説明

箱体

【課題】展開された箱体の幅寸法を短縮することができ、箱体のコストを低減することができるとともに、抜止片が過剰に嵌入されるのを防ぐことができる箱体を提供する。
【解決手段】外蓋5の先端縁5aに、複数箇所にて欠除された欠除部51を設け、該欠除部51間に封緘片6及び封緘片6を基部から折るための第3折目10を配し、封緘片6が嵌入される第1長孔31を、箱本体1の第1側板12に第1折目2を介して連なる内蓋3の第1折目2から離隔した位置に設け、その基部が第1側板12にあり、該基部から内蓋3に亘って略U字形をなす抜止片8を切目7により設け、抜止片8が嵌入される第2長孔22を封緘片6の基部に設け、抜止片8が第2長孔22へ嵌入される方向へ移動するのを規制する規制部24を切目7に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄型テレビジョンなどの被収容物を収容するための段ボール箱等の箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
被収容物を収容して梱包するための段ボール紙製の箱体は特許文献1に記載されている。図12は特許文献1に記載された箱体の構成を示す展開図、図13は特許文献1に記載された箱体の構成を示す斜視図である。この箱体は、平面視四角形をなし、底部を有する箱本体100と、該箱本体100の対向する2枚の第1側板101,102の一方に第1折目103を介して連なる内蓋104と、他方の第1側板102に第2折目105を介して連なる外蓋106と、該外蓋106の先端縁に連なる封緘片107と、その基部が一方の第1側板101にあり、該基部から内蓋104に亘って略U字形をなす抜止片108とを備え、封緘片107が嵌入される第1長孔109を内蓋104に設けてあり、抜止片108が嵌入される第2長孔110を封緘片107の基部に設けてある。また、封緘片107は外蓋106の先端縁から外方へ突出しており、第1長孔109は第1折目103に沿って開設されている。
【0003】
このように構成された箱体は、箱本体100内へ被収容物を収容した後、内蓋104を第1折目103から折り、さらに外蓋106を第2折目105から折り、封緘片107を第1長孔109に嵌入した後、抜止片108を第2長孔110に嵌入することにより梱包される。
【0004】
また、箱体は帯状をなす段ボール紙を所定長さの所定形状に打抜き成形されるとともに、所定個所に複数の折目、長孔及び切目が設けられ、折目夫々から折ることにより箱体が組立てられる。また、帯状の段ボール紙は50mm単位で定尺幅が変わり、定尺幅に対応した価格で販売される。
【0005】
図14は薄型テレビジョンが梱包される従来の段ボール紙製の箱体の構成を示す展開図、図15は展開された従来の箱体の周方向となる両端を結合する際の説明図、図16は従来の箱体に薄型テレビジョンが梱包される前の状況を示す説明図、図17は従来の箱体の蓋部分を拡大した斜視図、図18は従来の箱体の外蓋が封緘される前の状況を示す説明図、図19は従来の箱体に薄型テレビジョンが梱包された状態を示す斜視図である。この箱体は、図12,図13に示す特許文献1記載の箱体と基本的に同様に構成されているため、同様の部品については同じ符号を付する。箱体が梱包する薄型テレビジョンは高さよりも横方向長さが長く、比較的大型であるため、図14に示すように帯状をなす段ボール紙の幅方向一方側に内蓋104、外蓋106及び封緘片107が配される。
【特許文献1】実開昭60−78716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1記載の箱体と同様に構成された従来の箱体は、封緘片107が外蓋106の先端縁から外方へ突出しており、第1折目103に沿って内蓋104に開設されている第1長孔109に封緘片107が嵌入されるように構成されているため、定尺幅内に封緘片107を配することができる帯状の段ボール紙を打抜き成形する必要があり、段ボール紙のコスト、ひいては箱体のコストが高くなり、改善策が要望されていた。また、封緘片107が外蓋106の先端縁から外方へ突出しているため、展開された箱体の周方向となる両端を接着剤等で結合するとき、展開された箱体の幅方向両端の位置決めが行い難く、図15に示すように結合端が位置ずれし易く、変形した箱体になり易いという問題もあった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は外蓋に、先端縁の複数箇所にて欠除された欠除部を設け、該欠除部間に、封緘片及び封緘片を基部から折るための第3折目を配し、内蓋に、封緘片が嵌入される第1長孔を第1折目から離隔して設けることにより、封緘片が外蓋の先端縁よりも突出するのをなくし、展開された箱体の幅寸法を短縮することができ、箱体の材料費、ひいては箱体のコストを低減することができ、さらに、抜止片が第2長孔へ嵌入される方向へ移動するのを規制する規制部を、抜止片を形成するための切目に設けることにより、抜止片が過剰に嵌入されるのを防ぐことができる箱体を提供することにあり、また、他の目的は展開された箱体の周方向となる両端を接着剤等で結合するとき、展開された箱体の幅方向両端を位置決めすることができる箱体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る箱体は、平面視四角形をなす箱本体と、該箱本体の対向する2枚の第1側板の一方に第1折目を介して連なり、該第1折目と平行的に第1長孔を開設してある内蓋と、第1側板の他方に第2折目を介して連なる外蓋とを備え、その基部が前記一方の第1側板にあり、該基部から前記内蓋に亘って抜止片を切目により設けてあり、前記第1長孔に嵌入される封緘片を第3折目を介して前記外蓋に設けてあり、前記抜止片が嵌入される第2長孔を前記封緘片の基部に設けてある箱体において、前記外蓋は、先端縁の2箇所にて欠除された欠除部を有し、該欠除部間に前記封緘片及び第3折目を配してあり、前記第1長孔は前記第1折目から離隔して配してあり、前記抜止片が前記第2長孔へ嵌入される方向へ移動するのを規制する規制部を前記切目に設けてあることを特徴とする。
【0009】
この発明にあっては、外蓋の先端縁に複数の欠除部があり、欠除部間に封緘片及び封緘片を基部から折るための第3折目を配してあるため、封緘片が外蓋の先端縁よりも突出するのをなくすることが可能であり、展開された箱体の幅寸法を短縮することができ、しかも、抜止片が第2長孔へ嵌入される方向へ移動するのを規制部により規制することができるため、抜止片が過剰に嵌入されるのを防ぐことができ、抜止片を第2孔から容易に抜出すことができ、開梱作業性を高めることができるとともに、抜止片周りの閉塞状態を保つことができる。
【0010】
また、本発明に係る箱体は、前記抜止片は、基部及び先端部間の両側縁が平行的であり、前記切目は、平行的に対向する二つの対向縁部を有し、前記規制部は、前記対向縁部の前記内蓋側に配してある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1折目から横方向へ折曲げられる内蓋に規制部があるため、箱体の厚さを部分的に厚くすることなく、既存の内蓋の表裏面間に規制部を配することができ、規制部によるコスト増をなくし得る。
【0011】
また、本発明に係る箱体は、前記規制部は、前記対向縁部の長手方向と交差して配してある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、切目の途中に直角状の角部を生じさせることなく規制部を配することができるため、規制部の捲れがなく、規制部での規制機能を保つことができる。
【0012】
また、本発明に係る箱体は、前記対向縁部は、前記内蓋側の間隔を第1側板側の間隔よりも狭くしてあり、該対向縁部の内蓋側が第1側板側と連なる箇所に前記規制部を配してある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、規制部が第1折目に連なるため、規制部の剛性を高めることができ、抜止片の規制状態を維持し易い。
【0013】
また、本発明に係る箱体は、前記外蓋は、前記第2長孔に連なり、前記抜止片を前記第2長孔へ案内する案内凸部を有する構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、抜止片を第2長孔に嵌入する際、抜止片の先部を案内凸部が案内するため、抜止片の第2長孔への嵌入が行い易く、抜止片の嵌入作業性、ひいては梱包作業性を高めることができる。
【0014】
また、本発明に係る箱体は、前記案内凸部は、前記第2長孔の両端間で湾曲している構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第2長孔の両端間で案内凸部が湾曲しており、案内凸部による角部がないため、段積みされた上側の箱体が横方向へ摺動する際に案内凸部が捲れるのを防ぐことができ、案内凸部の形態を保つことができる。
【0015】
また、本発明に係る箱体は、前記封緘片は、前記先端縁及び第2折目間に配してある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、外蓋の先端縁よりも外部へ封緘片が突出していないため、展開された箱体の周方向となる両端を接着剤等で結合するとき、展開された箱体の幅方向両端の位置決めを容易に行うことができ、前記周方向となる両端を位置ずれさせることなく正確に結合することができ、位置ずれによる箱体の不良率を低減できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外蓋の先端縁に複数の欠除部があり、欠除部間に封緘片及び封緘片を基部から折るための第3折目を配してあるため、外蓋の先端縁よりも外部へ封緘片が突出するのをなくすることが可能であり、展開された箱体の幅寸法を短縮することができ、しかも、抜止片が第2長孔へ嵌入される方向へ移動するのを規制部により規制することができるため、抜止片が過剰に嵌入されるのを防ぐことができ、抜止片を第2孔から容易に抜出すことができ、開梱作業性を高めることができるとともに、抜止片周りの閉塞状態を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る箱体の構成を示す展開図、図2は箱体の構成を示す斜視図、図3は箱体の蓋部分を拡大した斜視図、図4は抜止片が嵌入された状態を示す蓋部分の拡大斜視図、図5は外蓋が封緘される前の状態を示す斜視図、図6は外蓋が封緘されている状態の拡大断面図である。
【0018】
図2に示した箱体は平面視四角形をなす段ボール箱であり、図1の展開図に示すように、平面視四角形をなし、四つの底片11を有する段ボール紙製の箱本体1と、該箱本体1の一方向に対向する2枚の第1側板12,13の一方の上縁に第1折目2を介して連なる内蓋3と、他方の第1側板13の上縁に第2折目4を介して連なる外蓋5と、該外蓋5の先端部に配されている封緘片6と、その基部が第1側板12にあり、該基部から内蓋3に亘って略U字形をなし、切目7により形成されている抜止片8と、箱本体1の他方向に対向する2枚の第2側板14,14の上縁に第4折目20,20を介して連なる二つの天蓋9,9とを備える。
【0019】
箱本体1の第1側板12,13及び第2側板14,14は図1に示すように交互に配され、折目を介して互いに連なっており、一方の第2側板14の周方向となる一縁に折目を介して連なる結合片15が他方の第1側板13の周方向となる一縁部に結合されることにより略直方体に形成される。
【0020】
第1側板12,13の横方向長さは、第2側板14,14の横方向長さの約2.5倍に形成され、これに対応して第1折目2及び第2折目4の長さは、第4折目20,20の長さの約2.5倍、内蓋3及び外蓋5の長さは、第2側板14の長さの約2.5倍に夫々形成されており、組立てられた際、横長の略直方体となる。
【0021】
内蓋3及び外蓋5の幅寸法は、第2側板14,14の横方向長さとほぼ等しい寸法に形成されており、横長の略直方体に組立てられた際、内蓋3及び外蓋5夫々が箱本体1の天部を閉じ、箱体の剛性を高めるように構成されている。
【0022】
外蓋5の先端縁5aには、離隔した2箇所に略V字形をなす欠除部51,51を配してあり、該欠除部51,51間に、封緘片6及び封緘片6を基部から折るための第3折目10を配してある。
【0023】
欠除部51,51の深さ、及び封緘片6の高さは外蓋5の幅寸法の約1/6であり、封緘片6の基部に、第3折目10と、該第3折目10に沿う第2長孔22、及び第2長孔22に連なり、抜止片8を第2長孔22へ案内する案内凸部23とが設けられている。封緘片6は先端縁5aの中央部に配され、第2長孔22は封緘片6の長手方向中央部に配されている。第2長孔22は抜止片8の幅寸法に対応した長さに形成されている。
【0024】
案内凸部23は、第2長孔22に対応する箇所の第3折目10をなくし、外蓋5から第2長孔22に突出する凸片5bを設けることにより構成されており、図3に示すように封緘片6が第3折目10から折られたとき、凸片5bが、第2長孔22から外側に突出する案内凸部23となり、第2長孔22に嵌入される抜止片8の先部を第2長孔22に案内するようになっている。また、案内凸部23は第2長孔22の長辺と平行的に配されている。
【0025】
内蓋3の第1折目2に連なる基部で長手方向の中央部には、封緘片6が嵌入される第1長孔31が設けられている。第1長孔31は、封緘片6の高さ相当分第1折目2から離隔した位置に、第1折目2と平行的に配してある。また、第1長孔31は、封緘片6の長さに対応した長さで、封緘片6の厚さよりも若干広幅に形成されている。
【0026】
第1側板12の長手方向中央部で、第1折目2から離隔した位置には第5折目21が第1折目2と平行的に配してあり、該第5折目21から内蓋3の基部に亘って抜止片8が切目7により設けられている。
【0027】
切目7は抜止片8に対応して略U字形をなし、抜止片8の基部及び先端部間の両側縁と対向する二つの対向縁部7a,7aが平行的であり、対向縁部7a,7aの内蓋側が第1側板側と連なる箇所に、抜止片8が第2長孔22へ嵌入される方向へ移動するのを規制する規制部24,24を設けてある。
【0028】
二つの対向縁部7a,7aは、内蓋側の間隔を第1側板側の間隔よりも狭くしてあり、狭間隔の内蓋側が広間隔の第1側板側と連なる箇所に、第1折目2と連なる規制部24,24を、対向縁部7a,7aの長手方向と交差して配してある。
【0029】
抜止片8は、第5折目21の離隔距離に第1長孔31の離隔距離を加えた長さよりも長く形成されており、長手方向の途中で、第1折目2と対応する位置に、第6折目81が第1折目2と平行的に設けられ、対向縁部7a,7aと対向する両側縁に、規制部24,24に当接する当接部8a,8aが設けられている。
【0030】
当接部8a,8aは、切目7に対応して抜止片8の先端部を基部よりも狭幅とすることにより、狭幅先端部が広幅基部と連なる箇所に対向縁部7a,7aと交差して配してある。
【0031】
箱本体1の四つの底片11の二つは第1側板12,13の下縁に折目により連なり、残り二つは第2側板14,14の下縁に折目により連なっている。
【0032】
以上のように構成された箱体は、底片11、第1側板13及び外蓋5の幅寸法が加算された幅寸法H1に対応する定尺幅の帯状の段ボール紙が使用され、該帯状の段ボール紙が、二つの第1側板12,13、二つの第2側板14,14及び結合片15の長さが加算された長手寸法H2に裁断され、第1折目2等の複数の折目、外蓋5等の複数の部片、第1長孔31、切目7等が成形される(図1参照)。この際、外蓋5の先端部に設けられる封緘片6は、外蓋5の先端縁5aから突出させることなく、先端縁5aで窪む欠除部51,51間で、且つ先端縁5aと第2折目4との間に配してあるため、封緘片6の高さが加算されない幅寸法H1に対応した帯状の段ボール紙を使用することができる。因って、封緘片6の高さが加算された寸法に対応した帯状の段ボール紙を使用する従来の箱体に比べて1ランク低い帯状の段ボール紙により、封緘片6を有する箱体を形成することができ、箱体の材料費を低減でき、箱体のコストを低減できる。
【0033】
図7は展開された箱体の周方向となる両端を結合する際の説明図である。図1のように展開された箱体は、封緘片6が外蓋5の先端縁5aから突出していないため、展開された箱体の周方向となる両端を結合片15で結合するとき、展開された箱体の幅方向両側に位置決め部材を平行に配することができ、展開された箱体を両側の位置決め部材に沿って正確に二つ折りすることができ(図7参照)、結合片15を第1側板13の一縁部に正確に結合することができる。
【0034】
周方向となる両端が結合片15により結合された箱体は、非使用時に扁平につぶされており、使用時には箱本体1を略直方体に引き起こした状態で四つの底片11を折目から折り、外側の底片11が例えばステープル止めにより内側の底片11に固定され、蓋側(天側)が開放された箱本体1に組立てられる。
【0035】
図8は薄型テレビジョンAが梱包される前の状況を示す斜視図、図9は抜止片が過剰に嵌入された状態を示す説明図、図10は薄型テレビジョンが梱包された状態を示す斜視図である。組立てられた箱本体1に薄型テレビジョンAが収容された後、内蓋3が第1折目2から折られ、外蓋5が第2折目4から折られ、外蓋5の先端部に設けられている封緘片6が内蓋3の第1長孔31に嵌入され(図3参照)、抜止片8が第2長孔22に横方向から嵌入され(図4参照)、梱包される。
【0036】
この際、抜止片8の第5折目21は第1折目2に関して第1側板12側へ離隔しているため、抜止片8が第2長孔22に嵌入されるとき、抜止片8は第5折目21から折られ、抜止片8の先端部が横方向から第2長孔22に嵌入され、抜止片8の先端部は横方向に配される。また、第1長孔31は第1折目2に関して内蓋3側へ離隔し、第1長孔31に嵌入された封緘片6と抜止片8の基部との間に空間があるため、規制部24,24がない構成にあっては、図9に示すように抜止片8が第2長孔22に過剰に嵌入されることがある。しかし、切目7の途中に規制部24,24が設けられているため、抜止片8が横方向から第2長孔22に嵌入されたとき、抜止片8の当接部8a,8aが規制部24,24に当接し、過剰な嵌入を規制することができ、抜止片8周りの閉塞状態を保つことがでる。因って、梱包した箱体の品位を保つことができ、箱体の開梱時には、過剰に嵌入されていない抜止片8の第6折目81部分を容易に摘むことができ、抜止片8を第2長孔22から迅速に抜出すことができ、開梱作業性を高めることができる。
【0037】
また、第2長孔22に嵌入された抜止片8の先端部は図6に示すように外蓋5に沿って横方向に配されるため、箱体に収容する薄型テレビジョンと外蓋5との間の距離が比較的短い場合又は薄型テレビジョンに外力が加わるのを緩衝する緩衝体と外蓋5との間の距離が比較的短い場合においても抜止片8bの先端部が薄型テレビジョン又は緩衝体に当接して抜止片8を確実に嵌入することができなくなる事態をなくすることができ、抜止片8を第2長孔22に確実に嵌入することができる。
【0038】
尚、以上説明した実施の形態では切目7の二つの対向縁部7a,7aに規制部24,24を設けたが、その他、規制部24は二つの対向縁部7a,7aの一方にだけ設けてもよい。
【0039】
また、以上説明した実施の形態では、案内凸部23を、第2長孔22の長辺と平行的に配する構成としたが、その他、案内凸部23は第2長孔22の両端間で湾曲する構成としてもよい。図11は案内凸部23の他の構成を示す説明図である。この案内凸部23は、外蓋5から第2長孔22に突出する凸片5bが円弧状に湾曲しており(図11の(a) 参照)、図11の(b) に示すように封緘片6が第5折目21から折られたとき、凸片5bが、第2長孔22から外側へ円弧状に突出する案内凸部23となる。この実施の形態にあっては、案内凸部23による角部がないため、段積みされた上側の箱体が横方向へ摺動する際に案内凸部23が捲れるのを防ぐことができ、案内凸部23の形態を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る箱体の構成を示す展開図である。
【図2】本発明に係る箱体の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る箱体の蓋部分を拡大した斜視図である。
【図4】本発明に係る箱体の抜止片が嵌入された状態を示す蓋部分の拡大斜視図である。
【図5】本発明に係る箱体の外蓋が封緘される前の状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る箱体の外蓋が封緘されている状態の拡大断面図である。
【図7】展開された箱体の周方向となる両端を結合する際の説明図である。
【図8】本発明に係る箱体に薄型テレビジョンが梱包される前の状況を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る箱体の抜止片が過剰に嵌入された状態を示す説明図である。
【図10】本発明に係る箱体に薄型テレビジョンが梱包された状態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る箱体の案内凸部の他の構成を示す説明図である。
【図12】特許文献1に記載された箱体の構成を示す展開図である。
【図13】特許文献1に記載された箱体の構成を示す斜視図である。
【図14】薄型テレビジョンが梱包される従来の段ボール紙製の箱体の構成を示す展開図である。
【図15】展開された従来の箱体の周方向となる両端を結合する際の説明図である。
【図16】従来の箱体に薄型テレビジョンが梱包される前の状況を示す説明図である。
【図17】従来の箱体の蓋部分を拡大した斜視図である。
【図18】従来の箱体の外蓋が封緘される前の状況を示す説明図である。
【図19】従来の箱体に薄型テレビジョンが梱包された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 箱本体
12,13 第1側板
2 第1折目
3 内蓋
31 第1長孔
4 第2折目
5 外蓋
5a 先端縁
51 欠除部
6 封緘片
7 切目
7a 対向縁部
8 抜止片
10 第3折目
22 第2長孔
23 案内凸部
24 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視四角形をなす箱本体と、該箱本体の対向する2枚の第1側板の一方に第1折目を介して連なり、該第1折目と平行的に第1長孔を開設してある内蓋と、第1側板の他方に第2折目を介して連なる外蓋とを備え、その基部が前記一方の第1側板にあり、該基部から前記内蓋に亘って抜止片を切目により設けてあり、前記第1長孔に嵌入される封緘片を第3折目を介して前記外蓋に設けてあり、前記抜止片が嵌入される第2長孔を前記封緘片の基部に設けてある箱体において、前記外蓋は、先端縁の2箇所にて欠除された欠除部を有し、該欠除部間に前記封緘片及び第3折目を配してあり、前記第1長孔は前記第1折目から離隔して配してあり、前記抜止片が前記第2長孔へ嵌入される方向へ移動するのを規制する規制部を前記切目に設けてあることを特徴とする箱体。
【請求項2】
前記抜止片は、基部及び先端部間の両側縁が平行的であり、前記切目は、平行的に対向する二つの対向縁部を有し、前記規制部は、前記対向縁部の前記内蓋側に配してある請求項1記載の箱体。
【請求項3】
前記規制部は、前記対向縁部の長手方向と交差して配してある請求項2記載の箱体。
【請求項4】
前記対向縁部は、前記内蓋側の間隔を第1側板側の間隔よりも狭くしてあり、該対向縁部の内蓋側が第1側板側と連なる箇所に前記規制部を配してある請求項2又は3記載の箱体。
【請求項5】
前記外蓋は、前記第2長孔に連なり、前記抜止片を前記第2長孔へ案内する案内凸部を有する請求項1から4のいずれか一つに記載の箱体。
【請求項6】
前記案内凸部は、前記第2長孔の両端間で湾曲している請求項5記載の箱体。
【請求項7】
前記封緘片は、前記先端縁及び第2折目間に配してある請求項1記載の箱体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−23893(P2010−23893A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189075(P2008−189075)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】