説明

第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂からのフッ素化界面活性剤の回収

本発明は、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂からアニオン性フッ素化界面活性剤を回収する方法であって、該アニオン交換樹脂をアンモニウム塩および水混和性有機溶媒を含有する組成物で溶離することを含む方法を提供する。本発明による方法は、1以上の以下の利点を与え得る。例えば、該方法は、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂から実質的にすべてのフッ素化界面活性剤を回収することを可能とするように設計され得る。また、アニオン交換樹脂から界面活性剤を回収するために使用される液体は、容易に、コスト効率的に製造され得る単純な液体である。さらに、このプロセスは便利で容易な仕方で実施され得る。その上、該方法は、通常、多量の溶離組成物を必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本米国特許出願は、2005年3月11日出願の欧州特許出願第05101921.4号明細書の優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂からのアニオン性フッ素化界面活性剤の回収に関する。
【背景技術】
【0003】
アニオン性フッ素化界面活性剤は、通常、フルオロポリマーを製造するためのフッ素化モノマーの乳化重合において使用される。得られるフルオロポリマー分散液は、凝集され、そこからフルオロポリマーを回収し、その固体形態でフルオロポリマーを販売し得るか、または該フルオロポリマー分散液は、場合によって濃縮後に、そのままで販売され得る。使用されるフッ素化界面活性剤は、一般に高価である。さらに、よく使用されるアニオン性フッ素化界面活性剤は、ペルフルオロアルカン酸およびその塩である。これらの界面活性剤は、水性分散液および/または廃水流において環境的に望ましくないことがあり得る。従って、この分散液および廃水流からフッ素化界面活性剤を回収することが望ましい。
【0004】
アニオン交換樹脂は、当該技術分野において、フルオロポリマー分散液からフッ素化界面活性剤を回収するのみならず、フルオロポリマーの製造の間に生じる廃水流からフッ素化界面活性剤を回収するために使用されている。例えば、国際公開第00/35971号パンフレットには、フルオロポリマー分散液からフッ素化界面活性剤を回収するためのアニオン交換樹脂の使用について記載されている。国際公開第99/62830号パンフレットおよび国際公開第99/62858号パンフレットには、廃水流からフッ素化界面活性剤を回収するためのアニオン交換樹脂の使用について記載されている。
【0005】
通常、第四級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換樹脂は、フッ素化界面活性剤の回収において最も効果的であることが公知である。残念なことにまた、強塩基性アニオン交換樹脂からフッ素化界面活性剤を溶離し、このようにして回収することは難しいこともわかっている。米国特許第6,642,415号明細書には、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム(APFOA)を分離するために充填される、強塩基性アニオン交換樹脂の各々1モル/LのNH3、NaOHおよびKFの溶液を用いた溶離が、溶出液中にわずか0.1ミリモル/L(40ppm)の範囲のAPFOA濃度しか生じないことが開示されている。この結果、大量の水性溶出液からAPFOAを回収するこのような方法は、経済的に実現可能でない。米国特許第6,642,415号明細書では、弱または中程度の強さのアニオン交換樹脂を使用し、このような樹脂を、場合によってアルカリ水酸化物の存在下で、有機溶媒を含むアンモニアで溶離することが推奨されている。
【0006】
米国特許第3,882,153号明細書には、弱塩基性アニオン交換樹脂上に負荷されたアニオン性フッ素化界面活性剤の回収のためにNH3水溶液を使用することが開示されている。この米国特許の実施例には、アンモニア水溶液を用いた溶離は弱塩基性アニオン交換樹脂を溶離するためには非常に効果的であるが、一方そのプロセスは強塩基性アニオン交換樹脂を溶離するためには効果のないことが示されている。
【0007】
欧州特許第14431号明細書には、有機溶媒中の鉱酸溶液を使用して塩基性アニオン交換樹脂からフッ素化界面活性剤を回収する方法が開示されている。しかし、フッ素化界面活性剤の約70%しか強塩基性アニオン交換樹脂から回収されない。さらに、該EP出願の方法では、界面活性剤は、回収中にそのメチルエステルに転換される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
今や、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂からアニオン性フッ素化界面活性剤を溶離(または回収)するためのさらなる方法を見出すことが望ましい。特に、例えば、回収され得るフッ素化界面活性剤の量において改善されているかまたはフッ素化界面活性剤を回収するために要する溶離液の量を最小限に抑える、改善された溶離プロセスを見出すことが望ましい。さらに、経済的に実行可能で、簡単で便利なプロセスまたはフッ素化界面活性剤を回収するための単純な低コストの溶離剤を使用するプロセスを見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂からフッ素化アニオン性界面活性剤を回収する方法であって、該アニオン交換樹脂をアンモニウム塩と水混和性有機溶媒とを含有する組成物で溶離することを含む方法が提供される。
【0010】
本発明による方法は、1以上の以下の利点を与える。例えば、本方法は、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂から実質的にすべてのフッ素化界面活性剤を回収することができるように設計され得る。また、アニオン交換樹脂から該界面活性剤を回収するために使用される液体は、容易に、コスト効率的に製造され得る単純な液体である。さらに、本プロセスは、便利で容易な仕方で実施され得る。その上、本方法は通常、多量の溶離組成物を必要としない。
【0011】
本発明による方法は、フッ素化界面活性剤を含んだ水性組成物から第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂への吸着に続いて該塩基性アニオン交換樹脂からアニオン性フッ素化界面活性剤を回収するために使用され得る。このような水性組成物は、例えば、フルオロポリマー生産の廃水流またはフッ素化界面活性剤を含むフルオロポリマー分散液であり得る。従って、さらなる態様において、本発明は、該アニオン性フッ素化界面活性剤を含む水性組成物からフッ素化アニオン性界面活性剤を回収する方法であって、(i)第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂を該水性組成物と接触させるステップと、(ii)該アニオン交換樹脂を該水性組成物から分離するステップと、(iii)得られたアニオン交換樹脂を上記に規定されているような方法によって溶離するステップと、を含む方法を提供する。
【0012】
アニオン交換樹脂からの回収に続いてアニオン性フッ素化界面活性剤は、場合によって精製後、フルオロポリマーを生成するためのフッ素化モノマーの乳化重合において使用され得る。従って、なおさらなる態様において、本発明は、上記に規定されているような回収方法を使用してアニオン性フッ素化界面活性剤を提供し、該アニオン性フッ素化界面活性剤の存在下で水性乳化重合において1種以上のフッ素化モノマーを重合させることによってフルオロポリマーを製造する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
アニオン交換樹脂を溶離し、そこからフッ素化界面活性剤を回収するために使用される組成物は、アンモニウム塩と水混和性有機溶媒とを含む。本発明に関連する使用のためのアンモニウム塩としては、無機塩のみならず、有機塩が含まれる。通常、アンモニウム塩は、無機アンモニウム塩である。他の実施形態において、アンモニウム塩は有機アンモニウム塩であり得、特に該塩のアニオンが例えばカルボキシルアニオンなどの有機であるアンモニウム塩であり得る。
【0014】
本発明の特定の実施形態によれば、アンモニウム塩は、一般式:
(NH4n
(式中、Xは、OH-以外のアニオンを表し、nはXの原子価に等しい)
に相当するものである。アニオンXの例としては、有機アニオンのみならず、無機アニオンが含まれる。無機アニオンの具体例としては、例えばF-、Cl-、Br-、I-、ClO4-などの、ハロゲンまたはハロゲン含有無機アニオン、リン酸アニオン類、硫酸アニオン類、スルホン酸アニオン類、HCO3-およびCO32-を含む炭酸アニオン類が挙げられる。有機アニオンの例としては、特に、例えば、HCOO-およびCH3COO-などのカルボシキルアニオンが挙げられる。
【0015】
フッ素化界面活性剤を回収するために使用される組成物中のアンモニウム塩の最適量は、当業者によって、日常的な実験により容易に決定することができる。該量は通常、アニオン交換樹脂の性質とアニオン交換樹脂に吸着されたフッ素化界面活性剤の量、および/または所望される回収パーセントに依存する。アンモニウム塩の好適な量は通常、少なくとも0.1重量%である。特定の実施形態によれば、アンモニウム塩の量は、交換樹脂を溶離するために使用される組成物の総重量を基準として0.1重量%〜5重量%である。別の実施形態において、1重量%〜3重量%のアンモニウム塩の量が使用され得る。列挙されるアンモニウム塩の量は、単に指針としての役割を果たすものであり、記載された範囲外のアンモニウム塩の量の使用を除外することを意図するものではない。例えば、0.1重量%未満または5重量%を超えるアンモニウム塩の量が特定の状況において好適であり得る。
【0016】
溶離組成物はさらに、水混和性溶媒を含む。「水混和性溶媒」とは、一般に水に少なくとも5重量%、例えば少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%の水に溶解し得る有機溶媒を意味する。好適な水混和性溶媒は、通常、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類およびこれらの混合物を含む極性溶媒である。溶媒の具体例としては、例えばメタノール、エタノールおよびプロパノールなどの1〜6個の炭素原子を含む低級アルカノール;グリコール類、モノおよびジアルキルエーテル類、またはアルキル基が1〜4個の炭素原子を有するモノグリコールおよびジグリコール;アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類が挙げられる。水混和性有機溶媒の量は、広範に変え得るが、通常該アンモニウム塩を溶解するのに十分でなければならない。本発明の一実施形態によれば、水混和性有機溶媒の量は、溶離組成物の総重量の少なくとも50重量%である。例示的な範囲は、50重量%〜99.9重量%、または60重量%〜90重量%、または90重量%〜98重量%である。
【0017】
溶離組成物は、アニオン交換樹脂からのフッ素化界面活性剤の回収に役立つさらなる成分を含み得る。1つの特定の実施形態において、溶離組成物はさらに水を含む。水は、例えば、45重量%以下の量、例えば0.1重量%〜40重量%の量、または1重量%〜15重量%の量、または4重量%〜10重量%の量で溶離組成物において使用され得る。
【0018】
溶離組成物中に存在し得るさらなる成分は、塩基である。使用され得る好適な塩基は、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物である。使用され得る他の塩基としては、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウム、または例えばナトリウムメチラートなどのアルコラートが挙げられる。存在する場合、組成物中に含まれる塩基の量は、通常約5重量%以下である。例示的な範囲は、0.1重量%〜5重量%または0.5重量%〜2重量%である。
【0019】
フッ素化界面活性剤で負荷された、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂は、溶離混合物を負荷アニオン交換樹脂と接触させることによって上記の溶離組成物を用いて溶離され得る。典型的には、溶離は、カラム内に保持された負荷された交換樹脂上に溶離混合物をポンプで注入することによって実施される。カラムを活性化させると直ちに、溶出液は、フッ素化界面活性剤を含む。次いで、フッ素化界面活性剤は、蒸留、抽出または結晶化などの好適な分離方法によってこの溶出液から回収され得る。あるいは、交換樹脂は、アニオン交換樹脂を溶離混合物とともに穏やかに攪拌し、引き続いてろ過などによって溶離組成物からアニオン交換樹脂を分離することによって、溶離組成物を用いて処理され得る。アニオン交換樹脂からフッ素化界面活性剤を回収するために要する溶離組成物の量は、アニオン交換樹脂に吸着されるフッ素化界面活性剤の量および性質、ならびに溶離組成物の組成に依存する。通常、アンモニウム塩として塩化アンモニウムを含む組成物が非常に効果的であることがわかった。
【0020】
本方法は、通常、室温、例えば15℃〜30℃の温度で実施される。しかし、本方法はまた、例えば30℃〜80℃の温度のより高温で実施され得る。フッ素化界面活性剤の溶離について、より高温での溶離は、回収コストを増大させ得るが、このようなより高温でいくぶんかはより効率的であり得る。通常また、樹脂を、最初に水、引き続いて水/有機溶媒混合物、そして最後に純有機溶媒で洗浄することによって負荷されたアニオン交換樹脂を調整することが望ましい。本発明の方法の実施のために必須ではないが、このような調整は、溶離法における交換樹脂を損傷させることを防ぎ得る。
【0021】
本発明の方法は、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂からさまざまなフッ素化界面活性剤を回収するために使用され得る。使用され得るアニオン性フッ素化界面活性剤の例としては、例えばカルボン酸基などのアニオン基を有するペルフルオロポリエーテル界面活性剤ならびに酸基を有するペルフルオロアルカンおよびその塩が挙げられる。本発明の方法は、特に、ペルフルオロオクタン酸およびその塩などのペルフルオロアルカン酸およびその塩の回収のために好適である。後者の界面活性剤は、フルオロポリマー工業界で広く使用されており、下記の一般式:
(Y−Rf−Z)j−M (I)
(式中、Yは、水素、ClまたはFを表し;Rfは、4〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐過フッ素化アルキレンを表し;Zは、COO-またはSO3-を表し;Mは、例えばアルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたはカルシウムイオンなどの一価および多価カチオンを含むカチオンを表し;jは、Mの原子価に相当し、通常は1、2または3の値である)によって表され得る一般分類の界面活性剤に属する界面活性剤である。
【0022】
上記のように、溶出液に含まれるフッ素化界面活性剤は、適当な分離方法を使用して溶出液から分離され得る。特定の実施形態において、フッ素化界面活性剤が、その遊離酸形態においてスチーム揮発性であるときは、溶出液を酸性化して、フッ素化界面活性剤をその遊離酸形態にし、その後溶出液を蒸留してフッ素化界面活性剤をその遊離酸形態で回収することによって溶出液から容易に分離され得る。必要に応じて、回収されたフッ素化界面活性剤は、好適な塩に転換され得る。例えば、アンモニウム溶液中に蒸留したフッ素化界面活性剤を回収することによって、フッ素化界面活性剤のアンモニウム塩が得られ得る。通常、式(I)による界面活性剤で、特にペルフルオロオクタン酸は、スチーム揮発性であり、上記の方法を使用して回収され得る。該界面活性剤をその遊離酸形態に転換する前に、使用された有機溶媒を溶出液から除去することが望ましいことがあり得る。それゆえに、有機溶媒は蒸留によって最初に除去され、その後残留混合物は酸性化され、フッ素化界面活性剤をその遊離酸形態に転換し、引き続きフッ素化界面活性剤が蒸留され得る。
【0023】
このように回収されるフッ素化界面活性剤は、フッ素化モノマーの水性乳化重合として公知の手順による1種以上のフッ素化モノマーの水性乳化重合において再使用され得る。回収された界面活性剤を使用して乳化重合され得るフッ素化モノマーの例としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化ビニルエーテルおよび特に、ペルフルオロメチルビニルエーテルなどの過フッ素化ビニルエーテルを含むフッ素化オレフィンなどの部分および完全フッ素化気体モノマーを含む気体フッ素化モノマーが挙げられる。フッ素化モノマーは、例えばエチレンおよびプロピレンなどのオレフィンなどのフッ素化され得ないさらなるモノマーと共重合され得る。
【0024】
アニオン性フッ素化界面活性剤で負荷されたかまたは充填された、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂は、任意のさまざまなフッ素化界面活性剤除去プロセスから生じ得る。例えば、負荷されたアニオン交換樹脂は、アニオン性フッ素化界面活性剤を含む水性組成物と接触させることから生じ得る。このような水性組成物は、フルオロポリマーの製造における製造プロセス中のフッ素化界面活性剤で汚染された廃水流であり得る。例えば、このような廃水は、濃縮方法、限外ろ過法または洗浄プロセスから生じ得る。あるいは、該アニオン交換樹脂は、フッ素化界面活性剤を含有するフルオロポリマー分散液を第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂と接触させることによって、フッ素化界面活性剤で充填され得る。
【0025】
本発明を以下の実施例を参照してさらに説明するが、しかし本発明をそれらに限定する意図を有するものではない。
【実施例】
【0026】
試験方法
溶出液中のAPFOの量は、APFOをメチルエステルに転換し、その後内部標準ペルフルオロデカン酸のメチルエステルを使用するガスクロマトグラフィー分析によって求めた。ここでの検出限界は1ppmであった。
【0027】
溶離混合物の有効性は、特定容積の溶離混合物がイオン交換カラムを流れて通った後、溶出液中のAPFOの濃度を求めることによって測定した。使用されたカラムは、長さ30cm、直径6.5cmであり、第四級アンモニウム基を有する交換樹脂である市販のアニオン交換樹脂アンバーライト(AMBERLITE)IRA402 350mlで充填した。
比較例1〜7
樹脂を、イオン交換樹脂の理論容量の85%が負荷されるまで、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム(APFOA)水溶液で充填した。次いで、該樹脂を1床容積の脱イオン水と、1床容積の水/メタノール1:1混合物と、1床容積の純メタノールとで洗浄した。この調整ステップに引き続いて、負荷されたアニオン交換樹脂を表1および表2に記載された組成物で溶離した。
【0028】
下記表1は、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂を溶離するために使用されたさまざまな水性アンモニア組成物に対する結果を示す。表1の組成物は、重量%で示される。
【0029】
【表1】


上記の例は、第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂の再生が、アンモニア含有水/溶媒(メタノール)混合物を使用してあまり効果的でないことを示す。
実施例1〜9
実施例1〜9において、本発明による溶離組成物が、比較例1〜7において使用された溶離混合物に代えて使用された。溶離速度を変更して、より速い速度が効率性を失わずに可能であることを示す。それゆえ、再生は、ずっと時間がかからない。表2に異なる組成物に対する結果をまとめた。組成物は重量%で示される。
【0030】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂からアニオン性フッ素化界面活性剤を回収する方法であって、アンモニウム塩と水混和性有機溶媒とを含有する組成物で第四級アンモニウム基を有するアニオン交換樹脂を溶離することを含む方法。
【請求項2】
前記アンモニウム塩が、無機アンモニウム塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アンモニウム塩が、式:
(NH4n
(式中、Xは、OH-以外のアニオンを表し、nはXの原子価に等しい)
に相当する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アニオンが、F-、Cl-、Br-、I-、カルボキシルアニオン類、硫酸アニオン類およびスルホン酸アニオン類からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アンモニウム塩の量が、前記水性組成物の0.1重量%〜5重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記水混和性有機溶媒の量が、少なくとも50重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、水または塩基をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アニオン性フッ素化界面活性剤が、前記アニオン交換樹脂から除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フッ素化アニオン性界面活性剤を含む水性組成物からアニオン性フッ素化界面活性剤を回収する方法であって、
(i)第四級アンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂を前記水性組成物と接触させるステップと、
(ii)前記アニオン交換樹脂を前記水性組成物から分離するステップと、
(iii)前記得られたアニオン交換樹脂を、請求項1のいずれかに規定されているような方法によって溶離させるステップと、
を含む方法。
【請求項10】
(i)第四級アンモニウム基を有し、アニオン性フッ素化界面活性剤で負荷された塩基性アニオン交換樹脂を請求項1のいずれかの方法によって溶離するステップと、
(ii)こうして得られた溶出液から前記フッ素化界面活性剤を回収するステップと、
(iii)(ii)で得られた前記アニオン性フッ素化界面活性剤の存在下で水性乳化重合において1種以上のフッ素化モノマーを重合させるステップと、
を含む、フルオロポリマーを製造する方法。

【公表番号】特表2008−532751(P2008−532751A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501003(P2008−501003)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/008768
【国際公開番号】WO2006/099227
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】