説明

管継手及びソケット

【課題】ソケットとプラグとを連結したときに両者が外れないようにロックする。
【解決手段】プラグ本体11の外周部11cをソケット本体21の先端側丸孔21e内に挿入して、ソケット本体21の外周部21cと先端側丸孔21eとの間で円周方向に沿って貫通して設けられた複数の長孔21ce内に遊嵌している複数のボール22をプラグ本体11の外周部11cに周回させた第1の凹溝11c2内に係合させたときに、ソケット本体21の外周部21dに摺動可能に嵌合させた摺動用筒体31の丸孔31cの内面に周回させた第2の凹溝31c1内から複数のボール22が離脱するように付勢手段32に抗して摺動用筒体31をソケット本体21の後端部21b側に向かって摺動させて、摺動用筒体21の丸孔31cの先端側内面で複数のボール22を第1の凹溝11c2内に押圧することで、ソケット10をプラグ20にロックできる管継手1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスボンベのプラグに、片手でもソケットを着脱自在に連結でき、且つ、プラグとソケットとを連結したときに両者が外れないように迅速且つ確実にロックできる管継手及びソケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液体や気体を供給又は充填する際に管継手が用いられている。
【0003】
この種の管継手において、レバーロックカプラーを用いて固定側水管と可動側水管とを接続及び解離する管継手がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示された管継手では、図示を省略して公報中の符番を用いて説明すると、第1の管となる固定側水管1の接合端部にレバーロックカプラーのプラグ2が固着されており、且つ、このレバーロックカプラーのプラグ2の外周部に凹溝2aが円周方向に沿って形成されている。
【0005】
一方、第2の管となる可動側水管3の接合端部にレバーロックカプラーのソケット4が可動側水管3の外周部に沿ってスライド可能に取り付けられており、且つ、このレバーロックカプラーのソケット4に2本のレバー5が180度対称に回動可能に支持されている。
【0006】
また、前述のレバーロックカプラーのソケット4は、可動側水管3上に固着されないで仮取付けされている。また、可動側水管3の管端には、つば状パッキン6が固着されている。更に、レバーロックカプラーのソケット4の内周には、つば状パッキン6が挿入される凹溝4aが設けられている。
【0007】
そして、結合させる場合には、固定側水管1の接合端部と可動側水管3の接合端部とを突き合わせて、可動側水管3に仮取付けしたレバーロックカプラーのソケット4を固定側水管側1にスライドさせて、可動側水管3の管端に固着させたつば状パッキン6をレバーロックカプラーのソケット4の凹溝4a内に挿入することで結合させる。
【0008】
このときに、レバーロックカプラーのソケット4に支持した2本のレバー5を両水管1,3に対して略平行になるように回動させて、2本のレバー5の各内端カム部5aを固定側水管1に固着させたレバーロックカプラーのプラグ3の外周部に形成した凹溝2a内に係合させることで、両水管1,3同士がロックされる。
【0009】
一方、両水管1,3同士のロックを解除する場合には、レバーロックカプラーのソケット4に支持した2本のレバー5を略垂直となる方向に起立させて、レバーロックカプラーのソケット4を可動側水管3側にスライドさせることで、両水管1,3同士がロック解除となり、これにより、可動側水管3を移動させることなく、配管のための余分なスペースを確保する必要がなく、しかもフレキシブル水管を用いる必要がないので、着脱作業の効率化を図ることができる旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−21288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の管継手は、レバーロックカプラーのソケット4、このソケットに支持した2本のレバー5等の操作により固定側水管1と可動側水管3とを連結又は解除するものであるので、作業員は両方の手で連結又は解除の操作を行なわなければならない。
【0012】
特に、例えば、特許文献1の管継手をガスボンベへのガス注入用として適用した場合には、作業員がレバーロックカプラーのソケット4、2本のレバー5等を両手で作業するために、作業性が悪い。
【0013】
また、固定側水管1と可動側水管3とをレバーロックカプラーを用いて連結したときに、レバーロックカプラーのソケット4は両水管1,3を跨っており、且つ、レバーロックカプラーのソケット4に支持した2本のレバー5の各内端カム部5aがレバーロックカプラーのプラグ2の外周部に形成した凹溝2a内に係合しているものの、可動側水管3とレバーロックカプラーのソケット4とはロックされてなく摩擦力だけの結合であるので、水圧(ガス圧)が高いときなど可動側水管3が固定側水管1から外れてしまう危険性がある。
【0014】
そこで、本発明は、液体や気体を通すプラグとソケットとを片手作業で容易に着脱でき、且つ、プラグとソケットとを連結したときに両者が外れないように迅速且つ確実にロックできると共に、両者のロック解除を安全に行うことができる管継手及びソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、液体又は気体を通すプラグとソケットとを着脱自在に連結する管継手であって、
前記プラグは、
前記液体又は前記気体を通すために円環状の内部に形成された第1の流通路と、円環状の外周部の円周方向に沿って周回された第1の凹溝とを有するプラグ本体を備え、
前記ソケットは、
前記プラグ本体の外周部の先端側を着脱自在に嵌合するために円環状の内部の先端側に形成された先端側丸孔と、前記先端側丸孔の後方に連接されて前記液体又は前記気体を通すために形成された第2の流通路と、円環状の外周部と前記先端側丸孔との間で円周方向に沿って複数貫通して設けられ且つ軸方向が長く形成された複数の長孔とを有するソケット本体と、
前記ソケット本体の前記複数の長孔内にそれぞれ1個ずつ遊嵌されて前記先端側丸孔内に一部分が突出可能な複数のボールと、
前記ソケット本体の外周部に摺動可能に嵌合される丸孔と、前記複数のボールが進退可能に係合するように前記丸孔の内面の円周方向に沿って周回された第2の凹溝とを有する摺動用筒体と、
前記プラグから離間している初期時に前記複数のボールが前記第2の凹溝内に進入するように前記摺動用筒体を前記ソケット本体の先端部側に付勢する付勢手段と、
前記ソケット本体に一体的に取り付けられており、且つ、前記プラグ本体の外周部を前記ソケット本体の前記先端側丸孔内に挿入して前記複数のボールを前記第1の凹溝内に係合させたときに、前記複数のボールが前記第2の凹溝内から離脱するように前記付勢手段に抗して前記摺動用筒体を前記ソケット本体の後端部側に向かって摺動させる摺動用筒体駆動手段と、
を備えたことを特徴とする管継手である。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の管継手において、
前記プラグは、前記第1の流通路内に第1のノズル軸受に軸支された第1のノズルが第1の圧縮バネにより閉じ方向に付勢された状態で収納され、
前記ソケットは、前記第2の流通路内に第2のノズル軸受に軸支された第2のノズルが第2の圧縮バネにより閉じ方向に付勢された状態で収納され、
前記ソケットを前記プラグに連結する動作に伴って、前記第2の圧縮バネに抗しながら前記第2のノズルで前記第1のノズルを押し込むことで、前記第1のノズル及び前記第2のノズルが開いて、前記第1の流通路内及び前記第2の流通路内に前記液体又は前記気体を通すことを特徴とする管継手である。
【0017】
また、請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の管継手において、
前記摺動用筒体駆動手段は、前記摺動用筒体に連結されており、エアー圧、又は、油圧、もしくは電磁力により前記摺動用筒体を摺動させることを特徴とする管継手である。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、液体又は気体を通すために円環状の内周部に形成された第1の流通路と、円環状の外周部の円周方向に沿って周回された第1の凹溝とを有するプラグ本体を備えたプラグに着脱自在に連結されるソケットであって、
前記プラグ本体に形成された円環状の外周部の先端側を着脱自在に嵌合するために円環状の内部の先端側に形成された先端側丸孔と、前記先端側丸孔の後方に連接されて前記液体又は前記気体を通すために形成された第2の流通路と、円環状の外周部と前記先端側丸孔との間で円周方向に沿って複数貫通して設けられ且つ軸方向が長く形成された複数の長孔とを有するソケット本体と、
前記ソケット本体の前記複数の長孔内にそれぞれ1個ずつ遊嵌されて前記先端側丸孔内に一部分が突出可能な複数のボールと、
前記ソケット本体の外周部に摺動可能に嵌合される丸孔と、前記複数のボールが進退可能に係合するように前記丸孔の内面の円周方向に沿って周回された第2の凹溝とを有する摺動用筒体と、
前記プラグから離間している初期時に前記複数のボールが前記第2の凹溝内に進入するように前記摺動用筒体を前記ソケット本体の先端部側に付勢する付勢手段と、
前記ソケット本体に一体的に取り付けられており、且つ、前記プラグ本体の外周部を前記ソケット本体の前記先端側丸孔内に挿入して前記複数のボールを前記第1の凹溝内に係合させたときに、前記複数のボールが前記第2の凹溝内から離脱するように前記付勢手段に抗して前記摺動用筒体を前記ソケット本体の後端部側に向かって摺動させる摺動用筒体駆動手段と、
を備えたことを特徴とするソケットである。
【0019】
また、請求項5記載の発明は、上記した請求項4記載のソケットにおいて、
前記摺動用筒体駆動手段は、前記摺動用筒体に連結されており、エアー圧、又は、油圧、もしくは電磁力により前記摺動用筒体を摺動させることを特徴とするソケットである。
【0020】
更に、請求項6記載の発明は、上記した請求項5記載のソケットにおいて、
前記エアー圧又は前記油圧で駆動する前記摺動用筒体駆動手段は、前記エアー圧又は前記油圧の印加を開始するためのトリガーレバーと、前記トリガーレバーの操作によりエアー又は油が押し込まれるシリンダと、前記摺動用筒体に連結され且つ前記シリンダ内に前記エアー又は前記油が押し込まれる動作に伴って前記エアー圧又は前記油圧により前記摺動用筒体を摺動させるピストンとを有し、且つ、前記トリガーレバーを引き込むことにより前記ソケットが前記液体又は前記気体を収容するタンク又はボンベに取り付けられた前記プラグにロックされると共に、前記トリガーレバーを離すと前記ソケットが前記付勢手段の付勢力により前記プラグからロック解除されることを特徴とするソケットである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の管継手によると、液体又は気体を通すプラグとソケットとを着脱自在に連結する際に、プラグ本体の外周部をソケット本体の先端側丸孔内に挿入して、ソケット本体の先端側外周部と先端側丸孔との間で円周方向に沿って貫通して設けられた複数の長孔内に遊嵌している複数のボールをプラグ本体の外周部に周回させた第1の凹溝内に係合させたときに、ソケット本体の外周部に摺動可能に嵌合させた摺動用筒体の丸孔の内面に周回させた第2の凹溝内から複数のボールが離脱するように付勢手段に抗して摺動用筒体をソケット本体の後端部側に向かって摺動させて、摺動用筒体の丸孔の先端側内面で複数のボールを第1の凹溝内に押圧することで、ソケットをプラグに迅速且つ確実にロックできると共に、摺動用筒体をソケット本体の先端部側に付勢する付勢手段の付勢力を利用してソケットをプラグから安全に取り外すことができる。
【0022】
また、請求項2記載の管継手によると、プラグ本体の第1の流通路内に第1のノズル軸受に軸支された第1のノズルが第1の圧縮バネにより閉じ方向に付勢された状態で収納され、且つ、ソケット本体の第2の流通路内に第2のノズル軸受に軸支された第2のノズルが第2の圧縮バネにより閉じ方向に付勢された状態で収納されているので、プラグ本体をソケット本体内に挿入したときに液体又は気体を第1の流通路から第2の流通路、又は、第2の流通路から第1の流通路に通すことができる。
【0023】
また、請求項3記載の管継手によると、摺動用筒体駆動手段は、摺動用筒体に連結されており、エアー圧、又は、油圧、もしくは電磁力により摺動用筒体を摺動させているので、摺動用筒体駆動手段は、市販品などを用いて安価に構成できる。
【0024】
また、請求項4記載のソケットによると、液体又は気体を通すために円環状の内周部に形成された第1の流通路と、円環状の外周部の円周方向に沿って周回された第1の凹溝とを有するプラグ本体を備えたプラグに着脱自在に連結されるソケットであって、プラグ本体の外周部をソケット本体の先端側丸孔内に挿入して、ソケット本体の先端側外周部と先端側丸孔との間で円周方向に沿って貫通して設けられた複数の長孔内に遊嵌している複数のボールをプラグ本体の外周部に周回させた第1の凹溝内に係合させたときに、ソケット本体の外周部に摺動可能に嵌合させた摺動用筒体の丸孔の内面に周回させた第2の凹溝内から複数のボールが離脱するように付勢手段に抗して摺動用筒体をソケット本体の後端部側に向かって摺動させて、摺動用筒体の丸孔の先端側内面で複数のボールを第1の凹溝内に押圧することで、ソケットをプラグに迅速且つ確実にロックできると共に、摺動用筒体をソケット本体の先端部側に付勢する付勢手段の付勢力を利用してソケットをプラグから安全に取り外すことができる。
【0025】
また、請求項5記載のソケットによると、摺動用筒体駆動手段は、摺動用筒体に連結されており、エアー圧、又は、油圧、もしくは電磁力により摺動用筒体を摺動させているので、摺動用筒体駆動手段は、市販品などを用いて安価に構成できる。
【0026】
更に、請求項6記載のソケットによると、エアー圧又は油圧で駆動する摺動用筒体駆動手段は、トリガーレバーを引き込むことによりソケットが液体又は気体を収容するタンク又はボンベに取り付けられたプラグにロックされると共に、トリガーレバーを離すとソケットが付勢手段の付勢力によりプラグからロック解除されるので、トリガーレバーへの片手操作によりソケットをプラグに対して着脱できるために、着脱時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る管継手及びソケットを示した斜視図である。
【図2】(a),(b)は本発明に係る管継手及びソケットを示した側面図,下面図である。
【図3】本発明に係る管継手及びソケットの初期状態を説明するために図1に示したZ−O−Yに沿って断面して示した断面図である。
【図4】本発明に係る管継手の第1動作を説明するために図1に示したZ−0−Yに沿って断面して示した第1動作図である。
【図5】本発明に係る管継手の第2動作を説明するために図1に示したZ−0−Yに沿って断面して示した第2動作図である。
【図6】本発明に係る管継手の第3動作を説明するために図1に示したZ−0−Yに沿って断面して示した第3動作図である。
【図7】本発明に係る管継手の第4動作を説明するために図1に示したZ−0−Yに沿って断面して示した第4動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明に係る管継手及びソケットの一実施例について図1〜図7を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0029】
図1及び図2(a),(b)に示した如く、本発明に係る管継手1は、液体又は気体を収容するタンク(又は、ボンベ)Tなどに固定して取り付けられた雄型のプラグ10と、プラグ10に対して着脱自在な雌型のソケット20とを備えている。尚、タンク(又は、ボンベ)Tは用途に応じて適宜な形状の容器に形成されており、プラグ10を容器の先端部位に取り付けたタンク又はタンクの側面の中間部位に取り付けられたタンク(例えばLPガス車輌:タクシー)がある。
【0030】
そして、ソケット20は、タンク本体に取り付けられた固定側となるプラグ10に連結した際に、プラグ10に迅速且つ確実にロックされる。この状態で、液体又は気体をプラグ10を介してボンベに充填できるようになっており、以下の説明において両者10,20が接続する側を先端側とし、先端側とは逆側を後端側と呼称する。
【0031】
まず、上記した雄型のプラグ10は、図3に拡大して示した如く、液体又は気体を通すためにプラグ本体11が鍔付き円環状に形成されており、且つ、ソケット20に対して接続側となる先端部11aと後端部11bとの間の外周部11cの中間部位に鍔部11c1が外周部11cよりも大径に形成されていると共に、タンク(又は、ボンベ)Tに取り付けたプラグ支持部材PSにプラグ本体11の後端部11b側の外周部11cを嵌め込んで鍔部11c1をタンク(又は、ボンベ)Tに当接させることで、プラグ本体11がタンク(又は、ボンベ)Tに固定支持されている。
【0032】
また、プラグ本体11の鍔部11c1よりも先端部11a側の外周部11cには、プラグ本体11の軸方向の前後にテーパを付けたテーパ付き凹溝(第1の凹溝)11c2が円周方向に沿って周回され且つ外周部11cよりも小径に形成されており、このテーパ付き凹溝11c2はソケット20をロックするために、後述するソケット本体21の先端部21a側に取り付けた複数のボール22が進退自在に係合できるようになっている。
【0033】
また、プラグ本体11の先端部11aと後端部11bとの間の内部に液体又は気体を流通させるプラグ側流通路(第1の流通路)11dが貫通して穿設され、且つ、このプラグ側流通路11dは先端部11a側に向かって徐々に内径が狭まるように円錐状に傾斜したテーパ状内面11d1が形成されていると共に、このテーパ状内面11d1にプラグ側ノズル(第1のノズル)12のテーパ状先端鍔部12aが接離することで、プラグ側ノズル12がプラグ側流通路11d内に開閉自在に収納されている。
【0034】
この際、プラグ側ノズル12は、先端側のテーパ状先端鍔部12aと、テーパ状先端鍔部12aの後方に連接してこのテーパ状先端鍔部12aよりも細径に形成された中間軸部12bと、中間軸部12bの後方に連接してこの中間軸部12bよりも細径に形成された後端軸部12cとが同心で一体形成されている。
【0035】
また、プラグ本体11のプラグ側流通路11d内の中間部位にプラグ側ノズル軸受(第1のノズル軸受)13が嵌め込まれており、このプラグ側ノズル軸受13は中央の軸受部の外周に沿って放射状に設けた複数のスポーク(図示せず)により複数の貫通孔が形成され、これら複数の貫通孔により液体又は気体をプラグ側流通路11d内に何等の支障もなく通すことができるようになっている。
【0036】
そして、プラグ側ノズル12の後端軸部12cがプラグ側ノズル軸受13に嵌合して軸支されているので、プラグ側ノズル12がプラグ側ノズル軸受13の軸方向に摺動可能になっている。
【0037】
更に、プラグ側ノズル12のテーパ状先端鍔部12aとプラグ側ノズル軸受13との間でプラグ側ノズル12の中間軸部12bにプラグ側圧縮バネ(第1の圧縮バネ)14が嵌入されており、このプラグ側圧縮バネ14の付勢力によりプラグ側ノズル12のテーパ状先端鍔部12aがプラグ側流通路11d内に傾斜して形成したテーパ状内面11d1に当接することにより、プラグ10がソケット20から離間している初期時にプラグ本体11のプラグ側流通路11d内に収納したプラグ側ノズル12が閉じ状態となっている。
【0038】
図1及び図2(a),(b)に戻り、上記した雌型のソケット20は、液体又は気体を通すために円環状に形成されたソケット本体21と、ソケット本体21の後端部21bに先端側が連結され且つ中間部位から後方部位にかけて下記する摺動用筒体駆動手段40を取り付けると共に後端にホース29を接続させた状態で液体又は気体を流通させる流通路28c(図3)を内部に形成した駆動手段取付用筒体28とを備えている。
【0039】
また、ソケット本体21の後端側外周部21dに沿って軸方向に摺動可能な摺動用筒体31と、駆動手段取付用筒体28の角形状外周部28bの下面に取り付けられ且つ摺動用筒体31と連結してこの摺動用筒体31をソケット本体21の後端側外周部21dに沿って軸方向に摺動させる摺動用筒体駆動手段40とで構成されている。
【0040】
尚、この実施例では、摺動用筒体駆動手段40が駆動手段取付用筒体28を介してソケット本体21に一体的に取り付けられているが、これに限ることなく、ソケット本体21を一部変形させて摺動用筒体駆動手段40をソケット本体21の後方部位に一体的に取り付けることも可能である。
【0041】
上記した摺動用筒体駆動手段40は、プラグ10とソケット20とを連結したときに、エアー圧によって摺動用筒体31をソケット本体21の後端部21b側に向かって摺動させるように構成されており、ソケット20をユーザーが片手で把持するための把持体41がL字箱状に形成されて駆動手段取付用筒体28の角形状外周部28bの下面に取り付けられている。
【0042】
また、把持体41の先端部41aと後端部41bとの間の内部はエアー流通路(図示せず)が形成されており、且つ、把持体41の後端部41bにエアーホース42の一端が接続され、このエアーホース42の他端が不図示のエアーポンプに接続されていると共に、把持体41の先端部41aと後端部41bとの間の内部に設けた不図示のエアーバルブを開いてエアー圧の印加を開始するためのトリガーレバー43がピン44を介して把持体41の先端部41a側に回動可能に支持されている。
【0043】
これにより、ユーザーが片手で把持体41を把持しながら、片手操作によりトリガーレバー43を引き込んだときに不図示のエアーポンプから送られたエアーが後端部41b側から先端部41a側に向かって流れるようになっている。
【0044】
また、把持体41の先端部41aに二股パイプ45の一端が接続されて、この二股パイプ45の他端が二股に分岐しており、二股パイプ45の他端に接続した2本のパイプ46,46が駆動手段取付用筒体28の角形状外周部28bの左右側面に突出させた突出片28d,28dに取り付けた2本のエアーシリンダ47,47のうちで各前方側エアー室に接続されている。
【0045】
更に、2本のエアーシリンダ47,47からそれぞれ前方に向かって突出させた2本のピストン48,48が摺動用筒体31の後端側に形成した鍔部31eの左右部位にナット49を用いて連結されているので、摺動用筒体31はソケット本体21の後端側外周部21dに沿って軸方向への摺動が許容されるものの、ソケット本体21の後端側外周部21dに対して円周方向への回転が規制されている。
【0046】
ここで、雌型のソケット20について具体的に説明すると、図3に拡大して示した如く、ソケット本体21は、先端部21aと後端部21bとの間で先端側に形成した先端側外周部21cと、この先端側外周部21cに続いて先端側外周部21cよりも一回り大径で後端側に形成した後端側外周部21dとで段付き円環状に形成されている。
【0047】
また、ソケット本体21の先端部21a側には、プラグ本体11の先端側の外周部11cが挿入されて嵌め込まれる先端側丸孔21eが開口されており、且つ、先端側丸孔21eに続いて液体又は気体を流通させるソケット側流通路(第2の流通路)21fが後端部21b側に向かって形成され、且つ、ソケット側流通路21fの後方にOリング26を周回させたシール部材27が嵌め込まれ、更に、シール部材27の後方に駆動手段取付用筒体28の円環状先端外周部28aが嵌合する後端側丸孔21gが後端部21bに向かって開口されている。
【0048】
この際、ソケット本体21内に形成した先端側丸孔21e及びソケット側流通路21f並びに後端側丸孔21gはプラグ本体11に対して同心的に形成されており、且つ、後端側丸孔21gに嵌合する駆動手段取付用筒体28の円環状先端外周部28aの先端部位をOリング26を周回させたシール部材27に突き当てることにより液体又は気体の漏れを防止している。
【0049】
また、ソケット本体21の内部中間部位に形成したソケット側流通路21fは、先端部21a側に向かって徐々に内径が狭まるように円錐状に傾斜したテーパ状内面21f1が形成されていると共に、このテーパ状内面21f1にソケット側ノズル(第2のノズル)23のテーパ状中間鍔部23bが接離することで、ソケット側ノズル23がソケット側流通路21f内に開閉自在に収納されている。
【0050】
この際、ソケット側ノズル23は、プラグ本体11内に収納したプラグ側ノズル12のテーパ状先端鍔部12aに接離する先端側の先端軸部23aと、先端軸部23aの後方に連接してこの先端軸部23aよりも太径に形成されたテーパ状中間鍔部23bと、テーパ状中間鍔部23bの後方に連接してこのテーパ状中間鍔部23bよりも細径に形成された中間軸部23cと、中間軸部23cの後方に連接してこの中間軸部23cよりも細径に形成された後端軸部23dとが同心で一体形成されている。
【0051】
また、ソケット本体21のソケット側流通路21f内の中間部位にソケット側ノズル軸受(第2のノズル軸受)24が嵌め込まれており、このソケット側ノズル軸受24は中央の軸受部の外周に沿って放射状に設けた複数のスポーク(図示せず)により複数の貫通孔が形成され、これら複数の貫通孔により液体又は気体をソケット側流通路21f内に何等の支障もなく通すことができるようになっている。
【0052】
そして、ソケット側ノズル23の後端軸部23dがソケット側ノズル軸受24に嵌合して軸支されているので、ソケット側ノズル23がソケット側ノズル軸受24の軸方向に摺動可能になっている。
【0053】
更に、ソケット側ノズル23のテーパ状中間鍔部23bとソケット側ノズル軸受24との間でソケット側ノズル23の中間軸部23cにソケット側圧縮バネ(第2の圧縮バネ)25が嵌入されており、このソケット側圧縮バネ25の付勢力によりソケット側ノズル23のテーパ状中間鍔部23bがソケット側流通路21f内に傾斜して形成したテーパ状内面21f1に当接することにより、ソケット20がプラグ10から離間している初期時にソケット本体21のソケット側流通路21f内に収納したソケット側ノズル23が閉じ状態となっている。
【0054】
また、ソケット本体21の先端側外周部21cと先端側丸孔21eとの間には、先端部21aよりも少し後方に複数の長孔21ceが円周方向に沿って略等間隔に貫通して穿設され、且つ、軸方向に長く形成されており、これら複数の長孔21ce内に複数のボール22がそれぞれ1個ずつ遊嵌されている。
【0055】
この際、各長孔21ce内に遊嵌している各ボール22が、プラグ本体11が挿入されていない初期時にソケット本体21の先端側丸孔21e内に落下しないように、各長孔21ceは先端側丸孔21eに向かって各ボール22の直径よりも小径となるように長孔21ceの内面に沿って傾斜を付けることで、各ボール22の一部分のみが先端側丸孔21eに向かって突出できるようになっている。
【0056】
また、ソケット本体21の先端側丸孔21e内の中間部位にOリング30が嵌め込まれており、ソケット本体21の先端側丸孔21e内にプラグ本体11の先端側の外周部11cを嵌合させたときに、Oリング30によって液体又は気体の漏れを防止している。
【0057】
また、ユーザーが片手で把持体41を把持しながら、片手操作によりトリガーレバー43を引き込んで摺動用筒体駆動手段40を作動させたときに、ソケット本体21の後端側外周部21d上を摺動する摺動用筒体31は、鍔付き円環状に形成されており、先端部31aと後端部31bとの間で先端側に先端側丸孔31cがソケット本体21の先端側外周部21cの径よりも僅かに大きく開口され、且つ、先端側丸孔31cに続いて後端側に後端側丸孔31dが先端側丸孔31cの径よりも大径で且つソケット本体21の後端側外周部21dの径よりも僅かに大きく開口されている。
【0058】
そして、摺動用筒体31の先端側丸孔31c及び後端側丸孔31dがソケット本体21の先端側外周部21c及び後端側外周部21dに同心的に嵌め込まれていると共に、摺動用筒体31の後端側に摺動用筒体駆動手段40に設けた2本のピストン48を連結する鍔部31eが後端側外周部21dから左右に向かって突出形成されている。
【0059】
また、摺動用筒体31の先端側丸孔31cの内面には、先端部31aよりも少し後方に軸方向の前後にテーパを付けたテーパ付き凹溝(第2の凹溝)31c1が円周方向に沿って周回され且つ先端側丸孔31cの内径よりも大径に形成されており、このテーパ付き凹溝31c1はプラグ10をロックするために、ソケット本体21の先端側に取り付けた複数のボール22が進退自在に係合できるようになっている。
【0060】
更に、摺動用筒体31の後端側丸孔31d内にソケット本体21の後端側外周部21dを嵌合させた状態で、摺動用筒体31の後端側丸孔31dとソケット本体21の先端側外周部21cとの間に生じた空間K内に付勢手段となる圧縮バネ32が嵌入されている。
【0061】
この際、圧縮バネ(付勢手段)32は、ソケット20がプラグ10から離間している初期時に複数のボール22が摺動用筒体31の先端側丸孔31cの内面に周回させたテーパ付き凹溝31c1内に進入するように摺動用筒体31をソケット本体21の先端部21a側に付勢しており、言い換えると、圧縮バネ32は、摺動用筒体31をソケット本体21上で初期状態にする機能を有している。
【0062】
そして、摺動用筒体31がソケット本体21上で初期位置に至っているときには、ソケット本体21の先端側外周部21cと先端側丸孔21eとの間に形成した複数の長孔21ceと、摺動用筒体31の先端側丸孔31cの内面に形成したテーパ付き凹溝31c1とが互いに対向し、且つ、複数の長孔21ce内に遊嵌している複数のボール22がソケット本体21の先端側丸孔21e内に臨みながら摺動用筒体31のテーパ付き凹溝31c1に係合している状態であり、且つ、摺動用筒体31の先端部31aがソケット本体21の先端部21aよりも僅かに前方に突出した状態である。
【0063】
ここで、上記のように構成した本発明に係る管継手1の動作について、図1及び図4〜図7を用いて動作順に説明する。
【0064】
まず、図4に示した第1動作図は、可動側のソケット20が固定側のプラグ10から離間している初期状態を示しており、先に説明した図3の状態と同じである。
【0065】
即ち、タンク(又は、ボンベ)Tに取り付けられた雄型のプラグ10は、プラグ本体11のプラグ側流通路11d内に収納されたプラグ側ノズル12のテーパ状先端鍔部12aがプラグ側圧縮バネ14の付勢力によりプラグ側流通路11dの前方に形成したテーパ状内面11d1に当接して、プラグ側ノズル12が閉じ状態であるので、プラグ側流通路11d内で液体又は気体の移動ができない状態である。
【0066】
一方、可動側の雌型のソケット20は、ソケット本体21のソケット側流通路21f内に収納されたソケット側ノズル23のテーパ状中間鍔部23bがソケット側圧縮バネ25の付勢力によりソケット側流通路21fの前方に形成したテーパ状内面21f1に当接して、ソケット側ノズル23が閉じ状態であるので、ソケット側流通路21f内で液体又は気体の移動ができない状態であると共に、ソケット側ノズル23の先端軸部23aはソケット本体21の先端側丸孔21e内に臨んでいる。
【0067】
また、トリガーレバー43は引かれてなく摺動用筒体駆動手段40は作動していないので、摺動用筒体駆動手段40のピストン48と連結してソケット本体21の後端側外周部21dに沿って摺動する摺動用筒体31は初期状態を保ち、ソケット本体21の先端側外周部21cと先端側丸孔21eとの間に形成した複数の長孔21ce内に遊嵌している複数のボール22がソケット本体21の先端側丸孔21e内に臨みながら摺動用筒体31の先端側丸孔31cの内面に形成したテーパ付き凹溝31c1に係合している。
【0068】
この状態で、ユーザーは可動側のソケット20を片手で把持しながらソケット本体21の先端部21a側をプラグ10のプラグ本体11の先端部11a側を向けて矢印X1に移動させる。
【0069】
次に、図5に示した第2動作図は、可動側のソケット20を固定側のプラグ10に挿入した途中状態を示している。
【0070】
即ち、ソケット20を手動によりプラグ10に向けて矢印X1方向に移動させ、ソケット本体21の先端側丸孔21e内にプラグ本体11の先端側の外周部11cを挿入すると、ソケット本体21内にプラグ本体11が同心的に連結される。
【0071】
このとき、摺動用筒体31はソケット本体21に対して初期状態を保っており、ソケット本体21の先端側外周部21cと先端側丸孔21eとの間に形成した複数の長孔21ce内に遊嵌している複数のボール22は、プラグ本体11の先端側の外周部11cに当接しながらプラグ本体11のテーパ付き凹溝11c2に向かって移動する。
【0072】
また、ソケット20をプラグ10に連結する動作に伴って、ソケット本体21のソケット側流通路21f内に収納されたソケット側ノズル23はソケット側圧縮バネ25に抗しながらこの先端軸部23aがプラグ本体11のプラグ側流通路11d内に収納されたプラグ側ノズル12のテーパ状先端鍔部12aに当接して、プラグ側ノズル12を後方に押し込み始める。
【0073】
次に、図6に示した第3動作図は、可動側のソケット20を固定側のプラグ10の奥方まで更に挿入して、ソケット本体21の先端側に設けた複数のボール22をプラグ本体11のテーパ付き凹溝11c2内に係合させた状態を示している。
【0074】
即ち、可動側のソケット20を固定側のプラグ10に対して更に奥方に挿入する。このとき、摺動用筒体31はソケット本体21に対して初期状態を保っており、ソケット本体21の先端側外周部21cと先端側丸孔21eと間に形成した複数の長孔21ce内に遊嵌している複数のボール22は、更なる挿入動作に伴ってプラグ本体11のテーパ付き凹溝11c2内に係合するものの、ユーザーが故意にソケット20を矢印X1方向とは反対方向に引き抜くと、複数のボール22はプラグ本体11のテーパ付き凹溝11c2内から離脱できる状態である。
【0075】
また、更なる挿入動作に伴って、ソケット本体21のソケット側流通路21f内に収納されたソケット側ノズル23の先端軸部23aでプラグ本体11のプラグ側流通路11d内に収納されたプラグ側ノズル12のテーパ状先端鍔部12aを押しながらソケット側ノズル23の中間軸部23cの後端がソケット側圧縮バネ25の付勢力に抗してソケット側ノズル軸受24に当接することにより、ソケット側ノズル23のテーパ状中間鍔部23bとソケット本体21のテーパ状内面21f1との間に液体又は気体を通す隙間Sが生じ、且つ、ソケット側ノズル23により押されたプラグ側ノズル12の中間軸部12bの後端がプラグ側圧縮バネ14の付勢力に抗してプラグ側ノズル軸受13に当接することにより、プラグ側ノズル12のテーパ状先端鍔部12aとプラグ本体11のテーパ状内面11d1との間に液体又は気体を通す隙間Sが生じ、プラグ側ノズル12及びソケット側ノズル23が共に開いた状態となるので、プラグ10とソケット20との間で液体又は気体を通すことができる。
【0076】
次に、図7に示した第4動作図は、ソケット20をプラグ10にロックさせた状態を示している。
【0077】
即ち、図6に示した状態からユーザーは片手で把持体41を把持しながら片手操作により摺動用筒体駆動手段40のトリガーレバー43を引き込んで把持体41内に設けた不図示のエアーバルブを開き、不図示のポンプから送られたエアーを、エアーホース42,把持体41,二股パイプ45,2本のパイプ46を介して2本のエアーシリンダ47の各前方側エアー室内に押し込んで、エアー圧によって2本のピストン48を矢印X2方向に移動させる。
【0078】
そして、2本のピストン48の矢印X2方向に移動に伴って、2本のピストン48に連結された摺動用筒体31がソケット本体21の後端部21b側に向かって摺動する。このときに、ソケット本体21に形成した複数の長孔21ce内に遊嵌している複数のボール22が、摺動用筒体31の先端側丸孔31cの内面に形成したテーパ付き凹溝31c1内から外れて摺動用筒体31の先端側丸孔31cの先端部内面に当接して、摺動用筒体31の先端側丸孔31cの先端部内面で複数のボール22をプラグ本体11のテーパ付き凹溝11c2内に押圧することで、複数のボール22はプラグ本体11のテーパ付き凹溝11c2内で動けなくなるので、ソケット20をプラグ10に迅速且つ確実にロックできる。
【0079】
また、ソケット20をプラグ10にロックしたときに、プラグ本体11内のプラグ側ノズル12及びソケット本体21内のソケット側ノズル23は共に開いていて両者間に隙間Sが生じているので、この隙間Sによりプラグ10とソケット20との間で液体又は気体を確実に通すことができる。
【0080】
一方、ソケット20をプラグ10にロックした後に、ユーザーがトリガーレバー43を離すと、把持体41内に設けた不図示のエアーバルブが閉じるので、エアーを2本のエアーシリンダ47内に押し込めなくなり、且つ、摺動用筒体31の後端側丸孔31dとソケット本体21の先端側外周部21cとの間に嵌入されている圧縮バネ32の付勢力により摺動用筒体31がソケット本体21の先端部21a側に移動して、ソケット本体21に形成した複数の長孔21ce内に遊嵌している複数のボール22が、摺動用筒体31の先端側丸孔31cの内面に形成したテーパ付き凹溝31c1に再び係合して元の初期状態に戻ると共に、摺動用筒体31をソケット本体21の先端部21a側に付勢する圧縮バネ32の付勢力を利用してソケット20をプラグ10から安全に取り外すことができる。
【0081】
また、ユーザーがトリガーレバー43を離してソケット20をプラグ10からロック解除したときに、プラグ側ノズル12を付勢するプラグ側圧縮バネ14及びソケット側ノズル23を付勢するソケット側圧縮バネ25の各付勢力により各ノズル12,23を確実に閉じることができる。
【0082】
以上詳述した本発明に係る管継手1及びソケット20では、摺動用筒体31をソケット本体の後端側外周部21dに沿って摺動させる摺動用筒体駆動手段40は、エアー圧を用いて摺動用筒体31を駆動しているが、エアー圧に代えて油圧を用いることも可能である。
【0083】
即ち、油圧を用いた摺動用筒体駆動手段の構成は、エアー圧を用いた場合と略同じであり、油圧の印加を開始するためのトリガーレバーと、トリガーレバーの操作により油が押し込まれるシリンダと、摺動用筒体に連結され且つシリンダ内に油が押し込まれる動作に伴って油圧により摺動用筒体を摺動させるピストンとを有すれば良いものである。
【0084】
従って、エアー圧又は油圧で駆動する摺動用筒体駆動手段は、トリガーレバーを引き込むことによりソケットが液体又は気体を収容するタンク又はボンベに取り付けられたプラグにロックされると共に、トリガーレバーを離すとソケットが付勢手段の付勢力によりプラグからロック解除されるので、トリガーレバーへの片手操作によりソケットをプラグに対して着脱できるために、着脱時の作業性を向上させることができる。
【0085】
更に、摺動用筒体駆動手段40の他例として、ここでの図示を省略するが、電磁ソレノイドなどによる電磁力により摺動用筒体31をソケット本体の後端側外周部21dに沿って摺動させることも可能であり、この場合にはトリガーレバーを用いることなく、電磁ソレノイドを摺動用筒体31に連結してスイッチ動作により電磁ソレノイドを作動させることも可能である。
【0086】
従って、エアー圧、又は、油圧、もしくは電磁力により摺動用筒体31を摺動させる圧摺動用筒体駆動手段40は、市販品などを用いて安価に構成できる。
【0087】
なお、ボンベに実施の形態のプラグ10以外のプラグ(図示せず:テーパ付き凹溝11c2がないプラグ)が取り付けられている場合は、プラグ10とソケット20とを一体にして販売してもよい。さらに、例えばボンベAからボンベBにガスを入れることも可能である。この場合はボンベAとソケット20とをロックし、ボンベB側にソケット20を接続して用いる。
【符号の説明】
【0088】
1…管継手、
10…雄型のプラグ、
11…プラグ本体、11a…先端部、11b…後端部、
11c…外周部、11c1…鍔部、11c2…第1の凹溝(テーパ付き凹溝)、
11d…第1の流通路(プラグ側流通路)、11d1…テーパ状内面、
12…第1のノズル(プラグ側ノズル)、12a…テーパ状先端鍔部、
12b…中間軸部、12c…後端軸部、
13…第1のノズル軸受(プラグ側ノズル軸受)、
14…第1の圧縮バネ(プラグ側圧縮バネ)、
20…雌型のソケット、
21…ソケット本体、21a…先端部、21b…後端部、
21c…先端側外周部、21d…後端側外周部、21e…先端側丸孔、
21ce…複数の長孔、21f…第2の流通路(ソケット側流通路)、
21f1…テーパ状内面、21g…後端側丸孔、
22…ボール、23…第2のノズル(ソケット側ノズル)、23a…先端軸部、
23b…テーパ状中間鍔部、23c…中間軸部、23d…後端軸部、
24…第2のノズル軸受(ソケット側ノズル軸受)、
25…第2の圧縮バネ(ソケット側圧縮バネ)、26…Oリング、27…シール部材、
28…駆動手段取付用筒体、28a…円環状先端外周部、
28b…角形状外周部、28c…流通路、28d…突出片、
29…ホース、30…Oリング、
31…摺動用筒体、31a…先端部、31b…後端部、
31c…先端側丸孔、31c1…テーパ付き凹溝、
31d…後端側丸孔、31e…鍔部、32…圧縮バネ、
40…摺動用筒体駆動手段、
41…把持体、41a…先端部、41b…後端部、42…エアーホース、
43…トリガーレバー、44…ピン、45…二股パイプ、46…パイプ、
47…エアーシリンダ、48…ピストン、49…ナット、
T…タンク(又は、ボンベ)、PS…プラグ支持部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体又は気体を通すプラグとソケットとを着脱自在に連結する管継手であって、
前記プラグは、
前記液体又は前記気体を通すために円環状の内部に形成された第1の流通路と、円環状の外周部の円周方向に沿って周回された第1の凹溝とを有するプラグ本体を備え、
前記ソケットは、
前記プラグ本体の外周部の先端側を着脱自在に嵌合するために円環状の内部の先端側に形成された先端側丸孔と、前記先端側丸孔の後方に連接されて前記液体又は前記気体を通すために形成された第2の流通路と、円環状の外周部と前記先端側丸孔との間で円周方向に沿って複数貫通して設けられ且つ軸方向が長く形成された複数の長孔とを有するソケット本体と、
前記ソケット本体の前記複数の長孔内にそれぞれ1個ずつ遊嵌されて前記先端側丸孔内に一部分が突出可能な複数のボールと、
前記ソケット本体の外周部に摺動可能に嵌合される丸孔と、前記複数のボールが進退可能に係合するように前記丸孔の内面の円周方向に沿って周回された第2の凹溝とを有する摺動用筒体と、
前記プラグから離間している初期時に前記複数のボールが前記第2の凹溝内に進入するように前記摺動用筒体を前記ソケット本体の先端部側に付勢する付勢手段と、
前記ソケット本体に一体的に取り付けられており、且つ、前記プラグ本体の外周部を前記ソケット本体の前記先端側丸孔内に挿入して前記複数のボールを前記第1の凹溝内に係合させたときに、前記複数のボールが前記第2の凹溝内から離脱するように前記付勢手段に抗して前記摺動用筒体を前記ソケット本体の後端部側に向かって摺動させる摺動用筒体駆動手段と、
を備えたことを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記プラグは、前記第1の流通路内に第1のノズル軸受に軸支された第1のノズルが第1の圧縮バネにより閉じ方向に付勢された状態で収納され、
前記ソケットは、前記第2の流通路内に第2のノズル軸受に軸支された第2のノズルが第2の圧縮バネにより閉じ方向に付勢された状態で収納され、
前記ソケットを前記プラグに連結する動作に伴って、前記第2の圧縮バネに抗しながら前記第2のノズルで前記第1のノズルを押し込むことで、前記第1のノズル及び前記第2のノズルが開いて、前記第1の流通路内及び前記第2の流通路内に前記液体又は前記気体を通すことを特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項3】
前記摺動用筒体駆動手段は、前記摺動用筒体に連結されており、エアー圧、又は、油圧、もしくは電磁力により前記摺動用筒体を摺動させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の管継手。
【請求項4】
液体又は気体を通すために円環状の内周部に形成された第1の流通路と、円環状の外周部の円周方向に沿って周回された第1の凹溝とを有するプラグ本体を備えたプラグに着脱自在に連結されるソケットであって、
前記プラグ本体に形成された円環状の外周部の先端側を着脱自在に嵌合するために円環状の内部の先端側に形成された先端側丸孔と、前記先端側丸孔の後方に連接されて前記液体又は前記気体を通すために形成された第2の流通路と、円環状の外周部と前記先端側丸孔との間で円周方向に沿って複数貫通して設けられ且つ軸方向が長く形成された複数の長孔とを有するソケット本体と、
前記ソケット本体の前記複数の長孔内にそれぞれ1個ずつ遊嵌されて前記先端側丸孔内に一部分が突出可能な複数のボールと、
前記ソケット本体の外周部に摺動可能に嵌合される丸孔と、前記複数のボールが進退可能に係合するように前記丸孔の内面の円周方向に沿って周回された第2の凹溝とを有する摺動用筒体と、
前記プラグから離間している初期時に前記複数のボールが前記第2の凹溝内に進入するように前記摺動用筒体を前記ソケット本体の先端部側に付勢する付勢手段と、
前記ソケット本体に一体的に取り付けられており、且つ、前記プラグ本体の外周部を前記ソケット本体の前記先端側丸孔内に挿入して前記複数のボールを前記第1の凹溝内に係合させたときに、前記複数のボールが前記第2の凹溝内から離脱するように前記付勢手段に抗して前記摺動用筒体を前記ソケット本体の後端部側に向かって摺動させる摺動用筒体駆動手段と、
を備えたことを特徴とするソケット。
【請求項5】
前記摺動用筒体駆動手段は、前記摺動用筒体に連結されており、エアー圧、又は、油圧、もしくは電磁力により前記摺動用筒体を摺動させることを特徴とする請求項4記載のソケット。
【請求項6】
前記エアー圧又は前記油圧で駆動する前記摺動用筒体駆動手段は、前記エアー圧又は前記油圧の印加を開始するためのトリガーレバーと、前記トリガーレバーの操作によりエアー又は油が押し込まれるシリンダと、前記摺動用筒体に連結され且つ前記シリンダ内に前記エアー又は前記油が押し込まれる動作に伴って前記エアー圧又は前記油圧により前記摺動用筒体を摺動させるピストンとを有し、且つ、前記トリガーレバーを引き込むことにより前記ソケットが前記液体又は前記気体を収容するタンク又はボンベに取り付けられた前記プラグにロックされると共に、前記トリガーレバーを離すと前記ソケットが前記付勢手段の付勢力により前記プラグからロック解除されることを特徴とする請求項5記載のソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−72780(P2012−72780A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215919(P2010−215919)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(507398925)株式会社 イー・エス・プロジェクト (3)
【出願人】(507398648)株式会社アキバ (3)
【Fターム(参考)】