説明

等温滴定マイクロ熱量計装置及び使用方法

等温滴定マイクロ熱量計システム用の自動ピペットアセンブリであって、ピペットハウジングと、滴定針が、滴定剤を供給するための試料セル内に挿入されるように構成されたシリンジと、シリンジ内にプランジャを駆動するためのリニアアクティベータとを備え、滴定針が、ハウジングに対して回転可能であり、試料セル内の流体を攪拌するように構成された攪拌パドルを備え、自動ピペットアセンブリが、滴定針の回転を駆動するための攪拌モータを備える、自動ピペットアセンブリ。さらに、等温滴定マイクロ熱量計システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してマイクロ熱量計に関し、より具体的には、マイクロ熱量計の性能を向上させる構成物に関し、とりわけ等温滴定熱量計の性能を向上させる構成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ熱量計は、生化学、薬理学、細胞生物学その他の分野で広く使用される。熱量計は、生体高分子の熱力学的特性の変化を測定するための直接的な方法を実現する。マイクロ熱量計は、典型的には、2つのセル計器であり、試料セル内の水性緩衝液中の試験物質の希釈溶液の特性が、基準セル内の等量の水性緩衝液と継続的に比較される。温度又は熱流などの、2つのセルで測定された特性の差は、試料セル内における試験物質の存在に起因する。
【0003】
マイクロ熱量計の1つのタイプが、等温滴定熱量計である。等温滴定熱量計(ITC)は、示差デバイスであるが、一定温度及び一定圧力で作動し、試料セル内の液体は、継続的に攪拌される。滴定熱量計の最も一般的な用途は、分子間相互作用の熱力学的特徴付けにおけるものである。この用途では、試験物質(例えばタンパクなど)の希釈溶液が、試料セル内に配置され、様々な時点で、試験物質に結合するリガンドを含有する少量の第2の希釈溶液が、試料セル内に注入される。この計器は、試験物質に対する新たに導入されたリガンドの結合によって上昇した又は吸収された熱を測定する。複数注入実験の結果より、ギブスのエネルギー、結合定数、エンタルピー変化、エントロピー変化、及び結合の化学量論などの特性が、試験物質とリガンドとの間における特定の組合せに対して決定され得る。
【0004】
現在利用されているITCは、確実な結合データ結果を提供するが、薬剤開発の初期段階におけるそれらの利用の普及は、複数の要因、すなわち、結合判定を実施するために必要とされるタンパクの量が比較的多量であること(例えば、約0.1mg〜約1.0mgのタンパクなど)、測定の実施に必要とされる時間、及び、従来のITCを利用する際の複雑さによって、限定されてきた。研究に使用される生物学的物質のコストが極めて高額であることにより、各実験に対して使用される生物学的物質の量を低減させる必要がある。熱量計の実験に使用される生物学的物質の量を低減させるためには、現在入手可能なものよりもさらに正確であり、高感度であり、確実な滴定熱量計が必要となる。
【0005】
さらに、従来技術のITCを使用して結合データを収集するには、実施者による膨大な準備及び技量が必要となる。例えば、従来技術のITCを使用することにより、基準セル及び試料セルは、初めに、対応するセルステムを介して基準物質及び試料物質でそれぞれ充填される。次に、ITCのシリンジが、滴定剤で充填される。次いで、ITCの針が、試料セルに通じるセルステムを介して試料セル内に配置され、シリンジは、ITC上のホルダに嵌入されて、シリンジはその軸方向を中心として回転することが可能となる。その後、シリンジは、針がセルステム又は試料セルに接触しないように、試料セルに位置合わせされる。次いで、シリンジは、ITCの攪拌モータ及びリニアアクティベータに連結され、攪拌モータ及びリニアアクティベータもやはり、試料セルに位置合わせされなければならない。
【0006】
上述の従来技術の手順を読むことから理解されるように、従来技術のITCを使用することにより、これらの従来技術のITCにより実施される結合測定のクオリティは、オペレータの技量及び経験に大きく左右され、非常に多大な準備時間を要する。
【0007】
より近年に開発された従来技術のITCでは、上述の準備の手順の簡略化が試みられている。例えば、図1でITC100として部分的に示すこのような従来技術のITCの1つでは、シリンジ102、シリンジホルダ104、及び、シリンジ102のプランジャを作動させるリニアアクチュエータ106が、自動ピペットと呼ばれる単一ユニットへと一体化される。さらに、ITC100は、熱量計本体110に装着される攪拌モータ108を備える攪拌機構を備える。さらに、ITC100は、シリンジ102の周囲に配置された内方磁石結合部112と、攪拌モータ108の近傍の熱量計本体110上に配置された外方磁石結合部114とを備える。回転が、攪拌モータ108からシリンジ102へと、磁石結合部112及び114により伝達される。シリンジ102に装着されるのは、針116及びパドル118である。針116は、ITC実験を実施するためにセルステム122を介して試料セル120内に挿入されるように構成される。参考までに述べると、さらに、ITC100は、基準セルステムを介して周囲雰囲気と連絡する基準セル(図示せず)を備える。
【0008】
上述の、及び図1に示す従来技術の設計は、いくつかの限界を有する。例えば、磁石結合部が、軟質の/可撓性の伝達部分であるため、特定の回転速度及び加速度で攪拌器の共鳴振動を生じさせる傾向があり、これは、計器の感度に悪影響を及ぼす。共鳴振動は、回転速度を制御する比較的低感度のフィードバック機構を使用する(比較的安定度の低い回転速度がもたらされる)ことによってか、又は、回転速度を下げることによって、低減させることが可能である。しかし、比較的安定度の低い回転速度は、ITCの感度をも低減させると共に、比較的低い回転速度により、試薬の適切な混合が阻害されて、それによりITCの精度が低下する。
【0009】
従来技術の設計の別の限界は、攪拌モータ及び磁石結合部が、計器の高感度測定ユニットの付近に配置され、ITCの高感度電子回路の作動に悪影響を及ぼす電気ノイズを発生させる実質的な交流磁場を生成する点である。ITCのセンサは、約10-9ボルトの信号を処理し、モータ及び磁石結合部により発生するノイズは、センサとノイズ源との間の距離に逆比例し、このITCの設計の性能特徴におけるさらなる改良が、ますます困難なものとなる。先述のように、新規のマイクロ熱量計の設計に影響を与える根本的要素の1つは、各実験に対して使用される生物学的物質の量を低減させる必要があることである。これは、より小さな試料セルと、より短いセルステムを要し、この短いセルステムにより、さらに、セルセンサとモータと磁石結合部(電気ノイズ源)との間の距離がより短くなり、これにより、計器の感度が限定される。
【0010】
本明細書で説明される本発明は、ITCの感度が改善され、試験に必要な生物学的物質の量が低減され、ITCにより得られる結果の信頼性が改善され、ITCの使用が容易になるように、従来技術のITCの前述の特徴及び使用法を改良することを目的とされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Cooper, Allan and Johnson Christopher, M, Isothermal Titration Microcalorimetry, Ch 11, Methods in Molecular Biology, Vol 22: Microscopy, Optical Spectroscopy, and Macroscopic Techniques Edidted by C. Jones, B. Mulloy and A.H. Thomas, Humana press Inc, 1994 [online] From the internet: [retrieved on 2009-01-12]<URL-http://www.chem.gla.ac.uk/staff/alanc.MMB-ITC-1994.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来技術の1以上の欠点を解消する、等温滴定マイクロ熱量計システム用の新規の自動ピペットアセンブリとITCシステムとを提供することである。これは、独立請求項に規定されるピペットアセンブリ及びITCシステムにより達成される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本ピペットアセンブリ及び関連するITCシステムに関する1つの利点は、それらにより、感度を低下させることなく、及び反応時間の著しい高速化を伴いつつ、従来技術のITCに比べて約7分の1だけセルコンパートメント体積を縮小することが可能となることである。このようなITCシステムにより、約10分の1の少量のタンパク試料によって、しかも1時間当たりわずか合計約2〜約4回の滴定によって、実験を実施することが可能となる。
【0014】
ITC実験の実施に関連するコストの削減に加えて、比較的小さなセル体積によっても、ITC用途の数が増大する。例えば、ITCにより測定され得る結合親和性の範囲が、「c値」と呼ばれるパラメータにより示される。「c値」は、結合親和性(Ka)及び高分子の総濃度(Mtotal)の積(c=[Mtotal]Ka)である。正確な親和性の判定のために、c値は1〜1000の間でなければならない。10分の1だけセルの体積が縮小することにより、同量のタンパクが使用される場合にはc値に同様の上昇があり、その結果、弱い結合物を測定することが可能となる。この能力は、とりわけ完全に自動化された計器との組合せにおいて、結合親和性が弱い創薬の初期段階でとりわけ重要になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】マイクロ熱量計の自動ピペット構成部を強調した、従来技術の等温滴定マイクロ熱量計の概略的な例を示す図である。
【図2】ガイド機構を備える本発明の等温滴定熱量計システムの概略的な実施形態の断面図である。
【図3】等温滴定マイクロ熱量計システムのための自動ピペットアセンブリの概略的な実施形態の断面図である。
【図4】ピペットアセンブリが試料セルから引き戻された、図2に示すITCシステムの断面図である。
【図5a】等温滴定熱量計システム用のガイド機構の概略的な実施形態の斜視図である。
【図5b】等温滴定熱量計システム用のガイド機構の概略的な実施形態の斜視図である。
【図5c】等温滴定熱量計システム用のガイド機構の概略的な実施形態の斜視図である。
【図6】等温滴定熱量計システム用のガイド機構の別の概略的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2は、本発明によるITCシステム200の一実施形態を概略的に図示する。ITCシステム200は、マイクロ熱量計210及び自動ピペットアセンブリ220を備える。マイクロ熱量計210は、基準セル240及び試料セル250を備え、これらのセルは、熱容量及び体積が基本的に同一になるように設計される。セル240及び250は、金、プラチナ、タンタル、又はハステロイ等の、適切な化学的不活性の熱伝導性材料から構成される。セル240及び250は、基本的に任意の適切な形状からなるものであってよいが、同一形状であり、完全対称構成に配置することが可能であり、滴定剤の試料との効率的な混合を実現し得ることが、望ましい。開示される実施形態では、セル240及び250の断面は、矩形であり、横軸水平方向への断面は、円形であり、結果として、円形対向表面を有するコイン形状セルとなる。
【0017】
任意の外部からの熱の影響を最小限に抑えるために、基準セル240及び試料セル250は共に、第1の熱シールド260により封鎖され、さらに第1の熱シールド260は、第2の熱シールド270に封鎖される。熱シールド260、270は、銀、アルミニウム、又は銅等の任意の適切な熱伝導性材料から構成されてよい。さらに、シールド260、270は、1以上の熱的に相互連結されたサブシールド(図示せず)から構成されてよく、それにより、熱量計セル240、250に関してはるかにさらに安定的な温度条件が実現される。
【0018】
シールド260、270の温度を制御するために、熱制御手段が、シールド260、270の温度を制御するように配置されてよい。ITCシステムでは、熱制御手段は、滴定実験が開始される前に、熱量計の、すなわち熱シールド260、270の「等温」温度を設定するために主に使用される。しかし、以下でより詳細に開示されるように、熱制御手段は、熱量計の断熱挙動を向上させるためにも使用され得る。一実施形態では、熱制御手段は、ペルチエ効果などに基づいて熱電ポンプデバイスなどの1以上の熱ポンプユニットから構成される。他のタイプの熱制御手段には、温度自動制御式液体槽、機械式熱ポンプ、化学式加熱/冷却システムなどが含まれる。
【0019】
開示される実施形態では、第1の熱ポンプユニット280が、第1の熱シールド260と第2の熱シールド270との間で熱エネルギーを伝達するように構成され、第2の熱ポンプユニット290は、室温との熱的接触状態で、第2の熱シールド270と熱シンク300との間で熱エネルギーを伝達するように構成される。温度制御装置310が、第1の熱ポンプユニット280及び第2の熱ポンプユニット290を制御するように配置されて、それにより、所望の温度条件が実現される。温度制御装置310及び関連するセンサは、以下でより詳細に開示される。
【0020】
基準セルステム320及び試料セルステム330により、基準流体、試料流体、滴定流体を供給するため、セルを洗浄するため、等々のために、それぞれ基準セル240及び試料セル250に対するアクセスが与えられる。開示される実施形態では、セルステム320及び330は共に、熱シールド及び熱シンクの両方を実質的に垂直方向に貫通して延在して、セル240及び250と直接連通状態になされ、セルステム320及び330はそれぞれ、第1の熱シールド260の空洞部内でそれらの各セル240及び250を支持する。
【0021】
自動ピペットアセンブリ210は、ピペットハウジング340、滴定針360が滴定剤を供給するために試料セル250中に挿入されるように配置されたシリンジ350、及び、シリンジ350内にプランジャ380を駆動するためのリニアアクティベータ370を備える。滴定針360は、ハウジング340に対して回転可能であり、滴定剤と試料流体との効率的な混合を実現するために試料セル250内の試料流体を攪拌するように構成された攪拌パドル390を備える。さらに、自動ピペットアセンブリ210は、滴定針360の回転を駆動するための攪拌モータ400を備える。
【0022】
図2に開示される実施形態では、攪拌モータ400は、中空ロータ410がシリンジ350及び滴定針360と同心に配置された、直接駆動モータである。シリンジ350は、攪拌モータ400によって回転されるように、シリンジ350の上方端部にて支持され、軸受420によってシリンジ350の下方端部にて支持される。攪拌モータ400及び軸受420は共に、玉軸受を備えるものとして概略的に開示されるが、滴定針360の平滑で低摩擦の回転を実現させることが可能な任意の他のタイプの軸受、ブシュなどが使用されてよい。
【0023】
図2で開示される実施形態では、シリンジ350は、ハウジング340に対して回転可能に配置され、滴定針360は、シリンジ350に回転不能に装着される。代替の一実施形態(図面には図示せず)では、針360は、シリンジ350に対して回転可能であり、シリンジ350は、ピペットハウジング340に対して静止状態にある。図3は、代替の一実施形態を示し、シリンジ350は、ピペットハウジング340内の回転フレーム430内に着脱式に配置され、回転フレーム430は、モータ400及び軸受420によって回転可能に支持される。開示される実施形態では、シリンジ350は、ねじ山などにより回転フレーム430に着脱式に装着されたキャップ440によって、回転フレーム430中に保持される。キャップ440を取り外すことによって、滴定針360と共にシリンジ350を交換することが可能となる。
【0024】
代替の一実施形態では(図面には図示せず)、攪拌モータ400は、駆動ベルト構成体又は駆動輪構成体等の回転伝達構成体によって、滴定針を回転駆動させる。このような構成体では、駆動モータは、熱量計セルからさらに大きな距離をおいて配置することができる。
【0025】
攪拌モータは、ITCシステムの攪拌制御装置450により制御される。この攪拌制御装置は、従来型のBLDCである。リニアアクチュエータは、ITCシステムの滴定制御装置460によって制御される。攪拌制御装置450及び滴定制御装置460は、ピペットアセンブリ220内に配置されてよく、さらに、ITC制御システム(詳細には図示せず)に接続されるか、又は、ITC制御システムの一体部分であってよい。
【0026】
開示される実施形態では、リニアアクティベータ370は、ねじプランジャ380を駆動するように構成されたステッピングモータ470を備え、中空ロータ480の穴を貫通してシリンジ350内に同軸方向に延在し、シリンジ350から正確な量の滴定液体を変位させることが可能となるように、シリンジ350の内方壁部に対接してシールするピペット先端部490に回転可能に装着される。さらに、ピペットアセンブリは、ねじプランジャ380の2つの所定の位置を検出するための位置センサ500a、500bを備える。リニアアクティベータ370は、十分な精度で制御された線形移動を実施することが可能な任意の他のタイプのものであってよい。この設計により、シリンジは、ピペットアセンブリ220の本体340とは無関係に回転されることが可能となり、同時に、リニアアクティベータ370は、ねじプランジャ380を駆動することが可能となる。
【0027】
このITCシステムでは、滴定制御装置460は、ピペットアセンブリ220のリニアアクティベータを制御するように構成される。一実施形態では、滴定制御装置460は、ねじプランジャ380の2つの所定の位置を検出するための位置センサ500a、500bを使用し、滴定制御装置460は、ねじプランジャ380の2つの所定位置を位置合わせし、位置間でねじプランジャ380を移動させるためにステッピングモータ470によって実施されるステップ数からプランジャ380のねじのピッチを判定するように構成される。このように判定されたねじプランジャのピッチは、その後に、少量の滴定剤を変位させる際に滴定ピペットの精度を高めるために、ピペット制御装置により使用される。
【0028】
開示される実施形態では、ピペットアセンブリハウジング340は、攪拌モータ400及びリニアアクティベータ470のステータ用の設置ベースとしての役割を果たす。さらに、ハウジング340は、試料セルステムに対してピペットアセンブリを正確に位置決めするために装着セクションを備えてよい。
【0029】
一体化された攪拌モータ400がシリンジ350の上方端部に又はシリンジ350の上方に配置された、自動ピペットアセンブリ220により、攪拌モータ400(すなわち交流電磁場源)と、熱量計の熱的中心部に及び/又はその付近に配置される高感度電子回路との間の距離が大きくなるのみならず、さらに、攪拌モータ400を作動させるために必要な電力量を低減させることが可能となる。すなわち、ピペットアセンブリ220の上に攪拌モータ400を配置することによって、攪拌モータ400のサイズは、熱量計ハウジングの上に攪拌モータを配置する従来技術のITC(図2)により決定されたようには、試料セルと基準セルとの間のスペースによって決定されない。さらに、従来技術では、セルステムが、磁気結合攪拌器の回転中心を貫通して突出する。したがって、攪拌器機構用のサイズの下限は、セルステム間の間隔によって決定される。したがって、本発明の攪拌モータのサイズは、例えば従来技術のITCで見受けられる攪拌モータのサイズの約5分の1だけなど、著しく縮小させることが可能となり、これにより、ITCを作動させるのに必要となる電力量が、例えば従来の既知のITCを駆動するために使用される100ワットに対して、約2ワットなどと、著しく低減される。
【0030】
攪拌器モータのサイズを従来技術のITCの攪拌モータよりも約5分の1のサイズにまで縮小させ、攪拌モータが熱量計の高感度電子回路から約50mm以上離れるようにピペットの上に攪拌モータを配置し、磁気結合部を除去することにより、従来使用されたITC内に存在する磁場が閉ざされる。したがって、本発明のITCの感度は、比較的低い電力、比較的低い熱、比較的弱い電気、並びに、本明細書で開示される攪拌モータの配置により生じる比較的低いノイズ及び振動によって、高められる。さらに、開示される実施形態は、他の交流電磁場源である磁石結合部を不要にもする。
【0031】
これらの改良により、高感度電子回路中で誘起される電気ノイズが低減し、これは、さらに、熱量計の感度の向上に寄与し、これにより、試料セル及び基準セルの体積が、著しく縮小され得る。さらに、試料セル及びその対応するセルステムのサイズを縮小することにより、各実験について使用される生物学的物質の量が低減される。
【0032】
以下の表1は、従来技術のITC及び本発明のITCの両方の、セルステム並びに試験セル及び基準セルのいくつかの重要な寸法を示す。表1に示されるように、熱量計本体の上に配置するのではなく、ピペット下位アセンブリの上に直接的に攪拌モータを配置する本発明のITCにより、使用されることとなる試験物質の量がより少なくなり、それにより、熱量計実験の実施に関連するコストが低減される。
【0033】
【表1】

【0034】
一実施形態では、マイクロ滴定熱量計システム200は、2以上の動作位置の間及びそれらの中にピペットアセンブリ220を案内するように構成されたピペットガイド機構510を備える。第1の動作位置は、ピペット洗浄位置580であり、滴定針360が、洗浄装置内に挿入され(図5a〜図5cを参照)、第2の動作位置は、滴定位置560であり、シリンジが、熱量測定のために試料セル250中に挿入される。図2の実施形態では、ガイド機構510は、ピペットアセンブリ220を支持するピペットアーム520と、実質的に垂直なガイドロッド530とから構成される。ピペットアーム520は、スリーブ540によってガイドロッド530に移動可能に装着されるが、ガイドロッドの周囲におけるピペットアーム520の移動は、ガイドロッド530中のガイド溝550及びガイドピン560によって制限される。ガイドピン560は、スリーブ540の内側面から突出し、ガイド溝550中に嵌入する。開示されるガイド機構510は、回転式のものであり、その動作位置は、ガイドアセンブリの回転中心の周囲に等距離に配置されるが、異なる角度位置に配置され、ピペットアセンブリ220の垂直方向への移動は、この動作位置の角度位置に限定され、滴定針260が各動作位置から完全に引き戻されると、これらの角度位置間のピペットアセンブリ220の回転移動のみが、可能となる。図4は、ピペットアセンブリ220が滴定位置から、すなわち試料セル250から完全に引き戻された位置にある場合の、ガイド機構510を示す。この位置では、ガイド機構510は、ピペットアーム520にとって可能な移動を、滴定位置の方向への下方への垂直移動、又は別の動作位置に達する回転移動に限定する。2つの動作位置を有するマイクロ滴定熱量計システム200では、洗浄装置600は、ピペットアセンブリ220の洗浄の完了後に、ピペットアセンブリ220への滴定剤の充填が可能になるように構成されてよい。代替的には、ピペットの充填は、シリンジ中の特定の充填ポートなどの、他の手段を介して実施することができる。
【0035】
図5a〜図5cは、3つのそれぞれ異なる動作位置560、570、580の方に及びそれらの位置からピペットアセンブリ220を案内するように構成されたピペットガイド機構510を有する、マイクロ滴定熱量計システム200の一実施形態の概略斜視図を図示する。一実施形態では、第3の動作位置は、滴定剤充填位置570であり、滴定針360が、滴定剤源590内に挿入される。図5aは、ピペットアセンブリ220が滴定位置560に位置する状態における、ガイド機構510を図示する。図5bは、滴定位置560と充填位置570との中間状態のガイド機構510を図示する。図5cは、ピペットアセンブリ220の滴定針360が充填位置570に位置する状態における、ガイド機構510を図示する。図4a〜図5cに開示されるように、特定の動作位置560、570、580に関連付けされる垂直方向ガイド溝550は、ピペットアセンブリ220を、実施されることとなる動作に対して所定の高さに配置するように構成されてよい。
【0036】
図6は、ガイド機構510の別の実施形態を図示し、ガイドロッド530中のガイド溝が、ガイドアーム520用の対応するガイド経路620を備える同軸方向外部ガイドスリーブ610に置換される。
【0037】
一実施形態では、マイクロ滴定熱量計システム200は、ピペットアセンブリ220が動作位置560、570、580の中の1以上に位置決めされる場合に位置が合うように構成された1以上の位置センサ(図示せず)を備え、関連する動作が、位置センサの状態により制限される。センサは、例えば、ピペットアセンブリ220が滴定560に対して正確な位置に位置する場合に位置が合うように構成されてよく、熱量計システム200は、ピペットアセンブリ220が正確な位置にあることをセンサが確認するまでは、滴定動作の開始を防止するように構成されてよい。
【0038】
再び図面を参照すると、ガイド機構510により、試料セル250等々内におけるピペットアセンブリ220の適切な位置合わせ及び位置決めが確実になる。ピペットアセンブリ220の全ての要素(シリンジ、針、パドル、プランジャ、リニアアクティベータ、中空ロータ)及びガイド機構510は、好ましくは、製造プロセスの際に正確に位置合わせされ、計器を使用する際にいかなる追加的な位置合わせも要さない。事前設定される出荷時の位置合わせにより、計器の利便性及び信頼性が著しく向上し、実験のための準備時間が著しく短縮され、ユーザの技量にかかわらず高いクオリティの測定が可能となる。さらにガイド機構510により、シリンジの洗浄及び乾燥のための、洗浄装置600内におけるピペットアセンブリ220の適切な位置決めが、及び例えば滴定剤によるシリンジの充填のための、ピペットアセンブリ220の適切な位置決めが可能となる。
【0039】
本明細書で開示されるITC装置を使用するための例示の一方法は、滴定剤の充填、ピペットの洗浄、及びシリンジへの滴定剤の送給のための、深さ及び幅の両方における手動によらないシリンジの位置合わせを含む。
【0040】
本発明のITC装置を作動させる例示の一方法は、滴定剤でシリンジを充填するためにピペットを位置決めするために、ガイド機構510を使用することを含む(図5cを参照)。この位置では、パドルを備える針の端部が、滴定剤中に配置される。シリンジのプランジャが、その下方位置から上方位置に移動され、それにより、シリンジが滴定剤で充填される。試料セルは、予備シリンジを使用することにより、セルステムを介して試料溶液で充填される。ガイド機構を使用することにより、ピペットが、実験を実施するための位置に移動される(図5aを参照)。実験を実施するためのプログラムが、始動される。実験用に使用されるプログラムに合わせて、攪拌モータのロータが、シリンジ、針、及びパドルを、リガンドの適切な混合が可能となる指定速度で回転させる。実験用に使用されるプログラムに合わせて(例えばある一定の温度及び/又は平衡状態が達成された場合に)、リニアアクティベータが、プランジャを移動させて、滴定剤を試料溶液中に注入する。この注入は、プログラム設定に応じて、離散的に(段階的に)又は継続的に実施され得る。熱量計は、試薬の相互作用に関連付けされる時間に対する、熱放出/熱吸収を継続的に測定し記録する。この結果の分析が、確立されたアルゴリズムにより行なわれる。
【0041】
再び図2を参照すると、温度制御装置310は、所定の制御モードにより、第1の熱ポンプユニット280及び第2の熱ポンプユニット290を制御するように構成される。温度制御装置310は、機能ブロックにより概略的に開示され、電子回路としてか、CPUベース制御装置内のソフトウェアとしてか、又は、それらの組合せとして設計されてよい。開示される実施形態では、熱制御装置310は、モード選択ブロック630を介して、2つの作動モード、すなわち等温モードと熱設定モードとの間で切り替えられ得る。
【0042】
等温モードでは、温度制御装置310は、試料セル250と第1の熱シールド260との間の温度差を最小限に抑えるように、第1の熱ポンプ280を制御するように構成される。試料セル250と第1の熱シールド260との間の温度差は、温度制御装置310と連通する温度センサ構成部640によって記録される。この開示される実施形態では、温度センサ構成部640は、2つの記録点の間に温度差がある場合に非ゼロ信号を与える差動熱電対であり、熱電対からの出力は、温度制御装置310内の前置増幅器ブロック650に接続される。前置増幅器650からの出力は、モード選択ブロック630によって、前置増幅器650からの信号に反応して第1の熱ポンプ280を制御する第1の熱ポンプ制御装置ブロック660へと配向される。この構成により、第1の熱ポンプ制御装置660は、試料セル250と第1の熱シールド260との間の任意の温度差を補償しようと対応し、それにより、補償された断熱状態が、熱量計210で達成される。断熱挙動における小さなシステマチックドリフトを補償するために、オフセットパラメータ670が、前置増幅器650からの信号に対して加えられてよい。オフセットパラメータ670は、熱量計210の較正の際に設定されてよい。等温モードでは、温度制御装置310は、パラメータTshieldにより規定される通りに、所定の温度に第2の熱シールド270を維持するように、第2の熱ポンプ290を制御するように構成される。第2の熱ポンプ290の制御は、第2の比較器ブロック690からの出力を受領する第2の熱ポンプ制御装置ブロック680によって実施され、Tshieldは、第2のシールド温度センサ700により記録される第2のシールドの現在温度と比較される。
【0043】
温度設定モードでは、第1の熱シールド260及び第2の熱シールド270が、温度Tshieldによって規定される所定の温度となるように、温度制御装置310は、第1の熱ポンプ280及び第2の熱ポンプ290を制御するように構成される。このモードは、主に、熱量計210を、ITC実験が実施されることとなる温度にするために使用される。このモードでは、第1の比較器ブロック710は、Tshieldを、第1のシールド温度センサ720により記録された第1のシールドの現在温度と比較し、第1の比較器ブロック710からの出力は、モード選択ブロック630によって、第1の熱ポンプ制御装置660に配向される。第2の熱ポンプ290は、等温モードにおけるのと同一の態様で制御される。さらに、温度設定モードは、熱量計210で一定温度を維持するために待機モードとして使用されてよい。
【0044】
さらに、温度制御装置310は、パラメータTcellによって設定される所定の温度にしたがって、試料セル240及び基準セル250を加熱するように構成されたセル加熱要素740を制御するためのセル温度制御装置ブロック730を備えてよい。セル加熱要素740は、主に、セル240、250の温度の良好な調整を行なうために使用される。
【0045】
パラメータTshield、Tcell及びオフセットは、温度制御装置(図示せず)の専用ユーザインターフェースを介して、又は、例えば、コンピュータ760若しくは同様のものの上で実行される熱量計ユーザインターフェースを介して、設定されてよい。ITC実験の際に試料セル250と基準セル240との間の温度差を感知するための熱量計センサ750は、コンピュータ760に、例えば前置増幅器770を経由して接続されてよい。
【0046】
上述の説明を参照とすることにより、様々なサイズ、材料、形状、形態、機能、作動態様、組立て、及び使用方法を含む、本発明の部品に関する最適な次元関係性が、当業者にとっては容易に明解且つ明瞭であると見なされることが、並びに、図面に図示され、本明細書で説明されたものの全ての均等関係性が、本発明により包含されるように意図されることが、理解されよう。したがって、前述のものは、本発明の原理の例示に過ぎないものとして見なされる。さらに、多数の変形形態及び変更形態が、当業者には容易に思い当たることとなり、図示され説明された正確な構造及び動作に本発明を限定することは望まれず、したがって、本発明の範囲内に含まれる全ての適切な修正形態及び均等物を用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
等温滴定マイクロ熱量計システム用の自動ピペットアセンブリであって、当該自動ピペットアセンブリが、ピペットハウジングと、滴定剤を供給するため試料セル内に挿入されるように構成された滴定針を備えるシリンジと、シリンジ内にプランジャを駆動するためのリニアアクティベータとを備えており、上記滴定針が、ハウジングに対して回転可能であって、試料セル内の流体を攪拌するように構成された攪拌パドルを備えており、自動ピペットアセンブリが、滴定針の回転を駆動するための攪拌モータを備える、自動ピペットアセンブリ。
【請求項2】
前記攪拌モータが、中空ロータが滴定針と同心に配置された直接駆動モータである、請求項1記載の自動ピペットアセンブリ。
【請求項3】
前記攪拌モータが、回転伝達構成部によって滴定針を回転駆動させる、請求項1又は請求項2記載の自動ピペットアセンブリ。
【請求項4】
前記シリンジがハウジングに対して回転可能であり、前記滴定針がシリンジに回転不能に装着される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の自動ピペットアセンブリ。
【請求項5】
前記シリンジが、ピペットハウジング内の回転フレーム内に着脱式に配置される、請求項4記載の自動ピペットアセンブリ。
【請求項6】
前記リニアアクティベータが、ねじプランジャを駆動するように構成されたステッピングモータを備え、ピペットアセンブリが、ねじプランジャの2つの所定位置を検出するための位置センサをさらに備える、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の自動ピペットアセンブリ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の自動ピペットアセンブリを備える等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項8】
ピペットアセンブリのリニアアクティベータ及び攪拌モータを制御するように構成されたピペット制御装置を備え、リニアアクティベータが、ねじプランジャを駆動するように構成されたステッピングモータを備え、ピペットアセンブリが、ねじプランジャの2つの所定位置を検出するための位置センサをさらに備え、ピペット制御装置が、ねじプランジャの2つの所定の位置を位置合わせし、位置間でねじプランジャを移動させるためにステッピングモータによって実施されるステップ数からプランジャのねじのピッチを判定するように構成される、請求項7記載の等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項9】
滴定針が、滴定剤を供給するために試料セル内に挿入されるように構成された自動ピペットアセンブリと、2以上の動作位置間で及び2以上の動作位置内にピペットアセンブリを案内するように構成されたピペットガイド機構とを備え、第1の動作位置は、ピペット洗浄位置であり、滴定針が、洗浄装置内に挿入され、第2の動作位置は、滴定位置であり、シリンジが、熱量測定のために試料セル内に挿入される、マイクロ滴定熱量計システム。
【請求項10】
前記洗浄装置が、ピペットアセンブリの洗浄が完了した後に、ピペットアセンブリに滴定剤を充填できるように構成されている、請求項9記載のマイクロ滴定熱量計システム。
【請求項11】
滴定剤充填位置の形態である第3の動作位置を備え、滴定針が滴定剤源内に挿入される、請求項9又は請求項10記載のマイクロ滴定熱量計システム。
【請求項12】
ガイド機構が回転式であり、動作位置が、ガイドアセンブリの回転中心の周囲にて等距離に配置されるが、それぞれ異なる角度位置に配置され、ピペットアセンブリの垂直方向への移動が動作位置の角度位置に限定され、角度位置間のみにおけるピペットアセンブリの回転運動は、針が各動作位置から完全に引き戻された場合に可能となる、請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載のマイクロ滴定熱量計システム。
【請求項13】
ピペットアセンブリが動作位置の中の1つに位置決めされる場合に位置が合うように構成された位置センサを備え、関連する動作が、位置決めセンサの状態によって制限される、請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載のマイクロ滴定熱量計システム。
【請求項14】
試料セルと、基準セルとを備え、両セルは、第1の熱シールドによって封鎖され、第1の熱シールドが、さらに第2の熱シールドによって封鎖され、第1の熱ポンプユニットが、第1の熱シールドと第2の熱シールドとの間で熱エネルギーを伝達するように構成され、第2の熱ポンプユニットが、第2の熱シールドと熱シンクとの間で熱エネルギーを伝達するように構成される等温滴定マイクロ熱量計システムであって、第1の熱ポンプユニット及び第2の熱ポンプユニットを制御するように構成された制御装置と、試料セルと第1の熱シールドとの間の温度差を感知するための温度センサ構成体とをさらに備え、制御装置が、等温モードで、試料セルと第1の熱シールドとの温度差を最小限に抑えるように第1の熱ポンプを制御するように構成される、等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項15】
温度センサ構成体が、差動熱電対である、請求項14記載の等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項16】
制御装置が、等温モードで、所定の温度に第2の熱シールドを維持するように、第2の熱ポンプを制御するように構成される、請求項14又は請求項15記載の等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項17】
制御装置が、温度設定モードで、第1の熱シールド及び第2の熱シールドを所定の温度にするように、第1の熱ポンプ及び第2の熱ポンプを制御するように構成される、請求項14乃至請求項16のいずれか1項記載の等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項18】
試料セル及び基準セルを加熱するように構成された加熱要素を備える、請求項14乃至請求項17のいずれか1項記載の等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項19】
熱シールドの一方又は両方が、2以上のサブシールドからなる、請求項14記載の等温滴定マイクロ熱量計システム。
【請求項20】
請求項14乃至請求項19のいずれか1項記載の等温滴定マイクロ熱量計システムを用いた等温滴定マイクロ熱量測定方法であって、
試料セル及び基準セルを充填し、
試料セルと第1の熱シールドとの間の温度差を最小限に抑えるように第1の熱ポンプを制御し、
滴定熱量測定を実施する
ことを含んでなる方法。
【請求項21】
試料の充填後に、第1の熱シールド及び第2の熱シールドを所定の滴定温度にするように第1の熱ポンプ及び第2の熱ポンプを制御する段階を含む、請求項20記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−503546(P2011−503546A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532272(P2010−532272)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/081961
【国際公開番号】WO2009/059110
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(598041463)ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・コーポレイション (43)
【住所又は居所原語表記】800 Centennial Avenue, P.O.Box 1327,Piscataway,New Jersey 08855−1327,United States of America
【Fターム(参考)】