説明

筆記具

【課題】粒子径が大きい金属粉等の顔料を含有するインキであっても、筆記具先端に安定的にインキを供給でき、かつ該筆記具の強度や耐久性を低下させないようにしたマーカー等の筆記具を提供する。
【解決手段】インキ溜部と筆記部4を備え、両者の間に筆記部4と接続された弁5が介在された筆記具1において、筆記部4は先栓3内に設置された円筒形のインキ吸収体27により筆記部4の軸方向中央部から後端までの間で支持され、筆記部4の支持される箇所には凹凸部が設けられており、筆記部4後端には弁体15が接続され、弁5は弁体15と弁室25を有し、弁室25にはインキ溜部と連通する溜部側開口21と筆記部と連通する筆記部側開口26が設けられていると共に弁体15が配され、インキ溜部には鱗片状顔料を1〜30重量%の濃度で含有するインキが充填された筆記具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルトチップペン、ラインマーカ、ホワイトボードマーカや修正具等の塗布具に関するものであり、詳細には鱗片状顔料を含有するインキを使用した塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平均粒径が1〜25μmの金属粉を含有するマーキング用金属光沢色インキを、ホルダー内部にペン体(繊維束の樹脂加工体)が軸方向に摺動可能に挿着され、ペン体の後端は軸胴前部に装着された弁機構に挿着され、弁機構の後部の軸胴内にはインキ収容部を設け、ペン体のポンピング操作(ペン先部を断続的に押圧して、ペン体後端に接続の弁機構を作動させて、筆記先端方向にインキを導出させる操作)により、ペン体からのインキ流出量をコントロールすることが記載されているが、該ペン体に関しては特に特定の構造を備えるものではない。
【0003】
特許文献2には、脂肪酸又は脂肪酸塩で表面処理した金属粉顔料を含有する筆記具用金属粉顔料インキ組成物であって、そのインキ組成物をマーキングペンに充填して筆記することが記載されているが、マーキングペンに使用するペン先の構造を特定しない。
【0004】
特許文献3には、金属顔料と、前記金属顔料の表面に形成された非晶質酸化珪素膜層と、前記非晶質酸化珪素膜層の表面に形成された金属層と、前記金属層の表面に形成された金属粒子と、を少なくとも含む着色金属顔料であって、
前記金属粒子が前記金属層の一部を直接被覆するように形成されてなる、着色金属顔料が記載されているに留まり、マーキングペンに使用することも示唆しない。
【0005】
特許文献4には、アルミニウムフレークの表面に二酸化珪素を被覆した干渉色顔料を溶媒中に含有する筆記具用インキ組成物を内蔵した、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペン等の筆記具が記載されているが、やはり該筆記先端部の構造は特定されない。
【0006】
さらに鱗片状顔料を含有するインキを繊維で固めたチップを供えた筆記具に充填して筆記する場合には、特許文献1〜4に記載されたような筆記具の通常のチップは、図6に示すような形状を有し、かつその周囲を樹脂で固めているので、その樹脂を通じて鱗片状顔料をインキの他の成分と共にチップ内に含浸させることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平04−126782号公報
【特許文献2】特開平06−299114号公報
【特許文献3】特許第4216903号公報
【特許文献4】特開2010−065086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術にて使用される金属等の鱗片状の顔料はその平均粒径が3〜50μm程度と非常に大きいために、そのような顔料を安定的に筆記具先端にまで供給して良好に筆記することは困難である。しかも筆記具先端の筆記部の外周は樹脂により固められているので、インキに含有された上記の顔料も筆記部に供給するためには、その筆記部外周と筆記部を固定する部材との間に隙間を形成して、その隙間からのみ顔料含有インキを筆記具に供給するしかなかった。
さらに、これを解決するために塗布具外周を固める樹脂量を削減すると、筆記具の強度や耐久性が低下していた。
よって、粒子径が大きい鱗片状の顔料を含有するインキであっても、筆記具先端に目詰まりすることなく筆記特性良く安定的にインキを供給でき、この結果、このような金属粉等の顔料による光輝性等の特有の効果を発揮できる接着性が良好な筆跡を実現し、かつ該筆記具内のインキの保存安定性を良好にしたマーカー等の筆記具を得ることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1.インキ溜部と筆記部を備え、両者の間に該筆記部と接続された弁が介在された筆記具において、該筆記部は先栓内に設置された円筒形のインキ吸収体により該筆記部の軸方向中央部から後端までの間で支持され、該筆記部の該支持される箇所には凹部内面が樹脂で被覆されない凹部を有する凹凸部が設けられており、該筆記部後端には弁が接続され、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室にはインキ溜部と連通する溜部側開口と筆記部と連通する筆記部側開口が設けられていると共に前記弁体が配され、常時(つまり非使用時)において、弁体は筆記部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放され、使用時に筆記部を押圧することにより弁体が移動して筆記部側開口が開放され、該インキ溜部には鱗片状顔料を1〜30重量%の濃度で含有し、かつ水添されたベンゾフェノン型ケトン樹脂を含有するインキが充填されたことを特徴とする筆記具。
2.インキが鱗片状顔料の他にプロピレングリコールモノメチルエーテルを含有する1記載の筆記具。
3.インキがベンゾフェノン型ケトン樹脂を含有する1又は2に記載の筆記具。
4.インキが揺変剤を含有する1〜3のいずれかに記載の筆記具。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、紙に対するインキの接着性が向上し、筆跡の経時による発色変化がなく、筆記具内の保存安定性に優れると共に、筆記部の構造により、鱗片状顔料がインキに含有されていても、筆記部内にて目詰まりを生じることがなく筆記特性に優れ、該鱗片状顔料を配合することによる光輝性等の視覚的な効果が良好な筆跡を形成できるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の筆記具の先端部を示し、筆記部にインキを供給していない断面図。
【図2】図1に示した筆記具の弁室の拡大断面図。
【図3】本発明の筆記具の先端部を示し、筆記部にインキを供給している断面図。
【図4】図3に示した筆記具の弁室の拡大断面図。
【図5】本発明の筆記具にて使用される筆記部断面図。
【図6】本発明の筆記具にて使用される筆記部断面図。
【図7】従来の筆記具にて使用された筆記部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は特定の構造を有する筆記具と、特定の顔料を含有するインキとの組合せにより特定されるのであって、以下において順に説明する。
【0013】
[筆記具の構造の概要]
本発明における筆記具は下記に示すインキを溜めるインキ溜部とフェルトからなる筆記部を備えてなり、両者の間に該筆記部と接続された弁を介在した筆記具において、該筆記部は先栓内に設置された円筒形のインキ吸収体により該筆記部の軸方向中央部から後端までの間で支持され、該筆記部の該支持される箇所には樹脂で被覆されない面が形成されており、該筆記部後端には弁体が設けられ、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室にはインキ溜部と連通する溜部側開口と筆記部と連通する筆記部側開口が設けられていると共に前記弁体が配され、常時において弁体は筆記部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放され、使用時に筆記部を押圧することにより弁体が移動して筆記部側開口が開放される構造を有している。
なお、ここで、該筆記部は筆記部の形状に纏めた繊維束の外面を樹脂で被覆することによって、該繊維束の表面層には該樹脂が含浸されて、樹脂含浸層が形成されてなる。そして、上記のように本発明において樹脂で被覆されない面、あるいは樹脂含浸層を除去してなる面とは、筆記部の該樹脂含浸層を研削等の手段によって除去して、樹脂が含浸されていない繊維束が露出された面を示す。
このような筆記具はフェルトペンやマーカーとして使用される筆記具であり、インキは後述する特定の顔料と特定の溶媒を使用してなるインキである。
【0014】
上記の本発明における筆記具の構造によれば、常時において筆記具内の弁は閉じているのでインキ溜部から筆記部にインキが供給されることはない。しかしながら使用時に該筆記部を押圧することによって、該筆記部とそれに接続する弁体が一体となって筆記具軸方向の後方に移動することにより弁は開けられる。
【0015】
このため、インキ溜部から筆記部に向けてインキが流通し供給されるので、本発明の筆記具を使用した使用者は円滑に筆記することが可能となる。さらに詳細には、インキ溜部から弁を通過して筆記部方向に移動したインキは含有する鱗片状顔料と共に、筆記部を支持するインキ吸収体に形成された穴、及び筆記部の該インキ吸収体によって支持される箇所に設けた樹脂含浸層を除去してなる面を通過して、筆記部のフェルト内に吸収されるのである。そしてその吸収されたインキは筆記部先端より紙上に筆記されて、該鱗片状顔料を配合することによる視覚的な効果を発揮した筆跡を形成できる。
使用後には、筆記部と弁体は逆の方向に動くので弁体が閉じ、これ以上に、インキ溜部のインキが筆記部に供給されることはない。このような構造を採用してインキの保存安定性、筆記性を向上させることができる。
【0016】
本発明の態様について、以下に図に基づき説明する。
図1〜4において、1は本発明の筆記具を示す。筆記具1は、主に容器2、先栓3、筆記部(ペン先)4、弁5及びキャップ6等によって構成される。以下、各部材の構成について説明する。
【0017】
容器2は、インキ溜部(液体溜部)を形成するものとして機能するものであり、一方の端部が開口し、他端が閉塞した筒形状である。本実施形態で採用する容器2は、開口側がやや小径に作られ、さらに当該部分にはネジが設けられている。容器2は、アルミニウム、ステンレススチール、鋼材等を素材とした深絞り成形、押出成形、しごき成形や、合成樹脂を素材とした射出成形やブロー成形、あるいは、ガラスの吹き込み成形等によって成形される。
【0018】
先栓3は合成樹脂の射出成形等によって作られたものであり、外形は3段階に先細になった形状であり、内部は長手方向に連通する。内部の連通孔10は、容器2と同軸心状に設けられている。また先栓3の太い側の内部にはネジが設けられている。該ネジは容器2に設けられたネジに組み合わせられ一体となる。なお、連通孔10には、筆記部4の中心を後記する弁体15の中心に一致させると共に、先栓3と筆記部4との間に通気孔を確保するための複数の突条(図示省略)が設けられている。
【0019】
筆記部(ペン先)4は断面円形状を呈し且つその先端は、凸状の球面を有するチップからなる。チップの種類としては、毛細管現象によりインキを先端からにじみ出す繊維束チップからなるチップが挙げられる。該チップは5〜30デニールのポリエステル等の繊維からなり、チップの繊維束表面層に樹脂が含浸され、樹脂含浸層が形成されることにより固められることにより強度を向上させている。
【0020】
弁5は、容器2及び先栓3に内蔵され、外装部材11、内装部材12、弁体15及びバネ18によって構成されている。すなわち外装部材11は全体形状が筒状であり、先端部にフランジ20が設けられ、フランジ20の直近の部位の外径が容器2の開口部の内径に等しく、他の部位はやや細く作られている。外装部材11は、長手方向に連通している。すなわち外装部材11の大径側は開放されている。また外装部材11の小径側には、インキ溜部側開口21が設けられている。外装部材11の内径は溜部側開口付近では小さくなるものの、その他の部位では均一の内径である。
【0021】
内装部材12は、フランジ22と筒状部23によって構成され、フランジ22の外径は外装部材11の開放側の外径と等しく、筒状部23の外径は、外装部材11の開放側の内径に等しい。また筒状部23の長さは、外装部材11の開放側から外装部材11の長さ方向中間付近までの長さである。
内装部材12のフランジ側ではない溜部開口側の端部の内面全周にわたって、膨出部13が形成されている。
【0022】
弁体15は棒状であり、中央部近傍が太くなっていて円錐部24を形成し、また該円錐部24の後方は、ほぼ均一な棒状部17が続いている。また該棒状部17の最後端部は尖っている。前方、つまり筆記部4側には、筆記部4の後端の縮径部14を挿入固定できるよう円筒部16が形成されている。
本実施形態の筆記具1において、弁体15の円錐部24と膨出部13が密着することによって、筆記部側開口26のシール部は封鎖可能となる。
【0023】
次に弁5の組み立て構造を説明する。弁5は外装部材11の内部に内装部材12が挿入されてなる。また弁体15は、外装部材11及び内装部材12の内部にあり、その円錐部24から後端側が外装部材11内にあり、前端側が更に内装部材12内にある。すなわち本実施形態の筆記具1では、外装部材11の内部であって、弁体15の円錐部24と内装部材12の後端の膨出部13とが密着して閉弁する。
バネ18は、弁体15に外装され、弁体15の円錐部24を常に、筆記部4側に向けて押圧している。常時においては、円錐部24がバネ18により筆記部4側に押圧されることにより、該円錐部24と膨出部13が密着して弁5は閉じている。
このため、弁室25内のインキは筆記部4に向けて流動することがない。
【0024】
本実施形態の筆記具1の全体的な組み立て構造は次の通りである。すなわち弁5は、容器2の開放端から容器の内部に挿入され、フランジ20が容器の端面に当接している。そして容器2の開放端には先栓3が取り付けられている。また筆記部4は、先栓3の連通孔10に摺動可能に挿入され、その先端部は先栓3から外に突出し、後端の縮径部14は弁体15の円筒部16内に挿入されている。
【0025】
また先栓3の内部にはスポンジ等の多孔性物質からなるインキ吸収体27が設けられている。該インキ吸収体27は円筒形に形成され、内装部材12のフランジの筆記部4側に接して先栓3内に位置している。インキ吸収体27の筒内には筆記部4が摺動可能に挿入されている。
さらに容器2の内部にはインキが内蔵され、攪拌用の球が内蔵されてもよい。
【0026】
外周を樹脂により被覆された筆記部4には、インキ吸収体27に摺動する摺動部28が設けられる。図5に示すように、筆記部4に設けた摺動部28は筆記部4の長さの10〜50%の範囲にわたっており、その摺動部28は筆記部4の直径の3〜30%の深さまで筆記部4を研削することにより、樹脂含浸層が除去されて内部の樹脂が含浸されていない繊維束が露出し、又は図6に示すように、筆記部4の直径の3〜30%の深さの凹部を有する凹凸部が設けられて凹部に繊維束が露出している。筆記部4の表面に設けて一定の形状に保持させる役割を有する上記樹脂含浸層は筆記部4を研削される際に同時に削られるので、該凹部にはインキ中の鱗片状顔料の通過を阻害する樹脂層が存在しない。
このため、容器2から弁室25、内装部材12の内部を通り、該摺動部28に対向するインキ吸収体27に供給されたインキは、含有する鱗片状顔料と共にこの繊維束が露出した部分を通じて筆記部4に含浸され、この含浸されたインキは筆記部4先端から筆記される。但し、筆記部4を研削しすぎると筆記部4の強度が低下する可能性があるので、この点を注意する必要がある。
ここで、該凹凸部は筆記部4の長さ方向又は周方向に向けて溝状あるいは格子状等任意の形状で設けられる。また、筆記部4の後端はその長さの10〜60%にわたって、その径の3〜30%を削り、削る前の70〜97%の径になるようにして縮径部14とする。
【0027】
次に、本実施形態の筆記具1の作用について説明する。本実施形態の筆記具1の常時、すなわち筆記していない時の状態は、図1及び図2で示され、弁体15の円錐部24はバネ18に押されて、円錐部24は内装部材12の膨出部13に当接している。従って常時、弁室25の筆記部側開口26は閉塞されている。そのためインキは筆記部側に流れない。
【0028】
一方、このとき弁体15の後端側である、弁室25の溜部側開口21は開放されている。そのためインキ溜部2と弁室25は流通し、インキ溜部2内のインキは弁室25に流れ込むことができる。
【0029】
使用時において筆記部4を押圧し、インキ吸収体27に対して筆記部4を摺動させることにより、弁体15を後方に移動させると、図3及び4に示すように円錐部24と内装部材12の膨出部13との密着は解除される。その結果、円錐部24と膨出部13との間に空間が形成されて筆記部側開口26が開放される。そのため弁室25内に溜まっていたインキが十分に開いた筆記部側開口26から流れ出し、インキ吸収体27に浸透し、かつ筆記部4に形成された樹脂含浸層が除去されてなる凹凸部の凹部等の繊維束が露出した部分を満たすことを通じて、筆記部に含浸されて筆記部全体に浸透する。この本発明における鱗片状顔料を含有するインキが流動する経路を図4において線Aで示す。
この場合には、インキ溜部側開口21、筆記部側開口26、インキ吸収体27の孔、摺動部28に設けた凹凸部、筆記部4が有する孔はいずれも、インキ組成物が有する鱗片状顔料の大きさを超える大きさとすることが、円滑に筆記部4先端にインキを供給する上で必要である。
以上説明した実施形態では、筆記部側開口26を閉塞する弁として膨出部13に円錐部24を当接させたものを例示したが、他の構造の弁を採用することも可能である。
【0030】
[顔料]
本発明におけるインキに含有される顔料は鱗片状顔料であり、干渉顔料、パール顔料、金属粉顔料、金属被覆無機顔料、ガラスフレーク顔料といわれる顔料等であり、その粒子径(長径)は3〜50μmであり、好ましくは5〜30μmである。粒子径が3〜50μmの範囲内であると、顔料からの反射光が干渉しやすくなり、かつインク中の顔料として分散性に優れ、且つ筆記性も良好である。
そのような鱗片状顔料はインキ中に1〜30wt%含有され、好ましくは3〜20wt%である。1wt%以上であると筆跡に干渉色が現れる等鱗片状顔料を含有させた効果が表れ、30wt%以下であるとインキの粘度が高くなりすぎず、マーカーからのインキ流出性、保存安定性及び筆記性が悪化しない。しかも鱗片状顔料が重なりあって傾くことを防止できるので反射光が十分に干渉色等の鱗片状顔料に起因する外観を呈することが可能である。
【0031】
干渉顔料としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、錫およびこれらの合金から選ばれる少なくとも一つからなる基材に、金属酸化物被膜、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化錫等、フッ化マグネシウム等のフッ化物、銀、銅等の金属等の被膜を2層以上被覆することにより、顔料表面での干渉により反射光が着色する顔料を使用できる。
特に鱗片状のアルミニウム粉末に、シリカ層、銀層、樹脂層を順に積層させてなるクロマシャイン(東洋アルミニウム)、鱗片状のアルミニウム粉末にフッ化マグネシウム層とクロム層とを順に設けてなるクロマフレア(JDS UNIPASE Corp.)を使用することができ、さらに、クロマシャインBL20−R、GR20−R、GD20−R、OR20−R、BL10−R、GR10R、GD10−R、BL20−RPA、GR20−RPA、GD20−RPA、OR20−RPA等を使用することができ、好ましくは上記の中でも、クロマシャインBL20−R、GR20−R、GD20−R、OR20−R、BL20−RPA、GR20−RPA、GD20−RPA、OR20−RPAがよい。
【0032】
パール顔料としては、光輝感に優れるものであれば特に限定されず、屈折率の低い天然マイカや、合成マイカ、板状シリカ、板状アルミナの表面を屈折率の高い金属酸化物、金属窒化物等の金属化合物で被覆したものや、魚鱗箔、塩基性炭酸塩、オキシ塩化ビスマスがあるが、天然マイカや合成マイカに酸化チタン層と酸化鉄層を順に積層させてなるバリオクロム(BASF)、あるいは天然マイカや合成マイカに酸化チタンと酸化鉄の混合層金属酸化物で被覆したもの(メルク等)、アルミと酸化鉄からなる鱗片状顔料表面にシリカ層と酸化鉄層を順に設けてなるバリオクロム(BASF)が好ましい。パール顔料は屈折率の異なる平行な面での規則的な多重反射によって光沢が出るものである。市販されているパール顔料としては、Iriodin100(粒子径10〜60μm、シルバー色)、Iriodin103(同10〜50μm、シルバー色)、Iriodin300(同10〜60μm、金色)、Iriodin302(同5〜20μm、金色)、Iriodin323(同5〜20μm、金色)、Iriodin504(同10〜60μm、赤色)、Iriodin524(同5〜20μm、赤色)、Iiriodin502(同10〜60μm、ブロンズ色)、Iriodin520(同5〜20μm、ブロンズ色)(以上、メルクジャパン社製)や、ULTIMICASB−100(同5〜30μm、シルバー色)、ULTIMICA SD−100(同10〜60μm、シルバー色)、ULTIMICARYB−100(同5〜30μm、金色)、ULTIMICA RYD−100(同10〜60μm、金色)(以上、日本光研工業社製)や、TAYCAPEARL TP−500(同10〜70μm、シルバー色)、TAYCAPEARL TPX−720(同7〜45μm、シルバー色)(以上、テイカ社製)がある。パール顔料は、単独でも2種以上併用しても使用できる。
【0033】
金属粉顔料としては アルミニウムフレークやステンレスフレーク等を使用でき、好ましくは燐酸エステル系、燐酸塩およびリン化物、ヴァナジン酸塩、クロム類二量体酸、ダイマー酸などで処理したもの、樹脂により被覆されたもの等を使用できる。
【0034】
金属被覆顔料としては、天然雲母、合成雲母、板状シリカ、板状アルミナ等の基体をアルミニウム、クロム、銀等の金属により被覆してなる顔料である。
【0035】
ガラスフレーク顔料は、一例を挙げれば、フレーク状ガラスの表面に金属、又はガラスより屈折率の高い金属酸化物が被覆されてなるものである。フレーク状ガラスの平均粒径(長手方向の寸法)は1〜500μmであり、平均厚みは0.1〜10μmである。本実施形態のフレーク状ガラスの化学組成としては、特に限定されるものではなく、Eガラス組成、Cガラス組成、Aガラス組成等の数種類が挙げられる。フレーク状ガラスの屈折率は、その化学組成に関わらず1.4〜1.7の範囲内にある。
【0036】
フレーク状ガラスの表面に被覆される金属としては、銀、チタン、ニッケル、金、白金、パラジウム、コバルト、銅、又はこれらの合金等が挙げられる。これらの中でも、コスト面及び品質面の双方において優れていることから、銀、チタン、ニッケル又はこれらの合金が好ましい。フレーク状ガラスの表面に金属を被覆する場合、その被覆膜の厚みは0.04〜0.2μmが好ましく、0.05〜0.15μmがより好ましい。この被覆膜の厚みが0.04μm未満の場合は、十分な光輝性が得られない可能性が高い。一方、被覆膜の厚みが0.2μmを超える場合には、金属の使用量の割りには光輝性が向上しなくなり、経済的でない。
【0037】
一方、フレーク状ガラスの表面に被覆される金属酸化物としては、油性インキ組成物の光輝性を高めるべく、ガラスより屈折率が高いものが使用される。この種の金属酸化物としては、屈折率が2.0〜3.0のものが好ましく、その具体例としては、アナターゼ型二酸化チタン(屈折率:約2.5)、ルチル型二酸化チタン(屈折率:約2.7)、酸化鉄(屈折率:約2.4〜2.7)、二酸化ジルコニウム(屈折率:約2.1)等が挙げられる。これらの中でも、化学的耐久性やコスト面に特に優れていることから、アナターゼ型二酸化チタン及びルチル型二酸化チタンのいずれかが好ましく、ルチル型二酸化チタンが最も好ましい。
【0038】
金属酸化物の被覆膜は、金属酸化物の種類や要求される光輝性の程度、或いは干渉色等によって適宜調整されるが、その厚みは0.01〜1μmが好ましく、0.03〜0.8μmがより好ましい。金属酸化物の被覆膜の厚みが0.01μm未満の場合には、十分な光輝性が得られない可能性が高い。一方、金属酸化物の被覆膜の厚みが1μmを超える場合には、金属酸化物の使用量の割りには光輝性が向上しなくなり、経済的でない。
【0039】
例えば、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名「メタシャインREFSX−2015PS」、「メタシャインREFSX−2025PS」及び「メタシャインREFSX−2040PS」を例示することができる。
【0040】
また、フレ−ク状ガラスがスパッタリング法により金属で被覆されたガラスフレーク顔料も使用することができる。例えば、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名「クリスタルカラーGF2125」、「クリスタルカラーGF2125−M」、「クリスタルカラーGF2140」、「クリスタルカラーGF2140−M」がある。また、ニッケル・クロム・モリブデンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF2525」、「クリスタルカラーGF2525−M」、「クリスタルカラーGF2540」、「クリスタルカラーGF2540−M」がある。また、真鍮で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF250」、銀合金で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1345」、チタンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1445」がある。
【0041】
本発明において使用されるインキには、鱗片状顔料の他に公知の着色剤を配合することが可能であり、そのような着色料としては、本発明におけるインキに溶解される染料や、分散が可能な顔料である。
染料としては、塩基性染料、直接染料、酸性染料等の各種の染料を使用でき、具体的にはフタロシアニン系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、ハロゲン化フタロシアニン系、イソインドリノン系、アゾメチン金属錯体系、インダンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ベンゾイミダゾロン系、縮合アゾ系、トリフェニルメタン系、キノフタロン系、アントラピリミジン系等の染料である。
顔料としては、無機顔料や有機顔料を使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄、亜鉛華、コバルトブルー、群青、黄鉛、カーボンブラック、フタロシアニン系、アンスラキノン系、アゾ系、キナクリドン系等が挙げられる。
【0042】
[溶媒]
本発明は溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを使用することが必要である。この溶媒を使用することにより、鱗片状顔料表面にプロピレングリコールモノメチルエーテルを存在させて、より安定性が良好な状態にてインキ中に分散させることができる。また、特に酢酸n−プロピル、酢酸エチル等のエステル系溶媒を併用してもよい。
ただし、そのような分散安定性を阻害しない範囲において、その他の溶媒を添加することも可能であり、そのような溶媒としては、例えば、ミネラルスピリット、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、などの芳香族炭化水素、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、などのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、などのアルコール類、n−プロパノン、2−ブタノン、などのケトン類テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類およびそのエーテルが挙げられる。
【0043】
[樹脂]
本発明のインキに配合される樹脂は、例えば下記式1で示されるベンゾフェノン型ケトン樹脂を水添してなる下記式2で示される水添樹脂である。
式1

式2

具体的には、水添されたベンゾフェノン型ケトン樹脂はVARIPLUS SK(TEGO社)を使用することができる。
該水添されたベンゾフェノン型ケトン樹脂は、長期にわたる保存において変色や退色を発生することがなく発色が非常によく、さらに紙面等への接着性及び耐擦過性に優れる。本発明のインキにおいて3〜30wt%、好ましくは4〜20wt%の範囲にて使用することができる。この範囲であれば粘度上昇による筆記の不良の発生を防止しつつ、紙への接着性や耐水性を十分に得ることができる。また、フェノール樹脂等の他の樹脂と比較して鱗片状顔料の分散性に優れるので、筆記時においても紙上にて鱗片状顔料が均一に分散されて光輝性に優れた筆跡を得る。
【0044】
本発明においては、水添されたベンゾフェノン型ケトン樹脂を使用することの効果を阻害しない範囲にて、上記の水添されたベンゾフェノン型ケトン樹脂と共にベンゾフェノン型ケトン樹脂VARIPLUS AP(TEGO社)を併用できる。
他にも、公知の各種のインキ用樹脂を添加することも可能である。そのような樹脂として例えば、アルキッド樹脂、ケトン樹脂、アミド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリル酸エステル、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物等が挙げられる。そしてこれらの樹脂のうちの一種又は二種以上を使用することができる。
【0045】
[揺変剤]
本発明においては、剪断力が加えられることによって、一時的な網目構造が破壊されるような成分として揺変剤あるいはチキソトロピー付与剤といわれる成分をインキに添加できる。このような揺変剤としては、例えばウレア基等を有することによって水素結合を形成する化合物を挙げることができる。
本発明においてインキに添加可能な揺変剤は、ウレアウレタン、変性ウレア、ポリヒドロキシカルボン酸アミド、ポリヒドロキシカルボン酸エステル、ウレア変性ポリアミド、酸化ポリエチレンアミド、酸化ポリエチレン、脂肪酸アミド等を挙げることができる。より具体的には、ビックケミー・ジャパン(株)のBYK−405、BYK−410、BYK−411、BYK−420、BYK−425、BYK−430、BYK−R650、BYK−R606(以上、商品名)や楠本化成(株)のDISPERLONシリーズの4200−20、4200−10、PF−911、4401−25X、4401−25M、NS−30、NS−5010、NS−5025、NS−5210、NS−5310(以上、商品名)などを例示することができる。これらのうち1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
[他の成分]
本発明の塗料組成物、および、インキ組成物には、必要に応じ、塗膜の多様な色彩、および、優れた光輝性を損なわない程度において、通常配合されている界面活性剤、硬化剤、紫外線吸収剤、静電気除去剤、増粘剤、カップリング剤、可塑剤、分散剤、酸化防止剤、艶出し剤、合成保存剤、潤滑剤、などの各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
【実施例】
【0047】
実施例A:樹脂含浸層を除去した摺動部を有する筆記部と樹脂含浸層を除去しない摺動部を有する筆記部を組み込んだ2種の「サクラペイントマーカー中字 白」の容器部材を準備し、これらに下記表2に示す実施例3のインキ組成物を充填して下記の条件にて筆記試験を実施した。100mの長さまで筆記し、25m毎の4区分毎に流出したインキの重量を測定した。
筆記部は長さ30mm、そのうち後端の縮径部は長さ7mmであった。該縮径部に隣接するインキ吸収体に接する箇所には筆記部表面の樹脂含浸層を0.3mm研削して除去することにより、繊維束を露出させてなる筆記部を図5に示す。表1に示す実施例においては図5の筆記部を使用し、比較例においては図7の筆記部を使用した。
筆記条件:7cm/sec
荷重 :100gf
筆記角度;85°
単位(g)
【0048】
【表1】

樹脂含浸層を除去した摺動部を有する筆記部を備えた場合には、各区分にて流出したインキ重量はほぼ一定でその量も多く、筆記部にてインキが詰まることはなかったが、樹脂含浸層を除去しない摺動部を有する筆記部を備えた場合にはインキの流出量が少なく、しかも25m以降の流出量は減少した。この傾向は筆記部にてインキが目詰まりしたことを示している。
【0049】
実施例B
下記表2に示す組成を有する鱗片状顔料含有インキ組成物を用意し、これらのインキ組成物を「サクラペイントマーカー中字 白」に充填して、接着性、筆記特性、光輝性、保存安定性を測定した。
接着性 :擦過しても動かないのものを○、動くものを△とした。
筆記特性 :連続して安定して筆記できるものを○、
途中カスレが発生するものを×とした。
光輝性 :50℃1カ月保存後の光輝性が初期と変わらないのものを○、
色相や光輝性が低下するものを△とした。
保存安定性:50℃1カ月保存後のインキ流出性で色と変わらないものを○、
ハードケーキを形成したり、インキ流出量が低下するものを△とした。
【0050】
【表2】

表2中、
TEGO VARIPLUS SKはベンゾフェノン型ケトン樹脂を水添してなる水添樹脂
TEGO VARIPLUS APはベンゾフェノン型ケトン樹脂
クロマシャイン BL 20-RPA、クロマシャイン GR 20-RPA、クロマシャイン GD 20- RPAは干渉顔料
BYK-410は揺変剤
クマノル♯510はフェノール樹脂
【0051】
実施例1〜3はベンゾフェノン型ケトン樹脂を水添してなる水添樹脂を含有し、且つ揺変剤を配合してなる、鱗片状顔料含有インキ組成物を使用した例であり、接着性、筆記特性、光輝性、保存安定性はいずれも良好である。
しかしながら、ベンゾフェノン型ケトン樹脂を水添してなる水添樹脂を含有せず、フェノール樹脂を含有した比較例1によっては、接着性と光輝性が悪化する。これは該水添樹脂を含有しないことによる紙表面への接着力の低下と、クロマシャイン BL 20−RPAが十分に分散されない状態となったことを反映している。
比較例2の組成物のように、ベンゾフェノン型ケトン樹脂を水添してなる水添樹脂を含有せず、ベンゾフェノン型ケトン樹脂を含有させたインキ組成物では、実施例と比較して接着性に劣る。
また、比較例3の結果によれば、ベンゾフェノン型ケトン樹脂を水添してなる水添樹脂を含有するものの干渉顔料を高濃度に配合すると、筆記特性が悪化し、筆跡上において光輝顔料がランダムに重なるために全体として光輝性に劣ることになる。さらに光輝顔料が多量であるために十分に分散されず保存安定性も劣る。
【符号の説明】
【0052】
1・・・筆記具
2・・・容器
3・・・先栓
4・・・筆記部
5・・・弁
6・・・キャップ
10・・・連通孔
11・・・外装部材
12・・・内装部材
13・・・膨出部
14・・・縮径部
15・・・弁体
16・・・円筒部
17・・・棒状部
18・・・バネ
20・・・フランジ
21・・・インキ溜部側開口
22・・・フランジ
23・・・筒状部
24・・・円錐部
25・・・弁室
26・・・筆記部側開口
27・・・インキ吸収体
28・・・摺動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インキ溜部と筆記部を備え、両者の間に該筆記部と接続された弁が介在された筆記具において、該筆記部は先栓内に設置された円筒形のインキ吸収体により該筆記部の軸方向中央部から後端までの間で支持され、該筆記部の該支持される箇所には凹部内面が樹脂で被覆されない凹部を有する凹凸部が設けられており、該筆記部後端には弁体が接続され、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室にはインキ溜部と連通する溜部側開口と筆記部と連通する筆記部側開口が設けられていると共に前記弁体が配され、常時において弁体は筆記部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放され、筆記部を押圧することにより弁体が移動して筆記部側開口が開放され、該インキ溜部には鱗片状顔料を1〜30重量%の濃度で含有し、かつ水添されたベンゾフェノン型ケトン樹脂も含有するインキが充填されることを特徴とする筆記具。
【請求項2】
インキがプロピレングリコールモノメチルエーテルを含有する請求項1記載の筆記具。
【請求項3】
インキがベンゾフェノン型ケトン樹脂を含有する請求項1又は2に記載の筆記具。
【請求項4】
インキが揺変剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の筆記具。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−16866(P2012−16866A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155047(P2010−155047)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(390039734)株式会社サクラクレパス (211)
【Fターム(参考)】