説明

管腔を有する器具を再処理するための装置及び方法

液体、気体および気体プラズマによる物品の滅菌のための方法および装置(図8)。該装置は、2つのチャンバと、管腔を有する器具を非接触的に固定する保持具であって、該器具の第1の部分が第1チャンバに位置し第2の部分が第2チャンバに位置するように固定する保持具と、前記2つのチャンバ内に収容される液体媒質と、往復的に前記容器の第1チャンバ内の流体圧力を上昇させると同時に第2チャンバ内の流体圧力を低下させるポンプ手段とを有する。該ポンプ手段は、管腔を有する器具の所与の最大容積に対する前記液体媒質の少なくとも全内部体積分を、ストローク毎に前記管腔を通じて排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に、管腔を有する物品を再処理するための、改良された装置及び方法に関する。特に、洗浄滅菌する物品を収容する、分割されたチャンバを通じた液体の流れを生じさせる装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人や動物の身体的な物質に接触する物品を再処理(即ち洗浄および除染)して、実質的に『物質のない状態』(例えば、ウイルス、細菌、洗浄剤、滅菌剤、液体などが無い状態)にするということは、果てしなく続く課題の代表的なものである。この課題は『広く利用される滅菌装置、攻撃にさらされる』(2003年1月21日版のUSAトゥデイ紙に掲載)と題する最近の記事で強調されたところである。この記事は、病院の気管支鏡の不適切な滅菌に関連のある細菌感染症の致命的な発症について報じている。病院では最も評判の良い滅菌システムのうちの一つを使用していたにも関わらず、疾病対策予防センターの行った試験によって、当該システムの浄水フィルター上及びフィルター洗浄水中に細菌が発見された。上記及び他の感染症の発症により、使用済み内視鏡の最善の洗浄滅菌方法に関する引き続いての論争が巻き起こった。これらの課題は、今日に至るまで継続している。
【0003】
内視鏡など管状のあるいは『管腔を有する』医療用品上において典型的に見つかる汚染物質は特に除去が困難である。糞便膜、細胞残屑遊離体、血液、血液製剤、ウイルス及び細菌に加え、内視鏡は『生物膜』物質などの様々な疎水性膜によって覆われ得る。生物膜は大抵、細胞(生きた細胞と死んだ細胞の両方)、細胞残屑、及び細胞外高分子物質を含む。微生物(細菌、菌類、原生動物を含む)によって生物膜が一旦形成されると、これらの微生物はコロニーを形成することができ、管の内部表面上で自己複製し、特に除去が難しい『糖衣』として知られる防護粘液層を形成する。
【0004】
内視鏡を滅菌剤または洗浄剤に単に浸すだけということは容認できない。なぜならば、管内部には多数のポケットが存在し、そのような箇所には滅菌剤や洗浄剤が効果的に届き得ず、そのため、内視鏡内部に汚染領域を残してしまうからである。しかも、B型およびC型肝炎や後天性免疫不全症候群といった感染性の高い病気や、病原菌MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やクロストリジウム・ディフィシレの流行に伴い、使用済み医療器具を全て確実に滅菌あるいは廃棄することは、強制的なものになっているように見える。しかし今日多くの医療器具が日常的に洗浄され、消毒され、再利用される中、この分野の専門家達は最近、洗浄と滅菌がより困難な数種の医療物品によって、人々が危険にさらされていると警告したところである。例えば、ウェブサイト『myendosite.com』は、ニュースで取り上げられた感染症や内視鏡検査を含む最近の参考文献を多数保有している(myendosite.com/infection_control_media.htm参照)。
【0005】
滅菌のための装置および方法を改良する多数の試みが多年にわたって行われてきた。例えば、過去においては様々なガス滅菌法が研究されてきた。エチレンオキシドその他の殺菌ガスを用いた方法は、コンタクトレンズから手術器具に至るまで広範囲に及ぶ物品を滅菌するのに広く用いられている。
【0006】
滅菌法は、滅菌する物品に損傷を与えることなく、胞子を含む全ての微生物を効果的に殺さなくてはならない。しかも、滅菌が行われる前に、洗浄についてのFDA定量化可能検証基準まで器具を洗浄しなくてはならない。実際、本発明者によって創作された、以下に記述する比類なき『プッシュプル再処理装置』を除いては、市販されているその他のいかなる再処理装置もこれを行うことができない。
【0007】
いわゆる『プッシュプル再処理システム』は、一つまたは複数の開口を有する邪魔板を含むチャンバを有する自動装置であり、当該開口を通じて水(または他の流体)が同期的に往復して波打つものである(それ故『プッシュプル』である)。内視鏡やその他の管腔を有する器具(管腔器具)であって、汚れた物品が邪魔板の開口内に設置されると、流体は器具上およびその内部を通じて波打つ。そのため、波打つ流体が引き起こす往復の『擦り取り作用』が、物品上のあらゆる接近可能な表面(あらゆる管腔を含む)に接する。
【0008】
例えば、ラングフォードによる米国特許第5、711、921号に開示された医療器具洗浄機構は、第1チャンバおよび第2チャンバを持つ容器を有する。当該容器は、医療器具の第1の部分が第1チャンバ内に位置し、医療器具の第2の部分が第2チャンバ内に位置するように医療器具を収容するようになっている。そして、ポンプ手段が容器の第1チャンバ内の流体圧力を上昇させると同時に第2チャンバ内の流体圧力を低下させ、これを本サイクルが反転されるまで、即ち、第2チャンバ内の流体圧力が上昇し、同時に第1チャンバ内の流体圧力が低下されるまで行う。
【0009】
ラングフォードの装置は優れた洗浄と滅菌を提供するものとして知られる。しかし、ラングフォード特許の教示するところは、管腔径が単一の大きさの場合における装置の使用に限られているようである。また、流体の流れ方向が変化する毎(即ち、『ストローク』毎)に全管腔容積分を排出する方法を特定していない。
【0010】
リンによる米国特許第6,534,002号は、ラングフォードの教示における欠点として主張する点を、更に次のように指摘する。即ち、『内視鏡を洗浄するためのこの波打ち機構における一つの重大な問題は、内視鏡の管路の直径が、多くの場合その両端において異なっていることに起因する。内視鏡管路の大口径端から小口径端へ流体が流れると、粒状物質やヒト組織、分泌物や排泄物が小口径端に詰まる可能性があり、そうなると抜き出すことが極めて困難である。波打ち機構の別の問題は、内視鏡の管路を通じた流体の方向性流れの頻繁な変化に起因する。内視鏡を洗浄する際、残屑は内視鏡を抜け出るまでに、内視鏡の長さを通り抜けるために長距離(150cmを越える場合もある)を移動しなくてはならない。波打ち法による内視鏡洗浄においては、幾分かの流体、残屑および空洞域が内視鏡管路内を行ったり来たりするが、次の流れ方向の変化が生じる前に管路を抜け出すのに十分なほど移動することは決してない。こうして、波打ち法による洗浄では、幾分かの残屑や空洞域が内視鏡管路の中央部分に捕えられたままとなる可能性がある。』
【0011】
リン特許が、これらの欠点に対処するための方法として提案する内容の要旨は、管腔器具を通じて、主にその小口径端から大口径端へと向かう一方向の殺菌溶液の流れを生じさせることにより、装置の内部表面を洗浄もしくは滅菌することを含んでいる。
【0012】
しかしながら、流体を『主に一方向に』流すことは、必ずしもより良い洗浄や滅菌の作用をもたらさない。事実、繰り返しの往復動作を用いて除去しなければ、物質は複雑な管腔器具(結腸鏡中の絞り弁や、生検鉗子のバネやガイドワイヤなど)の中に捕えられてしまうだろう。
【0013】
以上から、管腔を有する複雑な医療器具が特有の課題を提起することが直ちに見て取れる。ある種の器具(例えば気管支鏡)は、一の直径を有する主管腔と、主管腔から分岐し、それより小さな直径を有する別の管腔とを有しており、同じ器具の内部で2つの抵抗等級を示す。しかも、種々の管腔器具は、一方向にて流体経路を狭める絞り弁を管腔の内部に有する。もし残屑が絞りに対して押し上げられると、絞り弁は閉塞箇所または抵抗上昇箇所として振る舞うことになる。このように、同じ器具の中に異なる大きさの内部管腔を有する装置においては、長さが6フィート以上の装置(結腸鏡など)における場合と同様に、洗浄および滅菌中の流体流れに対する抵抗が、困難な課題を与える。
【0014】
よって、好ましくない効果を低減しつつ、複雑な管腔器具の効果的な洗浄と滅菌を素早くかつ完全に行う装置および方法を提供することが望ましい。加えて、管腔器具の外側周辺の流体流れについては、器具の外側を同様に洗浄するのに十分な乱流を生じることが望ましい。
【発明の概要】
【0015】
本発明は主に、管腔を有する物品を再処理するための装置および方法を含む。本発明の一側面によれば、管腔を有する器具(管腔器具)の再処理装置が提供される。この装置は2つのチャンバと、管腔器具の第1の部分が第1チャンバ内に位置し、管腔器具の第2の部分が第2チャンバ内に位置するように管腔器具を非接触的に固定する保持具と、2つのチャンバ内に収容される液体媒質と、容器の第1チャンバ内の流体圧力を上昇させると同時に、容器の第2チャンバ内の流体圧力を低下させることを往復的に行うポンプ手段とを有する。ポンプ手段は、各ストローク中に、管腔器具の所与の最大容積に対する液体媒質の少なくとも全内部体積分を、管腔を通じて略一定の圧力で排出するよう設計されている。
【0016】
本発明の別の側面によれば、管腔、内部表面および外部表面を有する装置を洗浄または滅菌する方法であって、(ア)容器を有する『プッシュプル』(即ち、往復の流体動作)再処理装置であって、該容器はそれを2以上のチャンバに分割する少なくとも一つの接合部分を有するものである再処理装置を準備するステップ、(イ)管腔を有する一つもしくは複数の装置を接合部分内に非接触的に固定するステップ、および(ウ)容器の内側から管腔を通じて流体の流れを発生させ、再処理装置の各ストローク中に、少なくとも管腔の全内部容積に相当する流体を、管腔を通じて排出するステップを含む。
【0017】
本発明の更に別の側面によれば、物品はプッシュプル再処理装置内で洗浄され、滅菌可能な梱包に包含され、かつ、再処理装置内で滅菌される。滅菌は、滅菌サイクル中に一回または複数回にわたり滅菌剤を導入することにより行われ、滅菌剤の流れは蒸気など未使用のまたは新しい滅菌剤を含む。こうして、装置は殺菌した梱包に入った状態で再処理装置から取り出すことができ、処理後の無菌状態を維持することができる。
【0018】
更に別の実施形態では、本発明は、気体混合物の非荷電状態の高反応性フリーラジカル、原子および励起分子を物品の滅菌に使用するプラズマ滅菌装置を含む。本発明の本側面によれば、滅菌装置は、洗浄滅菌チャンバ、気体混合物が流通できるようにしたプラズマ発生チャンバまたは混合タンク、プラズマ発生チャンバまたは混合タンク中の気体混合物をイオン化する手段、およびプラズマガス生成物を下流の滅菌チャンバへと分配するプラズマ分配手段を有する。
【0019】
本発明の取り外し可能な邪魔板プラグにより、異なる大きさの物品を邪魔板中に設置することができ、邪魔板のそれぞれの側におけるチャンバ部分間の圧力を調節することができる。また、無線周波数特定装置を利用することで、チャンバ内に何が設置されているかの情報を提供することができる。当該プラグにより、保持されている装置と接合部分との間の流れが許容され、これにより各方向において装置の外側を洗浄する乱流を生み出すことができる。
【0020】
別の実施形態においては、プッシュプル装置の両方のチャンバにおける圧力は略一定に保たれる。例えば、本発明の複数の実施形態においては、ポンプ手段は圧力を約12.5psi(ポンド/平方インチ)に保持するのに用いられる。
【0021】
上記方法に従い、物品を滅菌するための新しい、改良された装置が提供される。
【0022】
本発明の他の様々な目的および利点は以下の明細書中の記述から明らかになる。上記目的を達成するため、本発明は、以下の好ましい実施形態の詳細な記述に記載されると共に特にクレーム中において指摘される各特徴を含む。しかしながら、そのような記載は本発明を実施することのできる種々の態様のうちの一部のみを開示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来技術による『プッシュプル』再処理装置を表す断面図である。
【0024】
【図2】本発明の第1の実施形態に係る装置および方法を模式的に表す図である。
【0025】
【図3】本発明の第2の実施形態に係る装置および方法を模式的に表す図である。
【0026】
【図4】本発明の第3の実施形態に係る装置および方法を模式的に表す図である。
【0027】
【図5】図4の部分Xを模式的に表す拡大図である。
【0028】
【図6】物品を包含する梱包が閉じられた場合を表す図5と同様の拡大図である。
【0029】
【図7】本発明の取り外し可能な邪魔板プラグを表す図である。
【0030】
【図8】本発明の別の実施形態を模式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
明細書中で用いられる『プッシュプル装置』、『プッシュプルシステム』、『洗浄滅菌装置』、『プッシュプル再処理装置』、『再処理装置』および『再処理』の語は、物品(例えば、内視鏡、歯科装置、手術器具など)の接近可能な表面上に流体を往復的に波打たせることにより物品を洗浄するプッシュプル装置(例えば、ラングフォードICシステムズ社製マンツィ・マッハ1など)の使用と同意義であることを意図したものである。
【0032】
『二方向』の語は、本発明の容器中において同時に二方向に流れることを意味する。
【0033】
本明細書では、『プラズマ』の語は、加えられた電場およびそれに伴って生じ得るあらゆる放射に起因して生み出される電子、イオン、フリーラジカルその他を含む気体または蒸気のいかなる部分をも含むことを意図する。無線周波数域での放射が最も一般的に適用されるが、広周波数域を利用しても良い。
【0034】
図面を参照して、図中の同じ数字は同じ特徴を表し、図1は従来技術の『プッシュプル』再処理装置を表す。管腔2を有する物品は、再処理装置を第1チャンバ6と第2チャンバ8とに分割する邪魔板4の開口内に固定される。弁12および14が開弁され、ダイヤフラム10Aおよび10Bが図示されるように逆方向に同時に駆動されると、流体Fが管腔2の内部および周囲を流通する。ダイヤフラム10Aおよび10Bの方向を調和して反転させることで、線形のまたは一方向の流れがまず一つの方向に、次に別の方向に形成され、周期的なせん断力、即ち『擦り取り作用』がもたらされる。
【0035】
図2は、本発明の第1実施形態に係る簡略かつ概略の構造を表す。図1の装置による『古い』滅菌剤の初期量による直線流や『プッシュプル』動作と異なり、本発明の本実施形態は、チャンバ18に新鮮な滅菌剤を二方向に流し入れる。こうして、例えば、混合タンク16に収容された気体プラズマが、ポンプ20および二方向弁22を介してチャンバ18へ分配される。二方向弁22は、プラズマを第1チャンバ24と第2チャンバ26の中へ同時に送る。その結果、物品32とガス透過性梱包34上に二方向流れ(矢印28Aおよび28Bは流入を表示し、矢印30Aおよび30Bはポンプが逆転したときの流出を表示する)が生じる。所望の間隔(例えば、図のように2秒間隔)でポンプを逆転することにより、新鮮な、つまり『新しい』滅菌剤を物品32上に導入しつつ、『古い』滅菌剤を少なくとも部分的に排出することができる。
【0036】
本実施形態および他の実施形態では邪魔板36を有するチャンバ18を示すが、本発明は、邪魔板を有さないチャンバであって、その中に物品が単に設置されるか、あるいはチャンバ内で留め具その他の構造に物品が固定されるという構成を含んでも良いと理解するべきである。更に、本発明は気体プラズマに限定されない。他の滅菌剤としては、例えば、エチレンオキシドや蒸気を含んでも良い。
【0037】
上記の装置および説明を考慮し、物品を滅菌する方法は、第1チャンバ24および第2チャンバ26内に延在するように物品32を邪魔板36の開口中に設置し、各チャンバ内で二方向(28A、28B、30A、30B)に流れるように滅菌剤を第1および第2チャンバ内へ導入し、滅菌サイクル中に少なくとも一度新鮮な滅菌剤(矢印AおよびBにより表示)をチャンバ18へ導入しながら物品を滅菌することを含む。
【0038】
本発明の方法は特にガス透過性のスリーブまたは梱包34内の物品を滅菌するのに適している。なぜならば、直線流あるいは実質的な『往復』の動作が無いことにより、(例えば、一方向に引っ張られることにより物品32が突き刺さったり、あるいは抜け出したりすることで)梱包が破損したり無くなったりする可能性が低減されるからである。このことは、図2に示す実施形態においては、邪魔板のそれぞれの側において滅菌剤を導入するとともに排出し、物品32上に連続的な二方向流れをもたらすことによって達成される。
【0039】
図3に示す本発明の別の実施形態では、一方向ポンプ40を(弁41が開いている期間中に)反転させることで、タンク16からの気体プラズマを邪魔板36のそれぞれの側に交互に導入する。滅菌剤が一度にチャンバ24もしくは26のいずれか一方のみに導入されるため、最初は、本実施形態が管腔器具の滅菌に適した新鮮な滅菌剤の『一方向』流れを与えるように見える。しかし、一方向ポンプが周期的に反転されるので、正味の効果としては、気体が装置18内において両方のチャンバへ動的に流され、弁41を開くことで新しい滅菌剤が所望に導入されるということになる。
【0040】
図4は、本発明の第3実施形態を表す。ここで、混合タンク16からの滅菌剤の二方向流れが複数のポンプ46および48により生み出される。図3の一方向ポンプと同様に、正味の二方向流れ効果が、ポンプ46および48の間の交代により生み出される。しかも、ポンプ46および48は、『脈動』効果を生み出すために同時に使用することができ、これにより新鮮な滅菌剤の波がチャンバ18内へ導入される。複数のポンプにより新鮮な滅菌剤の連続的な流れを供給してもよく、あるいは(複数の弁またはバイパス(図示せず)と混合タンク16を用いて)新しい滅菌剤を所望に導入しながら、既存の滅菌剤を圧送してもよい。
【0041】
ある適用においては、滅菌剤を導入する前に物品を乾燥させることが望ましい場合がある。そこで、熱風を供給するために、乾燥手段47がチャンバ18に接続される。あるいは、物品32を乾燥させるため、アルコール(例えば、70%エタノール)または真空を供給することも可能である。
【0042】
図5および6は、図4の部分Xを表す拡大図である。こうして、邪魔板36の開口38をより明確に見ることができる。望ましくは、物品32は、密封可能な端部39(例えば接着剤など)を有する袋34の中に入れられ、開口38内に設置される。また、望ましくは、物品32と開口38とは『湿り嵌め』を有する。『湿り嵌め』とは、開口と物品の間の摩擦が、矢印ACで示すように、邪魔板36の異なる側面の間を流体(気体を含む)が流通することができる程度の摩擦であることを意味する。
【0043】
邪魔板の異なる側面間の流れを制御するため、および異なる大きさの物品に邪魔板を適合可能とするため、本発明に併せて一つもしくは複数の取り外し可能なプラグを使用しても良い。図7を参照し、邪魔板50は取り外し可能なプラグ52を有し、当該プラグ52は切込み60の内部に、切込み60との間を密封するように配置される。異なる大きさの物品に対して、異なる大きさの開口62を有する複数のプラグを利用しても良い。更に、邪魔板のそれぞれの側のチャンバ間の流動特性を変更するために、一つもしくは複数のプラグ52を除去し、または埋めても良い。
【0044】
また、無線周波数(RF)送信機および受信機を、本発明のプラグと併用することもできる。プラグ52上に配設されたRF装置70を、同じくRF装置を有する互換可能な物品を識別するのに利用することができる。例えば、RF装置70は、プラグ52の開口62内に設置された気管支鏡を識別し、その情報を滅菌装置のオペレータに対して送信し、特定のプログラム又はサイクルを採用可能とすることができる。
【0045】
再処理操作中にプッシュプル装置内に存在する圧力は、管腔通路がつぶれるのを防止するため略一定に維持される。更に、各ストローク中に圧力を一定とすることは、所定の流れ量が毎回、各管腔器具を貫いて移動することを最も確実にする(即ち、各管腔流れ量が最大化され、各ストロークに対して一貫したものとなる)。しかし、管腔器具のばらつきと複雑さに鑑みれば、両方向において一貫した圧力で管腔の排出を行うことによって管腔器具の洗浄と滅菌を完全に行い得るかどうかは疑わしい可能性がある。
【0046】
FDAを通過したマンツィ・マッハ1洗浄処理システムなどのこれまでの再処理装置は、処理圧力を発生させることで、流体が器具の管腔を貫いて流れるようにする基本的な制御方式を用いる。この制御方式では、一定速度で動作する往復ポンプが用いられる。定速制御方式では、結果として生じる圧力とは無関係にポンプを一定の速度で動作させる。よって、結果として生み出される圧力は、(i)流体の体積(チャンバ空気に対するチャンバ流体の比)と(ii)チャンバを二等分する邪魔板による制約との関係によって作り出されるものである。チャンバ内へ送られる流体の体積は、一のサイクルとその次のサイクルとの間で異なり得るため(これは一部には、利用可能な供給水道水の圧力、および液量を検出するセンサの精度に起因する)、異なる運転圧力が生じ得る。
【0047】
このチャンバ運転圧力における幅が原因となって、高圧を引き受けるためにチャンバ構造は大きくなり、低圧時に器具の管腔を貫流する流体の量は減少し、高圧時に器具の管腔を貫流する流体の量は増加し、器具の圧力等級上の余裕は減少する。この定速制御方式は大きな過渡圧力を生み出すとともに、流体動特性に起因する過渡圧力脱落をも引き起こす。換言すれば、運転圧力の能動的制御が何も行われない。
【0048】
本発明は、分割された一つのチャンバの一方の側から他方へと移動される流体が、処理対象となっている一または複数の管腔器具の全内部容積より多くなるよう、流体の圧力と量を制御することに関する。換言すれば、流体流れの方向変化毎に、即ち、プッシュプル器具再処理機の『ストローク』毎に、少なくとも全体積の一つ分が、処理対象となっている一または複数の管腔器具を通される。更に、望ましくは、各ストロークは一定の圧力において実行される。望ましくは、管腔器具の全内部容積より少なくとも1%以上多くして、管腔内部における直径の変化や、他の構造の存在によりもたらされる流動力学上のいかなる影響に対しても、より確実に責任を持てるようにする。
【0049】
このように本発明者は、運転チャンバ圧力を能動的に制御することにより上記方式の改良を行い、これにより器具管腔を通じた更に一貫した流れを生み出し、器具破損の可能性をより低減させた。実現化された能動的圧力制御方式はPID制御器(比例・積分・微分制御器)として知られ、ハードウェア、ソフトウェア、もしくはそれらの組み合わせにより実現可能である。一実施形態においては、本改良はソフトウェアにより実現される。
【0050】
PIDソフトウェア設計は、再処理装置容器内の2つの圧力センサからの圧力値の取得(読み取り)と、圧力を規定の範囲(目標範囲)内に維持するためのポンプ速度の調整とに依存する。PID制御器は以下を実行する。
比例(誤差)=現在の挙動
P=(要求圧力−実際圧力)/要求圧力
積分=過去の挙動
I=(前回のI)+P
微分=将来の挙動
D=P−(前回のP)
→スケーリング値の算出:
S=pScale*P+iScale*I+dScale*D
【表1】

→モータ速度の調節:目標速度=目標速度+S*目標速度
【0051】
上記の圧力制御アルゴリズムの結果として、絞り弁が設置されていたり、ガイドワイヤ及びその他の類似した通常の流体流れに対する障害物があったとしても、ほぼどのような長さのものであれ、複雑な管腔器具の内部を洗浄するのに十分な流体の流れが、制御された圧力(一定または略一定の圧力)で生み出される。また、ストローク毎に一または複数の管腔の全容積分を完全に排出することから、一貫した乱流が生み出され、器具の外側、および、同じチャンバ内に設置されたあらゆる非管腔器具を洗浄する。
【0052】
図8の単純化された概略図を参照し、再処理装置70は第1チャンバ74と第2チャンバ76を持つ容器72を有し、第1チャンバ74と第2チャンバ76は、複数分岐管腔器具80を非接触的に固定するホルダ78によって互いに分割される。理想的には、管腔器具80の第1の部分は第1チャンバ74内に位置し、第2の部分は第2チャンバ76内に位置する。
【0053】
液体媒質82は、容器の両チャンバに収容され、ポンプ手段84によって往復して波打たれる。ポンプ手段84は、第1チャンバ内で流体圧力を上昇させると同時に第2チャンバ内で流体圧力を低下させることで1ストロークを生じる。ポンプ手段84は、ストローク毎に少なくとも液体媒質82の全内部体積(V)を器具80の管腔86を通じて排出するように制御される(例えば絞り弁88に起因するなどして、器具の内部に異なる直径が存在する場合であっても)。例えば、弁88および90を開弁するために信号が送信され、そうするとすぐにポンプ手段84がダイヤフラム92および94に作用して流体流れのストローク(矢印Sにて示される)を生じさせる。
【0054】
ポンプ手段84は、容器72の両チャンバ内に略一定の圧力Pを生じるように制御される。望ましくは、1〜29psiの範囲の一定の圧力が達成される。圧力は、圧力センサ96および98によって維持される。圧力センサ96および98は各チャンバ74,76から読み込んだ情報をポンプ手段に与えて、そのモータ速度を必要に応じて変更して各チャンバ内の圧力が略一定に維持されることを保証する。
【0055】
器具80は、望ましくは『湿り嵌め』をホルダ78内に有する。『湿り嵌め』は、保持されている装置とホルダの開口との間の流れを許容し、器具の外部を洗浄するための乱流100を生じさせる。
【0056】
本発明者は、流体82で容器72の上端まで満たさない方が、特に器具の外部をより良く洗浄できる動特性がもたらされることを見出した。それ故、好ましくは、容器72はその上端部において、1〜25%の体積の空気102を含む(例えば、95%の流体と5%の空気)。本発明者は、最大25%までの空気体積を試験し、良い結果を得ている。
【0057】
図8に示す装置を考慮して、管腔を有する器具を洗浄および/または滅菌する方法が提供される。まず、往復動作を有し、容器を含む再処理装置を準備する。当該容器は、それ自身を2つ以上のチャンバもしくは区画に分ける、少なくとも一つの接合部分を有する。次に、器具を接合部分の開口内に非接触的にはめ込む(即ち、器具の各端部は、流体を器具管腔内に放つ取付け具に対して接続されない)。次に、容器内部からの流体の流れを器具管腔を通して発生させ、少なくとも管腔の全内部容積に相当する流体が再処理装置のストローク毎に管腔を通じて排出されるようにする。望ましくは、非常に複雑な管腔器具であっても十分な貫流が確保できるよう、管腔の全内部容積を少なくとも1%超える量の流れが生み出されるようにする。また、望ましくは、流体の往復流が略一定の圧力で生じるようにする。
【0058】
以下の各例では、内視鏡その他の医療器具もしくは歯科器具を、再処理すべき物品または器具の例として用いる。しかしながら、本発明者は、信頼性のある洗浄と滅菌が望まれ必要とされるあらゆる管状物品、ならびに、回路基板、美容器具、調理器具その他の様々な物品に対しても本発明を利用することを意図している。
【0059】
(例1)本例は図8に示す装置を利用する。管腔器具を、異なる大きさの管腔器具に対応して設計された邪魔板取付け具に固定する。その際、管腔器具の一方の開口が分割された容器の一方の側に位置し、他方の開口が容器の他方の側に位置するようにする。容器の両チャンバは、容器の全容積の95%までが、有効量の洗浄剤を含む濾過水により満たされる。再処理装置が稼働され、ポンプ手段により一方が正圧に、他方が負圧にされ、次にこれが逆転され、10分間繰り返される。再処理装置の各ストロークの間、分割容器の各チャンバ内の圧力センサが圧力を監視し、コントローラで利用するフィードバックを与える。コントローラはフィードバックを利用して、ポンプ手段の速度を調節し、略一定の圧力を12.5psiに維持する。
【0060】
(例2)本試験の目的は、自動内視鏡再処理装置であるラングフォードI.C.システムズ社製滅菌洗浄装置(本再処理装置の使用に際してのレイアウトおよびガイダンスについては、米国特許第5,906,802号を参照)について行われた工学的特性評価の結果を評価することにある。試験は、洗浄装置、滅菌装置実験用回路板について行われた。
【0061】
三つの気管支鏡の生検用管腔に、(FDA試験基準で求められるよりよほど多くの)バーミングハム土を詰め込み、アメリカ試験方法協会キットの病原菌を植菌した。内視鏡は、いくらか乾燥するよう、24時間置かれた。上記と同じラングフォードI.C.システムズ社製滅菌洗浄装置による液体排出設定により、2.5%濃度の酵素洗浄剤を含む10リットルの水を用いて、各気管支鏡に対し10psiの下、5分間の洗浄サイクル一回を施した。望ましい『液体排出量』(即ち、滅菌洗浄装置の物品洗浄チャンバにおける往復の液体循環率)は、2秒当たり1ガロンである。
【0062】
洗浄サイクルが完了次第、気体プラズマの使用を望む場合は、気管支鏡を熱風で5分間乾燥し、気体プラズマを気管支鏡に5〜30分間流すことで滅菌サイクルを実施できる。滅菌サイクルが始まった後、少なくとも一度新鮮な気体プラズマをチャンバ内へパルス状に送り込み、活性のある滅菌剤が全表面により確実に接触するようにする。
【0063】
(例3)外科用物品を多チャンバ再処理装置の中に置き、上記のように洗浄する。次に物品はカプセル状包装材中に梱包・密封され、洗浄チャンバとは分離された別のチャンバに移送される。別のチャンバは、その内部へ2方向に気体を噴射する流体ポートを有する。ポンプにより、チャンバに対して正圧と、チャンバを空にする真空とを交互に与える。別のチャンバは、必要な無線周波数信号を発生する無線周波数電極を有する。チャンバを空にし、気体または蒸発した液体を導入し、電極への電力をオンにすることによりプラズマが作り出される。プラズマは本プロセスにおいて、周知先行技術であるプラズマ滅菌システム(例えば、米国特許第4,643,876号)と同じ方法で作り出される。外科用物品は、5〜30分間、プラズマにさらされる。
【0064】
例として、重量割合で約3から20%の過酸化水素を含む過酸化水素水溶液の形で過酸化水素が注入される。チャンバ内の過酸化水素蒸気の濃度は、1リットルのチャンバ容積あたり、過酸化水素が0.05から10mgの範囲として良い。1リットルあたり0.125mgの過酸化水素という濃度が、望ましい過酸化水素濃度の最低値である。空気、あるいはアルゴン、ヘリウム、窒素、ネオンもしくはキセノンなどの不活性ガスを過酸化水素と共にチャンバに加えて、チャンバ内の圧力を所望のレベルに維持しても良い。過酸化水素溶液は、一回または複数回の噴射により注入してもよい。過酸化水素はプラズマ処理中に無毒の生成物へと分解されるため、滅菌対象物を使用する前に、滅菌対象物やその梱包材から残留過酸化水素を除去するためのステップを追加する必要はない。
【0065】
あるいは、管腔器具(例えば、気管支鏡など)の滅菌をしたいときは、上記方法をプッシュプル再処理装置で使用するために変更し、(物品の梱包が行なわれる前後に)気管支鏡の外部および管腔内の全ての到達可能な表面に対して気体プラズマを流すようにすることができる。(時折の方向の反転を伴う)『一方向』流れを採用し、気体プラズマ(または蒸気などの他の気相滅菌剤)が管腔内部全体に効果的に充満するよう促す。
【0066】
詳細および構成要素について望まれる様々な変更を、明細書および添付の請求項に記載した発明の原理及び範囲内において当業者が行っても良い。それ故、ここでは最も実用的かつ望ましいと信じる実施形態により本発明を示し記載したが、発明の範囲内における当該実施形態からの逸脱は成し得ると認められ、発明の範囲は、ここに開示した詳細に限定されるものではなく、請求項の全ての範囲が認められるべきであり、各過程や生産物のあらゆる均等物をも包含するものである。本出願において引用した全ての参考文献は、参照することにより本出願に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再処理装置であって、
(ア)第1チャンバ、第2チャンバおよび保持具を有する容器であって、該保持具は、管腔を有する器具を、該器具の第1の部分が前記第1チャンバ内に位置し、該器具の第2の部分が前記第2チャンバ内に位置するように非接触的に固定するものである容器、
(イ)前記容器内に収容される液体媒質、および
(ウ)前記容器の第1チャンバ内の流体圧力を上昇させると同時に第2チャンバ内の流体圧力を低下させることにより一行程を生じるポンプ手段であって、該一行程毎に、前記容器内に固定された前記管腔を有する器具の所与の最大容積に対する前記液体媒質の少なくとも全内部体積分を、前記管腔を通じて排出するポンプ手段を有する再処理装置。
【請求項2】
前記ポンプ手段は、前記容器内の両チャンバ内に略一定の圧力を発生させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記一定の圧力は1から29psiの範囲内である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記管腔を有する器具は内部に複数の管腔直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
邪魔板プラグであって、前記固定された器具と該プラグの開口の間の流れを許容することにより、器具の外部を洗浄するための乱流を生み出す邪魔板プラグを更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記容器は、その上部に1%から25%の体積の空気を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
管腔、内部表面および外部表面を有する器具を洗浄または滅菌する方法であって、
(ア)往復動作を有し、開口を設けた少なくとも一つの接合部分を持つ容器を有する再処理装置であって、該接合部分は該容器を2つ以上の区画に分割するものである再処理装置を準備するステップ、
(イ)前記器具を前記接合部分の中に非接触的に固定するステップ、および
(ウ)前記容器の内部から前記管腔を通じて流体の流れを発生させ、少なくとも前記管腔の全内部容積に相当する流体が前記再処理装置の一行程毎に前記管腔を通じて排出されるようにするステップを含む方法。
【請求項8】
前記流れは、前記管腔の全内部容積より1%以上多い、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記(ウ)のステップは、略一定の圧力において行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記容器は、その上部に1%から25%の体積の空気を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記器具を邪魔板プラグ内に固定することを更に含み、該邪魔板プラグは、前記固定された器具と該プラグの開口の間の流れを許容することにより、前記器具の外部を洗浄するための乱流を生み出すものである、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
管腔、内部表面および外部表面を有する器具を洗浄または滅菌する方法であって、
(ア)往復動作を有し、開口を設けた少なくとも一つの接合部分を持つ容器を有する再処理装置であって、該接合部分は該容器を少なくとも2つのチャンバに分割するものである再処理装置を準備するステップ、
(イ)前記器具が前記少なくとも2つのチャンバのうち少なくとも2つの中にあるように、前記器具を前記接合部分の中に非接触的に固定するステップ、および
(ウ)前記管腔を通る流体の流れを一定圧力で発生させ、少なくとも前記管腔の全内部容積に相当する流体を前記再処理装置の一行程毎に前記管腔を通じて排出するステップを含む方法。
【請求項13】
前記流れは、前記管腔の全内部容積より1%以上多い、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記容器は、その上部に1%から25%の体積の空気を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記(ウ)のステップは、約1から29psiで行われる、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記器具を邪魔板プラグ内に固定することを更に含み、該邪魔板プラグは、前記固定された器具と該プラグの開口の間の流れを許容することにより、前記器具の外部を洗浄するための乱流を生み出すものである、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−505031(P2012−505031A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531061(P2011−531061)
【出願日】平成21年9月26日(2009.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/058507
【国際公開番号】WO2010/042332
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(511083732)ラングフォード アイシー システムズ, インク. (1)
【氏名又は名称原語表記】LANGFORD IC SYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】310 S.Williams Boulevard, Suite 270, Tucson,AZ 85711 (US)
【Fターム(参考)】