説明

箱体

【課題】補強材を別途用意することなく、側壁部を補強することができる箱体を提供する。
【解決手段】4つの側壁部11,12,13,14からなる四角筒状の本体部1と、本体部1の一方の開口端側の延設された第1及び第2内フラップ部21,22、並びに第1及び第2外フラップ部23,24と、本体部1の他方の開口端側に延設された第3及び第4内フラップ部32、並びに第3及び第4外フラップ部とを備える箱体において、第1及び第2内フラップ部21,22に切線を設けて、側壁部11,12に対向するように本体部1の内側へ折れ曲がり、第3及び第4内フラップ部32に当接する第1及び第2当接補強板片21a,22aを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4つの側壁部からなる四角筒状の本体部、及び該本体部の両開口端側に延設されたフラップ部を備える箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
被収容物、例えばDVDレコーダを収容する箱体は、ダンボールからなり、4枚の側壁部からなる四角筒状の本体部、該本体部の両開口端側に夫々延設された2枚の内フラップ部及び2枚の外フラップ部を備えている。
2枚の内フラップ部を本体部の内側方向へ折り曲げ、次いで2枚の外フラップ部を折り曲げることで、本体部の一方の開口を閉塞する底部が構成される。
そして、被収容物を収容した箱体の他方の開口端側に延設された内フラップ部及び外フラップ部を順に本体部の内側方向へ折り曲げることで、本体部の他方の開口が覆われる。
【0003】
また、内フラップ部の一部を、本体部の内側へ折り曲げ、折り曲げられた板片によって被収容物の部品、例えばプラグなどを保護するように構成した箱体が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−91766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の箱体においては、箱体を積み上げた場合、荷重が箱体の側壁部に加わり、側壁部が拉げ、収容物が損傷する虞があった。
特許文献1に係る箱体においては、本体部の内側へ折り曲げられた板片は、被収容物を保護するが、側壁部を補強することはできない。
従って、箱体の側壁部を補強するために、箱体とは別に用意した補強材を箱体に収容する必要があった。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、側壁部に対向するように本体部の内側に折れ曲がり、フラップ部に当接することで、側壁部を補強する当接補強板片を他のフラップ部に備えることにより、補強材を用意することなく、側壁部を補強することができる箱体を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、当接補強板片が側壁部に面接触するように構成することにより、当接補強板片が、箱体の容積を圧迫することを避けることができる箱体を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、側壁部に係止する係止部を当接補強板片に備えることにより、当接補強板片が復元力により側壁部から離れることを防ぐことができ、確実に側壁部を補強することができる箱体を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、当接補強板片と、側壁部とが平行的に離隔するように構成することにより、当接補強板片と、該当接補強板片に対向する2枚の側壁部との間夫々に、2つの被収容物を収容することができる箱体を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、本体部の一方の開口端側から他方の開口端側へ拡幅する形状の当接補強板片を備えることにより、緩衝体を当接補強板片の縁に沿わせて、拡幅方向へ移動させることで、緩衝体を容易に収容することができる箱体を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、当接補強板片に、本体部の中央側に折り曲げられた板片を備えることにより、板片を備えない場合に比べて、より効果的に側壁部を補強することができる箱体を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、当接補強板片に倣う外枠を有するフラップ部を備えることにより、外枠を備えない場合に比べて、箱体の開口をより広く覆うことができる箱体を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、フラップ部に係止する部分を当接補強板片に備えることにより、当接補強板片が復元力によりフラップ部から離れることを防ぐことができ、確実に側壁部を補強することができる箱体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る箱体は、4つの側壁部からなる四角筒状の本体部と、該本体部の両開口端側に夫々延設されたフラップ部とを備え、該フラップ部を前記本体部の内側方向へ折り曲げて前記本体部の開口を覆うようにしてある箱体において、一方の開口端側の前記フラップ部は、前記側壁部に対向するように前記本体部の内側へ折れ曲がり、他方の開口端側の前記フラップ部に当接する当接補強板片を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、一方の開口端側のフラップ部が有する当接補強板片が、本体部の内側に折れ曲がり、他方の開口端側のフラップ部に当接している。従って、本体部の一方の開口端側から荷重が加えられた場合、該荷重は当接補強板片及び側壁部に分配される。
【0015】
本発明に係る箱体は、前記当接補強板片と、該当接補強板片を有する前記フラップ部が延設された前記側壁部とは面接触していることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、当接補強板片は、フラップ部が延設された側壁部に面接触しているため、該当接補強板片が収容体の容積を圧迫することはない。また、当接補強板片及び側壁部が面接触しているため、当接補強板片及び側壁部が離隔している場合に比べて、該側壁部は、より強く補強される。
【0017】
本発明に係る箱体は、前記当接補強板片が、該当接補強板片を有する前記フラップ部が延設された前記側壁部に係止する係止部を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、当接補強板片の係止部が、フラップ部の延設された側壁部に係止するため、当接補強板片は、該当接補強板片が延設された側壁部から離れることはない。従って、当接補強板片が側壁部から離れて、荷重が側壁部に集中することはない。
【0019】
本発明に係る箱体は、前記当接補強板片と、該当接補強板片を有する前記フラップ部が延設された前記側壁部とは平行的に離隔していることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、フラップ部が延設された側壁部と当接補強板片とが平行的に離隔しているため、仕切板を備えることなく、当接補強板片と当接補強板片に対向する2枚の側壁部との間に、2つの空間が形成される。
【0021】
本発明に係る箱体は、前記当接補強板片は、前記本体部の一方の開口端側から他方の開口端側へ拡幅する形状であることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、本体部の一方の開口端側から他方の開口端側へ拡幅する形状の当接補強板片を有するため、被収容物を収容する場合、特に当接補強板片が拡幅する方向へ移動させる場合、被収容物は、当接補強板片の縁に沿って案内されて、箱体に収容される。
【0023】
本発明に係る箱体は、前記当接補強板片の折り曲げ線の端には、切り込みが入っており、折り曲げられた前記当接補強板片の前記切り込みに応じた箇所を、前記本体部の内側方向に折り曲げて形成した板片を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、当接補強板片に対して本体部の内側方向に曲成された板片を有しており、当接補強板片及び板片が、側壁部を補強している。従って、板状の当接補強板片のみで側壁部を補強する場合に比べて、より強固に側壁部を補強することができる。
なお、前記板片は、折り曲げ線の端に入った切り込みに応じた箇所を折り曲げることで曲成される。
【0025】
本発明に係る箱体は、前記フラップ部は、前記当接補強板片に倣う外枠を有していることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、フラップ部を構成する当接補強板片が他のフラップ部に当接して、側壁部を補強している場合、フラップ部が有している外枠が本体部の開口を覆う。従って、フラップ部が外枠を有さない場合に比べて、箱体の開口部をより広く覆う。
【0027】
本発明に係る箱体は、前記当接補強板片が、前記本体部の他方の開口端側に延設された前記フラップ部に係止する部分を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、当接補強板片が有する前記部分は、他方の開口端側に延設されたフラップ部に係止するため、当接補強板片がフラップ部から離れることはない。従って、当接補強板片がフラップ部から離れて、荷重が側壁部に集中することはない。
【発明の効果】
【0029】
本発明にあっては、側壁部を補強する当接補強板片をフラップ部に備えることにより、補強材を別途用意することなく、側壁部を補強することができる。
また、側壁部を補強するための補強材を製造し、箱体に収容する必要がないため、被収容物を箱体に収容する作業性が向上し、コストを低減することができる。
【0030】
本発明にあっては、当接補強板片が、箱体の容積を圧迫することを避けることができる。
【0031】
本発明にあっては、当接補強板片が復元力により側壁部から離れることを防ぐことができ、確実に側壁部を補強することができる。
【0032】
本発明にあっては、当接補強板片と、該当接補強板片に対向する2枚の側壁部との間夫々に、2つの被収容物を収容することができる。
【0033】
本発明にあっては、緩衝体を当接補強板片に沿って、拡幅方向へ移動させることで、緩衝体を容易に収容することができる。
【0034】
本発明にあっては、板片を備えない場合に比べて、より効果的に側壁部を補強することができる。
【0035】
本発明にあっては、外枠を備えない場合に比べて、箱体の開口をより広く覆うことができる。
【0036】
本発明にあっては、当接補強板片が復元力によりフラップ部から離れることを防ぐことができ、確実に側壁部を補強することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る開口した箱体の略示斜視図、図2は、閉口した箱体の略示斜視図、図3は、図2のIII−III線断面図、図4は、図2のIV−IV線断面図である。
本発明の実施の形態1に係る箱体は、ダンボールからなり、略長方形の4枚の側壁部11,12,13,14からなる四角筒状の本体部1を備えており、本体部1の対向する2枚の側壁部11,12を補強するように構成されている。
【0038】
側壁部11,12には、本体部1の一方の開口端側に略長方形の第1内フラップ部21及び第2内フラップ部22が延設されている。また、他の2枚の側壁部13,14には、第1外フラップ部23及び第2外フラップ部24が延設されている。
また、第1及び第2内フラップ部21,22が延設されている2枚の側壁部11,12には、本体部1の他方の開口端側に略長方形の第3内フラップ部31及び第4内フラップ部32が延設されている。第1及び第2外フラップ部23,24が延設されている2枚の側壁部13,14には、他方の開口端側に略長方形の第3外フラップ部33及び第4外フラップ部34が延設されている。
【0039】
第1内フラップ部21は、本体部1の内側に折れ曲がり、第1内フラップ部21が延設されている側壁部11に面接触し、先端が第3内フラップ部31に当接することで側壁部11を補強する第1当接補強板片21aと、第1当接補強板片21aに倣う第1外枠21bとから構成されている。第1当接補強板片21a、及び第1外枠21bは、第1内フラップ部21に切線を入れることで構成される。
第1当接補強板片21aは、側壁部11に対する第1内フラップ部21の折り曲げ線と同一線上にある折り曲げ線を有し、該折り曲げ線を有する一方の開口端側から、他方の開口端側へ拡幅する略台形状である。第1当接補強板片21aの台形の高さは、側壁部11の開口方向の幅と同寸法である。
また、第2内フラップ部22も、第1内フラップ部21と同形状及び同寸法の第2当接補強板片22a及び第2外枠22bから構成されている。
なお、第1及び第2当接補強板片21a,22aを構成するダンボールの川の流れ方向は、本体部1の開口方向である。つまり、前記ダンボールは、2枚の紙材と、2枚の紙材に挟まれていて、波形に折り曲げられた補強紙材とを備えており、箱体は、該補強紙材の折り曲げ線の方向が、本体部1の開口方向に略一致するように構成されている。
【0040】
第1乃至第4外フラップ部23,24,33,34は、同形状であり、本体部1の内側方向へ折り曲げた場合、本体部1の開口を覆うことができる寸法を有しており、図2に示すように第1乃至第4内フラップ部21,22,31,32が本体部1の内側方向へ折り曲げられ、次いで第1乃至第4外フラップ部23,24,33,34が本体部1の内側方向へ折り曲げられることで、本体部1の開口は覆われている。
【0041】
箱体の使用方法を説明する。まず、図1に示すように、箱体の第3及び第4内フラップ部31,32を本体部1の内側方向へ折り曲げ、次いで第3及び第4外フラップ部33,34を内側に折り曲げることで本体部1の底部を構成する。
【0042】
図5は、開口した箱体の第1及び第2当接補強板片21a,22aが側壁部11,12に面接触した状態にある箱体の略示斜視図である。
底部を構成した場合、次いで、図5に示すように、第1内フラップ部21及び第2内フラップ部22の第1及び第2当接補強板片21a,22aを本体部1の内側へ折り曲げて、側壁部11,12に面接触させ、第1当接補強板片21a及び第2当接補強板片22aの先端部を夫々第3内フラップ部31及び第4内フラップ部32に当接させることで、側壁部11,12を補強する。
【0043】
図6は、被収容物A及び緩衝体Bを収容した箱体を示す略示斜視図である。
図6に示すように、略直方体の被収容物A、例えばDVDレコーダの両端に、外部から被収容物Aに加わる衝撃を緩和する緩衝体Bを外嵌させ、箱体内に収容する。緩衝体Bを、第1及び第2当接補強板片21a,22aの拡幅方向へ移動させて、箱体に収容する場合、緩衝体Bは、箱体の外部から内部へ、第1及び第2当接補強板片21a,22aの縁に沿うように移動するため、緩衝体B及び被収容物Aを容易に収容することができる。
【0044】
図7は、第1及び第2内フラップ部21,22を本体部1の内側方向へ折り曲げた状態にある箱体の略示斜視図、図8は、第1及び第2内フラップ部21,22を本体部1の内側方向へ折り曲げた状態にある箱体の略示平面図である。
次に、図7及び図8に示すように、第1及び第2内フラップ部21,22、特に第1及び第2外枠21b,22bを本体部1の内側方向へ折り曲げる。
そして、図2に示すように、第1及び第2外フラップ部23,24を本体部1の内側方向へ折り曲げて、本体部1の開口を覆う。
このようにして、箱体の使用者は、側壁部11,12を補強する補強材を別途用意することなく、箱体の側壁部11,12を補強して、被収容物Aを箱体に収容することができる。なお、図7及び図8では、作図の便宜上被収容物A及び緩衝体Bを省略している。
【0045】
実施の形態1に係る箱体にあっては、側壁部11,12を補強する補強材を別途用意することなく、第1及び第2内フラップ部21,22が有する第1及び第2当接補強板片21a,22aによって、箱体の側壁部11,12を補強することができる。
例えば、効果的に箱体の外部から加わる衝撃を吸収するために、緩衝体Bをより柔らかく構成した場合であっても、箱体に加わる荷重を、側壁部11,12と、第1及び第2当接補強板片21a,22aとで支えることができ、側壁部11,12が拉げることを防ぐことができる。
また、側壁部11,12を補強するための補強材を製造し、箱体に収容する必要がないため、被収容物Aを箱体に収容する作業性が向上し、コストを低減することができる。
【0046】
更に、第1及び第2当接補強板片21a,22aを側壁部11,12に面接触させることにより、第1及び第2当接補強板片21a,22aが本体部1の容積を圧迫することを避けることができる。
【0047】
更にまた、第1及び第2当接補強板片21a,22aと、側壁部11,12とが離隔している場合に比べて、側壁部11,12をより強固に補強することができる。
【0048】
更にまた、第1及び第2当接補強板片21a,22aは略台形状であるため、本体部1に被収容物A及び緩衝体Bを第1及び第2当接補強板片21a,22aの縁に沿って、容易に収容することができる。
【0049】
更にまた、第1及び第2内フラップ部21,22は、第1及び第2外枠21b,22bを有しているため、外枠を有さない構成に比べて、箱体の開口をより広く覆うことができる。
【0050】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る開口した箱体の略示斜視図、図10は、箱体の略示側断面図、図11は、開口した箱体の略示平面図である。
実施の形態2に係る箱体は、第1及び第2内フラップ部121,122の構成が実施の形態1に係る箱体と異なるため、以下では主に上記相違点について説明する。
【0051】
実施の形態2に係る箱体の第1内フラップ部121は、第1内フラップ部121が延設されている側壁部11に対して平行的に離隔するように、本体部1の内側に折れ曲がり、先端が第3内フラップ部31に当接することで側壁部11を補強する第1当接補強板片121aと、第1当接補強板片121aに倣う第1外枠121bとから構成されている。第1外枠121bは、第1当接補強板片121aと側壁部11との間に、第1矩形開口部121cを形成している。
【0052】
第1当接補強板片121aは、側壁部11に対する第1内フラップ部121の折り曲げ線に対して略平行であり、該折り曲げ線から離隔している折り曲げ線を有する矩形状である。また、第1当接補強板片121aの開口方向の幅は、側壁部11の開口方向の幅と同寸法である。
【0053】
また、第2内フラップ部122は、第1内フラップ部121と同形状及び同寸法の第2当接補強板片122a及び第2外枠122bから構成されている。第2外枠122bは、第1外枠121bと同様の第2矩形開口部122cを形成している。
【0054】
実施の形態2に係る箱体にあっては、側壁部11と第1当接補強板片121aとの間、第1当接補強板片121aと第2当接補強板片122aとの間、及び第2当接補強板片122aと側壁部12との間夫々に、被収容物Aを収容することができる。
【0055】
また、第1外枠121b及び第2外枠122bは、第1矩形開口部121c及び第2矩形開口部122cを形成しているため、第1当接補強板片121a及び第2当接補強板片122aを折り曲げて側壁部11,12を補強した後、第1矩形開口部121c及び第2矩形開口部122cから、他の被収容物Aを収容することができる。
【0056】
実施の形態2に係る箱体の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る箱体の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0057】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る開口した箱体の略示斜視図、図13は、箱体の略示側断面図である。
実施の形態3に係る箱体は、第1及び第2内フラップ部221,222、並びに第3及び第4内フラップ部231,232の構成が実施の形態1に係る箱体と異なるため、以下では主に上記相違点について説明する。
【0058】
実施の形態3に係る箱体の第1内フラップ部221は、本体部1の内側に折れ曲がり、第1内フラップ部221が延設されている側壁部11に面接触し、先端が第3内フラップ部231に当接することで側壁部11を補強する第1当接補強板片221aと、第1当接補強板片221aに倣う第1外枠221bとから構成されている。
【0059】
第1当接補強板片221aは、側壁部11に対する第1内フラップ部221の折り曲げ線と同一線上にある折り曲げ線を有し、該折り曲げ線を有する一方の開口端側から、他方の開口端側へ拡幅する略台形状である。
また、第1当接補強板片221aは、第3内フラップ部231に当接する辺の略中央部に、第3内フラップ部231に係止する第1係止凸部221cを形成しており、第3内フラップ部231は、第1係止凸部221cが係止する凹部231aを、折り曲げ線の略中央部に形成している。
【0060】
また、第2内フラップ部222は、第1内フラップ部221と同形状及び同寸法の第2当接補強板片222a及び第2外枠222bから構成されている。第2当接補強板片222aは、第1当接補強板片221aと同様の第2係止凸部222cを形成している。また、第4内フラップ部232は、第2係止凸部222cが係止する凹部232aを形成している。
【0061】
図14は、開口した箱体の第1当接補強板片221a及び第2当接補強板片222aが側壁部11,12に面接触した状態にある箱体の略示斜視図である。
図14に示すように、第2当接補強板片222aを、本体部1の内側へ折り曲げ、第2内フラップ部222が延設されている側壁部12に面接触させた場合、第2当接補強板片222aの第2係止凸部222cが、第4内フラップ部232の凹部232aに係止し、第2当接補強板片222aは第4内フラップ部232に係止する。
【0062】
また、第1当接補強板片221aも同様にして、本体部1の内側へ折り曲げ、第1内フラップ部221が延設されている側壁部11に面接触させた場合、第1当接補強板片221aの第1係止凸部221cが、第3内フラップ部231の凹部231aに係止し、第1当接補強板片221aは第3内フラップ部231に係止する。
【0063】
実施の形態3に係る箱体にあっては、第1当接補強板片221a及び第2当接補強板片222aが復元力により側壁部11,12から離れることを防ぎ、確実に側壁部11,12を補強することができる。
【0064】
実施の形態3に係る箱体の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る箱体の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0065】
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4に係る箱体の略示側断面図である。
実施の形態4に係る箱体は、第1及び第2内フラップ部321,322、並びに側壁部311,312の構成が実施の形態1に係る箱体と異なるため、以下では主に上記相違点について説明する。
【0066】
実施の形態4に係る箱体の第1内フラップ部321は、本体部1の内側に折れ曲がり、第1内フラップ部321が延設されている側壁部311に面接触し、端部が第3内フラップ部31に当接することで側壁部311を補強する第1当接補強板片321aと、第1当接補強板片321aに倣う第1外枠321bとから構成されている。
【0067】
第1当接補強板片321aは、側壁部311に対する第1内フラップ部321の折り曲げ線と同一線上にある折り曲げ線を有し、一方の開口端側から、他方の開口端側へ拡幅する略台形状である。
また、第1当接補強板片321aは、第3内フラップ部31に当接する辺の略中央部に、側壁部311に係止する第1係止凸部321cを形成しており、側壁部311は、第1係止凸部321cが係止する凹部311aを形成している。
【0068】
また、第2内フラップ部322は、第1内フラップ部321と同形状及び同寸法の第2当接補強板片322a及び第2外枠322bから構成されている。第2当接補強板片322aは、第1当接補強板片321aと同様の第2係止凸部322cを形成している。また、側壁部312は、第2係止凸部322cが係止する凹部312aを形成している。
【0069】
実施の形態4に係る箱体にあっては、第1当接補強板片321a及び第2当接補強板片322aが復元力により側壁部311,312から離れることを防ぎ、確実に側壁部311,312を補強することができる。
【0070】
実施の形態4に係る箱体の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る箱体の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0071】
(実施の形態5)
図16は、本発明の実施の形態5に係る開口した箱体の略示斜視図、図17は、箱体の略示平面図である。
実施の形態5に係る箱体は、第1及び第2内フラップ部421,422の構成が実施の形態1に係る箱体と異なるため、以下では主に上記相違点について説明する。
【0072】
第2内フラップ部422は、本体部1の内側に折れ曲がり、第2内フラップ部422が延設されている側壁部12に面接触し、先端が第4内フラップ部32に当接することで側壁部12を補強する矩形の第2当接補強板片422aと、第2当接補強板片422aに倣う第2外枠421bとから構成されている。
【0073】
第2当接補強板片422aは、側壁部12に対する第2内フラップ部422の折り曲げ線と同一線上にある折り曲げ線を有している。第2当接補強板片422aを本体部1の内側に折り曲げる前の折り曲げ線の両端には、切り込みが入っていて、第2当接補強板片422aは、本体部1の内側へ折り曲げられ、側壁部12に面接触した状態で、横方向両側の第2板片422c,422cが本体部1の内側方向へ折り曲げられている。また、第2当接補強板片422aの、開口方向の幅は、側壁部12の開口方向の幅と同寸法である。
【0074】
また、第1内フラップ部421は、第2内フラップ部422と同形状及び同寸法の第1当接補強板片421a、第1板片、及び第1外枠421bから構成されている。第1板片は、図16に示した第1補強板片421aを内側に折り曲げ、横方向両側の第1板片を本体部1の内側方向へ折り曲げることで形成される。
【0075】
実施の形態5に係る箱体にあっては、第1板片及び第2板片422c,422cを備えない場合に比べて、より効果的に側壁部11,12を補強することができる。
【0076】
実施の形態5に係る箱体の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る箱体の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0077】
(実施の形態6)
図18は、本発明の実施の形態6に係る開口した箱体の略示斜視図である。
実施の形態6に係る箱体は、第1及び第2内フラップ部521,522の構成が実施の形態1に係る箱体と異なるため、以下では主に上記相違点について説明する。
【0078】
第2内フラップ部522は、実施の形態1と同様の第2当接補強板片522aと、第2外枠522bとから構成されている。第2当接補強板片522aは、横方向両側が本体部1の内側に曲げられた第2板片522c,522cを有している。
【0079】
また、第1内フラップ部521は、第2内フラップ部522と同様の第1当接補強板片521a、及び第1外枠521bから構成されている。第1当接補強板片521aは、横方向両側に第1板片と同様の第1板片を有している。
【0080】
実施の形態6に係る箱体にあっては、第1板片及び第2板片522c,522cを備えない場合に比べて、より効果的に側壁部11,12を補強することができる。
【0081】
実施の形態6に係る箱体の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る箱体の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0082】
(実施の形態7)
図19は、本発明の実施の形態7に係る開口した箱体の略示斜視図、図20は、箱体の略示側断面図である。
実施の形態7に係る箱体は、第1及び第2内フラップ部621,622の構成が実施の形態1に係る箱体と異なるため、以下では主に上記相違点について説明する。
【0083】
実施の形態7に係る箱体の第1内フラップ部621は、複数の第1当接補強板片621a,621cと、第1当接補強板片621a,621cに倣う第1外枠621bとから構成されている。第1当接補強板片621a,621cは、実施の形態1の第1当接補強板片21aと同様、本体部1の内側に折れ曲がり、第1内フラップ部621が延設されている側壁部11に面接触し、先端が第3内フラップ部31に当接することで側壁部11を補強している。
【0084】
また、第2内フラップ部622は、第1当接補強板片621a,621cと同様の第2当接補強板片622a,622c、第2外枠622bとから構成されている。
【0085】
実施の形態7に係る箱体にあっては、複数の第1当接補強板片621a,621c及び第2当接補強板片622a,622cによって、側壁部11,12をより強固に補強することができる。
また、第1及び第2内フラップ部621,622に単一の第1及び第2当接補強板片を備えた場合、箱体が大きくなる程、側壁部11,12の補強に必要な第1及び第2当接補強板片も大きくなり、折り曲げにくくなるが、第1及び第2内フラップ部621,622に複数の第1及び第2当接補強板片621a,621c,622a,622cを備えることにより、第1及び第2当接補強板片621a,621c,622a,622cの折り曲げ作業が容易になり、コストを低減させることができる。
【0086】
実施の形態7に係る箱体の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る箱体の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態1に係る開口した箱体の略示斜視図である。
【図2】閉口した箱体の略示斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】開口した箱体の第1及び第2当接補強板片が側壁部に面接触した状態にある箱体の略示斜視図である。
【図6】被収容物及び緩衝体を収容した箱体を示す略示斜視図である。
【図7】第1及び第2内フラップ部を本体部の内側方向へ折り曲げた状態にある箱体の略示斜視図である。
【図8】第1及び第2内フラップ部を本体部の内側方向へ折り曲げた状態にある箱体の略示平面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る開口した箱体の略示斜視図である。
【図10】箱体の略示側断面図である。
【図11】開口した箱体の略示平面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る開口した箱体の略示斜視図である。
【図13】箱体の略示側断面図である。
【図14】開口した箱体の第1当接補強板片及び第2当接補強板片が側壁部に面接触した状態にある箱体の略示斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態4に係る箱体の略示側断面図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る開口した箱体の略示斜視図である。
【図17】箱体の略示平面図である。
【図18】本発明の実施の形態6に係る開口した箱体の略示斜視図である。
【図19】本発明の実施の形態7に係る開口した箱体の略示斜視図である。
【図20】箱体の略示側断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 本体部
11,12,13,14 側壁部
21 第1内フラップ部
21a 第1当接補強板片
21b 第1外枠
22 第2内フラップ部
22a 第2当接補強板片
22b 第2外枠
23 第1外フラップ部
24 第2外フラップ部
31 第3内フラップ部
32 第4内フラップ部
33 第3外フラップ部
34 第4外フラップ部
121 第1内フラップ部
122 第2内フラップ部
121c 第1矩形開口部
122c 第2矩形開口部
221c 第1係止凸部
222c 第2係止凸部
421c 第1板片
422c 第2板片
A 被収容物
B 緩衝体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの側壁部からなる四角筒状の本体部と、該本体部の両開口端側に夫々延設されたフラップ部とを備え、該フラップ部を前記本体部の内側方向へ折り曲げて前記本体部の開口を覆うようにしてある箱体において、
一方の開口端側の前記フラップ部は、
前記側壁部に対向するように前記本体部の内側へ折れ曲がり、他方の開口端側の前記フラップ部に当接する当接補強板片を有している
ことを特徴とする箱体。
【請求項2】
前記当接補強板片と、該当接補強板片を有する前記フラップ部が延設された前記側壁部とは面接触している
ことを特徴とする請求項1に記載の箱体。
【請求項3】
前記当接補強板片は、
該当接補強板片を有する前記フラップ部が延設された前記側壁部に係止する係止部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の箱体。
【請求項4】
前記当接補強板片と、該当接補強板片を有する前記フラップ部が延設された前記側壁部とは平行的に離隔している
ことを特徴とする請求項1に記載の箱体。
【請求項5】
前記当接補強板片は、
前記本体部の一方の開口端側から他方の開口端側へ拡幅する形状である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の箱体。
【請求項6】
前記当接補強板片の折り曲げ線の端には、切り込みが入っており、折り曲げられた前記当接補強板片の前記切り込みに応じた箇所を、前記本体部の内側方向に折り曲げて形成した板片を備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の箱体。
【請求項7】
前記フラップ部は、
前記当接補強板片に倣う外枠を有している
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の箱体。
【請求項8】
前記当接補強板片は、
前記本体部の他方の開口端側に延設された前記フラップ部に係止する部分を備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の箱体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−153437(P2007−153437A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355214(P2005−355214)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】