筒形濾過エレメント、濾過装置又は原液の濾過設備
【課題】廃濾過材の発生量を少なくすることができる濾過技術を提供することを課題とする。
【解決手段】断面が三角形又は略三角形を呈する線材を螺旋状に巻いて螺旋筒35を得る。螺旋筒35の内周面36から中心軸33に向かって複数のリブ37を突出させる。螺旋筒35の内周面36から中心軸33に向かって複数のリブ37を突出させる。
【効果】隣り合うリブ37、37と内周面36とで、ダブテイル(鳩の尾)の断面を形成させることができる。ダブテイルの断面に濾過材を充填すると、濾過材が剥がれにくくなる。併せて、原液の供給と洗浄液は、螺旋筒35内を流す。すると、洗浄の際に濾過材が剥がれる心配が無くなる。この結果、廃濾過材の発生量が少なくなり、好ましい。
【解決手段】断面が三角形又は略三角形を呈する線材を螺旋状に巻いて螺旋筒35を得る。螺旋筒35の内周面36から中心軸33に向かって複数のリブ37を突出させる。螺旋筒35の内周面36から中心軸33に向かって複数のリブ37を突出させる。
【効果】隣り合うリブ37、37と内周面36とで、ダブテイル(鳩の尾)の断面を形成させることができる。ダブテイルの断面に濾過材を充填すると、濾過材が剥がれにくくなる。併せて、原液の供給と洗浄液は、螺旋筒35内を流す。すると、洗浄の際に濾過材が剥がれる心配が無くなる。この結果、廃濾過材の発生量が少なくなり、好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒形濾過エレメント若しくはこの筒形濾過エレメントを用いた濾過装置又はこの濾過装置を含む原液の濾過設備に関する。
【背景技術】
【0002】
珪藻土に代表される濾過材を積層して濾過層を構成し、この濾過層を用いて原液を濾過し、透過液を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3085791号公報(図4)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図12は従来の技術の基本原理を説明する図であり、(a)において、白抜き矢印(1)のように珪藻土などの濾過材を含む原液を、スクリーン101の外側から内側へ流す。すると、(b)に示すように、濾過材が積層し、濾過層102が、スクリーン101の外面に形成させる。これで、濾過の準備が整ったことになる。
【0004】
次に、(c)に示すように、原液を矢印(2)のように流す。すると原液は濾過層102で濾過される。原液に含まれていた夾雑物は濾過層102の外面(図左側の面)に蓄積する。濾過時間に比例して蓄積物が増加し、流路抵抗が増加し、原液の処理量が低下する。そこで、再生と称して、濾過層102を初めの状態に戻す作業(再生作業、洗浄作業と言われる。)が実施される。
【0005】
特許文献1では、(d)に示すように、スクリーン101の内側から矢印(3)のように、高圧空気を流す。すると、スクリーン101から汚れた濾過層102が剥がれる。結果、(a)の形態に戻る。以降、(a)、(b)の要領で新しい濾過層102をスクリーン101に積層させる。
【0006】
これで、濾過と再生と繰り返すことができ、円滑に原液を濾過することができる。ただし、(d)で、多量の廃濾過材(剥がれた濾過層102)が発生する。
近年、産業廃棄物の処理が問題になっており、多量の廃濾過材を適切に処理するには、多大のコストが発生する。地球資源の有効利用の観点から、廃濾過材の発生量を少なくすることが求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、廃濾過材の発生量を少なくすることができる濾過技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、筒の内から外へ原液を流すことで濾過する筒形濾過エレメントであって、断面が三角形又は略三角形を呈する線材を、三角形の底辺が筒の中心軸に平行になるように且つ隣り合う底辺間に流体を通過させる隙間を確保して螺旋状に巻き、得られた螺旋筒の内周面から前記中心軸に向かって複数のリブを突出させ、これらのリブは前記中心軸に平行に延ばし、隣り合うリブ間に濾過材を充填することができるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る濾過装置は、請求項1記載の筒形濾過エレメントを筒ケースに収め、この筒ケースの一方の開口を第1エンドプレートで塞き、この第1エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの一端を挿入して固定し、前記第1エンドプレートを第1の有底筒で囲い、この第1の有底筒に第1の口を設け、前記筒ケースの他方の開口を第2エンドプレートで塞ぎ、この第2エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの他端を挿入して固定し、前記第2エンドプレートを第2の有底筒で囲い、この第2の有底筒に第2の口を設け、前記筒ケースに且つ第2エンドプレートの近傍に第3の口を設けてなり、
前記第1の口から筒形濾過エレメント内へ前記濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給し、余剰の濾過材若しくは原液を濾過してなる透過液又は洗浄に供した洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から排出させる使用法に供することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る原液の濾過設備は、請求項2記載の濾過装置と、原液を蓄える原液タンクと、この原液タンクの原液を前記第1の口へ供給する第1の配管と、濾過材を蓄える濾過材タンクと、この濾過材タンクの濾過材を前記第1の口へ供給する第2の配管と、洗浄液を前記濾過材タンクへ供給する第3の配管と、前記濾過装置で濾過して得た透過液を前記第3の口から回収する第4の配管と、前記余剰の濾過材又は前記洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から回収して前記濾過材タンクへ戻す第5の配管と、からなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る原液の濾過設備は、第1の配管に、圧縮空気を供給する第6の配管を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、螺旋筒の内周面から中心軸に向かって複数のリブを突出させ、隣り合うリブ間に濾過材を充填するようにした。一対のリブと内周面とで囲われたポケット状の空間に濾過材を充填するため、濾過材が剥がれる心配はなく、濾過材を長期に亘って使用することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、第1の口から筒形濾過エレメント内へ濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給する。原液と洗浄液の流れ方向が同一であるため、洗浄の際に濾過材が螺旋筒の内周面から剥がれる心配がない。洗浄による再生と、原液の濾過とを繰り返すことで、長期に亘って濾過を行うことができる。すなわち、廃濾過材の発生量を少なくすることができる濾過装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に係る発明では、第1の口から筒形濾過エレメント内へ濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給する。原液と洗浄液の流れ方向が同一であるため、洗浄の際に濾過材が螺旋筒の内周面から剥がれる心配がない。洗浄による再生と、原液の濾過とを繰り返すことで、長期に亘って濾過を行うことができる。すなわち、廃濾過材の発生量を少なくすることができる原液の濾過設備を提供することができる。
【0015】
請求項4に係る原液の濾過設備は、第1の配管に、圧縮空気を供給する第6の配管を接続したことを特徴とする。再生工程の直後は、設備内の残液が溜まっている。この残液を圧縮空気で追い出すことにより、短時間で、次の原液濾過工程に移れる。この結果、生産性の向上を図ることができる。
【0016】
また、再生工程中に、圧縮空気を洗浄液に混入すると、洗浄液中に大量の空気の泡が発生する。この泡は、破裂することで、夾雑物の除去や汚れた濾過材の除去に貢献し、再生工程の円滑化を促す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る濾過装置の基本構造を示す断面図であり、この濾過装置10に収納する筒形濾過エレメント30の詳細構造は、後述する。
【0018】
濾過装置10は、複数本の筒形濾過エレメント30を筒ケース11に収め、この筒ケース11の一方の開口(図下側の開口)を第1エンドプレート13で塞き、この第1エンドプレート13に筒形濾過エレメント30の一端を挿入して固定し、第1エンドプレート13を第1の有底筒14で囲い、この第1の有底筒14に第1の口15を設け、筒ケース11の他方の開口(図上側の開口)を第2エンドプレート17で塞ぎ、この第2エンドプレート17に筒形濾過エレメント30の他端を挿入して固定し、第2エンドプレート17を第2の有底筒18で囲い、この第2の有底筒18に第2の口19を設け、筒ケース11に且つ第2エンドプレート17の近傍に第3の口21を設けてなる。
【0019】
第1エンドプレート13の縁と、第1の有底筒14の縁とを合わせてクランプ22で締結する。クランプ22を外すことで、第1エンドプレート13から第1の有底筒14を簡単に外すことができる。
同様に、第2エンドプレート17の縁と、第2の有底筒18の縁とを合わせてクランプ23で締結する。
【0020】
また、第1の有底筒14の底にドレーン口24を設け、筒ケース11に且つ第1エンドプレート13近傍にドレーン口25を設け、筒ケース11に且つ第3の口21の反対側、すなわち第3の口21と対称の位置にサブ第3の口26を設けることが望ましい。
このサブ第3の口26は、第3の口21と兼用することができ、必ずしも必要はないが、この実施例では、別個に設けた。
【0021】
筒形濾過エレメント30の構造を図2〜図3で説明する。
図2は図1の2部拡大図であり、断面が三角形又は略三角形を呈する線材31を、三角形の底辺32が筒の中心軸(長手中心軸)33に平行になるように且つ隣り合う底辺32、32間に流体を通過させる隙間34を確保して螺旋状に巻き螺旋筒35を得る。
【0022】
なお、線材31は台形断面であってもよい。台形の場合は下底が底辺32になるように配置する。したがって、線材31は、三角形断面が望ましいが、台形断面のような略三角形断面であってもよい。
【0023】
図3は図2の3−3線断面図であり、螺旋筒35の内周面36から中心軸33に向かって複数のリブ37を突出させる。複数のリブ37は等ピッチで配置する。例えば36個(本)であれば、10°ピッチで配列すればよい。リブ37の高さHは、濾過材の予定厚さを考慮して決めることができる。すなわち、予定厚さが大きいときにはHを大きくする。
【0024】
また、リブ37は細長の矩形断面でもよいが、図示するように、内周面36に向かって先細りとなるテーパ部38とすることが望ましい。隣り合うリブ37、37と内周面36とで、ダブテイル(鳩の尾)の断面を形成させることができる。ダブテイル(鳩の尾)の断面に濾過材を充填すると、濾過材が剥がれにくくなり好ましい。
【0025】
さらには、図2に示すように、リブ37は中心軸33に平行に延ばした直線リブとする。旋回リブでもよいが、製造コストが嵩むため、直線リブが好ましい。そして、本発明においては、濾過材、原液、洗浄液の全てを螺旋筒35内へ供給する。この供給の形態を図面に基づいて次に説明する。
【0026】
図4は濾過材貼り付け工程の説明図であり、(a)に示すように、白抜き矢印(5)のように濾過材41を流す。など、濾過材41(例えば珪藻土)は適当な液体(原液でもよい)に混ぜて流す。すると、液体は底辺32と底辺32との間の隙間34を通過して筒外へ出る(矢印(6))。一方、濾過材41は積層して、濾過層42となる。すると、(b)に示すように、リブ37とリブ37との間に濾過材41が充填される。これで、濾過のための準備は完了した。
【0027】
図5は濾過工程の説明図であり、(a)に示すように、矢印(7)のように原液を流す。原液に含まれている夾雑物は濾過層42に留まり、綺麗な透過液が矢印(8)のように排出される。(b)に示すように、原液が内から外へ流れ、この間に濾過層42で濾過される。
ところで、濾過工程を続けると、夾雑物が濾過層42に溜まり、いわゆる濾過抵抗が増大する。そこで、定期的又は適宜、次に述べる洗浄工程(再生工程と同意)を実施する。
【0028】
図6は洗浄工程の説明図であり、(a)に白抜き矢印10で示すように洗浄液(例えば綺麗な湯)を流して、夾雑物43を洗い流す。このときに、洗浄液に気泡を混ぜておくと、気泡が破裂して夾雑物43や濾過層42の表層部分を微細化する作用を発揮する。その場合は、夾雑物43や濾過材が微細粒となり、(b)に示すように、濾過層42を貫通して筒外へ流出する(矢印(11))。
【0029】
これで、図4(a)の状態に戻る。従来の技術では、再生工程で、濾過材の全量を新しい濾過材と交換していた。これに対して、本発明によれば、適時、濾過材を補充して、濾過層42の厚さを回復させれば、濾過層42は洗浄するだけで、何度も使い続けることができる。濾過材の有効利用を図ることができる。
【0030】
次に、本発明の濾過装置10を含む原液の濾過設備について説明する。
図7は本発明に係る原液の濾過設備の全体構成を示す図であり、原液の濾過設備50は、濾過装置10と、原液を蓄える原液タンク51と、この原液タンク51の原液を第1の口15へ供給する第1の配管52と、この第1の配管52に介設したポンプ53と、濾過材41を蓄える濾過材タンク54と、この濾過材タンク54の濾過材41を第1の配管52を介して第1の口15へ供給する第2の配管55と、洗浄液を供給する洗浄液タンク56と、洗浄液タンク56から洗浄液を濾過材タンク54へ供給する第3の配管57と、濾過装置10で濾過して得た透過液を第3の口21から回収して透過液タンク58へ送る第4の配管59と、余剰の濾過材をサブ第3の口26から濾過材タンク54へ戻すリターン配管61と、洗浄戻り液を第2の口19から回収して濾過材タンク54へ戻す第5の配管62と、圧空タンク63の圧縮空気を第1の配管52に合流させる第6の配管64と、ドレーン口24からトレンチ65まで延ばしたドレーン管66と、ドレーン口25からトレンチ65まで延ばしたドレーン管67と、第3の口21から延ばしたドレーン管68と、第2の口19から延ばしたドレーン管69となからなる。
【0031】
以上の構成からなる原液の濾過設備の作用を、工程毎に図面に基づいて説明する。以下の図面において、太線で示す経路に存在する弁は開いており、太線外にある弁は閉じているものとする。
【0032】
図8は濾過材貼り付け工程を説明する図であり、太線で示すように、濾過材タンク54の濾過材41を、第2の配管55及び第1の配管52により、濾過装置10へ供給し、余剰の濾過材は、リターン配管61及び第5の配管62を通って濾過材タンク54へ戻す。
一定時間が経過すると、濾過層(図4の符号42)を濾過装置10内に形成することができる。これで、濾過の準備が整ったことになる。
【0033】
図9は原液の濾過工程を説明する図であり、太線で示すように、原液タンク51の原液を第1の配管52を用いて濾過装置10へ送る。濾過を経て浄化された透過液は、第4の配管59を介して透過液タンク58へ送られる。濾過装置10で行われる濾過工程は、図5に示すとおりである。一定時間が経過すると、濾過層に夾雑物が溜まって濾過作業が困難になる。そのときには、洗浄(再生)を行う。
【0034】
図10は洗浄工程を説明する図であり、濾過材タンク54は空にしておく。そして、洗浄液タンク56から綺麗な湯などの洗浄液を濾過材タンク54に注入する。そして、太線で示すように、洗浄液を、第2の配管55、第1の配管52の順で流して濾過装置10へ供給する。すると、図6(a)、(b)で説明したように夾雑物が洗い流される。洗浄液の一部は第5の配管62を介して濾過材タンク54に戻って循環する。洗浄液の残部はドレーン管68を介して排出される。
【0035】
この際に、圧空タンク63から第6の配管64を介して第1の配管52へ圧縮空気を吹き込むようにしてもよい。圧縮空気は洗浄液中に泡となって存在し、この泡が破裂することで洗浄性が高まるからである。
洗浄液は綺麗な方がよいので、洗浄液タンク56から連続的に洗浄液を濾過材タンク54へ供給することが望ましい。この供給量と同量のドレーンがドレーン管68を介して排出される。この排出される洗浄液は、始め汚れているが、徐々に綺麗になる。そこで、一定以上清浄度が高まったら、洗浄を終える。
【0036】
洗浄工程を終えるためにポンプ53を止めると、濾過装置10に洗浄液が残存している。この残存液を十分に排出してから、次の工程(原液の濾過工程)へ進める。この際に残存液の排出時間は短いほどよい。残存液の迅速な排出には次の方法が推奨できる。
【0037】
図11は残存液の排出工程を説明する図であり、圧空タンク63から第6の配管64を介して第1の配管52へ圧縮空気を吹き込む。この圧縮空気は濾過装置10内に至って、残存液を押し出す。この結果、残存液は、ドレーン管66、67、68、69を介して速やかに排出される。
一般に、第1の有底筒14の底に溜まった残存液の排出には時間がかかる。本発明によれば、圧縮空気で押し出すため、排出時間が短くなる。
【0038】
図8〜図11で述べた作用は、適宜変更することができる。また、図7に示す配管系統は適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、原液の濾過技術に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る濾過装置の基本構造を示す断面図である。
【図2】図1の2部拡大図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】濾過材貼り付け工程の説明図である。
【図5】濾過工程の説明図である。
【図6】洗浄工程の説明図である。
【図7】本発明に係る原液の濾過設備の全体構成を示す図である。
【図8】図7での濾過材貼り付け工程を説明する図である。
【図9】図7での原液の濾過工程を説明する図である。
【図10】図7での洗浄工程を説明する図である。
【図11】図7での残存液の排出工程を説明する図である。
【図12】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
10…濾過装置、11…筒ケース、13…第1エンドプレート、14…第1の有底筒、15…第1の口、17…第2エンドプレート、18…第2の有底筒、19…第2の口、21…第3の口、26…サブ第3の口、30…筒形濾過エレメント、31…線材、32…底辺、33…中心軸、34…隙間、35…螺旋筒、36…内周面、37…リブ、41…濾過材、42…濾過層、50…原液の濾過設備、51…原液タンク、52…第1の配管、53…ポンプ、54…濾過材タンク、55…第2の配管、56…洗浄液タンク、57…第3の配管、58…透過液タンク、59…第4の配管、62…第5の配管、63…圧空タンク、64…第6の配管。
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒形濾過エレメント若しくはこの筒形濾過エレメントを用いた濾過装置又はこの濾過装置を含む原液の濾過設備に関する。
【背景技術】
【0002】
珪藻土に代表される濾過材を積層して濾過層を構成し、この濾過層を用いて原液を濾過し、透過液を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3085791号公報(図4)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図12は従来の技術の基本原理を説明する図であり、(a)において、白抜き矢印(1)のように珪藻土などの濾過材を含む原液を、スクリーン101の外側から内側へ流す。すると、(b)に示すように、濾過材が積層し、濾過層102が、スクリーン101の外面に形成させる。これで、濾過の準備が整ったことになる。
【0004】
次に、(c)に示すように、原液を矢印(2)のように流す。すると原液は濾過層102で濾過される。原液に含まれていた夾雑物は濾過層102の外面(図左側の面)に蓄積する。濾過時間に比例して蓄積物が増加し、流路抵抗が増加し、原液の処理量が低下する。そこで、再生と称して、濾過層102を初めの状態に戻す作業(再生作業、洗浄作業と言われる。)が実施される。
【0005】
特許文献1では、(d)に示すように、スクリーン101の内側から矢印(3)のように、高圧空気を流す。すると、スクリーン101から汚れた濾過層102が剥がれる。結果、(a)の形態に戻る。以降、(a)、(b)の要領で新しい濾過層102をスクリーン101に積層させる。
【0006】
これで、濾過と再生と繰り返すことができ、円滑に原液を濾過することができる。ただし、(d)で、多量の廃濾過材(剥がれた濾過層102)が発生する。
近年、産業廃棄物の処理が問題になっており、多量の廃濾過材を適切に処理するには、多大のコストが発生する。地球資源の有効利用の観点から、廃濾過材の発生量を少なくすることが求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、廃濾過材の発生量を少なくすることができる濾過技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、筒の内から外へ原液を流すことで濾過する筒形濾過エレメントであって、断面が三角形又は略三角形を呈する線材を、三角形の底辺が筒の中心軸に平行になるように且つ隣り合う底辺間に流体を通過させる隙間を確保して螺旋状に巻き、得られた螺旋筒の内周面から前記中心軸に向かって複数のリブを突出させ、これらのリブは前記中心軸に平行に延ばし、隣り合うリブ間に濾過材を充填することができるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る濾過装置は、請求項1記載の筒形濾過エレメントを筒ケースに収め、この筒ケースの一方の開口を第1エンドプレートで塞き、この第1エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの一端を挿入して固定し、前記第1エンドプレートを第1の有底筒で囲い、この第1の有底筒に第1の口を設け、前記筒ケースの他方の開口を第2エンドプレートで塞ぎ、この第2エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの他端を挿入して固定し、前記第2エンドプレートを第2の有底筒で囲い、この第2の有底筒に第2の口を設け、前記筒ケースに且つ第2エンドプレートの近傍に第3の口を設けてなり、
前記第1の口から筒形濾過エレメント内へ前記濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給し、余剰の濾過材若しくは原液を濾過してなる透過液又は洗浄に供した洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から排出させる使用法に供することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る原液の濾過設備は、請求項2記載の濾過装置と、原液を蓄える原液タンクと、この原液タンクの原液を前記第1の口へ供給する第1の配管と、濾過材を蓄える濾過材タンクと、この濾過材タンクの濾過材を前記第1の口へ供給する第2の配管と、洗浄液を前記濾過材タンクへ供給する第3の配管と、前記濾過装置で濾過して得た透過液を前記第3の口から回収する第4の配管と、前記余剰の濾過材又は前記洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から回収して前記濾過材タンクへ戻す第5の配管と、からなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る原液の濾過設備は、第1の配管に、圧縮空気を供給する第6の配管を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、螺旋筒の内周面から中心軸に向かって複数のリブを突出させ、隣り合うリブ間に濾過材を充填するようにした。一対のリブと内周面とで囲われたポケット状の空間に濾過材を充填するため、濾過材が剥がれる心配はなく、濾過材を長期に亘って使用することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、第1の口から筒形濾過エレメント内へ濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給する。原液と洗浄液の流れ方向が同一であるため、洗浄の際に濾過材が螺旋筒の内周面から剥がれる心配がない。洗浄による再生と、原液の濾過とを繰り返すことで、長期に亘って濾過を行うことができる。すなわち、廃濾過材の発生量を少なくすることができる濾過装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に係る発明では、第1の口から筒形濾過エレメント内へ濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給する。原液と洗浄液の流れ方向が同一であるため、洗浄の際に濾過材が螺旋筒の内周面から剥がれる心配がない。洗浄による再生と、原液の濾過とを繰り返すことで、長期に亘って濾過を行うことができる。すなわち、廃濾過材の発生量を少なくすることができる原液の濾過設備を提供することができる。
【0015】
請求項4に係る原液の濾過設備は、第1の配管に、圧縮空気を供給する第6の配管を接続したことを特徴とする。再生工程の直後は、設備内の残液が溜まっている。この残液を圧縮空気で追い出すことにより、短時間で、次の原液濾過工程に移れる。この結果、生産性の向上を図ることができる。
【0016】
また、再生工程中に、圧縮空気を洗浄液に混入すると、洗浄液中に大量の空気の泡が発生する。この泡は、破裂することで、夾雑物の除去や汚れた濾過材の除去に貢献し、再生工程の円滑化を促す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る濾過装置の基本構造を示す断面図であり、この濾過装置10に収納する筒形濾過エレメント30の詳細構造は、後述する。
【0018】
濾過装置10は、複数本の筒形濾過エレメント30を筒ケース11に収め、この筒ケース11の一方の開口(図下側の開口)を第1エンドプレート13で塞き、この第1エンドプレート13に筒形濾過エレメント30の一端を挿入して固定し、第1エンドプレート13を第1の有底筒14で囲い、この第1の有底筒14に第1の口15を設け、筒ケース11の他方の開口(図上側の開口)を第2エンドプレート17で塞ぎ、この第2エンドプレート17に筒形濾過エレメント30の他端を挿入して固定し、第2エンドプレート17を第2の有底筒18で囲い、この第2の有底筒18に第2の口19を設け、筒ケース11に且つ第2エンドプレート17の近傍に第3の口21を設けてなる。
【0019】
第1エンドプレート13の縁と、第1の有底筒14の縁とを合わせてクランプ22で締結する。クランプ22を外すことで、第1エンドプレート13から第1の有底筒14を簡単に外すことができる。
同様に、第2エンドプレート17の縁と、第2の有底筒18の縁とを合わせてクランプ23で締結する。
【0020】
また、第1の有底筒14の底にドレーン口24を設け、筒ケース11に且つ第1エンドプレート13近傍にドレーン口25を設け、筒ケース11に且つ第3の口21の反対側、すなわち第3の口21と対称の位置にサブ第3の口26を設けることが望ましい。
このサブ第3の口26は、第3の口21と兼用することができ、必ずしも必要はないが、この実施例では、別個に設けた。
【0021】
筒形濾過エレメント30の構造を図2〜図3で説明する。
図2は図1の2部拡大図であり、断面が三角形又は略三角形を呈する線材31を、三角形の底辺32が筒の中心軸(長手中心軸)33に平行になるように且つ隣り合う底辺32、32間に流体を通過させる隙間34を確保して螺旋状に巻き螺旋筒35を得る。
【0022】
なお、線材31は台形断面であってもよい。台形の場合は下底が底辺32になるように配置する。したがって、線材31は、三角形断面が望ましいが、台形断面のような略三角形断面であってもよい。
【0023】
図3は図2の3−3線断面図であり、螺旋筒35の内周面36から中心軸33に向かって複数のリブ37を突出させる。複数のリブ37は等ピッチで配置する。例えば36個(本)であれば、10°ピッチで配列すればよい。リブ37の高さHは、濾過材の予定厚さを考慮して決めることができる。すなわち、予定厚さが大きいときにはHを大きくする。
【0024】
また、リブ37は細長の矩形断面でもよいが、図示するように、内周面36に向かって先細りとなるテーパ部38とすることが望ましい。隣り合うリブ37、37と内周面36とで、ダブテイル(鳩の尾)の断面を形成させることができる。ダブテイル(鳩の尾)の断面に濾過材を充填すると、濾過材が剥がれにくくなり好ましい。
【0025】
さらには、図2に示すように、リブ37は中心軸33に平行に延ばした直線リブとする。旋回リブでもよいが、製造コストが嵩むため、直線リブが好ましい。そして、本発明においては、濾過材、原液、洗浄液の全てを螺旋筒35内へ供給する。この供給の形態を図面に基づいて次に説明する。
【0026】
図4は濾過材貼り付け工程の説明図であり、(a)に示すように、白抜き矢印(5)のように濾過材41を流す。など、濾過材41(例えば珪藻土)は適当な液体(原液でもよい)に混ぜて流す。すると、液体は底辺32と底辺32との間の隙間34を通過して筒外へ出る(矢印(6))。一方、濾過材41は積層して、濾過層42となる。すると、(b)に示すように、リブ37とリブ37との間に濾過材41が充填される。これで、濾過のための準備は完了した。
【0027】
図5は濾過工程の説明図であり、(a)に示すように、矢印(7)のように原液を流す。原液に含まれている夾雑物は濾過層42に留まり、綺麗な透過液が矢印(8)のように排出される。(b)に示すように、原液が内から外へ流れ、この間に濾過層42で濾過される。
ところで、濾過工程を続けると、夾雑物が濾過層42に溜まり、いわゆる濾過抵抗が増大する。そこで、定期的又は適宜、次に述べる洗浄工程(再生工程と同意)を実施する。
【0028】
図6は洗浄工程の説明図であり、(a)に白抜き矢印10で示すように洗浄液(例えば綺麗な湯)を流して、夾雑物43を洗い流す。このときに、洗浄液に気泡を混ぜておくと、気泡が破裂して夾雑物43や濾過層42の表層部分を微細化する作用を発揮する。その場合は、夾雑物43や濾過材が微細粒となり、(b)に示すように、濾過層42を貫通して筒外へ流出する(矢印(11))。
【0029】
これで、図4(a)の状態に戻る。従来の技術では、再生工程で、濾過材の全量を新しい濾過材と交換していた。これに対して、本発明によれば、適時、濾過材を補充して、濾過層42の厚さを回復させれば、濾過層42は洗浄するだけで、何度も使い続けることができる。濾過材の有効利用を図ることができる。
【0030】
次に、本発明の濾過装置10を含む原液の濾過設備について説明する。
図7は本発明に係る原液の濾過設備の全体構成を示す図であり、原液の濾過設備50は、濾過装置10と、原液を蓄える原液タンク51と、この原液タンク51の原液を第1の口15へ供給する第1の配管52と、この第1の配管52に介設したポンプ53と、濾過材41を蓄える濾過材タンク54と、この濾過材タンク54の濾過材41を第1の配管52を介して第1の口15へ供給する第2の配管55と、洗浄液を供給する洗浄液タンク56と、洗浄液タンク56から洗浄液を濾過材タンク54へ供給する第3の配管57と、濾過装置10で濾過して得た透過液を第3の口21から回収して透過液タンク58へ送る第4の配管59と、余剰の濾過材をサブ第3の口26から濾過材タンク54へ戻すリターン配管61と、洗浄戻り液を第2の口19から回収して濾過材タンク54へ戻す第5の配管62と、圧空タンク63の圧縮空気を第1の配管52に合流させる第6の配管64と、ドレーン口24からトレンチ65まで延ばしたドレーン管66と、ドレーン口25からトレンチ65まで延ばしたドレーン管67と、第3の口21から延ばしたドレーン管68と、第2の口19から延ばしたドレーン管69となからなる。
【0031】
以上の構成からなる原液の濾過設備の作用を、工程毎に図面に基づいて説明する。以下の図面において、太線で示す経路に存在する弁は開いており、太線外にある弁は閉じているものとする。
【0032】
図8は濾過材貼り付け工程を説明する図であり、太線で示すように、濾過材タンク54の濾過材41を、第2の配管55及び第1の配管52により、濾過装置10へ供給し、余剰の濾過材は、リターン配管61及び第5の配管62を通って濾過材タンク54へ戻す。
一定時間が経過すると、濾過層(図4の符号42)を濾過装置10内に形成することができる。これで、濾過の準備が整ったことになる。
【0033】
図9は原液の濾過工程を説明する図であり、太線で示すように、原液タンク51の原液を第1の配管52を用いて濾過装置10へ送る。濾過を経て浄化された透過液は、第4の配管59を介して透過液タンク58へ送られる。濾過装置10で行われる濾過工程は、図5に示すとおりである。一定時間が経過すると、濾過層に夾雑物が溜まって濾過作業が困難になる。そのときには、洗浄(再生)を行う。
【0034】
図10は洗浄工程を説明する図であり、濾過材タンク54は空にしておく。そして、洗浄液タンク56から綺麗な湯などの洗浄液を濾過材タンク54に注入する。そして、太線で示すように、洗浄液を、第2の配管55、第1の配管52の順で流して濾過装置10へ供給する。すると、図6(a)、(b)で説明したように夾雑物が洗い流される。洗浄液の一部は第5の配管62を介して濾過材タンク54に戻って循環する。洗浄液の残部はドレーン管68を介して排出される。
【0035】
この際に、圧空タンク63から第6の配管64を介して第1の配管52へ圧縮空気を吹き込むようにしてもよい。圧縮空気は洗浄液中に泡となって存在し、この泡が破裂することで洗浄性が高まるからである。
洗浄液は綺麗な方がよいので、洗浄液タンク56から連続的に洗浄液を濾過材タンク54へ供給することが望ましい。この供給量と同量のドレーンがドレーン管68を介して排出される。この排出される洗浄液は、始め汚れているが、徐々に綺麗になる。そこで、一定以上清浄度が高まったら、洗浄を終える。
【0036】
洗浄工程を終えるためにポンプ53を止めると、濾過装置10に洗浄液が残存している。この残存液を十分に排出してから、次の工程(原液の濾過工程)へ進める。この際に残存液の排出時間は短いほどよい。残存液の迅速な排出には次の方法が推奨できる。
【0037】
図11は残存液の排出工程を説明する図であり、圧空タンク63から第6の配管64を介して第1の配管52へ圧縮空気を吹き込む。この圧縮空気は濾過装置10内に至って、残存液を押し出す。この結果、残存液は、ドレーン管66、67、68、69を介して速やかに排出される。
一般に、第1の有底筒14の底に溜まった残存液の排出には時間がかかる。本発明によれば、圧縮空気で押し出すため、排出時間が短くなる。
【0038】
図8〜図11で述べた作用は、適宜変更することができる。また、図7に示す配管系統は適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、原液の濾過技術に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る濾過装置の基本構造を示す断面図である。
【図2】図1の2部拡大図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】濾過材貼り付け工程の説明図である。
【図5】濾過工程の説明図である。
【図6】洗浄工程の説明図である。
【図7】本発明に係る原液の濾過設備の全体構成を示す図である。
【図8】図7での濾過材貼り付け工程を説明する図である。
【図9】図7での原液の濾過工程を説明する図である。
【図10】図7での洗浄工程を説明する図である。
【図11】図7での残存液の排出工程を説明する図である。
【図12】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
10…濾過装置、11…筒ケース、13…第1エンドプレート、14…第1の有底筒、15…第1の口、17…第2エンドプレート、18…第2の有底筒、19…第2の口、21…第3の口、26…サブ第3の口、30…筒形濾過エレメント、31…線材、32…底辺、33…中心軸、34…隙間、35…螺旋筒、36…内周面、37…リブ、41…濾過材、42…濾過層、50…原液の濾過設備、51…原液タンク、52…第1の配管、53…ポンプ、54…濾過材タンク、55…第2の配管、56…洗浄液タンク、57…第3の配管、58…透過液タンク、59…第4の配管、62…第5の配管、63…圧空タンク、64…第6の配管。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒の内から外へ原液を流すことで濾過する筒形濾過エレメントであって、
断面が三角形又は略三角形を呈する線材を、三角形の底辺が筒の中心軸に平行になるように且つ隣り合う底辺間に流体を通過させる隙間を確保して螺旋状に巻き、得られた螺旋筒の内周面から前記中心軸に向かって複数のリブを突出させ、これらのリブは前記中心軸に平行に延ばし、隣り合うリブ間に濾過材を充填することができるようにしたことを特徴とする筒形濾過エレメント。
【請求項2】
請求項1記載の筒形濾過エレメントを筒ケースに収め、この筒ケースの一方の開口を第1エンドプレートで塞き、この第1エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの一端を挿入して固定し、前記第1エンドプレートを第1の有底筒で囲い、この第1の有底筒に第1の口を設け、前記筒ケースの他方の開口を第2エンドプレートで塞ぎ、この第2エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの他端を挿入して固定し、前記第2エンドプレートを第2の有底筒で囲い、この第2の有底筒に第2の口を設け、前記筒ケースに且つ第2エンドプレートの近傍に第3の口を設けてなり、
前記第1の口から筒形濾過エレメント内へ前記濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給し、余剰の濾過材若しくは原液を濾過してなる透過液又は洗浄に供した洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から排出させる使用法に供することを特徴とする濾過装置。
【請求項3】
請求項2記載の濾過装置と、原液を蓄える原液タンクと、この原液タンクの原液を前記第1の口へ供給する第1の配管と、濾過材を蓄える濾過材タンクと、この濾過材タンクの濾過材を前記第1の口へ供給する第2の配管と、洗浄液を前記濾過材タンクへ供給する第3の配管と、前記濾過装置で濾過して得た透過液を前記第3の口から回収する第4の配管と、前記余剰の濾過材又は前記洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から回収して前記濾過材タンクへ戻す第5の配管と、からなることを特徴とする原液の濾過設備。
【請求項4】
前記第1の配管に、圧縮空気を供給する第6の配管を接続したことを特徴とする請求項3記載の原液の濾過設備。
【請求項1】
筒の内から外へ原液を流すことで濾過する筒形濾過エレメントであって、
断面が三角形又は略三角形を呈する線材を、三角形の底辺が筒の中心軸に平行になるように且つ隣り合う底辺間に流体を通過させる隙間を確保して螺旋状に巻き、得られた螺旋筒の内周面から前記中心軸に向かって複数のリブを突出させ、これらのリブは前記中心軸に平行に延ばし、隣り合うリブ間に濾過材を充填することができるようにしたことを特徴とする筒形濾過エレメント。
【請求項2】
請求項1記載の筒形濾過エレメントを筒ケースに収め、この筒ケースの一方の開口を第1エンドプレートで塞き、この第1エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの一端を挿入して固定し、前記第1エンドプレートを第1の有底筒で囲い、この第1の有底筒に第1の口を設け、前記筒ケースの他方の開口を第2エンドプレートで塞ぎ、この第2エンドプレートに前記筒形濾過エレメントの他端を挿入して固定し、前記第2エンドプレートを第2の有底筒で囲い、この第2の有底筒に第2の口を設け、前記筒ケースに且つ第2エンドプレートの近傍に第3の口を設けてなり、
前記第1の口から筒形濾過エレメント内へ前記濾過材若しくは原液又は洗浄液を供給し、余剰の濾過材若しくは原液を濾過してなる透過液又は洗浄に供した洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から排出させる使用法に供することを特徴とする濾過装置。
【請求項3】
請求項2記載の濾過装置と、原液を蓄える原液タンクと、この原液タンクの原液を前記第1の口へ供給する第1の配管と、濾過材を蓄える濾過材タンクと、この濾過材タンクの濾過材を前記第1の口へ供給する第2の配管と、洗浄液を前記濾過材タンクへ供給する第3の配管と、前記濾過装置で濾過して得た透過液を前記第3の口から回収する第4の配管と、前記余剰の濾過材又は前記洗浄戻り液を前記第2の口又は第3の口から回収して前記濾過材タンクへ戻す第5の配管と、からなることを特徴とする原液の濾過設備。
【請求項4】
前記第1の配管に、圧縮空気を供給する第6の配管を接続したことを特徴とする請求項3記載の原液の濾過設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−233565(P2009−233565A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82643(P2008−82643)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000004477)キッコーマン株式会社 (212)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000004477)キッコーマン株式会社 (212)
【Fターム(参考)】
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