説明

管内調査機器挿入具

【課題】 簡易な構成で、細い管内からも調査機器を挿入できる管内調査機器挿入具の提供。
【解決手段】 内視鏡41のケーブル43が通される挿入具本体45と、挿入具本体45の下端部に回動可能に設けられる案内部材47と、分水栓本体7に着脱可能に取り付けられ、挿入具本体45が水密状態で上下動可能に設けられる取付部材49とを備える。内視鏡本体51が案内部材47の下方へ配置された状態では、内視鏡本体51、案内部材47および挿入具本体45は上下方向に沿って配置され、この状態で挿入具本体45が下方へ押し込まれる。内視鏡本体51を少し上方へ引き上げることで、内視鏡本体51が案内部材47の上端部71b,75bに当接して案内部材47は傾斜し、挿入具本体45をさらに押し込むと案内部材47は管底に当接して展開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種管内を調査するために、管内へ調査用機器を送り込むのに用いられる挿入具に関し、特に上水道配水管内に不断水で内視鏡を送り込むための内視鏡挿入具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本件発明者は、先に、下記特許文献1に開示されるように、縦管部から横管部(配水管)内へ内視鏡を送り込むための内視鏡挿入器を提案している。この特許文献1に記載の発明によれば、不断水で縦管部から横管部内へ内視鏡を送り込み配水管内の調査を行うことができる。
【特許文献1】特許第3704104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術では、内視鏡本体(33)より大径なカメラガイド(31)を縦管部に通す必要があり、縦管部が小径な場合、配水管内に内視鏡を送り込むことができない場合がある。なお、上記括弧書きの数字は、特許文献1中における符号を示す。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成で、管内に内視鏡などを挿入することができ、かつ、コンパクト化が可能な管内調査機器挿入具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、管内への調査機器の挿入具であって、調査機器本体からのケーブルが通される挿入具本体と、この挿入具本体の下端部に回動可能に設けられ、垂下した状態では、挿入具本体より下方へ延出する案内部材とを備え、前記案内部材より下方に配置しておいた調査機器本体を、前記ケーブルを介して前記挿入具本体に対し上方へ引き上げることで調査機器本体により案内部材を前記挿入具本体に対して傾斜させることを特徴とする管内調査機器挿入具である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、管内への調査機器の挿入具であって、調査機器本体からのケーブルが通される筒状とされ、その下端部の周側壁が切り欠かれた挿入具本体と、この挿入具本体の下端部に回動可能に保持され、垂下した状態では、挿入具本体より下方へ延出する案内部材とを備え、この案内部材は、垂下した状態で少なくとも一部が切欠き側へ突出していると共に、下端部が切欠き側へ回動可能とされることを特徴とする管内調査機器挿入具である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、管内への調査機器の挿入具であって、調査機器本体からのケーブルが通される円筒状とされ、その下端部は周側壁が切り欠かれて溝状とされた挿入具本体と、前記ケーブルが通されるコ字状溝を有し、前記挿入具本体の溝状の下端部に中途が支軸を介して回動可能に保持され、垂下した状態では、挿入具本体より下方へ延出する案内部材とを備え、前記案内部材の上端部は、前記切欠きへ突出しており、案内部材より下方に配置しておいた調査機器本体が、前記挿入具本体に対し上方へ引き上げられることで、調査機器本体が案内部材の上端部に当接して案内部材の下端部は前記支軸まわりに切欠き側へ移動して傾斜し、この傾斜した状態においても案内部材は挿入具本体より下方へ延出していることを特徴とする管内調査機器挿入具である。
なお、案内部材のコ字状溝には、C字状やU字状の溝が含まれる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、横管から上方へ向けて分岐する縦管部に取り付けられる筒状の取付部材をさらに備え、前記挿入具本体は、前記取付部材の上部において前記取付部材との隙間が封止されて、前記取付部材に対して上下に進退可能に設けられ、前記ケーブルは、前記挿入具本体の上部において前記挿入具本体との隙間が封止されて、前記挿入具本体に対して進退可能とされることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の管内調査機器挿入具である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記取付部材には、フランジが設けられており、このフランジを介して取付部材は縦管部に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の管内調査機器挿入具である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記取付部材には、アダプタが着脱可能に設けられており、このアダプタを介して縦管部に取付部材が取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の管内調査機器挿入具である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記アダプタの下端部には、フランジが設けられており、このフランジを介して取付部材は縦管部に取り付けられることを特徴とする請求項6に記載の管内調査機器挿入具である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、前記挿入具本体と前記フランジとは偏心していることを特徴とする請求項5または請求項7に記載の管内調査機器挿入具である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、前記案内部材は、垂下した状態において、前記挿入具本体の外径内に収まるよう挿入具本体に設けられており、前記挿入具本体の外径は、調査機器本体の外径以下であることを特徴とする請求項3から請求項8までのいずれかに記載の管内調査機器挿入具である。
【0014】
さらに、請求項10に記載の発明は、前記調査機器は、調査機器本体がカメラを内蔵した内視鏡とされることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の管内調査機器挿入具である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の管内調査機器挿入具によれば、簡易な構成で管内に調査機器を挿入することができ、しかもコンパクト化が可能とされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の管内調査機器挿入具について、図面に基づき更に詳細に説明する。
本実施例の挿入具は、各種の気体や液体が通される管内に調査機器を送り込むのに用いることが可能であるが、以下においては、上水道配水管内の状況を調査するために、配水管を断水することなく配水管内に内視鏡を送り込むのに使用される場合について説明する。
【0017】
本実施例の挿入具は、分水栓、補修弁または消火栓などの縦管部から配水管内へ内視鏡を送り込む際に使用される。ここでは、本実施例の挿入具を使用してサドル分水栓から内視鏡を送り込む場合について説明する。
【0018】
図1は、配水管にサドル分水栓が取り付けられた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側断面図である。
【0019】
サドル分水栓は、横管からなる上水道配水管1の水を各家庭などに供給するために、配水管1の中途に適宜設けられている。サドル分水栓3は、弁体5が収容された分水栓本体7と、この分水栓本体7を配水管1に固定するための留具9とを備える。
【0020】
分水栓本体7には、上下方向に沿って縦管部とされる第一管路11が設けられると共に、この第一管路11の中途から水平に分岐して第二管路13が設けられている。
【0021】
第一管路11の上端部には外周面にネジ15が形成されており、このネジ部15には通常、キャップ17がねじ込まれて開口が閉鎖されている。第二管路13には、パイプ19が接続されて、このパイプ19を介して家庭などに配水管1からの水が供給される。
【0022】
分水栓本体7の内部には、第一管路11と第二管路13の分岐部分に、球状の弁体5が配置されている。この弁体5には、直径方向に沿って第一流路21が形成されていると共に、この第一流路21の中途から第一流路21に直交して第二流路23が形成されている。つまり、弁体5には、第一流路21および第二流路23からなるT字状の流路が形成されている。なお、弁体5の第一流路21の直径は、第一管路11の直径と対応している。そして、この弁体5は、分水栓本体7に設けられた操作部25を操作することで回転する。
【0023】
留具9は、一対の略半円弧形のバンド27,29を有し、各バンド27,29の両端部27a,29aは、径方向外側へ延出している。この留具9の一方のバンド27の中央部に分水栓本体7が設けられている。配水管1の外周面を挟み込むように、分水栓本体7が設けられた一方のバンド27が上側に配置され、他方のバンド29が下側に配置され、各バンド27,29の各延出部27a,29a同士がボルト・ナット31により固定されて、配水管1にサドル分水栓3が固定される。
なお、上側のバンド27および配水管1には、分水栓本体7の第一管路11に連通するようにそれぞれ貫通穴33,35が同軸上に形成されている。
【0024】
このような構成のサドル分水栓3は、操作部25により弁体5を回転させて、弁体5の第一流路21が上下方向に沿うように配置されることで、配水管1からの水が分水栓本体7の第一管路11内に流入する。そして、弁体5の第一流路21および第二流路23を介して分水栓本体7の第二管路13に流入して各家庭などに水が供給される。
また、この状態から操作部25を操作して、弁体5を回転させることで、弁体5が第一管路11を塞ぎ、配水管1からの水が止められる(図2)。
【0025】
図2は、本発明の挿入具の一実施例を示す正面視縦断面図であり、サドル分水栓に取り付けられる状態を示す図である。図3は、案内部材が設けられた挿入具本体の下端部を示す斜視図であり、(a)は案内部材が垂下した状態を示す図、(b)は案内部材が最大限に展開した状態を示す図である。また、図4は、案内部材が設けられた挿入具本体の下端部を示す正面図であり、図5は図4の断面図である。
【0026】
本実施例の挿入具は、内視鏡41のケーブル43が通される挿入具本体45と、この挿入具本体45の下端部に回動可能に設けられる案内部材47と、分水栓本体7に着脱可能に取り付けられ、挿入具本体45が水密状態で上下動可能に設けられる取付部材49とを備える。
【0027】
挿入具本体45は、細長い筒形状とされ、本実施例では、金属製の円筒形状とされる。この挿入具本体45の内部に、内視鏡41のケーブル43が通される。本実施例では、内視鏡本体51は、略円柱形状とされ、その中央内部にカメラヘッドが搭載されており、このカメラヘッドを囲うように複数の照明用のLEDが設けられた構成とされている。
そして、本実施例では、挿入具本体45の外径は、内視鏡本体51の外径以下とされる。また、内視鏡41のケーブル43は、可撓性を有すると共に、比較的剛性を有したものとされている。
【0028】
挿入具本体45の上端部には、パッキンボックス53が設けられており、このパッキンボックス53を介して内視鏡41のケーブル43が挿入具本体45に挿通され、ケーブル43は挿入具本体45に対して水密状態で進退可能とされる。パッキンボックス53は、段付き円柱形状とされ、その小径部55が挿入具本体45の上端部にはめ込まれて固定されている。
【0029】
パッキンボックス53には、軸方向に沿って段付き穴が貫通して形成されている。
段付き穴の内、下側の小径穴57は、ケーブル43の外径に対応しており、上側の大径穴59内にはパッキン61が配置されている。
【0030】
本実施例のパッキン61は、複数のシール材63により構成される。各シール材63は、同一形状とされ、それぞれ合成樹脂により形成されている。また、各シール材63は、V字形状断面で円環状に形成されており、その中央の穴に内視鏡41のケーブル43が通される。各シール材63には周方向の一部に、斜めに切込みが入れられて切断されており、この切込みを利用して、ケーブル43の外周面から各シール材63の着脱が可能とされる。
【0031】
各シール材63は、そのV字形状の開口を下方へ向けて重ね合わされる。このように、重ね合わされたシール材63は、全体として円筒形状とされ、パッキンボックス53の大径穴59内に収容される。そして、シール材63の中央穴にケーブル43が差し込まれた状態で、パッキンボックス53に配置される段付き円筒状のパッキン押え65にて、シール材63が位置決めされ保持される。その状態では、パッキンボックス53の内周面と内視鏡41のケーブル43の外周面との間が水密状態に維持され、しかもパッキンボックス53に対してケーブル43が上下に進退可能である。なお、パッキン押え65は、パッキンボックス53にボルト(不図示)により固定される。
【0032】
また、挿入具本体45内には、円筒状のガイド67が設けられており、このガイド67の中央穴にケーブル43が通されることで、ケーブル43は挿入具本体45の中心を通るよう配置される。
【0033】
挿入具本体45の下端部には、下方へ開口する矩形状の切欠き部69が形成されている。具体的には、挿入具本体45の下端部には、図2、図4および図5において、その周側壁の右部分が上下方向に沿って切り欠かれて切欠き部69が形成されている。これにより、挿入具本体45の下端部は、横断面略C字形の溝状に形成されている。また、挿入具本体45の下端部には、切欠き部69に対向する位置に、矩形状の貫通穴70が形成されている。
【0034】
案内部材47は、三枚の矩形状の板片71,73,75が連接されてなる断面略コ字形材とされる。案内部材47のコ字状溝77の幅は、内視鏡41のケーブル43に対応しており、内視鏡本体51より小さい。案内部材47は、挿入具本体45の下端部に配置されてピン79により挿入具本体45に回動可能に取り付けられる。
【0035】
具体的には、案内部材47は、そのコ字状溝77を右側へ向けた状態で挿入具本体45の下端部の溝81内に配置され、前後方向に沿ってはめ込まれるピン79により挿入具本体45に回動可能に保持される。
【0036】
このように挿入具本体45に取り付けられた案内部材47は、垂下した状態において、挿入具本体45の下端部より下方へ延出している。また、案内部材47は、垂下した状態においてそのコ字状溝77が上下方向に沿って配置されている。
【0037】
案内部材47の開放両端片71,75は、中央片73より上下方向へ延出していると共に、その右側端縁71a,75aは、中央部が凹んだ緩やかな円弧状に形成されている。
そして、案内部材47は、図4および図5に示すように、垂下した状態において、その開放両端片71,75の上端部71b,75bが、挿入具本体45の溝状の周側壁から切欠き側へ若干突出している。つまり、案内部材47の上端部71b,75bは、挿入具本体45の溝81から右側へ突出している。
なお、開放両端片71,75の上端部の左側端縁71c,75cは、円弧状に形成されている。また、開放両端片71,75の下端部71d,75dは、中央片73の下端縁から略三角形状に下方へ突出した形状とされる。
【0038】
本実施例では、案内部材47が垂下した状態において、案内部材47の上端部と、挿入具本体45の切欠き部69の上端縁との間隔xは、内視鏡本体51の軸方向の寸法より小さく設定されている。
また、案内部材47は、垂下した状態において、平面視で挿入具本体45の外径内に収まるよう配置されている。つまり、案内部材47は、垂下した状態において、挿入具本体45の外周面から径方向外側へ突出することがないよう設けられている。
【0039】
このように案内部材47が取り付けられた挿入具本体45は、取付部材49に水密状態で進退可能に保持される。取付部材49は、円筒形状とされ、その軸方向中途には水平に延出する分岐管83が一体的に設けられている。本実施例では、取付部材49の下端部にアダプタ85が着脱可能に設けられており、このアダプタ85を介して取付部材49がサドル分水栓3に取り付けられる。
【0040】
アダプタ85は、円柱形状とされ、上端部および下端部にはそれぞれネジ穴87,89が形成されている。また、アダプタ85には、ネジ穴87,89同士を連通するように軸方向に沿って穴91が形成されている。この連通穴91は各ネジ穴87,89より若干小径とされると共に、内視鏡本体51より大径とされている。
【0041】
アダプタ85は、その上端部のネジ穴87に取付部材49の下端部がねじ込まれて取付部材49に固定される。この際、アダプタ85の上端部のネジ穴87の底部には円環状のパッキン93が設けられている。
【0042】
取付部材49の上端部には、パッキンボックス95が設けられている。本実施例では、パッキンボックス95は、取付部材49より大径な円柱形状とされる。パッキンボックス95の下端部には円形の凹部97が形成されており、この凹部97に取付部材49の上端部がはめ込まれて取付部材49に固定されている。
【0043】
また、パッキンボックス95には、軸方向に沿って段付き穴が貫通して形成されている。段付き穴の内、下側の小径穴99は挿入具本体45の外径に対応しており、上側の大径穴101にはパッキン103が収容されている。
【0044】
このパッキン103は、前記パッキン61と同様の構成であり、複数のシール材105により構成される。つまり、各シール材105は、同一形状とされ、それぞれ合成樹脂により形成されている。また、各シール材105は、V字形状断面で円環状に形成されており、その中央の穴に挿入具本体45が通される。各シール材105には周方向の一部に、斜めに切込みが入れられて切断されており、この切込みを利用して、挿入具本体45の外周面から各シール材105の着脱が可能とされる。
【0045】
各シール材105は、そのV字形状の開口を下方へ向けて重ね合わされる。このように、重ね合わされたシール材105は、全体として円筒形状とされ、パッキンボックス95の大径穴101に収容される。そして、シール材105の中央穴に挿入具本体45が差し込まれた状態で、パッキンボックス95に配置される段付き円筒状のパッキン押え107にて、シール材105が位置決めされ保持される。その状態では、パッキンボックス95の内周面と挿入具本体45の外周面との間が水密状態に維持され、しかもパッキンボックス95に対して挿入具本体45が上下に進退可能である。なお、パッキン押え107は、パッキンボックス95にボルト(不図示)により固定される。
【0046】
取付部材49に挿入具本体45が通された状態では、図2に示すように、内視鏡本体51は、案内部材47より下方に配置される。この際、内視鏡41のケーブル43は、案内部材47のコ字状溝77に通されており、挿入具本体45、案内部材47および内視鏡本体51は、上下方向に沿って略同一軸線上に配置されている。
また、挿入具本体45が引き上げられて、内視鏡本体51や案内部材47が取付部材49内に収容された状態では、内視鏡本体51や案内部材47はアダプタ85から下方へ延出しない。
【0047】
内視鏡41のケーブル43は、挿入具本体45外部においてドラムに巻かれており、その端部には、内視鏡本体51からの映像を映し出すモニタ(不図示)が設けられている。
なお、各部材および管の寸法は特に問わないが、本実施例では、内視鏡本体51の軸方向の寸法が約35mm、外径が約16mmとされ、ケーブル43の外径は約7mmとされる。さらに、本実施例では、サドル分水栓3の縦管部11の内径は20mmや25mmとされ、配水管の内径が75mm以上とされる。
【0048】
次に、本実施例の管内調査機器挿入具により、内視鏡41を配水管1内に送る手順について説明する。
図6は、本実施例の挿入具がサドル分水栓に取り付けられ、挿入具本体が若干押し込まれた状態を示す正面視縦断面図である。
【0049】
まず、図2に示すように、サドル分水栓3の弁体5を閉じて止水し、キャップ17を取り外す。そして、図6に示すように、取付部材49をサドル分水栓3にねじ込んで固定する。具体的には、サドル分水栓3のネジ15にアダプタ85の下端部のネジ穴89をねじ込んで固定する。この際、アダプタ85の下端部のネジ穴89には、円環状のパッキン109が配置されている。また、取付部材49の分岐管83には、適宜レバー式の開閉弁(不図示)などを介してホース111や管が接続される。
【0050】
取付部材49をサドル分水栓3に固定した後、サドル分水栓3の弁体5を開ける。これにより、サドル分水栓3を介して取付部材49および挿入具本体45内に水が進入する。
挿入具本体45と内視鏡41のケーブル43との間、および取付部材49と挿入具本体45との間は、パッキン61,103によりそれぞれ封止されていることで、外部に対する水密性が維持され、水が外部に漏れ出ることはない。
【0051】
そして、サドル分水栓3を開けた状態で、挿入具本体45を取付部材49に対して下方へ押し込んでいく。この際、内視鏡本体51が案内部材47や挿入具本体45より先行するように、挿入具本体45と共に内視鏡41のケーブル43も下方へ押し込んでいく。
【0052】
なお、内視鏡41を配水管1の下流側(図6において右側)へ送り込みたい場合には、案内部材47のコ字状溝77を右側へ向けた状態で挿入具本体45を取付部材49に対してまっすぐに押し込んでいけばよい。
【0053】
挿入具本体45および内視鏡41のケーブル43を押し込んでいくことで、図6に示すように、内視鏡本体51、案内部材47および挿入具本体45は、サドル分水栓3の第一管路11および弁体5の第一流路21を通って配水管1内へ進入する。
【0054】
図7は、内視鏡のケーブルを少し引き上げ、案内部材が傾斜した状態を示す図である。
【0055】
挿入具本体45および内視鏡41のケーブル43を押し込んでいき、モニタにより内視鏡本体51が管底に近づいたことを確認したら、挿入具本体45に対して内視鏡41のケーブル43を少し引き上げる。これにより、内視鏡本体51は、案内部材47の開放両端片71,75の右側端縁71a,75aに沿って上方へ移動し、案内部材47の上端部71b,75bに当接する。
内視鏡本体51が案内部材47の上端部71b,75bに当接することで、案内部材47は、ピン79回りに回動し、その下端部が右側へ移動して若干傾斜した状態となる。
【0056】
このように、内視鏡本体51が案内部材47の上端部71b,75bに当接した状態では、案内部材47は傾斜した状態が維持される。
なお、案内部材47の上端部71b,75bと、挿入具本体45の切欠き部69の上端縁との間隔xが、内視鏡本体51の軸寸法より小さいことで、挿入具本体45に対してケーブル43が最も引き上げられた状態においても内視鏡本体51は案内部材47の上端部71b,75bに当接する。
【0057】
また、内視鏡本体51が案内部材47の上端部71b,75bに当接して、案内部材47が若干傾斜した状態においても、案内部材47は挿入具本体45の下端部より下方へ延出している。このように、案内部材47が傾斜した状態で、再び挿入具本体45および内視鏡41のケーブル43を下方へ押し込む。
【0058】
図8は、挿入具本体が配水管の管底に到達した状態を示す図である。
【0059】
図7に示すように、案内部材47を傾斜させた状態で、挿入具本体45および内視鏡41のケーブル43をさらに下方へ押し込むと、案内部材47の下端部71d,75dが管底に接触する。
案内部材47の下端部71d,75dが管底に接触した後、さらに、挿入具本体45およびケーブル43を下方へ押し込むと、図8に示すように、案内部材47はさらに回動して展開し、案内部材47の下端部71d,75dが管底に接地した状態で挿入具本体45の下端部が管底に到達する。なお、案内部材47は、展開する際、その上端部71b,75bが挿入具本体45の貫通穴70に突入する。
【0060】
このように、挿入具本体45の下端部が管底に到達した状態で、挿入具本体45の上下動を規制する。たとえば、挿入具本体45の下端部が管底に到達した状態において、挿入具本体45に二つ割り可能なリング状の支持部材113を取り付けて挿入具本体45に固定し、この支持部材113をパッキン押え107またはパッキンボックス95にボルト(不図示)で固定すればよい。
【0061】
挿入具本体45の上下動を規制した状態で、内視鏡本体51の映像を見ながらケーブル43を操作して、内視鏡本体51を配水管1の管路に沿って進行させればよい。内視鏡本体51からの映像は、モニタに映し出され、配水管1内の状況を確認することができる。また、録画機器を接続することで、映像を保存することも可能となる。
【0062】
配水管1の下流側の調査が終了したなら、挿入具本体45の上下動の規制を解除し、挿入具本体45および内視鏡41を取付部材49内まで引き上げてサドル分水栓3の弁体5を閉じればよい。この際、挿入具本体45および案内部材47を内視鏡本体51より先に引き上げ、最後に内視鏡本体51が取付部材49内に収容されるようにすることで、挿入する場合と同様に、案内部材47が挿入具本体45に対して垂下した状態で、サドル分水栓3の第一管路11および弁体5の第一流路21を通過することができる。
【0063】
なお、配水管1の下流側の調査終了後、挿入具本体45および内視鏡41を若干引き上げ、挿入具本体45を180度回転させて、続けて上流側の調査を行うようにしてもよい。
【0064】
本実施例では、挿入具本体45が内視鏡本体51の外径以下とされ、かつ、案内部材47が垂下した状態では、案内部材47は挿入具本体45の外径内に収まるよう設けられていることで、内視鏡本体51が入る大きさの径の穴があれば管内に内視鏡を挿入することが可能である。
【0065】
また、アダプタ85の下端部のネジ穴89の径が異なるものを用意することで、径の異なるサドル分水栓に対応することができる。
【0066】
本実施例の挿入具は、アダプタ85の形状や、取付部材49の下端部の形状などを変更することで、サドル分水栓の場合と同様に、各種補修弁、消火栓またはうず巻式フランジ付きT字管などの縦管部から内視鏡を配水管内へ送り込むことができる。
【0067】
次に、本実施例の挿入具を使用してボール式補修弁から配水管内へ内視鏡を送り込む場合について説明する。
図9は、本実施例の挿入具によりボール式補修弁から内視鏡を配水管内へ送り込んでいる状態を示す図である。
【0068】
配水管1の中途には、適宜、上方へ分岐して縦管115が設けられている。この縦管115には、たとえばボール式補修弁117などを介して消火栓が接続されている。
【0069】
ボール式補修弁117は、図9に示すように、弁箱119に上下方向に貫通して管路121が設けられ、その管路121の中途にはボール123が回転可能に配置されてなる。このボール123には、直径方向に貫通穴125が形成されている。この貫通穴125の直径は、前記管路121の直径と対応している。このような構成であるから、ボール123を開閉操作するレバー127によりボール123の貫通穴125の向きを弁箱119の管路121に沿って上下方向に配置するか(図9)、あるいは管路121と垂直な横方向に配置するかにより、ボール式補修弁117の開閉が可能とされる。
【0070】
ボール式補修弁117の弁箱119には、その上下両端部にそれぞれ、フランジ129,131が形成されている。下側のフランジ131は、縦管115の上端部のフランジ133に接続される。一方、上側のフランジ129は、本実施例の挿入具の設置前は、消火栓(不図示)に接続されている。
【0071】
このような構成のボール式補修弁117に取り付けられる本実施例の挿入具は、図9に示すように、アダプタ85の下端部にフランジ135が設けられている。なお、挿入具本体45や案内部材47などの構成は上記と同じである。
本実施例の挿入具をボール式補修弁117に取り付ける場合、ボール式補修弁117を閉じて、消火栓を取り外し、挿入具をボール式補修弁117に載せ置く。そして、ボール式補修弁117の弁箱119の上側のフランジ129と、アダプタ85のフランジ135とをボルト・ナット137で固定すればよい。このように、ボール式補修弁117に挿入具を固定した状態で、ボール式補修弁117を開き、上記と同様に、挿入具本体45と内視鏡41を下方へ押し込んでいくことで、配水管1内へ内視鏡41を送り込むことができる。
【0072】
次に、本実施例の挿入具を使用してバタフライ式補修弁から配水管内へ内視鏡を送り込む場合について説明する。
【0073】
図10は、本実施例の挿入具によりバタフライ式補修弁から内視鏡を配水管内へ送り込んでいる状態を示す図である。
【0074】
バタフライ式補修弁139は、図10に示すように、弁箱141に上下方向に貫通して管路143が設けられ、その管路143の中途に円板状の弁体145が回転可能に配置されてなる。この弁体145は、前後方向に沿って配置された回転軸147に固定されている。そして、弁体145を開閉操作するレバー(不図示)により回転軸147の回転に伴って弁体145も回転して、弁体145の板面を垂直な方向に配置するか(図10)、あるいは水平な方向に配置するかにより、バタフライ式補修弁139の開閉が可能とされる。
【0075】
バタフライ式補修弁139は、ボール式補修弁117と同様に、その弁箱141の上下両端部にそれぞれ、フランジ149,151が形成されている。下側のフランジ151は、縦管115の上端部のフランジ133に接続される。一方、上側のフランジ149は、本実施例の挿入具の設置前は、消火栓(不図示)に接続されている。
【0076】
このようなバタフライ式補修弁139に取り付けられる本実施例の挿入具は、アダプタ85に第二アダプタ153が装着されている。第二アダプタ153は、円筒形状とされ、その下端部には偏心してフランジ155が設けられている。つまり、第二アダプタ153は、その円筒状部に対して、中心軸がずれたフランジ155が設けられている。
【0077】
第二アダプタ153は、その上端部がアダプタ85の下側のネジ穴89にねじ込まれて、アダプタ85に固定される。この際、アダプタ85の下側のネジ穴89には円環状のパッキン157が配置されている。このように、アダプタ85に第二アダプタ153が固定された状態では、取付部材49と第二アダプタ153のフランジ155も偏心している。
【0078】
本実施例の挿入具をバタフライ式補修弁139に取り付ける場合、バタフライ式補修弁139を閉じて消火栓(不図示)を取り外し、バタフライ式補修弁139に挿入具を載せ置く。そして、バタフライ式補修弁139の弁箱141の上側のフランジ149と、第二アダプタ153のフランジ155とをボルト・ナット159で固定すればよい。
このように、バタフライ式補修弁139に挿入具を固定した状態で、バタフライ式補修弁139を開き、上記と同様に、挿入具本体45と内視鏡41を下方へ押し込んでいくことで、配水管1内へ内視鏡41を送り込むことができる。
【0079】
本実施例では、取付部材49と第二アダプタ153のフランジ155が偏心していることで、挿入具本体45とバタフライ式補修弁139の管路143も偏心しており、取付部材49に差し込まれた挿入具本体45は、バタフライ式補修弁139の管路143の中心からずれた位置を通過する。これにより、バタフライ式補修弁139の弁体145や回転軸147に阻止されることなく、配水管1内へ内視鏡41を送りこむことが可能となる。
【0080】
なお、本実施例では、アダプタ85に第二アダプタ153を設けて、取付部材49とバタフライ式補修弁139の管路143とを偏心させることで、挿入具本体45をバタフライ式補修弁139の管路143に偏心して挿入したが、挿入具本体45を管路143や縦管115に偏心して挿入する手段や構成は特に問わない。たとえば、第二アダプタ153を用いずにアダプタ85にフランジを形成し、このフランジと取付部材49とを偏心させることで、挿入具本体45をバタフライ式補修弁139の管路143に偏心して挿入してもよい。
また、取付部材49の下端部にフランジを偏心して形成し、取付部材49を直接バタフライ式補修弁139に接続することで、挿入具本体45をバタフライ式補修弁139の管路143に偏心して挿入してもよい。
さらに、挿入具本体45が、バタフライ式補修弁139の管路143に偏心して挿入されるように、挿入具本体45を取付部材49に偏心して挿入するようにしてもよい。
【0081】
ところで、上述したボール式補修弁117が接続される配水管1の縦管115が、うず巻式フランジ付きT字管の縦管部により構成されることがある。
図11は、本実施例の挿入具によりうず巻式フランジ付きT字管に接続されたボール式補修弁から内視鏡を配水管内へ送り込んでいる状態を示す図であり、内視鏡のケーブルを少し引き上げて案内部材が傾斜した状態を示す図である。
図12は、図11の状態から挿入具本体をさらに下方へ押し込み、挿入具本体が配水管の管底に到達した状態を示す図である。そして、図13は、図12における右側断面図である。
【0082】
うず巻式フランジ付きT字管161は、配水管1の中途に接続される横管部163と、この横管部163の中途から上方へ延出する縦管部165とを有し、横管部163と縦管部165とは円弧状の管路167により連通している。縦管部165の上端部にはフランジ169が設けられている。そして、このうず巻式フランジ付きT字管161の縦管部165にボール式補修弁117を介して消火栓(不図示)が接続される。なお、図示例では、うず巻式フランジ付きT字管161の縦管部165とボール式補修弁117との間に短管171が接続されている。
【0083】
うず巻式フランジ付きT字管161の横管部163には、縦管部165の下方位置に、円弧状管路167と連続する凹部173が形成されている。
また、T字管161には、縦管部165と横管部163とを連通させる小径の空気抜き用穴175が上下方向に沿って形成されており、この空気抜き用穴175は、前記凹部173の中心のほぼ真上に位置している。
【0084】
本実施例の挿入具を使用して、うず巻式フランジ付きT字管161に接続されたボール式補修弁117から配水管1内へ内視鏡41を送り込む場合、上記と同様に、取付部材49をアダプタ85を介してボール式補修弁117に固定した状態で、ボール式補修弁117を開き、内視鏡本体51を先行させながら挿入具本体45と内視鏡41のケーブル43を取付部材49に対して下方へ押し込んでいく。
【0085】
これにより、挿入具本体45および内視鏡本体51が、ボール式補修弁117のボール123を介して下方へ移動し、うず巻式フランジ付きT字管161の空気抜き用穴175に差し込まれて、横管部(配水管)163内に挿入される。そして、モニタにより内視鏡本体51が管底に近づいたことを確認したら、上記と同様にケーブル43を少し引き上げて、図11に示すように、案内部材47を傾斜させる。なお、図示例では、内視鏡本体51を配水管1の下流側へ送り込む場合を示している。
【0086】
ここで、本実施例の挿入具がうず巻式フランジ付きT字管161に接続されたボール式補修弁117に取り付けられて使用される場合、上述した各使用例の場合に比べて案内部材47が若干長く形成されている。
具体的には、上述したように、内視鏡41を配水管1内へ挿入する際、ケーブル43を少し引き上げて案内部材47を傾斜させるが、この傾斜させた状態において案内部材47の下端部71d,75dが横管部163の凹部173から下流側へ延出する長さに形成されている。
つまり、案内部材47を傾斜させた状態(図11の状態)において、案内部材47の下端部71d,75dと挿入具本体45との距離aが、挿入具本体45と凹部173の端部(横管部163の軸方向の端部)との距離bより長くなるように案内部材47が設けられている。より詳細には、図示例では、案内部材47を傾斜させた状態(図11の状態)において、案内部材47の下端部71d,75dと挿入具本体45との距離aが、凹部173の中心と端部との距離(横管部163の軸方向に沿った距離)bより長くなるように案内部材47が設けられている。また、これに伴って、挿入具本体45も案内部材47がピン79により接続された箇所より下側部分が長く形成されている。
【0087】
図11に示すように、案内部材47を傾斜させた状態で、再び挿入具本体45および内視鏡41を下方へ押し込んでいくことで、案内部材47の下端部71d,75dが管底に接触する。この際、案内部材47の下端部71d,75dは、T字管161の凹部173より下流側で管底に接触する。
そして、さらに挿入具本体45および内視鏡41を押し込んでいくと、案内部材47が回動して展開し、図12に示すように、挿入具本体45の下端部が凹部173の管底に到達する。この状態で、ケーブル43を押し込んでいくことで、内視鏡本体51を送り込むことができる。
【0088】
本実施例の挿入具は、コンパクトな構成により、うず巻式フランジ付きT字管161の小径の空気抜き用穴175から内視鏡を挿入して配水管内へ送り込むことができる。また、本実施例では、ケーブルを少し引き上げて案内部材47を傾斜させた状態において、案内部材47の下端部71d,75dがうず巻式フランジ付きT字管161の凹部173から延出する長さとすることで、挿入具本体45が横管部163の凹部173に到達した際に、案内部材47が凹部173内に入り込むのを防止することができる。
【0089】
このように、本実施例の挿入具は、アダプタ85や取付部材49の下端部を変更することで、各縦管部に取り付けることが可能であり、同様に、スライド式補修弁や町ノ式口金を有した消火栓などにも取り付けることが可能である。
【0090】
本発明の挿入具は、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。
たとえば、上記実施例では、取付部材をアダプタを介してサドル分水栓などに取り付けたが、取付部材を直接サドル分水栓などに取り付けるようにしても構わない。
また、水密状態や気密状態を維持する必要がない場合などには、取付部材を用いず、挿入具本体を手で把持して管内へ送り込むようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施例では、本発明の挿入具を用いて内視鏡により配水管内の状況を確認する場合について説明したが、水道管以外でも可能である。たとえば、ガス管などの気体が通される管内調査も可能である。
さらに、上記実施例では、本発明の挿入具を用いて内視鏡を管内へ送り込む場合について説明したが、内視鏡に換えて、本発明の挿入具により音波検出器、防水マイクや各種センサなどのケーブル付き調査機器を同様に管内へ送り込むことが可能である。つまり、内視鏡本体に換えて各種センサなどの本体を上記実施例と同様に管内へ送り込むことが可能となる。また、調査機器には採水器も含まれ、本発明の挿入具により管内へ同様に送り込むことが可能である。なお、採水器は、ケーブルが中空のホース状とされ、その採水器本体から採取された水がケーブル内を通されて外部へ排出される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】配水管にサドル分水栓が取り付けられた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側断面図である。
【図2】本発明の管内調査機器挿入具の一実施例を示す正面視縦断面図であり、サドル分水栓に取り付けられる状態を示す図である。
【図3】図2の管内調査機器挿入具の挿入具本体の下端部を示す斜視図であり、(a)は案内部材が垂下した状態を示す図、(b)は案内部材が展開した状態を示す図である。
【図4】図2の管内調査機器挿入具の挿入具本体の下端部を示す正面図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】図2の管内調査機器挿入具がサドル分水栓に取り付けられ、挿入具本体が若干押し込まれた状態を示す正面視縦断面図である。
【図7】図6の状態から挿入具本体を下方へ押し込み、内視鏡のケーブルを少し引き上げて案内部材が傾斜した状態を示す図である。
【図8】図7の状態から挿入具本体をさらに下方へ押し込み、挿入具本体が配水管の管底に到達した状態を示す図である。
【図9】本発明の管内調査機器挿入具により内視鏡をボール式補修弁から配水管内へ送り込んでいる状態を示す図である。
【図10】本発明の管内調査機器挿入具により内視鏡をバタフライ式補修弁から配水管内へ送り込んでいる状態を示す図である。
【図11】本発明の管内調査機器挿入具によりうず巻式フランジ付きT字管に接続されたボール式補修弁から内視鏡を配水管内へ送り込んでいる状態を示す図であり、内視鏡のケーブルを少し引き上げて案内部材が傾斜した状態を示す図である。
【図12】図11の状態から挿入具本体をさらに下方へ押し込み、挿入具本体が配水管の管底に到達した状態を示す図である。
【図13】図12における右側断面図である。
【符号の説明】
【0093】
1 配水管
3 サドル分水栓
7 分水栓本体
41 内視鏡
43 ケーブル
45 挿入具本体
47 案内部材
49 取付部材
51 内視鏡本体
61 パッキン
69 切欠き部
77 コ字状溝
79 ピン(支軸)
81 溝
85 アダプタ
103 パッキン
115 縦管
117 ボール式補修弁
139 バタフライ式補修弁
153 第二アダプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管内への調査機器の挿入具であって、
調査機器本体からのケーブルが通される挿入具本体と、
この挿入具本体の下端部に回動可能に設けられ、垂下した状態では、挿入具本体より下方へ延出する案内部材とを備え、
前記案内部材より下方に配置しておいた調査機器本体を、前記ケーブルを介して前記挿入具本体に対し上方へ引き上げることで調査機器本体により案内部材を前記挿入具本体に対して傾斜させる
ことを特徴とする管内調査機器挿入具。
【請求項2】
管内への調査機器の挿入具であって、
調査機器本体からのケーブルが通される筒状とされ、その下端部の周側壁が切り欠かれた挿入具本体と、
この挿入具本体の下端部に回動可能に保持され、垂下した状態では、挿入具本体より下方へ延出する案内部材とを備え、
この案内部材は、垂下した状態で少なくとも一部が切欠き側へ突出していると共に、下端部が切欠き側へ回動可能とされる
ことを特徴とする管内調査機器挿入具。
【請求項3】
管内への調査機器の挿入具であって、
調査機器本体からのケーブルが通される円筒状とされ、その下端部は周側壁が切り欠かれて溝状とされた挿入具本体と、
前記ケーブルが通されるコ字状溝を有し、前記挿入具本体の溝状の下端部に中途が支軸を介して回動可能に保持され、垂下した状態では、挿入具本体より下方へ延出する案内部材とを備え、
前記案内部材の上端部は、前記切欠きへ突出しており、案内部材より下方に配置しておいた調査機器本体が、前記挿入具本体に対し上方へ引き上げられることで、調査機器本体が案内部材の上端部に当接して案内部材の下端部は前記支軸まわりに切欠き側へ移動して傾斜し、この傾斜した状態においても案内部材は挿入具本体より下方へ延出している
ことを特徴とする管内調査機器挿入具。
【請求項4】
横管から上方へ向けて分岐する縦管部に取り付けられる筒状の取付部材をさらに備え、
前記挿入具本体は、前記取付部材の上部において前記取付部材との隙間が封止されて、前記取付部材に対して上下に進退可能に設けられ、
前記ケーブルは、前記挿入具本体の上部において前記挿入具本体との隙間が封止されて、前記挿入具本体に対して進退可能とされる
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の管内調査機器挿入具。
【請求項5】
前記取付部材には、フランジが設けられており、このフランジを介して取付部材は縦管部に取り付けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の管内調査機器挿入具。
【請求項6】
前記取付部材には、アダプタが着脱可能に設けられており、このアダプタを介して縦管部に取付部材が取り付けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の管内調査機器挿入具。
【請求項7】
前記アダプタの下端部には、フランジが設けられており、このフランジを介して取付部材は縦管部に取り付けられる
ことを特徴とする請求項6に記載の管内調査機器挿入具。
【請求項8】
前記挿入具本体と前記フランジとは偏心している
ことを特徴とする請求項5または請求項7に記載の管内調査機器挿入具。
【請求項9】
前記案内部材は、垂下した状態において、前記挿入具本体の外径内に収まるよう挿入具本体に設けられており、
前記挿入具本体の外径は、調査機器本体の外径以下である
ことを特徴とする請求項3から請求項8までのいずれかに記載の管内調査機器挿入具。
【請求項10】
前記調査機器は、調査機器本体がカメラを内蔵した内視鏡とされる
ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の管内調査機器挿入具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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