説明

競技用計時システム及び競技用計時方法。

【課題】競技者のラインへの到達時刻を正確に求めることのできる計時システム及び計時方法を実現する。
【解決手段】ループコイルに電流を通じて互いに反発2つの交流磁界111,211を発生させる。交流磁界111,211はフィニッシュラインL上で磁力を打ち消し合い、スリットを形成する。無線タグ70を装着する競技者RNはフィニッシュラインLに向けて走行する。無線タグ70は、交流磁界111、211を通過する際、それぞれの交流磁界を検出して無線タグIDを複数回送信する。交流磁界111を検出して送信されるタグIDの受信時刻のうち最も遅い時刻と、交流磁界211を検出して送信されるタグIDの受信時刻のうち最も早い時刻との和を2で除算した値をフィニッシュラインLへの到達時刻として求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競技用計時システム及び競技用計時方法に関する。特に、陸上競技等に適用され、競技者のタイムを正確に求めることのできる競技用計時システム及び競技用計時方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陸上競技等において、競技者個々に送信機を備えた無線タグを保持させ、この無線タグの送信機から送られる情報により、競技者のタイムを正確に測定する試みがなされている。
【0003】
このような無線タグを使用する競技者のタイムの測定方法の一例について説明する。走行する競技者のフィニッシュラインへの到達時刻を取得する場合、例えば、フィニッシュライン上に、単ループのコイルで上から見て楕円形状の磁界を発生させ、楕円の中心線がフィニッシュラインに重なるようにする。そして、磁界検出器と送信機とを備えた無線タグを競技者に保持させる。無線タグを保持した競技者は走行し、フィニッシュラインに到達する。このとき、フィニッシュライン上の磁界を無線タグに内蔵された磁界検出器が検出する。この磁界検出器による磁界の検出に応答して、無線タグの送信機は所定のID(識別番号等)を複数回送信する。複数回のIDの送信のうち、最初のIDの送信時刻(以下、STという)、又は最後の送信時刻(以下、ETという)或いは最初と最後の送信時刻の和の1/2の値に相当する時刻(以下、MTという)のいずれかをフィニッシュラインへの到達時刻として求める。
【0004】
かかる無線タグを使用する計時システムに関して、受信したIDの受信回数から、競技者の周回数をカウントする技術(特許文献1)や、無線タグの送信機をUHF帯の微弱送信機とすることで、送信機の通信距離の拡大を図る技術(特許文献2)が開示されている。これらの発明はいずれも単ループコイルを使用して磁界を発生させている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−141497号公報
【特許文献2】特開2004−125765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の単ループのコイルを使用する計時システムでは、フィニッシュラインへの到達時刻を正確に計時できない場合があった。具体的には、ST又はETを到達時刻とする場合、次のような問題点があった。
(1)磁界のエリアが上から見て楕円形をしている。このため、ループの中心付近でのフィニッシュラインの検出点とループの端のフィニッシュラインの検出点との位置に誤差が生じる。
(2)無線タグを複数使用する場合、無線タグ個々の磁界検出能力にばらつきがあるので、フィニッシュラインに対して同じ位置で反応するとは限らない。
(3)単ループコイルに流す電流を制御すると、磁界が変化するため、検出位置とフィニッシュラインとを合わせるのが困難である。
【0007】
また、MTを到達時刻とする場合、次のような問題点があった。
(1)競技者のフィニッシュラインの通過時のスピードが一定でない場合、ETの計時が影響をうけ、実際の通過時刻とMTとの間に誤差が生じる。例えば、競技者はフィニッシュラインを通過するとスピードを落としてしまうことがある。この場合、ETの計時が遅くなり、このため、MTは実際の通過時刻より遅くなる。つまり、フィニッシュライン通過後もスピードを落とさず走り抜けた方が、記録が良くなってしまう。
(2)磁界を小さくすれば、競技者の到達時刻の計時精度が向上する。しかし、磁界を小さくすれば、磁界の検出精度が低下し、計時を取りこぼしやすくなる。かといって流す電流を大きくして、検出精度を維持しようとすると、サイドロープが大きくなったり、楕円の幅が大きくなる。このため、計時精度の向上が困難である。
【0008】
これらの問題点のため、単ループのコイルを使用する計時システムでは、ST、ET、MTのいずれを到達時刻とした場合でも、競技者のラインへの到達時刻を正確に計時することができないことがあった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、競技者のラインへの到達時刻を正確に計時することのできる競技用計時システム及び競技用計時方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る計時システムは、
計時ラインへ向けて走行する競技者に保持された無線タグに内蔵され、前記計時ラインを挟んで隣接する第1の磁界と第2の磁界とを検出する検出手段と、
前記無線タグに内蔵され、前記第1の磁界が前記検出手段により検出されたことに応答して前記無線タグを特定する識別情報を第1の情報として複数回送信し、前記第2の磁界が前記検出手段により検出されたことに応答して前記識別情報を第2の情報として複数回送信する送信手段と、
前記送信手段により複数回送信された前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と前記送信手段により複数回送信された前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻とを取得し、取得した時刻に基づいて競技者が前記計時ラインに到達した時刻を求める到達時刻取得手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
前記到達時刻取得手段は、複数の前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と複数の前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻との和を2で除算した値を、競技者が前記計時ラインに到達した到達時刻として求めることもできる。
【0012】
前記送信手段は、前記第1の情報を送信した順番を示す第1のメッセージ番号を付加した前記第1の情報を一定間隔で複数回送信し、前記第2の情報を送信した順番を示す第2のメッセージ番号と前記第1のメッセージ番号のうち最後のメッセージ番号とを付加した前記第2の情報を一定間隔で複数回送信し、
前記到達時刻取得手段は、前記第1のメッセージ番号のうち最後のメッセージ番号に対応する第1の情報の送信時刻を取得し、前記第2のメッセージ番号のうち最初のメッセージ番号に対応する前記第2の情報の送信時刻を取得し、取得した時刻の和を2で除算した値を、前記到達時刻として求めてもよい。
【0013】
前記到達時刻取得手段は、前記第1のメッセージ番号のうち最後のメッセージ番号に対応する前記第1の情報の送信時刻を取得できない場合は、取得できた前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と取得できた前記第2の情報に含まれる最後の前記第1のメッセージ番号と前記第1の情報の送信間隔とに基づいて最後の第1のメッセージ番号に対応する前記第1の情報の送信時刻を取得し、前記第2のメッセージ番号のうち最初のメッセージ番号に対応する前記第2の情報の送信時刻を取得できない場合は、取得できた前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻と取得できた前記第2の情報のうちの最初の第2のメッセージ番号と前記第2の情報の送信間隔とに基づいて最初の第2のメッセージ番号に対応する前記第2の情報の送信時刻を求めることもできる。
【0014】
複数回送信された前記第1の情報の送信時刻がいずれも取得できない場合は、取得できた前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻と前記第2の情報の送信間隔とに基づいて前記到達時刻を取得し、
複数回送信された前記第2の情報の送信時刻がいずれも取得できない場合は、取得できた前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と前記第1の情報の送信間隔とに基づいて前記到達時刻を取得することもできる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る競技用計時方法は、
計時ラインへ向けて走行する競技者に保持された無線タグに内蔵され、前記計時ラインを挟んで隣接する第1の磁界と第2の磁界とを検出する検出ステップと、
前記無線タグに内蔵され、前記第1の磁界が前記検出ステップで検出されたことに応答して前記無線タグを特定する識別情報を第1の情報として複数回送信し、前記第2の磁界が前記検出手段により検出されたことに応答して前記識別情報を第2の情報として複数回送信する送信ステップと、
前記送信ステップで複数回送信された前記第1の情報の送信時刻うち最後の送信時刻と前記送信ステップで複数回送信された前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻とを取得し、取得した時刻に基づいて競技者が前記計時ラインに到達した時刻を計時する到達時刻計時ステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、競技者のラインへの到達時刻を正確に計時することのできる競技用計時システム及び競技用計時方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る競技用計時システムについて、以下、図面を参照して説明する。一例として、競技用計時システムが短距離走などの陸上競技に適用された場合について説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は、この発明の実施形態1に適用される競技用計時システムの構成の一例を示す図である。図示するように、この競技用計時システムは、競技走路の周辺に配置されるLF(Low Frequency)信号発生装置10,20と、タグID受信機30,40と、処理装置50と、無線タグ70と、を備えて構成される。
【0019】
LF信号発生装置10は、競技経路の沿道に配置され、図2(b)に示すように、単ループコイル11上に交流磁界を発生させる。例えば、具体的にはLF信号発生装置10は、所定の周波数(例えば、125kHz)に同期して交流磁界を発生させる。また、発生させた交流磁界に所定のON/OFFパターンの信号を重畳することができる。LF信号発生装置20は、図2(b)に示すように、単ループコイル21上に交流磁界を発生させ、LF信号発生装置10と異なるON/OFFパターンの信号を重畳する。
【0020】
LF信号発生装置10に対応する単ループコイル11は、走行する競技者から見て、計時ラインであるフィニッシュラインLの直前に配置される。LF信号発生装置20に対応する単ループコイル21は、走行する競技者から見てフィニッシュラインLの直後に配置される。単ループコイル11,21は、例えば、フィニッシュラインLにほぼ重なる辺を有する矩形(方形)の形状をしている。
【0021】
そして、フィニッシュラインLにほぼ重なる辺に流れる電流が同じ方向となるように、単ループコイル11、21にLF信号発生装置10,20は交流磁界を発生させる。その結果、図2(a)に示すように、単ループコイル11、21上にそれぞれ交流磁界111、211が生成される。これらの磁界は、隣接するフィニッシュラインLを挟んで互いに磁界の方向が異なる。
【0022】
この結果、フィニッシュラインL上では、交流磁界111、211の磁力が打ち消し合うことにより、磁界の切れ間(スリット)が形成される。
【0023】
タグID受信機30、40は、上述した単ループコイル11、21近傍に配置される受信機であって、図3に示すように、それぞれ単ループアンテナ31,41を備える。単ループアンテナ31,41は、単ループコイル11、21上を通過した無線タグ70から送信されるタグID等の情報を受信する。送信される情報の内容については後述する。そして、タグID受信機30、40は受信した情報を処理装置50に送信する。
【0024】
処理装置50は、タグID受信機30、40から送信されるタグID等の情報に基づいて、競技者がフィニッシュラインLに到達した時刻を計時する情報処理装置である。具体的には、処理装置50は、図4に示すように、制御部51と、記憶部53と、タグ情報取得部55と、時刻計時部57と、を備えて構成される。
【0025】
制御部51は、処理装置50全体を制御する。具体的には、記憶部53内に格納されたプログラムを読み出して実行し、タグ情報取得部55からタグID等の情報を受信し、タグ情報取得部55からの情報の受信に応じて時刻計時部57から現在時刻を示す情報を受信する。
【0026】
記憶部53は、例えば不揮発性メモリからなり、無線タグ70毎(競技者RN毎)に固有の識別情報(タグID)と、競技者のフィニッシュラインLへの到達時刻を計時するためのプログラムと、送信間隔Da、Db(msec)と、を予め格納する。その他、制御部51が取得した競技者のフィニッシュラインLへの到達時刻を格納する。ここで、送信間隔Da、Db(msec)は、無線タグ70が交流磁界111,211をそれぞれ通過する際にタグIDを送信する間隔である。
【0027】
タグ情報取得部55は、タグID受信機30,40より、単ループコイル11,21上を通過した無線タグ70が送信するタグIDと付加情報とを取得する。そして、取得したタグID等を制御部51に送信する。
【0028】
時刻計時部57は、所定のタイマ回路等からなり、競技用計時システムにおいて、基準となる基準時刻を計時する。例えば、時刻計時部57は、高安定水晶発振器等を備え、正確な現在時刻等を計時する。
【0029】
無線タグ70は、ループコイル11,21上の磁界を検出して、タグID等の情報を発信する小型の機器であり、競技者RNに保持され、競技者RNと共に走路上を移動する。無線タグ70は競技者RNが保持しても違和感が無いほどの小型、軽量、薄型の機器で、ゼッケンなどに装着して使用する。無線タグ70は、例えば図5に示すように、制御部71と、LFアンテナ73と、増幅回路75と、検出回路77と、記憶部79と、通信回路81とを備えて構成される。
【0030】
LFアンテナ73は、上述した単ループコイル11,21の発生する交流磁界111,211を検出するアンテナである。そして、LFアンテナ73は検出した磁界強度を示す検出信号を増幅回路75に送信する。
【0031】
増幅回路75は、LFアンテナ73から受信した検出信号を増幅する回路であり、増幅した検出信号を検出回路77に送信する。
【0032】
検出回路77は、増幅回路75から受信した検出信号に従って、ループコイル11,21上の交流磁界111,211を検出する回路である。例えば、入力される検出信号の電圧の増加時に所定電圧の信号を出力(ON)し、入力信号の電圧の減少時には信号を出力しない(OFFする)。
【0033】
無線タグ70による交流磁界の検出について、詳細に説明する。図6は、競技者の走行方向に対して側面から見た計時システムの側面図であり、無線タグ70の交流磁界の検出位置を示したものである。図6に示すように、無線タグ70は、競技者のゼッケン等に装着されるので、例えば、地面から70〜80cmの高さの位置を走路に沿って移動する。そして、隣接する交流磁界111,211はフィニッシュラインL上で互いの磁力を打ち消し合う。このため、無線タグ70がフィニッシュラインL上を通過するときは、交流磁界を検出しない。この交流磁界が検出されない磁界の切れ間(スリット)は、例えば70〜80cmの高さでおよそ5cm程度となる。無線タグ70は、所定時間の間、交流磁界を検出しない場合、スリットに入ったと判断する。以下、無線タグ70が、スリットに近づき、スリット直前の交流磁界111を検出(ON)してから、スリットに入り交流磁界111を検出しなくなる(OFFする)までの区間をトリガーエリアTAaとする。無線タグ70が、スリットから出て、スリットの直後の交流磁界211を検出(ON)してから、交流磁界211を検出しなくなる(OFFする)までの区間をトリガーエリアTAbとする。
【0034】
そして、LF信号発生装置10,20は、ループコイル11,21に発生させる交流磁界111、211にそれぞれ異なるON/OFFパターンの信号を重畳する。無線タグ70は、これらの信号を検出することにより無線タグ70が通過しているトリガーエリアがTAa、TAbのどちらなのかを判別する。
【0035】
図5に戻り、制御部71は、無線タグ70全体を制御する。制御部71は、検出回路77がON信号を出力したことに応答して、記憶部79からタグID送信プログラムを読み出し、このプログラムを実行することによりタグIDに所定の情報を付加して通信回路81から発信する。付加する情報については後述する。
【0036】
記憶部79は、例えば、不揮発性メモリからなり、無線タグ70毎(競技者RN毎)に異なる固有の識別情報(タグID)とタグID送信プログラムとを記憶している。
【0037】
通信回路81は、制御部71がタグID等に付加した情報とタグID等とを、図示しない通信アンテナを介して、タグID受信機30,40に送信する。送信チャンネルは少なくとも2つ備え、異なる周波数に応じた異なる送信間隔でタグID等の情報を送信することができる。
【0038】
上記の構成により、LF信号発生装置10,20は、単ループコイル11,21上に互いに磁界の方向が異なる交流磁界111、211を発生させる。交流磁界111,211の間にあるフィニッシュラインL上には、交流磁界のスリットが形成される。一方、無線タグ70は、単ループコイル11,21上を通過する場合、交流磁界111,211を検出する。無線タグ70は、交流磁界の検出に応答して、タグID等の情報を発信する。タグID受信機30,40は、タグID等を受信し、処理装置50に送信する。処理装置50は、タグID等の受信時刻に基づき、競技者のフィニッシュラインLへの到達時刻を計時する。
【0039】
図7、8に、無線タグ70の動作を示す。検出回路77は、無線タグ70が単ループコイル11、21上を通過する際に、交流磁界111,211を検出してONする。検出回路がONしたことに応答して、制御部71は、記憶部79からタグID送信プログラムを読み出して実行する。図7に、タグID送信処理のフローチャートを示す。このプログラムは、タグIDに所定の情報を付加して送信するためのものである。
【0040】
制御部71は、交流磁界に重畳された信号のON/OFFパターンから、トリガーエリアがTAaであるか否かを判別する(ステップS10)。トリガーエリアがTAaであると判別された場合(ステップS10:YES)、制御部71は、タグIDを記憶部79から読み出す。そして、制御部71は、タグIDを一定間隔で送信する(ステップS20)。具体的には、制御部71は、図8に示すように、タグID(795)にトリガーエリアを示すエリア識別「a」(791)と、送信する順番を示すメッセージ番号(793)と、を付加して送信する。制御部71が通信回路81の周波数を設定することにより、無線タグ70は、タグIDを送信間隔Da(msec)で送信し続ける。メッセージ番号の初期値は「1」とし、送信する毎に1ずつ増分する。つまり、トリガーエリアTAaでは、タグIDにa1〜anの情報が付加されて送信される。
【0041】
検出回路77は、無線タグ70が単ループコイル11上を通過し、ス
リットに入ると、交流磁界111を検出しなくなり、OFFする。
【0042】
図7に示すように、制御部71は、検出回路77が交流磁界を検出しなくなった(OFFした)か否かを判別する(ステップS30)。検出回路がOFFした場合(ステップS30:YES)、制御部71は、タグIDの送信を停止し、タグID送信処理を終了する。制御部71は、最後に送信したタグIDに付加したメッセージ番号を最終メッセージ番号「n」として、記憶部79に格納する。検出回路がOFFしていない場合(ステップS30:NO)、ステップS10に戻る。
【0043】
検出回路77は、無線タグ70がスリットを通過し、ループコイル21上に入ると、交流磁界211を検出(ON)する。
【0044】
制御部71は、トリガーエリアがTAaでない場合(ステップS10:NO)、トリガーエリアがTAbであるか否かを判別する(ステップS40)。トリガーエリアTAbでない場合(ステップS40:NO)、タグIDを送信すべきエリアでないため、制御部71は、タグID送信処理を終了する。
【0045】
トリガーエリアがTAbであると判別された場合(ステップS40:YES)、タグIDとトリガーエリアTAaでの最終メッセージ番号「n」を記憶部79から読み出して、タグIDを一定間隔で送信する(ステップS50)。具体的には、制御部71は、図8に示すように、タグID(795)にトリガーエリアを示すエリア識別「b」(791)と、送信する順番を示すメッセージ番号(793)と、最終メッセージ番号「n」(797)と、を付加して送信する。制御部71が通信回路81の周波数を設定することにより、無線タグ70は、タグIDを送信間隔Db(msec)で送信し続ける。メッセージ番号の初期値は「1」とし、送信する毎に1ずつ増分する。つまり、トリガーエリアTAbでの最後のメッセージ番号を「m」とすると、トリガーエリアTAbではタグIDにb1n〜bmnの情報が付加されて送信される。
【0046】
検出回路77は、無線タグ70が単ループコイル21上を通過すると交流磁界211を検出しなくなり、OFFする。
【0047】
続いて、図7に示すように、制御部71は、検出回路77が交流磁界を検出しなくなった(OFFした)か否かを判別する(ステップS60)。検出回路がOFFした場合(ステップS60:YES)、制御部71は、タグIDの送信を停止し、タグID送信処理を終了する。検出回路がOFFしていない場合(ステップS60:NO)、ステップS50に戻る。
【0048】
図7,8で説明したタグID送信処理によりタグIDが送信されたタグIDを、タグID受信機30、40が受信する。そして、制御部51は、このうちのanとb1nに対応するタグIDの受信時刻から競技者のフィニッシュラインLへの到達時刻を求める。
【0049】
ここで、競技者が多い場合や周波数が高いため送信回数が多くなる場合、タグID受信機30、40は、トリガーエリアTAa、TAbで送信された全てのタグIDを受信できず、いくつかを取りこぼしてしまうことがある。しかし、anに対応するタグIDを取りこぼした場合であっても、トリガーエリアTAbで送信されるタグIDにトリガーエリアTAaでの最終メッセージ番号「n」が付加されているから、この付加情報から「n」を取得できる。そして、a1〜a(n−1)のいずれかに対応するIDの受信時刻が取得できれば、その受信時刻と「n」の値と送信間隔Daとから、anに対応するタグIDの受信時刻を求めることができる。また、b1nに対応するタグIDを取りこぼした場合であっても、b2n〜bmnのいずれかに対応するタグIDの受信時刻がわかれば、その受信時刻と検出間隔Dbとから、b1nに対応するタグIDの受信時刻を取得することができる。従って、制御部51は、anとb1nに対応するタグIDの受信時刻からフィニッシュラインLへの到達時刻を求めることができる。
【0050】
タグ情報取得部55からタグIDと付加情報とを受信した制御部51の動作を、図9〜図12に示す。制御部51は、電源がONされると記憶部53から処理装置50の制御プログラムを読み出して実行する。そして、図8に示したa1〜an、b1n〜bmnに対応するタグIDを受信する毎にタグIDと付加された情報a1〜an、b1n〜bmnとを記憶部53に格納する。また、時刻計時部57からタグIDのそれぞれの受信時刻(msec)を取得して記憶部53に格納する。
【0051】
a1〜an、b1n〜bmnに対応するタグIDの全てを受信できない場合もある。しかし、本実施形態では、説明を容易にするため、a1〜an、b1n〜bmnに対応するタグIDのうち、少なくとも1つは受信できた場合を考える。
【0052】
制御部51は、ユーザ操作等により、制御プログラムの中で、到達時刻計時プログラムを読み出して到達時刻計時処理を実行する。到達時刻計時処理は、競技者RNがフィニッシュラインLに到達した時刻Tgを取得する処理である。
【0053】
まず、図9に示すように制御部51は、記憶部53から付加情報bmnを読み出し、トリガーエリアTAbでの交流磁界の検出回数「m」とトリガーエリアTAaでの交流磁界の検出回数「n」とを取得し、記憶部53に格納する(ステップS110)。
【0054】
制御部51は、記憶部53からa1〜an、b1n〜bmnに対応するタグIDの受信時刻を読み出し、Ta1〜Tan(msec)、Tb1〜Tbm(msec)として、記憶部53に格納する(ステップS120)。タグIDの受信時刻が記憶されていない場合、すなわちタグIDを取りこぼした場合、取りこぼしたタグIDの受信時刻としてNULLを格納する。
【0055】
制御部51はTanがNULLでないか否かを判別する(ステップS130)。TanがNULLである場合は(ステップS130:YES)、制御部51は、Tan取得処理を実行する(ステップS140)。
【0056】
図10にTan取得処理のフローチャートを示す。Tan取得処理は、Tanを取りこぼした場合、Ta1〜Ta(n-1)のいずれかの値からTanを取得する処理である。
【0057】
制御部51は、変数iに初期値n-1を代入する(ステップS141)。そして、Tai(msec)がNULLであるか否かを判別する(ステップS143)。Tai(msec)がNULLでない場合(ステップS143:NO)、制御部51は、記憶部53からDa(msec)の値を読み出す。そして、n-1にDaの値を乗算し、Tai(msec)の値を加えて、この値をTan(msec)に代入する(ステップS145)。
【0058】
Tai(msec)がNULLである場合(ステップS143:YES)又はステップS145の後、制御部51はi<1又は、Tan(msec)がNULLであるか否かを判別する。そして、i<1又は、Tan(msec)がNULLである場合は、到達時刻計時処理に戻る。そうでない場合は、iから1を減じてステップS143、S145を実行する(ステップS141)。
【0059】
図9に示すように、TanがNULLでない場合(ステップS130:NO)又はTan取得処理(ステップS140)を実行した後、制御部51はTb1がNULLでないか否かを判別する(ステップS150)。Tb1がNULLである場合は(ステップS150:YES)、制御部51は、Tb1取得処理を実行する(ステップS160)。
【0060】
図11にTb1取得処理のフローチャートを示す。Tb1取得処理は、Tb1を取りこぼした場合、Tb2〜Tbmのいずれかの値からTb1を取得する処理である。
【0061】
制御部51は、変数jに初期値2を代入する(ステップS161)。そして、Tbj(msec)がNULLであるか否かを判別する(ステップS163)。Tbj(msec)がNULLでない場合(ステップS163:NO)、制御部51は、記憶部53から検出間隔Db(msec)の値を読み出す。そして、Taj(msec)の値から、jにDbの値を乗算した値を減算して、この値をTb1(msec)に代入する(ステップS165)。
【0062】
Tbj (msec)がNULLである場合(ステップS163:YES)又はステップS165の後、制御部51はj>m又は、Tb1(msec)がNULLでないか否かを判別する(ステップS161)。そして、j>m又は、Tb1(msec)がNULLでない場合は、到達時刻計時処理に戻る。j≦m且つTb1(msec)がNULLである場合は、jに1を加えてステップS163、S165を実行する(ステップS161)。
【0063】
図9に示すように、Tb1がNULLでない場合(ステップS150:NO)又はTb1取得処理(ステップS160)を実行した後、制御部51は、Tan、Tb1のいずれかがNULLか否かを判別する(ステップS170)。Tan、Tb1のいずれかがNULLである場合は(ステップS170:YES)、制御部51は、TanがNULLか否かを判別する(ステップS180)。TanがNULLでない場合(ステップS180:NO)、制御部51は、検出間隔Da、Dbを記憶部53から読み出し、TanにDa+Dbの値を加え、この値をTb1(msec)に代入する(ステップS190)。上述したように、説明を容易にするため、Ta1〜Tan、Tb1〜Tbnのうち少なくとも1つは取得できた場合を想定しているので、TanがNULLである場合(ステップS180:YES)、Tb1はNULLでない。この場合、制御部51は、Da、Dbを記憶部53から読み出し、Tb1からDa及びDbの値を減算し、この値をTan(msec)に代入する(ステップS200)。
【0064】
Tan、Tb1の両方がNULLでない場合(ステップS170:NO)、又はステップS190,ステップS200の後、制御部51はTan、Tb1の和を2で除算し、この値を到達時刻Tg(msec)に代入する(ステップS210)。ステップS210の後、制御部51は、処理装置50の制御プログラムに戻る。そして、制御部51は、取得した到達時刻Tg(msec)を記憶部53に格納し、処理装置50の画面等に表示する。
【0065】
上記の構成により、制御部51は、a1〜an、b1n〜bmnに対応するタグIDの受信時刻であるTa1〜Tan、Tb1〜Tbnのうち、少なくとも1つ以上取得できれば、その値とTa1〜Tan、Tb1〜Tbnと検出間隔Da,Dbとに基づいて、Tan及びTb1を取得することができる。そして、取得したTan及びTb1の和を2で除算することで、競技者RNのフィニッシュラインLへの到達時刻Tg(msec)を求めることができる。
【0066】
(第2実施形態)
図12を参照して本発明の第2実施形態に係る計時システムにおける、交流磁界の判別方法を説明する。本実施形態に係るシステムは、第1実施形態と同様に、2組のLF信号発生装置及びタグID受信機と、処理装置と、無線タグと、を備えて構成される。但し、LF装置発生装置10,20は、図12に示すように、異なる周波数の搬送周波数を送信する。無線タグ70は、この搬送周波数により、トリガーエリアがTAa、TAbのどちらなのかを判別する(ステップS10,S40)。
【0067】
(第3実施形態)
図13に、この発明の第3実施形態に適用される計時システムの構成の一例を示す。図13に示すように、この計時システムは、競技走路の周辺に配置されるLF信号発生装置10aと、タグID受信機30aと、処理装置50aと、無線タグ70aと、を備えて構成される。実施形態3に係る計時システムは、第1実施形態に係る計時システムとは、LF信号発生装置とタグID受信機とを1組しか備えていない点で異なるが、他の構成は同様である。
【0068】
LF信号発生装置10aは、ループコイル11aに交流磁界を発生させる。このループコイル11aは、略「8の字」形状に形成されたコイルである。一例として、図14(b)に示すように、矩形(方形)のコイル部を競技者RNの走行方向に2つ連ねたような8の字に形成されている。より詳細には、ループコイル11aは8の字順方向巻きとなっており、8の字の中心(中点)、すなわち交差部に給電点sを有するように形成され、この給電点sを通って競技者RNの走行方向RDに対して直交する方向に延びるフィニッシュラインLの直上を中心線として、略平行に所定距離だけ隔てた2つの平行な直線に沿って、8の字の上下部が形成されている。このループコイル11aに電流を通じることで、図14(a)に示すように、LF信号発生装置10aは、互いに磁界の方向の異なる交流磁界111a、211aを発生させる。
【0069】
タグID受信機30aは、上述したループコイル11a近傍に配置され、図15に示すように、ループアンテナ31aを備える。実施形態1では、a1〜an、b1n〜bmnに対応するタグID等を2台のアンテナ(31,41)で受信していたのに対し、ループアンテナ31aは、1台でこれらの情報を受信する。タグID受信機30aは受信した情報を処理装置50aに送信する。
【0070】
処理装置50aと、無線タグ70aとの動作は、実施形態1の処理装置50と、無線タグ70と同様である。但し、ループコイルが1つしか無いので、無線タグ70aが通過中のトリガーエリアがTAa、TAbのどちらなのかを判別するには、第1、第2実施形態のように、コイル毎の異なるON/OFF信号パターン或いは搬送周波数を判別する方式は採用できない。そこで、最初に検出した磁界をトリガーエリアTAa、スリットを通過し、検出装置がOFFとなった後、検出した電磁界をTbと判別する。
【0071】
実施形態3に係る競技用計時システムは、LF信号発生装置及びタグID受信機が1組でよいので、2組を要する実施形態1の競技用計時システムと比較してコストが低く、設置等が容易である。但し、通信トラフィックが増加した場合、受信機1台では対処できなくなる可能性がある。
【0072】
そして、本発明に係る計時システムは、先行技術と比較して有利な下記の作用、効果を奏する。
(1)隣接する交流磁界のそれぞれの電磁界は上から見て楕円形をしている。しかし、交流磁界のスリットをフィニッシュラインLとするので中央の検出点とループの端のフィニッシュラインLの検出点との位置に誤差が生じない。
(2)無線タグを複数使用する場合、無線タグ個々の電磁界検出能力にばらつきがある。しかし、電磁界検出能力の低い無線タグであっても、タグIDのいくつかの取りこぼしをフォローできるので到達時刻を正確に計時できる。
(3)単ループコイルに流す電流を制御すると、電磁界が変化する。しかし、交流磁界のスリット位置はほとんど変化しないので、到達時刻の計時に影響がない。
(4)競技者のフィニッシュラインの通過前後のスピードが一定でない場合がある。しかし、本発明では交流磁界のスリット前後の受信時刻であるTan、Tb1に基づいて計時し、スリットの隙間は5cm程度である。このため、競技者が通過後にスピードを落としてもほとんど影響なく、正確に計時できる。
(5)電磁界を小さくすれば、到達時刻の計時精度が向上する一方で電磁界の検出精度が低下し、計時を取りこぼしやすくなる。しかし、タグIDを多少取りこぼしても到達時刻を計時できるので、到達時刻の計時精度の向上が容易である。
【0073】
なお、上記の実施形態では、LF信号発生装置及びタグID受信機が2組の場合(実施形態1、2)と1組の場合(実施形態3)とを例示したが、LF信号発生装置とタグID受信機との台数構成は任意である。例えば、LF信号発生装置2台に対してタグID受信機1台であってもよいし、2組に限らず、3組以上備えても良い。
【0074】
LF信号発生装置を3台以上備え、交流磁界を3つ以上、スリットを2つ以上発生させ、到達時刻を2つ以上計時しても良いのは勿論である。
【0075】
上記の実施形態ではタグIDの受信時刻を計時しているが、無線タグが現在時刻を計時して、タグIDと共に送信時刻を送信する構成としても良い。
【0076】
また、ループコイルに発生させる電磁界は交流磁界でなく、直流磁界であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態1に係る計時システムの構成図である。
【図2】(a)本発明の実施形態1に係るLF信号発生装置が発生させる交流磁界の側面図である。(b)本発明の実施形態1に係る単ループコイルの構成図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るLFアンテナの構成図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る処理装置のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る無線タグのブロック図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る無線タグが交流磁界を検出する位置を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態1に係るタグID送信処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態1に係る無線タグの送信するタグIDと付加情報とを示した図である。
【図9】本発明の実施形態1に係る到達時刻計時処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態1に係るTan取得処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態1に係るTb1取得処理のフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態2に係る計時システムにおける、交流磁界の判別方法を説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態3に係る計時システムの構成図である。
【図14】(a)本発明の実施形態3に係るLF信号発生装置が発生させる交流磁界の側面図である。(b)本発明の実施形態3に係る8の字ループコイルの構成図である。
【図15】本発明の実施形態3に係るLFアンテナの構成図である。
【符号の説明】
【0078】
10、20 LF信号発生装置
30、40 タグID受信機
50 処理装置
70 無線タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時ラインへ向けて走行する競技者に保持された無線タグに内蔵され、前記計時ラインを挟んで隣接する第1の磁界と第2の磁界とを検出する検出手段と、
前記無線タグに内蔵され、前記第1の磁界が前記検出手段により検出されたことに応答して前記無線タグを特定する識別情報を第1の情報として複数回送信し、前記第2の磁界が前記検出手段により検出されたことに応答して前記識別情報を第2の情報として複数回送信する送信手段と、
前記送信手段により複数回送信された前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と前記送信手段により複数回送信された前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻とを取得し、取得した時刻に基づいて競技者が前記計時ラインに到達した時刻を求める到達時刻取得手段と、
を備えることを特徴とする競技用計時システム。
【請求項2】
前記到達時刻取得手段は、複数の前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と複数の前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻との和を2で除算した値を、競技者が前記計時ラインに到達した到達時刻として求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の競技用計時システム。
【請求項3】
前記送信手段は、前記第1の情報を送信した順番を示す第1のメッセージ番号を付加した前記第1の情報を一定間隔で複数回送信し、前記第2の情報を送信した順番を示す第2のメッセージ番号と前記第1のメッセージ番号のうち最後のメッセージ番号とを付加した前記第2の情報を一定間隔で複数回送信し、
前記到達時刻取得手段は、前記第1のメッセージ番号のうち最後のメッセージ番号に対応する第1の情報の送信時刻を取得し、前記第2のメッセージ番号のうち最初のメッセージ番号に対応する前記第2の情報の送信時刻を取得し、取得した時刻の和を2で除算した値を、前記到達時刻として求める、
ことを特徴とする請求項2に記載の競技用計時システム。
【請求項4】
前記到達時刻取得手段は、前記第1のメッセージ番号のうち最後のメッセージ番号に対応する前記第1の情報の送信時刻を取得できない場合は、取得できた前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と取得できた前記第2の情報に含まれる最後の前記第1のメッセージ番号と前記第1の情報の送信間隔とに基づいて最後の第1のメッセージ番号に対応する前記第1の情報の送信時刻を取得し、前記第2のメッセージ番号のうち最初のメッセージ番号に対応する前記第2の情報の送信時刻を取得できない場合は、取得できた前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻と取得できた前記第2の情報のうちの最初の第2のメッセージ番号と前記第2の情報の送信間隔とに基づいて最初の第2のメッセージ番号に対応する前記第2の情報の送信時刻を求める、
ことを特徴とする請求項3に記載の競技用計時システム。
【請求項5】
複数回送信された前記第1の情報の送信時刻がいずれも取得できない場合は、取得できた前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻と前記第2の情報の送信間隔とに基づいて前記到達時刻を取得し、
複数回送信された前記第2の情報の送信時刻がいずれも取得できない場合は、取得できた前記第1の情報の送信時刻のうち最後の送信時刻と前記第1の情報の送信間隔とに基づいて前記到達時刻を取得する、
ことを特徴とする請求項4に記載の競技用計時システム。
【請求項6】
計時ラインへ向けて走行する競技者に保持された無線タグに内蔵され、前記計時ラインを挟んで隣接する第1の磁界と第2の磁界とを検出する検出ステップと、
前記無線タグに内蔵され、前記第1の磁界が前記検出ステップで検出されたことに応答して前記無線タグを特定する識別情報を第1の情報として複数回送信し、前記第2の磁界が前記検出手段により検出されたことに応答して前記識別情報を第2の情報として複数回送信する送信ステップと、
前記送信ステップで複数回送信された前記第1の情報の送信時刻うち最後の送信時刻と前記送信ステップで複数回送信された前記第2の情報の送信時刻のうち最初の送信時刻とを取得し、取得した時刻に基づいて競技者が前記計時ラインに到達した時刻を計時する到達時刻計時ステップと、
を備えることを特徴とする競技用計時方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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