説明

管腔中のインビボ血液除去の装置、システムおよび方法

本発明は、光干渉断層撮影データ収集を誘発するコンピュータ実施方法に関する。本方法は、血管内に配置された光干渉断層撮影プローブを使用した、血管に関する光干渉断層撮影データの収集;コンピュータを使用した、血管について収集された光干渉断層撮影データの各フレームの除去半径とクオリティ値の決定;少なくとも1つの除去半径と少なくとも1つのクオリティ値を使用した、血液除去状態が起こったか否かの判断;および血液除去状態に応じたトリガー信号の生成を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、米国仮出願第61/244,985号(2009年9月23日出願)についての優先権を主張し、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、インビボでのデータ収集の分野、具体的には光干渉断層撮影に関する。
【背景技術】
【0003】
光干渉断層撮影(OCT)は、有望な診断用イメージング技術であり、高度なフォトニクスおよび光ファイバーを利用して顕微鏡的解像度スケール上に断面断層画像を取得する。この技術は、より良い診断を行い疾患を治療するために、医師、研究者および科学者が人体を見て理解する方法を劇的に変える可能性を持つ。OCTは、顕微鏡の画像性能付きの造影超音波の原理と、臨床医師によく知られている波形率の原理を組み合わせている。
【0004】
超音波は、後方散乱音「エコー」から画像を生成するのに対し、OTCは、生物学的組織内の内部微小構造に反射する赤外線波を使用する。赤外線の周波数および帯域は、医学的超音波信号よりも数桁高いため、超音波またはX線ベースのモダリティよりも約8〜25倍高い画像解像度が得られる。OCTは干渉ゲーティングを使用して、単独散乱した光子を検出し、これにより干渉画像は超音波またはコンピュータ断層撮影(X線)に類似のものとなるが、解像度ははるかに高い。音速で移動する超音波エコーを処理するには、標準的電子技術が適切であるが、OCTで使用される光からの反射光信号を抽出するためには干渉技術が必要である。干渉計で測定される出力は、コンピュータ処理されて、組織の高解像度、リアルタイム、断面的または三次元画像を生成する。この強力な技術は、標本を切除または処理する必要なしに、ほぼ組織学的解像度で組織の原位置での画像を提供する。
【0005】
例えば、血管内OCTによる冠状動脈の撮像は、狭窄の位置、不安定プラーク、またはアテローム斑のタイプの存在を明らかにし得る。この情報は、薬物治療(例えば、コレステロール低減薬物)、血管形成術およびステント挿入などのカテーテルベース治療、または冠状動脈バイパス手術などの侵襲的外科処置のどの治療が患者にとって最適かを心臓専門医が選択するのに役立つ。
【0006】
心臓血管OCTの本質的制限の1つは、赤血球の成分が近赤外光を強く散乱して、画像再構成を不可能にするため、血液を通して撮像することができないことである。結果として、管腔内の血液除去を促進および検出するシステム、方法および装置に対するニーズが存在する。以下に記述される本発明の態様および実施形態は、このニーズに対応する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は一般に、OCTデータ収集ができるように、血液除去を促進するさまざまな方法、システムおよび装置を提供する。以下に概説した通り、OCTデータの収集プロセスは一刻を争う。一般的に、OCTプローブを含むカテーテルが対象管腔に導入される。プローブは一般的に、光を管腔内またはファイバーの長軸に対して垂直方向に方向付ける回転ファイバーまたはスライド可能なファイバーを含む。結果として、ファイバーが回転中にファイバーの側部から方向付けられる光の場合、OCTデータは管腔壁に関して収集される。さらに、血管の長さに沿ってファイバーを格納する(引き戻す)時、ファイバーが回転するにつれ複数スキャンまたはOCTデータセットが収集される。1つの実施形態では、これは引き戻しと呼ばれる。これらのデータセットは、ステントを配置すべき位置または処置を行うべき場所など、関心領域を特定するために使用できる。OCTプローブおよび関連OCT サブシステムまたはコンポーネントを使って収集したデータを使用して、特定の管腔の三次元画像または二次元断面図を生成することができる。
【0008】
上述のように、OCTデータは、血液存在下では容易に収集できない。従って、本発明の実施形態は、管腔からの血液をフラッシングし、管腔から血液が十分に除去された時にOCTデータ収集を誘発することに関して解決策を提供する。
【0009】
本発明の実施形態の1つの特徴は、動脈内へのカテーテルの配置およびフラッシュ溶液の注入以外、OCTシステムの操作者に追加的要件を課さないということである。従って、1つの実施形態では、処置を実施するための追加的ハードウェア(圧力変換器またはフラッシュポンプトリガー)は必要ない。従って、OCTシステムの操作者は、フラッシュ溶液がいつ動脈を一掃したかを視覚的に判断し、システムを手動で動作させて引き戻しを開始させる必要がない。システム操作者の観点から見れば、フラッシュ溶液が一度注入されると、OCTシステムは一掃された動脈の引き戻し記録を自動的に生成する。
【0010】
本発明の実施形態の別の特徴は、OCTデータセットまたは画像のフラッシュ除去を検出するためのコンピュータまたはプロセッサ処理時間を低減することである。一部において、このコンピュータベースの方法は、OCTデータをリアルタイムで処理し、引き戻し中などにOCTデータ取得を中断しない。画像は一般的に1秒当たり約100〜200フレーム(100〜200Hz)の速度で取得されるため、画像を取得・処理するためには、約5〜10ミリ秒未満のリアルタイム処理時間しかない。これらの時間的制限のため、フラッシュ除去検出方法の例示的実施形態では、最高500,000ピクセルを含み得る各画像フレームの処理を約3ミリ秒(0.003秒)未満で行うことが必要である。しかし、この制限は、使用する画像数を少なくすることで変えることができる。一部の実施形態では、画像の参照およびOCTデータが含まれる。本明細書に記述のシステムと方法は、生データを直接処理したり、さまざまな実施形態で生成される画像を処理することができる。
【0011】
本発明の実施形態の別の特徴は、フラッシュ除去検出方法の動作を変えるために変更できるいくつかのパラメータを提供することである。これらのパラメータの初期値は、最初の完全除去フレームが人間による検査によって決定されている、以前に取得された一連のOCT画像またはデータセットのグループでコンピュータベースの方法を実施することにより決定される。すべての記録にわたって、この最初の完全除去フレームまたはその近くで起こるソフトウェアトリガーの最善の結果を生み出すこれらのパラメータの値は、初期値として設定できる。従って、うまく除去されたデータセットおよび画像を使用して、システムを訓練することができる。除去状態で取得された履歴OCTデータを使用して自動システムを訓練することにより、エラーが減少し、OCTデータの取得が容易になる。
【0012】
1つの実施形態では、対象管腔の初期の境界位置は、除去半径の検出のために十分である。一部において、本発明の実施形態はまた、データ収集を誘発するのに適切な血液除去レベルを達成するために、正確な境界検出レベルを必要としない。従って、計算的によりシンプルなコンピュータベースの方法を使用し得る。
【0013】
血管の長さにおいて光干渉断層撮影データ収集を誘発するコンピュータ実施方法も提供されている。本方法は、血管内に配置された光干渉断層撮影プローブを使用した、血管内の位置に関する光干渉断層撮影データの収集;コンピュータを使用した、血管に対して収集された光干渉断層撮影データの1つ以上のフレームの血液除去を示すパラメータの決定;パラメータを使用した、血液除去状態が起こったかどうかの判断;および血液除去状態に対応したトリガー信号の生成を含み得る。本方法は、トリガー信号に対応して、縦方向の光干渉断層撮影データ収集を誘発するステップも含み得る。随意に、縦方向の光干渉断層撮影データ収集の前に、時間遅延タイムアウトが起こり得る。一部の実施形態では、パラメータは、血管壁散乱、血管クオリティ値、血管除去半径、複数の血管強度値、LineRadius(ライン半径)、クオリティ測定基準、除去半径、クオリティ値、完全除去フレームおよび初期除去フレームから成るグループから選択される。
【0014】
一部の実施形態では、パラメータを決定するステップは、強度値が血管の境界に相関するように、少なくとも1つの強度値または少なくとも1つの強度由来位置を使用して実施される。一部の実施形態では、少なくとも1つの強度値が、光干渉断層撮影データから生成された少なくとも1つの画像中の各放射状線に沿った強度分布の重心位置を表す。一部の実施形態では、重心の位置は血管壁内にある。コンピュータ実施方法は、カテーテル鞘内での強度データが除外されるように、強度分布の重心を決定するステップも含み得る。随意に、コンピュータを使用して、強度分布の一次モーメントとして第一の重心が近似される。一部の実施形態では、重心の位置は、サイン関数とコサイン関数を含む級数を使って複数の半径の関数を適合させるステップを実行するコンピュータを使用して決定され得る。さらに、この級数を使用して最大または最小除去半径を決定できる。一部の実施形態では、除去半径は、血管壁からの散乱を検出することにより決定される。一部の実施形態では、検出された血管の除去領域についての散乱と除去半径を使用して、クオリティ値が決定される。一部の実施形態では、クオリティ係数は、強度位置分散と最大除去半径の比により、コンピュータを使用して決定される。一部の実施形態では、パラメータは、強度偏差と最大除去半径の比により、コンピュータを使用して決定されたクオリティ測定基準である。一部の実施形態では、パラメータは、強度分布の二次モーメントを強度分布の一次モーメントと比較することにより、コンピュータを使用して決定されたクオリティ測定基準である。
【0015】
さらに、光干渉断層撮影データ収集を誘発するコンピュータシステムが提供される。コンピュータシステムは、電子メモリ装置、およびメモリ装置と通信している電子プロセッサを含み得る。メモリ装置は、プロセッサで実行された場合、血管に関する光干渉断層撮影データをプロセッサに収集させる命令、血管に対して収集された光干渉断層撮影データの各フレームの除去半径をプロセッサに決定させる命令、除去半径を使用して血液除去状態が起こったかどうかをプロセッサに判定させる命令、血液除去状態に対応してトリガー信号をプロセッサに生成させる命令を含む。一部の実施形態では、命令はさらに、光干渉断層撮影データの収集、およびトリガー信号に対応した光干渉プローブの引き戻しをプロセッサに開始させる。一部の実施形態では、命令はさらに、光干渉プローブの血管を通した引き戻しをプロセッサに開始させる。一部の実施形態では、プロセッサは、強度値が血管の境界と相関するように、少なくとも1つの強度値を使用して除去半径を決定する。一部の実施形態では、プロセッサは、血管壁からの光の散乱を使用して除去半径を決定する。一部の実施形態では、血液除去状態は、初期の除去状態または完全除去状態を検出することによって決定される。
【0016】
さらに、光干渉断層撮影データ収集システムが提供される。システムは、プロセッサおよび光干渉断層撮影プローブを含むことができ、プローブは回転可能な光ファイバーを含み、ここでプロセッサは、血液除去パラメータに基づいてプロセッサにより決定された血液除去状態に対応して、血管を通した光干渉断層撮影プローブの引き戻しを誘発するようにプログラムされている。一部の実施形態では、血液除去パラメータは、血管壁散乱、血管クオリティ値、血管除去半径、複数の血管強度値、ライン半径、およびクオリティ測定基準から成るグループから選択される。一部の実施形態では、血液除去パラメータは、血管壁の強度に対応して決定された除去半径である。一部の実施形態では、プロセッサは、引き戻しの少なくとも一部分の間、回転可能な光ファイバーからのデータを収集する。一部の実施形態では、血管は冠状動脈である。一部の実施形態では、プロセッサは、クオリティ測定基準が所定の閾値に達した場合、引き戻しを開始するようにプログラムされている。一部の実施形態では、プロセッサは、フレームごとに血液除去状態が起こったかどうかを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
これらの実施形態および本発明の他の態様は、以下の詳細な説明および付属の図面から容易に明らかとなり、これらは本発明を説明することを意図しており、本発明を制限するものではない。
【図1A】対象血管に配置されたイメージングプローブを持つOCTデータ収集システムの一般的模式図である。
【図1B】本発明の例示的実施形態に従った、血液除去を検出するためのソフトウェアベースの方法を概説したフローチャートである。
【図1C】本発明の例示的実施形態に従った、OCTプローブを使用して生成された管腔の縦方向の図であり、水平方向の目盛は秒を示している。
【図2】本発明の例示的実施形態に従い、特定のライン半径値がプロットされるように、OCTプローブを使用して収集されたデータを使って生成された管腔の断面図のグラフ表示(非極性)である。
【図3】図2に示されているのと同じ画像であるが、本発明の実施形態の方法を使用して決定された特定の平滑半径値を示すプロット曲線が追加されている。
【図4】図2と3に示されているのと同じ画像であるが、本発明の実施形態の方法を使用して決定された特定の分散値が追加されている。
【発明の詳細な説明】
【0018】
本発明のさまざまな実施形態を考察する前に、本出願の特定の機能の概略を提供することは有益である。例えば、出願の見出しとセクションの使用は、本発明を制限することを意図するものでなく、各セクションは、本発明のいずれの態様、実施形態、または機能にも適用できる。
【0019】
出願書類全体を通して、構成物が特定のコンポーネントを有する、含む、または備えるものとして記述されている場合、またはプロセスが特定のプロセスのステップを有する、含む、または備えるものとして記述されている場合、本教示の構成物も、列挙されたコンポーネントから基本的に構成されるか、または構成されると考えられ、本教示のプロセスも列挙されたプロセスのステップから、基本的に構成されるか、または構成されると考えられる。
【0020】
出願書類で、素子またはコンポーネントが列挙された素子またはコンポーネントのリストに含まれるおよび/または同リストから選択されると記述されている場合、当然のことながら、素子またはコンポーネントは列挙された素子またはコンポーネントのいずれの1つであるか、または列挙された素子またはコンポーネントの2つ以上から成るグループから選択され得る。さらに、当然のことながら、本明細書に記述の素子および/または構成物、装置、または方法の機能は、本明細書での明示または暗示にかかわらず、本教示の精神と範囲を逸脱することなくさまざまな方法で組み合わせることができる。
【0021】
「含む(include、includes、including)」、「持つ(有する)(have、has、having」」という用語は、特に別段の記載がない限り、制約のない非制限的なものとして一般に理解される。
【0022】
特に別段の記載がない限り、本明細書における単数形の使用には複数形を含む(その逆も同様)。さらに、文脈から明らかにそうでないと分かる場合を除いて、単数を表す「1つの(a、an)」および「その(the)」は、複数形を含む。さらに、定量値の前に「約(about)」という用語が使用されている場合、本教示では、特に別段の記載がない限り、その特定の定量値自体も含む。本明細書で使用される場合、「約(about)」という用語は、名目値からの±10%の変動を指す。
【0023】
当然のことながら、ステップの順序または特定の動作の実施の順序は、本教示が実施可能である限り、重要ではない。さらに、2つ以上のステップまたは動作は同時に行い得る。
【0024】
値の範囲またはリストが提供されている場合、値のその範囲またはリストの上限および下限の間の各介在値は、個別に考えられ、各値が具体的に本明細書に列挙されているかのように、本発明中に包含される。さらに、特定の範囲の上限と下限の間およびこれを含むより小さな範囲が考えられ、本発明内に包含される。例証的値または範囲のリストは、特定の範囲の上限と下限の間およびこれを含む他の値または範囲を除外するものではない。
【0025】
図1Aは、OCTシステム10のコンポーネントを示す高レベルの略図である。OCTシステム10は、本明細書に記述の用途およびデータ収集の干渉および帯域要件を満たすいずれの適切な光源をも含み得る。図1Aは、高度に一般化されており、縮尺通りでない。血管壁21を持つ対象の血管または管腔20は、そこに配置された光ファイバーベースのイメージングプローブ30を持つカテーテル部分を有するカテーテル25を使用して、撮像される。カテーテル25は、フラッシュポート32を持つフラッシング・サブシステムを含む。フラッシングシステムは、プローブ30を使用してインビボOCTデータ収集を進められるように十分な量の血液を排除する、いずれの適切なタイプまたは種類であり得る。システム10は、光ファイバーを介してイメージングプローブ30と接続するOCTシステムまたはサプシステム36を含む。OCTシステムまたはサブシステム36は、レーザーなどの光源、干渉計、さまざまな光経路、クロック発生器、フォトダイオード、および他のOCTシステムコンポーネントを含み得る。
【0026】
コンピュータまたはプロセッサは、OCTシステム36の一部となり得る、またはOCTシステム36と通信している別個のサブシステム40として含めることができる。コンピュータまたはプロセッサ40は、メモリ、ストレージ、バス、およびデータの処理およびフラッシュプロセス実行または下記のような管腔検出および引き戻しデータ収集のためのソフトウェア誘発方法を実行するために適した他のコンポーネントを含むことができる。1つの実施形態では、コンピュータまたはプロセッサは、メモリに記憶されプロセッサを使用して実行される本明細書に記述の方法のソフトウェア実行またはプログラム41を含む。ディスプレー42も、縦方向スキャンとしてまたは他の適切なフォーマットで断面スキャンデータを表示するために、全体システム10の一部となり得る。
【0027】
心臓血管OCTの本質的制限の1つは、赤血球の成分が近赤外光を強く散乱して、画像再構成を不可能にするため、血液を通して撮像することができないことである。従って、管腔20は、撮像を行う間、一時的に血液を除去しなければならない。ポート32を通して注入された生理食塩水などのフラッシュ溶液で血液を排除することは可能であるが、フラッシュ速度は生来の流れ(冠状動脈では比較的速く、1〜5ml/秒)に打ち勝つのに十分でなければならない。1つの実施形態では、フラッシュベースのアプローチで約3〜約5秒の除去画像取得時間を確立できる。
【0028】
典型的なボーラス(10〜20ml)に対して確立できる除去時間は、局所の血液流速、動脈サイズ/撮像位置、側差の有無など、多くの要因に依存する。しかし、一般的に約2〜約5秒の範囲である。OCT引き戻し記録(OCTデータ収集プロセス)を取得する時間は、約2〜約4秒の範囲である。従って、引き戻しの間のOCTデータ取得は、十分な除去が行われた瞬間に開始される。
【0029】
好ましい実施形態では、コンピュータベースの方法は、スキャンした画像を実質的にリアルタイムで処理し(または特定の用途に適した他のOCTシステム指定時間)、十分な除去が検出された時に引き戻しを誘発することが望ましい。コンピュータシステム40は、本明細書に記述の方法を実行できる。1つの実施形態では、本明細書に記述された方法とシステムは、最高約150フレーム/秒の複雑な画像データをリアルタイムで分析する。さらに、実施形態は、十分な除去を判断するために、1つ以上の基準を使用する。さらに、本発明の実施形態は、実際の管腔形状およびサイズが未知である環境で機能するように設計されている。ソフトウェアべースの自動システムまたは方法を使用して、確実かつリアルタイムにフラッシュ除去を検出する適切な方法は、本発明の1つの特徴である。
【0030】
1つの実施形態では、管腔または血管フラッシュ除去のソフトウェア検出は、下記に概説するように、例えば図1Bのステップのすべてまたはサブセットを使用してまず実施される。適切な除去状態が一度達成されると、ソフトウェアは自動的に、OCT血管内引き戻しデータ収集プロセスまたは記録の取得を誘発する。本発明の1つの実施形態は、動脈の除去状態を検出するために使用されるソフトウェアベースの方法である。このコンピュータベースの方法は、動脈のOCT画像を実質的にリアルタイムで処理して、各画像の除去半径測定基準およびクオリティ測定基準値を決定する。除去半径およびクオリティ測定基準値が所定の「除去動脈」基準を満たしたとき、引き戻しおよびデータ取得が開始される。1つの実施形態では、引き戻しは、プローブ30および/またはカテーテル25が管腔のデータ収集のために管腔20を通して引き戻される時を指す。プローブ30および/またはカテーテル25が引き戻されるにつれ、OCTデータが収集され、OCTシステム36および/またはコンピュータシステム40に送られる。プローブ30が縦方向に固定されている場合、データはコンピュータシステムに送られ、フラッシュの開始後に除去状態検出方法が実行される。
【0031】
例えば、図1Aに関しては、対象管腔20が冠状動脈である場合、プローブ30付きのカテーテル25などのOCT光ファイバーイメージングカテーテルを使用して、冠状動脈のOCTイメージングが行われる。OCTイメージングカテーテル25が動脈の、引き戻し記録が開始されるべき場所に配置され、OCTソフトウェア・コンピュータベース方法のフラッシュ除去検出が開始される(有効化される)。OCTシステムの操作者は、次に除去媒体(フラッシュ)(生理食塩水、造影溶液、デキストランまたは同等物)を動脈に注入して撮像のために動脈を一掃する。次に、コンピュータ40で実行されるフラッシュ除去検出方法が、OCTシステムで良好な画像を取得できるように、注入されたフラッシュによって、いつ動脈内が十分に除去されたかを決定する。引き戻しは、このような決定が行われたときにコンピュータによって誘発される。1つの実施形態では、十分な除去の決定は、各フレームがOCTシステム36またはコンピュータシステム40によって取得される時に処理することにより、リアルタイムで行われる。
【0032】
フラッシュ除去検出および引き戻しとOCTデータ収集(およびさまざまな関連ステップ)の誘発のための例示的方法50を図1Bに示す。1つの実施形態では、方法50のフラッシュ除去検出ステップは、バックグラウンドノイズが除去されているOCT画像における除去動脈または未除去動脈の特有の特徴を前提としている:
(1)動脈などの除去血管は、動脈壁および壁をいくらか超えた箇所からの散乱を含む。また、各角度の動脈についての散乱分布は、壁の近くに局在しており、OCTイメージングの物理(すなわち、単一分散コヒーレンスゲート画像再構成)によって決定される特性の長さ分だけ組織内に延在する。
(2)全く除去されていない血管は、カテーテルの周りに血液が存在するため、小さな有効半径を生じる。
(3)部分的に除去されている血管は、カテーテルと血管壁の間に、有効半径を減少させる血液が分布しており、血管壁から離れた著しい散乱分布を示し、これもまたOCTイメージングの特性によって決定される。
【0033】
これらの前提を基に、このコンピュータベースの方法は、この決定に使用される2つの測定基準値をまず決定することにより、動脈が除去されているかどうかを決める。これらの固有画像特性は、高度に効率的な計算が他のイメージングモダリティでは効果的でない場合に、このような計算を完了することを可能にもする。半径測定基準と呼ばれる第一の測定基準は、動脈の検出された除去領域のすべての角度にわたる最大半径(マイクロメートル)である。これらの角度は、OCTデータを収集する間、OCTプローブが回転する360度の角度に対応する。この検出された除去領域は、予想される小さな障害物(ステント、ガイドワイヤー等)を除去するために適合されたすべての角度にわたる検出半径であり、滑らかな輪郭を生成する。
【0034】
クオリティ測定基準と呼ばれる第二の測定基準は、除去のクオリティの指標である。これは、半径値で割った検出除去領域についての平均散乱分布を決定する。この測定基準の単位は無次元で、実際の除去クオリティが向上するにつれて、この値は減少する(より小さなクオリティ測定基準値は、より良い除去を意味する)。
【0035】
これらの2つの測定基準の値が一度計算されると、これらは2つの血液除去状態のうちの1つが達成されたかどうかを決定するために使用される。初期除去状態とは、一部のフラッシュ除去が検出されたことを意味し、特定のタイムアウト以内に完全除去状態が検出されない場合は引き戻しが誘発される。完全除去状態とは、1つの実施形態において、動脈が十分に除去されていて撮像を開始できることを意味し、定義されている場合は、引き戻しが即座に、または指定された遅れの後に誘発される。2つのパラメータは、これら2つの除去状態のそれぞれに対する最小要件として定義され、最小半径は半径測定基準に対する必要最低値であり、最高クオリティはクオリティ測定基準の必要最大値である。除去状態および血液除去状態は、本明細書では互換的に言及される。従って、完全除去状態および初期除去状態は両方とも、血液除去状態の非限定的例である。
【0036】
現在の除去状態を決定するのに使用される第三のパラメータは最小フレームであり、これは除去状態を達成する前に、除去状態の最低半径および最高クオリティ要件を満たさなくてはならない連続フレームの最低数を特定する。
【0037】
図1Cは、本発明の例示的実施形態に従った、OCTプローブを使用して生成された管腔の縦方向の図であり、水平方向の目盛は秒を示している。図に示されるように、記録中またはOCTデータ取得プロセス中に起こったさまざまなイベントを表すために引かれた5つの垂直線がある。L1ラインは、初期除去状態(下記に記述)は、データ収集プロセス/OCTスキャンまたは記録の開始から約1.4秒後に検出されることを示す。L2ラインは、完全除去状態(下記に記述)は、2.1秒後に検出されることを示す。L3ラインは、引き戻しが誘発された時(約2.5秒)を示し、これは完全除去状態が検出されてから0.4秒(誘発遅延)後である。L3ラインのすぐ後に、引き戻しが実際に開始された時を示すL4ラインがある。約5.3秒のところにあるL5ラインは、引き戻しが終了した時を示す。この図1Cは、管腔または血管内の血液除去状態を検出し、プローブが管腔または血管を通して引き戻されるOCTデータ収集と引き戻し順序の1つまたは両方を誘発することに関して、下記の概念に対する前後関係を提供する。
【0038】
上記に紹介されたように、図1Bはフラッシュ除去検出方法50を一部において概略したフローチャートである。図1Bに示されるように、1つの実施形態では、最初のステップは、1つ以上の画像データフレームなど、OCTデータの最初または次のフレームを取得することである(ステップ10)。次に、1つの実施形態では、下記に概説するように画像データが準備される(ステップ12)。上述のクオリティ測定基準と半径パラメータも計算される(ステップ14および16)。図1Bのプロセスの次のステップには、ソフトウェア実行を使用して調節され得る、さまざまな入れ子のループおよび決定木を含む。
【0039】
例えば、図1Bに示されるように、フレームまたは収集されたOCTデータを評価して、完全除去状態が検出されたかどうかを決定する(ステップ18)。答えが「はい」の場合、次のステップで、誘発遅延タイムアウトが起こったかどうかを決定する(ステップ20)。1つの実施形態では、「誘発遅延タイムアウト」は、誘発遅延タイマーが終了した時に起こる。もしこれがまだ起こっていない場合は、プロセスはフレームを取得し続け、ステップ10に戻る。誘発遅延タイムアウトが起こると、引き戻しが誘発される(ステップ21)。
【0040】
ステップ18に戻ると、完全除去状態が検出されなかった場合、ステップ22でのプロセスフローが開始され、このような決定は完全除去フレームが検出されるかまたは生じた場合に行われる。1つの実施形態では、フレームの半径測定基準が最小半径以上の時に完全除去フレームが検出され、または生じ、フレームのクオリティ測定基準は最高クオリティ以下である。しかし、完全除去フレームの他の状態が、さまざまな実施形態で使用できる。同様に、1つの実施形態では、本明細書に記述されている、または特定のソフトウェア実施形態で定義された完全除去状態は、完全除去フレーム基準を満たす連続フレームの数が最小フレームと同じになった時に起こるか、または同状態の信号が送られる。
【0041】
ステップ22に関しては、答えが「はい」の場合、初期除去フレーム数が増やされる(ステップ24)。また、初期除去フレーム数が増やされた場合には、このような増加ステップの後、次のステップでは、完全除去フレーム数が初期最小フレームパラメータを満たすかまたは超えているかどうかを決定する(ステップ27)。ステップ27の状態が満足されると、「完全除去状態であり、誘発遅延タイマーを開始する」ステップ30が開始される。次にシステムは「次のフレームを取得する」ステップ10に進む。前と同様に、ステップ20からは引き戻しが誘発される(ステップ21)か、または追加的フレームが取得される(ステップ10)。
【0042】
ステップ22で完全除去フレームが検出されない場合、次のステップは、初期除去状態が検出されたかどうかを評価する(ステップ33)。答えが「はい」の場合、初期除去状態が検出されたことを示し、次のステップでは初期除去タイムアウトが起こったかどうかを決定する(ステップ35)。下記に記述のように、1つの実施形態では、初期除去タイムアウトは、完全除去がその時間内に検出されなかった場合、引き戻しが誘発されるように、初期除去状態が検出された時に開始される時間である。このタイムアウトが起こった場合、プロセスフローはステップ21に進み、引き戻しが誘発される。対照的に、ステップ33の間に初期除去状態が検出されなかった場合は、プロセス50は、評価されているフレームが初期除去フレームであるかどうかを判断し続ける(ステップ37)。初期除去フレームがない場合、プロセスはステップ10に戻って次のフレームを評価する。しかし、ステップ37で初期除去フレームがある場合は、次のステップでは初期除去フレーム数を増加させる(ステップ39)。次に、初期除去フレーム数が、除去フレームの初期最小数以上であるかどうかの決定が行われる(ステップ42)。最小数以上でない場合、プロセスはステップ10を継続する。しかし、除去フレームの初期数が初期最小フレーム数の閾値を超えるかまたは満たす場合、初期除去状態が検出されたと見なされる。結果として、誘発遅延タイマーよりも長い初期除去タイマーが開始される(ステップ45)。次にプロセスは次のフレームを取得しながらステップ10を継続する。初期除去タイムアウトが起こる場合、初期除去タイマーが終了した時に、引き戻しが誘発される。この目的は、バックアップ措置として、最適でない除去の場合でも引き戻しが起こることを保証することである。1つの実施形態では、このような状況の間、引き戻しは、初期除去タイマーが終了した時に、初期除去タイムアウトが起こると誘発され得る。図1Bを詳細に考察してきたが、対象管腔の除去状態に対応したOCTデータ誘発に関する他の実施形態を考慮することが有益である。
【0043】
(構成)
1つの実施形態では、本明細書に記述の方法は、本明細書記述の方法の性能を変更して操作者が対象結果を生成するために使用され得るいくつかの設定可能なパラメータを有する。これらのいくつかは、図1Bに参照されている。これらには以下を含む:
ボックスカーのサイズ(フレーム数でのボックスカーの深度は画像データのフレーム平均化を行うために使用される)。1つの実施形態では、値は1、2、4、および8を含み得る。しかし、他の値を使用するか、またはこの機能を無効化することができる。
最高クオリティは、1つの実施形態において、除去フレームに対して許される最高クオリティ測定基準である。このパラメータは無次元である(より小さな値はより良い除去を示す)。2つの最高クオリティ値は入力データとして使用され、初期最高クオリティは初期除去または初期除去状態を表し、最高クオリティは1つの実施形態において完全除去または完全除去状態(本明細書では互換的に使用される)を表す。
最小半径は、1つの実施形態において、除去フレームに対して許される最小半径測定基準である。値は一般的にミクロン単位で、カテーテル半径の外側の最小半径を示す(下記)。1つの実施形態では、2つの最小半径値が入力データとして使用され、初期最小半径は初期除去を表し、最小半径は1つの実施形態において完全除去を表す。
最小フレームは、1つの実施形態において、除去が誘発される前に最高クオリティ未満のクオリティ測定基準および最小半径を超える半径測定基準を持つ連続フレームの最小数である。1つの実施形態では、2つの最小フレーム値は、入力データとして使用され、初期最小フレームは初期除去に対して使用され、最小フレームは完全除去に対して使用される。
初期除去タイムアウトは、初期除去が検出された後のミリ秒または別の時間単位での時間で、1つの実施形態では完全除去のその検出は継続する。この時間内に完全除去が検出されない場合は、引き戻しが誘発される。このタイムアウトの例示的用途については図1Bのステップ35を参照のこと。
誘発遅延は、ミリ秒または別の時間単位での時間で、完全除去状態が検出された後であるが、引き戻しが誘発される前に経過する。1つの実施形態では、本方法のソフトウェアまたはプログラム実施形態での誘発遅延設定は、誘発遅延タイムアウト時間を設定するために使用される。
【0044】
(初期化)
1つの実施形態では、除去状態を検出するためのコンピュータベースの方法が初期化される時、以下の2つのパラメータの値が決定される。これらはカテーテル半径と中央値である。1つの実施形態では、サンプル画像またはデータセットのカテーテル半径は、「カテーテルの物理的なサイズ+15%」として計算される。1つの実施形態では、この半径より近い画像データには除去は考慮されない。従って、除去状態に関して判断を行う時、カテーテル自体の周りに広がる緩衝容量は無視される。
【0045】
さらに、コンピュータは、最初のフレームに対するバックグラウンド定数または中央値を決定する。コンピュータは一般的に、そのフレームの画像データのヒストグラムを作成することによって中央値を生成する。この場合、1つの実施形態では、中央値は、OCT計器(またはシステム)の「ノイズレベル」にもなる。計器は、光システムと電子機器、光システムとカテーテルの間の光カプラーユニット、および光カテーテルを含む。ノイズレベルは、残留電子ノイズ、および強度ノイズとショットノイズなどの非干渉光と返還光によって生成される光ノイズを含む。定義により、第一のフレームは除去されていないため、カテーテルの近くの画像は血液散乱がほとんどを占める。しかし、この場合のOCT強度(干渉信号)は、距離とともに急速に減少し、約100または約200umを超えたところでノイズレベルに達する。さらに、スキャン範囲が約5mm(5000um)のため、このフレームの中央値はノイズレベルとなる。
【0046】
(準備)
各フレームが取得されるにつれ、そのフレームの画像データが、図1Bに示されるようなフラッシュ除去検出方法による処理のために準備される。このデータ準備の目的は、データの量を減らし処理手順を簡素化することであり、その理由は除去状態を検出するために必要な解像度は画像化のための解像度よりも小さいからである。データの量を減らすために、ラインあたりの画像サンプルおよびフレームあたりのラインを減らす。例えば、1つの実施形態では、ラインあたり640を超えるサンプルがある場合、サンプルは4倍減らされ、そうでなければ、サンプルは2倍減らされ、フレームあたりのラインは2倍減らされる。他のデータ処理および不必要なデータの抽出を必要に応じて適用することができる。
【0047】
ボックスカーのサイズパラメータが1より大きい場合、画像データは作動しているボックスカー平均に含まれる。ボックスカーのサイズは、平均化のフレーム深度として使用され、新しいフレームが平均化に加えられ、平均に含まれるフレームの数がフレーム深度を超えるにつれ、最も古いフレームが差し引かれる。1つの実施形態では、この平均はサンプルごとに行われる。
【0048】
除去状態の検出および/またはその誘発のための方法の一つの実施形態では、赤血球細胞、「透明な液体」、ステント支柱、および動脈壁といった4つの特異的な散乱源が仮定されている。ステント支柱は、動脈壁に近いか、または非常に小さな角度で対しているか、またはその両方であると仮定される。
【0049】
理想的には、血管の除去に対しては、「透明な液体」、ステント支柱および動脈壁のみが散乱因子である。「透明な液体」の散乱強度は、フレーム1の中央値(median)であり、これは上記で決定されたように、計器ノイズレベルである。この値は、バックグラウンドを補正するために、すべての後続フレームから差し引かれ得る。これにより、各サンプル(sample)の強度(Intensity)値が得られる(以下の式の「max」は最大値):Intensity=max(0, Sample−Median)
【0050】
1つの実施形態では、強度が計算される時に、カテーテル半径の内側の画像データは無視されるか、ゼロ設定される。除去フレームでは、動脈壁からの散乱および壁をやや越えた散乱は、視認可能なはずである。血管壁への半径を角度の関数として測定することにより、これはかなり平滑な曲線を形成するはずである。さらに、除去された血管に対しては、各角度での血管壁半径についての散乱分布はかなり小さいはずである。全く除去されていない血管では、線維の非常に近くに赤血球細胞があり、小さな有効半径を生じる。部分的に除去された血管では、線維と血管壁との間に分布した赤血球細胞があり、有効半径をわずかに減少させるが、血管壁から離れた散乱の著しい分布を示す。結果として、ソフトウェアベースの方法は、画像の2つの測定基準である有効動脈半径測定基準と除去クオリティ測定基準を計算する。
【0051】
(半径測定基準の計算)
図2は、OCT画像のグラフ表示(非極性)であり、半径測定基準計算プロセスの第一のステップで計算されたライン半径値を示す。1つの実施形態では、第一のステップは、フレーム内のプローブの各回転角度に対するライン半径を計算することである。例として、図2の本発明の例示的実施形態に従って、特定のライン半径値をプロットする。1つの実施形態では、各ライン半径値を計算するには、各ラインの強度重心を以下のように計算する(ここでcrはカテーテル半径で、nはラインあたりの減少サンプル数で、iは1からmの範囲までのライン番号である)。
【0052】
【数1】

【0053】
従って、ライン半径値の使用は、血管の実際の物理的半径に対する近似値を計算する方法を提供し、OCT信号の固有特性に(上述のように)依存する。ここで、除去された血管の信号強度は、OCT信号が組織内の距離に伴って急速に減衰するため、血管壁の近くに高度に局在している。この信号(「ライン半径」)の重心の位置は、血管壁の内側の近くで起こり、血管表面上で起こるわけではない。従来的な境界発見技術では、半径が物理的表面上に局在するが、さらに計算的に集約的なプロセスが必要である。従って、強度を物理的半径の代用または代理として使用することは、管腔半径または断面形状を迅速に決定するOCTシステムの能力を劇的に向上させる。位置とクオリティ測定基準などの対象パラメータを決定するために、さまざまな強度分布モーメントを比較し得る。
【0054】
従って、このライン半径値は、計算上効率的(1つの加算と2つの累積)であるが、血管表面で実際の管腔境界を高精度で突き止めようとするものではない。そのため、これは従来型の管腔直径を正確に測定するためには適切でないが、除去領域の優れた予想を提供する。もう1つの革新的ステップは、かなり低位の調和級数を使用してライン半径の平滑近似を計算することである(下記に示す)。
【0055】
【数2】

【0056】
JはAとBパラメータに関して最小化され、mは画像フレームあたりのライン数(各画像フレームは360度のカテーテル回転を表す)、AとBは重み付け係数、pは調波数で典型的には3以下である。仮定円形動脈のカテーテル偏心に対して、回転角度の関数としてのカテーテル中心から管腔端までの距離はシヌソイド関数に従うため、サイン関数とコサイン関数が使用される。1つの実施形態では、ここで定義される曲線近似級数Jまたはサイン関数とコサイン関数の級数の次数は5以下である。データ平滑化プロセスは、OCTシステムで使用しているガイドワイヤーによって生じる影などの、OCT血管内画像に特有の人為的影響を効率的に除去する。
次に、角度の関数としての平滑化半径形状は:
【0057】
【数3】

【0058】
有効除去半径測定基準は、フレームのすべてのラインにわたるSmoothRadius(平滑半径)の最大値である。この値はサンプル中にあり、カテーテルの外側のサンプルの除去の最大半径を表す。平滑半径値の例が図3に示されている。図3は、図2に示されているのと同じ画像であるが、本明細書に提供されているアプローチを使用して決定された特定の平滑半径値SRを示すプロット曲線が追加されている。
【0059】
(クオリティの計算)
次に、コンピュータシステムで決定された、動脈壁などの血管壁についての散乱の分布を考慮することは有益である。これを行うために、図4に示されるように、ソフトウェアは、フレームの各ラインに対して分散(Variance)、または平滑半径についての散乱の分布を計算する。これは以下のように、各ラインに対する平均二乗分布として計算される:
【0060】
【数4】

【0061】
強度(信号)が、平滑半径の非常に近くに局在している場合、分散項は小さくなる。分散値Vのプロットが図4に示されている。クオリティ測定基準は、分散および有効動脈半径測定基準を使用して以下のように計算できる(「mean」は平均、「Radius」は半径):
【0062】
【数5】

【0063】
クオリティ測定基準(またはQualityと呼ばれる)の単位は無次元で、画像の除去のクオリティが向上するにつれ、この測定基準の値は減少する(より低いクオリティ測定基準値はより良い除去を意味する)。以下の表に示されるように、このシンプルな分散は、OCT画像の特徴的特性の間の差を増幅することにより、除去されていない状態、部分的に除去された状態および完全に除去された状態の計算上効率的な区別を可能にする。
【0064】
【表1】

【0065】
(除去状態の決定)
1つの実施形態では、半径およびクオリティ測定基準値が一度計算されると、テストされるべき2つの潜在的除去状態(完全除去状態と初期除去状態)が存在することとなる。1つの実施形態では、1つの血液除去状態で十分である。現在のフレームの除去状態を決定する時、プローブに接続されているコンピュータシステムのメモリに常駐するソフトウェアは、画像が完全除去状態にあるかどうかを検出する。この血液除去状態は、動脈または他の血管の造影を開始できるように、画像で十分な除去が検出されたことを示す。このフレームの半径測定基準値が最小半径設定よりも大きく、クオリティ値が最高クオリティの下限設定よりも小さい場合、このフレームは「完全除去」であると決定される。しかし、「完全除去」フレームの数が最小フレーム設定以上になるまで完全除去状態は検出されない。これらの基準のすべてが満たされたとき、引き戻しが誘発される。
【0066】
第二の状態の初期除去は、ある程度の除去が画像に検出されたことを示す。このフレームの半径測定基準値が初期最小半径設定よりも大きく、クオリティ測定基準値が初期最高クオリティの下限設定(>完全除去下限)よりも小さい場合、このフレームは「初期除去」されている。しかし、連続「初期除去」フレームの数が初期最小フレーム設定と同じになるまで、初期除去状態は検出されない。初期除去が検出された時に初期除去タイムアウト時間が開始され、完全除去がその時間内に検出されなかった場合、引き戻しが誘発される。
【0067】
(臨床実施)
上記のコンピュータベースの方法は、計算が効率的であり、サイズ、カテーテルのイメージングコアに対する相対的位置、および相対的形状が除去前に分かっていない動脈から散乱血液がいつ除去されたかを決定するのに効果的である。
【0068】
1つの臨床実施では、別の因子が考慮され得る。特に、OCTデータ収集プロセス中に、生理食塩水または放射線不透過性造影剤(「コントラスト」または「染料」)の少量のボーラス注入を行うことが望ましい。これらの造影剤注入は一般的に、約5mlから最大で約20mlの範囲である。造影剤は、透視(X線)画像中の血管の概要を介入心臓専門医または他のOCT操作者に示し、治療(ステントの配置、カテーテルの位置等)をガイドする上で非常に貴重である。造影剤は光学的に透明なため、有効なフラッシュ剤である。それ故、ボーラスサイズが小さすぎて完全な引き戻しOCT画像を生成できず、これらの少量の造影剤注入が誤った誘発を招くことに対して、OCTシステムは保護されなければならない。
【0069】
従って、1つの実施形態では、コンピュータベースの方法は、システムが有効化されている時に誘発に対して「作動可能状態」となり、これは次の除去イベントがOCTイメージングのためのボーラスサイズによることを示し、または、いくつかの注入順序が事前プログラムされている自動注入ポンプと通信することで誘発に対して「作動可能状態」となる(例えば、「造影剤注入」および「OCT画像データ収集」)。OCT画像データ収集のための注入が選択されると、ポンプはこれをOCTシステムに伝達し、これによってフラッシュ除去検出方法および誘発方法を作動可能状態にする。この伝達は、標準シリアル通信ラインなどのいくつかのメカニズムを介して起こり得る。多くの最新の注入ポンプは、X線システムへの類似の通信を促進するので、この能力を既に備えている。
【0070】
さらに、この通信セットアップを通して、臨床有効性および患者の安全性を向上することができる。例えば、イオン化X線放射(がんのリスクにつながる細胞損傷または変異)および過剰な造影剤への暴露の両方を制限することが望ましく、これは放射線不透過性物質(典型的にはヨウ素)は大量の場合に毒性があり、腎障害または完全な腎不全に関連しているからである。従って、造影剤をフラッシュ剤として使用し、OCT画像とX線機器の両方を同期させることによって、他方のクオリティを低下させたり影響を与えたりすることなく、OCTおよび透視画像を同時に作成することができる。造影剤は、その粘度のため、低粘度の生理食塩水で必要とされるフラッシング容量よりも少量のボーラスと、ずっと低速のフラッシュ速度が可能となる。結果として、造影剤をフラッシュとして使用することには追加的な患者安全性の利点があり、これは生理食塩水の使用で必要とされる高いフラッシュ速度が動脈壁を損傷し得るためである。上記のコンピュータベースの方法は、使用されるOCT波長で光学的に十分透明である限り、使用されるフラッシュ媒体のタイプに影響されない。1つの実施形態では、臨床的使用目的に対して十分なクオリティのOCT画像が生成される程度まで、ヘマトクリットレベルが減少した時に、十分な除去が起こる。
【0071】
特にフラッシュ媒体の手動注入(シリンジ)が使用されている場合、ポンプとの通信の代替策は、フラッシュ配送メカニズムでライン内の滅菌圧力センサーを使用することである。例えば、市販の使い捨て血圧変換器を、フラッシングに使用するシリンジに直接取り付けることができる。変換器からの信号は、自動ポンプからの信号と同様に検出される。2つの基本方法の1つでOCT記録を制御するために、どちらの信号でも使用できる。
【0072】
第一の方法では、最小記録サイズ、すべての画像記録および引き戻しが、コンピュータベースの方法からのポジティブ除去信号の到来と同時に起こる。最大25%長い記録を生成する第二の方法では、画像記録はフラッシュ信号が(ポンプまたは変換器から)受信されたときに開始されるが、引き戻しはポジティブ除去信号が受信されたときに始まる。結果生じる記録は、スキャンの固定部分および引き戻しが起こった時の部分を示す。第二の方法の利点は、記録が実際の除去を捕捉し、コンピュータベースの方法をさらに精緻化するために使用できるということである。
【0073】
(OCT方法およびシステム実施のための非限定的ソフトウェア機能および実施形態)
本発明は、多くの異なる形式で具体化でき、これにはプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、または汎用コンピュータ)とともに使用するコンピュータプログラム論理、プログラム可能論理デバイス(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のPLD)とともに使用するプログラム可能論理、個別部品、統合回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))または、そのいずれの組み合わせを含む他の手段が含まれるが、これに限定されない。本発明の典型的な実施形態では、OCTプローブおよびプロッセッサベースのシステムを使用して収集されたデータの処理の一部またはすべては、コンピュータ実行可能形式に変換された一連のコンピュータプログラム命令として実施され、コンピュータ可読媒体などに記憶され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行される。従って、クエリー応答および入力データは、OCTデータ生成、血液除去状態の誘発、管腔形状を決定するための強度の使用、組織画像、OCT画像、トリガー、フラッシュモニタリング、信号処理、画像の信号対ノイズ評価、画像の比較、信号処理、人為的影響の除去、他の機能および上述の実施形態に適した、プロセッサが理解可能な命令に変換される。
【0074】
本明細書に上述された機能のすべてまたは一部を実施するコンピュータプログラム論理は、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、およびさまざまな中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカー、またはロケーターによって生成される形式)を含むがこれに限定されないさまざまな形式で具体化され得る。ソースコードは、さまざまなオペレーティングシステムまたは動作環境で使用するための、さまざまなプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、またはFortran、C、C++、JAVA、またはHTMLなどの高レベル言語)で実行される一連のコンピュータプログラム命令を含む。ソースコードは、さまざまな構造および通信メッセージを定義および使用する場合がある。ソースコードは、(例えば、解釈プログラムを介した)コンピュータ実行可能形式であるか、またはソースコードはコンピュータ実行可能形式に変換(例えば翻訳プログラム、アセンブラ、またはコンパイラを介して変換)され得る。
【0075】
コンピュータプログラムは、半導体メモリ装置(例えばRAM、ROM、PROM、EEPROM、フラッシュプログラム可能RAM)、磁気メモリ装置(例えば、ディスクまたは固定ディスク)、光学メモリ装置(例えばCD-ROM)、PCカード(例えばPCMCIAカード)、または他のメモリ装置などの有形記憶媒体中に、いずれの形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、または中間形式)で恒久的または一時的に固定され得る。コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、インターネットワーキング技術を含むがこれに限定されないさまざまな通信技術のいずれのものを使用して、コンピュータに伝送できる信号のいずれの形式に固定され得る。コンピュータプログラムは、付随する印刷または電子文書の付いたリムーバブル記憶媒体(例えば、市販ソフトウェア)としていずれの形式で配布されるか、コンピュータシステム(例えば、システムROMまたは固定ディスク)に事前ロードされるか、サーバまたは電子掲示板から通信システム(例えば、インターネットまたはワールド・ワイド・ウェブ(WWW))で配布され得る。
【0076】
本明細書で既述の機能のすべてまたは一部を実行するハードウェア論理(プログラム可能論理装置とともに使用するプログラム可能論理を含む)は、従来のマニュアル方法を使用して設計でき、または、コンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(VHDLまたはAHDL)、またはPLDプログラミング言語(例えばPALASM、ABEL、またはCUPL)などのさまざまなツールを使用して設計、捕捉、シミュレーション、または電子的に文書化し得る。
【0077】
プログラム可能論理は、半導体メモリ装置(例えばRAM、ROM、PROM、EEPROM、フラッシュプログラム可能RAM)、磁気メモリ装置(例えば、ディスクまたは固定ディスク)、光学メモリ装置(例えばCD-ROM)、または他のメモリ装置などの有形記憶媒体中に、恒久的または一時的に固定され得る。プログラム可能論理は、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、インターネットワーキング技術を含むがこれに限定されないさまざまな通信技術のいずれのものを使用して、コンピュータに伝送できる信号に固定され得る。プログラム可能論理は、付随する印刷または電子文書の付いたリムーバブル記憶媒体(例えば、市販ソフトウェア)として配布されるか、コンピュータシステム(例えば、システムROMまたは固定ディスク)に事前ロードされるか、サーバまたは電子掲示板から通信システム(例えば、インターネットまたはワールド・ワイド・ウェブ(WWW))で配布され得る。
【0078】
適切な処理モジュールのさまざまな例を、以下にさらに詳細に考察する。本明細書で使用される場合、モジュールとは、特定のデータ処理またはデータ伝送タスクを実行するのに適したソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアを指す。一般的に、好ましい実施形態では、モジュールとは、命令、またはOCTスキャンデータ、干渉計信号データ、クロック信号、関心領域のタイプ、式、および他の関心のある情報などのさまざまなタイプのデータを受信、変換、ルーティングおよび処理するのに適したソフトウェアルーチン、プログラム、または他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0079】
本明細書に記述のコンピュータおよびコンピュータシステムは、データの取得、処理、記憶および/または通信に使用されるソフトウェアアプリケーションを記憶するためのメモリなど、動作上関連するコンピュータ可読媒体を含み得る。当然のことながら、このようなメモリは、動作上関連するコンピュータまたはコンピュータシステムに関して内部、外部、リモートまたはローカルであり得る。
【0080】
メモリは、例えば、ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、PROM(プログラム可能ROM)、EEPROM(拡張消去可能PROM)、および/または他の同様のコンピュータ可読媒体を含むがこれに限定されない、ソフトウェアまたは他の命令を記憶するためのすべての手段も含む。
【0081】
一般的に、本明細書に記述の発明の実施形態に関連して適用されるコンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム可能装置によって実行される命令を記憶できるメモリ媒体を含み得る。該当する場合、本明細書に記述の方法のステップは、コンピュータ可読メモリ媒体上に記憶された命令として具体化または実行され得る。これらの命令は、C++、C、Javaなどのさまざまなプログラミング言語、および/または本発明の実施形態に従って命令を作成するために適用され得る他の種類のソフトウェアプログラミング言語で具体化されるソフトウェアであり得る。
【0082】
当然のことながら、本発明の図および説明は、本発明を明確に理解するために関連する要素を説明するために簡略化されており、明確にするために他の要素を除去している。しかしながら、当業者であれば、これらおよび他の要素が望ましい場合があることを認識する。ただし、このような要素は当技術分野ではよく知られており、それらが本発明の理解を助けることはないため、このような要素の考察は本明細書では提供されていない。当然ながら、図は例示する目的で示されており、組み立て図として示されているわけではない。省略された詳細および変更または代替的実施形態は、当業者であれば視野内にある。
【0083】
本発明の特定の態様では、要素または構造を提供するため、または特定の機能を実施するために、単一コンポーネントを複数コンポーネントで置き換えることができ、複数コンポーネントを単一コンポーネントで置き換えることができる。本発明の特定の実施形態を実践するためにこのような置換が有効でない場合を除いて、このような置換は本発明の範囲内であると見なされる。
【0084】
本明細書に示された例は、本発明の潜在的および特定の実施を説明するためのものである。当然のことながら、例は主に、当業者に対する本発明の説明を目的としている。本明細書に記述されたこれらの図または操作には、本発明の精神を逸脱することなく変形が存在し得る。例えば、特定の例では、方法のステップまたは操作は、異なる順序で実施または実行でき、または操作を追加、削除、または変更し得る。
【0085】
さらに、本発明の特定の実施形態は、本発明を説明する目的で本明細書に記述されており、これを限定する目的で記述されているわけではない一方、当業者であれば、請求項に記述されている本発明から逸脱することなく、本発明の原理および範囲内で、要素、ステップ、構造、および/または部品の詳細、材料および配置の多くの変形を作ることができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の長さにおいて光干渉断層撮影データ収集を誘発するコンピュータ実施方法であって、
前記血管内に配置された光干渉断層撮影プローブを使用して、前記血管内の位置に関する光干渉断層撮影データを収集するステップと、
コンピュータを使用して、前記血管に対して収集された光干渉断層撮影データの1つ以上のフレームの血液除去を示すパラメータを決定するステップと、
前記パラメータを使用して、血液除去状態が起こったか否かを判断するステップと、
前記血液除去状態に応じてトリガー信号を生成するステップと、
を含む、コンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記トリガー信号に応じて、縦方向の光干渉断層撮影データ収集を誘発するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
縦方向の光干渉断層撮影データ収集の開始前に時間遅延タイムアウトが起こる、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記パラメータが、血管壁散乱、血管クオリティ値、血管除去半径、複数の血管強度値、ライン半径、クオリティ測定基準、除去半径、クオリティ値、完全除去フレームおよび初期除去フレームから成るグループから選択される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記パラメータを決定するステップが、強度値が前記血管の境界に相関するように、少なくとも1つの当該強度値または少なくとも1つの強度由来位置を使用して実行される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの強度値が、前記光干渉断層撮影データから生成された少なくとも1つの画像中の各放射状線に沿った強度分布の重心位置を表す、請求項5に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記重心の位置が前記血管の壁内にある、請求項6に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
カテーテル鞘内での強度データが除外されるように、強度分布の重心を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
コンピュータを使用して、前記重心が前記強度分布の第一モーメントとして近似される、請求項8に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記重心の位置が、サイン関数とコサイン関数を含む級数を使って複数の半径の関数を適合させるステップを実行するコンピュータを使用して決定される、請求項6に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
最大または最小除去半径が前記級数を使用して決定される、請求項10に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記血管の壁からの散乱を検出することによって前記除去半径が決定される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
検出された前記血管の除去領域についての散乱と前記除去半径を使用して前記クオリティ値が決定される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記クオリティ係数が、強度位置分散と最大除去半径の比により、コンピュータを使用して決定される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
前記パラメータが、強度偏差と最大除去半径の比により、コンピュータを使用して決定されたクオリティ測定基準である、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項16】
前記パラメータが、前記強度分布の二次モーメントを前記強度分布の一次モーメントと比較することにより、コンピュータを使用して決定されたクオリティ測定基準である、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項17】
電子メモリ装置と、
前記メモリ装置と通信する電子プロセッサと、
を含む、光干渉断層撮影データ収集を誘発するためのコンピュータシステムであって、
前記メモリ装置は、前記プロセッサによって実行された際に、
血管に関する光干渉断層撮影データを収集する動作と、
前記血管に対して収集された光干渉断層撮影データの各フレームの除去半径を決定する動作と、
前記除去半径を使用して、血液除去状態が起こったか否かを決定する動作と、
前記血液除去状態に応じてトリガー信号を生成する動作と、
を前記プロセッサに起こさせる命令を含む、
コンピュータシステム。
【請求項18】
前記命令がさらに、前記プロセッサに前記トリガー信号に応じた光干渉断層撮影データの収集および光干渉プローブの引き戻しを開始させる、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記命令がさらに、前記プロセッサに前記血管を通じて光干渉プローブの引き戻しを開始させる、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
強度値が前記血管の境界と相関するように、前記プロセッサが少なくとも1つの当該強度値を使用して前記除去半径を決定する、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項21】
前記血管の壁からの光の散乱を使用して、前記プロセッサが前記除去半径を決定する、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項22】
初期除去状態または完全除去状態の検出によって前記血液除去状態が決定される、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項23】
プロセッサと、
回転可能な光ファイバーを含む光干渉断層撮影プローブと、
を含む、光干渉断層撮影データ収集システムであって、
前記プロセッサは、血液除去パラメータに基づいて前記プロセッサにより決定された血液除去状態に応じて、血管を通じた前記光干渉断層撮影プローブの引き戻しを誘発するようにプログラムされている、
光干渉断層撮影データ収集システム。
【請求項24】
前記血液除去パラメータが、血管壁散乱、血管クオリティ値、血管除去半径、複数の血管強度値、ライン半径、およびクオリティ測定基準から成るグループから選択される、請求項23に記載の光干渉断層撮影データ収集システム。
【請求項25】
前記血液除去パラメータが、前記血管の壁の強度に応じて決定される除去半径である、請求項23に記載の光干渉断層撮影データ収集システム。
【請求項26】
前記プロセッサが、前記引き戻しの少なくとも一部の間に前記回転可能な光ファイバーからのデータを収集する、請求項23に記載の光干渉断層撮影データ収集システム。
【請求項27】
前記血管が冠状動脈である、請求項23に記載の光干渉断層撮影データ収集システム。
【請求項28】
クオリティ測定基準が所定の閾値に達した場合に前記引き戻しが開始されるように前記プロセッサがプログラムされている、請求項23に記載の光干渉断層撮影データ収集システム。
【請求項29】
フレームごとに前記血液除去状態が起こったか否かを前記プロセッサが決定する、請求項23に記載の光干渉断層撮影データ収集システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−506136(P2013−506136A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531009(P2012−531009)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/049891
【国際公開番号】WO2011/038048
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.BLUETOOTH
3.フロッピー
【出願人】(509128672)ライトラブ イメージング, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】