずれか一方に膨張黒鉛シートを配置する工程と、
前記膨張黒鉛シートと前記膨張黒鉛シートが配置されていない他方の面との距離を、加熱しながら縮めて前記端部シール部材を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項7記載の燃料電池の製造方法。
【請求項9】
最上層の前記スペーサ材の表面及び前記セパレータの前記主面の反対面に膨張黒鉛シートをそれぞれ配置する工程と、
一対の前記膨張黒鉛シートの距離を、加熱しながら縮めて前記端部シール部材を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項7記載の燃料電池の製造方法。
【請求項10】
電解質を保持した電解質層と、
前記電解質層を挟んで配置される、触媒層を備えた燃料電極部及び空気電極部と、
前記燃料電極部及び前記空気電極部にそれぞれ配置され、各々の電極部に燃料ガス及び空気ガスをそれぞれ供給する一対の多孔質基材と、
一対の前記多孔質基材が主面にそれぞれ配置される一対のセパレータと、
一対の前記セパレータの前記主面に配置され、一対の前記多孔質基材の端部と隣接される、樹脂シート及びスペーサ材が順に複数積層され融着された一対の端部シール部材と、
を有することを特徴とする燃料電池。
【請求項11】
前記セパレータと前記スペーサ材とは同一の部材で構成されていることを特徴とする請求項10記載の燃料電池。
【請求項12】
前記同一の部材は黒鉛化された炭素板であることを特徴とする請求項11記載の燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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