管継手
【課題】管体の抜け止め性能を向上させ、コストダウンを図る。
【解決手段】管継手2は、端部外周にフランジ9が形成された継手本体3と、この継手本体3の端部内周面に形成された拡径部8に収容されるパッキン7と、この継手本体3に接続される管体4に嵌合され、締結具5、25によりフランジ9と連結される押輪6とを備えている。押輪6と管体4との間には、管体4が継手本体3から抜け出るのを阻止する抜け止め機構20が設けられる。抜け止め機構20は、押輪6の内周面に継手本体3側に向かって拡径するテーパ面21を形成し、テーパ面21と管体4との間に、これらテーパ面21と管体外周面4Bとのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する金属製コイル部材22を配設して構成される。
【解決手段】管継手2は、端部外周にフランジ9が形成された継手本体3と、この継手本体3の端部内周面に形成された拡径部8に収容されるパッキン7と、この継手本体3に接続される管体4に嵌合され、締結具5、25によりフランジ9と連結される押輪6とを備えている。押輪6と管体4との間には、管体4が継手本体3から抜け出るのを阻止する抜け止め機構20が設けられる。抜け止め機構20は、押輪6の内周面に継手本体3側に向かって拡径するテーパ面21を形成し、テーパ面21と管体4との間に、これらテーパ面21と管体外周面4Bとのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する金属製コイル部材22を配設して構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体を液密を保持して抜け止めを図る管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、管継手では、管体の液密を保持して接続するだけでなく、継手本体から管体の抜け止めが求められる。従来、管継手として、継手本体の端部内周面を拡径して形成し、この端部外周にはフランジを形成し、この端部拡径部には、パッキンを収容し、この継手本体に接続される管体には、押輪を嵌合し、ボルトによりフランジと連結する管継手が知られている。この従来の管継手では、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、剛球体を複数個等間隔で設け、押輪をフランジにボルトで締結する際、テーパ面により剛球体を管体外周面に押し付けるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。また、押輪と管体との間に介装されたアダプタにより厚肉のC字状ロックリングを管体に押し付け、管体の抜け止めを図る構造が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
上記従来の管継手のうち特許文献1に記載の管継手では、管体に引き抜き方向の外力が加わると、管体が抜け出し方向に変位する一方、押輪はフランジとボルトを介して固定されているので、剛球体が管体外周面に食い込み、この食い込みが引き抜き力に抗して管体の抜け出しを阻止するようになっている。また、上記特許文献2に記載の管継手では、C型ロックリングの内周面には周方向溝が形成されており、管体に引き抜き方向の外力が加わり、管体が抜け出し方向に変位すると、溝間の周方向接触面が管体外周面に食い込み、抜け止めを図るようになっている。
【特許文献1】実用新案登録第3099370号公報(第3、4頁、図5)
【特許文献2】特開2005−321079号公報(第4、5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の管継手のうち特許文献1に記載の管継手では、抜け止めについて、管体の抜け止めを果たす剛球体は、管体外周の周方向に複数箇所配置されているため、剛球体が管体の外面に食い込む部位は、剛球体の数とその点接触部位に応じて決定される。このため、十分な抜け止め性能を確保できないという問題があった。また、上記特許文献2に記載の管継手では、抜け止め時に、C型ロックリングの周方向突部が管体の外面に食い込むので、上記特許文献1に記載の管継手に比較して食い込み面積は増大するものの、面接触または線接触となって食い込み性能が低下するという問題がある。このため、これら従来の管継手では、予め抜け出し寸法を大きく設定して設計施工を行わなければならない。また、剛球体やC型ロックリングは、押輪またはアダプタと管体外周面とにより形成される空隙に応じて多種類製造しなければならずコストがかかるという問題がある。さらに、C型ロックリングでは、強度上肉厚を確保すると、管継手全体が大型化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、管体の抜け止め性能を向上させるとともに、簡素な構成でコストダウンを図ることができる管継手を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る管継手は、端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成したものである。
【0007】
本発明の請求項1に係る管継手では、端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成したことにより、管体に抜け出し方向の外力がかかると、管体は、押輪に対して継手本体から押輪に向かう方向に変位し、環状部材は押輪のテーパ面と管体外周面とに多数の接触点で食い込みが生じる。このため、食い込み部位の面積が増大するとともに、テーパ面と管体外周面とに対し食い込みによる抵抗が強くなるので、抜け止め性能が向上する。
【0008】
本発明の請求項2に係る管継手は、環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成したものである。
【0009】
本発明の請求項2に係る管継手では、環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成したことにより、環状部材の接触点を周方向に均一にかつ多数確保することができる。また、環状に形成された金属製コイルは可撓性を有し弾性復帰可能に変形するので、管体に瞬間的な引き抜き圧力や脈動に伴う圧力変化、あるいは振動や周方向への偏った力などがかかっても全周に亘り均等に接触点を確保することができる。このため、汎用品を利用して高い抜け止め性能を得ることができる。
【0010】
本発明の請求項3に係る管継手は、環状部材を、両端をカットした線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、コイル両端部間に弧状接続材を挿入して両端部間を接続し、径寸法を調整自在に構成したものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る管継手では、環状部材を、両端をカットした線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、コイル両端部間に弧状接続材を挿入して両端部間を接続し、径寸法を調整自在に構成したことにより、環状部材の経方向寸法を変えられるので、口径の異なる管体に対応させることができ、汎用性が向上する。
【0012】
本発明の請求項4に係る管継手は、環状部材を、線状材に多数の金属製コイル片を嵌合して線状材両端を接続し、金属製コイル片を周方向等間隔に配置して構成した「クレーム4」したものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る管継手では、環状部材を、線状材に多数の金属製コイル片を嵌合して線状材両端を接続し、金属製コイル片を周方向等間隔に配置して構成したことにより、金属製コイル片が周方向に分割されて配置されるので、金属製コイル片の押輪と管体とに対する追従性が向上し、食い込みがより確実に行われる。
【0014】
本発明の請求項5に係る管継手は、環状部材を軟質性樹脂の薄膜で被覆したものである。
【0015】
本発明の請求項5に係る管継手では、環状部材を軟質性樹脂の薄膜で被覆したことにより、パッキンに取り付けやすくなり、組み付け性が向上する。
【0016】
本発明の請求項6に係る管継手は、パッキンの押輪側端面には、環状部材をテーパ面と管体外周面との間に保持する保持部が形成されるようにしたものである。
【0017】
本発明の請求項6に係る管継手では、パッキンの押輪側端面には、環状部材をテーパ面と管体外周面との間に保持する保持部が形成されるようにしたことにより、環状部材はパッキンの保持部により保持されて、押輪のテーパ面と管体外周面との間の空隙に配置されるので、組み付け作業が迅速化される。
【0018】
本発明の請求項7に係る管継手は、押輪のテーパ面には、環状部材のスリップを防止するスリップ止め加工が施されるようにしたものである。
【0019】
本発明の請求項7に係る管継手では、押輪のテーパ面には、環状部材のスリップを防止するスリップ止め加工が施されるようにしたことにより、環状部材の食い込みが管軸方向に導かれるので、食い込むがより確実に行われる。
【0020】
本発明の請求項8に係る管継手は、押輪の継手本体側端部内周面には、パッキンの押輪側端部を収容する拡径段部が形成されるようにしたものである。
【0021】
本発明の請求項8に係る管継手では、押輪の継手本体側端部内周面には、パッキンの押輪側端部を収容する拡径段部が形成されるようにしたことにより、フランジと押輪との連結時、パッキンは押輪側内面も管体に確実に密着され管体の密封性能が向上する
【0022】
本発明の請求項9に係る管継手は、管体は外力により継手本体の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体に接続されるようにしたものである。
【0023】
本発明の請求項9に係る管継手では、管体は外力により継手本体の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体に接続されることにより、地震などの外力を受けても揺れを吸収することができるので、破損しにくくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る管継手は、端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成しているので、管体の抜け止め性能を向上させ、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
確実な抜け止めとコストダウンを図るという目的を、継手本体の端部内周面を拡径してその端部外周にフランジを形成し、継手本体に接続される管体をシールするパッキンを設け、管体には押輪を嵌合し、押輪と管体との間に管体が継手本体から抜け出るのを阻止する抜け止め機構を設け、この抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状の金属製コイルを配設して構成したことにより実現した。
【実施例1】
【0026】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1の(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第1の実施例に係る管継手の押輪の一部を示す平面図および抜け止め機構を示す縦断面図、図2は図1の管継手の要部の拡大縦断面図である。本実施例に係る管継手2は、図1の(A)、(B)に示すように、継手本体3と、この継手本体3に接続される管体4に嵌合され、ボルト(締結具)5により継手本体3に連結される押輪6と、連結時、継手本体3と管体4と押輪6との間に介装されるパッキン7とを備えて構成される。継手本体3は、端部内周面に拡径して形成される拡径部8を有している。この拡径部8には、外周にパッキン7が嵌合された管体4の端部4Aが挿入されるようになっている。また、継手本体3は、拡径端部の外周にフランジ9が形成される。このフランジ9には、周方向に等間隔を隔ててボルト5が挿通される連結孔10が穿設される。管体4は、例えば、口径15.24cm(6インチ)の配管用炭素鋼鋼管である。
【0027】
パッキン7は、図2および図3の(B)に示すように、筒状の肉厚部7Aと、この肉厚部7Aの一端に連続し肉厚部7Aの内径より小径に形成された薄肉部7Bと、この薄肉部7Bに連続して内側に突出し管体4の端面に当接する緩衝部7Cとを備えている。パッキン7は、管体4に押輪6が嵌合された後、管体4に装着される。パッキン7は、管体4の端部4Aに装着された状態で管体4が継手本体3の拡径部8に挿入されると、肉厚部7Aの一端に形成された傾斜面7Dが拡径部8の傾斜面8Aに接触するようになっている。
【0028】
パッキン7の装着前に管体4に嵌合される押輪6は、図2および図4に示すように、フランジ9とほぼ同径に鍔状に形成されるとともに、フランジ9の連結孔10と対応する位置に連結孔11が穿設される。また、押輪6の継手本体側端部内周面には、パッキン7の押輪側端部7Eを収容する拡径段部12が形成される。
【0029】
ところで、押輪6と管体4との間には、管体4が継手本体3から抜け出るのを阻止する抜け止め機構20が設けられる。この抜け止め機構20は、押輪6の内周面に、拡径段部12に連続し継手本体3側に向かって拡径するテーパ面21を形成し、このテーパ面21と継手本体3に接続される管体4との間に環状に形成された金属製コイル部材(環状部材)22を配設して構成される。金属製コイル部材22は、図3の(A)、(B)および(D)に示すように、両端がカットされた直線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、この金属製コイルの両端部22A、22Bに弧状に曲げた針金状の接続材23を挿入し、この接続材23によりこれら両端部22A、22B間を接続して構成される。両端部22A、22B間の距離は、口径15.24cm(6インチ)の管体4に用いる場合、5mm程度が好ましい。しかしながら、両端部22A、22B間の距離は、管体4の口径に応じて設定されることはいうまでもない。このように、金属製コイル部材22は、両端部22A、22Bを接続材23に沿って変位させて両端部22A、22B間の距離を調整することにより径寸法が調整できるようになっている。このため、金属製コイル部材22は口径の異なる管体に対応させることができる。また、金属製コイル部材22は、鋼製で可撓性を有するとともに、所定以上の強い力が外から加えられると、弾性変形可能になっている。
【0030】
パッキン7の押輪側端面7Fには、図3の(A)ないし(C)に示すように、保持部24が周方向に等間隔で複数形成され、押輪6の締結時、金属製コイル部材22をテーパ面21と管体4の外周面4Bとの間に保持するようになっている。保持部24は、端面7Fから柱状に突出して形成される柱部24Aとこの柱部24Aのほぼ中央に球状に形成される球状部24Bとを備えている。保持部24は、金属製コイル部材22が、柱部24Aの先端から差し入れられると、球状部24Bが金属製コイル部材22の螺旋状線輪間に嵌り、金属製コイル部材22を保持するようになっている。
【0031】
抜け止め機構20は、管体4に押輪6を嵌合し、パッキン7の保持部24に金属製コイル部材22を取り付け、このパッキン7を管体4の端部4Aに装着し、この管体4を継手本体3の拡径部8に挿入し、押輪6をフランジ9に連結孔10、11を合致させてボルト5とナット25で連結すると、金属製コイル部材22は押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに接触して保持されるようになっている。このように、この抜け止め機構20では、金属製コイル部材22がこれら各面21、4Bにより画成され継手本体3側から次第に縮径してゆく空間Sに収容され、しかも、金属製コイル部材22はこれら各面21、4Bの全周にわたって多数の接触点で接触するようになっている。このため、管体4に抜け出し方向の外力がかかると、管体4は押輪6に対して継手本体3から押輪6に向かう方向に変位しようとする。このとき、金属製コイル部材22は管体4に引っ張られて空間Sの縮径する方向に押し付けられて、テーパ面21と外周面4Bとに接触している多数の接触点がこれら各面21、4Bに食い込み、管体4の抜け出しを阻止するようになっている。このように、金属製コイル部材22は、テーパ面21の全周面と外周面4Bの全周面とに均等に接触する線輪が、多数の接触点で管体4の抜け出し方向の力に抵抗するようになっている。抜け出し方向の力が強いと、金属製コイル部材22は空間Sの縮径する方向に押し付けられる際、線輪が弾性変形を起こす。このため、弾性変形により接触点の接触面が増大し、食い込みがより激しくなり、抜け出し抵抗が大きくなる。このため、瞬間的に抜け出し方向の力が増大しても、抜け出し抵抗もその力に応じて大きくなり、管体4の抜け出し量を抑制することができる。管体4の抜け出し方向の力が弱まると、金属製コイル部材22は元の形状に弾性復帰するようになっている。また、金属製コイル部材22は、接続材23により両端22A、22Bが所定の隙間を設けて接続されているので、周方向に偏った力が加わっても、両端部22A、22Bを相対変位させてその力を分散し、全周で均等に管軸方向の力を受けることができるようになっている。管体4は、地震等の外力により継手本体3の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体3に接続される。すなわち、管継手2は可とう継手となっている。このため、地震などの外力を受けても揺れを吸収することができるので、破損しにくい。ねじ込みタイプの継手では、ねじ込み後、継手と管体が固定されてしまうのに対し、可とう継手では、継手に対して管体が所定の可撓角度の範囲で変位可能となっているため、排水系統の水平配管(横管)に勾配を設ける場合、容易に施工することができる。また、現場で継手間にずれがある場合でも、可とう継手ではずれを吸収して接続することができる。このように可とう継手では、設計の自由度が高くなり、建築物の挙動に対する追随性や振動吸収性が高い。
【0032】
次に、上記実施例に係る管継手2の作用について説明する。この管継手2は、継手本体3に管体4を接続する際、まず、管体4に押輪6を嵌合し、パッキン7の保持部24に金属製コイル部材22を取り付ける(図3の(A)、(B)参照)。次に、金属製コイル部材22が取り付けられたパッキン7を管体4の端部4Aに装着し、この管体4を継手本体3の拡径部8に挿入し、押輪6を継手本体3側に移動させて拡径段部12にパッキン7の押輪側端部7Eを嵌め入れ、連結孔10、11同士を合致させて位置決めする。このとき、金属製コイル部材22は空間S内で押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに接触して保持される。次に、フランジ9の連通孔10と押輪6の連通孔11とにボルト5を挿通してナット25により螺締し、押輪6と継手本体3とを連結する。ナット25の締め付けにより、押輪6がパッキン7の肉厚部7Aを管軸方向に圧縮すると、パッキン7はフランジ拡径部8の傾斜面8Aと管体4の外周面4Bとに密着してシールするようになっている。この締め付けにより、金属製コイル部材22は、押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに確実に接触して保持される。
【0033】
上述のように継手本体3に接続された管体4に、抜け出し方向の外力がかかると、管体4は抜け出し方向に、すなわち、押輪6に対して継手本体3から押輪6に向かう方向に変位しようとする。このとき、金属製コイル部材22は管体4に引っ張られて空間Sの縮径する方向に押し付けられ、押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに接触している多数の接触点がこれら各面21、4Bに食い込み、管体4の抜け出しを阻止するようになっている。このため、食い込み部位を接触面の全周にわたって均等な点状としかつ接触面積を増大させることができるので、食い込み性能が向上する。このため、本発明に係る管継手2では、従来のような、厚肉のリングを抜け止め部材として用い、リング内面を管体外面に面接触または線接触させて抜け止めを図るのに比較して、抜け止め部材としての金属製コイル部材22を深く食い込ませることができ、抜け止め性能が向上する。また、抜け止め部材としての環状部材を、汎用性の高い金属製コイル部材22により構成しているため、安価に入手することができ、従来のような厚肉の抜け止めリングや抜け止め鋼球に比較してコストダウンを図ることができる。
【実施例2】
【0034】
次に、本発明の第2の実施例に係る管継手102について説明する。本発明の第2の実施例に係る管継手102は、上記第1の実施例に係る管継手2が、押輪6のテーパ面21を滑らかな円錐状に形成しているのに対し、図5の(A)、(B)に示すように、押輪106のテーパ面121に縦溝122を周方向等間隔に多数形成し、金属製コイル部材22のスリップ防止を図るようにしている点を除き、上記第1の実施例に係る管継手2とほぼ同一の構成を有している。すなわち、第2の実施例に係る管継手102は、押輪106のテーパ面121に金属製コイル部材22のスリップ防止を図るスリップ防止用縦溝122を形成したことにより、揺れや周方向に偏った力が加わっても、金属製コイル部材22の滑り止めを図ることができ、所望の抜け止め性能を確保することができる。図6ないし図8はそれぞれ、上記第2の実施例に係る管継手102の押輪106の変形例に係るもので、図6の(A)および(B)に示す第1の変形例に係る押輪206は、テーパ面221にローレット加工を施し、金属製コイル部材22のスリップを防止するようにしている。また、図7の(A)および(B)に示す第2の変形例に係る押輪306は、テーパ面321に周方向の横溝322を形成し、金属製コイル部材22のスリップを防止するようにしている。さらに、図8の(A)および(B)に示す第3の変形例に係る押輪406は、テーパ面421に傾斜溝422を形成し、金属製コイル部材22のスリップを防止するようにしている。本発明の第2の実施例に係る管継手102については、金属製コイル部材22のスリップを防止する目的で押輪106、206、306、406のテーパ面121、221、321、421に加工を施しているが、押輪のテーパ面に凹凸を形成することにより金属製コイル部材22の食い込み性能も向上し、管体4の抜け出し量を抑制することができる。
【実施例3】
【0035】
次に、本発明の第3の実施例に係る管継手502について説明する。本発明の第3の実施例に係る管継手502は、上記第1および第2の実施例に係る管継手2、102が、抜け止め部材としての金属製コイル部材22を、C字状に曲げられた金属製コイルの両端部22A、22Bに接続材23を挿入してこれら両端部22A、22B間を接続して環状に形成しているのに対し、抜け止め部材としての環状部材522を、図9の(A)、(B)に示すように、C字状鋼線(線状材)523に、金属製コイルを小片に分割して形成された金属製コイル片524を多数嵌合し、鋼線523の両端部を連結して形成している。そして、この環状部材522は、鋼線523に嵌合された金属製コイル片524が周方向等間隔に配置されるようになっている。第3の実施例に係る管継手502では、金属製コイル片524が周方向に分割されて等間隔に配置されるので、金属製コイル片524の、押輪6、106、206、306、406と管体4とに対する追従性が向上し、食い込みがより確実に行われる。
【0036】
図10の(A)および(B)は、上記第1の実施例に係る管継手2の環状部材22の変形例に係るもので、上記第1の実施例に係る管継手2がC字状金属製コイルの両端部22A、22Bを接続材23により接続して環状に形成しているのに対し、この変形例に係る環状部材622は、両端がカットされた直線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、この金属製コイルの両端部622A、622B同士を接続し、径を管体の口径に合致させて環状に形成している。この変形例に係る環状部材622では、全体が金属製コイルにより構成されコイルの欠落する空隙がないので、管体4がより高い水圧を受けても、確実に抜け止めを図ることができる。
【実施例4】
【0037】
次に、本発明の第4の実施例に係る管継手702について説明する。本発明の第4の実施例に係る管継手702は、上記第1ないし第3の実施例に係る管継手2、102、502が、金属製コイルを直接押輪6、106、206、306、406のテーパ面21、121、221、321、421と管体4の外周面4Bとに接触させるようにしているのに対し、図11の(A)、(B)に示すように、保持部24に保持された金属製コイル部材22、522、622をゴムの薄い皮膜722で被覆して、パッキン7に固定させるようにしている。この皮膜722の被覆は金属製コイル部材22、522、622の固定に供されるため、薄い膜であればよく、第4の実施例に係る管継手702では、金属製コイル部材22、522、622が皮膜722を介してテーパ面21、121、221、321、421と管体4の外周面4Bとに押し付けられると、金属製コイル部材22、522、622の線輪は皮膜722を突き破り、テーパ面21、121、221、321、421と管体4の外周面4Bとに接触するようになっている。係る構成とすることにより、組み付けの作業を効率化することができる。
【0038】
なお、上記実施例では、環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成しているが、これに限られるものではなく、テーパ面と管体外周面とにほぼ全周に沿って接触する多数の接触点を有する部材であればよく、環状部材を、表面に多数の尖り部または歯部を有し可撓性を有するリングにより構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第1の実施例に係る管継手の押輪の一部を示す平面図および抜け止め機構を示す縦断面図である。(実施例1)
【図2】図1の管継手の要部を拡大して示す拡大縦断面図である。
【図3】(A)ないし(D)はそれぞれ、図1の管継手のパッキンに金属コイルを装着した状態を示す平面図、その縦断面図、保持部の拡大縦断面図および金属製コイルの接続部を示す説明図である。
【図4】(A)および(B)はそれぞれ、図1の管継手の押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図5】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第2の実施例に係る管継手の押輪を示す平面図および縦断面図である。(実施例2)
【図6】(A)および(B)はそれぞれ、図5の押輪の第1の変形例に係る押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図7】(A)および(B)はそれぞれ、図5の押輪の第2の変形例に係る押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図8】(A)および(B)はそれぞれ、図5の押輪の第3の変形例に係る押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図9】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第3の実施例に係る管継手の金属コイルをパッキンに装着した状態を示す平面図およびその縦断面図である。(実施例3)
【図10】(A)および(B)はそれぞれ、図1の管継手の金属製コイルの変形例を示す平面図および縦断面図である。
【図11】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第4の実施例に係る管継手の環状部材をパッキンに取り付けた状態を示す平面図およびその縦断面図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0040】
2 管継手
3 継手本体
4 管体
4B 管体外周面
5 ボルト(締結具)
6 押輪
7 パッキン
8 拡径部
9 フランジ
20 抜け止め機構
21 テーパ面
22 金属製コイル(環状部材)
25 ナット(締結具)
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体を液密を保持して抜け止めを図る管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、管継手では、管体の液密を保持して接続するだけでなく、継手本体から管体の抜け止めが求められる。従来、管継手として、継手本体の端部内周面を拡径して形成し、この端部外周にはフランジを形成し、この端部拡径部には、パッキンを収容し、この継手本体に接続される管体には、押輪を嵌合し、ボルトによりフランジと連結する管継手が知られている。この従来の管継手では、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、剛球体を複数個等間隔で設け、押輪をフランジにボルトで締結する際、テーパ面により剛球体を管体外周面に押し付けるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。また、押輪と管体との間に介装されたアダプタにより厚肉のC字状ロックリングを管体に押し付け、管体の抜け止めを図る構造が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
上記従来の管継手のうち特許文献1に記載の管継手では、管体に引き抜き方向の外力が加わると、管体が抜け出し方向に変位する一方、押輪はフランジとボルトを介して固定されているので、剛球体が管体外周面に食い込み、この食い込みが引き抜き力に抗して管体の抜け出しを阻止するようになっている。また、上記特許文献2に記載の管継手では、C型ロックリングの内周面には周方向溝が形成されており、管体に引き抜き方向の外力が加わり、管体が抜け出し方向に変位すると、溝間の周方向接触面が管体外周面に食い込み、抜け止めを図るようになっている。
【特許文献1】実用新案登録第3099370号公報(第3、4頁、図5)
【特許文献2】特開2005−321079号公報(第4、5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の管継手のうち特許文献1に記載の管継手では、抜け止めについて、管体の抜け止めを果たす剛球体は、管体外周の周方向に複数箇所配置されているため、剛球体が管体の外面に食い込む部位は、剛球体の数とその点接触部位に応じて決定される。このため、十分な抜け止め性能を確保できないという問題があった。また、上記特許文献2に記載の管継手では、抜け止め時に、C型ロックリングの周方向突部が管体の外面に食い込むので、上記特許文献1に記載の管継手に比較して食い込み面積は増大するものの、面接触または線接触となって食い込み性能が低下するという問題がある。このため、これら従来の管継手では、予め抜け出し寸法を大きく設定して設計施工を行わなければならない。また、剛球体やC型ロックリングは、押輪またはアダプタと管体外周面とにより形成される空隙に応じて多種類製造しなければならずコストがかかるという問題がある。さらに、C型ロックリングでは、強度上肉厚を確保すると、管継手全体が大型化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、管体の抜け止め性能を向上させるとともに、簡素な構成でコストダウンを図ることができる管継手を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る管継手は、端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成したものである。
【0007】
本発明の請求項1に係る管継手では、端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成したことにより、管体に抜け出し方向の外力がかかると、管体は、押輪に対して継手本体から押輪に向かう方向に変位し、環状部材は押輪のテーパ面と管体外周面とに多数の接触点で食い込みが生じる。このため、食い込み部位の面積が増大するとともに、テーパ面と管体外周面とに対し食い込みによる抵抗が強くなるので、抜け止め性能が向上する。
【0008】
本発明の請求項2に係る管継手は、環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成したものである。
【0009】
本発明の請求項2に係る管継手では、環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成したことにより、環状部材の接触点を周方向に均一にかつ多数確保することができる。また、環状に形成された金属製コイルは可撓性を有し弾性復帰可能に変形するので、管体に瞬間的な引き抜き圧力や脈動に伴う圧力変化、あるいは振動や周方向への偏った力などがかかっても全周に亘り均等に接触点を確保することができる。このため、汎用品を利用して高い抜け止め性能を得ることができる。
【0010】
本発明の請求項3に係る管継手は、環状部材を、両端をカットした線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、コイル両端部間に弧状接続材を挿入して両端部間を接続し、径寸法を調整自在に構成したものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る管継手では、環状部材を、両端をカットした線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、コイル両端部間に弧状接続材を挿入して両端部間を接続し、径寸法を調整自在に構成したことにより、環状部材の経方向寸法を変えられるので、口径の異なる管体に対応させることができ、汎用性が向上する。
【0012】
本発明の請求項4に係る管継手は、環状部材を、線状材に多数の金属製コイル片を嵌合して線状材両端を接続し、金属製コイル片を周方向等間隔に配置して構成した「クレーム4」したものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る管継手では、環状部材を、線状材に多数の金属製コイル片を嵌合して線状材両端を接続し、金属製コイル片を周方向等間隔に配置して構成したことにより、金属製コイル片が周方向に分割されて配置されるので、金属製コイル片の押輪と管体とに対する追従性が向上し、食い込みがより確実に行われる。
【0014】
本発明の請求項5に係る管継手は、環状部材を軟質性樹脂の薄膜で被覆したものである。
【0015】
本発明の請求項5に係る管継手では、環状部材を軟質性樹脂の薄膜で被覆したことにより、パッキンに取り付けやすくなり、組み付け性が向上する。
【0016】
本発明の請求項6に係る管継手は、パッキンの押輪側端面には、環状部材をテーパ面と管体外周面との間に保持する保持部が形成されるようにしたものである。
【0017】
本発明の請求項6に係る管継手では、パッキンの押輪側端面には、環状部材をテーパ面と管体外周面との間に保持する保持部が形成されるようにしたことにより、環状部材はパッキンの保持部により保持されて、押輪のテーパ面と管体外周面との間の空隙に配置されるので、組み付け作業が迅速化される。
【0018】
本発明の請求項7に係る管継手は、押輪のテーパ面には、環状部材のスリップを防止するスリップ止め加工が施されるようにしたものである。
【0019】
本発明の請求項7に係る管継手では、押輪のテーパ面には、環状部材のスリップを防止するスリップ止め加工が施されるようにしたことにより、環状部材の食い込みが管軸方向に導かれるので、食い込むがより確実に行われる。
【0020】
本発明の請求項8に係る管継手は、押輪の継手本体側端部内周面には、パッキンの押輪側端部を収容する拡径段部が形成されるようにしたものである。
【0021】
本発明の請求項8に係る管継手では、押輪の継手本体側端部内周面には、パッキンの押輪側端部を収容する拡径段部が形成されるようにしたことにより、フランジと押輪との連結時、パッキンは押輪側内面も管体に確実に密着され管体の密封性能が向上する
【0022】
本発明の請求項9に係る管継手は、管体は外力により継手本体の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体に接続されるようにしたものである。
【0023】
本発明の請求項9に係る管継手では、管体は外力により継手本体の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体に接続されることにより、地震などの外力を受けても揺れを吸収することができるので、破損しにくくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る管継手は、端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成しているので、管体の抜け止め性能を向上させ、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
確実な抜け止めとコストダウンを図るという目的を、継手本体の端部内周面を拡径してその端部外周にフランジを形成し、継手本体に接続される管体をシールするパッキンを設け、管体には押輪を嵌合し、押輪と管体との間に管体が継手本体から抜け出るのを阻止する抜け止め機構を設け、この抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状の金属製コイルを配設して構成したことにより実現した。
【実施例1】
【0026】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1の(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第1の実施例に係る管継手の押輪の一部を示す平面図および抜け止め機構を示す縦断面図、図2は図1の管継手の要部の拡大縦断面図である。本実施例に係る管継手2は、図1の(A)、(B)に示すように、継手本体3と、この継手本体3に接続される管体4に嵌合され、ボルト(締結具)5により継手本体3に連結される押輪6と、連結時、継手本体3と管体4と押輪6との間に介装されるパッキン7とを備えて構成される。継手本体3は、端部内周面に拡径して形成される拡径部8を有している。この拡径部8には、外周にパッキン7が嵌合された管体4の端部4Aが挿入されるようになっている。また、継手本体3は、拡径端部の外周にフランジ9が形成される。このフランジ9には、周方向に等間隔を隔ててボルト5が挿通される連結孔10が穿設される。管体4は、例えば、口径15.24cm(6インチ)の配管用炭素鋼鋼管である。
【0027】
パッキン7は、図2および図3の(B)に示すように、筒状の肉厚部7Aと、この肉厚部7Aの一端に連続し肉厚部7Aの内径より小径に形成された薄肉部7Bと、この薄肉部7Bに連続して内側に突出し管体4の端面に当接する緩衝部7Cとを備えている。パッキン7は、管体4に押輪6が嵌合された後、管体4に装着される。パッキン7は、管体4の端部4Aに装着された状態で管体4が継手本体3の拡径部8に挿入されると、肉厚部7Aの一端に形成された傾斜面7Dが拡径部8の傾斜面8Aに接触するようになっている。
【0028】
パッキン7の装着前に管体4に嵌合される押輪6は、図2および図4に示すように、フランジ9とほぼ同径に鍔状に形成されるとともに、フランジ9の連結孔10と対応する位置に連結孔11が穿設される。また、押輪6の継手本体側端部内周面には、パッキン7の押輪側端部7Eを収容する拡径段部12が形成される。
【0029】
ところで、押輪6と管体4との間には、管体4が継手本体3から抜け出るのを阻止する抜け止め機構20が設けられる。この抜け止め機構20は、押輪6の内周面に、拡径段部12に連続し継手本体3側に向かって拡径するテーパ面21を形成し、このテーパ面21と継手本体3に接続される管体4との間に環状に形成された金属製コイル部材(環状部材)22を配設して構成される。金属製コイル部材22は、図3の(A)、(B)および(D)に示すように、両端がカットされた直線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、この金属製コイルの両端部22A、22Bに弧状に曲げた針金状の接続材23を挿入し、この接続材23によりこれら両端部22A、22B間を接続して構成される。両端部22A、22B間の距離は、口径15.24cm(6インチ)の管体4に用いる場合、5mm程度が好ましい。しかしながら、両端部22A、22B間の距離は、管体4の口径に応じて設定されることはいうまでもない。このように、金属製コイル部材22は、両端部22A、22Bを接続材23に沿って変位させて両端部22A、22B間の距離を調整することにより径寸法が調整できるようになっている。このため、金属製コイル部材22は口径の異なる管体に対応させることができる。また、金属製コイル部材22は、鋼製で可撓性を有するとともに、所定以上の強い力が外から加えられると、弾性変形可能になっている。
【0030】
パッキン7の押輪側端面7Fには、図3の(A)ないし(C)に示すように、保持部24が周方向に等間隔で複数形成され、押輪6の締結時、金属製コイル部材22をテーパ面21と管体4の外周面4Bとの間に保持するようになっている。保持部24は、端面7Fから柱状に突出して形成される柱部24Aとこの柱部24Aのほぼ中央に球状に形成される球状部24Bとを備えている。保持部24は、金属製コイル部材22が、柱部24Aの先端から差し入れられると、球状部24Bが金属製コイル部材22の螺旋状線輪間に嵌り、金属製コイル部材22を保持するようになっている。
【0031】
抜け止め機構20は、管体4に押輪6を嵌合し、パッキン7の保持部24に金属製コイル部材22を取り付け、このパッキン7を管体4の端部4Aに装着し、この管体4を継手本体3の拡径部8に挿入し、押輪6をフランジ9に連結孔10、11を合致させてボルト5とナット25で連結すると、金属製コイル部材22は押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに接触して保持されるようになっている。このように、この抜け止め機構20では、金属製コイル部材22がこれら各面21、4Bにより画成され継手本体3側から次第に縮径してゆく空間Sに収容され、しかも、金属製コイル部材22はこれら各面21、4Bの全周にわたって多数の接触点で接触するようになっている。このため、管体4に抜け出し方向の外力がかかると、管体4は押輪6に対して継手本体3から押輪6に向かう方向に変位しようとする。このとき、金属製コイル部材22は管体4に引っ張られて空間Sの縮径する方向に押し付けられて、テーパ面21と外周面4Bとに接触している多数の接触点がこれら各面21、4Bに食い込み、管体4の抜け出しを阻止するようになっている。このように、金属製コイル部材22は、テーパ面21の全周面と外周面4Bの全周面とに均等に接触する線輪が、多数の接触点で管体4の抜け出し方向の力に抵抗するようになっている。抜け出し方向の力が強いと、金属製コイル部材22は空間Sの縮径する方向に押し付けられる際、線輪が弾性変形を起こす。このため、弾性変形により接触点の接触面が増大し、食い込みがより激しくなり、抜け出し抵抗が大きくなる。このため、瞬間的に抜け出し方向の力が増大しても、抜け出し抵抗もその力に応じて大きくなり、管体4の抜け出し量を抑制することができる。管体4の抜け出し方向の力が弱まると、金属製コイル部材22は元の形状に弾性復帰するようになっている。また、金属製コイル部材22は、接続材23により両端22A、22Bが所定の隙間を設けて接続されているので、周方向に偏った力が加わっても、両端部22A、22Bを相対変位させてその力を分散し、全周で均等に管軸方向の力を受けることができるようになっている。管体4は、地震等の外力により継手本体3の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体3に接続される。すなわち、管継手2は可とう継手となっている。このため、地震などの外力を受けても揺れを吸収することができるので、破損しにくい。ねじ込みタイプの継手では、ねじ込み後、継手と管体が固定されてしまうのに対し、可とう継手では、継手に対して管体が所定の可撓角度の範囲で変位可能となっているため、排水系統の水平配管(横管)に勾配を設ける場合、容易に施工することができる。また、現場で継手間にずれがある場合でも、可とう継手ではずれを吸収して接続することができる。このように可とう継手では、設計の自由度が高くなり、建築物の挙動に対する追随性や振動吸収性が高い。
【0032】
次に、上記実施例に係る管継手2の作用について説明する。この管継手2は、継手本体3に管体4を接続する際、まず、管体4に押輪6を嵌合し、パッキン7の保持部24に金属製コイル部材22を取り付ける(図3の(A)、(B)参照)。次に、金属製コイル部材22が取り付けられたパッキン7を管体4の端部4Aに装着し、この管体4を継手本体3の拡径部8に挿入し、押輪6を継手本体3側に移動させて拡径段部12にパッキン7の押輪側端部7Eを嵌め入れ、連結孔10、11同士を合致させて位置決めする。このとき、金属製コイル部材22は空間S内で押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに接触して保持される。次に、フランジ9の連通孔10と押輪6の連通孔11とにボルト5を挿通してナット25により螺締し、押輪6と継手本体3とを連結する。ナット25の締め付けにより、押輪6がパッキン7の肉厚部7Aを管軸方向に圧縮すると、パッキン7はフランジ拡径部8の傾斜面8Aと管体4の外周面4Bとに密着してシールするようになっている。この締め付けにより、金属製コイル部材22は、押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに確実に接触して保持される。
【0033】
上述のように継手本体3に接続された管体4に、抜け出し方向の外力がかかると、管体4は抜け出し方向に、すなわち、押輪6に対して継手本体3から押輪6に向かう方向に変位しようとする。このとき、金属製コイル部材22は管体4に引っ張られて空間Sの縮径する方向に押し付けられ、押輪6のテーパ面21と管体4の外周面4Bとに接触している多数の接触点がこれら各面21、4Bに食い込み、管体4の抜け出しを阻止するようになっている。このため、食い込み部位を接触面の全周にわたって均等な点状としかつ接触面積を増大させることができるので、食い込み性能が向上する。このため、本発明に係る管継手2では、従来のような、厚肉のリングを抜け止め部材として用い、リング内面を管体外面に面接触または線接触させて抜け止めを図るのに比較して、抜け止め部材としての金属製コイル部材22を深く食い込ませることができ、抜け止め性能が向上する。また、抜け止め部材としての環状部材を、汎用性の高い金属製コイル部材22により構成しているため、安価に入手することができ、従来のような厚肉の抜け止めリングや抜け止め鋼球に比較してコストダウンを図ることができる。
【実施例2】
【0034】
次に、本発明の第2の実施例に係る管継手102について説明する。本発明の第2の実施例に係る管継手102は、上記第1の実施例に係る管継手2が、押輪6のテーパ面21を滑らかな円錐状に形成しているのに対し、図5の(A)、(B)に示すように、押輪106のテーパ面121に縦溝122を周方向等間隔に多数形成し、金属製コイル部材22のスリップ防止を図るようにしている点を除き、上記第1の実施例に係る管継手2とほぼ同一の構成を有している。すなわち、第2の実施例に係る管継手102は、押輪106のテーパ面121に金属製コイル部材22のスリップ防止を図るスリップ防止用縦溝122を形成したことにより、揺れや周方向に偏った力が加わっても、金属製コイル部材22の滑り止めを図ることができ、所望の抜け止め性能を確保することができる。図6ないし図8はそれぞれ、上記第2の実施例に係る管継手102の押輪106の変形例に係るもので、図6の(A)および(B)に示す第1の変形例に係る押輪206は、テーパ面221にローレット加工を施し、金属製コイル部材22のスリップを防止するようにしている。また、図7の(A)および(B)に示す第2の変形例に係る押輪306は、テーパ面321に周方向の横溝322を形成し、金属製コイル部材22のスリップを防止するようにしている。さらに、図8の(A)および(B)に示す第3の変形例に係る押輪406は、テーパ面421に傾斜溝422を形成し、金属製コイル部材22のスリップを防止するようにしている。本発明の第2の実施例に係る管継手102については、金属製コイル部材22のスリップを防止する目的で押輪106、206、306、406のテーパ面121、221、321、421に加工を施しているが、押輪のテーパ面に凹凸を形成することにより金属製コイル部材22の食い込み性能も向上し、管体4の抜け出し量を抑制することができる。
【実施例3】
【0035】
次に、本発明の第3の実施例に係る管継手502について説明する。本発明の第3の実施例に係る管継手502は、上記第1および第2の実施例に係る管継手2、102が、抜け止め部材としての金属製コイル部材22を、C字状に曲げられた金属製コイルの両端部22A、22Bに接続材23を挿入してこれら両端部22A、22B間を接続して環状に形成しているのに対し、抜け止め部材としての環状部材522を、図9の(A)、(B)に示すように、C字状鋼線(線状材)523に、金属製コイルを小片に分割して形成された金属製コイル片524を多数嵌合し、鋼線523の両端部を連結して形成している。そして、この環状部材522は、鋼線523に嵌合された金属製コイル片524が周方向等間隔に配置されるようになっている。第3の実施例に係る管継手502では、金属製コイル片524が周方向に分割されて等間隔に配置されるので、金属製コイル片524の、押輪6、106、206、306、406と管体4とに対する追従性が向上し、食い込みがより確実に行われる。
【0036】
図10の(A)および(B)は、上記第1の実施例に係る管継手2の環状部材22の変形例に係るもので、上記第1の実施例に係る管継手2がC字状金属製コイルの両端部22A、22Bを接続材23により接続して環状に形成しているのに対し、この変形例に係る環状部材622は、両端がカットされた直線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、この金属製コイルの両端部622A、622B同士を接続し、径を管体の口径に合致させて環状に形成している。この変形例に係る環状部材622では、全体が金属製コイルにより構成されコイルの欠落する空隙がないので、管体4がより高い水圧を受けても、確実に抜け止めを図ることができる。
【実施例4】
【0037】
次に、本発明の第4の実施例に係る管継手702について説明する。本発明の第4の実施例に係る管継手702は、上記第1ないし第3の実施例に係る管継手2、102、502が、金属製コイルを直接押輪6、106、206、306、406のテーパ面21、121、221、321、421と管体4の外周面4Bとに接触させるようにしているのに対し、図11の(A)、(B)に示すように、保持部24に保持された金属製コイル部材22、522、622をゴムの薄い皮膜722で被覆して、パッキン7に固定させるようにしている。この皮膜722の被覆は金属製コイル部材22、522、622の固定に供されるため、薄い膜であればよく、第4の実施例に係る管継手702では、金属製コイル部材22、522、622が皮膜722を介してテーパ面21、121、221、321、421と管体4の外周面4Bとに押し付けられると、金属製コイル部材22、522、622の線輪は皮膜722を突き破り、テーパ面21、121、221、321、421と管体4の外周面4Bとに接触するようになっている。係る構成とすることにより、組み付けの作業を効率化することができる。
【0038】
なお、上記実施例では、環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成しているが、これに限られるものではなく、テーパ面と管体外周面とにほぼ全周に沿って接触する多数の接触点を有する部材であればよく、環状部材を、表面に多数の尖り部または歯部を有し可撓性を有するリングにより構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第1の実施例に係る管継手の押輪の一部を示す平面図および抜け止め機構を示す縦断面図である。(実施例1)
【図2】図1の管継手の要部を拡大して示す拡大縦断面図である。
【図3】(A)ないし(D)はそれぞれ、図1の管継手のパッキンに金属コイルを装着した状態を示す平面図、その縦断面図、保持部の拡大縦断面図および金属製コイルの接続部を示す説明図である。
【図4】(A)および(B)はそれぞれ、図1の管継手の押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図5】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第2の実施例に係る管継手の押輪を示す平面図および縦断面図である。(実施例2)
【図6】(A)および(B)はそれぞれ、図5の押輪の第1の変形例に係る押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図7】(A)および(B)はそれぞれ、図5の押輪の第2の変形例に係る押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図8】(A)および(B)はそれぞれ、図5の押輪の第3の変形例に係る押輪を示す平面図および縦断面図である。
【図9】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第3の実施例に係る管継手の金属コイルをパッキンに装着した状態を示す平面図およびその縦断面図である。(実施例3)
【図10】(A)および(B)はそれぞれ、図1の管継手の金属製コイルの変形例を示す平面図および縦断面図である。
【図11】(A)および(B)はそれぞれ、本発明の第4の実施例に係る管継手の環状部材をパッキンに取り付けた状態を示す平面図およびその縦断面図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0040】
2 管継手
3 継手本体
4 管体
4B 管体外周面
5 ボルト(締結具)
6 押輪
7 パッキン
8 拡径部
9 フランジ
20 抜け止め機構
21 テーパ面
22 金属製コイル(環状部材)
25 ナット(締結具)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、
抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成したことを特徴とする管継手。
【請求項2】
環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成したことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
環状部材を、両端をカットした線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、コイル両端部間に弧状接続材を挿入して両端部間を接続し、径寸法を調整自在に構成したことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項4】
環状部材を、線状材に多数の金属製コイル片を嵌合して線状材両端を接続し、金属製コイル片を周方向等間隔に配置して構成したことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項5】
環状部材を軟質性樹脂の薄膜で被覆したことを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか1に記載の管継手。
【請求項6】
パッキンの押輪側端面には、環状部材をテーパ面と管体外周面との間に保持する保持部が形成されることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1に記載の管継手。
【請求項7】
押輪のテーパ面には、環状部材のスリップを防止するスリップ止め加工が施されることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1に記載の管継手。
【請求項8】
押輪の継手本体側端部内周面には、パッキンの押輪側端部を収容する拡径段部が形成されることを特徴とする請求項1、6または7に記載の管継手。
【請求項9】
管体は外力により継手本体の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体に接続されることを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1に記載の管継手。
【請求項1】
端部内周面が拡径され端部外周にフランジが形成された継手本体と、継手本体に接続される管体をシールするパッキンと、管体に嵌合し締結具によりフランジと連結される押輪と、フランジと押輪との連結によりパッキンを締め付けて継手本体と管体とをシールして管体を抜け止めする抜け止め機構とを備えた管継手であって、
抜け止め機構を、押輪の内周面に継手本体側に向かって拡径するテーパ面を形成するとともに、テーパ面と管体との間に、これらテーパ面と管体外周面とのほぼ全周に接触する多数の接触点を有する環状部材を配設して構成したことを特徴とする管継手。
【請求項2】
環状部材を、金属製コイルを環状に形成して構成したことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
環状部材を、両端をカットした線状の金属製コイルをC字状に曲げるとともに、コイル両端部間に弧状接続材を挿入して両端部間を接続し、径寸法を調整自在に構成したことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項4】
環状部材を、線状材に多数の金属製コイル片を嵌合して線状材両端を接続し、金属製コイル片を周方向等間隔に配置して構成したことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項5】
環状部材を軟質性樹脂の薄膜で被覆したことを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか1に記載の管継手。
【請求項6】
パッキンの押輪側端面には、環状部材をテーパ面と管体外周面との間に保持する保持部が形成されることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1に記載の管継手。
【請求項7】
押輪のテーパ面には、環状部材のスリップを防止するスリップ止め加工が施されることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1に記載の管継手。
【請求項8】
押輪の継手本体側端部内周面には、パッキンの押輪側端部を収容する拡径段部が形成されることを特徴とする請求項1、6または7に記載の管継手。
【請求項9】
管体は外力により継手本体の管軸方向に対し角度が変化可能に継手本体に接続されることを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1に記載の管継手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−240952(P2008−240952A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84592(P2007−84592)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000150637)株式会社長谷川鋳工所 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000150637)株式会社長谷川鋳工所 (1)
【Fターム(参考)】
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